JP2015021154A - 電解金属箔の連続製造方法及び電解金属箔連続製造装置 - Google Patents

電解金属箔の連続製造方法及び電解金属箔連続製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】不溶性金属陽極に付着する鉛による電流不均一化や、該陽極上で発生する気泡よる金属箔の品質低下防止、歩留まり向上、セル電圧の低下、添加剤による不溶性金属陽極の消耗加速を防止可能な電解金属箔連続製造方法及び製造装置の提供。
【解決手段】金属箔生成用電解液に一部を浸漬して回転する円筒状陰極ドラムと、該ドラムに対面する部分を有する断面円弧状の不溶性金属陽極とを有する装置を用い、該装置が、不溶性金属陽極の表面に隔膜が密着して配置され、かつ、陰極ドラムと隔膜との間に陰極室が形成されるとともに、陽極の背面側に陽極室が形成された構造を有し、陰極室内に金属箔生成用電解液を供給し、陽極室内に酸溶液を供給して電解を行い、陰極ドラムの表面に電解析出した金属箔を陰極ドラムから剥離し、連続的に金属箔を製造する電解金属箔連続製造方法及び装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の電解金属箔、特に、電解銅箔の連続製造に好適な電解金属箔の連続製造方法及び電解金属箔連続製造装置に関するものである。
従来から行われている、各種の金属箔を連続電解法で製造する技術の例としては、プリント配線板製造の基礎材料である電解銅箔の連続製造が知られている。例えば、従来の電解銅箔の連続電解装置には、特許文献1に記載のように、ドラム状(円筒型)の陰極と、鉛−銀合金等を用いた鉛合金電極を陽極に用いたものが使用されていた。
この鉛合金電極は、例えば、硫酸銅溶液等の高濃度の酸性金属塩溶液に対する耐酸性を備えている。しかも、鉛合金電極は、構成成分である鉛の融点が低いため、陰極のドラム面の形状に沿って、対向する湾曲した陽極の対向面を形成する加工が容易であり、且つ、電解装置の設置現場における加工も容易である利点もあった。即ち、鉛合金電極は、良好な加工性を発揮し、作業性に優れることから、広く使用されてきた。
ところが、当該電解銅箔の連続電解装置が大型化すると共に、鉛合金電極の合金組成を、同一面内で均一化することは困難となってきた。また、電解液として用いる酸系溶液中での鉛合金電極は、合金組成の変動、結晶構造の差異等のロット間の違いが、電解時の分極性能に顕著に影響を与え、技術進歩に伴う高品質の電解銅箔の製造が困難となってきた。
しかも、鉛合金電極は、電解に伴う消耗が大きく、電極面の形状変化が起こりやすく、メンテナンスコストも増大し、消耗した電極から電解液中に出て行く鉛成分は、金属鉛、鉛イオン、酸鉛、酸化鉛等の成分に変化し、電解銅箔に混入する場合があり、種々の製品不良の原因となっていた。
そこで、これらの問題点の解決のために、鉛合金電極に変えて、近年チタン等の弁金属表面に白金族金属又はその酸化物を含む導電性電極物質を被覆した不溶性金属電極が使用されるようになった。
不溶性金属電極を使用した従来の電解銅箔の連続電解方法では、特許文献1に記載のように、金属箔生成用電解液に一部浸漬して回転する円筒状陰極ドラムと、該陰極ドラムに対面させ、その周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極を配置した装置を用い、前記陰極ドラムと前記陽極との間に前記金属箔生成用電解液を供給して前記陰極ドラム上に金属箔を電着させ、電着した金属箔を前記陰極ドラムから剥離して連続的に金属箔を製造する連続電解方法が採用されている。しかし、使用する不溶性金属陽極には、前記陰極ドラムの周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極が使用されており、その形状が複雑であり、前記陽極を、従来の鉛合金電極に変えて不溶性金属電極で置き換えた場合、その成形が困難であるばかりでなく、電極の交換(再活性化処理)が難しいといった問題があった。
そこで、この種の不溶性金属電極を陽極として使用する場合、特許文献2に示すように、陰極ドラムに対面しその周囲の一部を囲む断面円弧状の陽極架台又は給電板を設け、その架台又は給電板の表面に、板状もしくは曲面状の電極基体の電解作用面の少なくとも一部に電極被覆を形成した薄板状不溶性金属陽極をねじ等の着脱自在の取り付け手段で固着するとともに、電極基体の薄板状の不溶性金属陽極との接触面には電極被覆を形成した不溶性電極構造体が用いられるようになった。
銅箔は、電子、電気材料として特にプリント配線板用途に大量に使用されている。プリント配線板は高性能化、高信頼性化が進んでおり、そのため要求特性は複雑で且つ多様化してきている。このプリント配線板の構成材料の一つとなっている銅箔についても同様に、厳しい品質要求が課せられてきている。
