JP2015020204A - 溶接電源のくびれ検出制御方法 - Google Patents

溶接電源のくびれ検出制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】くびれ検出制御を行なう複数の溶接電源を同時に使用する場合において、くびれ検出感度Vtnの自動設定制御がハンチングすることを防止する。
【解決手段】溶接電源は溶滴のくびれの形成状態がくびれ検出基準値Vtnに達したことを検出すると短絡負荷に通電する溶接電流Iw1を減少させてアークを再発生させ、くびれ検出時点からアーク再発生時点までのくびれ検出時間に基づいてくびれ検出基準値Vtnを自動設定制御する溶接電源のくびれ検出制御方法において、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているとき(Cd=Hレベル)は通電していないときよりも、自動設定制御のゲイン(Δd、Δu)を小さくする。これにより、他の溶接電源からの溶接電流が通電する場合には、自動設定制御のゲインが小さくなるので、ハンチングを防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、他の溶接電源と同時に使用して共通のワークに各々アークを発生させて溶接する溶接電源であって、この溶接電源は溶滴のくびれの形成状態がくびれ検出基準値に達したことを判別すると短絡負荷に通電する溶接電流を減少させてアークを再発生させ、上記の判別時点からアーク再発生時点までのくびれ検出時間に基づいてくびれ検出基準値を自動設定制御する溶接電源のくびれ検出制御方法に関するものである。
特許文献1及び2の発明では、溶接ワイヤとワークとの間でアーク発生状態と短絡状態とを繰り返す消耗電極アーク溶接において、短絡状態からアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを溶接ワイヤとワークとの間の電圧値又は抵抗値の変化がくびれ検出基準値に達したことによって検出し、このくびれを検出すると短絡負荷に通電する溶接電流を急減させて小電流値の状態でアークが再発生するように出力制御(くびれ検出制御)している。このようにすると、アーク再発生時の電流値を小さくすることができるので、スパッタ発生量を低減することができる。
ところで、複数の溶接個所を有するワークに対して、複数の溶接電源を使用して同時に溶接を行うことがある。以下、このような場合におけるくびれ検出制御について図面を参照して説明する。
図4は、2台の溶接電源を使用して1つのワークの2つの溶接個所を同時に溶接するための溶接装置の構成図である。2台の溶接電源は共にくびれ検出制御機能を内蔵している。以下、同図を参照して各構成物について説明する。
第1溶接電源PS1は、第1溶接電圧Vw1及び第1溶接電流Iw1を出力すると共に、第1送給機FD1に第1送給制御信号Fc1を出力する。第1送給機FD1は、この第1送給制御信号Fc1を入力として、第1溶接ワイヤ11を第1溶接トーチ41内を通って送給する。第1溶接ワイヤ11とワーク2との間には第1アーク31が発生する。第1溶接ワイヤ11とワーク2との間では、短絡状態とアーク状態とが交互に繰り返されて溶接が行われる。第1溶接トーチ41は、ロボット(図示は省略)に把持されている。ワーク2は治具5に設置されている。
第1溶接電源PS1のプラス端子と第1溶接トーチ41内の第1給電チップ61とは、ケーブルを介して接続されている。また、第1溶接電源PS1のマイナス端子と治具5とは、ケーブルを介して接続されている。第1溶接電圧Vw1は、第1給電チップ61とワーク2の表面との間に印加される電圧である。第1給電チップ61に電圧検出線を接続することは容易であるが、ワーク2の表面に電圧検出線を接続することは難しいために、治具5に接続することになる。このために、第1溶接電圧検出回路VD1は、第1給電チップ61と治具5との間の電圧を検出して、第1溶接電圧検出信号Vd1を出力する。この第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電源PS1に入力される。この第1溶接電圧検出信号Vd1を使用して第1溶接ワイヤ11の溶滴に形成されるくびれを検出する。
第2溶接電源PS2は、第2溶接電圧Vw2及び第2溶接電流Iw2を出力すると共に、第2送給機FD2に第2送給制御信号Fc2を出力する。第2送給機FD2は、この第2送給制御信号Fc2を入力として、第2溶接ワイヤ12を第2溶接トーチ42内を通って送給する。第2溶接ワイヤ12とワーク2との間には第2アーク32が発生する。第2溶接ワイヤ12とワーク2との間では、短絡状態とアーク状態とが交互に繰り返されて溶接が行われる。第2溶接トーチ42は、ロボット(図示は省略)に把持されている。
第2溶接電源PS2のプラス端子と第2溶接トーチ42内の第2給電チップ62とは、ケーブルを介して接続されている。また、第2溶接電源PS2のマイナス端子と治具5とは、ケーブルを介して接続されている。第2溶接電圧Vw2は、第2給電チップ62とワーク2の表面との間に印加される電圧である。第2給電チップ62に電圧検出線を接続することは容易であるが、ワーク2の表面に電圧検出線を接続することは難しいために、治具5に接続することになる。このために、第2溶接電圧検出回路VD2は、第2給電チップ62と治具5との間の電圧を検出して、第2溶接電圧検出信号Vd2を出力する。この第2溶接電圧検出信号Vd2は、第2溶接電源PS2に入力される。この第2溶接電圧検出信号Vd2を使用して第2溶接ワイヤ12の溶滴に形成されるくびれを検出する。
第1溶接電流Iw1は、第1溶接電源PS1のプラス端子→第1給電チップ61→第1溶接ワイヤ11→ワーク2→治具5→第1溶接電源PS1のマイナス端子経路で通電する。第2溶接電流Iw2は、第2溶接電源PS2のプラス端子→第2給電チップ62→第2溶接ワイヤ12→ワーク2→治具5→第2溶接電源PS2のマイナス端子経路で通電する。したがって、ワーク2及び治具5中を第1溶接電流Iw1及び第2溶接電流Iw2が通電する。これら第1溶接電流Iw1と第2溶接電流Iw2を合算した電流を、以下合算溶接電流Igと呼ぶことにする。そして、この合算溶接電流Igが通電するワーク2及び治具5を共通通電路と呼ぶことにする。この共通通電路は、抵抗値及びインダクタンス値L(μH)を有している。一般的に抵抗値は小さな値であるので、無視することができる。このために、共通通電路は、インダクタンス値Lのみを有していることになる。
上記の第1溶接電圧検出信号Vd1及び第2溶接電圧検出信号Vd2は、下式のように表すことができる。
Vd1=Vw1+L・dIg/dt …(11)式
Vd2=Vw2+L・dIg/dt …(12)式
したがって、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電圧Vw1に合算溶接電流Igの変化によって共通通電路のインダクタンス値Lに発生する電圧が重畳した値となる。第2溶接電圧検出信号Vd2についても同様である。
図5は、図4の溶接装置において、第1溶接電流Iw1は通電し、第2溶接電流Iw2は通電していないときの波形図である。同図(A)は第1溶接電流Iw1の波形を示し、同図(B)は第1溶接電圧検出信号Vd1の波形を示し、同図(C)は第2溶接電流Iw2の波形を示し、同図(D)は第2溶接電圧検出信号Vd2の波形を示す。同図では、第1溶接電源PS1による溶接が行なわれているために第1溶接電流Iw1は通電しており、第2溶接電源PS2による溶接は行なわれていないために第2溶接電流Iw2は通電していない。したがって、同図(C)に示す第2溶接電流Iw2は0Aのままであり、同図(D)に示す第2溶接電圧検出信号Vd2は0Vのままである。この場合には、くびれ検出制御は誤動作することなく正常に動作している。以下、同図を参照して説明する。
