JP2015017088A - 有機金属イリジウム錯体、発光素子、発光装置、および照明装置 - Google Patents

有機金属イリジウム錯体、発光素子、発光装置、および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新たな骨格を有する新規物質として、発光効率が良く、長寿命な深赤色(発光波長:700nm付近)の有機金属イリジウム錯体を提供する。
【解決手段】ジメチルフェニル基とキノキサリン骨格を少なくとも有する下記一般式(G0)で表される配位子を含む有機金属イリジウム錯体である。

(式中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明の一態様は、有機金属イリジウム錯体に関する。特に、三重項励起状態を発光に変換できる有機金属イリジウム錯体に関する。また、有機金属イリジウム錯体を用いた発光素子、発光装置、および照明装置に関する。
有機化合物は、光を吸収することで励起状態となる。そして、この励起状態を経由することにより、種々の反応(光化学反応)を起こす場合や発光(ルミネッセンス)を生じる場合があり、様々な応用がなされている。
光化学反応の一例として、一重項酸素の不飽和有機分子との反応(酸素付加)がある。酸素分子は基底状態が三重項状態であるため、一重項状態の酸素(一重項酸素)は直接の光励起では生成しない。しかしながら、他の三重項励起分子の存在下においては一重項酸素が生成し、酸素付加反応に至ることができる。この時、三重項励起分子を形成できる化合物は、光増感剤と呼ばれる。
このように、一重項酸素を生成するためには、三重項励起分子を光励起により形成できる光増感剤が必要である。しかしながら、通常の有機化合物は基底状態が一重項状態であるため、三重項励起状態への光励起は禁制遷移となり、三重項励起分子は生じにくい。したがって、このような光増感剤としては、一重項励起状態から三重項励起状態への項間交差を起こしやすい化合物(あるいは、直接三重項励起状態へ光励起されるという禁制遷移を許容する化合物)が求められている。言い換えれば、そのような化合物は光増感剤としての利用が可能であり、有益と言える。
また、そのような化合物は、しばしば燐光を放出することがある。燐光とは多重度の異なるエネルギー間の遷移によって生じる発光のことであり、通常の有機化合物では三重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光のことをさす(これに対し、一重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際の発光は、蛍光と呼ばれる)。燐光を放出できる化合物、すなわち三重項励起状態を発光に変換できる化合物(以下、燐光性化合物と称す)の応用分野としては、有機化合物を発光物質とする発光素子が挙げられる。
この発光素子の構成は、電極間に発光物質である有機化合物を含む発光層を設けただけの単純な構造であり、薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動などの特性から、次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、この発光素子を用いたディスプレイは、コントラストや画質に優れ、視野角が広いという特徴も有している。
有機化合物を発光物質とする発光素子の発光機構は、キャリア注入型である。すなわち、電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、電極から注入された電子およびホールが再結合して発光物質が励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。そして、励起状態の種類としては、先に述べた光励起の場合と同様、一重項励起状態(S)と三重項励起状態(T)が可能である。また、発光素子におけるその統計的な生成比率は、S:T=1:3であると考えられている。
一重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)は室温において、三重項励起状態からの発光(燐光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍光)のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S:T=1:3であることを根拠に25%とされている。
一方、上述した燐光性化合物を用いれば、内部量子効率は75〜100%にまで理論上は可能となる。つまり、蛍光性化合物に比べて3〜4倍の発光効率が可能となる。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために、燐光性化合物を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われている。特に、燐光性化合物としては、その燐光量子収率の高さゆえに、イリジウム等を中心金属とする有機金属錯体が注目されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開2007−137872号公報 特開2008−069221号公報 国際公開第2008−035664号パンフレット
上述した特許文献1乃至特許文献3において報告されているように様々な発光色を示す燐光材料の開発が進んでいるが、用途に応じた発光色を呈する新規材料の開発が望まれている。
そこで、本発明の一態様では、新規物質として、発光効率が良く、長寿命であり、発光色として近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する有機金属イリジウム錯体を提供する。さらに量子効率の高い有機金属イリジウム錯体を提供する。また、発光効率の高い発光素子、発光装置、または照明装置を提供する。
本発明の一態様は、ジメチルフェニル基とキノキサリン骨格を少なくとも有する下記一般式(G0)で表される配位子を含む有機金属イリジウム錯体である。従って、本発明の構成は、下記一般式(G0)で表される構造を含む有機金属イリジウム錯体である。
但し、式中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G1)で表される有機金属イリジウム錯体である。
但し、式中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。Lは、モノアニオン性の配位子を表す。
また、一般式(G1)において、モノアニオン性の配位子は、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又は2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子であることが好ましい。特に、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子が好ましい。
また、モノアニオン性の配位子は、一般式(L1)乃至(L7)のいずれか一であることが好ましい。
但し、式中、R71〜R111は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。また、A〜Aは、それぞれ独立に、窒素、水素と結合するsp混成炭素、又は置換基を有するsp混成炭素を表し、前記置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜6のハロアルキル基、又はフェニル基を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される有機金属イリジウム錯体である。
但し、式中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(100)で表される有機金属イリジウム錯体である。
また、本発明の別の一態様は、下記構造式(114)で表される有機金属イリジウム錯体である。
また、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体は燐光を発光することができる、すなわち三重項励起状態からのエネルギー移動を利用した発光が可能であるため、発光素子に適用することにより高効率化が可能となり、非常に有効である。したがって本発明の一態様は、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を用いた発光素子も含むものとする。
また、本発明の一態様は、発光素子を有する発光装置だけでなく、発光装置を有する照明装置も範疇に含めるものである。従って、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、または光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本発明の一態様は、新規物質として、発光効率が良く、長寿命であり、発光色として近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する有機金属イリジウム錯体を提供することができる。さらに量子効率の高い有機金属イリジウム錯体を提供することができる。なお、新たな有機金属イリジウム錯体を用いることにより、発光効率の高い発光素子、発光装置、または照明装置を提供することができる。また、消費電力が低い発光素子、発光装置、または照明装置を提供することができる。
