JP2022091176A - 消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法において、くびれ検出の精度を高める方法を提供する。【解決手段】短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを時刻t2に検出してくびれ検出信号Ndを出力し、くびれ検出信号Ndが出力されると溶接電流Iwを減少させてアークを再発生させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法において、短絡期間の開始時点からくびれ検出信号Ndが出力されるまでの経過時間の標準検出時間を設定し、短絡期間中の所定期間中の溶接電圧Vwの標準波形を設定し、所定期間の溶接電圧Vwの検出波形と標準波形との誤差が基準値以下であるときは、標準検出時間が経過した時点又はその時点から遅延検出時間が経過した時点でくびれ推定信号Nsを出力し、くびれ検出信号Nd又はくびれ推定信号Nsが出力されると溶接電流Iwを減少させる。【選択図】図2

Description

本発明は、短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出して溶接電流を減少させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法に関するものである。
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出し、くびれを検出すると溶接電流を減少させてアークを再発生させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5851798号公報
従来技術の消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法においては、短絡期間中にくびれ検出制御によってアーク再発生時の溶接電流の値が小さくなるために、スパッタ発生量が非常に少なくなり、溶融池の振動が小さくなりビード外観が良好になる。しかし、溶滴に形成されたくびれの進行状態にはばらつきがあるために、一定程度の確率でくびれの検出に失敗する場合が生じる。
そこで、本発明では、くびれの検出精度を高めることができる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、前記短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出してくびれ検出信号を出力し、前記くびれ検出信号が出力されると溶接電流を減少させてアークを再発生させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法において、
前記短絡期間の開始時点から前記くびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の標準検出時間を設定し、前記短絡期間の開始時点から前記標準検出時間までの間の所定期間中の溶接電圧の標準波形を設定し、
前記所定期間の前記溶接電圧の検出波形と前記標準波形との誤差が基準値以下であるときは、前記標準検出時間が経過した時点又はその時点から遅延検出時間が経過した時点でくびれ推定信号を出力し、前記くびれ検出信号又は前記くびれ推定信号が出力されると前記溶接電流を減少させる、
ことを特徴とする消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法である。
請求項2の発明は、
前記標準検出時間を前記くびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の平均値を算出して設定し、
前記標準波形を前記くびれ検出信号が出力されたときの前記所定期間中の前記溶接電圧の前記検出波形の平均値を算出して設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法である。
本発明によれば、消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法において、くびれの検出精度を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。 短絡期間中にくびれ検出信号Ndが出力されたときの溶接電圧Vwの波形図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法を実施するための溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御等の出力制御を行い、溶接電圧Vw及び溶接電流Iwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑する平滑コンデンサ、平滑された直流を高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流を溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を直流に整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトル、誤差増幅信号Eaを入力としてパルス幅変調制御を行う変調回路、パルス幅変調制御信を入力としてインバータ回路のスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路を備えている。
