JP2002178402A - エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法 - Google Patents

エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法

Info

Publication number
JP2002178402A
JP2002178402A JP2001177956A JP2001177956A JP2002178402A JP 2002178402 A JP2002178402 A JP 2002178402A JP 2001177956 A JP2001177956 A JP 2001177956A JP 2001177956 A JP2001177956 A JP 2001177956A JP 2002178402 A JP2002178402 A JP 2002178402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embossing roll
embossing
resin
pattern
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001177956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3284131B1 (ja
Inventor
Shigechika Miki
繁親 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIKI SEISAKUSHO KK
Miki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
MIKI SEISAKUSHO KK
Miki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIKI SEISAKUSHO KK, Miki Manufacturing Co Ltd filed Critical MIKI SEISAKUSHO KK
Priority to JP2001177956A priority Critical patent/JP3284131B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3284131B1 publication Critical patent/JP3284131B1/ja
Publication of JP2002178402A publication Critical patent/JP2002178402A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の熟練を必要とせず、短時間で微細な深
い凸凹模様を低コストで形成することができる樹脂製エ
ンボスロール型の製造方法を提供する。 【解決手段】樹脂注型型枠17a,17bを使用し、金
属ロール15の表面部にプレス成形性、耐摩耗性が金属
に劣らない硬質合成樹脂層20を設ける。金属ロール1
5と硬質合成樹脂層20は強固な接着層で結合されてい
る。この硬質合成樹脂層20をマシニングセンターで高
速回転、高速送りで切削し模様を彫り込むことにより、
金属製エンボスロール型に比べ極めて高速加工が可能と
なり、短時間で微細な深い凸凹模様を有する樹脂製エン
ボスロール型が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンボス成形装置及び樹
脂製エンボスロール型の製造方法に関し、特に家屋、構
造物の外装材等に用いられる、意匠性の優れた窯業系ま
たは金属製、あるいは合成樹脂製外装材を生産するため
のエンボス成形装置及びこれに用いる樹脂製エンボスロ
ール型の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅向け外装材のニーズは意匠
性、デザイン性が重視される傾向にある。外装材の模様
を深く加工することで意匠性に富んだ外装材のデザイン
が強く要望されている。
【0003】図6は従来の金属性エンボスロール型を用
いたエンボス成形装置のロール型部分の概略形状を示し
た正面図であり、図7は図6で示したVII−VIIラ
インから見た図であり、図8は図7で示したVIII−
VIIIラインの断面図である。