発光素子の構造について説明する図。 発光素子の構造について説明する図。 発光素子の構造について説明する図。 発光装置について説明する図。 照明装置について説明する図。 構造式(100)に示す有機金属イリジウム錯体のH−NMRチャート。 構造式(100)に示す有機金属イリジウム錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(100)に示す有機金属イリジウム錯体のLC−MS測定結果を示す図。 構造式(114)に示す有機金属イリジウム錯体のH−NMRチャート。 構造式(114)に示す有機金属イリジウム錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 構造式(114)に示す有機金属イリジウム錯体のLC−MS測定結果を示す図。 有機金属イリジウム錯体の発光スペクトル比較結果。 有機金属イリジウム錯体の発光スペクトル比較結果。 構造式(118)に示す有機金属イリジウム錯体のH−NMRチャート。 構造式(118)に示す有機金属イリジウム錯体の紫外・可視吸収スペクトル及び発光スペクトル。 有機金属イリジウム錯体の発光スペクトル比較結果。 発光素子について説明する図。 発光素子1、発光素子2、および発光素子3の発光スペクトルを示す図。 有機金属イリジウム錯体の発光スペクトル比較結果。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体について説明する。
本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体は、ジメチルフェニル基とキノキサリン骨格を少なくとも含む配位子有する有機金属イリジウム錯体である。なお、本実施の形態で説明する、ジメチルフェニル基とキノキサリン骨格を少なくとも含む配位子を有する有機金属イリジウム錯体の一態様は、下記一般式(G1)で表される構造を含む有機金属イリジウム錯体である。
一般式(G1)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。Lは、モノアニオン性の配位子を表す。
また、一般式(G1)において、モノアニオン性の配位子は、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又は2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子であることが好ましい。特に、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子が好ましい。
また、モノアニオン性の配位子は、一般式(L1)乃至(L7)のいずれか一であることが好ましい。
但し、式中、R71〜R111は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。また、A〜Aは、それぞれ独立に、窒素、水素と結合するsp混成炭素、又は置換基を有するsp混成炭素を表し、前記置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜6のハロアルキル基、又はフェニル基を表す。
なお、R〜Rにおける置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。
なお、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体は、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基のいずれかである置換基を2つ有し、この2つの置換基が、イリジウムと結合した2−(2−キノキサリニル)フェニル基に対して4位と6位で置換している構造とすることにより、このような置換基を有さない有機金属イリジウム錯体に比べて、発光波長(ピーク波長)を長波長側にシフトさせることができる。すなわち、近赤外発光を呈する量子効率の高い新規物質であるといえる。
また、本発明の別の一態様は、下記一般式(G2)で表される有機金属イリジウム錯体である。
一般式(G2)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。
次に、上述した本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体の具体的な構造式を示す。(下記構造式(100)〜(120)。)ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
なお、上記構造式(100)〜(120)で表される有機金属イリジウム錯体は、燐光を発光することが可能な新規物質である。なお、これらの物質には、配位子の種類によって幾何異性体と立体異性体が存在し、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体にはこれらの異性体も全て含まれる。
次に、上記一般式(G1)表される有機金属イリジウム錯体の合成方法の一例について説明する。
≪一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体の合成法≫
下記一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体の合成方法の一例について説明する。
なお、一般式(G0)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。
以下に、一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体の3種類の合成スキーム(A1)、(A2)、(A3)を示す。
合成スキーム(A1)では、3,5−ジアルキルフェニルボロン酸(a1)とハロゲン化キノキサリン化合物(a1’)とをカップリングすることによりキノキサリン誘導体(G0)を得ることができる。
また、合成スキーム(A2)では、α−ジケトン(a2)とo−フェニレンジアミン(a2’)を反応させることにより、キノキサリン誘導体(G0)を得ることができる。
また、合成スキーム(A3)では、R、Rが同じアルキル基を有する場合、アルキルボロン酸(a3)と3,5−ジハロゲン化フェニルで置換されたキノキサリン化合物(a3’)とをカップリングすることにより、キノキサリン誘導体(G0)が得られ、R、Rが異なるアルキル基を有する場合、ハロゲン化フェニルで置換されたキノキサリン化合物の中間体(a3’’)を経由して、アルキルボロン酸(a3’’’)とをカップリングすることにより、キノキサリン誘導体(G0)が得られる。なお、式中Xはハロゲン元素を表す。
上述した3種類の方法以外にも、誘導体(G0)の合成法には複数の公知の合成法が存在する。従って、いずれの方法を用いても良い。
また、上記スキーム中の化合物(a1)、(a1’)、(a2)、(a2’)、(a3)、(a3’)、(a3’’)、(a3’’’)は、様々な種類が市販されているか、あるいは合成可能であるため、一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体は数多くの種類を合成することができる。したがって、本発明の有機金属イリジウム錯体は、その配位子のバリエーションが豊富であるという特徴がある。
≪一般式(G1)で表される本発明の一態様の有機金属イリジウム錯体の合成方法≫
次に、一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体を用いて形成される、一般式(G1)で示される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体の合成方法について説明する。
なお、一般式(G1)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。Lは、モノアニオン性の配位子を表す。
以下に、一般式(G1)で示される有機金属イリジウム錯体の合成スキーム(B)を示す。
なお、合成スキーム(B)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。また、Yはハロゲンを表す。
上記合成スキーム(B)に示すように、一般式(G0)で表されるキノキサリン誘導体と、ハロゲンを含むイリジウム化合物(塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウムなど)とを無溶媒、またはアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールなど)単独、あるいはアルコール系溶媒1種類以上と水との混合溶媒を用いて、不活性ガス雰囲気にて加熱することにより、ハロゲンで架橋された構造を有する有機金属イリジウム錯体の一種である複核錯体(P)を得ることができる。
また、加熱手段として特に限定はなく、オイルバス、サンドバス、又はアルミブロックを用いてもよい。また、マイクロ波を加熱手段として用いることも可能である。
さらに、下記合成スキーム(C)に示すように、上述の合成スキーム(B)で得られる複核錯体(P)と、配位子HLとを、不活性ガス雰囲気にて反応させることにより、配位子HLのプロトンが脱離してモノアニオンの配位子Lが中心金属イリジウムに配位し、一般式(G1)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体が得られる。
なお、合成スキーム(C)において、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。Lは、モノアニオン性の配位子を表す。
また、加熱手段として特に限定はなく、オイルバス、サンドバス、又はアルミブロックを用いてもよい。また、マイクロ波を加熱手段として用いることも可能である。
以上、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
なお、上述した本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体は、燐光を発光することが可能であるため、発光材料や発光素子の発光物質として利用できる。
また、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を用いることで、発光効率の高い発光素子、発光装置、または照明装置を実現することができる。また、消費電力が低い発光素子、発光装置、または照明装置を実現することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様として実施の形態1で示した有機金属イリジウム錯体を発光層に用いた発光素子について図1を用いて説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図1に示すように一対の電極(第1の電極(陽極)101と第2の電極(陰極)103)間に発光層113を含むEL層102が挟まれており、EL層102は、発光層113の他に、正孔(または、ホール)注入層111、正孔(または、ホール)輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115、電荷発生層(E)116などを含んで形成される。
