JP2015021255A - 横軸回転窓および建物 - Google Patents
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Abstract
Description
この自然換気窓は、横軸回転窓の一種であり、水平な回転軸を障子の上下方向の中央位置よりも上部側に配置することで、障子を偏心状態で軸支する。また、障子の軸支位置よりも上側でかつ障子の室内側に錘を取り付けてあり、この錘によって無風時には障子の下端側が室外側に開くようにして、自然に開放状態となるように設定している。
さらに、室外側から障子に風が当たると、障子は軸支位置よりも下側の面積が広いため、障子の下端側が室内方向に移動して障子を閉鎖状態にできる。
従って、比較的風圧が低い場合には、自然に障子を開放状態にできて換気を行え、室外側から室内側に強風が吹いた場合など、所定値以上の正圧が障子に加わった場合は、障子を自動的に閉鎖状態にできて風の吹き込みを防止できる。
また、障子の室外側に錘を設けることで、障子の下端側が室内側に開くように構成することも考えられるが、この場合、障子に負圧が加わった場合は障子を閉めることができるが、逆に、障子に正圧が加わった場合には障子を閉めることができない。
従って、従来の横軸回転窓形式の自然換気窓では、風の吹き込みを自動的に防止する機能は、正圧または負圧のいずれか一方に対してのみしか実現できないという問題がある。
本発明の目的は、錘を不要にできて障子を軽量化でき、かつ、障子に対して正圧、負圧のいずれの方向の風が当たった場合でも障子を閉めることができる横軸回転窓および建物を提供することにある。
さらに、障子は、回転軸を障子の高さ方向の中心位置に設定しているため、障子において回転軸よりも上側の面積と、下側の面積とをほぼ同じ面積に設定できる。このため、中風から強風程度の風速の風が屋外側から屋内側に吹いている場合(正圧の場合)と、屋内側から屋外側に吹いている場合(負圧の場合)のいずれにおいても、その風が当たることで前記回転モーメントよりも大きな力で障子を閉鎖方向に回転でき、自動的に閉鎖することができる。
このため、強い風が横軸回転窓から吹き込んだり、吹き出すことを自動的に防止できる。従って、本実施形態の横軸回転窓を建物の自然換気計画に応じて配置することで、良好な自然換気状態を保つことができる。
その上、障子に錘を設ける必要が無いため、障子を軽量化でき、横軸回転窓の耐久性や施工性を向上でき、コストも低減できる。
本発明によれば、前記回転軸を窓枠の見込み方向に位置調整可能としているので、前記障子の重心および回転軸間の長さを調整して前記回転モーメントの大きさを調整できる。このため、横軸回転窓の設置場所や利用者の要望などに応じて、障子を自動的に閉鎖する風圧も調整できるため、使い勝手のよい横軸回転窓とすることができる。
なお、各図においては、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略することがある。
図1〜3に示すように、第1実施形態は、2つの横軸回転窓2を左右に配置して構成される連窓1である。
連窓1は、左右の縦枠3,4と、縦枠3,4の上端間および下端間を連結する上枠5、下枠6と、連窓1の見付け方向(左右方向)の中間位置で上枠5、下枠6間に配置された方立7とを備える。
従って、屋内側から見て左側の縦枠3と、上枠5および下枠6と、方立(縦枠)7とで、左側の横軸回転窓2の窓枠10が構成される。また、屋内側から見て右側の縦枠4と、上枠5および下枠6と、方立(縦枠)7とで、右側の横軸回転窓2の窓枠10が構成される。
[窓枠]
各窓枠10には、横軸回転窓2の障子20、20が、後述するヒンジ装置30を介して回転自在に軸支されている。
各障子20は同一構造の障子であり、左右の縦框21、22と、上框23、下框24を枠組みし、その内部に複層ガラス25を組み込んで構成されている。
本実施形態の障子20は、開放時に下端側が屋外側に移動し、上端側が屋内側に移動するように構成されている。
図1,3に示すように、連窓1の左右の縦枠3,4には、各障子20、20が開放した際に、障子20が当接する戸当たり部材8が取り付けられている。このため、障子20は開放方向に回転した場合、前記戸当たり部材8に当接する位置までしか回転しない。
ヒンジ装置30は、障子20の左右にそれぞれ配置される。すなわち、図2に示すように、縦枠3と縦框21との間、縦框22と方立7との間、方立7と縦框21との間、縦框22と縦枠4との間にそれぞれ配置される。各ヒンジ装置30の構成は同一であるため、縦枠3および縦框21間に配置されるヒンジ装置30に関し、図4〜7に基づいて説明する。
なお、図4は、図5,6のB−B線に沿ったヒンジ装置30の平断面図である。図5は軸部材31の側面図であり、図6は軸受け部材35の側面図である。図7は、図5,6のC−C線に沿ったヒンジ装置30の平断面図である。
ヒンジ装置30は、回転軸320が設けられた軸部材31と、回転軸320が回動自在に挿入される軸受け部材35とを有する。
そして、軸部材31は、窓枠10または障子20の一方に取り付けられ、軸受け部材35は他方に取り付けられる。図4〜7においては、軸部材31が障子20の縦框21に取り付けられ、軸受け部材35が窓枠10の縦枠3に取り付けられている。
軸部材31は、図4,5に示すように、プレート310と、プレート310にネジ止めされた丸棒状の回転軸320とで構成されている。
プレート310は、側面略矩形状に形成され、回転軸320の上下の位置に長孔312,312が形成されている。これらの長孔312,312は、横軸回転窓2の見込み方向(屋内外方向)に沿って延長された長孔とされている。
そして、各長孔312にネジ313を挿入して、縦框21にねじ込むことで、軸部材31を縦框21に固定している。
また、プレート310の縦框21に対向する面には、縦框21の上下方向(高さ方向)に沿った凹凸条(ギザ)315が形成されている。凹凸条315は、断面鋸波状に形成されている。