それにより、箔の管理基準が厳しくなり、箔厚バランスの基準も厳しくなってきた。また、銅箔品質に影響する添加剤についても色々な物が用いられる様になり、不溶性電極の触媒消耗が大きくなり、短寿命化する。
特に、電解銅箔においては、同一面内における厚さバラツキを抑制したいという要求が顕著になっている。即ち、電解銅箔の場合、電解銅箔を用いて製造したプリント配線板でのファインピッチ回路の形成、多層プリント配線板の薄層化等の加工精度、ダウンサイジング等の向上から、より薄くて、且つ、厚さバラツキの少ない電解銅箔が要求されている。
よって、電解銅箔を初めとする電解金属箔の同一面内における厚さバラツキを抑制することの可能な電解金属箔連続製造装置、及びその電解金属箔連続製造装置を用いて得られた厚さバラツキの少ない電解金属箔が望まれてきた。
然しながら、特許文献2に記載の不溶性金属陽極を使用し、特許文献1に記載の方法により電解銅箔を製造する場合、電解室は、陰極ドラムと不溶性金属電極との間に形成される1室のみとなり、鉛を含有した電解液は、箔製造時に不溶性金属電極上に酸化鉛として析出する。その析出した酸化鉛が操業中に脱落し電流分布不均一の原因となる。また、その付着した酸化鉛は電解停止時に不良導電体である硫酸鉛化し、電流分布不均一の原因となり、不溶性金属電極の寿命が短くなる要因となる。
また、付着した鉛は、鉛化合物の状態で電解液中に脱落する。その鉛化合物が銅箔へ巻き込まれ、箔品質の低下やピンホールの原因となり不溶性電極が交換される。
また、添加剤として、主にゼラチンが用いられてきたが、昨今、銅箔の添加剤として、チオ尿素、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)といった添加剤とそれらの組み合わせが用いられるようになった。それらは不溶性電極の触媒消耗を加速させ、電極の短寿命化の要因となる。
また、不溶性金属電極上で発生する酸素の気泡は、陰極ドラムに付着し、ピンホールの原因となる。
一方、印刷用ロールの銅めっき、プリント配線基盤のスルーホール銅めっき、電解銅箔等の酸系の銅めっき浴からの銅めっき技術として、陽イオン交換膜により陽極室と陰極室を分離して行う方法が特許文献3に開示されている。
特許文献3は、陽極室内に不溶性金属陽極とともに可溶性の銅陽極を設け、これらの陽極を陽イオン交換膜によって遮蔽、分離し、陽極室内において、銅陽極から生成する陽極スライムが、陽極室内にて溶解し、陰極室内のめっき液中にスライムが移行せず、陰極室内の陰極液が、陽極スライムによって汚染されず、均一で優れためき被膜を形成するものである。
然しながら、特許文献3では、陽極を収納する陽極室には、添加物を含むめっき液は供給されないが、めっき液と同一成分である硫酸銅/硫酸が供給される。
また、特許文献3においては、陽イオン交換膜は、筒状の陽極室枠の壁面に取り付けられており、該陽イオン交換膜は、陽極と離間して設けられており、陽極の表面に直接保持されておらず、不溶性金属陽極とゼロギャップ化されていない。このため、特許文献3においては、陽極と陰極間に液中気泡が発生し、液抵抗が上がり、電圧、電力が高くなる欠点を有している。
更に、特許文献3は、バッチ式に電解金属を製造する技術であり、電解金属箔を連続に製造することはできない。
また、特許文献4は、特許文献3と同様に、印刷用ロールの銅めっき、プリント配線基盤のスルーホール銅めっき、電解銅箔等の硫酸銅めっき浴からの銅めっき技術に関するものであり、特許文献4においては、陽極室内に可溶性の銅陽極が収納されていないが、陽極室としては、矩形状の陽極室枠が設けられ、その中に不溶性金属陽極が収納されており、陽イオン交換膜は、特許文献3と同様に矩形状の陽極室枠の側壁に張り付けられており、不溶性金属陽極とゼロギャップ化若しくはファイナイト化されてはおらず、特許文献3に記載の技術と同様の欠点を有している。
特許文献5は、めっき装置に関するものではなく、めっき用不溶性金属陽極に関するものであり、特許文献5おいては、陽極室枠としては、矩形状の陽極室枠が設けられ、その中に不溶性金属陽極が収納され、あるいは、その壁の一部に不溶性金属陽極が形成されており、陽イオン交換膜は、特許文献3と同様に矩形状の陽極室枠の側壁に張り付けられているが、不溶性金属陽極とゼロギャップ化若しくはファイナイト化されておらず、特許文献3に記載の技術と同様の欠点を有している。
特許文献6及び7は、何れもフレキシブル銅張積層板の製造方法に関する発明であり、陽イオン交換膜によって陽極と陰極を分離することについての記載はあるが、装置としての構造については、全く開示されておらず、陽イオン交換膜によって陽極と陰極を分離するための構成が不明であり、勿論、陽イオン交換膜と不溶性金属陽極とをゼロギャップ化若しくはファイナイト化するための構成要件が記載されていない。
