JP2015018202A - 貼合光学部材及びその製造方法 - Google Patents

貼合光学部材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015018202A
JP2015018202A JP2013202047A JP2013202047A JP2015018202A JP 2015018202 A JP2015018202 A JP 2015018202A JP 2013202047 A JP2013202047 A JP 2013202047A JP 2013202047 A JP2013202047 A JP 2013202047A JP 2015018202 A JP2015018202 A JP 2015018202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical sheet
bonding
layer
film
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013202047A
Other languages
English (en)
Inventor
修央 出口
Nagahisa Deguchi
修央 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2013202047A priority Critical patent/JP2015018202A/ja
Priority to TW103120186A priority patent/TW201501937A/zh
Priority to CN201480032242.7A priority patent/CN105264409A/zh
Priority to PCT/JP2014/065583 priority patent/WO2014200057A1/ja
Priority to KR1020157034609A priority patent/KR20160019892A/ko
Publication of JP2015018202A publication Critical patent/JP2015018202A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】貼合精度の向上を図りつつ、更なる生産性の向上を可能とした貼合光学部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】パターン化位相差フィルムと、パターン化位相フィルムと第1の光硬化性接着剤層を介して貼合された偏光子層と、偏光子層と第2の光硬化性接着剤層を介して貼合された透明基材又は位相差フィルムとを備える貼合光学部材の製造方法であって、パターン化位相差フィルムの原反となる第1の光学シート2Aと、偏光子層の原反となる第2の光学シート8Aと、位相差フィルム又は透明基材の原反となる第3の光学シート9Aとを光硬化性接着剤を介して貼合一体化した貼合光学シート1Aに対して、活性化エネルギーLを照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、貼合光学部材及びその製造方法に関する。
偏光フィルムや位相差フィルムなどの光学フィルムは、液晶表示装置を構成する重要な光学部材である。例えば、液晶表示装置では、偏光フィルムが液晶パネルの両面に一枚ずつ配置されている。
また、近年のいわゆるFPR(Film Patterned Retarder)方式の3D液晶表示装置では、液晶パネルの表示領域において左右に延びる画素列毎に、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に織り込んで、これらの画像を同時に表示しながら、偏光眼鏡を通して3D映像を見ることが可能となっている。
このような3D液晶表示装置では、液晶パネルの表面側の偏光フィルム上に、更に、液晶パネルの複数の画素列に対応した複数の偏光パターン列を有するFPRフィルムが配置されている(例えば、特許文献1を参照。)。
ところで、このような3D液晶表示装置を製造する際は、液晶パネルの一方の面(裏面)に偏光フィルムを貼合した後、液晶パネルの他方の面(表面)に偏光フィルムを貼合する。その後、FPRフィルムを表面側の偏光フィルム上に貼合することが行われている。
しかしながら、このような従来の製造方法では、偏光フィルムを一旦製造した後に、粘着層を介してFPRフィルムを偏光フィルムに貼合しなければならない。この場合、粘着層や偏光フィルムを構成する部材を多用するばかりでなく、構成部材の厚みが厚くなることによって、パネル実装時に視差やクロストークが発生し易くなるといった問題があった。
そこで、本発明者らは、「特願2012−129748号公報」において、FPRフィルム(パターン化位相差フィルム)と偏光フィルムとを貼合することにより一体化した貼合光学フィルム(貼合光学部材)を液晶パネルの表面側に貼合することで、生産工程を簡略化しつつ、製品歩留まりの更なる向上を図ることを提案している。
FPRフィルムは、長尺帯状の透明基材の上に光配向層と液晶層とが順に積層された光学異方性層を有している。一方、従来の偏光フィルムは、2枚の位相差フィルム又は透明基材に偏光子層が挟まれた構造を有している。したがって、これらFPRフィルムと偏光フィルムとを貼合一体化した貼合光学フィルムは、位相差フィルム又は透明基材の上に、偏光子層と、液晶層と、光配向層と、透明基材とが順に積層された構造を有することになる。
また、このような貼合光学フィルムを製造する際は、パターン化位相差フィルムの原反となる第1の光学シートと、偏光フィルムの原反となる第2の光学シートと、位相差フィルム又は透明基材の原反となる第3の光学シートとを、それぞれの原反ロールから巻き出しながら、第1の光学シートと第3の光学シートとの間で第2の光学シートを挟み込んだ状態で、水系接着剤を介して第1の光学シートと第2の光学シートと第3の光学シートとの間を貼合することによって一体化した貼合光学シートを形成した後、この貼合光学シートを加熱・乾燥させることによって、水系接着剤を硬化させることが行われる。
水系接着剤は、水と親水性有機溶媒とを混合した水溶媒系接着剤水からなる。このような水系接着剤としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂接着剤や、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などを挙げることができる。また、有機溶媒系接着剤としては、例えば二液型のウレタン系接着剤などを挙げることができる。一方、無溶剤系接着剤としては、例えば一液型ウレタン系接着剤などを挙げることができる。
しかしながら、従来の水系接着剤を用いて各光学シートを貼合する方法では、水系接着剤に含まれる水分によって各光学シートが吸水し膨脹する。一方、加熱・乾燥時には、各光学シートに加わる熱によって水系接着剤が硬化する過程で各光学シートに脱水・収縮が生じる。このような各光学シートに生じる変化は、FPRフィルムのパターン品質に悪影響を及ぼす。
すなわち、FPRフィルムのパターン品質を維持するためには、偏光パターン列のピッチ毎に各偏光パターン列の幅を均一化することが重要である。また、複数の偏光パターン列を合計したピッチ全体(トータルピッチ)での大きさが、液晶パネルの表示領域(有効画素域)の大きさと一致することが重要である。さらに、偏光パターン列の直線度が高く保たれていること、偏光パターン列が曲がったり変形したりして、この偏光パターン列から液晶パネルの画素列がはみ出したりしていないことなどが求められる。
液晶パネルにFPRフィルムを貼り合わせる際は、複数の偏光パターン列の各境界線が複数の画素列の各間に位置するように、FPRフィルムを液晶表示パネルに精度良く貼合させる必要がある。この境界線が画素列の間から外れてしまうと、左右の眼の画像に反対側の眼の画像を混入するといったクロストークの原因となる。複数の偏光パターン列の各境界線を複数の画素列の各間に位置させるためには、少なくとも±50μm、好ましくは±20μmの貼合精度が必要となる。
したがって、これらの要求を満たすためには、FPRフィルムのパターン品質や、FPRフィルムの貼合精度などを総合的に勘案し、品質を維持できる製造条件を確立する必要がある。例えば、FPRフィルムのパターン品質を安定化させるためには、季節的な温度変化や、環境管理、条件調整などの変動要因との観点から、貼合前に80℃以上の加熱・乾燥を行う、若しくは調湿を行うことで一定のパターン品質とすることが考えられる。
しかしながら、そのような変動要因に合わせて製造条件をその都度調整する必要があるため、管理が煩雑となり、原料毎の管理も必要となるため、効率的な運用が難しく、生産性が低下してしまうといった新たな問題が発生することになる。
特開2012−212033号公報
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、パターン品質を維持し、貼合精度の向上を図ることによって、生産性の更なる向上を可能とした貼合光学部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る貼合光学部材は、透明基材の上に光配向層と液晶層とが順に積層されたパターン化位相差フィルムと、前記液晶層と第1の光硬化性接着剤層を介して貼合された偏光子層と、前記偏光子層と第2の光硬化性接着剤層を介して貼合された透明基材又は位相差フィルムとを備え、前記第1の光硬化性接着剤層及び前記第2の光硬化性接着剤層は、エポキシ化合物と、カチオン重合開始剤とを含有し、活性化エネルギーを照射したときにカチオン重合によって硬化する光硬化性接着剤からなることを特徴とする。
また、前記貼合光学部材は、前記透明基材の前記光配向層及び前記液晶層が積層された面とは反対側の面上に、表面処理層が設けられている構成であってもよい。
また、前記貼合光学部材は、前記液晶層の前記第1の光硬化性接着剤層と対向する側の面に易接着層が設けられている構成であってもよい。
また、本発明に係る貼合光学部材の製造方法は、透明基材の上に光配向層と液晶層とが順に積層されたパターン化位相差フィルムと、前記液晶層と第1の光硬化性接着剤層を介して貼合された偏光子層と、前記偏光子層と第2の光硬化性接着剤層を介して貼合された透明基材又は位相差フィルムとを備える貼合光学部材の製造方法であって、前記パターン化位相差フィルムの原反となる第1の光学シートと、前記偏光子層の原反となる第2の光学シートと、前記透明基材又は位相差フィルムの原反となる第3の光学シートとを、前記第1の光学シートと前記第3の光学シートとの間に前記第2の光学シートが位置するように搬送する搬送工程と、前記第1の光学シートの前記第2の光学シートと対向する面に、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有する第1の光硬化性接着剤を塗布し、前記第3の光学シートの前記第2の光学シートと対向する面に、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有する第2の光硬化性接着剤を塗布する塗布工程と、前記第1の光硬化性接着剤を介して前記第1の光学シートと前記第2の光学シートとを貼合し、前記第2の光硬化性接着剤を介して前記第2の光学シートと前記第3の光学シートとを貼合した貼合光学シートを形成する貼合工程と、前記貼合光学シートに活性化エネルギーを照射することによって前記第1の光硬化性接着剤及び前記第2の光硬化性接着剤を硬化させる照射工程と、前記貼合光学シートを巻き取る巻取工程とを、少なくとも含むことを特徴とする。
また、前記搬送工程において、前記第1の光学シートの貼合前張力に対する前記第3の光学シートの貼合前張力の比を、0.60〜0.80の範囲とすることが好ましい。
また、前記貼合光学シートの第1の光学シート側の面に表面保護シートを貼合する工程を含み、前記表面保護シートの貼合前張力に対する前記貼合光学シートの縦弾性率の比を、1100〜1300の範囲とすることが好ましい。
また、前記塗布工程の前に、前記第1の光学シートの前記液晶層側の表面に対して易接着処理を施す易接着処理工程を含んでもよい。
前記第1の光学シートの貼合前温度を30℃以下とすることが好ましい。
また、前記塗布工程において、前記光硬化性接着剤をグラビアコーターにより塗布してもよい。
また、前記貼合工程において、前記第1の光学シートと前記第2の光学シートと前記第3の光学シートとを一対のニップロールの間に通過させることによって、前記貼合光学シートを形成してもよい。
また、前記照射工程において、前記貼合光学シートを前記巻付ロールに巻き付けた状態で活性化エネルギーを照射すると共に、前記貼合光学シートを前記巻付ロールに巻き付ける際に、前記第1の光学シートを内周側に位置させることが好ましい。
また、前記照射工程において、前記巻付ロールとして、冷却機構を有するチラーロールを用いることが好ましい。
また、前記照射工程において、活性化エネルギーとして紫外線光を照射することが好ましい。
また、前記巻取工程の後に、前記貼合光学シートを巻き出しながら、前記貼合光学部材となる一定の長さ毎に切断する切断工程を含んでもよい。
以上のように、本発明によれば、貼合精度の向上を図りつつ、更なる生産性の向上を可能とした貼合光学部材及びその製造方法を提供することが可能である。
