JP2015016758A - 自動二輪車 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に係る発明によれば、フロントフェンダの前部に開口を設けたものが開示されている。この開口により、フロントフェンダの走行抵抗を減少させることが可能である。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、フロントフェンダによる走行抵抗を抑えつつ、ラジエータの冷却効果を高めることができる自動二輪車を提供することを目的としている。
また、上記構成において、前記開口(37b)は、途中で上下に分離されていても良い。
また、上記構成において、正面視で前記左右のラジエータ(68L,68R)のそれぞれの内側縁(83c)と前記開口(37b)とが重なるようにしても良い。
また、上記構成において、前記ラジエータ(68L,68R)の内側縁(83c)にガイド(91)を設け、前記開口(37b)に向けて延ばすようにしても良い。
また、開口は、途中で上下に分離されているので、開口の途中を連結して開口を上下に分離することで、フロントフェンダの剛性を高めることができる。
また、ラジエータの内側縁にガイドを設け、開口に向けて延ばしたので、開口からラジエータの内側縁に流れる走行風をガイドによりラジエータに導くことができ、ラジエータに当たる走行風量を多くすることができるため、ラジエータの冷却効果をより一層高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の右側面図である。図2は、自動二輪車1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン50が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク10が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム11が車体フレームFの後部に設けられた車両である。
また、自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座するシート12が車体フレームFの前後の中央部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。更に、自動二輪車1は、砂地等の不整地の走行に適したオフロードタイプの車両であり、大きなサスペンションストロークを有するとともに、大型の燃料タンク40を備える。
図1〜図4に示すように、車体フレームFは、パイプ材及び板材を溶接等によって結合して籠状に形成される前部フレーム13と、前部フレーム13の後部に連結される樹脂製の後部フレーム14とを備えて構成される。
前部フレーム13は、前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後方へ斜め下向きに傾斜して延出する左右一対のメインフレーム16,16と、各メインフレーム16の後端から下方に延出する左右一対のピボットフレーム17,17とを備える。また、前部フレーム13は、ヘッドパイプ15の下部の後面から後下方に延出するダウンフレーム18と、ダウンフレーム18から左右に分岐して下方に延び、その後、後方へ略水平に屈曲してピボットフレーム17,17の下端に連結されるアンダーフレーム19,19とを備える。
メインフレーム16,16の後部、アンダーフレーム19,19の上部、及び、アンダーフレーム19,19の水平部の前端には、エンジン50が固定されるエンジンステー23a,23b,23cが設けられている。
ピボットフレーム17,17の下部には、スイングアーム11のピボット軸24を支持するピボット孔部17aがそれぞれ形成されている。スイングアーム11は前端をピボット軸24に揺動自在に軸支され、後輪3は、スイングアーム11の後端に軸支される。
メインフレーム16,16の後部の上面には、上方に突出する上部フレームステー16aがそれぞれ設けられている。
ピボットフレーム17,17の上下の中間部の後面には、後方に突出する下部フレームステー17bがそれぞれ形成されている。
ヘッドパイプ15の前部には、前方に突出する前部ステー28が固定され、前部ステー28には、ヘッドライト29、板状のウインドスクリーン30及びメーター類31が支持される。
燃料タンク40は、各メインフレーム16,16の左右側方に分割して配置される左右一対の前側タンク41,42と、後部フレーム14内に設けられる後側タンク43とを備える。
シート12は、前側タンク41,42の後部に連続して後方に延び、後部フレーム14の上部に支持される。
前輪2を上方から覆うフロントフェンダ37は、フロントフォーク10に固定される。後輪3を上方から覆うリヤフェンダ38は、シート12の後方で後部フレーム14に固定される。
ピボットフレーム17,17の下端には、乗員が足を載せる左右一対のステップ39,39が設けられている。左側のステップ39の前方には、シフトペダル44が設けられ、右側のステップ39の前方にはブレーキペダル45が設けられる。
