JP2022099369A - 消耗電極アーク溶接電源 - Google Patents

消耗電極アーク溶接電源 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接ケーブルの敷設状態に関わらず、出力端子電圧によってくびれの検出を正確に行う方法を提供する。【解決手段】出力端子電圧検出信号Vtdを出力する出力端子電圧検出部VTDと、増幅率Grを設定する増幅率設定部GRと、溶接電流変化率増幅信号G・dId/dtを出力する溶接電流変化率増幅部GDIと、出力端子電圧検出信号Vtdから溶接電流変化率増幅信号G・dId/dtを減算して電圧検出信号Vdを出力する電圧検出部VDと、電圧検出信号Vdに基づいてくびれ検出信号Ndを出力するくびれ検出部NDと、を備えており、くびれ検出信号Ndが出力されると溶接電流Iwを減少させてアークを再発生させて溶接する消耗電極アーク溶接電源において、くびれ時間検出信号Tndを出力するくびれ時間検出部TNDを備え、増幅率設定部GRは、くびれ時間検出信号Tndに基づいて増幅率Grを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出して溶接電流を減少させる消耗電極アーク溶接電源に関するものである。
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出し、くびれを検出すると溶接電流を減少させてアークを再発生させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このくびれ検出制御方法によって、アーク再発生時の溶接電流の値が小さくなるために、スパッタ発生量が非常に少なくなり、溶融池の振動が小さくなりビード外観が良好になる。
消耗電極アーク溶接電源を使用する場合、溶接電源と溶接を行う場所とが離れていることが多くある。この場合には、両者の間を溶接ケーブルで接続して溶接を行うことになる。このときに、溶接ケーブルによる抵抗分及びインダクタンス分が通電路に挿入されることになる。抵抗分は、溶接状態にあまり影響を与えない程度の小さな値であることが多いので無視することができる。しかし、インダクタンス分は、溶接ケーブルが数十mと長くなると溶接状態に影響を与えることになる。
ここで、出力端子電圧をVt、溶接個所の電圧を溶接電圧をVw、溶接電流をIw、溶接ケーブルのインダクタンス値をL、dIw/dtを溶接電流の変化率とすると、下式が成立する。
Vt=Vw+L・dIw/dt
上記のくびれの検出は、短絡期間中の溶接電圧Vwに基づいて行われるのが通常である。しかし、溶接個所の電圧である溶接電圧Vwを検出するためには、専用の検出線を配線する必要がある。数十mの検出線を配線するには工数がかかり、手間である。また、溶接トーチは移動を繰り返すので、検出線の断線も発生する。
このために、くびれの検出を出力端子電圧Vtで行うことができると、上記の問題は解消する。しかし、出力端子電圧Vtには、インダクタンス値による逆起電圧L・dIw/dtがノイズとして重畳する。インダクタンス値L及び溶接電流変化率dIw/dtが大きくなると、この逆起電圧は大きな値となる。この結果、出力端子電圧Vtには大きなノイズが重畳することになる。このために、出力端子電圧Vtによってくびれの検出を行うと誤検出が生じる。
特許文献2の発明には、この誤判別を防止する方法が記載されている。すなわち出力端子電圧検出信号Vtdから溶接電流変化率検出信号dId/dtに予め定めた増幅率Gを乗じた溶接電流変化率増幅信号G・dId/dtを減算した値を電圧検出信号Vdとすると、下式が成立する。
Vd=Vtd-G・dId/dt=Vw+L・dIw/dt-G・dId/dt …(1)式
この式において、dIw/dt=dId/dtであるので、増幅率Gを溶接ケーブルによるインダクタンス値Lと等しくなるように設定すると、Vd=Vwとなる。したがって、この電圧検出信号Vdによってくびれの検出を行うと、誤判別することなく正確に判別することができる。
特許第5851798号公報 特許第5901921号公報
上述した従来技術の出力端子電圧Vtによるくびれ検出方法においては、(1)式に示すように、溶接ケーブルによるインダクタンス値Lと増幅率Gとが等しいことが要求される。実際の溶接施工においては、溶接ケーブルの長さ、敷設状態等が多様であるので、インダクタンス値Lも種々な値となる。増幅率Gがインダクタンス値Lと近似した値でないときは、補正した電圧検出信号Vdによってくびれの検出を正確に行うことができない。しかし、溶接ケーブルによるインダクタンス値Lを正確に測定することは困難であり、かつ、測定には手間がかかるために、増幅率Gをインダクタンス値Lと近似した値に設定することは困難であるという問題がある。