縦框21には、前記凹凸条315と噛み合う凹凸条(ギザ)335が形成されたヒンジベース33がネジ止めされている。
軸部材31の凹凸条315と、ヒンジベース33の凹凸条335とのかみ合わせ位置を変更することで、ヒンジベース33つまり縦框21に対して、軸部材31の見込み方向(屋内外方向)の位置を変更できる。例えば、凹凸条315,335が1mmピッチで加工されている場合、軸部材31の屋内外方向の位置を1mmずつ変更できる。
具体的には、前記ネジ313を緩めて、凹凸条315,335のかみ合わせを解除し、軸部材31を見込み方向の所定位置に移動させてネジ313を締め付けて、再度凹凸条315,335をかみ合わせることで、軸部材31の見込み方向の位置を調整する。
軸受け部材35は、図4,6に示すように、軸受けプレート350と、軸受けプレート350にネジ止めされる蓋部材360とで構成されている。
軸受けプレート350は、側面略矩形状に形成され、上下方向の中間位置には屋内側に向かって開口する軸受け用の溝351が形成されている。また、溝351の上下の位置に長孔352,352が形成されている。これらの長孔352,352は、横軸回転窓2の見込み方向(屋内外方向)に沿って延長された長孔とされている。
そして、各長孔352にネジ353を挿入して、縦枠3にねじ込むことで、軸受け部材35を縦枠3に固定している。
軸受けプレート350の縦枠3に対向する面には、縦枠3の上下方向(高さ方向)に沿った凹凸条(ギザ)355が形成されている。凹凸条355は、断面鋸波状に形成されている。
縦枠3には、前記凹凸条355と噛み合う凹凸条(ギザ)385が形成されたヒンジベース38がネジ止めされている。
軸受け部材35の凹凸条355と、ヒンジベース38の凹凸条385とのかみ合わせ位置を変更することで、ヒンジベース38つまり縦枠3に対して、軸受け部材35の見込み方向(屋内外方向)の位置を変更できる。ここで、凹凸条355,385のピッチは、凹凸条315,335と同じであるため、軸受け部材35は軸部材31と同じ寸法ずつ見込み方向の位置を変更できる。
具体的には、前記ネジ353を緩めて、前記凹凸条355,385とのかみ合わせを解除し、軸受け部材35を見込み方向の所定位置に移動させてネジ353を締め付けて、再度凹凸条355,385をかみ合わせることで、軸受け部材35の見込み方向の位置を調整する。
具体的には、軸部材31、軸受け部材35は、前記長孔312,352の寸法の範囲内で移動でき、この範囲内において、前記凹凸条315,335,355,385のピッチ寸法毎に、障子20の回転軸320の位置、つまり回転軸320の中心軸である軸心321の位置を調整することができる。
例えば、図4〜7は、障子20の回転軸320を、前記長孔312,352の範囲内で最も屋内側に設けた状態を示す。また、図8,9は、障子20の回転軸320を、前記長孔312,352の範囲内で最も屋外側に設けた状態を示す。ここで、縦框21の屋外面から軸心321までの寸法は、図4の場合は寸法L1となり、図8の場合は寸法L2となり、L1>L2の関係となる。
前記障子20の重心201の高さ方向の位置は、障子20の高さ方向の中心位置に設定されている。すなわち、障子20には、先行技術文献のような錘は設けられていない。従って、障子20の重量の大半は、複層ガラス25の重量である。このため、複層ガラス25の高さ方向の中心位置が、障子20の重心201の高さ方向の位置に一致する。
なお、複層ガラス25を保持する上框23および下框24におけるガラスの呑み込み寸法は、通常、同じ寸法に設定されるため、複層ガラス25の高さ方向の中心位置は、障子20のガラス開口における高さ方向の中心位置に一致する。障子20のガラス開口の高さ方向の中心位置とは、複層ガラス25を保持する上框23の下端面から下框24の上端面までの高さ寸法の中心位置である。つまり、複層ガラス25の見え掛かり部分の高さ寸法の中心位置である。
また、障子20の重心201の見込み方向の位置は、複層ガラス25の間に配置される。
そして、本実施形態では、図10に示すように、障子20の回転軸320の軸心321は、障子20の重心201と同じ高さ位置であり、かつ、重心201に対する見込み方向の位置を屋外側にずらした位置に設定されている。すなわち、前述のヒンジ装置30の軸部材31および軸受け部材35の窓枠10および障子20に対する見込み方向の位置を調整することで、重心201に対する軸心321(回転軸320)の見込み方向の位置が調整されている。
なお、回転軸320の軸心321に対して重心201が屋内側に位置することで、障子20には上端側が屋内側に移動する方向の回転モーメントNが発生する。そして、回転軸320の軸心321および重心201間の距離が大きくなるほど、前記回転モーメントも大きくなる。そこで、本実施形態では、以下の条件を満足する位置に軸心321(回転軸320)を設定している。つまり、軸心321および重心201間の所定距離は以下の条件に基づいて設定している。
(1)無風時に全開状態となること
無風時で横軸回転窓2の障子20に風圧が加わっていない場合は、前記回転軸320の軸心321に対して重心201が屋内側に偏心していることによって、障子20には回転モーメントNが生じ、上端側が屋内側に移動する。この回転モーメントNによって、障子20が、少なくとも、前記戸当たり部材8に当接する位置まで回転するように、前記重心201と軸心321との位置関係(所定距離)が設定されている。本実施形態では、障子20は閉鎖位置から戸当たり部材8に当接する位置まで45度回転するように設定されている。
従って、横軸回転窓2の障子20は、無風時には図11に示す位置に自動的に回転し、横軸回転窓2を開放する。このため、横軸回転窓2を自然換気状態にできる。