図1、図2及び図5に示すように、エンジン50は、水冷式の単気筒の4サイクルエンジンであり、籠状の前部フレーム13内に支持される。エンジン50のクランクシャフト51は、車幅方向に水平に延びて配置される。エンジン50は、クランクケース52と、クランクケース52の前部の上面から上方に突出するシリンダ部50aとを備える。シリンダ部50aは、シリンダ53と、シリンダ53の上面に連結されるシリンダヘッド54と、シリンダヘッド54の動弁室を覆うヘッドカバー55とを有する。エンジン50は、シリンダ軸Cが鉛直よりも僅かに前傾して設けられており、シリンダ53内には、コンロッド56aを介してクランクシャフト51に連結されるピストン56が設けられている。
ヘッドカバー55の上部は、側面視において補強フレーム20の下縁に重なる。
エンジン50は、上記エンジンステー23a,23b,23cの他、クランクケース52の後部の固定部52aにピボット軸24が挿通されることによっても前部フレーム13に支持されている。
出力軸59は、クランクケース52の後部から左側方に突出し、出力軸59の軸端には、ドライブスプロケット63(図2)が固定される。エンジン50の出力は、ドライブスプロケット63と後輪3のドリブンスプロケット64との間に掛け渡される駆動チェーン65を介して後輪3に伝達される。ドライブスプロケット63はスプロケットカバー(不図示)で覆われる。
エンジン50の冷却水が循環する板状のラジエータ68L,68Rは、ダウンフレーム18と左右のシュラウド33,33との間に一対設けられている。
前側タンク41,42は、シュラウド33,33と後部フレーム14との間に延在するとともに、メインフレーム16,16の外側方から下方に延び、シリンダ部50a及びクランクケース52の前部の側方までを覆う大きさを有する。
エアクリーナ71は、前側タンク41,42の後方に連続して設けられるとともに、リアサスペンションユニット26の上方に位置する。本実施の形態では、エアクリーナ71、コネクティングチューブ73及びスロットルボディ72が、エンジン50側に前下方へ直線状に配置されることで吸気抵抗が低減されており、吸気効率が高い。
前側タンク41,42及び後側タンク43の燃料は統合されて燃料ポンプ76に吸引され、燃料ポンプ76からインジェクター75a,75bへ吐出される。
燃料ポンプ76は、筒状に形成されており、クランクケース52の後部の上方且つリアサスペンションユニット26の前方で前傾して配置されている。
後部フレーム14の下部には、後輪3の前方へ下方に延びる泥除け80が取り付けられている。
フロントフォーク10の高さ方向の中間部にフロントフェンダ37が固定され、フロントフェンダ37の後部は、両側方からシュラウド33で覆われている。フロントフェンダ37の後方には左右一対のラジエータ68L,68R(手前側のラジエータ68Rのみ図示)が配置されている。
ラジエータ68L,68Rは、アッパタンク81と、ロアタンク82と、アッパタンク81及びロアタンク82の間に配置されたコア83とからなる。アッパタンク81及びロアタンク82は、エンジン50にラジエータホースを介して接続されている。コア83は、冷却水を流すためにアッパタンク81、ロアタンク82間を接続する複数の管と、各管間に設けられた放熱用のフィンとを備える。
ラジエータ68L,68Rは、エンジン50のシリンダ部50aの前方に配置され、ラジエータ68L,68Rの側方は、大部分がシュラウド33で覆われ、シュラウド33と前側タンク41,42との隙間86からわずかに外部に露出している。
フロントフォーク10を構成する左右一対のフォークアッシ10L,10Rは、スプリング及びダンパを備えたテレスコピック型の組立体であり、フォークアッシ10L,10Rの下端で前輪2を支持している。フォークアッシ10L,10Rの下端部には、それぞれ樹脂製のフォークカバー36L,36Rが取付けられ、フォークアッシ10L,10Rの下部を前方及び側方から保護する。
フロントフェンダ37は、左右のフォークアッシ10L,10Lの間に配置され、左右のフォークアッシ10L,10Lを連結するトップブリッジ(不図示)及びボトムブリッジ88のうち、ボトムブリッジ88に固定されている。
このように、本実施形態では、フロントフェンダ37の開口37b及びフォークカバー36L,36Rの上側面36gによって、フォークアッシ10L,10Rのそれぞれの車幅方向内側と車幅方向外側とから走行風をラジエータ68L,68Rに積極的に導くことができ、ラジエータ68L,68Rの冷却効果をより一層高めることができる。しかも、冷却効果向上のために特別な部品を必要とせず、既存の部品を利用するため、コストを抑えることができる。
図8(A),(B)に示すように、フロントフェンダ37は、前端部が尖った形状を有するとともに前後方向に延びる前部37gと、ほぼ上下方向に延びる後部37hと、前部37g及び後部37hを連結するくびれ部37jとが一体に形成され、フロントフェンダ37の全体として、側面視がほぼ円弧形状に形成されている。
フロントフェンダ37の前部37gは、前輪2(図6参照)の上方を覆い、後部37hは、前輪2の上方斜め後方を覆う。くびれ部37jは、上部窪み部37k及び左右の側部窪み部37m,37nからなる。上部窪み部37kは、ボトムブリッジ88(図7参照)に固定される部分である。側部窪み部37m,37nは、左右のフォークアッシ10L,10R(図7参照)との干渉を避ける部分である。
後部37hには、その縁に近い位置に、平面視ではほぼ前後方向に延び、側面視ではほぼ円弧状の後面37pに沿うように、左右一対の開口37b,37bが開けられている。