このような発光素子に対して電圧を印加することにより、第1の電極101側から注入された正孔と第2の電極103側から注入された電子とが、発光層113において再結合し、有機金属イリジウム錯体を励起状態にする。そして、励起状態の有機金属イリジウム錯体が基底状態に戻る際に発光する。このように、本発明の一態様において有機金属イリジウム錯体は、発光素子における発光物質として機能する。
なお、EL層102における正孔注入層111は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む層であり、アクセプター性物質によって正孔輸送性の高い物質から電子が引き抜かれることにより正孔(ホール)が発生する。従って、正孔注入層111から正孔輸送層112を介して発光層113に正孔が注入される。
また、電荷発生層(E)116は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む層である。アクセプター性物質によって正孔輸送性の高い物質から電子が引き抜かれるため、引き抜かれた電子が、電子注入性を有する電子注入層115から電子輸送層114を介して発光層113に注入される。
以下に本実施の形態に示す発光素子を作製する上での具体例について説明する。
第1の電極(陽極)101および第2の電極(陰極)103には、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、酸化インジウム−酸化スズ(Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、マグネシウム(Mg)、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。なお、第1の電極(陽極)101および第2の電極(陰極)103は、例えばスパッタリング法や蒸着法(真空蒸着法を含む)等により形成することができる。
正孔注入層111、正孔輸送層112、および電荷発生層(E)116に用いる正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール誘導体、等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることもできる。
また、正孔注入層111および電荷発生層(E)116に用いるアクセプター性物質としては、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化モリブデンが特に好ましい。
発光層113は、実施の形態1で示した有機金属イリジウム錯体を発光物質となるゲスト材料として含み、この有機金属イリジウム錯体よりも三重項励起エネルギーの大きい物質をホスト材料として用いて形成される層である。
また、上記有機金属イリジウム錯体を分散状態にするために用いる物質(すなわちホスト材料)としては、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、NPBのようなアリールアミン骨格を有する化合物の他、CBP、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)等のカルバゾール誘導体や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)等の金属錯体が好ましい。また、PVKのような高分子化合物を用いることもできる。
なお、発光層113において、上述した有機金属イリジウム錯体(ゲスト材料)とホスト材料とを含んで形成することにより、発光層113からは、発光効率の高い燐光発光を得ることができる。
電子輸送層114は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層114には、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Zn(BOX)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体を用いることができる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層114として用いてもよい。
また、電子輸送層114は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
電子注入層115は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層115には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層114を構成する物質を用いることもできる。
また、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115、電荷発生層(E)116は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
上述した発光素子は、第1の電極101および第2の電極103との間に与えられる電位差により電流が流れ、EL層102において正孔と電子とが再結合することにより発光する。そして、この発光は、第1の電極101および第2の電極103のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101および第2の電極103のいずれか一方、または両方が透光性を有する電極となる。
以上により説明した発光素子は、有機金属イリジウム錯体に基づく燐光発光が得られることから、蛍光性化合物を用いた発光素子に比べて、高効率な発光素子を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様として、有機金属イリジウム錯体に加え、他の2種類以上の有機化合物を発光層に用いた発光素子について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図2に示すように一対の電極(陽極201及び陰極202)間にEL層203を有する構造である。なお、EL層203には、少なくとも発光層204を有し、その他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層(E)などが含まれていても良い。なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層(E)には、実施の形態2に示した物質を用いることができる。
本実施の形態に示す発光層204には、実施の形態1に示した有機金属イリジウム錯体を用いた燐光性化合物205、第1の有機化合物206、および第2の有機化合物207が含まれている。なお、燐光性化合物205は、発光層204におけるゲスト材料である。また、第1の有機化合物206、および第2の有機化合物207のうち発光層204に含まれる割合の多い方を発光層204におけるホスト材料とする。
発光層204において、上記ゲスト材料をホスト材料に分散させた構成とすることにより、発光層の結晶化を抑制することができる。また、ゲスト材料の濃度が高いことによる濃度消光を抑制し、発光素子の発光効率を高くすることができる。
なお、第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207のそれぞれの三重項励起エネルギーの準位(T1準位)は、燐光性化合物205のT1準位よりも高いことが好ましい。第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)のT1準位が燐光性化合物205のT1準位よりも低いと、発光に寄与する燐光性化合物205の三重項励起エネルギーを第1の有機化合物206(又は第2の有機化合物207)が消光(クエンチ)してしまい、発光効率の低下を招くためである。
ここで、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギー移動効率を高めるため、分子間のエネルギー移動機構として知られているフェルスター機構(双極子−双極子相互作用)およびデクスター機構(電子交換相互作用)を考慮した上で、ホスト材料の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)とゲスト材料の吸収スペクトル(より詳細には、最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯におけるスペクトル)との重なりが大きくなることが好ましい。しかしながら通常、ホスト材料の蛍光スペクトルを、ゲスト材料の最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯における吸収スペクトルと重ねることは困難である。なぜならば、そのようにしてしまうと、ホスト材料の燐光スペクトルは蛍光スペクトルよりも長波長(低エネルギー)側に位置するため、ホスト材料のT1準位が燐光性化合物のT1準位を下回ってしまい、上述したクエンチの問題が生じてしまうからである。一方、クエンチの問題を回避するため、ホスト材料のT1準位が燐光性化合物のT1準位を上回るように設計すると、今度はホスト材料の蛍光スペクトルが短波長(高エネルギー)側にシフトするため、その蛍光スペクトルはゲスト材料の最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯における吸収スペクトルと重ならなくなる。したがって、ホスト材料の蛍光スペクトルをゲスト材料の最も長波長(低エネルギー)側の吸収帯における吸収スペクトルと重ね、ホスト材料の一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることは、通常困難である。