そこで、本発明では、溶接ケーブルの敷設状態に関わらず、出力端子電圧によってくびれの検出を正確に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる消耗電極アーク溶接電源を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接電源の出力端子の電圧を検出して出力端子電圧検出信号を出力する出力端子電圧検出部と、
溶接電流の変化率を検出して溶接電流変化率検出信号を出力する溶接電流変化率検出部と、
増幅率を設定する増幅率設定部と、
前記溶接電流変化率検出信号に前記増幅率を乗じて溶接電流変化率増幅信号を出力する溶接電流変化率増幅部と、
前記出力端子電圧検出信号から前記溶接電流変化率増幅信号を減算して電圧検出信号を出力する電圧検出部と、
前記電圧検出信号によって短絡期間中の溶滴のくびれを検出してくびれ検出信号を出力するくびれ検出部と、を備えており、
前記くびれ検出信号が出力されると溶接電流を減少させてアークを再発生させて溶接する消耗電極アーク溶接電源において、
前記くびれ検出信号が出力された時点から前記アークが再発生する時点までのくびれ時間を検出してくびれ時間検出信号を出力するくびれ時間検出部を備え、
前記増幅率設定部は、前記くびれ時間検出信号に基づいて前記増幅率を調整する、
ことを特徴とする消耗電極アーク溶接電源である。
請求項2の発明は、
前記くびれ時間の目標値を設定するくびれ時間設定信号を出力するくびれ時間設定部をさらに備え、
前記増幅率設定部は、前記くびれ時間検出信号が前記くびれ時間設定信号と等しくなるように前記増幅率を調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接電源である。
請求項3の発明は、
前記増幅率設定部は、溶接が終了したときの前記増幅率の値を保存する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消耗電極アーク溶接電源である。
本発明によれば、溶接ケーブルの敷設状態に関わらず、出力端子電圧によってくびれの検出を正確に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接電源のブロック図である。 図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトル、誤差増幅信号Eaを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、パルス幅変調制御信を入力としてインバータ回路のスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路を備えている。
上記の電源主回路PMの出力端子6aと溶接トーチ4とは溶接ケーブル7aで接続されており、もう一方の出力端子6bと母材2とは溶接ケーブル7bで接続されている。この溶接ケーブル7a、7bの長さは往復50m以上になる場合もある。この溶接ケーブル7a、7bによるインダクタンス値がL(μH)となる。インダクタンス値Lは、長さ、敷設状態によって10~200μH程度の範囲で種々な値となる。
減流抵抗器Rは、上記の電源主回路PMと出力端子6aとの間に挿入される。この減流抵抗器Rの値は、短絡負荷(0.01~0.03Ω程度)の50倍以上大きな値(0.5~3Ω程度)に設定される。このために、くびれ検出制御によって減流抵抗器Rが通電路に挿入されると、溶接電源内の直流リアクトル及び外部ケーブルのリアクトルに蓄積されたエネルギーが急放電される。トランジスタTRは、減流抵抗器Rと並列に接続されて、後述する駆動信号Drに従ってオン又はオフ制御される。
溶接ワイヤ1は、送給機FDによって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
出力端子電圧検出回路VTDは、出力端子6aと6bとの間の出力端子電圧Vtを検出して、出力端子電圧検出信号Vtdを出力する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。
溶接電流変化率検出回路DIは、上記の溶接電流検出信号Idを入力として、微分して溶接電流変化率検出信号dId/dtを出力する。
増幅率設定回路GRは、後述するくびれ時間誤差増幅信号Etを入力として、予め定めた初期値に、くびれ時間誤差増幅信号Etの値が更新されるごとに加算して増幅率設定信号Grを出力する。初期値は、例えば、溶接ケーブルの敷設状態が標準的であるときのインダクタンス値である30μH程度に設定される。また、増幅率設定回路GRは、溶接が終了したときの増幅率設定信号Grの値を保存する。
溶接電流変化率増幅回路GDIは、上記の溶接電流変化率検出信号dId/dt及び上記の増幅率設定信号Grを入力として、両値を乗算して、溶接電流変化率増幅信号G・dId/dtを出力する。
電圧検出回路VDは、上記の出力端子電圧検出信号Vtd及び上記の溶接電流変化率増幅信号G・dId/dtを入力として、上述した(1)式に基づいてVd=Vtd-G・dId/dtを演算して、電圧検出信号Vdを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、この値が予め定めた短絡/アーク判別値Vta(10V程度)未満であるときは短絡期間にあると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