(1)時刻t1の第1溶接ワイヤ11の短絡発生から時刻t2のくびれ検出時点までの動作
時刻t1において第1溶接ワイヤ11がワーク2と接触すると短絡状態になり、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は数V程度の短絡電圧値に急減する。同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t1においてアーク期間の溶接電流から減少し、時刻t1〜t11の予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流値となり、時刻t11〜t12の期間中は予め定めた短絡時傾斜で上昇し、時刻t12〜t2の期間中は予め定めたピーク値となる。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電流Iw1がピーク値となる時刻t12あたりから上昇する。これは、溶滴にくびれが次第に形成されるためである。時刻t12からの期間がくびれを検出する期間となる。このくびれを検出する期間においては、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値で略一定値である。かつ、同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2は通電していない。この結果、上述した(11)式において、L・dIg/dt≒0となり、無視することができる。したがって、、Vd1=Vw1となるので、溶滴のくびれの形成状態を誤動作することなく、正常に検出することができる。上記の初期期間は1ms程度に設定され、上記の初期電流値は50A程度に設定され、上記の短絡時傾斜は100〜300A/ms程度に設定され、上記のピーク値は300〜400A程度に設定される。
(2)時刻t2のくびれ検出時点から時刻t3のアーク再発生時点までのくびれ検出時間Tn中の動作
時刻t2において、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1が急上昇して初期期間中の電圧値からの電圧上昇値ΔVが予め定めたくびれ検出基準値Vtnと等しくなったことによって、くびれの形成状態が基準状態に達したことを検出する。くびれを検出すると、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値から予め定めた低レベル電流値Ilへと急減し、時刻t3のアーク再発生まではその値を維持する。この電流急減速度は、3000A/ms程度と非常に早い値である。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電流Iw1が低レベル電流値Ilになるので時刻t2から一旦減少した後に急上昇する。上記の低レベル電流値Ilは30A程度に設定される。時刻t2のくびれ検出時点から時刻t3のアーク再発生時点までの期間をくびれ検出時間Tnと呼ぶことにする。
(3)時刻t3のアーク再発生時点から時刻t4の遅延期間Tdの終了時点までの動作
時刻t3においてアークが再発生すると、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1の値は短絡/アーク判別値Vta以上となる。同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t3から予め定めたアーク時傾斜で上昇し、予め定めた高レベル電流値に達するとその値を時刻t4まで維持する。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、時刻t3〜t4の予め定めた遅延期間Td中は高レベル電圧値の状態にある。この遅延期間Tdは2ms程度に設定される。
(4)時刻t4の遅延期間Td終了時点から時刻t5の次の短絡発生までのアーク期間の動作
時刻t4において、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は高レベル電流値から次第に減少する。同様に、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は高レベル電圧値から次第に減少する。
上述したように、他の溶接電源からの溶接電流(第2溶接電流Iw2)が通電していない場合には、共通通電路のインダクタンス値Lによって発生する電圧値が小さいために無視することができるので、くびれを正確に検出することができる。
上述したくびれ検出制御では、スパッタ発生量の抑制効果を大きくするためには、くびれの形成状態を正確に検出することが重要となる。くびれの形成状態は、シールドガスの種類、溶接ワイヤの種類、ワークの形状、溶接ワイヤの送給速度、溶接姿勢等の溶接条件によって変化する。このために、溶接条件に応じてくびれを検出する感度を適正化する必要がある。このくびれ検出の感度は、上記のくびれ検出基準値Vtnを増減させることによって調整することができる。すなわち、くびれ検出基準値Vtnを増加させると感度は低くなり、逆に減少させると感度は高くなる。くびれ検出基準値Vtnが大きすぎると感度が低すぎることになり、上記のくびれ検出時間Tnが短くなりすぎてアーク再発生までに溶接電流を充分に減少させることができないので、スパッタ発生量の抑制効果が小さくなる。逆に、くびれ検出基準値Vtnが小さすぎると感度は高すぎることになり、上記のくびれ検出時間Tnが長くなりすぎてアークがなかなか再発生しないために溶接状態が不安定になる。したがって、上記のくびれ検出時間Tnが、50〜1000μs程度の範囲になるときが、くびれ検出基準値Vtnが適正値に設定されているときであると言える。
上述したくびれ検出制御を付加した溶接電源においては、シールドガスの選択信号、溶接ワイヤの選択信号及び送給速度の設定信号に応じて、くびれ検出基準値Vtnを切り換えて適正値になるようにしている。しかし、実際の溶接工程においては、上述した複数の溶接条件が複合化されてくびれ検出基準値Vtnの適正値が決まる。したがって、くびれ検出基準値Vtnを予め定めた所定値から溶接工程に応じた適正値へと自動的に設定する機能が必要となる。以下、このくびれ検出基準値Vtnの自動設定制御に関する従来技術(例えば、特許文献1及び2参照)について説明する。
特許文献1の発明では、くびれ検出時間Tnを短絡ごとに検出して記憶し、記憶されている現時点から過去複数の所定個数分のくびれ検出時間Tnの各値が予め定めた最小値以下である個数が予め定めた最小値個数以上のときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた減少値だけ減少させ、記憶された各くびれ検出時間が予め定めた最大値以上である個数が予め定めた最大値個数以上のときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた増加値だけ増加させ、これらの処理を短絡ごとに繰り返すものである。このくびれ検出基準値Vtnの自動設定制御によって、くびれ検出時間Tnが上記の最小値と上記の最大値との間の適正時間範囲に収まることになる。
