JP2015016564A - 樹脂型及び樹脂型の製造方法 - Google Patents

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【課題】樹脂型の表面の摩耗を抑制することができるとともに、寸法精度の高い模様を建築材に形成することができる樹脂型を提供する。【解決手段】型本体2に凸部4を設けて形成された樹脂型1に関する。型本体2の少なくとも前記凸部4の先端面4aに、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が70〜83であり、かつ型本体2よりも硬度が低い低硬度層3が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築材に模様付けをするために使用される樹脂型及び樹脂型の製造方法に関するものである。
建築用の外壁材や屋根材などの建築材の表面に、凹凸模様を形成する方法の一つとして、セメントなどの無機質材料を主成分とするグリーンシートをプレス成形する方法がある。プレス成形に用いられるプレス成形型は、樹脂製の樹脂型と金属製の金属型とに大別される。
金属型は、樹脂型に比べて、耐久性が高いが、製作に時間がかかる。また、金属型は、修正が難しく、模様変更がしにくい。一方、樹脂型は、金属型に比べて、耐久性は低いが、製作にあまり時間がかからない。また、樹脂型は、修正が容易であり、模様変更がしやすい。そこで、本生産段階では金属型を用い、試作段階では樹脂型が用いられることが多い。しかし、樹脂型は、金属型に比べて、耐久性が低く、プレス成形時に建築材との摩擦により、特に凸部が摩耗しやすいという問題がある。その結果、樹脂型を用いた試作段階と、金属型を用いた本生産段階とで、建築材の模様に差異が発生し、寸法精度が悪くなる。つまり、樹脂型は、金属型に比べ、型寿命が短い。
そこで、耐久性が高い樹脂型が検討されている。
例えば、セメント製品成形用の樹脂型として、下型の本体部の表面部分が、本体部よりも硬質の材料で構成されている樹脂型が提案されている(特許文献1参照)。しかし、表面に硬質の材料を用いると、プレス成形時に表面に割れや欠けが発生する。
また、樹脂型の表面に、発砲ウレタンやシリコーンゴムなどの弾性体層を設けている樹脂型も提案されている(特許文献2参照)。しかし、表面に弾性体層を設けた樹脂型では、プレス成形時の面圧により樹脂型の模様が変形し、金属型との模様の差異が大きく、寸法精度が悪くなる。
特開平8−72043号公報 特開平8−142027号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、樹脂型の表面の摩耗を抑制し、プレス成形時の表面の割れや欠けの発生を抑制することができるとともに、寸法精度の高い模様を建築材に形成することができる樹脂型を提供し、またこの樹脂型の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る樹脂型は、型本体に凸部を設けて形成された樹脂型であって、前記型本体の少なくとも前記凸部の先端面に、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が70〜83であり、かつ前記型本体よりも硬度が低い低硬度層が形成されていることを特徴とするものである。
前記樹脂型において、前記型本体の、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が、85〜95であることが好ましい。
前記樹脂型において、前記型本体の表面全体に前記低硬度層が形成されていることが好ましい。
本発明に係る樹脂型の製造方法は、型本体の表面に、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が70〜83であり、かつ前記型本体よりも硬度が低い低硬度層を形成した後、前記低硬度層を形成した型本体を切削加工することにより、先端面に低硬度層を有する凸部を設けることを特徴とするものである。
本発明によれば、樹脂型の表面の摩耗が抑制され、プレス成形時の表面の割れや欠けの発生が抑制され、樹脂型の寿命を長くすることができるとともに、寸法精度の高い模様を建築材に形成することができる。
