JP2015017842A - 腐食検出装置および腐食検出方法 - Google Patents

腐食検出装置および腐食検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度が高く、設計自由度が大きいと共に、深さ方向の腐食状況を検出する。
【解決手段】本発明の腐食検出装置は、コンクリート構造物中の鋼材の腐食進行状況を検出する腐食検出装置であって、鉄を圧延することにより作製され、5μm以上25μm以下の厚さを有する複数の鉄箔材A〜Fを並設することで構成されたセンサ部3と、鉄箔材A〜Fにそれぞれ直列に接続され、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器10〜15と、鉄箔材A〜Fおよび抵抗器10〜15が並列に接続された並列回路部5と、並列回路部5に電圧を印加し、いずれかの鉄箔材が断線することによる並列回路部5の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定する腐食検出部7と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物中の腐食因子の浸透状況を検出する技術に関する。
コンクリート構造物中の鋼材は、コンクリートがアルカリ性環境を保持していることで鋼材表面に不動態皮膜を形成し、腐食から保護されている。しかしながら、例えば、空気中の二酸化炭素、下水道施設における硫酸、あるいは塩化物イオンなどの腐食因子がコンクリート中に侵入すると、この不動態皮膜が破壊され、コンクリート中にある水と酸素によって鋼材の腐食が開始する。
コンクリート構造物の鋼材が腐食すると、鋼材の体積膨張を生じ、その膨張圧でコンクリートにひび割れを生じ、ひび割れを通じてさらに腐食因子の侵入と外部からの水と酸素の供給によって鋼材の腐食は加速的に進行し、ついにはコンクリート構造物としての機能が保持できなくなる。
従って、鋼材の腐食が開始する前に腐食因子の侵入や鋼材の腐食開始を検知し、例えば、表面被覆などの対策で腐食因子や水と酸素のさらなる侵入を阻止して鋼材を腐食から守り、コンクリート構造物の予防的な保全を図ることが重要となる。この問題に対し、従来から種々の腐食診断方法が提案されている。例えば、コア抜きを行なって腐食因子を分析する方法や、非破壊的に鋼材の自然電位や分極抵抗を測定する手法、化学センサやガスセンサにより腐食因子を検出する手法、鉄製の細線を模擬腐食部材としてコンクリートに埋設し、細線が断線したときに腐食を検出する手法などが知られている。
これらの腐食診断手法のうち、細線の断線によって腐食を検知する方法は、(1)予めセンサを埋設することでコア抜きなどコンクリートを傷めることがない、(2)コンクリート表面と鋼材の間に細線を深さに応じて数本設置することで表面からの腐食因子の侵入の時間依存性をモニタリングでき維持管理計画の立案を容易とする、(3)直接的に鉄の腐食を捉えるので腐食因子だけでなく水や酸素の供給状態をも含めた腐食の可能性を検知できる、(4)電気抵抗の変化を捉えるので極めて低消費電力での検出が可能で長期モニタリングに適する、というメリットがあり、細線切断を検出することによる腐食診断方法が、種々提案されている(例えば、特許文献1〜3)。また、感度が高く、設計自由度を大きくするために、鉄箔材を用いた腐食センサも提案されている(特許文献4)。
特開平8−094557号公報 特開平8−233896号公報 特許3205291号公報 特開2012−145330号公報
しかしながら、腐食因子の浸透箇所を特定する場合は、センサが大型化する傾向があり、建築構造物などのかぶりの薄い場合には使用することができなかった。この点で、小型の腐食センサを腐食因子の浸透方向に複数個設置することによって、腐食状況を段階的に検出することも可能ではあるが、不経済であり、コストの問題が払拭できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、感度が高く、設計自由度が大きいと共に、腐食因子の浸透状況を検出することができる腐食検出装置および腐食検出方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の腐食検出装置は、コンクリート構造物中の腐食因子の浸透状況を検出する腐食検出装置であって、3μm以上0.1mm以下の厚さを有する複数の鉄箔材を並列に接続することで構成されたセンサ部と、前記各鉄箔材にそれぞれ直列に接続され、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器と、前記並列に接続された各鉄箔材および抵抗器から構成された並列回路部と、前記並列回路部に電圧を印加し、いずれかの前記鉄箔材が断線することによる前記並列回路部の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定する腐食検出部と、を備えることを特徴とする。