特許文献2の発明では、短絡ごとにくびれ検出時間Tnを検出し、このくびれ検出時間Tnが予め定めた下限時間以下であるときはカウンタ値から1を減算し、くびれ検出時間Tnが予め定めた上限時間以上であるときはカウンタ値に1を加算し、カウンタ値が予め定めた負の値であるマイナス基準値に達したときは前記くびれ検出基準値Vtnを予め定めた減少値だけ減少させると共にカウンタ値を0にリセットし、カウンタ値が予め定めた正の値であるプラス基準値に達したときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた増加値だけ増加させると共にカウンタ値を0にリセットし、溶接中はくびれ検出基準値Vtnの修正を継続するものである。このくびれ検出基準値Vtnの自動設定制御によって、くびれ検出時間Tnが上記の下限時間と上記の上限時間との間の適正時間範囲に収まることになる。
図6は、図4の溶接装置において、第1溶接電流Iw1及び第2溶接電流Iw2が共に通電しているときの波形図である。同図(A)は第1溶接電流Iw1の波形を示し、同図(B)は第1溶接電圧検出信号Vd1の波形を示し、同図(C)は第2溶接電流Iw2の波形を示し、同図(D)は第2溶接電圧検出信号Vd2の波形を示す。同図では、第1溶接電源PS1による溶接が行なわれているために第1溶接電流Iw1が通電している。同時に、第2溶接電源PS2による溶接も行なわれているために第2溶接電流Iw2も通電している。同図は、第1溶接ワイヤ11とワーク2とが短絡状態にある時刻t1〜t3の期間と、第2溶接ワイヤ12とワーク2とが短絡状態にある時刻t0〜t14の期間とが一部重なっている場合である。このような状態であるために、理由は後述するが、くびれ検出制御が誤動作している。同図は、上述した図5と対応しており、同一の動作については説明は繰り返さない。以下、同図を参照して説明する。
第1溶接ワイヤ11とワーク2とが短絡状態にある時刻t1〜t3の期間中は、第2溶接ワイヤ12とワーク2との間も短絡状態にある。このために、同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2は急激な変化をしている。
(1)時刻t0の第2溶接ワイヤ12の短絡発生から時刻t13の第2溶接ワイヤ12のくびれ検出時点までの動作
時刻t0において第2溶接ワイヤ12がワーク2と接触すると短絡状態になり、同図(D)に示すように、第2溶接電圧検出信号Vd2は数V程度の短絡電圧値に急減する。同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2は、時刻t0においてアーク期間の溶接電流から減少し、初期期間中は初期電流値となり、短絡時傾斜で上昇し、その後はピーク値となる。同図(D)に示すように、第2溶接電圧検出信号Vd2は、初期期間中の電圧値からの電圧上昇値が時刻t13においてくびれ検出基準値に達する。これにより、くびれを検出する。くびれを検出すると、同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2はピーク値から低レベル電流値へと急減する。
他方、時刻t1において第1溶接ワイヤ11がワーク2と接触すると短絡状態になり、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は数V程度の短絡電圧値に急減する。同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t1においてアーク期間の溶接電流から減少し、時刻t1〜t11の初期期間中は初期電流値となり、時刻t11〜t12の期間中は短絡時傾斜で上昇し、時刻t12からの期間中はピーク値となる。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電流Iw1がピーク値となる時刻t12あたりから上昇する。これは、溶滴にくびれが次第に形成されるためである。時刻t12からの期間がくびれを検出する期間となる。このくびれを検出する期間においては、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値で略一定値である。しかし、同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2は上述したように時刻t13においてくびれが検出されたために電流は急減している。この結果、上述した(11)式において、L・dIg/dt=dIw1/dt+dIw2/dtについては、dIw1/dtは小さな値であり、dIw2/dtは負の大きな値となる。このために、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、くびれの形成に伴って時刻t12から次第に上昇し、この上昇がくびれ検出基準値Vtnに達する前の時刻t13において第2溶接電流Iw2の急減に伴い逆に減少することになり、くびれの検出に失敗することになる。
(2)時刻t13のくびれの誤検出時点から時刻t3のアーク再発生時点までの動作
時刻t13において、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1が減少してくびれ検出基準値Vtnに達しないので、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値を時刻t3の第1アーク31が再発生するまで維持する。他方、時刻t3よりも前の時刻t14において、第2アーク32が発生するので、同図(D)に示すように、第2溶接電圧検出信号Vd2はアーク電圧値に上昇する。同図(C)に示すように、第2溶接電流Iw2は、時刻t14の低レベル電流値から高レベル電流値までアーク時傾斜で上昇する。この場合、第1溶接電源PS1のくびれ検出時間Tnは、くびれの検出が行われていないために、Tn=0となる。
(3)時刻t3のアーク再発生時点から時刻t4の遅延期間Tdの終了時点までの動作
時刻t3において第1アーク31が再発生すると、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1の値は短絡/アーク判別値Vta以上となる。同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t3のピーク値からアーク時傾斜で上昇し、高レベル電流値に達するとその値を時刻t4まで維持する。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、時刻t3〜t4の遅延期間Td中は高レベル電圧値の状態にある。
(4)時刻t4の遅延期間Td終了時点から時刻t5の次の短絡発生までのアーク期間の動作
時刻t4において、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は高レベル電流値から次第に減少する。同様に、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は高レベル電圧値から次第に減少する。