本発明に係る樹脂型の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 本発明に係る樹脂型の一例を示す平面図である。 本発明に係る樹脂型の製造方法の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 本発明に係る樹脂型の製造方法のその他の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 本発明に係る樹脂型の製造方法のその他の一例を示すものであり、(a)〜(e)は断面図である。 樹脂型でグリーンシートをプレス成形する方法の一例を示すものであり、(a)、(b)は断面図、(c)は(b)の一部であるAを拡大した断面図である。 テーバー摩耗試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る樹脂型1は、セメントなどの無機質材料を主成分とするグリーンシートをプレス成形する際のプレス成形用の型である。
図1は、樹脂型1の一例を示す断面図である。図1のように樹脂型1は、型本体2と、型本体2の表面に低硬度層3とを有する。型本体2は、建築用の外壁材や屋根材などの建築材に転写する模様に合わせた凸部4と凹部5とを有する。凸部4は、先端面4aと側面4bとで構成される。凹部5は、底面5aと凸部4の側面4bとで構成される。断面視の凸部4及び凹部5の形状は、図1のようにほぼ台形であっても、長方形や他の形状であってもよい。底面5aは、図1のように平坦であっても、凹凸を有していてもよいし、他の形状であってもよい。また、断面視の凸部4の高さや形状が、図1のように全て同一であっても、高さや形状が異なる凸部4が混在していてもよい。同様に、断面視の凹部5の高さや形状も、図1のように全て同一であっても、高さや形状が異なる凹部5が混在していてもよい。型本体2の断面視の凸部4の高さは、特に限定されないが、例えば1〜8mmにすることができる。
図2は、樹脂型1の一例を示す平面図である。平面視の凹部5の形状は、図2のように四角形であっても、円形や多角形であっても、複雑な形状であってもよい。また、凸部4と凹部5は、平面視で、図2のように格子状の模様を形成していても、千鳥状の模様を形成していても、不規則な模様を形成していてもよい。また、平面視の凹部5の形状や大きさは、図2のように全て同一であっても、形状や大きさの異なる凹部5が混在していてもよい。樹脂型1で建築材をプレス成形した際に、樹脂型1の凹部5の模様が建築材の凸部の模様として転写され、樹脂型1の凸部4が建築材の凸部の模様の間の目地として転写される(図6参照)。
型本体2は、樹脂と硬化剤を含有する樹脂組成物で形成することができる。
型本体2に用いる樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。そのなかでも、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。型本体2に、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂を用いると、型本体2の切削加工性がより高く、プレス型としての強度(耐クラック性等)を有しやすく、またセメントなどの無機質材料を主成分とするグリーンシートをプレス成形する際、型本体2へ材料が付着しにくくなる。
型本体2を形成する樹脂組成物は、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、切削性向上材や、材料付着防止材、硬化時間調整剤等が挙げられる。
型本体2の硬度は、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が85〜95であることが好ましい。以下、特に断らない限り、硬度とは、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度を意味する。型本体2の硬度が、85以上であると、変形しにくく、寸法精度をより高くすることができる。また、切削加工で樹脂型1を製造する際には、バリが発生しにくく、切削されやすくなる。型本体2の硬度が、95以下であると、プレス成形時に表面に割れや欠けが発生しにくい。型本体2の硬度は、85〜90であることがさらに好ましい。なお、本発明において、樹脂型1の寸法精度が高いとは、樹脂型1を用いて建築材にプレス成形で模様を転写した場合に、樹脂型1と同一形状の金属型を用いて模様を転写した場合と比較して、模様の差異が5〜10%程度であり、差異がほとんどないことを意味する。
低硬度層3は、樹脂と硬化剤を含有する樹脂組成物で形成することができる。
低硬度層3に用いる樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。そのなかでも、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂を用いることが好ましい。ウレタン樹脂やエポキシ樹脂は、切削加工性がより高く、プレス型としての強度(耐クラック性等)を有しやすく、またセメントなどの無機質材料を主成分とするグリーンシートをプレス成形する際、低硬度層3へ材料が付着しにくくなる。