減流抵抗器Rは、上記の電源主回路PMと溶接トーチ4との間に挿入される。この減流抵抗器Rの値は、短絡負荷(0.01~0.03Ω程度)の50倍以上大きな値(0.5~3Ω程度)に設定される。このために、くびれ検出制御によって減流抵抗器Rが通電路に挿入されると、溶接電源内の直流リアクトル及び外部ケーブルのリアクトルに蓄積されたエネルギーが急放電される。トランジスタTRは、減流抵抗器Rと並列に接続されて、後述する駆動信号Drに従ってオン又はオフ制御される。
溶接ワイヤ1は、送給機FDによって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接トーチ4内の給電チップ(図示は省略)と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。
溶接電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して、溶接電圧検出信号Vdを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、この値が予め定めた短絡/アーク判別値Vta(10V程度)未満であるときは短絡期間にあると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間にあると判別してLowレベルになる短絡判別信号Sdを出力する。
くびれ検出基準値設定回路VTNは、予め定めたくびれ検出基準値信号Vtnを出力する。溶接法、送給速度、溶接ワイヤ1の材質、直径等の溶接条件に応じて、このくびれ検出基準値信号Vtnの値は適正値に設定される。
くびれ検出回路NDは、上記のくびれ検出基準値信号Vtn、上記の短絡判別信号Sd、上記の溶接電圧検出信号Vd及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)であるときの溶接電圧検出信号Vdの電圧上昇値がくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれが形成されたと判別してHighレベルとなり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化した時点でLowレベルになるくびれ検出信号Ndを出力する。また、短絡期間中の溶接電圧検出信号Vdの微分値がそれに対応したくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。さらに、溶接電圧検出信号Vdの値を溶接電流検出信号Idの値で除算して溶滴の抵抗値を算出し、この抵抗値の微分値がそれに対応するくびれ検出基準値信号Vtnの値に達した時点でくびれ検出信号NdをHighレベルに変化させるようにしても良い。
標準検出時間設定回路TSRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の溶接電圧検出信号Vd及び上記のくびれ検出信号Ndを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)に変化した時点からくびれ検出信号NdがHighレベルに変化するまでの経過時間を検出し、経過時間の平均値を算出して標準検出時間設定信号Tsrを出力する。この設定は、後述するくびれ推定信号NsはHighレベルとなることを禁止して、予備試験によって行う。
標準波形設定回路WSRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の溶接電圧検出信号Vd、上記のくびれ検出信号Nd、上記の標準検出時間設定信号Tsr及び後述する期間信号Stを入力として、くびれ検出信号NdがHighレベルとなったときの予め定めた所定期間中の溶接電圧検出信号Vdを予め定めたサンプリング周期(10~100μs程度)ごとに検出して記憶し、記憶された時系列データ(くびれ検出信号NdがHighレベルとなった後のデータは除く)を対応する時点ごとに平均化して標準波形設定信号Wsrを出力する。この設定は、後述するくびれ推定信号NsはHighレベルとなることを禁止して、予備試験によって行う。
上記の所定期間は、1)初期期間(期間信号St=1)の開始時点から短絡期間の開始(短絡判別信号SdがHighレベル)から標準検出時間設定信号Tsrによって定まる標準検出時間Tsが経過するまでの期間、2)電流上昇期間(期間信号St=2)の開始時点から短絡期間の開始から標準検出時間Tsが経過するまでの期間、3)短絡期間のピーク電流期間(期間信号St=3)の開始時点から短絡期間の開始から標準検出時間Tsが経過するまでの期間等である。
くびれ推定回路NSは、上記の標準検出時間設定信号Tsr、上記の標準波形設定信号Wsr、上記の溶接電圧検出信号Vd、上記の短絡判別信号Sd及び後述する期間信号Stを入力として、短絡判別信号SdがHighレベルである短絡期間中の上記の所定期間における溶接電圧検出信号Vdと標準波形設定信号Wsrによって設定された標準波形Wsとの誤差が基準値以下であるときは、短絡期間の開始から標準検出時間設定信号Tsrによって設定された標準検出時間Tsが経過した時点又はその時点から予め定めた遅延検出時間後にHighレベルとなり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化するとLowレベルに戻るくびれ推定信号Nsを出力する。
溶接電圧検出信号Vdと標準波形Wsとの誤差は、所定期間開始時点から上記のサンプリング周期ごとに溶接電圧検出信号Vdの値とその時点に対応する標準波形Wsの値との誤差を積算して算出する。
