JP2017057012A - 紙製容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤などの匂い漏れ防止性を有する紙製容器(紙管、重袋など)を提供することを目的とする。【解決手段】紙基材上に塗工層(A)を設けた紙製材料を用いて形成された容器であって、該塗工層(A)が水溶性高分子を含有することを特徴とする、食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤などの匂い成分の漏れ防止性を有する紙管、重袋などの紙製容器。さらに、前記紙基材と塗工層(A)の間に、顔料及び樹脂を含有する塗工層(B)を設けることにより、容器内の内容物への水分の影響を抑制できる。【選択図】なし

Description

本発明は、紙製容器に関する。具体的には食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤、化粧品などの匂い成分の漏れ防止性を有する紙管、重袋などの紙製容器に関する。
一般に、紙管は、主に紙、繊維、フィルム等を巻く為の軸として使用される。また、容器として用いられることもある。また、その強度を利用して家具や建築の材料として使用されるものもある。紙管は、クラフト紙や板紙などからなる帯状原紙の複数枚を互いにずらして重合接着させながらスパイラル状に巻着して形成するスパイラル紙管や、原紙を筒状に巻く平巻紙管などがある。紙管は、最近、環境負荷の低減やリサイクル性などの観点から、従来から使用されているプラスチック容器に代わるものとして着目されている。また、紙菅と同様にプラスチック容器の代替品として重袋も着目されている。
プラスチック容器の代替として、紙管や重袋などを用いる場合には、各種のバリア性を要求されるため、例えば、特許文献1に記載されているように、筒状体の両端に調湿性および汚染ガス吸着性を有する層を内側に備えた蓋を設けたり、防湿性および/またはガスバリア性を有する基材をさらに設けたりして、資料の保存性を高めた紙管が開示されている。また、特許文献2には、紙管本体の両端部に無塵紙粘着シートを貼着し、クリーンルーム内での使用を可能とした紙管が開示されている。
特許第4569216号公報 特開2007−31108号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されている紙管では、食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤などの匂いに対するバリア性がなく、改善が求められている。
そこで、本発明は、食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤などの匂い漏れ防止性を有する紙製容器(紙管、重袋など)を提供することを目的とする。
本発明は以下の[1]〜[4]を提供する。
[1] 紙基材上に塗工層(A)を設けた紙製材料を用いて形成された容器であって、該塗工層(A)が水溶性高分子を含有することを特徴とする、紙製容器。
[2] 前記紙製材料が前記紙基材と塗工層(A)の間に、顔料及び樹脂を含有する塗工層(B)を設けることを特徴とする、[1]に記載の紙製容器。
[3] 前記紙製容器が、複数の前記紙製材料を互いにずらしながら部分的に重ね合わせて接着した紙管であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の紙製容器。
[4] 前記紙製容器が、重袋であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の紙製容器。
本発明によれば、食品、香料、消臭剤、芳香剤、防虫剤、化粧品などの内容物の匂い漏れ防止性を有する紙製容器(紙管、重袋など)を提供することができる。また、紙製容器の内容物に容器外側の匂いが移るのを防ぐこともできる。加えて、本発明の紙製容器は、酸素バリア性、水蒸気バリア性を有するため内容物の酸化や湿気による固化を防ぐことができる。さらに、耐油性も有しているため内容物が油を含む場合でも、油が容器の外側に染み出すことを防ぐことができる。本発明の紙製容器は、紙でできているため、フィルムやプラスチック容器と比較して、環境負荷やリサイクル性に優れている。
本発明は、紙基材上に水溶性高分子を含有する塗工層(A)を設けた紙製材料を用いて形成された容器であることを特徴としている。さらに、塗工層(A)と紙基材の間に塗工層(B)が形成された容器であることを特徴としている。塗工層(A)を設けることにより、匂い成分や酸素などのガスが漏れることを防止する機能(本明細書においては、ガスバリア性ともいう)、耐油性を付与することができる。
本発明は、匂い漏れ防止性を有する紙製材料を複数枚ずらして重ねた紙管や匂い漏れ防止性を有する紙製材料を用いた重袋などの匂い漏れ防止性を有する紙製材料を用いた紙製容器に関する。
<紙基材>