低硬度層3を構成する樹脂組成物は、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、切削性向上材や、材料付着防止材、硬化時間調整剤等が挙げられる。
低硬度層3は、凸部4の少なくとも先端面4aに形成されている。低硬度層3が凸部4の少なくとも先端面4aに形成されている状態とは、図1(a)のように低硬度層3が凸部4の先端面4aのみに形成されている状態、図1(b)のように低硬度層3が凸部4の表面全体、つまり凸部4の先端面4a及び両側の側面4bに形成されている状態、図1(c)のように低硬度層3が型本体2の表面全体、つまり凸部4の先端面4a、側面4b及び底面5aに形成されている状態も含む。
低硬度層3は、硬度が70〜83である。低硬度層3の硬度が70よりも低いと、樹脂型1が変形しやすく、寸法精度が低くなる。また、切削加工で樹脂型1を製造する際には、バリが発生し、切削されにくくなり、加工が困難になる。また、低硬度層3の硬度が83より高いと、摩耗が増加すると共に、プレス成形時に表面に割れや欠けが発生する。低硬度層3の硬度は、75〜83であることがさらに好ましい。低硬度層3の硬度が、75〜83であると、樹脂型1の摩耗をさらに低減でき、樹脂型1の寿命をさらに延ばすことができる。樹脂型1を試作段階で用いる場合、樹脂型1の寿命が延びることで、本生産の初期段階でも樹脂型1を使用することが可能になる。本生産の初期段階で、樹脂型1を使用することができれば、本生産段階で用いる金属型の製作期間を長く設けることができる。また、少量生産品(例えば、約5万ショット以下)であれば、樹脂型1で本生産を完了することができ、金属型の費用を抑制することもできる。
さらに、低硬度層3は、型本体2よりも硬度が低い。型本体2の硬度が、低硬度層3の硬度以下であると、成形される建築材の模様が浅くなり、寸法精度が低くなる。また、切削加工で樹脂型1を製造する際には、バリが発生し、切削されにくくなる。
低硬度層3の厚さは、0.5〜3mmが好ましい。低硬度層3の厚みが、0.5mm以上であると、摩耗を抑制しやすくなる。低硬度層3の厚みが、3mm以下であると、低硬度層3を型本体2の凸部4に沿った層にしやすく、寸法精度をより高くすることができる。低硬度層3の厚さは、1〜2mmであることがさらに好ましい。
樹脂型1は、図1(c)のように型本体2の表面全体、つまり凸部4の先端面4a、側面4b及び凹部5の底面5aに低硬度層3が形成されていることが好ましい。低硬度層3が、型本体2の表面全体に形成されていると、凸部4だけでなく型本体2全体の摩耗を抑制することができ、樹脂型1の寿命をより長くすることができる。ただし、この樹脂型は、凹形状マスター型に樹脂を流し込む方法で製作され、樹脂型表面や内部の気泡や、低硬度層3と型本体2間での剥離が発生する場合がある。
次に、本発明に係る樹脂型1の製造方法を説明する。
図3は、図1(a)の樹脂型1を製造する方法の一例である。
まず、図3(a)のように、型本体2を構成する樹脂組成物を硬化して平板状の樹脂板6を作製する。次に、図3(b)のように、樹脂板6の一方の表面に、低硬度層3を形成する。樹脂板6の表面に低硬度層3を形成する方法として、例えば、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物を塗布した後、硬化させる方法がある。または、低硬度層3を構成する樹脂組成物をシート状に加工した樹脂シートを、樹脂板6の表面に接着または融着してもよい。次に、図3(c)のように、樹脂板6の表面に低硬度層3を形成した後、切削加工することにより、型本体2に凸部4を形成すると共に、凸部4の先端面4aに低硬度層3を形成した樹脂型1を得ることができる。このように、異なる硬度、材質の型素材を平面形状で一体成型したのちに凸形状を切削加工することで、得られた樹脂型1の表面や内部に気泡を含有せず、また、低硬度層3と型本体2などの異なる樹脂間での剥離を防ぎやすくなる。
図4は、図1(a)の樹脂型1を製造する方法のその他の一例である。
まず、図4(a)のように、型本体2を構成する樹脂組成物を硬化して平板状の樹脂板6を作製する。次に、図4(b)のように、樹脂板6を切削加工して、凸部4を有する型本体2を形成する。次に、図4(c)のように、凸部4の少なくとも先端面4aに、低硬度層3を形成する。凸部4の少なくとも先端面4aに低硬度層3を形成する方法として、例えば、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物を塗布した後、硬化させる方法がある。または、低硬度層3を構成する樹脂組成物をシート状に加工した樹脂シートを、凸部4の少なくとも先端面4aに接着または融着してもよい。図1(b)、(c)の樹脂型1も、図4と同様の方法で製造することができる。