微風〜弱風の風が吹いた場合、すなわち、障子20に加わる風圧が設定された閾値未満の場合に、障子20を閉鎖方向に回転する力が加わる。この場合に、風圧によって障子20を閉鎖方向に回転する回転モーメントよりも、前記軸心321および重心201の見込み方向の偏心によって障子20を開放方向に回転する回転モーメントNが大きくなるように、軸心321および重心201の間隔が所定距離に設定されている。
中風〜強風の風が吹いて、障子20に加わる風圧が設定された閾値以上となった場合に、その風圧によって障子20を閉鎖方向に回転する回転モーメントが、前記軸心321および重心201の見込み方向の偏心によって障子20を開放方向に回転する回転モーメントNよりも大きくなるように、軸心321および重心201の間隔が所定距離に設定されている。
(3−1)正圧の場合
例えば、図12に示すように、建物において横軸回転窓2(連窓1)が取り付けられた壁面に向かって風W1が吹いた場合、すなわち、横軸回転窓2の屋外側から屋内側に向かって風W1が吹いた場合、風上側に位置する障子20の回転軸320よりも下側の部分に、屋外側から屋内側に向かう正圧が加わる。このため、障子20は下半分が屋内側に向かって押され、閉鎖方向に回転する。この障子20に加わる正圧は、風速が高くなるほど大きくなるため、風速が高くなると、障子20の開放角度は小さくなる。そして、前記閾値よりも大きな所定の第2閾値以上の風が吹くと、障子20は完全に閉鎖する。
(3−2)負圧の場合
同様に、図13に示すように、建物において横軸回転窓2(連窓1)が取り付けられた壁面が風下側になる場合、横軸回転窓2には屋内側から屋外側に向かう風W2が吹き、負圧が加わる。この場合、風上側に位置する障子20の回転軸320よりも上半分に、屋内側から屋外側に向かう負圧が加わる。このため、障子20は上半分が屋外側に向かって押され、閉鎖方向に回転する。この障子20に加わる負圧も、風速が高くなるほど大きくなるため、風速が高くなると、障子20の開放角度は小さくなる。そして、前記閾値よりも大きな所定の第2閾値以上の風が吹くと、障子20は完全に閉鎖する。
ここで、風速と障子20の角度との関係を、軸心321および重心201間の距離が異なる2つの横軸回転窓2で実験した結果を図14に示す。
図14において、折れ線101は、軸心321を屋内側に設定して、軸心321および重心201間の距離を短くした第1の横軸回転窓2の実験結果である。一方、折れ線102は、第1の横軸回転窓2に比べて、軸心321を屋外側に設定して、軸心321および重心201間の距離を長くした第2の横軸回転窓2の実験結果である。
このため、第1の横軸回転窓2は、第2の横軸回転窓2に比べて、重心201による回転モーメントが小さくなる。
従って、折れ線101は、折れ線102に比べて、より小さな風速で障子20が閉鎖方向に移動し、障子20の開放角度も小さくなる。そして、障子20が全閉状態となる風速も折れ線102に比べて小さくなる。
一方、折れ線102は、折れ線101に比べて、より大きな風速とならないと障子20が閉鎖方向に移動しない。風速の高まりとともに、障子20の開放角度も小さくなる。そして、障子20が全閉状態となる風速も前記折れ線101に比べて大きくなり、より大きな風速にならないと障子20が全閉状態とならない。
(1)横軸回転窓2において、ヒンジ装置30を窓枠10および障子20に対して見込み方向の位置を調整可能とし、窓枠10および障子20の相対位置を変更することなく、障子20の軸心321のみを見込み方向(屋内外方向)に調整できる。
また、障子20の軸心321を障子20の高さ方向の中心位置に設定している。このため、障子20の回転軸320の軸心321は、障子20の重心201と同じ高さ位置に設定され、かつ、ヒンジ装置30の移動によって軸心321および重心201間の距離を調整できる。従って、障子20は、重心201と軸心321とが見込み方向に偏心していることで、障子20を開放する方向の回転モーメントが発生し、微風から弱風程度の閾値未満の風速であれば、障子20が戸当たり部材8に当接する角度まで障子20を自動的に開くことができ、自然換気を実現できる。
さらに、障子20は、軸心321を障子20の高さ方向の中心位置に設定しているため、障子20において軸心321よりも上側の面積と、下側の面積とをほぼ同じ面積に設定できる。このため、中風から強風程度の前記閾値以上の風速の風が屋外側から屋内側に吹いている場合(正圧の場合)と、屋内側から屋外側に吹いている場合(負圧の場合)のいずれにおいても、障子20が自動的に閉鎖するように設定でき、強い風が横軸回転窓2から吹き込んだり、吹き出すことを自動的に防止できる。
従って、本実施形態の横軸回転窓2を建物の自然換気計画に応じて配置することで、良好な自然換気状態を保つことができる。
さらに、過剰な換気抑制のために特殊な換気装置を設ける必要が無く、横軸回転窓2のコストも低減できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を適宜省略する。図15は、本発明の第2実施形態に係る横軸回転窓2Bを用いた連窓1Bを屋内側から見た図であり、図16は図15のD−D線に沿った平断面図である。
横軸回転窓2Bは、第1実施形態の横軸回転窓2に対して、障子20の閉鎖を規制する規制装置40を追加した点が相違する。その他の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
ストッパー受け部材41は、図16〜18に示すように、方立7の見込み面に固定された固定部411と、固定部411から見付け方向に延長された受け部412とを備えた略L字状のブラケットで構成されている。
(障子閉鎖位置:回転角度0度の場合)
障子20が閉鎖位置にある場合の補助翼ストッパー48の状態を図17に2点鎖線で示す。この場合、補助翼ストッパー48は、当接部488が前記ストッパー受け部材41の受け部412の上方に位置する位置に設けられている。
(障子開放位置:回転角度45度の場合)
障子20が開放位置にあり、かつ、無風時の補助翼ストッパー48の状態を、図17に実線で示す。この場合、補助翼ストッパー48の当接部488は、高さ方向の位置が受け部412の上方であり、かつ、見込み方向の位置が受け部412の屋外側に位置するように設けられている。