上述したように、互いの短絡期間が重なっている場合には、共通通電路のインダクタンス値Lによって発生する電圧値が大きくなるので、くびれを誤検出する可能性が高まる。同図では、第1溶接ワイヤ11のくびれを検出する期間において、第2溶接電流Iw2が急減したために生じたくびれの誤検出について説明したが、短絡時傾斜で上昇している場合にも誤検出が生じるおそれがある。さらには、アーク期間中に溶融池からのガスの噴出等によってアーク長が急変し、これに伴って第2溶接電流Iw2が急速に変化する場合がある。このような場合にも、くびれの誤検出が生じるおそれがある。したがって、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによって生じるくびれの誤検出は、くびれ検出時間Tnが適正時間範囲よりも短くなる場合と長くなる場合とのどちらの場合も発生する。
特許第4907892号公報 特開2012−240101号公報
共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生するような状態において、上述したくびれ検出基準値Vtnの自動設定制御が動作した場合には、くびれ検出基準値Vtnは適正値に収束せずにハンチング状態となり、溶接状態が不安定状態になる場合が生じる。
そこで、本発明では、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電しているような場合において、くびれ検出基準値の自動設定制御を動作させても、くびれ検出基準値を適正値に収束させることができる溶接電源のくびれ検出制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
他の溶接電源と同時に使用して共通のワークに各々アークを発生させて溶接する溶接電源であって、この溶接電源は溶滴のくびれの形成状態がくびれ検出基準値に達したことを検出すると短絡負荷に通電する溶接電流を減少させてアークを再発生させ、前記検出時点から前記アーク再発生時点までのくびれ検出時間に基づいて前記くびれ検出基準値を自動設定制御する溶接電源のくびれ検出制御方法において、
前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときは通電していないときよりも、前記自動設定制御のゲインを小さくする、
ことを特徴とする溶接電源のくびれ検出制御方法である。
請求項2の発明は、前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときの前記ゲインを0に設定して前記自動設定制御の動作を禁止する、
ことを特徴とする請求項1記載の溶接電源のくびれ検出制御方法である。
請求項3の発明は、前記ワークの溶接個所の一部期間が前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときは、前記溶接個所の全期間中の前記ゲインを小さくする、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接電源のくびれ検出制御方法である。
本発明によれば、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているときは通電していないときよりも、自動設定制御のゲインを小さくする。これにより、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生するような場合には、自動設定制御のゲインが小さくなるので、ハンチングの発生を防止することができる。このために、本発明では、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電しているような場合において、くびれ検出基準値の自動設定制御を動作させても、くびれ検出基準値を適正値に収束させることができる。
本発明の実施の形態に係る2台の溶接電源を使用して1つのワークの2つの溶接個所を同時に溶接するための溶接装置の構成図である。 図1の溶接装置を構成する第1溶接電源PS1の詳細ブロック図である。 図2の第1溶接電源PS1において、他の溶接電源からの溶接電流が通電していないときの各信号のタイミングチャートである。 従来技術において、2台の溶接電源を使用して1つのワークの2つの溶接個所を同時に溶接するための溶接装置の構成図である。 図4の溶接装置において、第1溶接電流Iw1は通電し、第2溶接電流Iw2は通電していないときの波形図である。 図4の溶接装置において、第1溶接電流Iw1及び第2溶接電流Iw2が共に通電しているときの波形図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る2台の溶接電源を使用して1つのワークの2つの溶接個所を同時に溶接するための溶接装置の構成図である。同図は上述した図4と対応しており、同一の構成物については同一符号を付して、それらの説明は繰り返さない。同図においては、説明を簡略化するために、第1溶接電源PS1に対してのみ本発明を実施している。したがって、第2溶接電源PS2は、従来と同様の溶接電源である。同図は、図4に、合算溶接電流検出回路IGDを追加したものである。以下、同図を参照して、この構成物について説明する。
合算溶接電流検出回路IGDは、共通通電路に通電する合算溶接電流Igを検出して、合算溶接電流検出信号Igdを出力する。この合算溶接電流検出信号Igdは、第1溶接電源PS1に入力される。
図2は、図1の溶接装置を構成する第1溶接電源PS1の詳細ブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、第1溶接電圧Vw1及び第1溶接電流Iw1を出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトル、誤差増幅信号Eaを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、パルス幅変調制御信を入力としてインバータ回路のスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路を備えている。
減流抵抗器Rは、上記の電源主回路PMと第1溶接トーチ41との間に挿入される。この減流抵抗器Rの値は、短絡負荷(0.01〜0.03Ω程度)の10倍以上大きな値(0.5〜3Ω程度)に設定される。このために、くびれ検出制御によって減流抵抗器Rが通電路に挿入されると、溶接電源内の直流リアクトル及び外部ケーブルのリアクトルに蓄積されたエネルギーが急放電される。トランジスタTRは、減流抵抗器Rと並列に接続されて、後述する駆動信号Drに従ってオン又はオフ制御される。
第1溶接ワイヤ11は、第1送給機FD1によって第1溶接トーチ41内を送給されて、ワーク2との間に第1アーク31が発生する。ワーク2は、治具5上に設置されている。第1溶接トーチ41内の第1給電チップ(図示は省略)とワーク2の表面との間には第1溶接電圧Vw1が印加し、第1溶接電流Iw1が通電する。そして、ワーク2及び治具5等の共通通電路を合算溶接電流Igが通電する。
第1溶接電流検出回路ID1は、上記の第1溶接電流Iw1を検出して、第1溶接電流検出信号Id1を出力する。図1で上述したように、外部に設けられた合算溶接電流検出回路IGDは、上記の合算溶接電流Igを検出して、合算溶接電流検出信号Igdを出力する。図1で上述したように、外部に設けられた第1溶接電圧検出回路VD1は、第1溶接トーチ41内の第1給電チップと治具5との間の電圧を検出して、第1溶接電圧検出信号Vd1を出力する。この第1溶接電圧検出回路VD1を内部に設けるようにしても良い。
短絡判別回路SDは、上記の第1溶接電圧検出信号Vd1を入力として、この値が予め定めた短絡/アーク判別値未満であるときは短絡状態にあると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク発生状態にあると判別してLowレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