図9は、フロントフェンダ37の上開口37dの作用を示す作用図であり、図6に示したIX−IX線断面を示している。なお、図9については、図11に示す比較例と共に説明する。
図9に示すように、車両が走行中、矢印A,Aで示すように、フロントフォーク10の左右のフォークアッシ10L,10Rの内側を車両後方へ流れる走行風は、矢印B,Bで示すように、フロントフェンダ37の上開口37dを通り、更にラジエータ68L,68Rにおける内側縁83c,83cの車幅方向外側を通過する。この結果、ラジエータ68L,68Rからの放熱が促され、冷却効果が高まる。
図9に戻って、矢印E,Eで示すようにフロントフォーク10の車幅方向外側を流れる走行風は、矢印C2,C2に示した風の流れが無いので邪魔されず、走行風をラジエータ68L,68Rに導ける。従って、上開口37dを設けた場合の走行抵抗の低減効果は大きい。
なお、図中の符号91,92はラジエータ68L,68Rのコア83の内側縁83c及び外側縁83dにそれぞれ設けられたガイドプレートであり、コア83への走行風の導入を促す。ガイドプレート91は、開口37bに向けて延びる、あるいは、開口37bより車幅方向内側に向けて延びている。ガイドプレート92は、前方斜め外側方に向けて延びている。
車両が走行中、矢印G,Gで示すように、フロントフォーク10の左右のフォークアッシ10L,10Rの内側を車両後方へ流れる走行風は、矢印H,Hで示すように、フロントフェンダ37の下開口37eを通過し、更に、ラジエータ68L,68Rの内端縁に設けられたガイドプレート91,91にガイドされて、ラジエータ68L,68R内を通過する。この結果、ラジエータ68L,68Rからの放熱が促され、冷却効果が高まる。
また、フロントフェンダ37に、複数の開口(上開口37d及び下開口37e)を上下に並べて設けることで、上方に配置された上開口37dでは走行抵抗低減効果が大きくなり、下方に配置された下開口37eでは走行抵抗低減効果が小さくなる。従って、複数の開口の上下位置や、上下方向に並べられた複数の開口の数により走行抵抗を調整することが可能になる。
また、開口37bは、途中で上下に分離されているので、開口37bの途中を連結して開口37bを上下に分離することで、フロントフェンダ37の剛性を高めることができる。
また、ラジエータ68L,68Rの内側縁83c,83cにガイドとしてのガイドプレート91をそれぞれ設け、開口37bに向けて延ばしたので、開口37bからラジエータ68L,68Rの内側縁83c,83cに流れる走行風をガイドプレート91,91によりラジエータ68L,68Rに導くことができ、ラジエータ68L,68Rに当たる走行風量を多くすることができるため、ラジエータ68L,68Rの冷却効果をより一層高めることができる。
例えば、上記実施形態において、図7に示したように、開口37bを上下に二分割したが、これに限らず、開口を上下に更に多く分割しても良い。
また、本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
2 前輪
10 フロントフォーク
10L,10R フォークアッシ
15 ヘッドパイプ
16 メインフレーム
37 フロントフェンダ
37b 開口
50 エンジン
68L,68R ラジエータ
83c 内側縁
88 ボトムブリッジ(ブリッジ)
91,92 ガイドプレート(ガイド)
Claims (5)
- ヘッドパイプ(15)から後下方に延びるメインフレーム(16)と、
シリンダ軸線が上下方向に延び、前記メインフレーム(16)の下方に配置されたエンジン(50)と、
前記エンジン(50)の前方に設けられるラジエータ(68L,68R)と、
前記ヘッドパイプ(15)に回動可能に支持されるステアリング軸に支持されるフロントフォーク(10)と、
前記フロントフォーク(10)を構成する左右のフォークアッシ(10L,10R)の中間部を連結するブリッジ(88)と、
前記ブリッジ(88)の下方であって前記左右のフォークアッシ(10L,10R)間に設けられて前輪(2)を上方から覆うフロントフェンダ(37)と、
を備える自動二輪車であって、
前記ラジエータ(68L,68R)は、左右に一対設けられ、
正面視で前記左右のラジエータ(68L,68R)のそれぞれの内側縁(83c)と前記フロントフェンダ(37)とが重なり、前記フロントフェンダ(37)の後部に上下方向に延びる左右一対の開口(37b)を設けたことを特徴とする自動二輪車。 - 前記開口(37b)は、前記ラジエータ(68L,68R)の上下幅内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記開口(37b)は、途中で上下に分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車。
- 正面視で前記左右のラジエータ(68L,68R)のそれぞれの内側縁(83c)と前記開口(37b)とが重なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自動二輪車。
- 前記ラジエータ(68L,68R)の内側縁(83c)にガイド(91)を設け、前記開口(37b)に向けて延ばしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動二輪車。
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