上記のように、特許文献3〜7には、陽イオン交換膜により陽極室と陰極室を分離して行う電解方法が開示されているが、これらの方法では、陽イオン交換膜は、不溶性金属陽極と離間して配置されており、陽イオン交換膜と不溶性金属陽極がゼロギャップ化されておらず、このことに起因すると考えられるが、これらの従来技術によっては、不溶性金属電極上に付着する鉛による電流不均一化や不溶性電極上で発生する気泡よる銅箔品質低下及び歩留まりを向上させることができず、また、気泡や付着鉛の影響を防ぐことができず、セル電圧を下げることはできない。しかも、添加剤による不溶性電極の消耗加速を防ぐこともできなかった。
特開2001−81592号公報 特開平5−202498号公報 特許第3455705号公報 特許第3903120号公報 特許第3928013号公報 特開2006−316328号公報 特許第4560726号公報
本発明の目的は、これらの従来技術の問題点を解決し、不溶性金属陽極上に付着する鉛による電流不均一化や不溶性金属陽極上で発生する気泡よる銅箔品質低下を防止し、歩留まりを向上させること、気泡や付着鉛の影響をなくし、セル電圧を下げること、また、添加剤による不溶性金属陽極の消耗加速を防ぐことのできる電解金属箔連続製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明における第1の解決手段は、上記の目的を達成するため、金属箔生成用電解液に一部浸漬して回転する構造の円筒状陰極ドラムと、該陰極ドラムの周囲の一部に対面させて配置した、その周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極とを有する装置を用い、前記陰極ドラムの表面に前記金属箔生成用電解液を供給して前記陰極ドラム上に金属箔を電着させ、電着した金属箔を前記陰極ドラムから剥離して連続的に金属箔を製造する電解金属箔連続製造方法において、
前記装置は、前記不溶性金属陽極の断面円弧状の表面に隔膜が密着して配置されており、かつ、
前記陰極ドラムと該隔膜との間に陰極室が形成されるとともに、
前記不溶性金属陽極の背面側に陽極室が形成された構造を有してなり、
前記陰極室内に金属箔生成用電解液を供給し、
前記陽極室内に酸溶液を供給して電解を行い、
前記陰極ドラムの表面に電解析出した金属箔を前記陰極ドラムから剥離し、
連続的に金属箔を製造する、
ことを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供することにある。
本発明における第2の解決手段では、上記の目的を達成するため、前記金属箔が銅箔であり、前記金属箔生成用電解液が硫酸銅溶液であり、前記酸溶液が純硫酸溶液であることを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供する。
本発明における第3の解決手段では、上記の目的を達成するため、前記隔膜が陽イオン交換膜であることを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供する。
本発明における第4の解決手段では、上記の目的を達成するため、前記隔膜が陰イオン交換膜であることを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供する。
本発明における第5の解決手段では、上記の目的を達成するため、前記隔膜が中性隔膜であることを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供する。
本発明における第6の解決手段では、上記の目的を達成するため、前記陽イオン交換膜がパーフルオロスルホン酸膜であることを特徴とする電解金属箔連続製造方法を提供する。
本発明における第7の解決手段では、上記の目的を達成するため、金属箔生成用電解液に一部浸漬して回転する構造の円筒状陰極ドラムと、該陰極ドラムの周囲の一部に対面し、その周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極と、前記陰極ドラムの表面に前記金属箔生成用電解液を供給して前記陰極ドラム上に金属箔を電着させる装置と、電着した金属箔を前記陰極ドラムから剥離する装置とを有してなる、連続的に金属箔を製造するための電解金属箔連続製装置において、
前記不溶性金属陽極の断面円弧状の表面に密着して配置した隔膜と、
前記陰極ドラムと該隔膜との間に形成した陰極室と、
前記不溶性金属陽極の背面側に形成した陽極室と、を有する電解部と、
前記陰極室内に金属箔生成用電解液を供給するための装置と、
前記陽極室内に酸溶液を供給するための装置と、
前記陰極ドラムの表面に電解析出した金属箔を前記陰極ドラムから剥離して連続的に金属箔を巻き取るための装置と、
を備えてなることを特徴とする電解金属箔連続製造装置を提供することにある。