電流通電判別回路CDは、上記の合算溶接電流検出信号Igd及び上記の第1溶接電流検出信号Id1を入力として、Igd−Id1の減算を行い、この減算値がしきい値以上であるときはHighレベルとなる電流通電判別信号Cdを出力する。しきい値は、10A程度に設定される。Igd−Id1は、第1溶接電源PS1から見て、他の溶接電源からの溶接電流の値に相当する。したがって、上記の電流通電判別信号CdがHighレベルのときは、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているときであり、Lowレベルのときは通電していないときである。同図においては、他の溶接電源からの溶接電流とは、第2溶接電流Iw2のことである。
カウンタ回路CNは、後述するくびれ検出信号Nd及び後述するリセット信号Rsを入力として、このくびれ検出信号NdがHighレベルになっている時間(くびれ検出時間Tn)を計測し、このくびれ検出時間Tnが予め定めた下限時間Lt以下であるときはカウンタ値から1を減算し、くびれ検出時間Tnが予め定めた上限時間Ht以上であるときはカウンタ値に1を加算して、カウンタ値信号Cnを出力する。また、このカウンタ回路CNは、リセット信号Rsが入力されるとカウンタ値を0にリセットする。カウンタ値信号Cnの値がカウンタ値となる。カウンタ値は、溶接開始時に初期値0になっている。当然ながら、上限時間Htは下限時間よりも長い時間に設定される。上記の下限時間Ltは、0〜200μs程度の範囲で設定される。また、上限時間Htは、500〜1500μs程度の範囲に設定される。これらの設定値は、溶接条件に応じて適正値になるように実験によって決定する。
減少値設定回路DDは、上記の電流通電判別信号Cdを入力として、電流通電判別信号CdがLowレベルのときは予め定めた高減少値となり、Highレベルのときは予め定めた低減少値となる減少値信号Δdを出力する。高減少値及び低減少値は負の値に設定される。高減少値の絶対値>低減少値の絶対値である。高減少値の絶対値は、例えば後述するくびれ検出基準値の初期値Vtn0の10〜30%程度に設定される。低減少値の絶対値は、高減少値の絶対値の30〜70%程度に設定される。この減少値信号Δdの値は、くびれ検出基準値の自動設定制御のゲインを決めることになる。したがって、減少値信号Δdは、他の溶接電源からの溶接電流が通電していないとき(Lowレベルのとき)は高減少値となりゲインは大きくなり、通電しているとき(Highレベルのとき)は低減少値となりゲインは小さくなる。
増加値設定回路DUは、上記の電流通電判別信号Cdを入力として、電流通電判別信号CdがLowレベルのときは予め定めた高増加値となり、Highレベルのときは予め定めた低増加値となる増加値信号Δuを出力する。高増加値及び低増加値は正の値に設定される。高増加値の絶対値>低増加値の絶対値である。高増加値の絶対値は、例えば後述するくびれ検出基準値の初期値Vtn0の10〜30%程度に設定される。低増加値の絶対値は、高増加値の絶対値の30〜70%程度に設定される。この増加値信号Δuの値は、くびれ検出基準値の自動設定制御のゲインを決めることになる。したがって、増加値信号Δuは、他の溶接電源からの溶接電流が通電していないとき(Lowレベルのとき)は高増加値となりゲインは大きくなり、通電しているとき(Highレベルのとき)は低増加値となりゲインは小さくなる。
カウンタ値判別回路CPは、上記の減少値信号Δd、上記の増加値信号Δu及び上記のカウンタ値信号Cnを入力として、カウンタ値信号Cnの値が予め定めたマイナス基準値Lc以下になった時点で減少値信号Δdを修正信号Δudとして出力すると共にリセット信号Rsを出力し、カウンタ値信号Cnの値が予め定めたプラス基準値以上になった時点で増加値信号Δuを修正信号Δudとして出力すると共にリセット信号Rsを出力する。上記のマイナス基準値Lcは負の値に設定され、例えば−5〜−20程度の範囲で設定される。また、上記のプラス基準値Hcは正の値に設定され、例えば+5〜+20程度の範囲に設定される。これらの設定値は、くびれ発生状態の変動の大きさに応じて、実験によって適正値に決定される。マイナス基準値Lcとプラス基準値Hcの絶対値は必ずしも同一値である必要はない。マイナス基準値Lc及びプラス基準値Hcの絶対値を、上記の電流通電判別信号Cdによって高低に切り換えるようにしても良い。マイナス基準値Lc及びプラス基準値Hcの値は、くびれ検出基準値の自動設定制御のゲインを決めることになる。
くびれ検出基準値設定回路VTNは、上記の修正信号Δudを入力として、修正信号Δudの値に基づいて修正を行いくびれ検出基準値信号Vtnを出力する。Vtn=Vtn0+ΣΔudである。ここで、Vtn0は初期値である。また、Δudの加算は修正信号Δudが入力されるごとに行う。
上記の回路によるくびれ検出基準値信号Vtnの自動設定制御の動作を整理すると、以下のようになる。
1)短絡ごとにくびれ検出時間Tnを検出する。
2)Tn≦LtのときはCn−1を行い、Lt<Tn<HtのときはCn+0を行い、Tn≧HtのときはCn+1を行う。ここで、Ltは下限時間であり、Htは上限時間であり、Cnはカウンタ値である。カウンタ値Cnは溶接開始時に0にリセットされる。
3)Cn≦Lcになった時点で修正信号Δud=Δdを出力すると共にCnを0にリセットする。Cn≧Hcになった時点で修正信号Δud=Δuを出力すると共にCnを0にリセットする。ここで、Lcはマイナス基準値であり、Hcはプラス基準値であり、Δdは減少値であり、Δuは増加値である。
4)くびれ検出基準値Vtn=Vtn0+ΣΔudを行い、くびれ検出基準値Vtnを自動設定する。ここで、Vtn0は初期値である。
5)上記1)〜4)の自動設定制御を溶接中継続する。
くびれ検出回路NDは、上記のくびれ検出基準値信号Vtn、上記の第1溶接電圧検出信号Vd1及び上記の第1溶接電流検出信号Id1を入力として、短絡期間中の第1溶接電圧検出信号Vd1の電圧上昇値がくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれの形成状態が基準状態に達したと判別してHighレベルとなり、アークが再発生して第1溶接電圧検出信号Vd1の値が上記の短絡/アーク判別値以上になった時点でLowレベルになるくびれ検出信号Ndを出力する。また、短絡期間中の第1溶接電圧検出信号Vd1の微分値がそれに対応したくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、第1溶接電圧検出信号Vd1の値を第1溶接電流検出信号Id1の値で除算して溶滴の抵抗値を算出し、この抵抗値の微分値がそれに対応するくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。