ストッパー部材45は、以上の条件を満たすように、軸部材31の軸心321に対して所定の位置に取り付けられている。
横軸回転窓2Bの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋外側から屋内側に向かって風が吹いた場合、図19に示すように、ストッパー部材45の補助翼482にも屋外側から屋内側に向かう風(正圧)があたる。このため、ストッパー部材45は、図19に示すように、横軸材47を回動中心として補助翼482が屋内側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材45は二点鎖線で示す位置に移動し、当接部488は受け部412から離れる方向に移動する。このため、ストッパー部材45の当接部488が受け部412に当接することがなく、障子20は前記正圧によって第1実施形態と同様に閉鎖方向に回転する。
横軸回転窓2Bの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋内側から屋外側に向かって風が吹いた場合、図20に示すように、ストッパー部材45の補助翼482にも屋内側から屋外側に向かう風(負圧)があたる。このため、ストッパー部材45は、図20に示すように、横軸材47を回動中心として補助翼482が屋外側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材45は二点鎖線で示す位置に移動し、当接部488は受け部412に当接する高さ位置に移動する。このため、障子20が負圧によって閉鎖方向に回転すると、当接部488が受け部412に当接し、障子20はそれ以上閉鎖方向に回転できなくなる。
また、障子20に対して屋外側から屋内側への中風から強風の風(正圧)が加わった場合も、第1実施形態と同じく、障子20は自動的に閉鎖方向に回転し、屋内への風の吹き込みを防止する。
一方、障子20に対して屋内側から屋外側への中風から強風の風(負圧)が加わった場合は、第1実施形態と異なり、前記規制装置40のストッパー部材45がストッパー受け部材41に当接することで、障子20は閉鎖方向に回転できなくなる。このため、障子20は開放状態のままであり、屋内から屋外への風によって換気(排気)が行われる。
このような第2実施形態の横軸回転窓2Bによれば、前記第1実施形態の横軸回転窓2と同じ構成を備えることで同じ作用効果を奏することができる。
また、規制装置40を設けたので、屋外側から屋内側に風が吹いた場合(正圧の場合)には障子20を閉鎖方向に回転できる一方で、屋内側から屋外側に風が吹いた場合(負圧の場合)には障子20の閉鎖方向への回転を規制できる。従って、建物において、屋内から屋外に換気(排気)を行うために、負圧時は障子20を開放状態に維持する必要がある場合に適した横軸回転窓2Bを提供できる。
その上、補助翼482は平断面形状が屋外側に湾曲した形状であるため、特に負圧時には弱い風圧でもストッパー部材45を確実に回転できる。このため、負圧時には障子20の閉鎖方向への移動を確実に規制できる。
次に、本発明の第3実施形態の横軸回転窓2Cを図21,22に基づいて説明する。第2実施形態では、負圧時に障子20を開放状態に維持する規制装置40を設けていたが、第3実施形態では、正圧時に障子20を開放状態に維持する規制装置50を設けたものである。従って、第2実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を適宜省略するとともに、規制装置50に関してのみ説明する。
ストッパー受け部材51は、方立7の見込み面に固定された固定部511と、固定部511から見付け方向に延長された受け部512とを備えた略L字状のブラケットで構成されている。
(障子閉鎖位置:回転角度0度の場合)
障子20が閉鎖位置にある場合の補助翼ストッパー58は、図示を略するが、当接部588が前記ストッパー受け部材51の受け部512の上方に位置する位置に設けられている。
(障子開放位置:回転角度45度の場合)
障子20が開放位置にあり、かつ、無風時の補助翼ストッパー58の状態を、図21、22に実線で示す。この場合、補助翼ストッパー58の当接部588は、高さ方向の位置が受け部512の上方であり、前記当接部588の溝に受け部512が係止されない位置に設けられている。
ストッパー部材55は、以上の条件を満たすように、軸部材31の軸心321に対して所定の位置に取り付けられている。
横軸回転窓2Cの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋外側から屋内側に向かって風が吹いた場合、図21に示すように、ストッパー部材55の補助翼582にも屋外側から屋内側に向かう風(正圧)があたる。このため、ストッパー部材55は、図21に示すように、横軸材57を回動中心として補助翼582が屋内側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材55は二点鎖線で示す位置に移動し、当接部588は下側、つまり受け部512側に移動する。よって、ストッパー部材55の当接部588の溝内に、受け部512が配置される。このため、障子20が正圧によって閉鎖方向に回転すると、当接部588が受け部512に当接し、障子20はそれ以上閉鎖方向に回転できなくなる。
横軸回転窓2Cの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋内側から屋外側に向かって風が吹いた場合、図22に示すように、ストッパー部材55の補助翼582にも屋内側から屋外側に向かう風(負圧)があたる。このため、ストッパー部材55は、図22に示すように、横軸材57を回動中心として補助翼582が屋外側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材55は二点鎖線で示す位置に移動し、当接部588は受け部412から離れる方向(上側)に移動する。このため、障子20が負圧によって閉鎖方向に回転しても、当接部588が受け部512に当接することがなく、障子20は前記負圧によって第1実施形態と同様に閉鎖方向に回転する。