【0004】これらの図を参照して、従来のエンボス成
形装置60は、対向する1対の凸模様エンボスロール型
61及び凹模様エンボスロール型62によって構成され
ている。凸模様エンボスロール型61の周壁面には凸模
様66が形成されており、凹模様エンボスロール型62
の周壁面には凸模様66に対して反転した凹模様67が
形成されている。これらの凸模様66及び凹模様67
は、凸模様エンボスロール型61及び凹模様エンボスロ
ール型62を互いに当接するように接近させこれらを図
7で示す方向に回転させたとき、全周壁面において互い
に嵌合するように形成されている。
【0005】エンボス成形を行なう際には、図7で示し
ているように成形物たる鋼板34を凸模様エンボスロー
ル型61及び凹模様エンボスロール型62の間に送りこ
む。凸模様エンボスロール型61及び凹模様エンボスロ
ール型62は互いに反対方向に回転しており、鋼板34
はその間を通過する際に図8で示されているように凸模
様エンボスロール型61の凸模様66及び凹模様エンボ
スロール型62の凹模様67によって通過面が順次模様
付けられることになる。このようにして鋼板34のエン
ボス成形がなされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属
製、合成樹脂製外装材においてエンボスロール成形によ
る外装材の模様深さは極めて浅く意匠性(デザイン性)に
欠いていた。
【0007】その原因として、この種の成形には上記の
ように金属製エンボスロール型により製造されているこ
とが挙げられる。金属製エンボスロール型の製作は、熟
練工による金属ロール表面の彫金加工や、腐食を利用し
たエッチング加工、倣い彫刻加工により製造されるた
め、高度の熟練技術と長い日数を要する。模様が微細で
深くなるほど金属製エンボスロール型は製作に長い時間
がかかり、それにともない価格もより高価なものにな
る。
【0008】たとえ、切削加工が自動化されても金属製
エンボスロール型の材料が金属であるがゆえに加工に長
い日数を要するという問題は依然として存在する。模様
が深く、微細なほどマシニングセンターに取り付ける切
削工具の先端径は細くなり、刃長はより長くなる。加工
を急ぐと切削工具を容易に破損してしまうことから切削
工具の負担を減らすために送りの速度を落とし、一回当
りの切り込み量を少なくしなければならない。よって切
削加工に要する時間が模様の深さ、微細さに比例し長く
なり、コストアップとなる。
【0009】その上、量産前の試作成形における金属製
エンボスロール型の微調整は熟練の手作業に頼るしかな
く、金属を少しずつ削ったり、盛ったりすることでさら
に日数を要する。以上のことから深い微細な模様の金属
製エンボスロール型を短納期・低価格で製造することは
極めて困難である。
【0010】本発明は上記の問題を解決するもので、そ
の目的とするところは、成形物の模様深さを深くできる
エンボス成形装置を提供すると共に、それに用いるロー
ル型を高度の熟練を必要とせず、短期間で製造でき、且
つ模様の深さや細かさで製造コストが左右されない樹脂
製エンボスロール型の製造方法を提供することにある。
【課題を解決しようとする手段】上記の目的を達成する
ために請求項1記載の発明は、シート状の成形物を1対
のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成形装置
であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、プレス成
形性、耐磨耗性が少なくとも金属と同等の合成樹脂層が
形成され、合成樹脂層には凸模様が形成された凸模様エ
ンボスロール型と、凸模様エンボスロール型に対向する
ように配置され、且つ凸模様エンボスロール型と同じ寸
法、同じ材質で形成され、その合成樹脂層には、凸模様
に対して反転した凹模様が形成された凹模様エンボスロ
ール型とを備えたものである。
【0011】このように構成すると、成形物は合成樹脂
層に形成された1対の凸模様と凹模様との間で成形され
る。
【0012】請求項2記載の発明は、シート状の成形物
を1対のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成
形装置であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、プ
レス成形性、耐磨耗性が少なくとも金属と同等の合成樹