本発明を適用した貼合光学フィルムの一例を示す断面図である。 図1に示す貼合光学フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。 液晶パネルの概略構成を示す平面図である。 図3中に示すA−A切断線による液晶パネルPの断面図である。 液晶パネルとFPR一体型偏光フィルムとの貼合時の位置合わせを説明するための平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態では、貼合光学部材及びその製造方法として、FPRフィルム(パターン化位相差フィルム)と偏光フィルム(偏光板)とを貼合することにより一体化した貼合光学フィルム(貼合光学部材)を製造する場合を例に挙げて説明する。
(貼合光学部材)
先ず、本発明を適用した貼合光学部材の一例として、例えば図1に示す貼合光学フィルム1について説明する。
なお、図1は、この貼合光学フィルム1の概略構成を示す断面図である。
この貼合光学フィルム1は、図1に示すように、FPRフィルム(パターン化位相差フィルム)2と偏光フィルム(偏光板)3とが貼合一体化されたFPR一体型偏光フィルムである。具体的に、この貼合光学フィルム1は、透明基材フィルム4の上に光配向層5と液晶層6とが順に積層された光学異方性層10を含むFPRフィルム2と、FPRフィルム2の液晶層6と第1の光硬化性接着剤層7aを介して貼合された偏光子層8と、偏光子層8と第2の光硬化性接着剤層7bを介して貼合された透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9bとを概略備えている。
このうち、FPRフィルム2を構成する透明基材フィルム4は、FPRフィルム2の基材となるものであり、光配向層5は、液晶層6内の液晶分子を配向規制するものであり、液晶層6は、液晶パネルの複数の画素列に対応した複数の偏光パターン列を形成するものである。
また、FPRフィルム2は、偏光フィルム3と貼合される側の表面、すなわち液晶層6の第1の光硬化性接着剤層7aと対向する側の表面に、易接着層(図示せず。)を設けてもよい。易接着層は、FPRフィルム2の偏光フィルム3に対する接着性(密着性)を向上させるためのものである。
易接着層については、目的とする機能が得られるものであれば、その成分について特に制限されるものではない。例えば、易接着層としては、極性基を骨格に有し、比較的低分子量で比較的低いガラス転移温度を有するポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などを挙げることができる。また、骨格に存在する極性基としては、その樹脂が親水性又は水分散性となるように選択されたものが好ましく、例えば、親水性の置換基、エーテル結合、複数のエーテル結合などを挙げることができる。
親水性の置換基については、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、又はそれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。エーテル結合又は複数のエーテルを有する基については、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポロプロピレングリコールなどから導かれる置換基又は構造単位を挙げることができる。さらに、これらの置換基又は構造単位を含むモノマーを、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などに導入することにより得られる成分などを挙げることができる。
また、易接着層には、必要に応じて、例えば、架橋剤、有機又は無機のフィラー、界面活性剤、滑剤などを配合してもよい。
また、FPRフィルム2では、偏光フィルム3との密着性を向上させる観点から、偏光フィルム3と貼合される側の表面、すなわち易接着層が形成される表面に対して易接着処理を施すことが有効である。易接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理などの表面を活性化する処理、又は、ケン化処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などを挙げることができる。
FPRフィルム2には、右眼用の画像光と左眼用の画像光とを互いに反対方向の円偏光光とするため、偏光方向を互いに異ならせた左眼用の偏光パターン列と右眼用の偏光パターン列とが交互に並んで配列されている。例えば、42インチの液晶表示装置の場合、FPRフィルムの幅方向(液晶パネルの縦方向)に約1000本の偏光パターン列が交互に並んで配列されている。また、1つの偏光パターン列の幅は450〜500μm程度である。
透明基材フィルム4としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を包含するポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂などを用いることができる。
光学異方性層10は、光配向層5により液晶層6を配向させることにより形成することができる。具体的に、この光学異方性層10は、透明基材フィルム4の上に光配向層5を形成する工程と、光配向層層5にフォトマスクを用いて偏光光を照射し、偏光パターン列に対応した配向パターンを形成する工程と、光配向層5の上に重合性液晶組成物を含む塗膜を形成し、この塗膜に含まれる重合性液晶組成物を配向パターンに合わせて配向させる工程と、塗膜に含まれる重合性液晶組成物を重合させた液晶層6を形成する工程とを経ることによって形成することができる。
光配向層5には、感光性樹脂を用いることができる。感光性樹脂としては、例えば、アゾベンゼン構造、スピロピラン構造、スピロベンゾピラン構造、フルギド構造等の光照射により異性化する感光性樹脂を挙げることができる。また、感光性樹脂としては、例えば、マレイミド構造、カルコン型構造、桂皮酸型構造、1,2−ビニレン構造、1,2−アセチレン構造等の光照射により架橋する感光性樹脂を挙げることができる。
光配向層5には、その中でも、光照射により架橋する感光性樹脂を用いることが好ましい。具体的には、カルコン型構造(下記式(a)で表される構造)、桂皮酸型構造(下記式(b)で表される構造)、マレイミド構造、1,2−ビニレン構造、1,2−アセチレン構造の感光性樹脂を用いることが好ましく、カルコン構造、桂皮酸構造の感光性樹脂を用いることが更に好ましい。架橋構造を形成し得る感光性樹脂は、反応に必要なエネルギー量が少なく、また、非可逆反応であるため、光照射を複数回行った場合でも、最初の露光で付与された配向規制力を安定に保持することができる。
Figure 2015018202
なお、式(a),(b)中において、「Ar」は、互いに独立して、フェニレン基、ナフタレンジイル基又はビフェニレン基を表す。「*」は、結合手を表す。
光配向層5としては、例えば、上記感光性樹脂と1以上のラジカル重合性基(好ましくはビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等)を有する単量体をラジカル重合したもの、上記感光性樹脂と2以上のアミノ基を有する単量体とジカルボン酸化合物とを重合したもの、上記感光性樹脂と2以上のカルボキシル基を有する単量体とジアミン化合物とを重合したものなどを用いることができる。
光配向層5としては、その他にも、感光性樹脂を有する単量体を、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合や、配位重合、開環重合等により重合したものを用いることができる。その中でも、感光性樹脂と1以上のラジカル重合性基を有する単量体をラジカル重合したものを用いることが好ましい。
光配向層5として、感光性樹脂と1つのラジカル重合性基を有する単量体をラジカル重合したものを用いる場合は、当該単量体において感光性樹脂とラジカル重合性基とがアルキレン基を介して結合されていることが好ましい。アルキレン基の炭素数は、3以上20以下であることが好ましく、より好ましくは5以上10以下である。また、感光性樹脂とラジカル重合性基とは、エステル結合(−CO−O−又は−O−CO−)、エーテル結合(−O−)を介して結合していてもよい。
光配向層5は、異なる感光性樹脂を有する複数種の単量体を重合することにより得られる共重合体であってもよい。また、光配向層5は、感光性樹脂を有さない単量体に由来する構成成分(構造単位)を含んでいてもよい。この場合、光配向層5の全構成成分のうち、感光性樹脂を有する単量体に由来する構成成分(構造単位)の含有量は50mol%以上95mol%以下であることが好ましく、より好ましくは60mol%以上90mol%以下であり、さらに好ましくは70mol%以上80mol%以下である。
光配向層5に含まれる感光性樹脂の数平均分子量は、20,000以上100,000以下であることが好ましく、より好ましくは25,000以上80,000以下であり、さらに好ましくは30,000以上50,000以下である。上記範囲内であれば、後工程で重合液晶組成物を配向させる際、より配向性が良くなる。
また、光配向層5としては、例えば、特許第4450261号公報、特許第4011652号公報、特開2010−49230号公報、特許第440490号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−232934号公報に記載される材料を用いることができる。これらの材料は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
液晶層6は、重合性液晶組成物として、2種以上の液晶化合物(好ましくは、重合性液晶)を含むことが好ましい。具体的に、重合性液晶組成物としては、下記式(X)で表される基を含む化合物(以下「化合物(X)」という場合がある。)が挙げることができる。
11−B11−E11−B12−A11−B13− …(X)
式(X)中において、「P11」は、重合性基を表わす。
「A11」は、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表わす。2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよい。炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
「B11」は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−、又は単結合を表わす。R16は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
「B12」及び「B13」は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、又は単結合を表わす。
「E11」は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わす。アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
11の芳香族炭化水素基及び脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜18の範囲であることが好ましく、5〜12の範囲であることがより好ましく、5又は6であることが特に好ましい。A11としては、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基であることが好ましい。
11としては、直鎖状の炭素数1〜12のアルカンジイル基であることが好ましい。また、アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。具体的に、E11としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基を挙げることができる。また、E11としては、−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−、−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−等を挙げることができる。
11で示される重合性基としては、重合反応性、特に光重合反応性が高いという点で、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易な上、液晶化合物の製造自体も容易であることから、重合性基は、下記の式(P−11)〜式(P−15)で表わされる基であることが好ましい。
Figure 2015018202
なお、式(P−11)〜(P−15)中において、R17〜R21は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。
式(P−11)〜式(P−15)で表わされる基の具体例としては、下記式(P−16)〜式(P−20)で表わされる基を挙げることができる。
Figure 2015018202
11は、式(P−14)〜式(P−20)で表わされる基であることが好ましく、ビニル基、p−スチルベン基、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましい。P11−B11−で表わされる基は、アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基であることが更に好ましい。