くびれ信号生成回路NAは、上記のくびれ検出信号Nd及び上記のくびれ推定信号Nsを入力として、両信号の論理和を行い、くびれ信号Naを出力する。これにより、くびれ検出信号Nd又はくびれ推定信号NsがHighレベルに変化すると、くびれ信号NaがHighレベルとなり、くびれ検出制御を実施する。
低レベル電流設定回路ILRは、予め定めた低レベル電流設定信号Ilrを出力する。
電流比較回路CMは、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記の溶接電流検出信号Idを入力として、Id<IlrのときはHighレベルになり、Id≧IlrのときはLowレベルになる電流比較信号Cmを出力する。
駆動回路DRは、上記の電流比較信号Cm及び上記のくびれ信号Naを入力として、くびれ信号NaがHighレベルに変化するとLowレベルに変化し、その後に電流比較信号CmがHighレベルに変化するとHighレベルに変化する駆動信号Drを上記のトランジスタTRのベース端子に出力する。したがって、この駆動信号Drはくびれ信号NaがHighレベルになるとLowレベルになり、トランジスタTRがオフ状態になり通電路に減流抵抗器Rが挿入されるので、短絡負荷を通電する溶接電流Iwは急減する。そして、急減した溶接電流Iwの値が低レベル電流設定信号Ilrの値まで減少すると、駆動信号DrはHighレベルになり、トランジスタTRがオン状態になるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の状態に戻る。この結果、溶接電流Iwは、低レベル電流設定信号Ilrの値を維持する。
電流制御設定回路ICRは、上記の短絡判別信号Sd、上記の低レベル電流設定信号Ilr及び上記のくびれ信号Naを入力として、以下の処理を行い、電流制御設定信号Icr及び期間信号Stを出力する。
1)短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から予め定めた初期期間中は、電流制御設定信号Icrの値を予め定めた初期電流設定値とし、期間信号St=1を出力する。
2)その後の電流上昇期間中は、電流制御設定信号Icrの値を、上記の初期電流設定値から予め定めた短絡時傾斜で予め定めたピーク設定値まで上昇させ、期間信号St=2を出力する。
3)その後のピーク電流期間中は、電流制御設定信号Icrの値を上記のピーク設定値にいじし、期間信号St=3を出力する。
4)くびれ信号NaがHighレベル(くびれ検出)に変化すると、電流制御設定信号Icrの値を低レベル電流設定信号Ilrの値に切り換えて維持し、期間信号St=4を出力する。
5)短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化して予め定めた遅延期間Tdが経過した時点から、電流制御設定信号Icrを、予め定めたアーク時傾斜で予め定めた高レベル電流設定値まで上昇させ、その値を維持する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流制御設定信号Icr(+)と上記の溶接電流検出信号Id(-)との誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
電圧設定回路VRは、アーク期間中の溶接電圧を設定するための予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、この電圧設定信号Vr及び上記の溶接電圧検出信号Vdを入力として、電圧設定信号Vr(+)と溶接電圧検出信号Vd(-)との誤差を増幅して電圧誤差増幅信号Evを出力する。
制御切換回路SWは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡)に変化した時点から、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)に変化して上記の遅延期間及び上記の高電流期間が経過した時点までの期間中は電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、それ以外の期間中は電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。この回路により、短絡期間+遅延期間Td+高電流期間中は定電流制御となり、それ以外のアーク期間中は定電圧制御となる。
送給速度設定回路FRは、予め定めた送給速度設定信号Frを出力する。送給制御回路FCは、この送給速度設定信号Frを入力として、この設定値に相当する送給速度で溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記の送給機FDに出力する。
図2は、本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(B)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(C)はくびれ検出信号Ndの時間変化を示し、同図(D)は駆動信号Drの時間変化を示し、同図(E)はくびれ推定信号Nsの時間変化を示し、同図(F)はくびれ信号Naの時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
同図において、時刻t1~t3の短絡期間中はくびれ検出信号NdがHighレベルとなった場合であり、時刻t5~t7の短絡期間中はくびれ推定信号NsがHighレベルとなった場合である。
(1)時刻t1の短絡発生から時刻t2のくびれ検出信号NdがHighレベルとなるまでの動作