尚、本明細書において、不溶性金属陽極の断面円弧状の表面に隔膜を密着して配置するとは、不溶性金属陽極と隔膜とが、全面若しくは部分的に密着している状態(ゼロギャップ化状態)及び微小間隔を以って配置されている状態(ファイナイト化状態)のいずれの状態も含むことを意味するものである。
本発明によれば、金属箔生成用電解液に、その一部を浸漬して回転する構造の円筒状陰極ドラムと、該ドラムの一部に対面して配置された断面円弧状の不溶性金属陽極とを用いる従来技術において、この断面円弧状の不溶性金属陽極の表面に、新たに隔膜を密着して配置させた構成としたことで、以下の顕著な効果が得られる。
まず、本発明によれば、隔膜によって分離されて陽極室と陰極室とが形成され、不溶性金属陽極は、該隔膜によって陰極室と隔離された陽極室内に配置され、陽極室内には、純硫酸のような純酸溶液よりなる陽極液が供給され、一方、陰極は、前記隔膜によって陽極室と隔離された陰極室内に配置され、該陰極室内には、鉛や添加剤を含んだ硫酸銅溶液のような金属箔生成用電解液(陰極液)が供給されるので、不溶性金属陽極は、純酸溶液よりなる陽極液のみと接触し、鉛や添加剤を含んだ硫酸銅溶液よりなる陰極液と接触することがないので、不溶性金属陽極に鉛や添加剤が析出する恐れがない。
また、本発明によれば、箔製造時に不溶性金属陽極上に酸化鉛が析出することがないので、脱落した鉛化合物による電流分布の不均一化がなくなり、銅箔の均一性が長期にわたって維持されるため、付着鉛の影響による不溶性金属陽極の交換をしなくて済むようになる。
更に、本発明によれば、硫酸銅溶液のような金属箔生成用電解液中の添加剤による不溶性金属陽極の触媒消耗加速がなくなるので、不溶性金属陽極の長寿命化が達成できる。
また、本発明によれば、鉛化合物の銅箔への巻き込みが無くなり、箔品質の向上とピンホールの低減による歩留まり向上ができる。
しかも、本発明によれば、不溶性金属陽極の表面に隔膜が直接配置され、前記陽極と隔膜とが密着して配置されているので、不溶性金属陽極で発生した気泡は、そのまま陽極室から排出され、陰極室に移行することがないので、陰極表面に電解析出する金属箔に、気泡によるピンホールをなくすことができる。従って、本発明によれば、不溶性金属陽極上で発生する気泡による銅箔品質低下を防止し、歩留まりを向上させることができる。
本発明の電解金属箔連続製造装置の1実施態様である電解銅箔を連続的に製造する装置の基本的な構造を示す模式図。 本発明の電解金属箔連続製造装置に使用する不溶性金属陽極の表面に隔膜を配置した状態の1実施態様の一部切欠き斜視図。 図2のC断面図。
以下、本発明の実施の態様を図面とともに説明する。
図1は、本発明の電解金属箔連続製造装置の1実施態様である電解銅箔を連続的に製造する装置の基本的な構造を示したものである。この電解銅箔装置は、電解槽1の中にチタン又はニッケル製の円筒状陰極ドラム2が設置される。この陰極ドラム2は、回転可能な構造を有し、かつ、金属箔生成用電解液中に部分的(ほぼ下半分)に浸漬された状態で回転するように、電解槽1中に配置されている。そして、この陰極ドラム1の外周下半分を取囲むように、断面円弧状の不溶性金属陽極3が設けられており、陰極ドラム2の外周下半分は、不溶性金属陽極3が対面配置された状態になっている。本発明の電解金属箔連続製造装置は、この対面した部分における陰極ドラム2と不溶性金属陽極3との間に一定の間隙が設けられ、さらに、不溶性金属陽極3の断面円弧状の表面に隔膜4が密着して配置されて設けられていることを特徴とする。本発明の装置では、上記構造とすることで、前記陰極ドラム2と、不溶性金属陽極3の表面に密着して設けた隔膜4との間に間隙を形成し、この間隙を陰極室5とする。図1に例示した本発明の電解金属箔連続製造装置では、不溶性金属陽極3は、給電板6に取り付けられており、不溶性金属陽極3の、隔膜4を設けたのとは反対の背面側と、給電板6の内璧との間隙を陽極室7としている。上記の間隙における間隔は、いずれも従来の同様の構成の電解金属箔連続製装置のものと異なるものではなく、同様の設計でよい。本発明において重要なことは、不溶性金属陽極3の表面に隔膜4を密着して設けることで、陰極室5と陽極室7とに区画した点にある。
上記した陰極室5には、金属箔生成用電解液供給パイプ8が接続され、該陰極室5とは、隔膜4が表面に密着してなる不溶性金属陽極3を介して隔てられている陽極室7には、純酸溶液供給パイプ9が接続されている。そして、これらのパイプを通じて、陰極室5には、金属箔生成用電解液槽から硫酸銅溶液等の金属箔生成用電解液が導入され、陽極室7には、硫酸等の純酸溶液が導入される。硫酸銅溶液等の金属箔生成用電解液は、例えば、図1に示したようなフローで、陰極室5よりオーバーフロー槽20にオーバーフローされ、硫酸銅溶液貯槽21に貯槽される。硫酸銅溶液貯槽21に貯槽された硫酸銅溶液には、随時、銅溶解槽22において金属銅が溶解されて生成された新たな硫酸銅溶液が供給され、電解により使用された銅成分が補給されるようにして、循環使用され。また、陽極室7に供給される純硫酸溶液は、陽極室7よりオーバーフローされ、硫酸溶液貯槽23に貯槽され、循環使用される。