化合物(X)としては、下記式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)又は式(VI)で表わされる化合物を挙げることができる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 …(I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 …(II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 …(III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 …(IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 …(V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 …(VI)
式(I)〜(V)中において、「A12」〜「A14」は、それぞれ独立に、上記式(X)中の「A11」と同義である。
「A14」〜「A15」は、それぞれ独立に、上記式(X)中の「B12」と同義である。 「B17」は、それぞれ独立に、上記式(X)中の「B11」と同義である。
「E12」は、上記式(X)中の「E11」と同義である。
「F11」は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SOH)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。アルキル基及びアルコキシ基を構成する−CH−は、−O−に置き換っていてもよい。
重合性液晶組成物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報、特開2011−207765号公報に記載の重合性液晶組成物を挙げることができる。
化合物(X)の具体例としては、下記式(I−1)〜式(I−4)、式(II−1)〜式(II−4)、式(III−1)〜式(III−26)、式(IV−1)〜式(IV−19)、式(V−1)〜式(V−2)及び式(VI−1)〜式(VI−6)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
Figure 2015018202
なお、各式中において、「k1」及び「k2」は、それぞれ独立して、2〜12の整数を表わす。これらの化合物(X)は、その合成の容易さ、又は、入手の容易さの点で、好ましい。
液晶層6は、上記重合性液晶組成物に加えて、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、レベリング剤、カイラル剤、溶剤等を含んでもよい。液晶層6が重合性液晶組成物を含む場合、重合開始剤を含むことが好ましい。
偏光フィルム3を構成する偏光子層8は、直線偏光の光を透過させるものであり、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程と、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程と、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程と、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程とを経ることによって製造することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他にも、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などを挙げることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなどを用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度であり、好ましくは1,500〜5,000程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製造することができる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは、例えば10〜150μm程度、好ましくは10〜100μm程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、又は染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。さらに、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことができる。
一軸延伸には、周速の異なるロール間で一軸に延伸する方法や、熱ロールを用いて一軸に延伸する方法などを採用することができる。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸により行ってもよいし、水等の溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸により行ってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法により行うことができる。具体的に、二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料を用いることができる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水に浸漬して膨潤させる処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部当たり、通常 0.01〜1重量部程度である。ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部当たり、通常 0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は、通常、水溶性の二色性有機染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100重量部当たり、通常0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.001〜1重量部である。この染料水溶液は、硫酸ナトリウムのような無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性有機染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬する方法により行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部当たり、通常2〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部当たり、通常 0.1〜15重量部程度であり、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常 60〜1,200秒程度であり、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度である。また浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。
水洗後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度であり、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒である。乾燥処理によりポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の水分率は、実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5〜20重量%程度であり、好ましくは8〜15重量%である。水分率が5重量%を下回ると、フィルムの可撓性が失われ、乾燥後に損傷したり、破断したりすることがある。また、水分率が20重量%を超えると、熱安定性が不足する傾向にある。
以上のようにして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向した偏光フィルム3を製造することができる。得られる偏光フィルム3は、その厚さを、例えば、5〜40μm程度とすることができる。
偏光フィルム3は、製造ラインにおいて、長尺帯状のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを流すことで連続的に製造することができる。
透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9bは、偏光フィルム3の基材となるものである。さらに、位相差フィルム9bは、通過する光に位相差を付与する機能を有している。具体的に、位相差フィルム9bは、透明性に優れ、且つ延伸によって適当な位相差値を発現できる樹脂により形成することができる。
このような樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂やポリプロピレン系樹脂を包含するポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂などを挙げることができる。このような樹脂からなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸することにより、適当な位相差が付与された位相差フィルム9bを得ることができる。
位相差フィルム9bは、1/4波長板や1/2波長板のような波長板であってもよいし、視野角補償フィルムなどであってもよい。位相差フィルム9bの厚みは、通常20〜200μm 程度であり、好ましくは20〜120μmである。
位相差フィルム9bとして視野角補償フィルムを使用する場合、液晶パネルに採用されているモードを考慮する必要がある。例えば、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モードの液晶パネルであれば、視野角補償フィルムとして、正の固有複屈折を有する高分子フィルムが一軸延伸され、屈折率楕円体がnx>ny≒nzの関係を有するポジティブAプレートを用いることができる。また、横延伸や逐次二軸延伸が施され、屈折率楕円体がnx>ny>nz の関係を有する二軸性のフィルムを用いることができる。また、屈折率楕円体がnx≒ny>nzの関係を有するネガティブCプレートを用いることができる。
ここで、nxは、フィルムの面内遅相軸(x軸)方向の屈折率、nyは、面内進相軸(y軸:遅相軸と面内で直交する軸)方向の屈折率、nzは、厚み(z軸)方向の屈折率である。
特に、視野角補償フィルムには、二軸延伸された二軸性のフィルムが好適に用いられる。二軸性の視野角補償フィルムを使用する場合、その二軸性の目安となるNz係数は、下記式(4)で定義される。さらに、膜厚をdとしたときの面内の位相差値Ro及び厚み方向の位相差値Rthは、それぞれ下記式(5)及び(6)で定義される。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) …(4)
=(nx−ny)×d …(5)
Rth=〔(nx+ny)/2−nx〕×d …(6)
また、上記式(4)〜(6)から、Nz係数と、面内の位相差値R及び厚み方向の位相差値Rthとの関係は、下記式(7)で表すことができる。
Nz=Rth/R+0.5 …(7)
位相差フィルム9bとして視野角補償フィルムを用いる場合、その面内の位相差値R は、30〜300nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜260nmの範囲である。また、Nz係数は、1.1〜7の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.4〜5の範囲である。これらの範囲から、適用される液晶表示装置に要求される視野角特性に合わせて、適宜光学特性の値を選択すればよい。
第1の光硬化性接着剤層7a及び第2の光硬化性接着剤層7bは、活性化エネルギーを照射することによって硬化するものであり、その中でも活性化エネルギーとして紫外線(UV)光を照射することによって硬化する紫外線硬化性樹脂(UV接着剤)を好適に用いている。
紫外線硬化性樹脂(UV接着剤)は、エポキシ化合物と共に、カチオン重合開始剤を含有し、活性化エネルギー(UV光)を照射したときにカチオン重合によって硬化するものを用いることが好ましい。
具体的に、第1の光硬化性接着剤層7a及び第2の光硬化性接着剤層7bには、活性エネルギーの照射、加熱、乾燥などによって硬化し、実用に足る強度で接着できるものであればよい。そのような接着剤としては、例えば、グリシジルエーテル系エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、及びオキセタン化合物のようなカチオン重合性化合物に、光カチオン重合開始剤を配合してなるカチオン重合性の光硬化性接着剤組成物などを挙げることができる。また、アクリル系化合物のようなラジカル重合性化合物に、光ラジカル重合開始剤を配合してなるラジカル重合性の光硬化性接着剤組成物などを挙げることができる。また、カチオン重合性又はラジカル重合性の化合物に、熱重合開始剤、すなわち熱カチオン発生剤又は熱ラジカル発生剤を配合してなる熱硬化性接着剤組成物などを挙げることができる。