時刻t1において溶接ワイヤ1が母材2と接触すると短絡期間になり、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは数V程度の短絡電圧値に急減する。この溶接電圧Vwが短絡/アーク判別値Vta未満になったことを判別して、図1の短絡判別信号SdはLowレベルからHighレベルに変化する。同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t1においてアーク期間の溶接電流値から減少し、時刻t1~t11の予め定めた初期期間中は予め定めた初期電流値となり、時刻t11~t12の電流上昇期間中は予め定めた短絡時傾斜で上昇し、時刻t12~t2のピーク電流期間中は予め定めたピーク電流値となる。同図(C)に示すように、くびれ検出信号Ndは、後述する時刻t2~t3の期間はHighレベルとなり、それ以外の期間はLowレベルとなる。同図(D)に示すように、駆動信号Drは、後述する時刻t2~t21の期間はLowレベルとなり、それ以外の期間はHighレベルとなる。したがって、同図において時刻t2以前の期間中は、駆動信号DrはHighレベルとなり、図2のトランジスタTRがオン状態となるので、減流抵抗器Rは短絡されて通常の消耗電極アーク溶接電源と同一の状態となる。例えば、上記の初期期間は1ms程度であり、初期電流値は50A程度であり、短絡時傾斜は400A/ms程度であり、ピーク値は450A程度である。
同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwがピーク電流値となる時刻t12あたりから上昇する。これは、溶滴にくびれが次第に形成されるためである。時刻t12からの期間がくびれを検出する期間となる。このくびれを検出する期間においては、同図(A)に示すように、溶接電流Iwはピーク値でほぼ一定値である。
(2)時刻t2のくびれ検出信号NdがHighレベルに変化した時点から時刻t3のアーク再発生時点までの動作
時刻t2において、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwが上昇して初期期間中の電圧値からの電圧上昇値ΔVが予め定めたくびれ検出基準値Vtnと等しくなったことによってくびれを検出すると、同図(C)に示すように、くびれ検出信号NdはHighレベルに変化する。この結果、同図(F)に示すように、くびれ信号NaがHighレベルに変化する。この場合、同図(E)に示すように、くびれ推定信号NsはLowレベルのままである。これに応動して、同図(D)に示すように、駆動信号DrはLowレベルになるので、図1のトランジスタTRはオフ状態となり減流抵抗器Rが通電路に挿入される。このために、同図(A)に示すように、溶接電流Iwはピーク電流値から急減する。そして、時刻t21において、溶接電流Iwが低レベル電流設定信号Ilrで設定される低レベル電流値Ilまで減少すると、同図(D)に示すように、駆動信号DrはHighレベルに戻るので、図1のトランジスタTRはオン状態となり減流抵抗器Rは短絡される。この結果、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t21からアークが再発生する時刻t3まで低レベル電流値Ilを維持する。したがって、トランジスタTRは、時刻t2にくびれ信号NaがHighレベルに変化してから時刻t21に溶接電流Iwが低レベル電流値Ilに減少するまでの期間のみオフ状態となる。同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、溶接電流Iwが小さくなるので時刻t2から一旦減少した後に急上昇する。
(3)時刻t3のアーク再発生から遅延期間Tdが経過して時刻t4の高電流期間が終了するまでの動作
時刻t3においてアーク3が再発生すると、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwの値は短絡/アーク判別値Vta以上となる。時刻t3~t31の期間が予め定めた遅延期間Tdとなり、時刻t31~t4の期間が予め定めた高電流期間となる。時刻t3にアークが再発生してから遅延期間Td及び高電流期間が経過する時刻t4まで溶接電源は定電流制御されているので、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは、時刻t3~t31の遅延期間Td中は低レベル電流値Ilとなり、時刻t31からはアーク時傾斜で上昇し、高レベル電流値に達するとその値を時刻t4まで維持する。同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは、時刻t3~t31の遅延期間Td中はアーク電圧値となり、時刻t31~t4の高電流期間中はそれよりも大の高レベル電圧値となる。時刻t3にアークが再発生するので、同図(C)に示すくびれ検出信号Nd及び同図(F)に示すくびれ信号NaはLowレベルに戻る。例えば、上記の遅延期間Tdは1ms程度であり、上記のアーク時傾斜は300A/ms程度であり、上記の高レベル電流値は350A程度であり、上記の高電流期間は2ms程度である。
(4)時刻t4の高電流終了時点から時刻t5の次の短絡発生までのアーク期間の動作
時刻t4において高電流期間が終了すると、溶接電源は定電流制御から定電圧制御へと切り換えられる。このために、同図(A)に示すように、溶接電流Iwは高レベル電流値から次第に減少する。同様に、同図(B)に示すように、溶接電圧Vwは高レベル電圧値から次第に減少する。