図1中の10は、製品となる金属箔であり、11は、金属箔巻き取りロールである。
図2は、本発明の電解金属箔連続製造装置に使用する不溶性金属陽極の表面に隔膜を配置した状態の1実施態様の一部切欠き斜視図であり、図3は、図2のC断面図を示したものである。
不溶性金属陽極3は、図2、図3に示すように、短冊状に形成された複数の長方形のメッシュ形状の陽極片12が、円周の4分の1の円弧状に形成された給電板6の表面に互いに当接するよう配置され、複数の給電ボス13に、皿ビス14で着脱自在に固定され、給電板6の円弧に沿うように組み立てられる。円周の4分の1の円弧状に形成された給電板6は、金属箔生成用電解液供給パイプ8及び酸溶液供給パイプ9を挟んで、円筒状陰極ドラム2の下部の両側に設けられる。
このようにして組み立てた不溶性金属陽極3の表面に隔膜4を張り、隔膜4の4辺を給電板6のフランジ部15に重ね、その重ねた部位をパッキン16で覆い、この上にフランジ17を置く。その後、フランジ17とフランジ部15に挟まれた(膜と重なった部位を含む)パッキン16を、皿ビス18とフランジ17に(周囲をシール溶接した)袋ナット19で着脱自在に締結する。
このようにして、隔膜4を給電板6の4辺でパッキン16を用いて押さえシールすることにより、給電板6の内璧側を流れる液の流路(陽極室7)が形成される。
次に、本発明による電解金属箔連続製造方法の1例について、前記金属箔が銅箔であり、前記金属箔生成用電解液が硫酸銅溶液であり、前記酸溶液が純硫酸溶液である場合について説明する。
電解槽1中に設置されたチタン製又はニッケル製の円筒状陰極ドラム2は、金属箔生成用電解液である硫酸銅溶液中に部分的(ほぼ下半分)に浸漬された状態で図1の矢印方向に回転する。陰極ドラム2と隔膜4との間に形成された陰極室5内に、陰極ドラム2の中心部の下方より金属箔生成用電解液供給パイプ8より、金属箔生成用電解液である硫酸銅溶液が流入される。この硫酸銅溶液には、形成される銅箔の性状を改善するためゼラチン等の多くの添加剤を含有しており、循環するよう構成されており、循環途中において、金属箔の原料となる金属銅を溶解し硫酸銅溶液に添加し、硫酸銅溶液の濃度調整を行っている。また、不溶性金属陽極3の背面側の給電板6の内璧側に形成された陽極室7内に、陰極ドラム2の中心部の下方より酸溶液供給パイプ9より、酸溶液である純硫酸溶液が流入される。この純硫酸溶液もまた、循環するよう構成されている。陰極ドラム2と不溶性金属陽極3の間には整流器(不図示)を介して、両者の間に所定の電圧が負荷され、電解が行われる。
陰極ドラム2が回転するにつれ、硫酸銅溶液から電着した銅は厚みを増大し、ある厚み以上となったところで金属箔10である銅箔は剥離され、金属箔巻き取りロール11に連続的に巻き取っていく。
その結果、本発明による各種の電解金属箔、特に、電解銅箔の製造に好適な電解金属箔連続製造方法及び電解金属箔連続製造装置は、次のような作用効果を発揮することができる。
1)不溶性金属陽極3は、隔膜4によって多くの添加剤を含む硫酸銅溶液等の金属箔生成用電解液から隔離されており、該電解液中の添加剤及び鉛イオンとは、接触することはなく、純硫酸溶液等の酸溶液中に留めることが可能で、この結果、陽極の寿命等を向上させることができる。また、鉛化合物が不溶性金属陽極3上に析出しなくなるので、セル電圧の低下も期待できる。
2)不溶性金属陽極3の表面に鉛とその微粒子が形成されたとしても、隔膜4でバリヤでき、鉛等の脱落が生じたとしても、陰極ドラム上に形成される銅箔等の金属箔に悪影響を及ぼす恐れはない。
3)不溶性金属陽極3の表面にCuデンドライト成長した場合でも、これによって生じるショートを防止できる。また、不溶性金属陽極3上に鉛が析出しないので、電流分布の均一化が維持されることにより、極間を詰められる可能性が有り、結果、電圧低減、電力低減が可能となる。
4)不溶性金属陽極3と隔膜4とは、密着して配置されており、ゼロギャップ化若しくはファイナイト化されているので、陽極と陰極間の液中気泡が無くなり、液抵抗を低下でき、電圧低減、電力低減が可能となる。
尚、不溶性金属陽極3の表面に隔膜4を密着して配置する方法は特に限定されず、上記のようにパッキン16、フランジ17、皿ビス18、袋ナット19を設ける代わりに、マイクロメッシュで押さえる方法、横方向のサポートで押さえる方法、PTFE糸等で押さえる方法等を用いてもよい。