このように、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器を各鉄箔材に直列に接続するので、いずれかの鉄箔材が断線することにより、並列回路部の合成抵抗値が変化した際に、断線した鉄箔材の位置を特定することが可能となる。その結果、非破壊でコンクリート構造物内の鋼材腐食環境を、浸透方向で特定することが可能となる。
(2)また、本発明の腐食検出装置は、複数の前記並列回路部をさらに並列に接続し、各並列回路部にそれぞれ直列に接続され、接続される並列回路部の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器を更に備えることを特徴とする。
このように、接続される並列回路部の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器を更に備えるので、いずれかの鉄箔材が断線することにより、並列回路部の合成抵抗値が変化した際に、断線した鉄箔材の位置を特定することが可能となる。その結果、非破壊でコンクリート構造物内の鋼材腐食環境を、浸透方向で特定することが可能となる。
(3)また、本発明の腐食検出装置において、前記各鉄箔材は、鉄よりも貴な金属からなり、前記各鉄箔材に対し陰極として機能する電極をそれぞれ備えることを特徴とする。
このように、各鉄箔材は、鉄よりも貴な金属からなり、各鉄箔材に対し陰極として機能する電極をそれぞれ備えるので、各鉄箔材において、相対的に電位の卑な部分と貴な部分とが巨視的な電池(マクロセル)を形成し、電位の卑な部分の腐食が促進される。これにより、いわゆるマクロセル腐食が発生する検知対象物に対しても、腐食検出装置を同様の条件に置くことが可能となる。
(4)また、本発明の腐食検出方法は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の腐食検出装置をコンクリート構造物中に埋設し、前記並列回路部に電圧を印加し、いずれかの前記鉄箔材が断線することによる前記並列回路部の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定することを特徴とする。
この構成により、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器を各鉄箔材に直列に接続するので、いずれかの鉄箔材が断線することにより、並列回路部の合成抵抗値が変化した際に、断線した鉄箔材の位置を特定することが可能となる。その結果、非破壊でコンクリート構造物内の鋼材腐食環境を、浸透方向で特定することが可能となる。
(5)また、本発明の腐食検出方法は、複数の前記腐食検出装置を、コンクリート構造物中の鉄筋の表面に環状に取り付けることを特徴とする。
このように、複数の腐食検出装置を、コンクリート構造物中の鉄筋の表面に環状に取り付けるので、非破壊でコンクリート構造物内の鋼材腐食環境を、浸透方向で特定することが可能となる。
本発明によれば、いずれかの鉄箔材が断線することにより、並列回路部の合成抵抗値が変化した際に、断線した鉄箔材の位置を特定することが可能となる。その結果、非破壊でコンクリート構造物内の鋼材腐食環境を、腐食因子の浸透方向で特定することが可能となる。
第1の実施形態に係る腐食検出装置を示す図である。 第2の実施形態に係る腐食検出装置を示す図である。 柔軟性を有する基板50にセンサ部3を設けた例を正面から示す図である。 設置されたセンサ部3の断面図である。 設置されたセンサ部3の断面図である。 鉄箔材によるセンサ部を作製する手順を示すフローチャートである。 鉄箔材によるセンサ部を作製する手順を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る腐食検出装置を示す図である。腐食検出装置1は、鉄を圧延することにより作製され、3μm以上0.1mm以下の厚さを有する複数の鉄箔材A〜Fを並設し、センサ部3を構成する。鉄箔材A〜Fには、それぞれ抵抗器10〜15が直列に接続されている。これらの抵抗器10〜15は、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する。本実施形態では、例えば、抵抗器10は500Ω、抵抗器11は450Ω、抵抗器12は400Ω、抵抗器13は350Ω、抵抗器14は300Ω、抵抗器15は250Ωとした。
各鉄箔材A〜Fおよび抵抗器10〜15は、並列に接続されている。すなわち、鉄箔材Aおよびこれに直列に接続された抵抗器10、鉄箔材Bおよびこれに直列に接続された抵抗器11、鉄箔材Cおよびこれに直列に接続された抵抗器12、鉄箔材Dおよびこれに直列に接続された抵抗器13、鉄箔材Eおよびこれに直列に接続された抵抗器14、および鉄箔材Fおよびこれに直列に接続された抵抗器15は、並列に接続され、並列回路部5を構成している。