本発明において紙基材とは、主としてパルプからなるシートであり、他に填料、各種助剤を含んでもよい。パルプとしては、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、古紙パルプ、ケナフ、竹、麻等から得られた非木材繊維等である。これらの素材を適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプが好ましい。化学パルプは、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好であり容器用の紙製材料として使用価値が高くなること、等の理由から適している。食品向けの容器として使用しない場合は古紙を含んでいてもよい。本発明の紙基材は、単層抄きでも多層抄きでもよい。本発明の紙基材の坪量は特に限定されないが、例えば一般的に用いられている30g/m2〜500g/m程度とすることができ、品種としては、上質紙、薄模造紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、片艶クラフト紙、重袋クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、カップ原紙、白板紙、紙管原紙、ライナー原紙などの包装用紙を好適に用いることができる。
填料は添加してもしなくてもよいが、添加する場合は、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマーマシン、オントップハイブリッドフォーマーマシン、ギャップフォーマーマシン、円網フォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して単層あるいは多層の基材を製造することができる。また、紙基材は一般に塗工紙に用いられる坪量25〜500g/m程度のものが好ましい。更に、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤等を例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等公知の塗工装置を用いることができる。
<塗工層(A)について>
本発明において、紙基材上の少なくとも片面に水溶性高分子を含有する塗工層(A)を設ける。塗工層(A)を形成する塗工液のバインダー樹脂として使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、変性デンプン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示することができる。これらの中では、匂いの漏れ防止性、性の点から、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが好ましく、ポリビニルアルコールが更に好ましい。
(顔料について)
本発明において、塗工層(A)に使用される顔料を添加することが可能であり、顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカ等の無機顔料及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料がある。これらを単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、匂いの漏れ防止性の点から無機顔料を使用することが好ましく、平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。塗工層(A)に顔料を含有させた場合、気体状の匂い成分は顔料を迂回して通過するため、顔料を含有していない水溶性高分子からなる塗工層と比較して、優れた匂い成分の漏れ防止性を有する。
本発明において、塗工層(A)に含有する顔料と水溶性高分子の配合比率(乾燥重量)は顔料/水溶性高分子が1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると充分な匂い成分の漏れ防止性が発揮しない。
(架橋剤について)
本発明において、塗工層(A)に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが可能である。架橋剤は水溶性高分子の水酸基どうしを架橋構造にて結合させるため、高湿度となった場合に結合が緩む(又は切れる)水酸基量が減少し、層全体の耐水性が向上するため、高湿度下での匂い成分の濡れ防止性の低下が抑制できる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、塗工層(A)に含有されるバインダーの種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等を適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数においても塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の添加量は、塗工層(A)に使用される樹脂100重量部に対して、1〜10重量部であり、より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
(添加剤)
本発明において、顔料を水溶性高分子中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、塗工層(A)には、水溶性高分子、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
<塗工層(B)について>
本発明において、紙基材と塗工層(A)の間に、顔料及び樹脂を含有する塗工層(B)を設けることが好ましい。塗工層(B)を設けることにより、紙基材への塗工層(A)を形成するための塗工液の浸透が抑制されるため、均一な塗工層(A)を形成させることができ、よりガスバリア性能を発揮しやすい。また、塗工層(B)が水蒸気バリア性(水に対するバリア性)を有している場合、容器内の内容物への水分の影響を抑制できるとともに、紙基材から浸透する水分の塗工層(A)への影響を抑制することができる。
<塗工層(B):水蒸気バリア性なし>