また、障子20に対して屋内側から屋外側への中風から強風の風(負圧)が加わった場合も、第1実施形態と同じく、障子20は自動的に閉鎖方向に回転し、屋内への風の吹き込みを防止する。
一方、障子20に対して屋外側から屋内側への中風から強風の風(正圧)が加わった場合は、第1,2実施形態と異なり、前記規制装置50のストッパー部材55がストッパー受け部材51に当接することで、障子20は閉鎖方向に回転できなくなる。このため、障子20は開放状態のままであり、屋外から屋内への風によって換気(吸気)が行われる。
このような第3実施形態の横軸回転窓2Cによれば、前記横軸回転窓2,2Bと同じ構成を備えることで同じ作用効果を奏することができる。
また、規制装置50を設けたので、屋内側から屋外側に風が吹いた場合(負圧の場合)には障子20を閉鎖方向に回転できる一方で、屋外側から屋内側に風が吹いた場合(正圧の場合)には障子20の閉鎖方向への回転を規制できる。従って、建物において、屋外から屋内に換気(吸気)を行うために、正圧時に障子20を開放状態に維持する必要がある場合に適した横軸回転窓2Cを提供できる。
その上、補助翼582は平断面形状が屋内側に湾曲した形状であるため、特に正圧時には弱い風圧でもストッパー部材45を確実に回転できる。このため、正圧時には障子20の閉鎖方向への移動を確実に規制できる。
次に、本発明の第4実施形態の横軸回転窓2Dを図23〜27に基づいて説明する。第4実施形態の横軸回転窓2Dは、負圧時に障子20の回動を規制する点で第2実施形態の横軸回転窓2Bに類似するが、前記負圧時の風速が設定値以上になると前記回動規制を解除する規制装置40を有する点で相違する。従って、第2実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を適宜省略する。
ストッパー受け部材61は、L字状に折り曲げられて構成され、図24に示すように、受け部611が垂直方向に沿って配置されている。この受け部611は、屋内側に倒れる方向には回転できるが、屋外側に倒れる方向には回転できないように構成されている。
第2支持部625には、付勢手段63が取り付けられている。
付勢手段63は、ケース631と、当接体632と、コイルバネ633と、バネ押さえ634とを備えている。
ケース631は、板材を折曲して構成され、第2支持部625に固定される底部6311と、底部6311の屋外側から折り曲げられた前壁部6312と、底部6311の屋内側から折り曲げられた後壁部6313と、底部6311の両側面から折り曲げられた側壁部6314とを備える。
当接体632は、前壁部6312を貫通して進退可能に設けられている。そして、当接体632は、受け部611に当接する当接部6321と、コイルバネ633の先端側が当接するガイド板6322とを備える。バネ押さえ634は、コイルバネ633の後端側に当接して配置されている。
調整手段65は、2つのナット652と、ナット652にねじ込まれるネジ651とで構成され、ケース631の後壁部6313に取り付けられている。ネジ651の先端は前記バネ押さえ634に当接する。従って、ナット652に対するネジ651の締め付け位置を変更すると、バネ押さえ634の屋内外方向つまりコイルバネ633の軸方向の位置を調整できる。よって、当接体632およびバネ押さえ634間に配置されるコイルバネ633の圧縮状態をネジ651で調整できる。このため、当接体632に加わる付勢力をネジ651で調整できる。具体的には、後述するように、負圧時に第1風速の風が当たった際にストッパー部材45からストッパー受け部材61に加わる力よりも、前記付勢力によってストッパー受け部材61に加わる力が小さくなるように設定している。
(障子閉鎖位置:回転角度0度の場合)
障子20が閉鎖位置にある場合は、前記第2実施形態と同じく、ストッパー部材45は、図23,24の2点鎖線で示すように、当接部488がストッパー受け部材61の上方に位置する。このため、障子20が開放方向に回転する場合に、規制装置60はその移動を妨げない。
(障子開放位置:回転角度45度の場合)
障子20が開放位置にあり、かつ、無風時のストッパー部材45は、図23,24の実線で示す状態となる。すなわち、補助翼ストッパー48の当接部488は、高さ方向の位置が受け部611の上方であり、かつ、見込み方向の位置が受け部611の屋外側に位置するように設けられている。
ストッパー部材45は、以上の条件を満たすように、軸部材31の軸心321に対して所定の位置に取り付けられている。
横軸回転窓2Dの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋外側から屋内側に向かって風が吹いた場合は、第2実施形態と同じく、ストッパー部材45は補助翼482が屋内側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材45の当接部488が受け部611に当接することがなく、障子20は前記正圧によって第2実施形態と同様に閉鎖方向に回転する。
横軸回転窓2Dの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋内側から屋外側に向かって風が吹いた場合、図25に示すように、ストッパー部材45の補助翼482にも屋内側から屋外側に向かう風(負圧)があたる。このため、ストッパー部材45は、図25に示すように、横軸材47を回動中心として補助翼482が屋外側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材45の当接部488はストッパー受け部材61の受け部611に当接する。この際、受け部611にはコイルバネ633で付勢された当接体632が当接している。