腐食検出部7は、並列回路部5に電圧を印加し、鉄箔材A〜Fのうち、いずれかの鉄箔材が断線することによる並列回路部5の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定する。本実施形態では、腐食検出部7を、例えば、パッシブ型RFID(Radio Frequency IDentification)に代表されるバッテリーレスの無線モジュールと、インタフェース回路で構成する。これにより、腐食検出装置1全体をコンクリート構造物に埋設することにより長期間に渡り計測することが可能となる。無線モジュールを用いることによって、並列回路部5に接続されたリード線を伝達して腐食因子がコンクリート内部に侵入する可能性を排除すると共に、リード線自体が腐食により劣化することを回避することができる。腐食検出装置1は、腐食環境にあるコンクリートの検知に使用される場合が多いため、無線モジュールで腐食検出装置1を構成してコンクリート構造物に埋設することは本装置自体の耐久性確保の観点から見ると効果が大きい。なお、パッシブ型RFIDでは、3Vの電圧において、電流を0.1A以下にする必要があるため、センサ部の合成抵抗を30Ω以上とする。
無線モジュールは、特定小型小電力無線、RFID、無線LANなど、無線による送受信で外部に検知情報を伝達するものであり、検出回路および無線通信回路で構成される。検出回路は、インタフェース回路からの信号を読取るもので、アナログ/デジタル変換回路などが相当する。本実施形態では、並列回路部5の抵抗値を検出することとする。無線通信回路は、検出回路の検出結果を、アンテナを介して、外部の読取装置に対して無線送信する。
また、無線モジュールの無線通信回路は、変調回路、充電/電源部、メモリなどから構成される。この電源部では、バッテリを搭載するタイプのものであっても良いし、いわゆるバッテリーレス、すなわち、蓄電機能を有し、外部から供給される電磁波による誘導電圧を一時的に蓄えるものであっても良い。無線通信回路に含まれるメモリは、全体の制御を行なうオペレーティングシステム、構造物の状態を検知するプログラム、検知した情報の記録などに用いるROMやRAMなどで構成される。メモリにはセンサのID番号を搭載してもよく、また、読取装置から構造物の埋め込み位置に関する情報をRAMに書き込み、これら情報をセンサで検知した情報と共に読み取り装置で読み取ってもよい。
無線モジュールにおけるアンテナは、金属類、カーボンファイバーやフェライトなどが用いられ、中空の巻き線、あるいは磁性体巻き線、あるいは基板上にプリント技術を利用して成形したものを用いることが望ましく、PETなどのフィルム間にこれら材料を挟み込んで使用してもよく、またその形状はリング状、棒状、円盤状など適当な形に成型して用いてもよい。
また、インタフェース回路は、並列回路部5の抵抗値を検出し、無線モジュールに出力する。例えば、一定の電圧を印加して並列回路部5の電気的特性である抵抗値を取得して抵抗値に応じた値を電圧値として出力する。
図1において、鉄箔材A〜Fは、鉄よりも貴な金属からなり、鉄箔材に対し陰極として機能する電極a〜fをそれぞれ備える。これらの電極a〜fは、いわゆる“カソード用部材”であり、鉄箔材A〜Fにマクロセル腐食を生じさせる機能を有する。マクロセル腐食とは、相対的に電位の卑な部分と貴な部分が巨視的な電池(マクロセル)を形成することで、電位の卑な部分の腐食が促進される腐食をいう。
すなわち、電極a〜fは、鉄箔材A〜Fに対してカソードとして機能する電極であり、例えば白金の被膜により形成される。白金は、機能的には電極材として最も優れた特性を有する。白金は、化学的に安定な物質であり、水素過電圧が小さいことに加えて、工学的に高純度の白金が入手しやすいという特徴を有しており、さらに加工が容易である。白金は、めっきとして被覆したり薄膜形成したりすることが容易な材料である。従って、めっきされた白金被膜は均一性に優れ、安定した品質の被膜となる。このように、めっきにより形成された白金被膜はカソード用部材として最も好適である。なお、めっきの手法には、上記の湿式めっき法および乾式めっき法を含む。なお、電極a〜fは、白金の他、金、チタン、ニッケル、スズ、鉛、銅、ステンレス、またはこれらの合金等、被膜の材料である鉄より貴な金属を用いることも可能である。
また、図1において、抵抗器10〜15は、腐食因子を遮断する被膜6で覆われている。被膜6は、例えば、樹脂を用いることができる。
次に、以上のように構成された本実施形態に係る腐食検出装置1の動作について説明する。本実施形態において、各表の数値は、次の内容を示している。すなわち、1行目の1列目は抵抗器10の抵抗値、2行目の1列目は抵抗器11の抵抗値、3行目の1列目は抵抗器12の抵抗値、4行目の1列目は抵抗器13の抵抗値、5行目の1列目は抵抗器14の抵抗値、6行目の1列目は抵抗器15の抵抗値を表わす。また、2列目は抵抗器10〜15の合成抵抗値を表わしている。