図5は、図1(c)の樹脂型1を製造する方法のその他の一例である。まず、図5(a)のように、型本体2のマスター型7を用意する。マスター型7は、上型7aと下型7bとで構成され、上型7a及び下型7bのどちらか一方が、樹脂型1の型本体2の凹凸部を形成するための凹凸部を有する。図5では、上型7aが平面であり、下型7bが凹凸部を有するが、上型7aが凹凸部を有し、下型7bが平面であってもよい。凹凸部を有するマスター型7bは、例えばシリコンやウレタン樹脂などで作成でき、平面であるマスター型7aは、金属材料などで作成できる。次に、図5(b)のように、マスター型7のキャビティ8に、型本体2を構成する未硬化の樹脂組成物9を流し入れ、硬化させる。そして、図5(c)のように、樹脂組成物9を硬化して得られた型本体2を、マスター型7bから脱型した後、低硬度層3のマスター型10を所定の位置に設置する。マスター型10は、樹脂型1の低硬度層3の凹凸部を形成するための凹凸部を有する。マスター型10も、凹凸部を有するマスター型7bと同様に、シリコンやウレタン樹脂などで作成できる。型本体2とマスター型10の間には、形成したい低硬度層3の厚みと同一の厚みの空間11を設ける。図5(d)のように、空間11に、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物12を流し入れ、硬化させる。樹脂組成物12が硬化した後、マスター型7a、10から脱型すると、図5(e)の樹脂型1を得ることができる。
または、図1(c)の樹脂型1を製造するその他の一例は、まず、図5のようなマスター型7a及びマスター型10を用意し、マスター型10に形成したい厚みの低硬度層3を塗布し、硬化させる。そして、硬化した低硬度層3を有する状態のマスター型10とマスター型7aのキャビティに、型本体2を構成する未硬化の樹脂組成物9を流し入れ、硬化させたのち、マスター型7a、10から脱型すると、図1(c)の樹脂型1を得ることできる。
ここで、図3で示したような、凹形状マスター型に樹脂を流し込んで樹脂型1を製造する方法は、図5で示したような樹脂型1の製造方法に比べて、得られた樹脂型1の表面や内部に気泡を含有しにくく、また、樹脂型1の内部で剥離が発生しにくくなる。
本発明の効果を損なわないのであれば、樹脂型1の表面に、建築材の脱型性を高めるコーティング層を形成しても良い。コーティング層は、例えば、建築材の脱型性を高める薬剤を塗布することで形成することができる。
図6は、上記のようにして製造された樹脂型1でグリーンシート13をプレス成形する方法の一例である。
樹脂型1を用いて、セメントなどの無機質材料を主成分とするグリーンシート13をプレス成形する。グリーンシート13は、セメントなどの未硬化の無機質材料を主成分としたスラリーから、抄造法や押出法を用いて形成される。
まず、図6(a)のように、プレス成型機14に樹脂型1を取り付け、プレス成型機14の下に、グリーンシート13を設置台15に設置する。次に、所定の条件でプレス成形し、図6(b)のように、樹脂型1の凹凸模様が転写されたグリーンシート13を形成し、このグリーンシート13を養生・硬化することで建築材を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
日本ポリウレタン工業社製の複数のポリウレタン樹脂を割合を変えて混合して硬度を調整し表1のaからgの樹脂を得た。また、セメダイン社製のEP106NLをhの樹脂として用いた。a〜hの樹脂を用いて、A〜Hの樹脂組成物を得た。
以下の硬度は、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度である。
Figure 2015016564
樹脂組成物A〜Hの硬化物の耐摩耗性を評価した。
耐摩耗性の評価は、JIS K 7204に準じて、テーバー摩耗試験機(TABER社製 MODEL174)を用いて行った。テーバー摩耗試験は、摩耗輪(CS10F)を用い、荷重500g、60回転/分の条件で行った。
表1の樹脂組成物A〜Hの硬化物の円板状サンプル(直径100mm、厚さ5mm)を製造し、得られたサンプルのテーバー摩耗試験前と試験後のそれぞれの体積(cm)を測定し、その差である摩耗体積(cm)を算出した。その結果を図7に示す。
(実施例及び比較例)
樹脂組成物A〜Hから、低硬度層3及び型本体2を形成する樹脂組成物を選択し、図1(a)〜(c)の形状の樹脂型1を製造した。低硬度層3及び型本体2を形成する樹脂組成物の組み合わせ、及び樹脂型1の形状は、表2に示す。
Figure 2015016564