そこで本実施形態においては、第1の有機化合物206および第2の有機化合物207は、励起錯体(エキサイプレックスとも言う)を形成する組み合わせであることが好ましい。この場合、発光層204におけるキャリア(電子及びホール)の再結合の際に第1の有機化合物206と第2の有機化合物207は、励起錯体を形成する。これにより、発光層204において、第1の有機化合物206の蛍光スペクトルおよび第2の有機化合物207の蛍光スペクトルは、より長波長側に位置する励起錯体の発光スペクトルに変換される。そして、励起錯体の発光スペクトルとゲスト材料の吸収スペクトルとの重なりが大きくなるように、第1の有機化合物206と第2の有機化合物207を選択すれば、一重項励起状態からのエネルギー移動を最大限に高めることができる。なお、三重項励起状態に関しても、ホスト材料ではなく励起錯体からのエネルギー移動が生じると考えられる。
燐光性化合物205としては、実施の形態1で示した有機金属イリジウム錯体を用いる。また、第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207としては、励起錯体を生じる組み合わせであればよいが、電子を受け取りやすい化合物(電子トラップ性化合物)と、ホールを受け取りやすい化合物(正孔トラップ性化合物)とを組み合わせることが好ましい。
電子を受け取りやすい化合物としては、例えば、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)が挙げられる。
ホールを受け取りやすい化合物としては、例えば、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−N’,N’−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)が挙げられる。
上述した第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207は、これらに限定されることなく、励起錯体を形成できる組み合わせであり、励起錯体の発光スペクトルが、燐光性化合物205の吸収スペクトルと重なり、励起錯体の発光スペクトルのピークが、燐光性化合物205の吸収スペクトルのピークよりも長波長であればよい。
なお、電子を受け取りやすい化合物とホールを受け取りやすい化合物で第1の有機化合物206と第2の有機化合物207を構成する場合、その混合比によってキャリアバランスを制御することができる。具体的には、第1の有機化合物:第2の有機化合物=1:9〜9:1の範囲が好ましい。
本実施の形態で示した発光素子は、励起錯体の発光スペクトルと燐光性化合物の吸収スペクトルとの重なりを利用したエネルギー移動により、エネルギー移動効率を高めることができるため、外部量子効率の高い発光素子を実現することができる。
なお、本発明の一態様に含まれる別の構成として、燐光性化合物205(ゲスト材料)の他の2種類の有機化合物(第1の有機化合物206及び第2の有機化合物207)として、正孔トラップ性のホスト分子、および電子トラップ性のホスト分子を用いて発光層204を形成し、2種類のホスト分子中に存在するゲスト分子に正孔と電子を導いて、ゲスト分子を励起状態とする現象(すなわち、Guest Coupled with Complementary Hosts:GCCH)が得られるように発光層204を形成する構成も可能である。
この時、正孔トラップ性のホスト分子、および電子トラップ性のホスト分子としては、それぞれ、上述した正孔を受け取りやすい化合物、および電子を受け取りやすい化合物を用いることができる。
なお、本実施の形態で示した発光素子は、発光素子の構造の一例であるが、本発明の一態様である発光素子には、これらの構成に加えてマイクロキャビティー構造を有する発光素子とすることもできる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様として、電荷発生層を挟んでEL層を複数有する構造の発光素子(以下、タンデム型発光素子という)について説明する。
本実施の形態に示す発光素子は、図3(A)に示すように一対の電極(第1の電極301および第2の電極304)間に、複数のEL層(第1のEL層302(1)、第2のEL層302(2))を有するタンデム型発光素子である。
本実施の形態において、第1の電極301は、陽極として機能する電極であり、第2の電極304は陰極として機能する電極である。なお、第1の電極301および第2の電極304は、実施の形態2と同様な構成を用いることができる。また、複数のEL層(第1のEL層302(1)、第2のEL層302(2))は、実施の形態2または実施の形態3で示したEL層と同様な構成であっても良いが、いずれかが同様の構成であっても良い。すなわち、第1のEL層302(1)と第2のEL層302(2)は、同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態2または実施の形態3と同様なものを適用することができる。
また、複数のEL層(第1のEL層302(1)、第2のEL層302(2))の間には、電荷発生層(I)305が設けられている。電荷発生層(I)305は、第1の電極301と第2の電極304に電圧を印加したときに、一方のEL層に電子を注入し、他方のEL層に正孔を注入する機能を有する。本実施の形態の場合には、第1の電極301に第2の電極304よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層(I)305から第1のEL層302(1)に電子が注入され、第2のEL層302(2)に正孔が注入される。
なお、電荷発生層(I)305は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層(I)305の可視光の透過率が、40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層(I)305は、第1の電極301や第2の電極304よりも低い導電率であっても機能する。
電荷発生層(I)305は、正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
正孔輸送性の高い有機化合物に電子受容体が添加された構成とする場合において、正孔輸送性の高い有機化合物としては、例えば、NPBやTPD、TDATA、MTDATA、BSPBなどの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する遷移金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
一方、電子輸送性の高い有機化合物に電子供与体が添加された構成とする場合において、電子輸送性の高い有機化合物としては、例えば、Alq、Almq、BeBq、BAlqなど、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他、Zn(BOX)、Zn(BTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBDやOXD−7、TAZ、Bphen、BCPなども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い有機化合物であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第2族から第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、上述した材料を用いて電荷発生層(I)305を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
本実施の形態では、EL層を2層有する発光素子について説明したが、図3(B)に示すように、n層(ただし、nは、3以上)のEL層(302(1)〜302(n))を積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数のEL層を有する場合、EL層とEL層との間にそれぞれ電荷発生層(I)(305(1)〜305(n−1))を配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での発光が可能である。電流密度を低く保てるため、長寿命素子を実現できる。また、大きな発光面を有する発光装置、及び照明装置等に応用した場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。
また、それぞれのEL層の発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つのEL層を有する発光素子において、第1のEL層の発光色と第2のEL層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を組み合わせることにより、白色発光を得ることができる。
また、3つのEL層を有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1のEL層の発光色が赤色であり、第2のEL層の発光色が緑色であり、第3のEL層の発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を発光層に用いた発光素子を有する発光装置について説明する。
また、上記発光装置は、パッシブマトリクス型の発光装置でもアクティブマトリクス型の発光装置でもよい。なお、本実施の形態に示す発光装置には、他の実施形態で説明した発光素子を適用することが可能である。
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置について図4を用いて説明する。
なお、図4(A)は発光装置を示す上面図であり、図4(B)は図4(A)を鎖線A−A’で切断した断面図である。本実施の形態に係るアクティブマトリクス型の発光装置は、素子基板401上に設けられた画素部402と、駆動回路部(ソース線駆動回路)403と、駆動回路部(ゲート線駆動回路)404a及び404bと、を有する。画素部402、駆動回路部403、及び駆動回路部404は、シール材405によって、素子基板401と封止基板406との間に封止されている。