塗工層(B)の主たる役割は、紙基材への塗工層(A)を形成するための塗工液の浸透を抑制し、均一な塗工層(A)を形成することである。塗工層(B)に、水蒸気バリア性を付与しない場合は、印刷用紙などで一般的に用いられている塗工層を設ければよい。
(顔料及び樹脂)
樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、およびアクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系樹脂;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
本発明においては、合成系接着剤と澱粉類を併用することが好ましい。好ましい態様において、これらの接着剤は合計で、顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部、より好ましくは、8〜15重量部程度の範囲で使用される。
顔料としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、焼成クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または二種類以上混合して使用することができる。
また、塗工層(B)を形成する塗工液には、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、界面活性剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤を適宜使用できる。
本発明の塗工層(B)を形成させる塗工液の固形分濃度は、40〜75重量%であり、より好ましくは50〜70重量%であり、さらに好ましくは60〜70重量%である。
<塗工層(B):水蒸気バリア性あり>
(樹脂について)
塗工層(B)に含有させる樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。これらの中ではスチレン・ブタジエン系樹脂が水蒸気バリア性の点から好ましい。
本発明においてスチレン・ブタジエン系合成樹脂とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリルレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
樹脂は、水を分散剤とし、乳化したエマルジョンタイプの塗工料として使用する。乳化剤としては、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤である。これらを単独、又はノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。更に、必要に応じて両性又はカチオン性界面活性剤を用いても良い。
本発明において、塗工層(A)がはじかない範囲で、塗工層(B)を形成する塗工液に炭化水素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸及び脂肪酸とアルコールのエステル等の撥水成分を含有させることができる。
(顔料について)
本発明において、塗工層(B)に顔料を含有させることにより、水蒸気バリア性の向上、塗工層(A)との密着性を向上させることができる。
顔料としては、無機顔料、有機顔料がある。無機顔料は、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等である。有機顔料は、密実型、中空型、又はコアーシェル型等である。これらの顔料を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
顔料は、扁平形状で大きなものが適している。更に、大粒径と小粒径を併用することにより水蒸気バリア性が向上する。
これらの顔料の中でも、形状が扁平なカオリン等の無機顔料は、水蒸気のバリア性を向上させる。特に、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。扁平な顔料は塗工層に平行に分布し、水蒸気バリア層内に浸透した水蒸気は、扁平な顔料によって厚さ方向に移動することが遮られ、迂回して移動することとなり、水蒸気が水蒸気バリア層を通過する経路が長くなり、バリア性が向上する。添加する顔料のアスペクト比が小さいと塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、結果として水蒸気バリア性は、扁平で大粒径の顔料よりも劣ることとなる。
扁平な顔料は、ガスバリア層でも同様の作用が期待できる。
扁平な顔料として、カオリンの他、マイカやモンモリロナイトを使用することも可能である。しかしながら、マイカ、モンモリロナイトの分散液はカオリンの分散液より低濃度であり、マイカ、モンモリロナイトを用いた水蒸気バリア層用の塗工液は低濃度となるため、形成される水蒸気バリア層中でおいて、顔料が配向しにくくなるため、カオリンの方が適している。
水蒸気バリア層に上記した扁平な顔料添加に加えて平均粒子径が5μm以下の顔料を更に添加することにより、水蒸気バリア性を更に向上させることができる。この小粒径の顔料は扁平である必要はない。