脂層が形成され、合成樹脂層には凸又は凹模様が形成さ
れた樹脂製エンボスロール型と、樹脂製エンボスロール
型に対向するように配置され、且つ樹脂製エンボスロー
ル型と同じ外形寸法の金属材質で形成され、その表面に
は凸又は凹模様に対して反転した凹又は凸模様が切削加
工された金属性エンボスロール型とを備えたものであ
る。
【0013】このように構成すると、成形物は合成樹脂
層に形成された凸又は凹模様と金属体に形成された凹又
は凸模様との間で成形される。
【0014】請求項3記載の発明は、樹脂製エンボスロ
ール型の製造方法であって、円柱形状よりなる金属ロー
ル等の芯材の周壁面に、プレス成形性、耐磨耗性が少な
くとも金属と同等の合成樹脂層を形成する工程と、形成
された合成樹脂層を切削加工して凹凸模様を形成する工
程とからなるものである。
【0015】このように構成すると、芯材の上に形成さ
れた合成樹脂層が切削加工される。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明の構成において、凹凸模様はマシニングセンターによ
る切削加工によって形成されるものである。
【0017】このように構成すると、凹凸模様の形成が
自動化される。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、成形物は合成樹脂層に形成された1対の凸模様と
凹模様との間で形成されるので、成形物の表面を成形時
に傷つける恐れがない。又、成形時に各々のロール型の
合成樹脂層が弾性変形するため、成形物の影響による合
成樹脂層の磨耗が少なくなる。
【0019】更に、合成樹脂層は金属と比べて熱伝導率
が低いため成形時に成形物の熱を急激に奪う恐れがない
ため成形後の品質を向上する。
【0020】請求項2記載の発明は、成形物は合成樹脂
層に形成された模様と金属体に形成された模様との間で
成形されるので、成形物の少なくとも一方面を成形時に
傷つける恐れがない。又、成形時に樹脂製ロール型の合
成樹脂層が弾性変形するため合成樹脂層の磨耗が少なく
なる。
【0021】請求項3記載の発明は、合成樹脂層が切削
加工されるので、深い凹凸模様を短時間で容易に形成す
ることができる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明の効果に加えて、凹凸模様の形成が自動化されるの
で、精度良く効率的に樹脂製エンボスロール型を製造す
ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態として
図面を参照しながら樹脂製エンボスロール型の製造方法
について詳しく説明する。図1は樹脂注型枠を使用した
注型時の斜視図、図2は樹脂注型枠からの脱型時の斜視
図、図3は樹脂注型枠から脱型した樹脂ロールのマシニ
ングセンター加工の断面図である。
【0024】先ず図1に示すごとく外周表面にエポキシ
系接着剤を塗布した金属ロール15を、金属ロール15
の外周側面より15mm外側に隙間18の空いた2分割
の樹脂注型枠17a,17bに設置する。その隙間18
にウレタン樹脂20の主剤・硬化剤の2液を攪拌混合し
真空脱泡後に注型枠17aの下部の注入口19より圧入
する。
【0025】このウレタン樹脂20として被削性が良好
で少なくとも金属と同等のプレス成形性、耐摩耗性を有
する硬質合成樹脂を用いた。材料はたとえばウレオール
(バンティコ株式会社登録商標)6414Aを主成分と
する常温で硬化するウレタン樹脂(略称EDF)があ
る。加熱硬化後のショアD硬度(ISO868)が65
から70程度、破断に至る伸びが100〜150%程度
のものが良く、樹脂厚さ10mmで加圧したときに約1
0%の変形で1.5〜3.0kg/mmの圧縮応力が
得られれば他の合成樹脂でもよい。注入が終了後、硬化
反応促進のため50℃に保たれたオーブンに入れ24時
間以上加熱する。
【0026】次に図2のごとく樹脂20が硬化後、樹脂
20の巻き付いた金属ロール15(以降、樹脂ロール2
2と記す)を樹脂注型枠17a,17bから取り外し自
然冷却する。このとき脱型された樹脂ロール22の表面
は樹脂注型枠17a,17bの内面の転写であり無地で
ある。
【0027】図3のごとく、脱型された樹脂ロール22
はロータリーインデックス24に取り付けられ、マシニ
ングセンター25による自動切削加工を行う。樹脂ロー
ル22表面の樹脂20の切削性は良く金属の切削に比べ