低レベル電流設定回路ILRは、予め定めた低レベル電流設定信号Ilrを出力する。電流比較回路CMは、この低レベル電流設定信号Ilr及び上記の第1溶接電流検出信号Id1を入力として、Id1<IlrのときはHighレベルになり、Id1≧IlrのときはLowレベルになる電流比較信号Cmを出力する。駆動回路DRは、この電流比較信号Cm及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化するとLowレベルに変化し、その後に電流比較信号CmがHighレベルに変化するとHighレベルに変化する駆動信号Drを上記のトランジスタTRのベース端子に出力する。したがって、この駆動信号Drはくびれが検出されるとLowレベルになり、トランジスタTRがオフ状態になり通電路に減流抵抗器Rが挿入されるので、短絡負荷を通電する第1溶接電流Iw1は急減する。そして、急減した第1溶接電流Iw1の値が低レベル電流設定信号Ilrの値まで減少すると、駆動信号DrはHighレベルになり、トランジスタTRがオン状態になるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の状態に戻る。
電流制御設定回路ICRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、以下の処理を行い、電流制御設定信号Icrを出力する。
1)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から予め定めた初期期間中は、予め定めた初期電流設定値を電流制御設定信号Icrとして出力する。
2)その後は、電流制御設定信号Icrの値を、上記の初期電流設定値から予め定めた短絡時傾斜で予め定めたピーク設定値まで上昇させ、その値を維持する。
3)くびれ検出信号NdがHighレベル(くびれ検出)に変化すると、電流制御設定信号Icrの値を低レベル電流設定信号Ilrの値に切り換えて維持する。
4)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク)に変化すると、電流制御設定信号Icrを、予め定めたアーク時傾斜で予め定めた高レベル電流設定値まで上昇させ、その値を維持する。
オフディレイ回路TDSは、上記の短絡判別信号Sdを入力として、この信号がHighレベルからLowレベルに変化する時点を予め定めた遅延時間だけオフディレイさせて遅延信号Tdsを出力する。したがって、この遅延信号Tdsは、短絡期間になるとHighレベルとなり、アークが再発生してから遅延時間だけオフディレイしてLowレベルになる信号である。電圧設定回路VRは、アーク期間中の溶接電圧を設定するための予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icr(+)と上記の第1溶接電流検出信号Id1(−)との誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vr(+)と上記の第1溶接電圧検出信号Vd1(−)との誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。制御切換回路SWは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev及び上記の遅延信号Tdsを入力として、遅延信号TdsがHighレベル(短絡開始からアークが再発生して遅延時間が経過するまでの期間)のときは電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、Lowレベル(アーク)のときは電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。この回路により、短絡期間+遅延期間中は定電流制御となり、それ以外のアーク期間中は定電圧制御となる。
送給速度設定回路FRは、予め定めた送給速度設定信号Frを出力する。第1送給制御回路FC1は、この送給速度設定信号Frを入力として、この設定値に相当する送給速度で第1溶接ワイヤ11を送給するための第1送給制御信号Fc1を上記の第1送給機FD1に出力する。
図3は、図2の第1溶接電源PS1において、他の溶接電源からの溶接電流が通電していないときの各信号のタイミングチャートである。同図(A)は第1溶接電流Iw1の時間変化を示し、同図(B)は第1溶接電圧検出信号Vd1の時間変化を示し、同図(C)はくびれ検出信号Ndの時間変化を示し、同図(D)は駆動信号Drの時間変化を示し、同図(E)は遅延信号Tdsの時間変化を示し、同図(F)は電流制御設定信号Icrの時間変化を示し、同図(G)は第2溶接電流Iw2の時間変化を示し、同図(H)は電流通電判別信号Cdの時間変化を示す。同図は上述した図5と対応しており、同図(G)に示す第2溶接電流Iw2は通電していないので0Aである。このために、くびれの誤検出が発生していない場合である。以下、同図を参照して説明する。
同図においては、同図(G)に示すように、第2溶接電流Iw2が通電していないので、他の溶接電源からの溶接電流が通電していないことになる。このために、同図(H)に示すように、電流通電判別信号CdはLowレベルのままとなる。
(1)時刻t1の短絡発生から時刻t2のくびれ検出時点までの動作
時刻t1において第1溶接ワイヤ11がワーク2と接触すると短絡状態になり、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は数V程度の短絡電圧値に急減する。この第1溶接電圧検出信号Vd1が短絡/アーク判別値Vta未満になったことを判別して、同図(E)に示すように、遅延信号TdsはLowレベルからHighレベルに変化する。これに応動して、同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrは時刻t1において予め定めた高レベル電流設定値から小さな値である予め定めた初期電流設定値に変化する。時刻t1〜t11の予め定めた初期期間中は上記の初期電流設定値となり、時刻t11〜t12の期間中は予め定めた短絡時傾斜で上昇し、時刻t12〜t2の期間中は予め定めたピーク設定値となる。短絡期間中は上述したように定電流制御されているので第1溶接電流Iw1は電流制御設定信号Icrに相当する値に制御される。このために、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t1においてアーク期間の溶接電流から急減し、時刻t1〜t11の初期期間中は初期電流値となり、時刻t11〜t12の期間中は短絡時傾斜で上昇し、時刻t12〜t2の期間中はピーク値となる。同図(C)に示すように、くびれ検出信号Ndは、後述する時刻t2〜t3の期間はHighレベルとなり、それ以外の期間はLowレベルとなる。同図(D)に示すように、駆動信号Drは、後述する時刻t2〜t21の期間はLowレベルとなり、それ以外の期間はHighレベルとなる。したがって、同図において時刻t2以前の期間中は、駆動信号DrはHighレベルとなり、図2のトランジスタTRがオン状態となるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の消耗電極アーク溶接電源と同一の状態となる。
同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電流Iw1がピーク値となる時刻t12あたりから上昇する。これは、溶滴にくびれが次第に形成されるためである。時刻t12からの期間がくびれを検出する期間となる。このくびれを検出する期間においては、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値で略一定値であり、かつ、同図(G)に示すように、第2溶接電流Iw2は通電していない。この結果、上述した(11)式において、L・dIg/dt=dIw1/dt+dIw2/dtに≒0となるので、共通通電路のインダクタンス値Lによって発生する電圧は略0となる。したがって、第1溶接電圧Vw1を第1溶接電圧検出信号Vd1によって正確に検出することができる。このために、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、くびれの形成に伴って時刻t12から次第に上昇する。