本発明において、塗工層(B)を設ける場合には、水蒸気バリア性の向上、及び塗工層(A)との密着性の点から、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンを含有する水蒸気バリア層に、更に平均粒子径5μm以下の顔料を含有させることが好ましい。重層的に存在する均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの間に平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となって、扁平なカオリンの面に沿って移動を余儀なくされる水蒸気は、この小さな顔料粒子により移動が阻止されることとなる。つまり、水蒸気バリア層に扁平性と平均粒子径の異なる顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、隣接する扁平で大きな粒子径の顔料の間に形成される空隙に小さな粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気は顔料を迂回して通過するため、小さな粒子径の顔料を混入していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと平均粒子径5μm以下の顔料の配合比率が乾燥重量で、50/50〜99/1であることが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの比率が上記範囲より少ないと水蒸気が塗工層中を迂回する距離が短くなるため、十分な水蒸気バリア性を得ることができない。一方、上記範囲より多いと、塗工層中の大粒径顔料が形成する空隙を平均粒子径5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性の向上は見られない。
本発明において、平均粒子径5μm以下の顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料等を単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムが好ましい。
塗工層(B)に顔料を含有させる場合、樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは樹脂20〜150重量部である。また、水蒸気バリア層には、樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(架橋剤)
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は水蒸気バリア層に含有されるバインダーと架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダーの種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等から適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発揮するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等のスチレン系の水蒸気バリア性樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。更に、カリウムミョウバンがより好ましい。
架橋剤の添加量は、水蒸気バリア層に使用されるバインダー樹脂100重量部に対して、1〜10重量部である。より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、水蒸気バリア層を形成させる塗工液に架橋剤を添加する場合、水酸化アンモニウム溶液等の極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤と極性溶媒で結合を作るため塗工液へ配合しても直ちにラテックスとの架橋反応は起こらず、塗料の増粘を抑制することができる。その場合、紙への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発し、バインダーとの架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
(接触角)
本発明において、紙基材上に設ける塗工層(B)表面の水との接触角は、90°未満が好ましく、より好ましくは85°未満、更に好ましくは80°未満である。水との接触角が90°以上であると、均一な塗工層(A)を設けることが困難となり、高い匂い漏れ防止性を発揮することが困難となる。90°未満の場合には、塗工層(B)と塗工層(A)の反発性を抑えて両層間の剥離を抑制することできる。この接触角は塗工層(B)と塗工層(A)の親和性を推測する目安となる。なお、塗工層(B)表面の水との接触角を調整する方法としては、限定されるものではないが、水との接触角の低い樹脂の使用、顔料の添加等を挙げることができる。
<各塗工層の塗工量について>