て約10倍から20倍の送り速度に、切り込み量も20
〜30倍の加工が可能になる。その送り速度は切削する
模様の深さに全く左右されず、模様の深さに値段が比例
しない安価で安定した価格で本製品を提供できる。
【0028】このようにエンボスロールの表面のみに加
工性に優れ且つ少なくとも金属と同等のプレス成形性、
耐摩耗性を有する硬質合成樹脂を使用することで、切削
の工具にかかる負担が軽減されマシニングセンターの送
りスピードが金属の切削に比べ10〜20倍に、切り込
み量も20〜30倍になる。
【0029】図4はこの発明の第1の実施の形態による
エンボス成形装置におけるロール型部分の概略形状を示
した側面図であって、従来例で示した図7に対応した図
であり、図5は図4で示したV−Vラインの断面図であ
る。
【0030】これらの図を参照して、エンボス成形装置
30は対向する1対の凸模様エンボスロール型31及び
凹模様エンボスロール型32によって構成されている。
凸模様エンボスロール型31は、芯材たる金属ロール1
5aと金属ロール15aの周壁面に形成されたウレタン
樹脂20aとから構成され、ウレタン樹脂20aの表面
には上述のようにマシニングセンターによる切削加工に
よって凸模様36が形成されている。
【0031】一方、凹模様エンボスロール型は、芯材と
なる金属ロール15bと、金属ロール15bの周壁面に
形成されたウレタン樹脂20bとから構成され、ウレタ
ン樹脂20bの表面には同様にマシニングセンターによ
る切削加工によって凹模様37が形成されている。そし
て凹模様エンボスロール型32は凸模様エンボスロール
型31と同じ寸法及び同じ材質によって構成されてい
る。
【0032】凸模様エンボスロール型31の凸模様36
に対して凹模様エンボスロール型32の凹模様37は反
転した模様となっており、図4で示されているように凸
模様エンボスロール型31及び凹模様エンボスロール型
32を互いに当接させた状態で反対方向に回転させる
と、全周壁面において凸模様36及び凹模様37が互い
に嵌合するように構成されている。
【0033】エンボス成形時にあっては凸模様エンボス
ロール型31及び凹模様エンボスロール型32を、それ
らの凸模様36及び凹模様37を嵌合させた状態で図4
で示すように互いに反対方向に回転させる。この状態で
成形すべき鋼板34を凸模様エンボスロール型31及び
凹模様エンボスロール型32の間に送りこむ。すると図
5で示すように送りこまれた鋼板34は、凸模様エンボ
スロール型31の凸模様36及び凹模様エンボスロール
型32の凹模様37によってエンボス成形された状態で
送り出されることになる。このようにして鋼板34は、
ウレタン樹脂20aに形成された凸模様36及びウレタ
ン樹脂20bに形成された凹模様37によってエンボス
加工されることになる。
【0034】尚、上記の実施の形態においては対向する
1対のロール型の各々に樹脂製のエンボスロール型を採
用している。しかしこれに代えて一方のロール型のみに
樹脂製のエンボスロール型を採用し、他方のロール型に
は金属製のエンボスロール型を使用するようにしても良
い。この場合、樹脂性のエンボスロール型に対して成形
すべき鋼板の外面を接するようにすれば、その塗装皮膜
等を傷つけることなく成形することが可能となる。この
場合裏面側には金属製のエンボスロール型が接するた
め、より硬い成形物に対してより明瞭な模様付けをする
ことが可能となる。
【0035】このようにロール型の表面のみに高性能な
硬質合成樹脂層を設けることによって近年の高意匠性の
要求に合った金属製、合成樹脂製外装材の成形に用いる
エンボスロール型を、熟練の技術と長い日数を必要とせ
ず、製造することができる。深く微細な高意匠なデザイ
ンでありながら、マシニングセンターの高速切削加工に
より切削所要時間は金属製エンボスロール型と比べ20
分の1以下に短縮され、短納期で且つ低価格の樹脂製エ
ンボスロール型を提供することができるのである。
【0036】また本樹脂製エンボスロール型は少なくと
も金属と同等のプレス成形性、耐摩耗性能を有し金属と
同等の転写能力も兼ね備えることから、外装材の生産メ
ーカーはエンボス成形装置のロール型を交換するだけで
現存の設備のまま成形ができる。新たな設備投資を必要
とせず生産サイクルも従来の金属製エンボスロール型の
成形と同じスピードで、成形が可能である。
【0037】金属製外装材の生産にエンボス成形装置の
