JP2017109673A - 鞍乗型車両のカウル構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体フレームの側方を覆う左右のミドルカウル40と、運転者の膝で挟まれるニーグリップ部T1を有する燃料タンクTの下方に配置されたエンジンEの前側において、車両側面視で左右のミドルカウル40に覆われ左右のミドルカウル40間の前面開口から走行風を取り入れて後方へ排出するラジエータRとを備え、ミドルカウル40は、車幅方向内側に配置されるインナーミドルカウル50と、車幅方向外側に配置されるアウターミドルカウル60とを備え、インナーミドルカウル50は、ラジエータRの側方においてアウターミドルカウル60側に向けて開口する開口部51と、アウターミドルカウル60との間で、開口部51から後方へ向かってラジエータRからの排風A2の車外への風路Dを形成する風路形成部52とを備えている。
【選択図】図4
Description
運転者が跨がるシート(15)の前方にあって、運転者の膝で挟まれるニーグリップ部を有する燃料タンク(56)と、
この燃料タンク(56)の下方に配置されたエンジン(13)と、
このエンジン(13)の前側において、車両側面視(図1)で左右のミドルカウル(78(L,R))に覆われ、車両前面視(図2)で、左右のミドルカウル(78(L,R))の間に配置され、左右のミドルカウル間の前面開口(112)から走行風を取り入れて後方へ排出することでエンジン(13)の熱を放出するラジエータ(51)と、を備えた鞍乗型車両が知られている。
同公報0044段落および図7に記載されているように、ラジエータ空気取入口112で取り入れた走行風の多くは、ラジエータユニット51を通過してラジエータユニット51を冷却するが、その一部は、ミドルカウル78L、78Rとこれらのミドルカウル78L、78Rの後部に設けたレイヤカウル123L、123Rとの間で形成される別開口138L、138Rを通って、車両の外部に流れる。
しかし鞍乗り型車両の構造によっては、ラジエータを通過した排風についてもラジエータの側方から車外へ排出させたい場合がある。
このような場合、上述した従来のカウル構造では、別開口138L、138Rがラジエータ51の左右後方に設けられているだけであり、ラジエータ51の側方を覆うミドルカウル(78(L,R))には開口が設けられていないから、ラジエータ51を通過した排風をラジエータ51の側方から車外へ効率よく排出することは困難である。
車体フレームの前方を覆うフロントカウルと、車体フレームの側方を覆う左右のミドルカウルと、
運転者が跨がるシートの前方にあって、運転者の膝で挟まれるニーグリップ部を有するニーグリップ部材と、
このニーグリップ部材の下方に配置されたエンジンと、
このエンジンの前側において、車両側面視で前記左右のミドルカウルに覆われ、車両前面視で、左右のミドルカウルの間に配置され、左右のミドルカウル間の前面開口から走行風を取り入れて後方へ排出することで前記エンジンの熱を放出するラジエータと、
を備えた鞍乗型車両において、
前記ミドルカウルは、車幅方向内側に配置されるインナーミドルカウルと、車幅方向外側に配置されるアウターミドルカウルとを備え、
前記インナーミドルカウルは、前記ラジエータの側方においてアウターミドルカウル側に向けて開口する開口部と、アウターミドルカウルとの間で、前記開口部から後方へ向かって前記ラジエータからの排風の車外への風路を形成する風路形成部とを備えていることを特徴とする。
この鞍乗型車両のカウル構造によれば、ラジエータの側方を覆うインナーミドルカウルのラジエータ側方にアウターミドルカウル側に向けて開口部が設けられており、さらに、この開口部から後方へ向かってラジエータからの排風の車外への風路がインナーミドルカウルとアウターミドルカウルとの間で風路形成部によって形成されるので、ラジエータを通過した排風がインナーミドルカウルの開口部からインナーミドルカウルとアウターミドルカウルとの間に形成された風路を通じて、車外へと効率よく排出されることとなる。
すなわち、この鞍乗型車両のカウル構造によれば、ラジエータを通過した排風をラジエータの側方から車外へ効率よく排出することができる。
前記インナーミドルカウルの開口部および風路形成部は全て、車両側面視で前記アウターミドルカウルで覆われている構成とすることができる。
このように構成すると、インナーミドルカウルの開口部からインナーミドルカウルとアウターミドルカウルとの間において風路形成部とアウターミドルカウルとの間で形成される風路をアウターミドルカウルの端部まで効率的に形成することが可能となるため、ラジエータからの排風をより効率よく排出することが可能となる。また、側面視で風路形成部が見えなくなるため、外観性が向上する。