時刻t5の短絡発生から時刻t6のくびれ推定信号NsがHighレベルとなるまでの動作は、上述した時刻t1~t2と同様であるので説明は省略する。
(5)時刻t6のくびれ推定信号NsがHighレベルに変化した時点から時刻t7のアーク再発生時点までの動作
時刻t5において、短絡期間からの経過時間が図1の標準検出時間設定信号Tsrによって設定された標準検出時間Tsに到達し、予め定めた所定期間における図1の溶接電圧検出信号Vdと図1の標準波形設定信号Wsrによって設定された標準波形Wsとの誤差が基準値以下であるので、同図(E)に示すように、くびれ推定信号NsがHighレベルに変化する。この結果、同図(F)に示すように、くびれ信号NaがHighレベルに変化する。この場合、同図(C)に示すように、くびれ検出信号NdはLowレベルのままである。これ以降の動作は、上述した時刻t2~t3と同様であるので説明は省略する。時刻t5からの短絡期間の場合、標準検出時間Tsが経過した時刻t6においても、溶接電圧Vwの電圧上昇値ΔVがくびれ検出基準値Vtnに達していない状態である。一方、所定期間における溶接電圧検出信号Vdと標準波形Wsとの誤差が基準値以下であるので、くびれは進行していると推定できる。したがって、この時点においてくびれ推定信号NsをHighレベルにしてくびれ検出制御を動作させることによって、溶接電流Iwの値が小さい状態でアークを再発生させることができる。このようにすることで、くびれ検出の精度を高めることができる。上記においては、くびれ推定信号Nsが時刻t5の標準検出時間Tsの経過時点でHighレベルとなる場合について説明したが、その時点から予め定めた遅延検出時間が経過した時点でHighレベルとなるようにしても良い。この遅延検出時間を調整することによってくびれ検出の精度をさらに高めることができる。例えば、上記の標準検出時間Tsは3.5ms程度であり、遅延検出時間は0.5ms程度である。
上記の所定期間は、例えば、以下のように設定される。
1)初期期間の開始時点から短絡期間の開始から標準検出時間Tsが経過するまでの期間
2)電流上昇期間の開始時点から短絡期間の開始から標準検出時間Tsが経過するまでの期間
3)短絡期間のピーク電流期間の開始時点から短絡期間の開始から標準検出時間Tsが経過するまでの期間
溶接電圧検出信号Vdと標準波形Wsとの誤差は、所定期間開始時点から予め定めたサンプリング周期(10~100μs程度)ごとに溶接電圧検出信号Vdの値とその時点に対応する標準波形Wsの値との誤差を積算して算出する。
図3は、短絡期間中にくびれ検出信号Ndが出力されたときの溶接電圧Vwの波形図である。以下、同図を参照して、標準波形の設定方法及び溶接電圧Vwの検出波形との誤差を算出する方法について説明する。
同図において、時刻t1に短絡が発生し、時刻t5においてアークが再発生している。時刻t1~t2の期間が初期期間となり、時刻t2~t3の期間が電流上昇期間となり、時刻t3~t4の期間がピーク電流期間となる。時刻t4において、くびれ検出信号NdがHighレベルとなる。時刻t1に短絡が発生すると、同図に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値から急峻に下降して数Vの短絡電圧値となる。時刻t1~t2の初期期間中は、溶接電流Iwは50A程度の小電流値となる。これに応じて、同図に示すように、溶接電圧Vwは最も小さな値の短絡電圧値となる。時刻t2~t3の電流上昇期間中は、溶接電流Iwは50Aから450Aへと上昇する。これに応じて、同図に示すように、溶接電圧Vwも上昇する。時刻t3~t4のピーク電流期間中は、溶接電流Iwは450Aのピーク電流値となる。同図に示すように、溶接電圧Vwは、溶滴のくびれが進行するのに伴い次第に上昇する。時刻t4において、初期期間からの電圧上昇値がくびれ検出基準値に達したために、くびれ検出信号NdがHighレベルとなる。このために、溶接電流Iwは急峻に下降して50A程度となる。これに応じて、同図に示すように、溶接電圧Vwは急峻に下降して小さな値となる。時刻t5においてアークが再発生すると、同図に示すように、溶接電圧Vwは急峻に上昇してアーク電圧値となる。
以下、標準検出時間Tsの設定方法を説明する。短絡期間の開始時点t1からくびれ検出信号NdがHighレベルに変化した時点t4までの経過時間を検出する。溶接開始からの検出された経過時間の平均値を算出して標準検出時間Tsを設定する。
次に、標準波形Wsの設定方法を説明する。例えば、標準検出時間Ts=3.5ms、サンプリング周期=0.1ms、初期期間=1ms、電流上昇期間=1ms、所定期間をピーク電流期間の開始時点t3から標準検出時間Tsが経過するまでの期間とする。
同図において、第n回目のくびれ検出信号Ndが出力された短絡期間であり、くびれ検出信号NdがHighレベルとなるまでの経過時間(時刻t1~t4の期間)が3.7msであるとする。時刻t3~t4の1.7msの期間中の溶接電圧検出信号Vdのサンプリング値は以下のようになる。
Vd(n,0)…Vd(n,17)
ここで、標準検出時間Ts=3.5msであるので、初期期間及び電流上昇期間を除いたVd(n,0)~Vd(n,15)が記憶される。そして、標準波形Wsは、以下のようにして設定される。
Vd(0)の標準値=Vd(1,0)~Vd(n,0)の平均値

Vd(15)の標準値=Vd(1,15)~Vd(n,15)の平均値
この結果、標準波形Wsは、Vd(0)の標準値~Vd(15)の標準値の16点の時系列データから形成されることになる。
次に、標準波形Wsと溶接電圧検出信号Vdとの誤差の算出方法を説明する。m回目の短絡期間において、所定期間中の溶接電圧検出信号Vdのサンプリング値は以下のようになる。