まず、センサ部3が健全であるとき、すなわち、腐食が全く発生していないときの並列回路部5の合成抵抗値(R)は、表1に示すように、59.1Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Aが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表2に示すように、67.1Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Bが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表3に示すように、68.1Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Cが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表4に示すように、69.4Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Dが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表5に示すように、71.1Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Eが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表6に示すように、73.6Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Fが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表7に示すように、77.4Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとBが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表8に示すように、78.8Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材EとFが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表9に示すように、104.4Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとBとEとFが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表10に示すように、186.7Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材CとDが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表11に示すように、86.5Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとFが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表12に示すように、91.6Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材BとCとDとEが切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表13に示すように、166.7Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材C以外はすべて切断した場合、並列回路部5の合成抵抗値は、表14に示すように、400.0Ωとなる。
Figure 2015017842
以上のように、第1の実施形態に係る腐食検出装置1は、鉄箔材A〜Fにそれぞれ直列に接続され、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器10〜15を備えているため、並列回路部5の合成抵抗値は、切断した鉄箔材の位置に応じて固有の値を示すこととなる。このように、並列回路部5の合成抵抗値を測定することによって、腐食因子の浸透箇所を特定することが可能となる。
[第2の実施形態]
図2は、第2の実施形態に係る腐食検出装置を示す図である。腐食検出装置20において、第1の実施形態と異なる点は、抵抗器の数と接続の仕方である。第2の実施形態では、鉄箔材A〜Fには、それぞれ抵抗器30〜35が直列に接続されている。これらの抵抗器30〜35は、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する。本実施形態では、例えば、抵抗器30は100Ω、抵抗器31は150Ω、抵抗器32は100Ω、抵抗器33は150Ω、抵抗器34は100Ω、抵抗器35は150Ωとした。