また、不溶性金属陽極3の表面に隔膜4を張る場合、不溶性金属陽極3の表面に隔膜4を密着させて配置する必要があるが、密着の状態は、前述の通り、不溶性金属陽極3と隔膜4とが、全面若しくは部分的に密着している状態(ゼロギャップ化状態)としても、微小間隔を以って配置されている状態(ファイナイト化状態)としてもよく、その調整は、例えば、パッキン16の厚みを変えることによって行うことができる。
不溶性金属陽極3は、図1で例示したように、短冊状に形成された複数の長方形のメッシュ形状の陽極片12を局面状に加工された給電板6の表面に互いに当接するよう配置するものに限定されず、例えば、給電板6の形状に沿うよう一枚の円弧状に形成されたメッシュ形状の板状体としてもよい。また、不溶性金属陽極3は、先に例示した給電板6に直接取り付ける方法に限らず、例えば、局面状に加工された電極架台等を介して給電板6に取り付けてもよい。
また、本発明で使用する不溶性金属陽極3は、チタンのような弁金属によって電極基体を形成し、その表面に電極被覆を形成したものであることが好ましい。この際の電極被覆は、電極の使用目的に応じて任意の電極被覆を形成することができるが、例えば、酸溶液として硫酸溶液を使用する場合は、酸化イリジウムを含む被覆で電極被覆をしたものを用いることが好ましい。
また、本発明に使用する隔膜4としては、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、中性隔膜を使用することができる。いずれの隔膜を使用しても、表1に示すように、製品である銅箔への鉛粒の混入はなく、銅箔品質及び銅箔外観において大きな差異はなかった。
尚、表1に示すように、隔膜4として、陽イオン交換膜を使用した場合に、陰イオン交換膜や中性隔膜を使用した場合に比較して、セル電圧、電流効率、陽極寿命の点で、より好ましい結果が得られた。その理由としては、陽イオン交換膜を使用した場合、銅イオンへの電荷のやり取りは、膜中のプロトン移動に律速されるためと推定される。
一方、陰イオン交換膜を使用した場合は、陽イオン交換膜を使用した場合に比較して、後述する実施例6、7に示すように、セル電圧が若干高くなり、電流効率も若干低下する傾向があったが、陽極の寿命、銅箔品質及び銅箔外観においては、大きな差異はなかった。
また、中性隔膜を使用した場合は、陽イオン交換膜を使用した場合に比較して、後述する実施例8に示す通り、陽極の寿命が若干低下する傾向があったが、セル電圧、電流効率、銅箔品質及び銅箔外観においては、大きな差異はなかった。この場合に、陽極の寿命が若干低下した理由は、中性隔膜を使用した場合、陽極液と陰極液を完全に分離することはできず、一部混合してしまうことが生じためと考えられる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
1)不溶性金属陽極の製作条件(A)
JIS1種チタン板の表面を鉄グリット(#120サイズ)にて乾式ブラスト処理を施し、次いで、20%硫酸水溶液中(105℃)にて10分間酸洗処理を行い、電極基板の洗浄処理を行った。洗浄した電極基板をアークイオンプレーティング装置にセットし、純チタン材のアークイオンプレーティング被覆を行った。被覆条件は次の通りである。
ターゲット:JIS1種チタン円板(裏面を水冷)
真空度:1.0×10-2Torr(Arガス置換導入)
投入電力:500W(3.0KV)
基板温度:150℃(アークイオンプレーティング時)
時間:35分
コーティング厚み:2ミクロン(重量増加換算)
アークイオンプレーティング被覆後、X線回折を測定すると、基板バルクに帰属する鋭い結晶性ピークと、スパッタリング被覆に帰属するブロードなパターンが見られ、該被覆が非晶質であることがわかった。
次に、四塩化イリジウム、五塩化タンタルを35%塩酸に溶解して塗布液とし、この塗布液を、前記アークイオンプレーティング被覆処理済の基板にハケ塗りして乾燥後、空気循環式の電気炉中(550℃、20分間)にて熱分解被覆を行い、酸化イリジウムと酸化タンタルとの固溶体よりなる電極触媒層を形成した。前記ハケ塗りの1回の塗布厚みは、イリジウム金属に換算してほぼ1.0g/m2になる様に前記塗布液の量を設定した。
この塗布〜焼成操作を12回繰り返したものを製作した。このようにして製造した不溶性金属陽極を図1に示す電解銅箔連続製造装置を用い、以下の条件で電解した。
2)隔膜
下記陽イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
イ:ナフィオン117(デユポン社の登録商標)
ロ:ナフィオン551(デユポン社の登録商標)
ハ:ナフィオン424(デユポン社の登録商標)
3)電解条件
電流密度:60A/dm2
電解温度:60℃
陰極液成分:硫酸銅溶液
銅濃度:70g/L
硫酸濃度:100g/L
ゼラチン:20ppm
鉛濃度:20ppm
陽極液成分:純硫酸溶液
硫酸濃度:100g/L