(2)時刻t2のくびれ検出時点から時刻t3のアーク再発生時点までの動作
時刻t2において、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1が急上昇して初期期間中の電圧値からの電圧上昇値ΔVが予め定めたくびれ検出基準値Vtnと等しくなったことによって、くびれの形成状態が基準状態に達したことを検出すると、同図(C)に示すように、くびれ検出信号NdはHighレベルに変化する。これに応動して、同図(D)に示すように、駆動信号DrはLowレベルになるので、図2のトランジスタTRはオフ状態となり減流抵抗器Rが通電路に挿入される。同時に、同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrは低レベル電流設定信号Ilrの値へと小さくなる。このために、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1はピーク値から低レベル電流値Ilへと急減する。そして、時刻t21において第1溶接電流Iw1が低レベル電流値Ilまで減少すると、同図(D)に示すように、駆動信号DrはHighレベルに戻るので、図2のトランジスタTRはオン状態となり減流抵抗器Rは短絡される。同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、電流制御設定信号Icrが低レベル電流設定信号Ilrのままであるので、時刻t3のアーク再発生までは低レベル電流値Ilを維持する。したがって、トランジスタTRは、時刻t2にくびれが検出されてから時刻t21に第1溶接電流Iw1が低レベル電流値Ilに減少するまでの期間のみオフ状態となる。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、第1溶接電流Iw1が小さくなるので時刻t2から一旦減少した後に急上昇する。
(3)時刻t3のアーク再発生時点から時刻t4の遅延期間Tdの終了時点までの動作
時刻t3において第1アーク31が再発生すると、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1の値は短絡/アーク判別値Vta以上となる。これに応動して、同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrの値は、低レベル電流設定信号Ilrの値から予め定めたアーク時傾斜で上昇し、上記の高レベル電流設定値に達するとその値を維持する。同図(E)に示すように、遅延信号Tdsは、時刻t3にアークが再発生してから予め定めた遅延期間Tdが経過する時刻t4までHighレベルのままである。したがって、溶接電源は時刻t4まで定電流制御されているので、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は、時刻t3からアーク時傾斜で上昇し、高レベル電流値に達するとその値を時刻t4まで維持する。同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は、時刻t3〜t4の遅延期間Td中は高レベル電圧値の状態にある。同図(C)に示すように、くびれ検出信号Ndは、時刻t2〜t3のくびれ検出時間Tn中はHighレベルとなり、時刻t3にアークが再発生するので、Lowレベルに変化する。
(4)時刻t4の遅延期間Td終了時点から時刻t5の次の短絡発生までのアーク期間の動作
同図(E)に示すように、遅延信号TdsがLowレベルに変化する。この結果、溶接電源は定電流制御から定電圧制御へと切り換えられる。このために、同図(A)に示すように、第1溶接電流Iw1は高レベル電流値から次第に減少する。同様に、同図(B)に示すように、第1溶接電圧検出信号Vd1は高レベル電圧値から次第に減少する。
このように、くびれ検出制御では、時刻t2にくびれを検出すると通電路に減流抵抗器を挿入することによって第1溶接電流Iw1を急減させて、時刻t3に第1アーク31が再発生した時点における電流値を小さな値に制御することができる。このために、スパッタ発生量を大幅に低減することができる。
同図は、他の溶接電源からの溶接電流が通電していない場合であるので、同図(H)に示すように、電流通電判別信号CdはLowレベルになっている。このために、図2の減少値信号Δdは高減少値となり、増加値信号Δuは高増加値となる。すなわち、同図の場合には、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生しない場合であるので、自動設定制御のゲインを大きくしてもハンチングすることがなく、過渡応答性及び定常安定性を良好にすることができる。
次に、図2の第1溶接電源PS1において、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているときの各信号のタイミングチャートは、図3において、時刻t2〜t3のくびれ検出時間Tnが0となったり、長くなったりして大きく変動することになる。これは、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生するためである。他の溶接電源からの溶接電流が通電している場合には、同図(H)に示す電流通電判別信号Cdは、図3とは異なりHighレベルとなる。このために、図2の減少値信号Δdは低減少値となり、増加値信号Δuは低増加値となる。すなわち、この場合には、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生するので、自動設定制御のゲインを小さくしてハンチングの発生を防止している。この結果、過渡応答性が少し遅くなるが、定常安定性は良好になる。
また、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が多く発生する溶接条件においては、自動設定制御のゲインを0に設定することによって、自動設定制御を禁止しても良い。この場合には、自動設定制御を動作させると、溶接状態が非常に不安定になり、溶接不良となるからである。自動設定制御を禁止すると、くびれ検出基準値信号Vtnの値が適正値から外れるおそれがあるが、この場合でも、適正値のときよりもスパッタ発生量は増加するが、溶接不良となることはない。
上述した実施の形態においては、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているかいないかの判断を、合算溶接電流Igを検出することによって行なっている。ロボット溶接において、電流通電判別信号Cdを作業プログラムから生成するようにしても良い。すなわち、他の溶接電源からの溶接電流が通電する溶接区間は、作業プログラムによってロボット制御装置から第1溶接電源PS1に対してHighレベルの電流通電判別信号Cdを入力し、他の溶接電源からの溶接電流が通電しない溶接区間はLowレベルの電流通電判別信号Cdを入力するようにする。また、ワークの溶接個所の一部区間が他の溶接電源からの溶接電流が通電しているときは、溶接個所の全区間の自動設定制御のゲインを小さくしても良い。これは、溶接区間中に自動設定制御のゲインが大きい区間と小さい区間とが混在するよりも、全区間ゲインを小さくする方が溶接状態が安定する場合があるからである。