本発明では、その中でも、エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤を含有してなるカチオン重合性の光硬化性接着剤組成物を好適に用いることができる。光硬化性接着剤組成物は、無溶剤で使用可能なものであることがより好ましい。
すなわち、光硬化性接着剤組成物としては、光カチオン硬化可能なエポキシ化合物であって、無溶剤で適度な流動性を有し、適切な硬化接着強度を与えるものを選択し、それに適したカチオン重合開始剤を配合してなるものを用いることが好ましい。
光硬化性接着剤組成物は、硬化工程において乾燥設備を省くことができ、貼合光学シートの加熱・乾燥を行う必要がなく、貼合光学シートを構成する各光学シートに加わる熱による脱水・収縮が生じないため、FPRフィルム2のパターン品質が良好に維持することができる。
このような光硬化性接着剤組成物に用いられるエポキシ化合物としては、例えば、水酸基を有する芳香族化合物又は鎖状化合物のグリシジルエーテル化物、アミノ基を有する化合物のグリシジルアミノ化物、C−C二重結合を有する鎖状化合物のエポキシ化物、飽和炭素環に直接若しくはアルキレンを介してグリシジルオキシ基若しくはエポキシエチル基が結合しているか、又は、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物などを挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。その中でも、脂環式エポキシ化合物は、カチオン重合性に優れることから好適に用いられる。
水酸基を有する芳香族化合物又は鎖状化合物のグリシジルエーテル化物は、例えば、当該芳香族化合物又は鎖状化合物の水酸基にエピクロロヒドリンを塩基性条件下で付加縮合させる方法により得ることができる。そのような樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、多芳香環型エポキシ樹脂、アルキレングリコール型エポキシ樹脂などがある。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体、ビスフェノールFのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールのグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体などを挙げることができる。
多芳香環型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、フェノールアラルキル樹脂のグリシジルエーテル化物、ナフトールアラルキル樹脂のグリシジルエーテル化物、フェノールジシクロペンタジエン樹脂のグリシジルエーテル化物などを挙げることができる。さらに、トリスフェノール類のグリシジルエーテル化物及びそのオリゴマー体なども、多芳香環型エポキシ樹脂に属する。
アルキレングリコール型エポキシ樹脂としては、例えば、エチレングリコールのグリシジルエーテル化物、ジエチレングリコールのグリシジルエーテル化物、1,4−ブタンジオールのグリシジルエーテル化物、1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテル化物などを挙げることができる。
アミノ基を有する化合物のグリシジルアミノ化物は、当該化合物のアミノ基にエピクロロヒドリンを塩基性条件下で付加縮合させる方法により得ることができる。アミノ基を有する化合物は、同時に水酸基を有していてもよい。例えば、1,3−フェニレンジアミンのグリシジルアミノ化物及びそのオリゴマー体、1,4−フェニレンジアミンのグリシジルアミノ化物及びそのオリゴマー体、3−アミノフェノールのグリシジルアミノ化及びグリジシジルエーテル化物並びにそのオリゴマー体、4−アミノフェノールのグリシジルアミノ化及びグリジシジルエーテル化物並びにそのオリゴマー体などを挙げることができる。
C−C二重結合を有する鎖状化合物のエポキシ化物は、当該鎖状化合物のC−C二重結合を、過酸化物を用いて塩基性条件下でエポキシ化する方法により得ることができる。C−C二重結合を有する鎖状化合物としては、例えば、ブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどを挙げることができる。また、二重結合を有するテルペン類もエポキシ化原料として用いることができ、非環式モノテルペンの例を挙げると、リナロールなどがある。エポキシ化に用いられる過酸化物の例としては、過酸化水素、過酢酸、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどがある。
飽和炭素環に直接若しくはアルキレンを介してグリシジルオキシ基又はエポキシエチル基が結合している脂環式エポキシ化合物は、先に掲げたビスフェノール類を代表例とする水酸基を有する芳香族化合物の芳香環を水素化して得られる水素化環状ポリヒドロキシ化合物のグリシジルエーテル化物、水酸基を有する飽和環状化合物のグリシジルエーテル化物、ビニル基を有する飽和環状化合物のエポキシ化物などであることができる。
一方、飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物は、例えば、C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物のC−C二重結合を、過酸化物を用いて塩基性条件下でエポキシ化する方法により得ることができる。C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物としては、例えば、シクロペンテン環を有する化合物、シクロヘキセン環を有する化合物シクロペンテン環又はシクロヘキセン環にさらに少なくとも2個の炭素原子が結合して追加の環を形成している多環式化合物などを挙げることができる。このC−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物は、環外に別のC−C二重結合を有していてもよい。C−C二重結合を環内に有する非芳香族環状化合物の例を挙げると、シクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、単環式モノテルペンであるリモネン及びα−ピネンなどがある。
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物は、上述したような環に直接結合したエポキシ基を有する脂環式構造が、適当な連結基を介して分子内に少なくとも2個形成された化合物であってもよい。ここでいう連結基には、例えば、エステル結合、エーテル結合、アルキレン結合などを有する基が含まれる。
飽和炭素環に直接エポキシ基が結合している脂環式エポキシ化合物としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−4−エポキシエチルシクロヘキサン、
1,2−エポキシ−1−メチル−4−(1−メチルエポキシエチル)シクロヘキサン、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル (メタ)アクリレート、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールと4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンとの付加物、
エチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
オキシジエチレン ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
1,4−シクロヘキサンジメチル ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメトキシカルボニル)プロピル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど。
エポキシ化合物を含有する光硬化性接着剤組成物は、さらにエポキシ化合物以外の光硬化性接着剤組成物を含有してもよい。エポキシ化合物以外の光硬化性接着剤組成物としては、例えば、オキセタン化合物やアクリル化合物などを挙げることができる。その中でも、カチオン重合において硬化速度を向上させることができることから、オキセタン化合物を併用することが好ましい。
オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ベンゼン、
3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、
フェノールノボラックオキセタン、
1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼンなど。
エポキシ化合物やオキセタン化合物を包含する光硬化性接着剤組成物は、これらを配合してなる光硬化性接着剤組成物を無溶剤とするために、有機溶剤などで希釈されていないものを用いることが好ましい。また、後述する光硬化性接着剤組成物を構成する光カチオン重合開始剤や増感剤を包含する少量成分も、有機溶剤に溶解されたものよりも、有機溶剤が除去・乾燥されたその化合物単独の粉体又は液体を用いることが好ましい。
光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー、例えば紫外線の照射を受けてカチオン種を発生させるものであり、それが配合された接着剤組成物に求められる接着強度及び硬化速度を与えるものであればよい。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩、鉄−アレン錯体などを挙げることができる。これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、以下のような化合物を挙げることができる。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなど。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、以下のような化合物を挙げることができる。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなど。
芳香族スルホニウム塩としては、例えば、以下のような化合物を挙げることができる。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフ
ルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど。
鉄−アレン錯体としては、例えば、以下のような化合物を挙げることができる。
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン−シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、
キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなど。
これら光カチオン重合開始剤の中でも、芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する接着剤層を与えることができるため、好適に用いられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、光硬化性接着剤組成物の総量100重量部に対し、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。その量が0.5重量部を下回ると、硬化が不十分になり、接着剤層の機械強度や接着強度を低下させることがある。一方、その量が20重量部を超えると、接着剤層中のイオン性物質が増加することで、接着剤層の吸湿性が高くなり、得られる偏光板の耐久性能を低下させることがある。
光硬化性接着剤組成物は、必要に応じて光増感剤を含有することができる。光増感剤を使用することにより、反応性が向上し、接着剤層の機械強度や接着強度を更に向上させることができる。光増感剤としては、例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などを挙げることができる。
光増感剤となり得るカルボニル化合物の例を挙げると、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;9,10−ジブトキシアントラセンのようなアントラセン化合物;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン及びその誘導体;2−クロロアントラキノン、及び2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、及びN−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノンのようなアセトフェノン誘導体;キサントン誘導体;フルオレノン誘導体などがある。光増感剤となりうる有機硫黄化合物の例を挙げると、2−クロロチオキサントン、及び2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体などがある。その他に、ベンジル化合物やウラニル化合物なども、光増感剤として用いることができる。これらの光増感剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。