実施例1、5、比較例2では、次のようにして樹脂型1を製造した。まず、図3(a)のように、型本体2を構成する樹脂組成物を硬化して厚さ5mmの平板状の樹脂板6を作製した。次に、図3(b)のように、樹脂型6の一方の表面に、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物を塗布した後、硬化させ、厚さ1mmの低硬度層3を形成した。次に、図3(c)のように、樹脂板6の表面に低硬度層3を形成した後、NCルーターで切削加工した。切削加工により、型本体2に断面視の高さ3mmの凸部4を形成すると共に、凸部4の先端面4aに低硬度層3を形成した樹脂型1を得た。
実施例2、3、4、比較例3では、次のようにして樹脂型1を製造した。まず、図4(a)のように、型本体2を構成する樹脂組成物を硬化して厚さ5mmの平板状の樹脂板6を作製した。次に、図4(b)のように、樹脂板6を切削加工して、断面視の高さ2mmの凸部4を有する型本体2を形成した。次に、凸部4の少なくとも先端面4aに、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物を塗布した後、硬化させ、厚さ1mmの低硬度層3を形成した。
実施例6、比較例1では、次のようにして樹脂型1を製造した。まず、図5(a)のように、上型7aが平面であり、下型7bが凹凸部を有する型本体2のシリコン製のマスター型7を用意した。次に、図5(b)のように、マスター型7のキャビティ8に、型本体2を構成する未硬化の樹脂組成物9を流し入れ、硬化させた。そして、図5(c)のように、樹脂組成物9を硬化して得られた型本体2を、マスター型7bから脱型した後、低硬度層3のマスター型10を所定の位置に設置した。マスター型10は、樹脂型1の低硬度層3の凹凸部を形成するための凹凸部を有する。型本体2とマスター型10の間には、厚さ1mmの空間11を設けた。図5(d)のように、空間11に、低硬度層3を構成する未硬化の樹脂組成物12を流し入れ、硬化させた。樹脂組成物12が硬化した後、マスター型7a、10から脱型し、図5(e)の樹脂型1を得た。
上記のように製造した樹脂型1を用いて、グリーンシートのプレス成形を1000ショット行い、樹脂型1の摩耗と寸法精度を調べた。
実施例1〜6の樹脂型1では、樹脂型1の表面に摩耗は見られなかった。また、プレス成形時に、樹脂型1の表面に割れや欠けも見られなかった。また、樹脂型1と同一の形状の金属型で形成されたグリーンシートの凹凸模様と、実施例1〜6の樹脂型1で形成されたグリーンシートの凹凸模様とを比較したところ、模様に差異は見られなかった。
比較例1では、低硬度層3の硬度が83より大きいため、プレス成形後に、型本体2の凸部4が摩耗していた。
比較例2では、低硬度層3より型本体2の硬度が低く、型本体2の硬度が85未満であるため、寸法精度が85%と低かった。つまり、比較例2で得られた樹脂型1を用いて建築材にプレス成形で模様を転写した場合、比較例2の樹脂型1と同一形状の金属型を用いて模様を転写した場合と比較して、模様の差異が15%であった。また、切削加工で樹脂型1を製造した際に、型本体2にバリが発生した。
比較例3では、低硬度層3の硬度が90と大きいため、プレス成形後に、型本体2の凸部4が摩耗していた。また、プレス成形時に、樹脂型1の表面に割れや欠けが発生していた。
1 樹脂型
2 型本体
3 低硬度層
4 凸部
4a 先端面

Claims (4)

  1. 型本体に凸部を設けて形成された樹脂型であって、前記型本体の少なくとも前記凸部の先端面に、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が70〜83であり、かつ前記型本体よりも硬度が低い低硬度層が形成されていることを特徴とする樹脂型。
  2. 前記型本体の、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が、85〜95であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂型。
  3. 前記型本体の表面全体に前記低硬度層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂型。
  4. 型本体の表面に、JIS K 6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬度が70〜83であり、かつ前記型本体よりも硬度が低い低硬度層を形成した後、前記低硬度層を形成した型本体を切削加工することにより、先端面に低硬度層を有する凸部を設けることを特徴とする樹脂型の製造方法。
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