また、素子基板401上には、駆動回路部403、及び駆動回路部404a及び404bに外部からの信号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子を接続するための引き回し配線407が設けられる。ここでは、外部入力端子としてFPC(フレキシブルプリントサーキット)408を設ける例を示している。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板401上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、ソース線駆動回路である駆動回路部403と、画素部402が示されている。
駆動回路部403はnチャネル型FET409とpチャネル型FET410とを組み合わせたCMOS回路が形成される例を示している。なお、駆動回路部を形成する回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、スタガ型、逆スタガ型いずれのFETを用いてもよい。さらに、FETに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されず、非晶質でも結晶性を有していてもよい。また、半導体材料としては、IV族(ケイ素、ガリウム等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含む)の他、有機半導体等を用いることができる。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に駆動回路を形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用FET411と、電流制御用FET412と電流制御用FET412の配線(ソース電極又はドレイン電極)に電気的に接続された第1の電極(陽極)413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極(陽極)413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。
また、上層に積層形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物414の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにするのが好ましい。例えば、絶縁物414の材料として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれかを使用することができ、有機化合物に限らず無機化合物、例えば、酸化シリコン、酸窒化シリコン等、の両者を使用することができる。
第1の電極(陽極)413上には、EL層415及び第2の電極(陰極)416が積層形成されている。EL層415は、少なくとも発光層が設けられており、発光層には、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を用いることができる。また、EL層415には、発光層の他に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等を適宜設けることができる。
なお、第1の電極(陽極)413、EL層415及び第2の電極(陰極)416との積層構造で、発光素子417が形成されている。第1の電極(陽極)413、EL層415及び第2の電極(陰極)416に用いる材料としては、実施の形態2に示す材料を用いることができる。また、ここでは図示しないが、第2の電極(陰極)416は外部入力端子であるFPC408に電気的に接続されている。
また、図4(B)に示す断面図では発光素子417を1つのみ図示しているが、画素部402において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部402には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。
さらに、シール材405で封止基板406を素子基板401と貼り合わせることにより、素子基板401、封止基板406、およびシール材405で囲まれた空間418に発光素子417が備えられた構造になっている。なお、空間418には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板406に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル樹脂等からなるプラスチック基板を用いることができる。シール材としてガラスフリットを用いる場合には、接着性の観点から素子基板401及び封止基板406はガラス基板であることが好ましい。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を含む発光装置を適用した照明装置の一例について、図5を用いて説明する。
図5は、発光装置を室内の照明装置8001として用いた例である。なお、発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8002を形成することもできる。本実施の形態で示す発光装置に含まれる発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8003を備えても良い。
また、発光装置をテーブルの表面に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8004とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光装置を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のように、発光装置を適用した様々な照明装置が得られる。なお、これらの照明装置は本発明の一態様に含まれるものとする。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}(2,2’,6,6’−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdpq)(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(dmdpq)(dpm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:2,3−ビス(3,5−ジメチルフェニル)キノキサリン(略称:Hdmdpq)の合成>
まず、o−フェニレンジアミン1.2g、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジル3.0g、エタノール30mLを200mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。その後、90℃にて7時間半加熱し、反応させた。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣をトルエンに溶解させ、セライト、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾過することにより、目的物のキノキサリン誘導体Hdmdpqを得た(白色粉末、収率87%)。ステップ1の合成スキームを下記(a−1)に示す。
<ステップ2:ジ−μ−クロロ−テトラキス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(dmdpq)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHdmdpq1.08g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)(Sigma−Aldrich社製)0.48gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(dmdpq)Cl]を得た(茶色粉末、収率68%)。また、ステップ2の合成スキームを下記(a−2)に示す。
<ステップ3:ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}(2,2’,6,6’−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdpq)(dpm)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(dmdpq)Cl]0.98g、ジピバロイルメタン(略称:Hdpm)0.16g、炭酸ナトリウム0.57gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。ここで更に、Hdpm0.16gを加え、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタンを展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、本発明の有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]を褐色粉末として得た(収率6%)。ステップ3の合成スキームを下記(a−3)に示す。
なお、上記ステップ3で得られた褐色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図6に示す。この結果から、本合成例1において、上述の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):0.77(s,18H),1.07(s,6H),2.00(s,6H),2.46(s,12H),4.85(s,1H),6.42(s,2H),7.01(s,2H),7.22(s,2H),7.38(t,2H),7.57(t,2H),7.72(s,4H),7.94(d,2H),8.02(d,2H).