その結果は、表1に示す通り、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観のすべてにおいて良好な結果が得られた。
<実施例2>
1)不溶性金属陽極の製作条件(B)
JIS1種チタン板の表面を鉄グリット(#120サイズ)にて乾式ブラスト処理を施し、次いで、20%硫酸水溶液中(105℃)にて10分間酸洗処理を行い、電極基板の洗浄処理を行った。洗浄した電極基板に五塩化タンタルと四塩化チタンを35%塩酸に溶解して塗布液とし、空気循環式の電気炉中(550℃、20分間)にて熱分解被覆を行い、中間層を形成した。
次に、四塩化イリジウム、五塩化タンタルを35%塩酸に溶解して塗布液とし、前記中間層形成済基板にハケ塗り乾燥後、空気循環式の電気炉中(550℃、20分間)にて熱分解被覆を行い、酸化イリジウムと酸化タンタルとの固溶体よりなる電極触媒層を形成した。前記ハケ塗りの1回の塗布厚みは、イリジウム金属に換算してほぼ1.0g/m2になる様に前記塗布液の量を設定した。
この塗布〜焼成操作を12回繰り返したものを製作した。このようにして製造した不溶性金属陽極を図1に示す電解銅箔連続製造装置を用い、以下の条件で電解した。
2)隔膜
実施例1と同一の陽イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観のすべてにおいて良好な結果が得られた。
<実施例3>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
実施例1と同一の陽イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
3)電解条件
電流密度を30A/dm2に変更した以外は、実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観のすべてにおいて良好な結果が得られた。
<実施例4>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
実施例1と同一の陽イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
3)電解条件
電流密度を80A/dm2に変更した以外は、実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観のすべてにおいて良好な結果が得られた。
<実施例5>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
下記陽イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着したが、ゼロギャップ化ではなく、ファイナイト化した。
ナフィオン117(デユポン社の登録商標)
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観のすべてにおいて良好な結果が得られた。
<実施例6>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
下記陰イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
ネオセプタA−0300(アストム社の登録商標)
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧は若干上昇、製箔電流効率は、若干低下したが、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観は、良好な結果が得られた。
<実施例7>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例2と同一の条件(B)で製作した。
2)隔膜
下記陰イオン交換膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
ネオセプタA−0300(アストム社の登録商標)
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、セル電圧は若干上昇、製箔電流効率は、若干低下したが、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観は、良好な結果が得られた。
<実施例8>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
下記中性隔膜を使用し、不溶性金属陽極と密着し、ゼロギャップ化した。
ユミクロンY9201T(ユアサ メンブレンシステム社の登録商標)
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。