くびれ検出基準値設定回路VTNは、予め定めたくびれ検出基準値信号Vtnを出力する。溶接法、送給速度、溶接ワイヤ1の材質、直径等の溶接条件に応じて、このくびれ検出基準値信号Vtnの値は適正値に設定される。
くびれ検出回路NDは、上記のくびれ検出基準値信号Vtn、上記の短絡判別信号Sd、上記の電圧検出信号Vd及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)であるときの電圧検出信号Vdの電圧上昇値がくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれが形成されたと判別してHighレベルとなり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点でLowレベルになるくびれ検出信号Ndを出力する。また、短絡期間中の電圧検出信号Vdの微分値がそれに対応したくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、電圧検出信号Vdの値を溶接電流検出信号Idの値で除算して溶滴の抵抗値を算出し、この抵抗値の微分値がそれに対応するくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。
くびれ時間検出回路TNDは、上記のくびれ検出信号Ndを入力として、くびれ検出信号NdがHighレベルとなるくびれ時間Tnを検出し、所定期間ごとにくびれ時間Tnの平均値を算出して、くびれ時間検出信号Tndを出力する。くびれ時間Tnは、短絡期間中にくびれを検出した時点からアークが再発生するまでの時間である。このくびれ時間Tnが短いときは、アーク再発生時の溶接電流Iwの値が十分小さな値まで減少することができないために、スパッタが発生することになる。他方、くびれ時間Tnが長いときは、低レベル電流値Ilの状態が長く続くために、アークの再発生に失敗する場合も発生する。したがって、くびれ時間Tnが適正値とほぼ等しい状態にあるときは、くびれ検出制御が適正に動作しているときである。所定期間の平均値を算出しているのは、くびれ時間Tnにはある程度のばらつきがあるので、それを平均化するためである。所定期間は、例えば0.5ms程度である。
くびれ時間設定回路TNRは、予め定めたくびれ時間Tnの適正値のくびれ時間設定信号Tnrを出力する。
くびれ時間誤差増幅回路ETは、上記のくびれ時間検出信号Tnd及び上記のくびれ時間設定信号Tnrを入力として、両値の誤差(Tnr-Tnd)を増幅してくびれ時間誤差増幅信号Etを出力する。
低レベル電流設定回路ILRは、予め定めた低レベル電流設定信号Ilrを出力する。
電流比較回路CMは、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、Id<IlrのときはHighレベルになり、Id≧IlrのときはLowレベルになる電流比較信号Cmを出力する。
駆動回路DRは、上記の電流比較信号Cm及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、くびれ検出信号NdがHighレベルに変化するとLowレベルに変化し、その後に電流比較信号CmがHighレベルに変化するとHighレベルに変化する駆動信号Drを上記のトランジスタTRのベース端子に出力する。したがって、この駆動信号Drはくびれが検出されるとLowレベルになり、トランジスタTRがオフ状態になり通電路に減流抵抗器Rが挿入されるので、短絡負荷を通電する溶接電流Iwは急減する。そして、急減した溶接電流Iwの値が低レベル電流設定信号Ilrの値まで減少すると、駆動信号DrはHighレベルになり、トランジスタTRがオン状態になるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の状態に戻る。この結果、溶接電流Iwは、低レベル電流設定信号Ilrの値を維持する。
電流制御設定回路ICRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、以下の処理を行い、電流制御設定信号Icrを出力する。
1)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から予め定めた初期期間中は、予め定めた初期電流設定値を電流制御設定信号Icrとして出力する。
2)その後は、電流制御設定信号Icrの値を、上記の初期電流設定値から予め定めた短絡時傾斜で予め定めたピーク設定値まで上昇させ、その値を維持する。
3)くびれ検出信号NdがHighレベル(くびれ検出)に変化すると、電流制御設定信号Icrの値を低レベル電流設定信号Ilrの値に切り換えて維持する。