本発明において、塗工層(A)の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/m、好ましくは2〜6g/mとすることがよい。塗工量が0.2g/m未満であると均一な塗工層を形成することができないため、十分な匂い漏れ防止性が得られない問題がある。一方、10g/mを超えると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、水蒸気バリア性を有する塗工層(B)を設ける場合は、その塗工量は、乾燥重量で4〜30g/mとすることが好ましく、より好ましくは6〜25g/m2であり、更に好ましくは10〜20g/mであることが好ましい。塗工量が3g/m以下であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、塗工層(A)が紙基材に浸透するため、均一な塗工層(A)が得られないため、匂い漏れ防止性の向上は見込めない。一方、30g/mを超えると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、水蒸気バリア性を有する塗工層(B)に代えて、水蒸気バリア性を有さない塗工層(B)を設ける場合、その塗工量は、乾燥重量で2.0〜20g/mとすることが好ましい。塗工量が2.0g/m未満であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、塗工層(A)が紙基材に浸透するため、均一な塗工層(A)が得られないため、匂い漏れ防止性の向上は見込めない。一方、20g/mを超えると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
<塗工方法について>
本発明において、塗工層(A)、塗工層(B)の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、エアナイフコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。なかでも、塗工層(A)については、カーテンコーター、エアナイフコーター、スプレーコーターなどの非接触型コーターが好ましい。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、紙基材上に少なくとも塗工層(A)を設けた紙製材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体等のシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミ法やフィルムを用いたドライラミ法、直接溶融コート法等公知の方法を用いることができる。
<紙基材に塗工層(A)を設けた紙製材料の酸素バリア性>
本発明の紙製材料の酸素透過度(23℃、0%RH)は、0.3〜0.8ml/m・dayであることが好ましい。
<紙基材に塗工層(A)及び塗工層(B)を設けた紙製材料の水蒸気バリア性>
本発明の紙製材料の水蒸気バリア性としては、温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、水蒸気透過度が500g/m・day以下であることが好ましく、300g/m・day以下であることがより好ましい。
<容器について>
本発明において、紙製容器とは、紙箱、小袋、角底袋、手提げ袋、封筒、重袋などの袋、紙管容器など、または、原紙に各種フィルムをラミネートして、三方シール、四方シール、スティック包装、ピロー、スタンディングパウチなどの各種包装形態、カップ、液体容器、飲料容器等としたものをいう。また、本発明の紙製容器とは、「主として紙製」のもの、詳しくは、すべてが紙素材からなるもの、紙とプラあるいは紙とプラとアルミ箔、などの複合素材の容器包装において、重量で一番多い素材が紙であるものをいう。また、プラスチック注出口などの異素材の部材を有する複合容器においても、紙が一番多い場合も該当する。
本発明の紙製材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PETなど各種樹脂フィルムやアルミニウムなどの他の素材と組み合わせて使用することもできる。フィルムとしてバリア性を有するフィルムを用いることもできる。
本発明の紙製材料にシーラントをラミネートしてヒートシール性を付与することもできる。ヒートシール性を付与した袋等は、密封性が向上するため、ガスバリア性、水蒸気バリア性は優れている。ヒートシール性を付与する樹脂としては、一般に用いられているものを適宜利用できる。例えば、低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレンなどを用いることができるが、ヒートシール性を有する樹脂であればこれに限られない。
本発明の紙製材料をもちいて、紙管容器にした場合は、つなぎ目が少ない構造のため、ラミネート等をしなくても比較的密閉に近い容器とすることができ、バリア性を保持することができる。さらにすべて紙製なので環境負荷の低減やリサイクル性の観点からも好適である。
本発明において、紙基材上に少なくとも塗工層(A)を設けた紙製材料を、複数枚重ねて重袋に用いた場合は、紙のみから成るバリア性の重袋であり、匂いの漏れやすい原料等の包装材料として好適である。複数枚重ねることにより、バリア性を向上させることができる。
本発明の容器は、香料またはそれを含有するもの(芳香剤、お香など)、防虫剤、たばこ、漢方原料、匂いの強い食品、化粧品などの容器として好適である。
<紙管について>
本発明においては、前記の紙基材上に少なくとも塗工層(A)を形成させた紙製材料を用いて、常法によりスパイラル状または平巻の紙管を製造することができる。使用する紙製材料の坪量、厚さなどは、内容物の形状、種類によって、適宜調整することが好ましい。紙管は、複数の帯状の原紙を互いにずらしながら接着し、バリア面に途切れや隙間がない筒状となるため、紙箱に比べ、バリア性を保持しやすい。また、紙管は複数枚の材料を重ねあわせることによって製造されるが、匂い漏れ防止性を付与するには、紙管原紙のうち、1枚以上を紙基材上に塗工層(A)を形成させた紙製材料を用いることが必要となる。また、紙管の蓋は、本発明のバリア基材を用いて、密着性の高い態様で製造することができる。また、紙菅の蓋には、紙基材上に塗工層(A)を形成させた紙製材料、金属製、プラスチック製の蓋、ヒートシール性を有するラミネート層を設けた材料を使用することができる。