1対のロール型の少なくとも一方にこの樹脂製エンボス
ロール型を用いた場合、これに接する金属製外装材の原
料素材の塗装皮膜表面をエンボスロール成形の時に傷つ
けることなく成型することが出来る。成形時の傷が原因
となる錆びが防止され製品の品質が向上する。
【0038】また近年高級感を出すための塗装鋼板をつ
や消しにするためガラス短繊維が入っており金属製エン
ボスロール型の表面が摩耗する原因となっていた。樹脂
製エンボスロール型では表面樹脂が微妙に弾性変形する
ことでガラス短繊維による樹脂表面摩耗を防止すること
が出来た。
【0039】合成樹脂製外装材の生産にこの樹脂製エン
ボスロール型を用いた場合、樹脂製エンボスロール型の
表面樹脂層が金属と比べ熱伝導率が劣るため、合成樹脂
製外装材の原料がシート状に押出されて樹脂製エンボス
ロール型で模様付けされるときに材料の熱を急激に奪わ
れることがない。そのために深い模様でも材料の伸びが
よくなり、不良の原因となる破れが発生せず、均一な厚
みの良質な合成樹脂製外装材が安定して生産できた。
【0040】表面に硬質合成樹脂を用いているため、金
属製エンボスロール型の場合に問題となっていた量産前
の試作テストにおける模様の微調整(肉盛りや削り
等)、デザインの部分的変更に容易に対応できる。よっ
て短期間で製品の品質作りこみが可能となる。
【0041】切削性のよい高硬度合成樹脂を切削するた
め刃物の摩耗、破損がなく、加工開始から終了までの刃
物の交換、刃物摩耗管理が不要となり、安定した生産が
可能となった。
【0042】このような種々の効果を有する樹脂製エン
ボスロール型を用いたエンボス成形装置及び樹脂製エン
ボスロール型の製造方法の工業的価値は非常に多大なも
のである。
【0043】尚、上記の実施の形態では、樹脂製エンボ
スロール型の芯材として金属ロールを使用しているが、
金属ロールに代えてFRP、CFRPまたはセラミック
スを芯材として使用しても良い。
【0044】又、上記の実施の形態では、マシニングセ
ンターによる切削加工によって硬質合成樹脂に模様を形
成しているが、マシニングセンター以外の方法、装置を
用いて切削加工を行っても良いことを言うまでもない。
【0045】更に、上記の実施の形態では、樹脂製ロー
ル型による成形物として金属製又は合成樹脂製の外装材
を対象としているが、この樹脂製ロール型は窯業系の外
装材等の成形加工にも適用できる。この場合、金属ロー
ルの周壁面に注入される硬質合成樹脂に、例えばテフロ
ン(登録商標)樹脂パウダー等の離型性の高い材料を混
入すると離型性の極めて高いロール型を製造することが
できる。すなわち、硬質合成樹脂を切削加工すると、混
入された材料が表面に表れ、直接窯業系の成形物と接触
してその離型性を発揮するからである。
【0046】更に、窯業系の成形物を成形する場合に
は、切削加工された硬質合成樹脂の表面を例えばセラミ
ックブラストによる処理を行えばさらに離型性が向上す
る。このブラスト処理によって、硬質合成樹脂の表面に
微細な凹凸が形成され、その部分に少量のエアー溜まり
ができるので、離型性に好影響を与えるからである。
【実施例】図1において、直径270mm×長さ500
mmの金属ロール15の外周表面に旋盤で幅2mm×深
さ2mmのR溝を20mmピッチに加工した後、ショッ
トブラスト処理をかける。この工程は金属ロール15と
樹脂20との接着強度を上げる目的で行う。その後、金
属ロール15をアセトン等の溶剤で脱脂し、ブラスト処
理された表面にエポキシ系接着剤を極薄く塗布する。次
に金属ロール15の外周より外側へ15mmの隙間18を
空けた2分割の樹脂注型枠17a,17bの内径を、金
属ロール15の中心を基準に同心円上に配置させ位置決
めを行い、ネジ止めとクランプで固定する。
【0047】樹脂の注入口19は注入時のエアー混入を
防ぐため樹脂注型枠17aの下部に配置する。樹脂粘度
を下げるため35℃〜40℃に加熱されたウレタン樹脂
20の主剤、硬化剤を攪拌混合し、真空脱泡後樹脂注型
枠17a下部の注入口19より圧入する。尚、樹脂注型
枠17a,17bは製罐加工した後、機械加工により製
作された鋼鉄製のものであり、精度、強度に優れている
ので何度も繰り返し使える。
【0048】図1の通り注型された樹脂は硬化反応促進
の為、50℃に設定したオーブンに入れ24時間以上加
熱後、図2の通り樹脂注型枠17a,17bから脱型す
る。金属ロール15に巻き付いた樹脂20は硬化する際