各鉄箔材A〜Fおよび抵抗器30〜35は、並列に接続されている。すなわち、鉄箔材Aおよびこれに直列に接続された抵抗器30と、鉄箔材Bおよびこれに直列に接続された抵抗器31が並列に接続され、さらに105Ωの抵抗器36が直接に接続されている。また、鉄箔材Cおよびこれに直列に接続された抵抗器32、鉄箔材Dおよびこれに直列に接続された抵抗器33が並列に接続され、さらに、155Ωの抵抗器37が直接に接続されている。また、鉄箔材Eおよびこれに直列に接続された抵抗器34、および鉄箔材Fおよびこれに直列に接続された抵抗器35が並列に接続され、さらに205Ωの抵抗器38が直列に接続されている。そして、抵抗器36〜38が並列に接続され、並列回路部25を構成している。その他の部分は、第1の実施形態と同様である。
次に、以上のように構成された本実施形態に係る腐食検出装置20の動作について説明する。第2の実施形態において、各表の数値は、次の内容を示している。すなわち、1行目の1列目は抵抗器30の抵抗値、1行目の2列目は抵抗器31の抵抗値、1行目の3列目は抵抗器36の抵抗値を表わす。また、2行目の1列目は抵抗器32の抵抗値、2行目の2列目は抵抗器33の抵抗値、2行目の3列目は抵抗器37の抵抗値を表わす。また、3行目の1列目は抵抗器34の抵抗値、3行目の2列目は抵抗器35の抵抗値、3行目の3列目は抵抗器38の抵抗値を表わす。4列目は、並列回路部25の合成抵抗値を表わす。
センサ部3が健全であるとき、すなわち、腐食が全く発生していないときの並列回路部25の合成抵抗値(R)は、表15に示すように、69.04Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Aが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表16に示すように、81.00Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Bが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表17に示すように、75.17Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Cが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表18に示すように、76.26Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Dが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表19に示すように、72.70Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Eが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表20に示すように、73.92Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材Fが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表21に示すように、71.48Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとBが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表22に示すように、118.70Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材EとFが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表23に示すように、93.36Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとBとEとFが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表24に示すように、215.00Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材CとDが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表25に示すように、101.69Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材AとFが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表26に示すように、84.38Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材BとCとDとEが切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表27に示すように、129.96Ωとなる。
Figure 2015017842
次に、本実施形態に係る腐食検出装置1において、鉄箔材C以外がすべて切断した場合、並列回路部25の合成抵抗値は、表28に示すように、255.00Ωとなる。