このため、前記風の風速が第1風速未満であるために、当接部488によって受け部611に加わる力が、当接体632およびコイルバネ633によって受け部611に加わる力よりも小さい状態では、当接部488が受け部611に当接した状態を維持する。従って、障子20はそれ以上閉鎖方向に回転できなくなる。
一方、前記風の風速が第1風速以上となって、当接部488によって受け部611に加わる力が、当接体632およびコイルバネ633によって受け部611に加わる力よりも大きい場合は、図26に示すように、当接体632が屋内側に後退し、ストッパー受け部材61も回転する。このため、当接部488が受け部611に当接する位置が屋内側に移動する分、障子20は閉鎖方向に回転する。
さらに、当接体632が屋内側に後退し、ストッパー受け部材61が回転すると、図27に示すように、ストッパー受け部材61からストッパー部材45が外れて障子20の回転規制が解除される。このため、障子20は、負圧の風によって閉鎖方向に回転する。
また、障子20に対して屋外側から屋内側に、微風から弱風の風(正圧)が加わった場合、前記正圧による回転モーメントが、軸心321および重心201の偏心による回転モーメントよりも小さい場合は、障子20は開放状態を維持する。
さらに、障子20に対して屋外側から屋内側に、中風から強風の風(正圧)が加わった場合は、規制装置60は障子20の回転を規制しないので、第2実施形態と同じく、障子20は自動的に閉鎖方向に回転し、屋内への風の吹き込みを防止する。
また、障子20に対して屋内側から屋外側に、弱風から中風程度の風(負圧)が加わった場合は、第2実施形態と同様に、前記規制装置60のストッパー部材45がストッパー受け部材61に当接するため、障子20は閉鎖方向に回転できなくなる。このため、障子20は開放状態のままであり、屋内から屋外への風によって換気(排気)が行われる。
さらに、障子20に対して屋内側から屋外側に、中風から強風程度の風(負圧)が加わり、付勢手段63によってストッパー受け部材61に加わる力よりも、ストッパー部材45によってストッパー受け部材61に加わる力が大きいと、当接体632が後退してストッパー受け部材61が回転し、ストッパー部材45がストッパー受け部材61から外れるため、障子20は閉鎖方向に回転する。
負圧時に障子20の回転を規制する規制装置40を設けた場合、折れ線114に示すように、障子20は全開状態(角度45度)のまま維持される。また、障子20の回転を規制する規制装置が無い場合、折れ線113に示すように、負圧による回転モーメントが重心201による回転モーメントを上回る点113Aの風速を超えると、障子20は閉鎖方向に回転し、障子角度も順次小さくなる。
また、負圧時に障子20の回転を規制する規制装置60を設けた場合、折れ線111、112に示すように、風速が低い場合、障子20は全開状態(角度45度)のまま維持されるが、当接体632を後退させる風速(折れ線111では点111Aの風速であり、折れ線112では点112Aの風速)を上回ると、ストッパー受け部材61からストッパー部材45が外れて障子20は閉鎖方向に回転し、障子角度も順次小さくなる。
このような第4実施形態の横軸回転窓2Dによれば、前記第2実施形態の横軸回転窓2Bと同じ構成を備えることで同じ作用効果を奏することができる。
また、規制装置60として、負圧時の風速が大きくなった場合にストッパーを解除する規制解除装置(付勢手段63、調整手段65)を設けたので、負圧時の風速が所定値以上に達した際に障子20を自動的に閉鎖できる。このため、風速が強い場合の過剰な換気を防止できる。
次に、本発明の第5実施形態の横軸回転窓2Eを図29〜33に基づいて説明する。第5実施形態の横軸回転窓2Eは、正圧時に障子20の回動を規制する点で第3実施形態の横軸回転窓2Cに類似するが、前記正圧が設定値以上になると前記回動規制を解除する規制装置70を有する点で相違する。なお、規制装置70は第4実施形態の規制装置60に機能上は類似するものである。従って、第3実施形態や第4実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を適宜省略する。
(障子閉鎖位置:回転角度0度の場合)
障子20が閉鎖位置にある場合は、前記第3実施形態と同じく、ストッパー部材55は、図29の2点鎖線で示すように、当接部588がストッパー受け部材71の上方に位置する。このため、障子20が開放方向に回転する場合に、規制装置70はその移動を妨げない。
(障子開放位置:回転角度45度の場合)
障子20が開放位置にあり、かつ、無風時のストッパー部材55は、図29,30の実線で示す状態となる。すなわち、補助翼ストッパー58の当接部588は、高さ方向の位置が受け部711の上方に位置し、当接部588の溝内に受け部711は配置されていない。
ストッパー部材55は、以上の条件を満たすように、軸部材31の軸心321に対して所定の位置に取り付けられている。
横軸回転窓2Eの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋外側から屋内側に向かって風が吹いた場合、図31に示すように、ストッパー部材55の補助翼582にも屋外側から屋内側に向かう風(正圧)があたる。このため、ストッパー部材55は、図31に示すように、横軸材57を回動中心として補助翼582が屋内側に移動する方向に回転する。このため、ストッパー部材55の当接部588は下側、つまりストッパー受け部材71側に移動する。このため、ストッパー部材55の当接部588の溝内に、受け部711が配置される。このため、障子20が正圧によって閉鎖方向に回転すると、当接部588がストッパー受け部材71に当接する。この際、受け部711にはコイルバネ633で付勢された当接体632が当接している。