光増感剤を配合する場合、その配合量は、光硬化性接着剤組成物の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲とすることが好ましい。
光硬化性接着剤組成物には、その効果を損なわない範囲で各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤などを挙げることができる。
光硬化性接着剤組成物は、フィルムに適当な方法で塗工できる粘度を有するものであればよいが、その25℃における粘度は、10〜30,000mPa・secの範囲にあることが好ましく、50〜6,000mPa・secの範囲にあることがより好ましい。その粘度が10mPa・secを下回ると、塗工できる装置が限られ、塗工できたとしてもムラのない均質な塗膜が得られにくくなる傾向にある。一方、その粘度が30,000mPa・secを超えると、流動し難くなって、同じく塗工きる装置が限られ、ムラのない均質な塗膜が得られ難くなる傾向にある。ここでいう粘度は、B型粘度計を用いて、その組成物を25℃に調温した後、60rpmで測定される値である。
活性エネルギーは、光硬化性接着剤組成物に対しては、例えば、波長が1pm〜10nmのX線、10〜400nmの紫外線、波長が400〜800nmの可視光線などを用いることができる。その中でも、取扱いの容易さ、光硬化性接着剤組成物の調製の容易さ及びその安定性、その硬化性能の観点から、紫外線が好適に用いられる。
紫外線の光源には、例えば、波長400nm以下の発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタイドランプなどを用いることができる。
紫外線の照射強度は、接着剤の種類や照射時間によって決定されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が 0.1〜300mW/cmの範囲に設定することが好ましく、更に好ましくは1〜200mW/cmの範囲に設定する。光硬化性接着剤組成物への光照射強度が0.1mW/cm未満になると、硬化反応時間が長くなってしまい、生産性の面で不利になる。一方、光照射強度が300mW/cmを超えると、ランプから輻射される熱及び硬化性接着剤組成物の重合時の発熱により、光硬化性接着剤組成物の黄変やフィルムの劣化を生じることがある。
紫外線の照射時間は、接着剤の種類や照射強度によって決定されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、照射強度と照射時間の積で表される積算光量が 10〜5,000mJ/cmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは50〜1,000mJ/cmの範囲に設定する。硬化性接着剤組成物への積算光量が10mJ/cm未満になると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、得られる接着剤層の硬化が不十分となる。一方、積算光量が5,000mJ/cmを超えると、照射時間が長くなるので、生産性の面で不利になる。
第1の光硬化性接着剤層7a及び第2の光硬化性接着剤層7bの厚みは、通常1μm以上50μm以下であるが、貼合光学フィルム1の厚みを薄くする観点から、20μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下である。
また、透明基材フィルム4は、光配向層5及び液晶層6が積層された面とは反対側の面上に、例えば、ハードコート層や、反射防止層、防眩層などの表面処理層を設けた構成としてもよい。
また、透明基材フィルム4及び透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9bは、接着剤が塗布される前に、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又は電子線照射処理のような表面活性化処理が施されてもよい。また、各フィルムは、必要に応じて乾燥処理及び調湿を行ってもよい。
また、貼合光学フィルム1のFPRフィルム2側の面には、表面保護シート(プロテクトフィルム)Pfが貼合されている。この表面保護シートPfは、貼合光学フィルム1の表面を保護するものであり、貼合光学フィルム1に対して剥離自在に設けられている。
具体的に、表面保護シートPfは、通常、透明樹脂フィルムに粘着・剥離性の樹脂層又は付着性の樹脂層を形成して、弱い粘着性を付与したものが用いられる。例えば、透明樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトレート、ポリエチレン、及びポリプロピレンのような熱可塑性樹脂の押出フィルム、それらを組み合わせた共押出フィルム、それらを一軸又は二軸に延伸したフィルムなどを挙げることができる。
粘着・剥離性の樹脂層としては、例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン共重合樹脂系粘着剤、ポリイソブチレン系粘着剤、ビニルエーテル系樹脂粘着剤、シリコーン系樹脂粘着剤などを挙げることができる。また、付着性の樹脂層としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などを挙げることができる。
その中でも、透明樹脂フィルムとしては、透明性及び均質性に優れ、廉価であるポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンの一軸又は二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。また、粘着・剥離性の樹脂層としては、透明性に優れるアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
表面保護シートPfの厚みは、15〜75μmであることが好ましい。この厚みが15μmを下回ると、取扱い性に劣ったり、本来求められる表面保護性能が低下したりすることがある。一方、この厚さが75μmを超えると、剛性が強すぎて、やはり取扱い性に劣ったり、剥離強度が高くなったりすることがある。
表面保護シートPfの引張弾性率は、長尺方向(MD)において1,000MPa以上であることが好ましく、3,000MPa以上であることがより好ましい。この引張弾性率が小さ過ぎると、取扱い性に劣ったり、ポリプロピレン系樹脂フィルムに貼合するときの張力に耐えられなかったりすることがある。
表面保護シートPfは、その表面に、例えば、防汚処理、反射防止処理、ハードコート処理、帯電防止処理などが施されていてもよい。また、表面保護シートPfの粘着剤層には、その剥離時に静電気を誘起させないため、帯電防止剤などが含有されていてもよい。
(貼合光学部材の製造方法)
次に、本発明を適用した貼合光学部材の製造方法の一例として、例えば図2に示す製造装置100を用いて、上記貼合光学フィルム1の原反となる貼合光学シート1Aを製造する場合について説明する。
なお、図2は、この製造装置100の概略構成を示す模式図である。
この製造装置100は、図2に示すように、上記FPRフィルム2の原反となる第1の光学シート2Aを第1の原反ロール20から巻き出しながら搬送させる第1の搬送ライン(第1の搬送手段)101と、上記偏光子層8の原反となる第2の光学シート8Aを第2の原反ロール80から巻き出しながら搬送させる第2の搬送ライン(第2の搬送手段)102と、上記透明基材9a又は位相差フィルム9bの原反となる第3の光学シート9Aを第3の原反ロール90から巻き出しながら搬送させる第3の搬送ライン(第3の搬送手段)103と、第1の光学シート2Aと第2の光学シート8Aと第3の光学シート9Aとを貼合一体化した貼合光学シート1Aを搬送させる第4の搬送ライン(第4の搬送手段)104とを備えている。
第1の搬送ライン101は、この製造装置100の下段側に位置して、一対の第1のニップロール105a,105bと、複数の第2のガイドロール106a〜106dとを有している。このうち、一対の第1のニップロール105a,105bは、その間に第1の光学シート2Aを挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、第1の光学シート2Aを第1の原反ロール20から引き出すものである。一方、複数の第1のガイドロール106a〜106dは、互いに同一方向に回転しながら、第1のニップロール105a,105bにより引き出された第1の光学シート2Aを第2の光学シート8Aの下面に対向する位置まで案内するものである。
第2の搬送ライン102は、この製造装置100の中段側に位置して、一対の第2のニップロール107a,107bと、第2のガイドロール108とを有している。このうち、一対の第2のニップロール107a,107bは、その間に第2の光学シート8Aを挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、第2の光学シート8Aを第2の原反ロール80から引き出すものである。一方、ガイドロール108は、一方向に回転しながら、一対の第2のニップロール107a,107bにより引き出された第2の光学シート8Aを下流側へと案内するものである。
第3の搬送ライン103は、この製造装置100の上段側に位置して、一対の第3のニップロール109a,109bと、複数の第2のガイドロール110a〜110dとを有している。このうち、一対の第3のニップロール109a,109bは、その間に第3の光学シート9Aを挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、第3の光学シート9Aを第3の原反ロール90から引き出すものである。一方、複数の第3のガイドロール110a〜110dは、互いに同一方向に回転しながら、第3のニップロール109a,109bにより引き出された第3の光学シート9Aを第2の光学シート8Aの上面に対向する位置まで案内するものである。
第4の搬送ライン104は、第2の搬送ライン102の下流側に位置して、一対の第4のニップロール111a,111bと、第4のガイドロール112とを有している。このうち、一対の第4のニップロール111a,111bは、その間に貼合光学シート1A及び表面保護シートPfを挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、表面保護シートPfが貼合された貼合光学シート1Aを下流側へと引き出すものである。一方、ガイドロール112は、一方向に回転しながら、貼合シート1Aを下流側へと案内するものである。
そして、この製造装置100では、搬送工程として、第1、第2及び第3の搬送ライン101〜104を同期させながら、各光学シート2A,9A,8Aを同一速度で上流側から下流側へと搬送させる。また、第1、第2及び第3の光学シート2A,8A,9Aを貼合した後は、第4の搬送ライン104により貼合光学シート1Aを下流へと搬送させる。
また、第1の搬送ライン101と第3の搬送ライン103とには、第1の光学シート2Aと第3の光学シート9Aとに対して張力を付加するテンション機構(図示せず。)が設けられている。そして、この製造装置100では、それぞれのテンション機構により第1の光学シート2Aと第3の光学シート9Aとに付加される張力を調整することで、基準速度で搬送される第2の光学シート8Aに対して、第1の光学シート2Aと第3の光学シート9Aとの搬送速度が等しくなるように、その速度調整を行うことが可能となっている。
また、この製造装置100では、第1の光学シート2A及び第3の光学シート9Aに加わる張力を制御しながら、第2の光学シート8Aに対する第1の光学シート2A及び第3の光学シート9Aの貼合を行う。これにより、FPRフィルム2のトータルピッチパターンや、ピッチの直線性などを調整することが可能である。
また、この製造装置100では、後述する塗布工程の前に、易接着処理工程として、第1の光学シート2Aの液晶層6側の表面に対して上述した易接着処理を施してもよい。これにより、第1の光学シート2Aの第2の光学シート8Aと貼合される側の表面に易接着層を形成することができる。
製造装置100は、第1の光学シート2Aの第2の光学シート8Aと対向する面(以下、第1の光学シート2Aの内面という。)に、上記第1の光硬化性接着剤層7aとなるUV接着剤(第1の光硬化性接着剤)を塗布する第1の塗布装置(第1の塗布手段)113と、第3の光学シート9Aの第2の光学シート8Aと対向する面(以下、第3の光学シート9Aの内面という。)に、上記第2の光硬化性接着剤層7bとなるUV接着剤(第2の光硬化性接着剤)を塗布する第2の塗布装置(第2の塗布手段)114とを備えている。