次に、[Ir(dmdpq)(dpm)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.063mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.063mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図7に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図7において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図7に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから、ジクロロメタンおよび石英セルの吸収スペクトルを差し引くことで得た。
図7に示すように、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]は、475nmに吸収ピークを有し、722nmに発光ピークを有していた。また、ジクロロメタン溶液からは深赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(dmdpq)(dpm)]を液体クロマトグラフ質量分光法(Liquid Chromatography Mass Spectrometry(略称:LC−MS))によって質量(MS)分析した。
LC−MSは、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acquity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意の濃度の[Ir(dmdpq)(dpm)]をクロロホルムに溶解し、アセトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization、略称:ESI)によるイオン化を行った。この時キャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードで行った。以上の条件でイオン化された全ての成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンに衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は30eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1120とした。図8に、生成したプロダクトイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を示す。
図8の結果から、構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体、[Ir(dmdpq)(dpm)]は、主としてm/z=867付近、m/z=339付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図8に示す結果は、[Ir(dmdpq)(dpm)]に由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(dmdpq)(dpm)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=867付近のプロダクトイオンは、構造式(100)の化合物におけるジピバロイルメタンとプロトンが離脱した状態のカチオンと推定され、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体の特徴の一つである。また、m/z=339付近のプロダクトイオンは、キノキサリン誘導体Hdmdpqにプロトンが付加した状態のカチオンと推定され、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]の構造を示唆するものである。
さらに本実施例では、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基のいずれかである置換基を2つ有し、この2つの置換基が、イリジウムと結合したフェニル基に対して4位と6位で置換している構造とすることにより、このような置換基を有さない有機金属イリジウム錯体に比べて、発光波長(ピーク波長)を長波長側にシフトさせることについての確認を行った。
具体的には、本実施例で示した有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]、すなわちキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基(メチル基)を有する構造と、有機金属イリジウム錯体[Ir(dpq)(acac)]、すなわちキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造、の2種類について発光スペクトルの測定を行った。測定した2種類の有機金属イリジウム錯体の構造式を下記に示す。
また、発光スペクトルの測定方法は、上述した方法と同じである。測定結果を図12に示す。測定結果より、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造である[Ir(dpq)(acac)]に比べて、本発明の一態様である[Ir(dmdpq)(dpm)]は、50nm程度、発光波長が長波長側にシフトしていることが確認された。
したがって、本発明の一態様である[Ir(dmdpq)(dpm)]が、近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する新規な有機金属イリジウム錯体であることが示された。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体、ビス[4,6−ジメチル−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdmpq)(acac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(mdmpq)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1:2−(3,5−ジメチルフェニル)−3−メチルキノキサリン(略称:Hmdmpq)の合成>
まず、2−クロロ−3−メチルキノキサリン3.02gと3,5−ジメチルフェニルボロン酸3.88g、炭酸ナトリウム2.77g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(PPhCl)0.14g、水20mL、DMF20mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間照射することで加熱した。その後この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=5:1(体積比)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。フラクションを濃縮し、得られた固体を、ジクロロメタンを展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物のキノキサリン誘導体Hmdmpqを得た(肌色粉末、収率72%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。ステップ1の合成スキームを下記(b−1)に示す。
<ステップ2:ジ−μ−クロロ−テトラキス[4,6−ジメチル−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC]ジイリジウム(III)(略称:[Ir(mdmpq)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHmdmpq1.00g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)(Sigma−Aldrich社製)0.57gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(mdmpq)Cl]を得た(茶色粉末、収率62%)。ステップ2の合成スキームを下記(b−2)に示す。
<ステップ3:ビス[4,6−ジメチル−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdmpq)(acac)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(mdmpq)Cl]0.86g、アセチルアセトン(略称:Hacac)0.18g、炭酸ナトリウム0.64gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。ここで更に、Hacac0.18gを加え、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=5:1(体積比)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、本発明の有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]を黒色粉末として得た(収率9%)。ステップ3の合成スキームを下記(b−3)に示す。
なお、上記合成方法により得られた黒色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図9に示す。この結果から、本合成例2において、上述の構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):1.23(s,6H),1.29(s,6H),2.40(s,6H),3.34(s,6H),4.23(s,1H),6.63(s,2H),7.33(t,2H),7.53(t,2H),7.65(d,2H),7.90(d,2H),7.94(s,2H).
次に、[Ir(mdmpq)(acac)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.089mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.089mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図10に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図10において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図10に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから、ジクロロメタンおよび石英セルの吸収スペクトルを差し引くことで得た。
図10に示すように、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]は、470nmに吸収ピークを有し、706nmに発光ピークを有していた。また、ジクロロメタン溶液からは深赤色の発光が観測された。
次に、本実施例で得られた[Ir(mdmpq)(acac)]を液体クロマトグラフ質量分光法(Liquid Chromatography Mass Spectrometry(略称:LC−MS))によって質量(MS)分析した。
LC−MSは、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acquity UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 Tof MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移動相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意の濃度の[Ir(mdmpq)(acac)]をクロロホルムに溶解し、アセトニトリルで希釈して調整し、注入量は5.0μLとした。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ionization、略称:ESI)によるイオン化を行った。この時キャピラリー電圧は3.0kV、サンプルコーン電圧は30V、検出はポジティブモードで行った。以上の条件でイオン化された全ての成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンに衝突させる際のエネルギー(コリジョンエネルギー)は50eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100〜1200とした。図11に、生成したプロダクトイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した結果を示す。