4)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化し、予め定めた遅延期間Tdが経過すると、電流制御設定信号Icrを、予め定めたアーク時傾斜で予め定めた高レベル電流設定値まで上昇させ、その値を維持する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icr(+)と上記の溶接電流検出信号Id(-)との誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
電圧設定回路VRは、アーク期間中の溶接電圧を設定するための予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、この電圧設定信号Vr及び上記の電圧検出信号Vdを入力として、電圧設定信号Vr(+)と電圧検出信号Vd(-)との誤差を増幅して電圧誤差増幅信号Evを出力する。
制御切換回路SWは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化して上記の遅延期間及び上記の高電流期間が経過した時点までの期間中は電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、それ以外の期間中は電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。この回路により、短絡期間+遅延期間Td+高電流期間中は定電流制御となり、それ以外のアーク期間中は定電圧制御となる。
送給速度設定回路FRは、予め定めた送給速度設定信号Frを出力する。送給制御回路FCは、この送給速度設定信号Frを入力として、この設定値に相当する送給速度で溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給機FDに出力する。
図2は、図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)はくびれ検出信号Ndの時間変化を示し、同図(D)は駆動信号Drの時間変化を示し、同図(E)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(F)は電流制御設定信号Icrの時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
図1の電圧検出信号Vdは、上述した(1)式に基づいて、出力端子電圧検出信号Vtd、増幅率G及び溶接電流変化率検出信号dId/dtによって下式で算出される。
Vd=Vtd-G・dId/dt=Vw+L・dIw/dt-G・dId/dt
ここで、増幅率Gを溶接ケーブルによるインダクタンス値Lと等しくなるように設定すると、Vd=Vwとなり、出力端子電圧検出信号Vtdによって溶接電圧Vwを検出することができる。
(1)時刻t1の短絡発生から時刻t2のくびれ検出時点までの動作
時刻t1において溶接ワイヤ1が母材2と接触すると短絡期間になり、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数V程度の短絡電圧値に急減する。そして、図1の電圧検出信号Vdの値が短絡/アーク判別値Vta未満になったことを判別して、同図(E)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルからHighレベルに変化する。これに応動して、同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrは時刻t1において予め定めた高レベル電流設定値から小さな値である予め定めた初期電流設定値に変化する。時刻t1~t11の予め定めた初期期間中は上記の初期電流設定値となり、時刻t11~t12の期間中は予め定めた短絡時傾斜で上昇し、時刻t12~t2の期間中は予め定めたピーク設定値となる。短絡期間中は上述したように定電流制御されているので溶接電流Iwは電流制御設定信号Icrに相当する値に制御される。このために、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t1においてアーク期間の溶接電流値から減少し、時刻t1~t11の初期期間中は初期電流値となり、時刻t11~t12の期間中は短絡時傾斜で上昇し、時刻t12~t2の期間中はピーク値となる。同図(C)に示すように、くびれ検出信号Ndは、後述する時刻t2~t3のくびれ時間Tn中はHighレベルとなり、それ以外の期間はLowレベルとなる。同図(D)に示すように、駆動信号Drは、後述する時刻t2~t21の期間はLowレベルとなり、それ以外の期間はHighレベルとなる。したがって、同図において時刻t2以前の期間中は、駆動信号DrはHighレベルとなり、図1のトランジスタTRがオン状態となるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の消耗電極アーク溶接電源と同一の状態となる。例えば、上記の初期期間は1ms程度であり、初期電流値は50A程度であり、短絡時傾斜は400A/ms程度であり、ピーク値は450A程度である。