このため、前記風の風速が第1風速未満であるために、当接部588によって受け部711に加わる力が、当接体632およびコイルバネ633によって受け部711に加わる力よりも小さい状態では、当接部488が受け部711に当接した状態を維持する。従って、障子20は閉鎖方向に回転できなくなる。
一方、前記風の風速が第1風速以上となって、当接部588によって受け部711に加わる力が、当接体632およびコイルバネ633によって受け部711に加わる力よりも大きい場合は、図32に示すように、当接体632が屋内側に後退し、ストッパー受け部材71も回転する。このため、当接部588が受け部711に当接する位置が屋内側に移動する分、障子20は閉鎖方向に回転する。
さらに、当接体632が屋内側に後退し、ストッパー受け部材71が回転すると、図33に示すように、ストッパー受け部材71からストッパー部材55が外れて障子20の回転規制が解除される。このため、障子20は、正圧の風によって閉鎖方向に回転する。
横軸回転窓2Eの障子20が全開状態(障子角度45度)のときに、屋内側から屋外側に向かって風が吹いた場合は、第3実施形態と同じく、ストッパー部材55は、横軸材57を回動中心として補助翼582が屋外側に移動する方向に回転する。このため、当接部588は受け部711から離れる方向(上側)に移動する。このため、障子20が負圧によって閉鎖方向に回転しても、当接部588がストッパー受け部材71に当接することがなく、障子20は前記負圧によって第3実施形態と同様に閉鎖方向に回転する。
また、障子20に対して屋内側から屋外側に、微風から弱風の風(負圧)が加わった場合、前記負圧による回転モーメントが、軸心321および重心201の偏心による回転モーメントよりも小さい場合は、障子20は開放状態を維持する。
さらに、障子20に対して屋内側から屋外側に、中風から強風の風(負圧)が加わった場合は、規制装置70は障子20の回転を規制しないので、第3実施形態と同じく、障子20は自動的に閉鎖方向に回転し、屋外への風の吹き出しを防止する。
また、障子20に対して屋外側から屋内側に、弱風から中風程度の風(正圧)が加わった場合は、第3実施形態と同様に、前記規制装置70のストッパー部材55がストッパー受け部材71に当接するため、障子20は閉鎖方向に回転できなくなる。このため、障子20は開放状態のままであり、屋外から屋内への風によって換気が行われる。
さらに、障子20に対して屋外側から屋内側に、中風から強風程度の風(正圧)が加わり、付勢手段63によってストッパー受け部材71に加わる力よりも、ストッパー部材55によってストッパー受け部材71に加わる力が大きいと、当接体632が後退して受け部711が回転し、ストッパー部材55がストッパー受け部材71から外れるため、障子20は閉鎖方向に回転する。
このような第5実施形態の横軸回転窓2Eによれば、前記第3実施形態の横軸回転窓2Cと同じ構成を備えることで同じ作用効果を奏することができる。
また、規制装置70として、正圧時の風速が大きくなった場合にストッパーを解除する規制解除装置を設けたので、正圧時の風速が所定値以上に達した際に障子20を自動的に閉鎖できる。このため、風速が強い場合の過剰な換気を防止できる。
前記各実施形態において、障子20を電動で開閉する機構を追加してもよい。この電動開閉機構は、横軸回転窓用として従来から用いられている機構を採用できる。このような電動開閉機構を備えていれば、無風時にも横軸回転窓を強制的に閉鎖状態として施錠することもできる。さらに、雨を検知するセンサを設ければ、雨が降ってきた際に横軸回転窓を強制的に閉鎖状態にでき、雨の吹き込みを防止できる。
さらに、窓枠10および障子20の回転軸320の軸心321と、障子20の重心201の位置関係を調整する構成としては、取り付け位置を調整可能なヒンジ装置30を用いるものに限定されない。例えば、複層ガラス25を組み込む障子と、単板ガラスを組み込む障子とで、取付位置を予め設定した専用の軸部材および軸受け部材を用いてもよい。ただし、ガラス25の板厚や取り付け位置などによって障子20の重心201の位置は変化するので、前記実施形態のように1mmピッチなどで調整可能なヒンジ装置30を用いることが好ましい。
また、回転軸320を縦枠3,4や縦框21、22に対して見込み方向に位置調整できないように固定して、窓枠10および障子20の回転軸320の軸心321と、障子20の重心201の位置関係を固定してもよい。例えば、単板ガラスが組み込まれた横軸回転窓の場合には、単板ガラスに合わせて回転軸の位置が設計された障子と窓枠とを用意すればよい。また、複層ガラスが組み込まれた横軸回転窓の場合には、複層ガラスに合わせて回転軸の位置が設計された障子と窓枠とを用意すればよい。
さらに、戸当たり部材8を設けずに、軸心321および重心201の位置関係で設定される回転モーメントの大きさで、障子20の開放時の回転角度を設定してもよい。
Claims (9)
- 窓枠と、障子と、前記窓枠に対して前記障子を回転自在に軸支する水平な回転軸とを備え、
前記回転軸は、前記障子の高さ方向の中心位置に配置され、かつ、前記障子の重心位置に対して見込み方向に所定距離離れた位置に配置されている横軸回転窓。 - 前記回転軸は、前記窓枠の縦枠および前記障子の縦框に対して前記窓枠の見込み方向に位置調整可能に取り付けられている請求項1に記載の横軸回転窓。
- 前記縦枠および縦框の一方に対して前記見込み方向に位置調整可能に取り付けられ、かつ、前記回転軸が設けられた軸部材と、
前記縦枠および縦框の他方に対して前記見込み方向に位置調整可能に取り付けられ、かつ、前記回転軸が回動自在に挿通される軸穴を有する軸受け部材とを備える請求項2に記載の横軸回転窓。 - 前記窓枠には、前記障子に当接して、前記障子が窓枠の開口を閉鎖する状態から開放する状態に回転する際の回転角度を規制する戸当たり部材が取り付けられ、
前記所定距離は、
前記障子に当たる風の風速が閾値未満の場合には、前記回転軸と重心位置とが見込み方向に所定距離離れていることで障子に発生する回転モーメントにより、前記障子が前記戸当たり部材に当接する位置まで回転し、