第1の塗布装置113は、第1の搬送ライン101のガイドロール106b,106cの間で搬送される第1の光学シート2Aの内面に対向して配置されたコーターロール113aを有している。このコーターロール113aは、グラビアコーターにより光硬化性接着剤を塗布するものである。すなわち、この第1の塗布装置113は、第1の光学シート2Aの搬送方向と同一に回転するコーターロール113aの外周面を第1の光学シート2Aの内面に接触させながら、このコーターロール114aの外周面から第1の光学シート2Aの内面へとUV接着剤を転写して塗布するものである。
第2の塗布装置114は、第3の搬送ライン103のガイドロール110b,110cの間で搬送される第3の光学シート9Aの内面に対向して配置されたコーターロール114aを有している。このコーターロール114aは、上記コーターロール113aと同様に、グラビアコーターにより光硬化性接着剤を塗布するものである。すなわち、この第2の塗布装置114は、第3の光学シート9Aの搬送方向と同一に回転するコーターロール114aの外周面を第1の光学シート2Aの内面に接触させながら、このコーターロール114aの外周面から第1の光学シート2Aの内面へとUV接着剤を転写して塗布するものである。
そして、この製造装置100では、塗布工程として、第1の塗布装置113を用いて、第1の光学シート2Aの内面に上記第1の光硬化性接着剤層7aとなるUV接着剤を塗布すると共に、第2の塗布装置114を用いて、第3の光学シート9Aの内面に上記第2の光硬化性接着剤層7bとなるUV接着剤を塗布する。
なお、第1の塗布装置113及び第2の塗布装置114は、上述したグラビアコーターによる塗布方法は限らず、必要量のUV接着剤を均一に塗布できる方法を採用すればよい。例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなどの各種の塗工方式を採用することができる。
製造装置100は、第1、第2及び第3の搬送ライン101〜103の合流点に位置して、第1、第2及び第3の光学シート1A,8A,9Aを貼合するための一対の第5のニップロール115a,115bを備えている。
一対の第5のニップロール115a,115bは、その間に第1、第2及び第3の光学シート2A,8A,9Aを挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、第1の光学シート2Aと第3の光学シート9Aとの間に第2の光学シート8Aが挟み込まれた貼合光学シート1Aを第4の搬送ライン104へと引き出すものである。
そして、この製造装置100では、貼合工程として、一対の第5のニップロール115a,115bの間に第1、第2及び第3の光学シート1A,8A,9Aを通過させることによって、これら第1、第2及び第3の光学シート1A,8A,9Aを加圧しながら、第2の光学シート8Aの下面と第1の光学シート2Aの内面(上面)とをUV接着剤を介して貼合させると共に、第2の光学シート8Aの上面と第3の光学シート9Aの内面(下面)とをUV接着剤を介して貼合させる。これにより、UV接着剤を介して第1の光学シートと第2の光学シートと第3の光学シートとを貼合一体化した貼合光学シート1Aが形成される。
製造装置100は、一対の第5のニップロール115a,115bを通過した貼合光学シート1Aに対してUV光(活性化エネルギー)Lを照射するUV照射装置(照射手段)116を備えている。
このUV照射装置116は、一対のニップロール115a,115bとガイドロール112との間に位置して、貼合光学シート1Aが巻き付けられる巻付ロール117と、この巻付ロール117に巻き付けられた貼合光学シート1Aに対してUV光Lを照射するUV照射ランプ(光源)118とを有している。
巻付ロール117は、冷却機構を有するチラーロールであり、その外周面に巻き付けられた貼合光学シート1Aを冷却しながら、一方向に回転することによって、貼合シート1Aを下流側へと案内することが可能となっている。冷却機構は、チラーロール(巻付ロール117)の表面温度を10〜60℃の範囲で調節することができる。
UV照射ランプ118は、UV接着剤を硬化させる活性化エネルギーとしてUV光Lを照射するものであり、巻付ロール117の貼合光学シート1Aが巻き付けられた部分に対向して配置されている。
そして、この製造装置100では、照射工程として、第1の光学シート2Aを内周側(第3の光学シート9Aを外周側)に位置させた状態で、巻付ロール114に巻き付けられた貼合光学シート1Aに対してUV光Lを照射する。これにより、第2の光学シート8Aの下面と第1の光学シート2Aの内面(上面)との間のUV接着剤と、第2の光学シート8Aの上面と第3の光学シート9Aの内面(下面)との間のUV接着剤が硬化された貼合光学シート1Aが得られる。
製造装置100は、照射工程後の貼合光学シート1Aを巻き取る巻取ロール119を備えている。この巻取ロール119は、上記第4のニップロール111a,111bの下流側に位置して、一方向に回転しながら、貼合光学シート1Aを巻き取るものである。
また、この製造装置100では、第4の原反ロール121から巻き出された表面保護シートPfを、貼合光学シート1Aの下面側から上記第4のニップロール111a,111bの間に通過させる。これにより、貼合光学シート1Aの第1の光学シート2A側に表面保護シートPfが貼合される。
そして、この製造装置100では、巻取工程として、第1の光学シート2Aを内周側(第3の光学シート9Aを外周側)に位置させた状態で、貼合光学シート1Aが表面保護シートPfと共に巻取ロール119に巻き取られる。
巻取工程の後は、切断工程として、貼合光学シート1Aを巻き出しながら、上記貼合光学フィルム1となる一定の長さ毎に切断することが行われる。これにより、上記図1に示す貼合光学フィルム1を得ることができる。そして、この貼合光学フィルム1は、液晶パネルの表面側に貼合されることになる。
ここで、上記照射工程では、第1の光学シート2Aを内周側(第3の光学シート9Aを外周側)に位置させた状態で、巻付ロール114に巻き付けられた貼合光学シート1Aに対してUV光Lを照射することが好ましい。
この場合、貼合光学シート1Aから切り出された貼合光学フィルム1は、表面保護シートPfから剥離された際に、液晶パネルの表面側に貼合される透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9b側を外側にしてカール(湾曲)が発生するため、液晶パネルへの貼合が容易となる。逆に、透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9b側を内側にしてカール(湾曲)が発生した場合は、貼合時に液晶パネルとの間で気泡が入り易くなるなどの不都合が生じるため、好ましくない。
また、この製造装置100には、第1の搬送ライン101中に第1の光学シート2Aに対して熱処理を行う乾燥炉120が設けられている。第1の光学シート2Aを構成するFPRフィルム2は、液晶塗工のプロセスで乾燥されることで、水分を吸収し易い状態になっている。したがって、第1の光学シート2Aに対しては、熱処理を行わない方がよいものの、他の部材と貼合する前に寸法を安定化させるために、30℃以下で熱処理若しくは、調湿を行っている。
一方、第3の搬送ライン103中には、第3の光学シート9Aに対して熱処理を行う必要がない。これは、第3の光学シート9Aを構成する透明基材フィルム9a又は位相差フィルム9bが、COPやTACといったフィルムからなり、これらの原料は、入荷時に平行含水率に近く、工程内で吸湿膨張や乾燥収縮などはほとんど起こらないと考えられるからである。
また、製造装置100では、図示を省略するものの、第2の搬送ライン102中に第2の光学シート8Aに対して熱処理を行う乾燥炉を設けた構成としてもよい。この場合、第2の光学シート8Aに対しては、60℃以下で熱処理若しくは、調湿を行う。これにより、偏光子層8のトータルピッチを調整することができる。
以上のように、上記貼合光学フィルム1の製造方法では、UV接着剤が塗布された第1の光学シート2Aと、UV接着剤が塗布された第3の光学シート9Aとで第2の光学シート8Aを同時に挟み込み、これらUV接着剤を介して第1の光学シート2Aと第2の光学シート8Aと第3の光学シート9Aとを貼合一体化した貼合光学シート1Aに対してUV光Lを照射し、UV接着剤を硬化させる。また、第1の光学シート2AのUV接着剤を塗布する面には、易接着層を設けてもよい。
これにより、貼合光学シート1Aには、余計な熱が加わらないため、従来のような加熱・乾燥時の収縮によって寸法が変化することを回避することができる。また、従来のように水系接着剤を用いた場合は、貼合光学シート1Aに吸水による寸法変化が生じるため、貼合光学シート1Aを加熱・乾燥させるといった工程が不可欠となる。これに対して、上記貼合光学フィルム1の製造方法では、貼合光学シート1Aを加熱・乾燥させるといった工程が不要となるため、更なる生産性の向上を図ることが可能である。
したがって、本発明によれば、貼合精度の向上を図りつつ、更なる生産性の向上を可能とした貼合光学部材及びその製造方法を提供することが可能となる。特に、FPRフィルム(パターン化位相差フィルム)2では、位相差パターンのピッチ精度や直線性が10μmオーダーの振れに留めることが求められるため、本発明を適用することが大変有効である。
また、上記搬送工程では、第1の光学シート2Aの貼合前張力に対する第3の光学シート9Aの貼合前張力の比を、0.60〜0.80の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.63〜0.78とする。これにより、第1の光学シート2A及び第3の光学シート9Aの直線性を高めることができる。
すなわち、第1の光学シート2Aの貼合前張力を第3の光学シート9Aの貼合前張力よりも大きくすることは、貼合光学シート1Aの直線性を良好に保ちつつ、液晶パネルに貼合するのに適したカールを生じさせる上で好ましい。
ここで、「単位断面積当りの貼合前張力」とは、実測されるフィルムにかかっている張力(単位は、例えば「N」)を、フィルムの断面積、すなわちフィルムの幅と厚さとの積(単位は、例えば「mm」)で除して得られる値(単位は、例えば「N/mm」)である。
貼合前張力を調整する方法は、特に限定されないが、例えば、貼合装置に備えられたフィルムの貼合ロールと繰り出されるフィルムロール又はピンチロールにかかるトルクを調節する方法、貼合ロールの周速度と繰り出されるフィルムロール又はピンチロールの周速度とに微差をつけて張力を発生させる方法などを採用することができる。
第1の光学シート2Aの貼合前張力に対する第3の光学シート9Aの貼合前張力の比は、この第1の光学シート2Aの貼合前張力にかかる単位断面積当りの貼合前張力をT1とし、第3の光学シート9Aの貼合前張力にかかる単位断面積当りの貼合前張力をT3としたときに、下記式(1)を満足する。
0.60≦T1/T3≦0.80 …(1)
ここで、第1の光学シート2Aの単位断面積当りの貼合前張力(T1)[N/mm]と第3の光学シート9Aの単位断面積当りの貼合前張力(T3)[N/mm]とを変化させたときの第3の光学シート9Aの貼合前張力(T3)に対する第1の光学シート2Aの貼合前張力(T1)の比(T1/T3)を求め、これらの条件で作製した貼合光学シート1Aの直線性[mm]を測定した。これらをまとめた結果を表1に示す。
なお、直線性については、42インチサイズで1番目の偏光パターンの両端を結ぶ直線を基準軸として1080本目の偏光パターンが基準軸に対して垂直方向(TD:Transverse Direction)に変位する量[mm]を測定した。また、測定には、ニコン社製の二次元測定機(商品名:Nikon VMR 10080)を用いた。直線性が悪くなると、この変位量が大きくなり、クロストーク(左右の目に対してそれぞれの信号が漏れること。)の原因となる。
Figure 2015018202
表1に示すように、T1/T3が0.60〜0.80の範囲とした場合には、貼合光学シート1Aの直線性を高めることができる。
また、本発明では、貼合光学シート1Aの第1の光学シート2A側の面に表面保護シートPfを貼合することが行われている。この場合、表面保護シートPfの貼合前張力T4に対する貼合光学シート1Aの縦弾性率Gの比G/T4を、1100〜1300の範囲とすることが好ましい。
このように、表面保護シートPfの貼合前張力T4を貼合光学シート1Aの縦弾性率Gに応じて規定することで、貼合光学シート1Aの直線性を良好に保ちつつ、液晶パネルに貼合するのに適したカールを生じさせることができる。
すなわち、貼合光学シート1Aの縦弾性率(ヤング率)Gと、表面保護シートPfにかかる単位断面積当りの貼合前張力T4とは、下記式(2)を満足する。
1100≦G/T4≦1300 …(2)
ここで、貼合光学シート1A(縦弾性率G:約8000)を用い、貼合光学シート1Aの単位断面積当りの貼合前張力を6.76N/mmとし、表面保護シートPfの単位断面積当りの貼合前張力T4を6.92N/mm2とした場合と、8.90N/mmとした場合の表面保護シートPfの貼合前張力T4に対する貼合光学シート1Aの縦弾性率Gの比G/T4を求め、これらの条件で作製した貼合光学シート1Aの直線性[mm]を測定した。これらをまとめた結果を表2に示す。
Figure 2015018202
表2に示すように、G/T4の値を1100以上とすることで、貼合光学シート1Aの直線性を高めることができる。一方、G/T4の値が1300を超えると、表面保護シートPfの張力が低くなり過ぎてしまい、貼合光学シート1Aから切り出された貼合光学フィルム1が、上述した貼合に適したカールの状態を維持することができなくなるばかりか、搬送系が不安定となる。