同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwがピーク値となる時刻t12あたりから上昇する。これは、溶滴にくびれが次第に形成されるためである。この溶接電圧Vwの変化を電圧検出信号Vdによって検出する。時刻t12からの期間がくびれを検出する期間となる。
(2)時刻t2のくびれ検出時点から時刻t3のアーク再発生時点までの動作
時刻t2において、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwが上昇して、電圧検出信号Vdの初期期間中の電圧値からの電圧上昇値ΔVが予め定めたくびれ検出基準値Vtnと等しくなったことによってくびれを検出すると、同図(C)に示すように、くびれ検出信号NdはHighレベルに変化する。これに応動して、同図(D)に示すように、駆動信号DrはLowレベルになるので、図1のトランジスタTRはオフ状態となり減流抵抗器Rが通電路に挿入される。同時に、同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrは低レベル電流設定信号Ilrの値へと小さくなる。このために、同図(A)に示すように、溶接電流Iwはピーク値から急減する。そして、時刻t21において、溶接電流Iwが低レベル電流値Ilまで減少すると、同図(D)に示すように、駆動信号DrはHighレベルに戻るので、図1のトランジスタTRはオン状態となり減流抵抗器Rは短絡される。この結果、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t21からアークが再発生する時刻t3まで低レベル電流値Ilを維持する。したがって、トランジスタTRは、時刻t2にくびれが検出されてから時刻t21に溶接電流Iwが低レベル電流値Ilに減少するまでの期間のみオフ状態となる。同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwが小さくなるので時刻t2から一旦減少した後に急上昇する。
(3)時刻t3のアーク再発生から遅延期間Tdが経過して時刻t4の高電流期間が終了するまでの動作
時刻t3においてアーク3が再発生すると、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは急増し、電圧検出信号Vdの値は短絡/アーク判別値Vta以上となる。時刻t3~t31の期間が予め定めた遅延期間Tdとなる。同図(F)に示すように、電流制御設定信号Icrの値は、時刻31まで低レベル電流設定信号値Ilrのままとなる。そして、時刻t31~t4の期間が予め定めた高電流期間となる。電流制御設定信号Icrの値は、時刻t31から予め定めたアーク時傾斜で上昇し、上記の高レベル電流設定値に達するとその値を維持する。時刻t3にアークが再発生してから遅延期間Td及び高電流期間が経過する時刻t4まで溶接電源は定電流制御されているので、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t3~t31の遅延期間Td中は低レベル電流値Ilとなり、時刻t31からはアーク時傾斜で上昇し、高レベル電流値に達するとその値を時刻t4まで維持する。同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、時刻t3~t31の遅延期間Td中はアーク電圧値となり、時刻t31~t4の高電流期間中はそれよりも大の高レベル電圧値となる。同図(C)に示すように、くびれ検出信号Ndは、時刻t3にアークが再発生するので、Lowレベルに変化する。
(4)時刻t4の高電流終了時点から時刻t5の次の短絡発生までのアーク期間の動作
時刻t4において高電流期間が終了すると、溶接電源は定電流制御から定電圧制御へと切り換えられる。このために、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは高レベル電流値から次第に減少する。同様に、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは高レベル電圧値から次第に減少する。
本実施の形態においては、くびれが検出される時刻t2からアークが再発生する時刻t3までのくびれ時間Tnを検出し、所定期間ごとに平均値を算出して図1のくびれ時間検出信号Tndを出力する。このくびれ時間検出信号Tndの値が図1の予め定めたくびれ時間設定信号Tnrの値と等しくなるように図1の増幅率設定信号Grの値が自動的に調整される。このようにして、くびれ検出制御が最も有効に動作するように、増幅率Gが自動調整される。したがって、溶接ケーブルの敷設状態に関わらず、出力端子電圧によってくびれの検出を正確に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる。