上述した実施の形態においては、くびれ検出基準値の自動設定制御が、特許文献2と同様に、短絡ごとにくびれ検出時間Tnを検出し、このくびれ検出時間Tnが予め定めた下限時間Lt以下であるときはカウンタ値Cnから1を減算し、くびれ検出時間Tnが予め定めた上限時間Ht以上であるときはカウンタ値Cnに1を加算し、カウンタ値Cnが予め定めた負の値であるマイナス基準値Lcに達したときは前記くびれ検出基準値Vtnを予め定めた減少値Δdだけ減少させると共にカウンタ値Cnを0にリセットし、カウンタ値Cnが予め定めた正の値であるプラス基準値Hcに達したときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた増加値Δuだけ増加させると共にカウンタ値Cnを0にリセットし、溶接中はくびれ検出基準値Vtnの修正を継続するものである。そして、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているかいないかを判別して、上記の減少値Δd及び増加値Δuの大小を切り替えることによって、自動設定制御のゲインを切り替えている。
上述した自動設定制御を、特許文献1と同様に、くびれ検出時間Tnを短絡ごとに検出して記憶し、記憶されている現時点から過去複数の所定個数分のくびれ検出時間Tnの各値が予め定めた最小値以下である個数が予め定めた最小値個数以上のときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた減少値だけ減少させ、記憶された各くびれ検出時間が予め定めた最大値以上である個数が予め定めた最大値個数以上のときはくびれ検出基準値Vtnを予め定めた増加値だけ増加させ、これらの処理を短絡ごとに繰り返すようにしても良い。そして、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているかいないかを判別して、上記の減少値及び増加値の大小を切り替えることによって、自動設定制御のゲインを切り替えるようにする。
さらに、上述した自動設定制御を、短絡ごとのくびれ検出時間Tnを検出し、このくびれ検出時間Tnと予め定めた目標時間との誤差増幅値を算出し、この誤差増幅値によってくびれ検出基準値Vtnをフィードバック制御するようにしても良い。そして、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているかいないかを判別して、上記の誤差増幅値の増幅率の大小を切り替えることによって、自動設定制御のゲインを切り替えるようにする。
上述した実施の形態によれば、他の溶接電源からの溶接電流が通電しているときは通電していないときよりも、自動設定制御のゲインを小さくする。これにより、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電することによるくびれの誤検出が発生するような場合には、自動設定制御のゲインが小さくなるので、ハンチングの発生を防止することができる。このために、本実施の形態では、共通通電路に他の溶接電源からの溶接電流が通電しているような場合において、くびれ検出基準値の自動設定制御を動作させても、くびれ検出基準値を適正値に収束させることができる。
11 第1溶接ワイヤ
12 第2溶接ワイヤ
2 ワーク
31 第1アーク
32 第2アーク
41 第1溶接トーチ
42 第2溶接トーチ
5 治具
61 第1給電チップ
62 第2給電チップ
CD 電流通電判別回路
Cd 電流通電判別信号
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
CN カウンタ回路
Cn カウンタ値(信号)
CP カウンタ値判別回路
DD 減少値設定回路
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
DU 増加値設定回路
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC1 第1送給制御回路
Fc1 第1送給制御信号
Fc2 第2送給制御信号
FD1 第1送給機
FD2 第2送給機
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Hc プラス基準値
Ht 上限時間
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID1 第1溶接電流検出回路
Id1 第1溶接電流検出信号
Ig 合算溶接電流
IGD 合算溶接電流検出回路
Igd 合算溶接電流検出信号
Il 低レベル電流値
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
Iw1 第1溶接電流
Iw2 第2溶接電流
L インダクタンス値
Lc マイナス基準値
Lt 下限時間
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電源主回路
PS1 第1溶接電源
PS2 第2溶接電源
R 減流抵抗器
Rs リセット信号
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SW 制御切換回路
Td 遅延期間
TDS オフディレイ回路
Tds 遅延信号
Tn くびれ検出時間
TR トランジスタ
VD1 第1溶接電圧検出回路
Vd1 第1溶接電圧検出信号
VD2 第2溶接電圧検出回路
Vd2 第2溶接電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vta アーク判別値
VTN くびれ検出基準値設定回路
Vtn くびれ検出基準値(信号)
Vtn0 初期値
Vw1 第1溶接電圧
Vw2 第2溶接電圧
Δd 減少値信号
Δu 増加値信号
Δud 修正信号
ΔV 電圧上昇値

Claims (3)

  1. 他の溶接電源と同時に使用して共通のワークに各々アークを発生させて溶接する溶接電源であって、この溶接電源は溶滴のくびれの形成状態がくびれ検出基準値に達したことを検出すると短絡負荷に通電する溶接電流を減少させてアークを再発生させ、前記検出時点から前記アーク再発生時点までのくびれ検出時間に基づいて前記くびれ検出基準値を自動設定制御する溶接電源のくびれ検出制御方法において、
    前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときは通電していないときよりも、前記自動設定制御のゲインを小さくする、
    ことを特徴とする溶接電源のくびれ検出制御方法。
  2. 前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときの前記ゲインを0に設定して前記自動設定制御の動作を禁止する、
    ことを特徴とする請求項1記載の溶接電源のくびれ検出制御方法。
  3. 前記ワークの溶接個所の一部期間が前記他の溶接電源からの前記溶接電流が通電しているときは、前記溶接個所の全期間中の前記ゲインを小さくする、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接電源のくびれ検出制御方法。
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