また、第1の光学シート2Aの貼合前温度は、30℃以下とすることが好ましく、より好ましくは、加熱を行わずに常温(例えば25℃)することが好ましい。
このように、第1の光学シート2Aに温度をかけないことは、第1の光学シート2Aに付与されているパターン品質に水分の出入りによる吸水膨張や脱水収縮による悪影響を防ぐ上で好ましい。
ここで、貼合前の第1の光学シート2Aに対して加熱を行わなかった場合(25℃)と、加熱を行った場合(75℃)について、貼合光学シート1Aの製造直後のトータルピッチ[mm]と、その貼合光学シート1Aの製造7日後のトータルピッチ[mm]を測定し、そのトータルピッチの変化量[mm]を調べた。その評価結果を表3に示す。なお、トータルピッチとは、1080本の偏光パターンの幅の合計値を表す。
Figure 2015018202
表3に示すように、貼合前の第1の光学シート2Aに対して加熱を行わなかった場合の方が、加熱を行った場合よりもトータルピッチの変化量が小さいことがわかる。
(光学表示デバイス)
次に、上記貼合光学フィルム1Aを用いた光学表示デバイスの一例として、図3及び図4に示す液晶パネルPについて説明する。
なお、図3は、液晶パネルPの概略構成を示す平面図である。図4は、図3中に示すA−A切断線による液晶パネルPの断面図である。
液晶パネルPは、図3及び図4に示すように、平面視で長方形状をなす第1の基板P1と、第1の基板P1に対向して配置される比較的小形の長方形状をなす第2の基板P2と、第1の基板P1と第2の基板P2との間に封入された液晶層P3とを備える。液晶パネルPは、平面視で第1の基板P1の外形状に沿う長方形状をなし、平面視で液晶層P3の外周の内側に収まる領域を表示領域P4とする。
そして、この液晶パネルPの裏面(バックライト)側には、偏光フィルムF11が貼合されている。一方、この液晶パネルPの表面(表示面)側には、偏光フィルムF12とFPRフィルム(パターン化位相差フィルム)F13とを貼合一体化したFPR一体型偏光フィルム(貼合光学フィルム)F14が貼合されている。このうち、FPR一体型偏光フィルムF14には、上記図1に示す貼合光学フィルム1が用いられている。そして、これらのフィルムF11,F14が貼合された液晶パネルPは、駆動回路やバックライトユニットなどがさらに組み込まれることによって、液晶表示装置となる。
なお、液晶パネPの駆動方式については、例えば、TN(Twisted Nematic) 、STN(SuperTwisted Nematic) 、VA(Vertical Alignment)、IPS(In-Plane Switching)、OCB(Optically Compensated Bend)など、この分野で知られている各種モードを採用することができる。
液晶パネルPに貼合される偏光フィルムF11及びFPR一体型偏光フィルムF14には、粘着剤層を介して液晶パネルPに貼合される。したがって、これらのフィルムF11,F14は、予め粘着層が形成されている。
具体的に、この粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするものを挙げることができる。その中でも、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、さらに耐候性や耐熱性などに優れ、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれなどの剥離問題が生じにくいため、好適に用いられる。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ベースポリマーには、エステル部分が、メチル基、エチル基、ブチル基、又は2−エチルヘキシル基のような炭素数20以下のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのような官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとのアクリル系共重合体が好適に用いられる。
このようなアクリル系共重合体を含む粘着剤層は、液晶パネルPに貼合した後で何らかの不具合があって剥離する必要が生じた場合に、ガラス基板に糊残りなどを生じさせることなく、比較的容易に剥離することができる。粘着剤層に用いるアクリル系共重合体は、そのガラス転移温度が25℃以下、さらには0℃以下であることが好ましい。また、このアクリル系共重合体は、通常10万以上の重量平均分子量を有する。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、光拡散剤が分散された拡散粘着剤を用いることもできる。光拡散剤は、粘着剤層に光拡散性を付与するためのものであり、粘着剤層を構成するベースポリマーと異なる屈折率を有する微粒子であればよく、無機化合物からなる微粒子や有機化合物(ポリマー)からなる微粒子を用いることができる。
上述したようなアクリル系ベースポリマーを含めて、粘着剤層を構成するベースポリマーは 1.4前後の屈折率を示すことが多いので、光拡散剤は、その屈折率が1〜2程度のものから適宜選択すればよい。粘着剤層を構成するベースポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常 0.01以上であり、また液晶表示装置の明るさや視認性を保つ観点からは、0.01以上0.5以下であることが好ましい。光拡散剤として用いる微粒子は、球形のもの、それも単分散に近いものが好ましく、例えば、平均粒径が2〜6μm程度の範囲にある微粒子が好適に用いられる。
無機化合物からなる微粒子としては、例えば、 酸化アルミニウム(屈折率1.76)、酸化ケイ素(屈折率1.45)などを挙げることができる。 また有機化合物(ポリマー)からなる微粒子としては、例えば、メラミン樹脂ビーズ(屈折率1.57)、 ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、 メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、 ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、シリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)などを挙げることができる。
光拡散剤の配合量は、それが分散される粘着剤層に必要とされるヘイズ値や、それが適用される液晶表示装置の明るさなどを考慮して適宜決められるが、通常、粘着剤層を構成するベースポリマー100重量部に対して3〜30重量部程度である。
光拡散剤が分散された粘着剤層のヘイズ値は、粘着剤層付き偏光板が適用された液晶表示装置の明るさを確保するとともに、表示像のにじみやボケを生じにくくする観点から、20〜80%の範囲とすることが好ましい。ここで、ヘイズ値は、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で定義される値であり、 JIS K 7105に準じて測定される。
透明な粘着剤又は拡散粘着剤を構成する各成分は、酢酸エチルなどの適当な溶剤に溶かして粘着剤組成物とされる。但し、光拡散剤などの溶剤に溶けない成分は、分散された状態となる。この粘着剤組成物を適当な基材上に塗布し、乾燥させて、粘着剤層を形成することができる。
粘着剤層の形成方法としては、例えば、基材として剥離フィルムを用い、この剥離フィルムの面上に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層をフィルムF11,F14に貼着する方法や、フィルムF11,F14の表面に粘着剤を直接塗布して粘着剤層を形成した後、その上に剥離フィルムを貼り合わせる方法などがある。
また、剥離フィルムの面上に粘着剤層を形成した後、その粘着剤層にもう1枚の剥離フィルムを貼合した両面剥離フィルム型粘着剤シートとすることもできる。このような両面剥離フィルム型粘着剤シートは、必要な時期に片側の剥離フィルムを剥離し、フィルムF11,F14に貼着することができる。
両面剥離フィルム型粘着剤シートとして市販されている製品の例を挙げると、それぞれ商品名で、日東電工株式会社から販売されている“LUCIACS” 、リンテック株式会社から販売されている“ノンキャリア”、日栄加工株式会社から販売されている“光学用基材レス両面粘着テープ MHM-F25”、東洋インキ株式会社から販売されている“光学粘着シートFS800”、綜研化学株式会社から販売されている“光学用両面テープ SK”などがある。
粘着剤層は、例えば、温度23℃、相対湿度65%で3〜20日程度熟成され、架橋剤の反応を十分に進行させた後、液晶パネルPに貼合される。
粘着剤層の厚みは、その接着力などに応じて適宜決定されるが、通常、1〜40μm程度である。加工性や耐久性などの特性を損なうことなく、薄型の偏光板を得るためには、粘着剤層の厚さを3〜25μm程度とすることが好ましい。また、粘着剤層の厚みをこの範囲とすることにより、液晶表示装置を正面から見た場合や斜めから見た場合の明るさを保ち、表示像のにじみやボケが起こりにくくすることができる。
粘着層が設けられたフィルムF11,F14は、液晶パネルPに貼合される製品形状にカットされた状態、或いはそこから剥離フィルムで保護された粘着剤層から剥離フィルムを剥がした状態で、粘着剤層側が凸となるカール状態とすることができる。また、液晶パネルP貼合する際は、中央部又は端部に気泡を噛み込むなどの不具合を防止する観点から、そのカール量は、5mm以下とすることが好ましい。
図5は、液晶パネルPとFPR一体型偏光フィルムF14との貼合時の位置合わせを説明するための平面図である。
図5に示すように、液晶パネルPの表示領域P4の画素は、表示領域P4の長辺(液晶パネルPの左右方向)に沿って、赤(図5中符号Rで示す)、緑(図5中符号Gで示す)、青(図中符号Bで示す)の各色R,G,Bに対応したカラーフィルタが周期的に並んで配置されている。そして、各色R,G,Bに対応した画素が左右方向に沿って多数並んで画素列Lとなり、この画素列Lが表示領域P4の上下に渡って多数配列されている。
一方、FPR一体型偏光フィルムF14は、その長辺に沿って延びる複数の偏光パターン列PAを有している。これら複数の偏光パターン列PAは、液晶パネルPの各画素列Lに対応して上下に渡って多数配列されている。また、各偏光パターン列PAは、左目用と右目用に偏光方向を異ならせた左目用の偏光パターン列PAと、右目用の偏光パターン列PAとを有しており、これらが表示領域P4の短辺(液晶パネルPの上下方向)に沿って交互に並んで配列されている。そして、このFPR一体型偏光フィルムF14は、各偏光パターン列PAの境界線Kが表示領域P4の各画素列Lの間に位置するように液晶パネルPに対して貼合されることになる。
このような液晶パネルPを用いたFPR方式の3D液晶表示装置では、液晶パネルPの画素の左右に延びる1ライン毎に、左右の目用の映像を交互に織り込んでこれらを同時に表示しながら、偏光眼鏡を通して3D映像を見ることが可能となっている。
また、この液晶表示装置では、上記FPR一体型偏光フィルムF14に本発明を適用した貼合光学フィルム1を用いていることから、廉価に薄肉化が可能となり、信頼性に優れたものとなる。
1…貼合光学フィルム(貼合光学フィルム) 2…FPRフィルム(パターン化位相差フィルム) 3…偏光フィルム 4…透明基材フィルム 5…光配向層 6…液晶層 7a…第1の光硬化性接着剤層 7b…第2の光硬化性接着剤層 8…偏光子層 9a…透明基材フィルム 9b…位相差フィルム Pf…表面保護シート
2A…第1の光学シート 20…第1の原反ロール 8A…第2の光学シート 80…第2の原反ロール 9A…第3の光学シート 90…第3の原反ロール
100…製造装置 101…第1の搬送ライン(第1の搬送手段) 102…第2の搬送ライン(第2の搬送手段) 103…第3の搬送ライン(第3の搬送手段) 104…第4の搬送ライン(第4の搬送手段) 105a,105b…第1のニップロール 106a〜106d…第1のガイドロール 107a,107b…第2のニップロール 108…第2のガイドロール 109a,109b…第3のニップロール 110a〜110d…第3のガイドロール 111a,111b…第4のニップロール 112…第4のガイドロール 113…第1の塗布装置(第1の塗布手段) 113a…コーターロール 114…第2の塗布装置(第2の塗布手段) 115a,115b…ニップロール 116…UV照射装置(照射手段) 117…巻付ロール 118…UV照射ランプ(光源)119…巻取ロール 120…乾燥炉 121…第4の原反ロール L…UV光(活性化エネルギー)

Claims (14)

  1. 透明基材の上に光配向層と液晶層とが順に積層されたパターン化位相差フィルムと、
    前記液晶層と第1の光硬化性接着剤層を介して貼合された偏光子層と、
    前記偏光子層と第2の光硬化性接着剤層を介して貼合された透明基材又は位相差フィルムとを備え、
    前記第1の光硬化性接着剤層及び前記第2の光硬化性接着剤層は、エポキシ化合物と、カチオン重合開始剤とを含有し、活性化エネルギーを照射したときにカチオン重合によって硬化する光硬化性接着剤からなることを特徴とする貼合光学部材。