前記インナーミドルカウルは、少なくとも前記風路形成部の後方上部において、前記ニーグリップ部材まで延びている構成とすることができる。
仮に、風路形成部の後方上部において、インナーミドルカウルとニーグリップ部材との間に隙間があったとすると、前記風路から車外へと排出された排風がインナーミドルカウルとニーグリップ部材との間の隙間を通って再び車内へと流れ込むおそれがある。
これに対し、少なくとも前記風路形成部の後方上部において、インナーミドルカウルがニーグリップ部材まで延びている構成とすると、前記風路から車外へと排出された排風が再び車内へ流れ込むという事態が生じにくくなる。
前記インナーミドルカウルは、前記風路形成部と前記ニーグリップ部との間において、風路形成部からニーグリップ部に向かうにつれて、車幅方向外側に向かって張り出す張出部を有している構成とすることができる。
このように構成すると、前記風路からニーグリップ部へ向かって流れることのある排風が、上記張出部によって車幅方向外側へと案内されるので、運転者の脚部から離れるように流れやすくなる
前記ミドルカウルは、前記開口部とは別に、側面視で前記ラジエータ近くから後方に向かって斜め上方に延びてラジエータからの排風を車外に排出するスリット状の開口を有し、前記インナーミドルカウルに隣接配置されてアウターミドルカウルとの間で前記スリット状開口を形成する第3のカウルをさらに備えている構成とすることができる。
このように構成すると、上記スリット状開口からも排風が排出されることとなるので、ラジエータを通過した排風をラジエータの側方から車外へ一層効率よく排出することができる。
しかも、そのスリット状開口は、アウターミドルカウルと、これに隣接配置された第3のカウルとで形成することができる。つまり、スリット状開口は、アウターミドルカウルの縁部と第3のカウルの縁部とで形成することができるため、スリット状開口が設けられたカウルを別途用意する必要が無い。
前記インナーミドルカウルは、前記スリット状開口の後端部において、ラジエータからの排風を車幅方向外側へ向けて案内するガイド面を有している構成とすることができる。
このように構成すると、スリット状開口を通じた車外への排風の排出効率を高めることができるとともに、排風を運転者の脚から離れる方向へ導くことができる。
ニーグリップ部材Tの下方に水冷式のエンジンEが配置され、エンジンEの前側にラジエータRが配置されている。
メインフレーム12の後部に、ピボット12pでスイングアーム13が揺動可能に設けられ、このスイングアーム13の後端に、エンジンEで駆動される後輪WRが支持されている。
メインフレーム12の後部下部には運転者が足を載せるステップSTが設けられている。
31は、エンジンEエンジン下方を覆うロアカウル、32は、ヘッドライトHLの前側下方にライセンスプレート(図示せず)を支持するプレート部33を有するライセンスプレートステイである。
すなわち、この鞍乗型車両のカウル構造によれば、ラジエータRを通過した排風A2をラジエータRの側方から車外へ効率よく排出することができる。
主として図4,図5に示すように、風路形成部52は、側面視において開口部51を横切るように、前方から後方へ向けて斜め上方に向かうフィン状に形成されている。
このように構成すると、インナーミドルカウル50の開口部51からインナーミドルカウル50とアウターミドルカウル60との間において風路形成部52とアウターミドルカウル60との間で形成される疑似ダクト状の風路Dをアウターミドルカウル60の端部61まで効率的に形成することが可能となるため、ラジエータRからの排風A2をより効率よく排出することが可能となる。また、側面視で風路形成部52が見えなくなるため、外観がすっきりして外観性が向上する。
仮に、風路形成部52の後方上部において、インナーミドルカウル50とニーグリップ部材Tとの間に隙間があったとすると、風路Dから車外へと排出された排風A2がインナーミドルカウル50とニーグリップ部材Tとの間のその隙間を通って再び車内へと流れ込むおそれがある。
これに対し、少なくとも風路形成部52の後方上部において、インナーミドルカウル50がニーグリップ部材Tまで延びている構成とすると、風路Dから車外へと排出された排風A2が再び車内へ流れ込むという事態が生じにくくなる。
図4において、仮想線T2で示す領域がインナーミドルカウル50の上辺とニーグリップ部材Tとの接合(当接または近接を含む)領域である。