Vd(m,0)…Vd(n,15)
そして、サンプリングごとの誤差は以下のようになる。
Vd(0)の誤差=|Vd(m,0)-Vd(0)の標準値|

Vd(15)の誤差=|Vd(m,15)-Vd(15)の標準値|
この結果、誤差=Vd(0)の誤差+…+Vd(15) の誤差として算出される。
上述した実施の形態によれば、短絡期間の開始時点からくびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の標準検出時間を設定し、短絡期間の開始時点から標準検出時間までの間の所定期間中の溶接電圧の標準波形を設定し、所定期間の溶接電圧の検出波形と標準波形との誤差が基準値以下であるときは、標準検出時間が経過した時点又はその時点から遅延検出時間が経過した時点でくびれ推定信号を出力し、くびれ検出信号又はくびれ推定信号が出力されると溶接電流を減少させる。標準検出時間が経過した時点においても、溶接電圧の電圧上昇値がくびれ検出基準値に達していない状態において、所定期間における溶接電圧検出信号と標準波形との誤差が基準値以下であるときはくびれは進行していると推定できる。したがって、この時点においてくびれ推定信号をHighレベルにしてくびれ検出制御を動作させることによって、溶接電流の値が小さい状態でアークを再発生させることができる。このようにすることで、くびれ検出の精度を高めることができる。また、遅延検出時間を設け、溶接条件に応じて調整することによって、くびれ検出の精度をさらに高めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、標準検出時間をくびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の平均値を算出して設定し、標準波形をくびれ検出信号が出力されたときの所定期間中の溶接電圧の検出波形の平均値を算出して設定する。このようにすると、標準検出時間及び標準波形を自動的に適正値に設定することができる。このために、本実施の形態では、設定の手間を省くことができ、種々の溶接条件に応じた適正値に設定されるので、くびれ検出の精度をさらに高めることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
CM 電流比較回路
Cm 電流比較信号
DR 駆動回路
Dr 駆動信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FD 送給機
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
ICR 電流制御設定回路
Icr 電流制御設定信号
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Il 低レベル電流値
ILR 低レベル電流設定回路
Ilr 低レベル電流設定信号
Iw 溶接電流
NA くびれ信号生成回路
Na くびれ信号
ND くびれ検出回路
Nd くびれ検出信号
NS くびれ推定回路
Ns くびれ推定信号
PM 電源主回路
R 減流抵抗器
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
St 期間信号
SW 制御切換回路
Td 遅延期間
TR トランジスタ
Ts 標準検出時間
TSR 標準検出時間設定回路
Tsr 標準検出時間設定信号
VD 溶接電圧検出回路
Vd 溶接電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vta 短絡/アーク判別値
VTN くびれ検出基準値設定回路
Vtn くびれ検出基準値(信号)
Vw 溶接電圧
Ws 標準波形
WSR 標準波形設定回路
Wsr 標準波形設定信号
ΔV 電圧上昇値

Claims (2)

  1. 溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、前記短絡期間中にアークが再発生する前兆現象である溶滴のくびれを検出してくびれ検出信号を出力し、前記くびれ検出信号が出力されると溶接電流を減少させてアークを再発生させる消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法において、
    前記短絡期間の開始時点から前記くびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の標準検出時間を設定し、前記短絡期間の開始時点から前記標準検出時間までの間の所定期間中の溶接電圧の標準波形を設定し、
    前記所定期間の前記溶接電圧の検出波形と前記標準波形との誤差が基準値以下であるときは、前記標準検出時間が経過した時点又はその時点から遅延検出時間が経過した時点でくびれ推定信号を出力し、前記くびれ検出信号又は前記くびれ推定信号が出力されると前記溶接電流を減少させる、
    ことを特徴とする消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法。
  2. 前記標準検出時間を前記くびれ検出信号が出力されるまでの経過時間の平均値を算出して設定し、
    前記標準波形を前記くびれ検出信号が出力されたときの前記所定期間中の前記溶接電圧の前記検出波形の平均値を算出して設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接のくびれ検出制御方法。
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