以下に、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り、「%」はすべて「重量%」であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
評価方法
(1)坪量:JIS P 8124:2011に準拠して測定した
(2)紙厚:JIS P 8118:1998に準拠して測定した。
(3)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製 L80−4000)を用いて測定した。
(4)酸素透過度:MOCON社製 OX−TRAN2/21を使用し、23℃、0%RH条件及び23℃、85%RH条件にて測定した。
(5)接触角度:23℃、50%RH雰囲気下で、動的表面接触角測定装置(Fibro社製 ダイナミックアブソープションテスタ DAT1100)を用い、水滴を滴下後0.1秒後の表面接触角を測定した。
(6)平均粒子径:試料スラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製 マスターサイザーS型)を使用して粒度測定する。
(7)アスペクト比:顔料の平面方向及び断面方向を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の直系と長さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の直径/厚さ]により算出した。
(8)匂い漏れ防止性:内容物を密閉24時間後、紙管から漏れてくる匂いを官能評価により3段階で評価した。
◎:まったく匂いが漏れない、○:少し匂いが漏れる、×:かなり匂いが漏れる
(9)酸化度評価方法:メチルレッド0.1gとブロムチモールブルー0.3gをエチルアルコール150mlに溶かしてから、精製水50mlを加え200mlとし、酸化度指示薬原液を作成する。酸化度指示原液と精製水を1:50の割合で混合し酸化度指示液とする。精米10gを試験管に入れる。試験管に前記酸化度指示液を10ml加え、試験管の口を閉じ、振とうする。試験管立てに試験管を静置する。
静置直後の液の呈色状況を判定する。
緑→黄緑→黄→オレンジ→赤に呈色するほど酸化が進んでいる。
実施例1
(塗工層(A)用塗工液(塗工液A)の調製)
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製 バリサーフHX、粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散し固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調整した。ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製し、PVA溶液を得た。得られたカオリンスラリーと、PVA溶液を固形分で顔料:PVA溶液=100:100として固形分濃度が10%となるよう混合し、塗工液Aを調整した。
(塗工層(B)用塗工液(塗工液B)の調製)
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製 バリサーフHX、粒子径9.0μm、アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中にスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製 PNT7868)を対顔料100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の塗工液Bを得た。
(紙製材料1の作成)
カップ原紙(坪量270g/m)上に塗工液Bを塗工量(乾燥重量)15g/mとなるよう塗工速度300m/分でブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Aを塗工量(乾燥重量)2.0g/mとなるよう塗工速度300m/分でエアナイフコーターを用いて片面塗工し、坪量287g/m、紙厚0.3mmの紙製材料を得た。
得られた紙製材料1の酸素透過度(乾燥下)は、1.0ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)は200ml/m・day、水蒸気バリア層塗工後の接触角は75°、水蒸気透過度は250g/m・dayであった。
(紙製材料2の作成)
紙基材を片艶クラフト紙(坪量70g/m)とした以外は、上記と同様にして、坪量87g/m、紙厚0.1mmのバリア原紙(片艶クラフト紙)を得た。
得られた紙製材料2の酸素透過度(乾燥下)は、1.0ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)は200ml/m・day、水蒸気バリア層塗工後の接触角は75°、水蒸気透過度は250g/m・dayであった。
(紙管容器1の製造)
上記紙製材料1(カップ原紙)をスリッター加工して、84mm幅、84.2mm幅各1丁、上記紙製材料2をスリッター加工して、95mm幅1丁用意し、紙管の内側から、紙製材料1(カップ原紙)84mm幅、紙製材料1(カップ原紙)84.2mm幅、紙製材料2(片艶クラフト紙)95mm幅の順で、バリア塗工面を内側にしてずらしながら重ね、常法により紙管製造装置によってφ51の紙層3層がバリア性の紙製材料から成るスパイラル紙管を得た。次に、紙菅に内容物(お香(ラベンダー)、室内消臭芳香剤(ラベンダー)、パラゾール防虫剤)を入れた後、紙管の両端に、紙製材料2を酢酸ビニル系の接着剤で張り付けて密閉した。