Figure 2015017842
以上のように、第2の実施形態に係る腐食検出装置1は、鉄箔材A〜Fにそれぞれ直列に接続され、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器30〜35を備えており、さらに、鉄箔材を2つずつ並列接続し、3組の並列回路に直列に抵抗器36〜38をそれぞれ接続して、並列回路部25を構成するため、並列回路部25の合成抵抗値は、切断した鉄箔材の位置に応じて固有の値を示すこととなる。このように、並列回路部25の合成抵抗値を測定することによって、腐食因子の浸透箇所を特定することが可能となる。
次に、これらの実施形態に係る腐食検出装置の使用例について説明する。図3は、柔軟性を有する基板50にセンサ部3を設けた例を正面から示す図である。本実施形態に係る腐食検出装置のセンサ部3は、曲げることもできるので、鉄筋Tの円周方向に自由に取り付けることが可能である。これにより、例えば、コンクリート表面からの腐食因子の侵入、内在塩分による腐食環境の進展の両方を把握することが可能となる。
図4および図5は、図3のように設置されたセンサ部3の断面図である。図4に示すように、コンクリート表面から腐食因子が侵入してくると、センサ部3は、(1)、(2)、(3)の順番で腐食する可能性が高い。また、図5に示すように、両側から腐食因子が侵入してくる場合も、センサ部3は、(1)、(2)、(3)の順番で腐食する可能性が高い。すなわち、コンクリート構造物中の鋼材の腐食を予見することができる。
次に、本実施形態に示すような柔軟性を有するセンサ部を作製する方法について説明する。腐食環境を検出するセンサとしてのより好適な鉄箔材の厚さは3μm以上、0.1mm以下である。鉄箔の厚さが0.1mmより厚い場合にはエッチングに時間を要し、この間に鉄が酸化されることで膨張を生じてレジスト膜を損傷させ、一様な線幅が確保できない場合がある。また、鉄箔材の厚さは3μm以上であることが好ましい。3μmより薄いとコンクリート打設時に物理的な強度が不足して断線することがある。物理的強度と腐食因子検知の感度を考慮すると、5μm以上25μm以下とすることがより好ましい。
また、鉄箔の線幅に関しては、0.1mm未満の線幅の場合にはエッチング中に断線を生じる場合がある。一方、下地材との付着力が弱く、製造あるいはコンクリートの打設で損傷を受けやすくなる。エッチングやコンクリート打設、設置、フィルムによる保護の観点から、鉄箔の線幅は、0.1mm以上が望ましく、さらに線幅が太い場合には腐食切断による感度が低下するため、線幅が2.0mm以下であることが好ましい。
柔軟性を有する基板上で、二次元的な梯子形状の回路の形成は、線の長さを省スペースで実現可能とする。線の長さは、用いる鉄箔の厚さ、線幅、設置可能スペースに依存するが、線長さとしては5mm〜100mmが望ましい。線長さが100mmを超えると、センサが大きくなり、構造物中に埋設する上で好ましくない。5mm未満であると、検知感度が低下するので好ましくない。
図6Aは、セメント、モルタルまたはフィルムでセンサ部を被覆する場合のセンサ部の作製方法を示すフローチャートである。センサ部は、コンクリートが打設されるまでは、大気中の環境から検知部である鉄箔材が腐食しないように保護する必要がある。この場合、センサ部を、大気を遮断するモルタル、樹脂等のシールで覆って保護することができ、とくにセメント硬化体で被覆しておくことが好ましい。セメント硬化体で被覆されたセンサは、施工時にそのまま剥がすことなく設置でき、センサ部の感度を損ねることなく、導体パターン部がアルカリ環境になるため不動態被膜が形成されるので腐食することなく、かつコンクリートの打設時に傷がつくことを防止できる。図6Aにおいて、まず、鉄箔材と下地材とを一体化させて、鉄箔シートを作製する(ステップS1)。ここでは、下地材となる樹脂フィルム(例えば、PET、ポリイミド材等の樹脂フィルム)に、接着剤を塗布し、ローラ等を用いて、鉄箔材と下地材とを張り合わせる。これにより、鉄箔シートが作製される。鉄箔に代えて、化学めっき、電気めっきや蒸着、溶融、スパッタリング等の膜形成手法を用いてもよい。
次に、作製した鉄箔シートの鉄箔上に、導体パターンのレジスト膜を形成する(ステップS2)。すなわち、鉄箔シートの鉄箔上に、センサ部および回路の形状のレジスト膜を、スクリーン印刷やフォト印刷等によって形成する。これに併せて、完成後にセンサを抜き型によって個々に切断・分離するためのガイド等も印刷する。
次に、エッチングを行なう(ステップS3)。ここでは、レジスト印刷した鉄箔シートを、エッチング槽にてエッチングする。これにより、レジスト膜が施されていない露出した鉄箔は、エッチング液(例えば、塩化第2鉄溶液)によって溶解する。エッチング終了後、鉄箔シートをエッチング槽から取り出して、付着液を洗浄する。
次に、レジスト被膜を溶剤等によって除去し、導体パターン部および回路の外形が完成する(ステップS4)。