上述した実施の形態によれば、くびれ検出信号が出力された時点からアークが再発生する時点までのくびれ時間を検出してくびれ時間検出信号を出力するくびれ時間検出部を備え、増幅率設定部は、くびれ時間検出信号に基づいて増幅率を調整する。これにより、溶接ケーブルの敷設状態が変化しても、くびれ時間を指標としてくびれ検出制御が適切に動作するように、増幅率を自動調整することができる。このために、溶接ケーブルの敷設状態に関わらず、出力端子電圧によってくびれの検出を正確に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる
さらに、本実施の形態によれば、くびれ時間の目標値を設定するくびれ時間設定信号を出力するくびれ時間設定部をさらに備え、増幅率設定部は、くびれ時間検出信号がくびれ時間設定信号と等しくなるように増幅率を調整することが好ましい。これにより、くびれ検出制御が最も有効に動作するように増幅率が自動調整される。
さらに、本実施の形態によれば、増幅率設定部は、溶接が終了したときの増幅率の値を保存することが好ましい。このようにすると、溶接開始時点からくびれ検出制御が適正に動作するので、溶接品質をさらに向上させることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
DI 溶接電流変化率検出回路
dId/dt 溶接電流変化率検出信号
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
ET くびれ時間誤差増幅回路
Et くびれ時間誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FD 送給機
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
G 増幅率
GDI 溶接電流変化率増幅回路
G・dId/dt 溶接電流変化率増幅信号
GR 増幅率設定回路
Gr 増幅率設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Il 低レベル電流値
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
Iw 溶接電流
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
PM 電源主回路
R 減流抵抗器
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SW 制御切換回路
Td 遅延期間
TND くびれ時間検出回路
Tnd くびれ時間検出信号
TNR くびれ時間設定回路
Tnr くびれ時間設定信号
TR トランジスタ
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vt 出力端子電圧
Vta 短絡/アーク判別値
VTD 出力端子電圧検出回路
Vtd 出力端子電圧検出信号
VTN くびれ検出基準値設定回路
Vtn くびれ検出基準値(信号)
Vw 溶接電圧
ΔV 電圧上昇値

Claims (3)

  1. 溶接電源の出力端子の電圧を検出して出力端子電圧検出信号を出力する出力端子電圧検出部と、
    溶接電流の変化率を検出して溶接電流変化率検出信号を出力する溶接電流変化率検出部と、
    増幅率を設定する増幅率設定部と、
    前記溶接電流変化率検出信号に前記増幅率を乗じて溶接電流変化率増幅信号を出力する溶接電流変化率増幅部と、
    前記出力端子電圧検出信号から前記溶接電流変化率増幅信号を減算して電圧検出信号を出力する電圧検出部と、
    前記電圧検出信号によって短絡期間中の溶滴のくびれを検出してくびれ検出信号を出力するくびれ検出部と、を備えており、
    前記くびれ検出信号が出力されると溶接電流を減少させてアークを再発生させて溶接する消耗電極アーク溶接電源において、
    前記くびれ検出信号が出力された時点から前記アークが再発生する時点までのくびれ時間を検出してくびれ時間検出信号を出力するくびれ時間検出部を備え、
    前記増幅率設定部は、前記くびれ時間検出信号に基づいて前記増幅率を調整する、
    ことを特徴とする消耗電極アーク溶接電源。
  2. 前記くびれ時間の目標値を設定するくびれ時間設定信号を出力するくびれ時間設定部をさらに備え、
    前記増幅率設定部は、前記くびれ時間検出信号が前記くびれ時間設定信号と等しくなるように前記増幅率を調整する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接電源。
  3. 前記増幅率設定部は、溶接が終了したときの前記増幅率の値を保存する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消耗電極アーク溶接電源。
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