比較例1
通常の実施例1で使用したカップ原紙(塗工層なし)、片艶クラフト紙(塗工層なし)を用いた他は、実施例と同様にした。
Figure 2017057012
表1より、実施例1の紙管容器1は匂い漏れの防止の効果が認められた。
(紙管容器2の製造)
バリア性のない通常のカップ原紙(坪量270g/m2)をスリッター加工して、90.5mm幅、91mm幅各1丁、上記紙製材料2(片艶クラフト紙)をスリッター加工して、95mm幅1丁、通常の晒クラフト紙(坪量100g/m2)をスリッター加工し、96mm幅を用意した。
紙管外筒:紙管の内側から、カップ原紙90.5mm幅、カップ原紙91mm幅、紙製材料2(片艶クラフト紙)95mm幅、晒クラフト紙96mm幅の順で、バリア塗工面を内側にしてずらしながら重ね、常法により紙管製造装置によってφ52.5のスパイラル紙管外筒を得た。この紙管容器外筒は、紙層4層のうち、最外層より一層内側がバリア性の紙製材料から成る。
紙管内筒:通常の晒クラフト紙96mm幅、カップ原紙90.5mm幅を用いて内側から晒クラフト紙、カップ原紙、晒クラフト紙の順に重ね、51φのスパイラル紙管内筒を得た。上下のメンコ部分は、紙製材料2をコート白ボールに貼合したものを用い、印籠型紙管を得た。
(紙管容器3の製造)
通常のカップ原紙(坪量270g/m2)と紙製材料1(カップ原紙)をスリッター加工して、90.5mm幅、91mm幅各1丁、上記紙製材料2をスリッター加工して、95mm幅1丁、通常の晒クラフト紙をスリッター加工し、96mm幅を用意した。
紙管外筒:紙管の内側から、カップ原紙90.5mm幅、カップ原紙91mm幅、紙製材料2(片艶クラフト紙)95mm幅、晒クラフト紙96mm幅の順で、バリア塗工面を内側にしてずらしながら重ね、常法により紙管製造装置によってφ52.5のスパイラル紙管外筒を得た。この紙管容器外筒は、紙層4層のうち、最外層より一層内側がバリア性の紙製材料から成る。
紙管内筒:紙製材料2(片艶クラフト紙)96mm幅、紙製材料1(カップ原紙)90.5mm幅を用いて内側から紙製材料2、紙製材料1、晒クラフトの順に重ね、スパイラル紙管内筒を得た。上下のメンコ部分は、紙製材料2をコート白ボールに貼合したものを用い、印籠型紙管を得た。
実施例2
(紙製材料3の作成)
紙基材を片艶クラフト紙(坪量70g/m)とし、塗工液Aを塗工量(乾燥重量)4.0g/mとなるよう塗工した以外は、実施例1と同様にして、坪量89g/m、紙厚0.1mmのバリア原紙(片艶クラフト紙)を得た。
得られた紙製材料3の酸素透過度(乾燥下)は、104.0ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)は140ml/m・day、であった。
(紙管容器4の製造)
紙管容器2の製造において、紙製材料2を紙製材料3に変更した以外は同様にして、印籠型紙管容器を得た。
実施例3
(紙製材料4の作成)両更クラフト
両更クラフト(坪量70g/m)上に塗工液Bを塗工量(乾燥重量)15g/m2となるよう塗工速度300m/分でブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Aを塗工量(乾燥重量)4.0g/mとなるよう塗工速度50m/分でエアナイフコーターを用いて片面塗工し、坪量89g/m、紙厚103μmの紙製材料を得た。
得られた紙製材料4の酸素透過度(乾燥下)は、2.5ml/m・day、酸素透過度(高湿度下)は61.8ml/m・day、水蒸気バリア層塗工後の接触角は75°、水蒸気透過度は140g/m・dayであった。
(紙管容器5の作成)
紙管容器2の製造において、紙製材料2を紙製材料4に変更した以外は同様にして、印籠型紙管容器を得た。
<匂い漏れ防止評価>
紙管容器2〜5に、内容物(チョコレート、固形石鹸、コーヒー(粉)、お香)を入れた後、紙管の蓋をして密閉し、各内容物の匂い漏れを官能評価した。
Figure 2017057012
表2より、実施例1の紙管容器2、3、実施例2の紙管容器4、5は匂い漏れの防止の効果が認められた。
<米の劣化評価>
紙管容器2に10gの精米を入れ、30℃、60%RHの恒温・恒温チャンバーにいれ、40日間保存した。40日経過後は、条件を40℃、90%として更に10日間保存した。ブランクとして晒クラフトの角底袋を用いて、酸化度指示薬を用いて呈色試験をし、酸化評価を行った。
Figure 2017057012
表3より、実施例1の紙管容器2は内容物の米の酸化防止の効果が認められた。

Claims (4)

  1. 紙基材上に塗工層(A)を設けた紙製材料を用いて形成された容器であって、該塗工層(A)が水溶性高分子を含有することを特徴とする、紙製容器。
  2. 前記紙製材料が、紙基材と塗工層(A)の間に、顔料及び樹脂を含有する塗工層(B)を設けたものであることを特徴とする、請求項1に記載の紙製容器。
  3. 前記紙製容器が、複数の前記紙製材料を互いにずらしながら部分的に重ね合わせて接着した紙管であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙製容器。
  4. 前記紙製容器が、重袋であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙製容器。
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