次に、鉄箔材A〜Fの一部を除いてマスキングを行ない、蒸着またはスパッタリング等で薄膜を形成し、マスキングを除去して電極a〜fを形成する(ステップS5)。蒸着に代えて、電解金めっきまたは無電解金めっき(化学めっき)を行なったり、金箔を貼付しても良い。次に、所定のパターンをレジスト処理し、王水でエッチングしてパターンを形成する。
次に、電気的に接続するための回路と一体成形したセンサ部において、抜き型を用いて、保護処理を施したセンサを個々に切断・分離する(ステップS6)。
次に、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する抵抗器をそれぞれの鉄箔材に接続し、検出用のリード線とセンサ部とを接続する。ハンダを用いてもよいし、ピン端子、あるいは嵌合端子を用いて接続しても良い。また、検出部以外の腐食因子による腐食が懸念される抵抗器等は腐食因子を遮断するために樹脂等で被覆する。その後、コネクタ・リード線により、所定の検出装置と接続する。すなわち、センサ部の端子部分に計測用の導線(ケーブル)を接続する。この導線を計測器に接続し、センサ部の電気的特性を計測することで、腐食環境の有無を判断することが可能となる。計測器は、汎用のデジタルマルチメータやテスターでも良いし、RFIDや特定省電力無線などの無線通信技術を用いた計測器に接続して計測を行なっても良い。
センサ部の取り付け方法は特に限定されないが、下記に記すような方法を用いることができる。
<セメント硬化体で被覆されたセンサ部の取り付け>
予め鉄筋の断面形状に沿うように模った治具を用意し、センサ部を治具に貼り付けた後、セメントペーストあるいはモルタル等のセメント硬化体で被覆する。治具とセンサ部および硬化した被覆部が一体化されたものを、鉄筋へ取り付けるものとする。治具は検査対象の構造物のコンクリートと同等以上の強度を有する材料で成形されており、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素に代表されるファインセラミックス材料、或いは、検査対象の構造物のコンクリートと同等以上の強度を有するコンクリート、モルタル若しくはペーストを用いる。
被覆部は、導体パターン部を安定的に保持し、構造物の欠陥とならなければ、特に限定されるものではないが、セメントペーストあるいはモルタルを使用し、検知部である鉄箔材を完全に覆うことのできるよう0.5mm以上で2mm以内の深さとする。0.5mm未満では検知部が露出する可能性があり、2mmを超えると、腐食因子の浸入が阻害され、腐食環境を正しく検知できない可能性がある。治具は、センサ部が所望の間隔と位置になるよう、厚さや角度を調整することができる。センサが取り付けられた腐食検出装置の埋設位置は任意であり、バンド等によって鉄筋に固定することにより設置する。
<樹脂で被覆されたセンサ部の取り付け>
鉄筋に直接センサを張る場合は、センサの表面の被覆材は形状に対する柔軟性から樹脂等のシールが望ましい。樹脂等で被覆する場合は、センサを個々に切断・分離する(ステップS6)の直前もしくはその後に行なう。この場合は鉄筋に直接センサを接着剤等で貼り付けて設置した後、コンクリート打設直前にシールを剥がす必要がある。
図6Bは、アルカリ溶解性金属でセンサ部を被覆する場合のセンサ部の作製方法を示すフローチャートである。上述したように、センサ部は、コンクリートが打設されるまでは、大気中の環境から検知部である鉄箔材が腐食しないように保護する必要がある。ここでは、センサ部を、大気を遮断するアルカリ溶解性金属で覆って保護する場合を示す。図6Bにおいて、ステップS5までは図6Aと同様である。ステップS5で電極を形成した後、アルカリ溶解性金属の被膜を形成する(ステップS5−1)。
アルカリ溶解性金属は、アルミニウムや亜鉛に代表される金属で、大気中で安定であると共に、ペースト、モルタル、コンクリート中におけるアルカリ環境下で速やかに溶解する金属であれば、特に限定されるものではない。
アルカリ溶解性金属の被膜をアルミニウムとした場合、被膜厚さとして50nm〜2μmの範囲とし、好ましくは100nm〜1μmとする。被覆厚さが2μmを超えると、コンクリートが固化するまでにアルミニウムが溶解せずに水酸化アルミニウムの残骸がセンサ表面に残存し、検知感度が低下するので好ましくない。50nm未満であると、現在の皮膜形成法では均質な皮膜とすることが困難であり、小さな孔が生じることある。アルミニウムは、溶液中でのめっき被膜形成が不可能であるため、乾式によるめっき被膜形成となる。
具体的には、真空蒸着、またはスパッタリングを用いて被膜形成する。なお、亜鉛を用いる場合は、上記の真空蒸着、スパッタリングに加え、電解めっきによる被膜形成が可能である。ただし、当該の被膜厚さを確保できれば、被膜方法に限定されるものではない。例えば、真空めっき法(PVD)や化学蒸着法(CVD)を使用してもよく、また、アルカリ溶解性金属を粉末塗料化してスクリーン印刷を用いて被膜形成してもよい。被膜厚さは、被膜形成装置(例えば真空蒸着、スパッタリング)に入れ、所定の厚さになるよう時間調節を行なうことで調整できる。