図11の結果から、構造式(114)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体、[Ir(mdmpq)(acac)]は、主としてm/z=679付近、m/z=539付近、m/z=437付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図11に示す結果は、[Ir(mdmpq)(acac)]に由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる[Ir(mdmpq)(acac)]を同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=679付近のプロダクトイオンは、構造式(114)の化合物におけるアセチルアセトンとプロトンが離脱した状態のカチオンと推定され、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体の特徴の一つである。また、m/z=539付近のプロダクトイオンは、構造式(114)の化合物におけるキノキサリン誘導体Hmdmpqの脱離した状態のカチオンと推定され、m/z=437付近のプロダクトイオンは、m/z=539付近のプロダクトイオンからのアセチルアセトンとプロトンが離脱した状態のカチオンと推定され、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]の構造を示唆するものである。
さらに本実施例では、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基のいずれかである置換基を2つ有し、この2つの置換基が、イリジウムと結合したフェニル基に対して4位と6位で置換している構造とすることにより、このような置換基を有さない有機金属イリジウム錯体に比べて、発光波長(ピーク波長)を長波長側にシフトさせることについての確認を行った。
具体的には、本実施例で示した有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]、すなわちキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基(メチル基)を有する構造と、有機金属イリジウム錯体[Ir(mpq)(acac)]、すなわちキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造、の2種類について発光スペクトルの測定を行った。測定した2種類の有機金属イリジウム錯体の構造式を下記に示す。
また、発光スペクトルの測定方法は、上述した方法と同じである。測定結果を図13に示す。測定結果より、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造である[Ir(mpq)(acac)]に比べて、本発明の一態様である[Ir(mdmpq)(acac)]は、50nm程度、発光波長が長波長側にシフトしていることが確認された。
したがって、本発明の一態様である[Ir(mdmpq)(acac)]が、近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する新規な有機金属イリジウム錯体であることが示された。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(118)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体、ビス[4,6−ビス(2−メチルプロピル)−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdiBupq)(acac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(mdiBupq)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−メチルキノキサリンの合成>
まず、2−クロロ−3−メチルキノキサリン1.00gと3,5−ジクロロフェニルボロン酸0.84g、炭酸カリウム1.68g、トリ(o−トリル)ホスフィン0.049g、トルエン20mL、エタノール5mL、水6mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で脱気した後、酢酸パラジウム0.018gを加え、80℃で19時間加熱した。その後この溶液に水を加え、トルエンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=5:1(体積比)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物のキノキサリン誘導体を得た(薄桃色粉末、収率67%)。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示す。
<ステップ2;2−[3,5−ビス(2−メチルプロピル)フェニル]−3−メチルキノキサリン(略称:HmdiBupq)の合成>
次に、上記ステップ1で得た2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−メチルキノキサリン0.76gと(2−メチルプロピル)ボロン酸1.00g、リン酸三カリウム2.09g、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(略称:S−Phos)0.041g、トルエン45mLを、還流管を付けた三口フラスコに入れ、内部を窒素置換した。フラスコ内を減圧下で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.024gを加え、6時間半還流させた。その後この溶液に水を加え、トルエンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液を、セライト/アルミナ/セライトの順に積層されたろ過補助剤を通してろ過し、トルエン溶媒を留去することにより目的物のキノキサリン誘導体HmdiBupqを得た(橙色オイル、収率82%)。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
<ステップ3; ジ−μ−クロロ−テトラキス[4,6−ビス(2−メチルプロピル)−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC]ジイリジウム(III)(略称:[Ir(mdiBupq)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHmdiBupq1.75g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)(Sigma−Aldrich社製)0.80gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をヘキサンで吸引ろ過、洗浄し、複核錯体[Ir(mdiBupq)Cl]を得た(褐色粉末、収率71%)。ステップ3の合成スキームを下記(c−3)に示す。
<ステップ4; ビス[4,6−ビス(2−メチルプロピル)−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdiBupq)(acac)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ3で得た複核錯体[Ir(mdiBupq)Cl]2.32g、アセチルアセトン(略称:Hacac)0.39g、炭酸ナトリウム1.41gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。ここで更に、Hacac0.39gを加え、マイクロ波(2.45GHz 200W)を60分間照射することで加熱した。反応溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した。得られた残渣を、ジクロロメタンを展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)]を黒色粉末として得た(収率4%)。ステップ4の合成スキームを下記(c−4)に示す。
なお、上記合成方法により得られた赤色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、H−NMRチャートを図14に示す。この結果から、本合成例3において、上述の構造式(118)で表される本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)]が得られたことがわかった。
H−NMR.δ(CDCl):−0.06(d,6H),0.15(d,6H),0.74−0.79(m,2H),0.89(d,12H),1.25(s,6H),1.35−1.39(m,2H),1.48−1.52(m,2H),1.83−1.89(m,2H),2.44−2.48(m,2H),2.55−2.60(m,2H),3.28(s,6H),4.29(s,1H),6.54(s,2H),7.44(t,2H),7.53(d,2H),7.63(t,2H),7.93(d,2H),7.96(s,2H).
次に、[Ir(mdiBupq)(acac)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.070mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.070mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図15に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図12において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図15に示す吸収スペクトルは、得られた吸収スペクトルから、ジクロロメタンおよび石英セルの吸収スペクトルを差し引くことで得た。
図15に示すように、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)]は、473nmに吸収ピークを有し、706nmに発光ピークを有していた。また、ジクロロメタン溶液からは深赤色の発光が観測された。
さらに本実施例では、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基のいずれかである置換基を2つ有し、この2つの置換基が、イリジウムと結合したフェニル基に対して4位と6位で置換している構造とすることにより、このような置換基を有さない有機金属イリジウム錯体に比べて、発光波長(ピーク波長)を長波長側にシフトさせることについての確認を行った。
具体的には、本実施例で示した有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)]、いわゆるキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基(メチル基)を有する構造と、有機金属イリジウム錯体[Ir(mpq)(acac)]、いわゆるキノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造、の2種類について発光スペクトルの測定を行った。測定した2種類の有機金属イリジウム錯体の構造式を下記に示す。
また、発光スペクトルの測定方法は、上述した方法と同じである。測定結果を図16に示す。測定結果より、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造である[Ir(mpq)(acac)]に比べて、本発明の一態様である[Ir(mdiBupq)(acac)]は、50nm程度、発光波長が長波長側にシフトしていることが確認された。
したがって、本発明の一態様である[Ir(mdiBupq)(acac)]が、近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する新規な有機金属イリジウム錯体であることが示された。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)](構造式(100))を発光層に用いた発光素子1、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)](構造式(114))を発光層に用いた発光素子2および本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)](構造式(118))を発光層に用いた発光素子3をそれぞれ作製し、発光スペクトルの測定を行った。なお、発光素子1、発光素子2および発光素子3の作製については、図17を用いて説明する。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子1、発光素子2および発光素子3の作製≫