このように構成すると、風路Dからニーグリップ部へ向かって流れることのある排風A2が、張出部53によって車幅方向外側へと案内されるので(図6矢印A2参照)、運転者の脚部から離れるように流れやすくなる
しかも、そのスリット状開口42は、アウターミドルカウル60と、これに隣接配置された第3のカウル70とで形成することができる。つまり、スリット状開口42は、アウターミドルカウル60の縁部と第3のカウル70の縁部とで形成することができるため、スリット状開口が設けられたカウルを別途用意する必要が無い。
スリット状開口42はラジエータRの下部後方に対向する位置に形成されているため、ラジエータRの下部からの排風A2を効率よく排出することができる。
このように構成すると、スリット状開口42を通じた車外への排風A2の排出効率を高めることができるとともに、排風A2を運転者の脚から離れる方向へ導くことができる。
すなわち、ミドルカウル40を構成するこれらインナーミドルカウル50、アウターミドルカウル60、および第3のカウル70は、相互に適所が結合されていると共に車体フレーム10に固定されることで、車両側面を覆っている。
Claims (6)
- 車体フレーム(10)の前方を覆うフロントカウル(30)と、車体フレーム(10)の側方を覆う左右のミドルカウル(40)と、
運転者が跨がるシート(S)の前方にあって、運転者の膝で挟まれるニーグリップ部(T1)を有するニーグリップ部材(T)と、
このニーグリップ部材(T)の下方に配置されたエンジン(E)と、
このエンジン(E)の前側において、車両側面視で前記左右のミドルカウル(40)に覆われ、車両前面視で、左右のミドルカウル(40)の間に配置され、左右のミドルカウル(40)間の前面開口(41)から走行風(A1)を取り入れて後方へ排出することで前記エンジン(E)の熱を放出するラジエータ(R)と、
を備えた鞍乗型車両において、
前記ミドルカウル(40)は、車幅方向内側に配置されるインナーミドルカウル(50)と、車幅方向外側に配置されるアウターミドルカウル(60)とを備え、
前記インナーミドルカウル(50)は、前記ラジエータ(R)の側方においてアウターミドルカウル(60)側に向けて開口する開口部(51)と、アウターミドルカウル(60)との間で、前記開口部(51)から後方へ向かって前記ラジエータ(R)からの排風(A2)の車外への風路(D)を形成する風路形成部(52)とを備えていることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。 - 請求項1において、
前記インナーミドルカウル(50)の開口部(51)および風路形成部(52)は全て、車両側面視で前記アウターミドルカウル(60)で覆われていることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。 - 請求項1または2において、
前記インナーミドルカウル(50)は、少なくとも前記風路形成部(52)の後方上部において、前記ニーグリップ部材(T)まで延びていることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。 - 請求項1〜3のうちいずれか一項において、
前記インナーミドルカウル(50)は、前記風路形成部(52)と前記ニーグリップ部(T1)との間において、風路形成部(52)からニーグリップ部(T1)に向かうにつれて、車幅方向外側に向かって張り出す張出部(53)を有していることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。 - 請求項1〜4のうちいずれか一項において、
前記ミドルカウル(40)は、前記開口部(51)とは別に、側面視で前記ラジエータ(R)近くから後方に向かって斜め上方に延びてラジエータ(R)からの排風(A2)を車外に排出するスリット状の開口(42)を有し、前記インナーミドルカウル(50)に隣接配置されて前記アウターミドルカウル(60)との間で前記スリット状開口(42)を形成する第3のカウル(70)をさらに備えていることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。 - 請求項1〜5のうちいずれか一項において、
前記インナーミドルカウル(50)は、前記スリット状開口(42)の後端部において、ラジエータ(R)からの排風(A2)を車幅方向外側へ向けて案内するガイド面(54)を有していることを特徴とする鞍乗型車両のカウル構造。
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