  2. 前記透明基材の前記光配向層及び前記液晶層が積層された面とは反対側の面上に、表面処理層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の貼合光学部材。
  3. 前記液晶層の前記第1の光硬化性接着剤層と対向する側の面に易接着層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼合光学部材。
  4. 透明基材の上に光配向層と液晶層とが順に積層されたパターン化位相差フィルムと、
    前記液晶層と第1の光硬化性接着剤層を介して貼合された偏光子層と、
    前記偏光子層と第2の光硬化性接着剤層を介して貼合された透明基材又は位相差フィルムとを備える貼合光学部材の製造方法であって、
    前記パターン化位相差フィルムの原反となる第1の光学シートと、前記偏光子層の原反となる第2の光学シートと、前記透明基材又は位相差フィルムの原反となる第3の光学シートとを、前記第1の光学シートと前記第3の光学シートとの間に前記第2の光学シートが位置するように搬送する搬送工程と、
    前記第1の光学シートの前記第2の光学シートと対向する面に、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有する第1の光硬化性接着剤を塗布し、前記第3の光学シートの前記第2の光学シートと対向する面に、エポキシ化合物とカチオン重合開始剤とを含有する第2の光硬化性接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記第1の光硬化性接着剤を介して前記第1の光学シートと前記第2の光学シートとを貼合し、前記第2の光硬化性接着剤を介して前記第2の光学シートと前記第3の光学シートとを貼合した貼合光学シートを形成する貼合工程と、
    前記貼合光学シートに活性化エネルギーを照射することによって前記第1の光硬化性接着剤及び前記第2の光硬化性接着剤を硬化させる照射工程と、
    前記貼合光学シートを巻き取る巻取工程とを、少なくとも含むことを特徴とする貼合光学部材の製造方法。
  5. 前記搬送工程において、前記第1の光学シートの貼合前張力に対する前記第3の光学シートの貼合前張力の比を、0.60〜0.80の範囲とすることを特徴とする請求項4に記載の貼合光学部材の製造方法。
  6. 前記貼合光学シートの前記第1の光学シート側の面に表面保護シートを貼合する工程を含み、
    前記表面保護シートの貼合前張力に対する前記貼合光学シートの縦弾性率の比を、1100〜1300の範囲とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の貼合光学部材の製造方法。
  7. 前記塗布工程の前に、前記第1の光学シートの前記液晶層側の面に対して易接着処理を施す易接着処理工程を含むことを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  8. 前記第1の光学シートの貼合前温度を30℃以下とすることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  9. 前記塗布工程において、前記光硬化性接着剤をグラビアコーターにより塗布することを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  10. 前記貼合工程において、前記第1の光学シートと前記第2の光学シートと前記第3の光学シートとを一対のニップロールの間に通過させることによって、前記貼合光学シートを形成することを特徴とする請求項4〜9の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  11. 前記照射工程において、前記貼合光学シートを前記巻付ロールに巻き付けた状態で前記活性化エネルギーを照射すると共に、前記貼合光学シートを前記巻付ロールに巻き付ける際は、前記第1の光学シートを内周側に位置させることを特徴とする請求項4〜10の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  12. 前記照射工程において、前記巻付ロールとして、冷却機構を有するチラーロールを用いることを特徴とする請求項11に記載の貼合光学部材の製造方法。
  13. 前記照射工程において、前記活性化エネルギーとして紫外線光を照射することを特徴とする請求項4〜12の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
  14. 前記巻取工程の後に、前記貼合光学シートを巻き出しながら、前記貼合光学部材となる一定の長さ毎に切断する切断工程を含むことを特徴とする請求項4〜13の何れか一項に記載の貼合光学部材の製造方法。
JP2013202047A 2013-06-12 2013-09-27 貼合光学部材及びその製造方法 Pending JP2015018202A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013202047A JP2015018202A (ja) 2013-06-12 2013-09-27 貼合光学部材及びその製造方法
TW103120186A TW201501937A (zh) 2013-06-12 2014-06-11 貼合光學構件及其製造方法
CN201480032242.7A CN105264409A (zh) 2013-06-12 2014-06-12 贴合光学部件及其制造方法
PCT/JP2014/065583 WO2014200057A1 (ja) 2013-06-12 2014-06-12 貼合光学部材及びその製造方法
KR1020157034609A KR20160019892A (ko) 2013-06-12 2014-06-12 접합 광학 부재 및 그 제조 방법

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013124098 2013-06-12
JP2013124098 2013-06-12
JP2013202047A JP2015018202A (ja) 2013-06-12 2013-09-27 貼合光学部材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015018202A true JP2015018202A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52022345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013202047A Pending JP2015018202A (ja) 2013-06-12 2013-09-27 貼合光学部材及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP2015018202A (ja)
KR (1) KR20160019892A (ja)
CN (1) CN105264409A (ja)
TW (1) TW201501937A (ja)
WO (1) WO2014200057A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017116879A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 大日本印刷株式会社 表示装置用基材
JP2021140115A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 日東電工株式会社 光学積層フィルムの製造装置、及び光学積層フィルムの製造方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6108577B1 (ja) * 2016-03-22 2017-04-05 住友化学株式会社 積層フィルムの製造方法
KR102040258B1 (ko) * 2016-04-20 2019-11-04 주식회사 엘지화학 디스플레이 유닛 제조 장치 및 디스플레이 유닛 제조 방법
CN109328316A (zh) * 2016-06-03 2019-02-12 株式会社Lms 用于制造光学片模块的方法和设备
JP6925808B2 (ja) * 2017-01-26 2021-08-25 日東電工株式会社 光学積層体の製造方法および画像表示装置の製造方法
TWI646130B (zh) * 2017-05-23 2019-01-01 日商住友化學股份有限公司 用於製造偏光膜的方法和系統
TWI631439B (zh) * 2017-08-04 2018-08-01 元智大學 應用於偏光片的製造方法及其製造系統
KR20210075166A (ko) * 2018-11-28 2021-06-22 후지필름 가부시키가이샤 광학 적층 필름롤의 제조 방법, 및 광학 적층 필름롤
JP7142738B2 (ja) * 2021-03-02 2022-09-27 日機装株式会社 積層装置及び積層方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW473654B (en) * 1999-12-24 2002-01-21 Ind Tech Res Inst Micro-retarder
JP2012053078A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板の製造方法
JP5991803B2 (ja) * 2010-10-29 2016-09-14 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
CN102893202B (zh) * 2010-11-10 2015-01-21 Lg化学株式会社 光学元件
JP5462830B2 (ja) 2011-03-31 2014-04-02 富士フイルム株式会社 3d画像表示装置、その製造方法、位相差板、3d画像表示システム及び3d画像表示装置用接着剤組成物
JP2013061372A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Fujifilm Corp フィルム・パターンド・リターダーの製造方法、並びにフィルム・パターンド・リターダー、及びそれを有する偏光板及び画像表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017116879A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 大日本印刷株式会社 表示装置用基材
JP2021140115A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 日東電工株式会社 光学積層フィルムの製造装置、及び光学積層フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201501937A (zh) 2015-01-16
WO2014200057A1 (ja) 2014-12-18
CN105264409A (zh) 2016-01-20
KR20160019892A (ko) 2016-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014200057A1 (ja) 貼合光学部材及びその製造方法
JP5446732B2 (ja) 偏光板の製造方法
JP5446933B2 (ja) 偏光板の製造方法
KR102243122B1 (ko) 편광판의 제조 방법 및 제조 장치
WO2019013092A1 (ja) 楕円偏光板
JP6119109B2 (ja) 偏光板及び液晶表示装置
JP2017090700A (ja) 偏光板及びipsモード液晶表示装置
WO2013051554A1 (ja) 偏光板の製造方法
CN114375418B (zh) 层叠体及包含该层叠体的椭圆偏振板
JP2015152656A (ja) 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP6192785B2 (ja) 偏光板の製造装置
TWI740820B (zh) 附有保護薄膜之偏光薄膜的製造方法
TWI556018B (zh) 偏光板之製造方法
TWI591389B (zh) 偏光板之製造方法
TWI819142B (zh) 光硬化性接著劑、偏光板及積層光學構件
CN111103647B (zh) 液晶层层叠体
JP2021036328A (ja) 偏光板のセットおよび液晶パネル
JP2009251284A (ja) 複合偏光板およびこれを用いた液晶表示装置
WO2009125717A1 (ja) 複合偏光板およびこれを用いた液晶表示装置
JP6909270B2 (ja) 偏光板の製造方法および製造装置
JP6622347B2 (ja) 偏光板の製造方法および製造装置
JP2017125949A (ja) 高輝度偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
CN117471601A (zh) 光学层叠体及其制造方法