その結果は、表1に示す通り、陽極寿命は、若干低下したが、セル電圧、製箔電流効率、陽極寿命、銅箔品質、銅箔外観は、良好な結果が得られた。
<比較例1>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例1と同一の条件(A)で製作した。
2)隔膜
無隔膜とした。
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。但し、陰極液のみを使用し、陽極液は使用しなかった。
その結果は、表1に示す通り、陽極寿命は、大幅に低下した。
<比較例2>
1)不溶性金属陽極の製作条件
実施例2と同一の条件(B)で製作した。
2)隔膜
無隔膜とした。
3)電解条件
実施例1と同一の電解条件を使用した。但し、陰極液のみを使用し、陽極液は使用しなかった。
その結果は、表1に示す通り、陽極寿命は、大幅に低下した。
Figure 2015021154
本発明によれば、従来の装置を用いた製造方法で生じていた不溶性金属陽極上に付着する鉛による電流不均一化や、不溶性金属陽極上で発生する気泡よる銅箔品質低下を防止し、金属箔の製品歩留まりを向上させることができるとともに、気泡や付着鉛の影響をなくし、セル電圧を下げることができ、しかも、添加剤による不溶性金属陽極の消耗加速を防ぐことができるので、品質の良い電解金属箔を高効率で連続的に製造することができ、電解銅箔その他各種の電解金属箔の製造分野に利用することができるため、その広範な利用が期待される。
1:電解槽
2:陰極ドラム
3:不溶性金属陽極
4:隔膜
5:陰極室
6:給電板
7:陽極室
8:金属箔生成用電解液供給パイプ
9:酸溶液供給パイプ
10:金属箔
11:金属箔巻き取りロール
12:不溶性金属陽極3を構成する短冊状に形成された長方形状の陽極メッシュ
13:給電ボス
14:皿ビス
15:給電板6のフランジ部
16:パッキン
17:フランジ
18:皿ビス
19:袋ナット
20:オーバーフロー槽
21:硫酸銅溶液貯槽
22:銅溶解槽
23:硫酸溶液貯槽

Claims (7)

  1. 金属箔生成用電解液に一部浸漬して回転する構造の円筒状陰極ドラムと、該陰極ドラムの周囲の一部に対面させて配置した、その周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極とを有する装置を用い、前記陰極ドラムの表面に前記金属箔生成用電解液を供給して前記陰極ドラム上に金属箔を電着させ、電着した金属箔を前記陰極ドラムから剥離して連続的に金属箔を製造する電解金属箔連続製造方法において、
    前記装置は、前記不溶性金属陽極の断面円弧状の表面に隔膜が密着して配置されており、かつ、
    前記陰極ドラムと該隔膜との間に陰極室が形成されるとともに、
    前記不溶性金属陽極の背面側に陽極室が形成された構造を有してなり、
    前記陰極室内に金属箔生成用電解液を供給し、
    前記陽極室内に酸溶液を供給して電解を行い、
    前記陰極ドラムの表面に電解析出した金属箔を前記陰極ドラムから剥離し、
    連続的に金属箔を製造する、
    ことを特徴とする電解金属箔連続製造方法。
  2. 前記金属箔が銅箔であり、前記金属箔生成用電解液が硫酸銅溶液であり、前記酸溶液が純硫酸溶液ある請求項1に記載の電解金属箔連続製造方法。
  3. 前記隔膜が陽イオン交換膜である請求項1又は2に記載の電解金属箔連続製造方法。
  4. 前記隔膜が陰イオン交換膜である請求項1又は2に記載の電解金属箔連続製造方法。
  5. 前記隔膜が中性隔膜である請求項1又は2に記載の電解金属箔連続製造方法。
  6. 前記陽イオン交換膜が、パーフルオロカチオン交換膜である請求項3に記載の電解金属箔連続製造方法。
  7. 金属箔生成用電解液に一部浸漬して回転する構造の円筒状陰極ドラムと、該陰極ドラムの周囲の一部に対面し、その周囲の一部を囲む断面円弧状の不溶性金属陽極と、前記陰極ドラムの表面に前記金属箔生成用電解液を供給して前記陰極ドラム上に金属箔を電着させる装置と、電着した金属箔を前記陰極ドラムから剥離する装置とを有してなる、連続的に金属箔を製造するための電解金属箔連続製装置において、
    前記不溶性金属陽極の断面円弧状の表面に密着して配置した隔膜と、
    前記陰極ドラムと該隔膜との間に形成した陰極室と、
    前記不溶性金属陽極の背面側に形成した陽極室と、を有する電解部と、
    前記陰極室内に金属箔生成用電解液を供給するための装置と、
    前記陽極室内に酸溶液を供給するための装置と、
    前記陰極ドラムの表面に電解析出した金属箔を前記陰極ドラムから剥離して連続的に金属箔を巻き取るための装置と、
    を備えてなることを特徴とする電解金属箔連続製造装置。
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