まず、ガラス製の基板1100上に酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法により成膜し、陽極として機能する第1の電極1101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板1100上に発光素子1、発光素子2、および発光素子3を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板1100を30分程度放冷した。
次に、第1の電極1101が形成された面が下方となるように、基板1100を真空蒸着装置内に設けられたホルダーに固定した。本実施例では、真空蒸着法により、EL層1102を構成する正孔注入層1111、正孔輸送層1112、発光層1113、電子輸送層1114、電子注入層1115が順次形成される場合について説明する。
真空蒸着装置内を10−4Paに減圧した後、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデン(VI)とを、DBT3P−II(略称):酸化モリブデン=4:2(質量比)となるように共蒸着することにより、第1の電極1101上に正孔注入層1111を形成した。膜厚は20nmとした。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。
次に、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を20nm蒸着することにより、正孔輸送層1112を形成した。
次に、正孔輸送層1112上に発光層1113を形成した。発光素子1の場合には、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}(2,2’,6,6’−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdpq)(dpm)])を、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(dmdpq)(dpm)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となるように共蒸着した。なお、膜厚は、40nmの膜厚とした。
また、発光素子2の場合には、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−メチル−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdmpq)(acac)])を、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(mdmpq)(acac)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となるように共蒸着した。また、膜厚は、40nmの膜厚とした。
また、発光素子3の場合には、2mDBTBPDBq−II、PCBBiF、ビス[4,6−ビス(2−メチルプロピル)−2−(3−メチル−2−キノキサリニル−κN)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(mdiBupq)(acac)])を、2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:[Ir(mdiBupq)(acac)]=0.8:0.2:0.05(質量比)となるように共蒸着した。また、膜厚は、40nmの膜厚とした。
次に、発光層1113上に2mDBTBPDBq−IIを20nm蒸着した後、バソフェナントロリン(略称:Bphen)を10nm蒸着することにより、電子輸送層1114を形成した。さらに電子輸送層1114上に、フッ化リチウムを1nm蒸着することにより、電子注入層1115を形成した。
最後に、電子注入層1115上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着し、陰極となる第2の電極1103を形成し、発光素子1、発光素子2および発光素子3を得た。なお、上述した蒸着過程において、蒸着は全て抵抗加熱法を用いた。
以上により得られた発光素子1、発光素子2および発光素子3の素子構造を表1に示す。
また、作製した発光素子1、発光素子2および発光素子3は、大気に曝されないように窒素雰囲気のグローブボックス内において封止した(シール材を素子の周囲に塗布し、封止時にUV処理および80℃にて1時間熱処理)。
≪発光素子1、発光素子2および発光素子3の発光特性≫
作製した発光素子1、発光素子2および発光素子3の発光特性について測定した。
発光素子1、発光素子2および発光素子3に25mA/cmの電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図18に示す。図18に示す通り、発光素子1の発光スペクトルは722nm付近にピークを有しており、有機金属イリジウム錯体[Ir(dmdpq)(dpm)]の発光に由来していることが示唆される。また、発光素子2の発光スペクトルは708nm付近にピークを有しており、有機金属イリジウム錯体[Ir(mdmpq)(acac)]の発光に由来していることが示唆される。また、発光素子3の発光スペクトルは702nm付近にピークを有しており、有機金属イリジウム錯体[Ir(mdiBupq)(acac)]の発光に由来していることが示唆される。
したがって、いずれの発光素子も、発光色として近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する有機金属イリジウム錯体からの発光が得られることが確認された。すなわち、本発明の一態様である有機金属イリジウム錯体を発光素子に用いることにより、発光効率が良く、長寿命であり、発光色として近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する発光素子が得られることがわかった。
(比較例)
本比較例では、キノキサリン骨格ではない骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基のいずれかである置換基を2つ有し、この2つの置換基が、イリジウムと結合したフェニル基に対して4位と6位で置換している構造とすることにより、このような置換基を有さない有機金属イリジウム錯体に比べて、発光波長(ピーク波長)を長波長側にシフトさせる効果が有効か否かについての確認を行った。
具体的には、有機金属イリジウム錯体[Ir(tBudmppm)(acac)]、すなわちピリミジン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基(メチル基)を有する構造と、有機金属イリジウム錯体[Ir(tBuppm)(acac)]、すなわちピリミジン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造、の2種類について発光スペクトルの測定を行った。測定した2種類の有機金属イリジウム錯体の構造式を下記に示す。
また、発光スペクトルの測定方法は、上述した方法と同様に蛍光光度計を用いて脱気したジクロロメタン溶液を測定した。測定結果を図19に示す。測定結果より、ピリミジン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が置換基を有さない構造である[Ir(tBuppm)(acac)]に比べて、ピリミジン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基(メチル基)を有する構造である[Ir(tBudmppm)(acac)]は、発光波長が長波長側にほとんどシフトしていないことが確認された。
したがって、本発明のキノキサリン骨格を有する有機金属イリジウム錯体が、キノキサリン骨格に結合し、かつイリジウムに結合するフェニル基が4位と6位にそれぞれ2つの置換基を有する構造であることにより、発光波長を大きく長波長シフトさせる効果があることがわかる。さらにこのことが、近赤外発光(発光波長:700nm付近)を呈する新規な有機金属イリジウム錯体を提供することを可能とした。
101 第1の電極
102 EL層
103 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
116 電荷発生層
201 陽極
202 陰極
203 EL層
204 発光層
205 燐光性化合物
206 第1の有機化合物
207 第2の有機化合物
301 第1の電極
302(1) 第1のEL層
302(2) 第2のEL層
302(n−1) 第(n−1)のEL層
302(n) 第(n)のEL層
304 第2の電極
305 電荷発生層(I)
305(1) 第1の電荷発生層(I)
305(2) 第2の電荷発生層(I)
305(n−2) 第(n−2)の電荷発生層(I)
305(n−1) 第(n−1)の電荷発生層(I)
401 素子基板
402 画素部
403 駆動回路部(ソース線駆動回路)
404a、404b 駆動回路部(ゲート線駆動回路)
405 シール材
406 封止基板
407 配線
408 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
409 nチャネル型FET
410 pチャネル型FET
411 スイッチング用FET
412 電流制御用FET
413 第1の電極(陽極)
414 絶縁物
415 EL層
416 第2の電極(陰極)
417 発光素子
418 空間
1100 基板
1101 第1の電極
1102 EL層
1103 第2の電極
1111 正孔注入層
1112 正孔輸送層
1113 発光層
1114 電子輸送層
1115 電子注入層
8001 照明装置
8002 照明装置
8003 照明装置
8004 照明装置

Claims (10)

  1. 一般式(G0)で表される構造を含む有機金属イリジウム錯体。

    (但し、一般式(G0)中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。)
  2. 一般式(G1)で表される有機金属イリジウム錯体。

    (但し、一般式(G1)中、Lは、モノアニオン性の配位子を表す。R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。)
  3. 請求項2において、
    前記モノアニオン性の配位子は、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又は2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子である有機金属イリジウム錯体。
  4. 請求項2または請求項3において、
    前記モノアニオン性の配位子は、一般式(L1)乃至(L7)のいずれか一である有機金属イリジウム錯体。

    (式中、R71〜R111は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。また、A〜Aは、それぞれ独立に、窒素、水素と結合するsp混成炭素、または置換基を有するsp炭素を表し、前記置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、炭素数1〜6のハロアルキル基、またはフェニル基を表す。)
  5. 一般式(G2)で表される有機金属イリジウム錯体。

    (但し、一般式(G2)中、R〜Rは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有するフェニル基を表す。また、R〜Rは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基を表す。)
  6. 構造式(100)で表される有機金属イリジウム錯体。
  7. 構造式(114)で表される有機金属イリジウム錯体。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の有機金属イリジウム錯体を用いた発光素子。
  9. 請求項8に記載の発光素子を用いた発光装置。
  10. 請求項9に記載の発光装置を用いた照明装置。
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