すなわち、電極a〜fを形成(ステップS5)したのちに上記アルカリ溶解性金属で被覆し(ステップS5−1)、その後センサを個々に切断・分離する(ステップS6)。
<アルカリ溶解性金属で被覆されたセンサ部の取り付け>
センサ部の取り付け方法は特に限定されないが、下記に記すような方法を用いることができる。アルカリ溶解性金属を被覆したセンサは、例えばコンクリート構造物の鉄筋近傍に設置されると、コンクリートが打設されるまでは、大気中の環境から検知部である鉄箔材が保護される。また、コンクリートが打設された後には、コンクリートのアルカリ環境(pH12〜13)において、被覆表面のアルミニウムが速やかに溶解し、センサ部3がコンクリートと直接的に密着し、感度よく計測することが可能となり、コンクリート打設前に剥がす必要はない。アルカリ溶解性金属を被覆したセンサの設置は、鉄筋の形状に合わせた治具(例えば図4)にセンサを貼り付けることもでき、鉄筋に直接センサを貼り付けることも可能である。
上記方法で取り付けられたセンサは、図4(治具を用いた場合、被覆は図示せず)に示すように、コンクリート表面から腐食因子が侵入してくると、(1)、(2)、(3)の順番で腐食する可能性が高い。本発明の腐食検出装置によれば、この腐食因子を経時的に捉えることが可能であり、これにより、鋼材に腐食因子が到達するまでの期間を拡散の理論に基づいて精度よく予測することができ、コンクリート構造物の維持管理では有用な情報となる。例えば、腐食因子が拡散によってコンクリート表面から内部へ浸透するとすれば、コンクリート表面からセンサ部3(1)までの距離をA、コンクリート表面から鋼材までの距離をB、コンクリート構造物建設からセンサ部3(1)が腐食因子を検知した時間をTAとすると、コンクリート構造物建設から鋼材の腐食が生じるまでの時間TBは、TB=TA・(B2/A2)として予測することができ、腐食センサ装置1で検知した情報に基づいて、コンクリート構造物を劣化から守る対策を劣化が生じる前に施すことが可能となる。
また、塩化物イオンの浸透予測は、経時的にセンサ部3(1)、(2)、(3)の深さと腐食因子を検知した時間から、一般にフィックの第2法則に基づいた拡散方程式(以下に示す)を用いて行なうとより精度が高いものとなる。
Figure 2015017842
ここで、上記数式は、以下のように定義される。
C(x,t):深さx(cm),時刻t(年)における塩化物イオン濃度(kg/m3
C0:表面における塩化物イオン濃度
Dap:塩化物イオンの見掛けの拡散係数
erf:誤差関数
以上説明したように、本実施形態に係る腐食検出装置によれば、腐食因子の浸透箇所を特定することが可能となる。
10-15 抵抗器
30-35 抵抗器
36-38 抵抗器
3 センサ部
5 並列回路部
7 腐食検出部
20 腐食検出装置
25 並列回路部
A−F 鉄箔材
a〜f 電極
T 鉄筋

Claims (5)

  1. コンクリート構造物中の腐食因子の浸透状況を検出する腐食検出装置であって、
    3μm以上0.1mm以下の厚さを有する複数の鉄箔材を並列に接続することで構成されたセンサ部と、
    前記各鉄箔材にそれぞれ直列に接続され、接続される鉄箔材の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器と、
    前記並列に接続された各鉄箔材および抵抗器から構成された並列回路部と、
    前記並列回路部に電圧を印加し、いずれかの前記鉄箔材が断線することによる前記並列回路部の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定する腐食検出部と、を備えることを特徴とする腐食検出装置。
  2. 複数の前記並列回路部をさらに並列に接続し、各並列回路部にそれぞれ直列に接続され、接続される並列回路部の位置に応じた固有の抵抗値を有する複数の抵抗器を更に備えることを特徴とする腐食検出装置。
  3. 前記各鉄箔材は、鉄よりも貴な金属からなり、前記各鉄箔材に対し陰極として機能する電極をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の腐食検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の腐食検出装置をコンクリート構造物中に埋設し、前記並列回路部に電圧を印加し、いずれかの前記鉄箔材が断線することによる前記並列回路部の合成抵抗値の変化に基づいて、断線した鉄箔材の位置を特定することを特徴とする腐食検出方法。
  5. 複数の前記腐食検出装置を、コンクリート構造物中の鉄筋の表面に環状に取り付けることを特徴とする請求項4記載の腐食検出方法。

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