前記障子に当たる風の風速が閾値以上の場合は、前記障子が閉鎖方向に回転するように設定されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の横軸回転窓。 - 前記窓枠に取り付けられたストッパー受け部材と、
前記障子に取り付けられたストッパー部材とを有する規制装置を備え、
前記ストッパー部材は、前記障子に対して水平な横軸で回動自在に取り付けられたストッパー本体と、ストッパー本体に固定された風受け部とを備え、
前記規制装置は、
前記風受け部が屋外側から屋内側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋内側に回動した場合は、前記障子の閉鎖方向への回転を許容し、
前記風受け部が屋内側から屋外側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋外側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接して、前記障子の閉鎖方向への回転を規制する請求項1から請求項4のいずれかに記載の横軸回転窓。 - 前記窓枠に取り付けられたストッパー受け部材と、
前記障子に取り付けられたストッパー部材とを有する規制装置を備え、
前記ストッパー部材は、前記障子に対して水平な横軸で回動自在に取り付けられたストッパー本体と、ストッパー本体に固定された風受け部とを備え、
前記規制装置は、
前記風受け部が屋内側から屋外側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋外側に回動した場合は、前記障子の閉鎖方向への回転を許容し、
前記風受け部が屋外側から屋内側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋内側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接して、前記障子の閉鎖方向への回転を規制する請求項1から請求項4のいずれかに記載の横軸回転窓。 - 前記窓枠に取り付けられたストッパー受け部材および規制解除装置と、
前記障子に取り付けられたストッパー部材と、
を有する規制装置を備え、
前記ストッパー部材は、前記障子に対して水平な横軸で回動自在に取り付けられたストッパー本体と、ストッパー本体に固定された風受け部とを備え、
前記ストッパー受け部材は、前記窓枠に対して回動自在に取り付けられ、
前記規制解除装置は、前記ストッパー受け部材に当接して所定の付勢力で付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力を調整する調整手段とを備え、
前記規制装置は、
前記風受け部が屋外側から屋内側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋内側に回動した場合は、前記障子の閉鎖方向への回転を許容し、
前記風受け部が屋内側から屋外側に向かう第1風速未満の風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋外側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接して、前記障子の閉鎖方向への回転を規制し、
前記風受け部が屋内側から屋外側に向かう第1風速以上の風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋外側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接した際にストッパー受け部材に加わる力が前記付勢力以上となり、前記ストッパー部材が回動してストッパー本体がストッパー受け部材から外れて、前記障子の閉鎖方向への回転規制を解除する請求項1から請求項4のいずれかに記載の横軸回転窓。 - 前記窓枠に取り付けられたストッパー受け部材および規制解除装置と、
前記障子に取り付けられたストッパー部材と、
を有する規制装置を備え、
前記ストッパー部材は、前記障子に対して水平な横軸で回動自在に取り付けられたストッパー本体と、ストッパー本体に固定された風受け部とを備え、
前記ストッパー受け部材は、前記窓枠に対して回動自在に取り付けられ、
前記規制解除装置は、前記ストッパー受け部材に当接して所定の付勢力で付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力を調整する調整手段とを備え、
前記規制装置は、
前記風受け部が屋内側から屋外側に向かう風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋外側に回動した場合は、前記障子の閉鎖方向への回転を許容し、
前記風受け部が屋外側から屋内側に向かう第1風速未満の風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋内側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接して、前記障子の閉鎖方向への回転を規制し、
前記風受け部が屋外側から屋内側に向かう第1風速以上の風を受けて前記ストッパー本体および前記風受け部が屋内側に回動した場合は、前記ストッパー本体が前記ストッパー受け部材に当接した際にストッパー受け部材に加わる力が前記付勢力以上となり、前記ストッパー部材が回動してストッパー本体がストッパー受け部材から外れて、前記障子の閉鎖方向への回転規制を解除する請求項1から請求項4のいずれかに記載の横軸回転窓。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の横軸回転窓を備える建物。
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