収縮する為、収縮の応力は金属ロール15を締める方向
に加わるので強固に密着し接着強度も加えられ、金属ロ
ール15から樹脂20が剥がれる事はない。
【0049】図3のごとく取り外した樹脂ロールをマシ
ニングセンター25のベッド上に設置されたロータリー
インデックス24(数値制御付角度割出し台)に取り付
け、自動切削加工を行う。切削刃物は先端半径0.3m
m〜1.0mmのテーパーボールエンドミル26を使用
する。切削加工用データは樹脂ロール22の幅(X)×
ロールの円周長分(Y)の面積分の深さデータ(Z)を
用意する。刃物26をロール22の幅(X)分送りなが
ら模様深さデータ(Z)で模様凹凸を加工する。ロール
の幅分の凹凸を1回加工するごとに、ロータリーインデ
ックス24を1ピッチ分回転させ、次の凹凸を加工す
る。ロータリーインデックス24の1ピッチあたりの送
りは0.085度(約0.2mmピッチ程度)で送る。切
削時の送り速度は金属の切削時に比べて約10倍〜20
倍以上の速さで、切削性は抜群に良く、一度に模様深さ
の切り込み量7.5mm(金属の切削の20〜30倍以
上)での切削が可能である。量産前試作におけるロール
模様の微調整、模様の部分変更のための表面樹脂の削
り、盛り付けが樹脂であるがゆえに容易に行えた。
【比較例】実際にマシニングセンターで同じ刃物、同じ
回転数で金属と硬質合成樹脂を切削した時の加工条件を
以下に示す。刃物先端半径0.5mmのテーパーボール
エンドミル(片角10度、刃物材質は超硬合金)、マシ
ニングセンター主軸回転数10000R.P.M.でS
50Cの金属を加工した場合、送り速度=100mm/
min、切り込み=0.25mmが最大値で、それ以上
送り速度、切り込みを増やすと刃物が破損する。硬質合
成樹脂(ウレオール樹脂)の場合送り速度=2000m
m/min、切り込み=7.5mm の高速加工が可能
となった。上記のとおり切削工具にかかる負担が軽減さ
れマシニングセンターの送りスピードが金属の切削に比
べ20倍に、切り込み量も30倍になる。また硬質合成
樹脂を加工した場合の刃物(テーパーボールエンドミ
ル)の摩耗、損傷はほとんど認められない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による樹脂製エン
ボスロール型の製造にあたって使用する樹脂注型枠の概
略形状を示した斜視図である。
【図2】図1で示した樹脂注型枠から樹脂ロールを取出
すときの状態を示した斜視図である。
【図3】図2で示した樹脂ロールを切削加工するための
マシニングセンターの使用状態を示した断面図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態による成形装置の
ロール部分の概略形状を示した側面図である。
【図5】図4で示したV−Vラインの拡大断面図であ
る。
【図6】従来のエンボス成形装置のロール型部分の正面
図である。
【図7】図6で示したVII−VIIラインから見た側
面図である。
【図8】図7で示したVIII−VIIIラインの拡大
断面図である。
【符号の説明】
15…金属ロール 20…ウレタン樹脂 22…樹脂ロール 25…マシニングセンター 31…凸模様エンボスロール型 32…凹模様エンボスロール型 34…鋼板 36…凸模様 37…凹模様 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月19日(2001.11.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明は上記の問題を解決するもので、そ
の目的とするところは、成形物の模様深さを深くできる
エンボス成形装置を提供すると共に、それに用いるロー
ル型を高度の熟練を必要とせず、短期間で製造でき、且
つ模様の深さや細かさで製造コストが左右されない樹脂
製エンボスロール型の製造方法を提供することにある。
【課題を解決しようとする手段】上記の目的を達成する
ために請求項1記載の発明は、シート状の成形物を1対
のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成形装置
であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、常温で硬
化する合成樹脂であって、加熱硬化後のショアD硬度
(ISO868)が65から70程度、破断に至る伸び
が100〜150%程度及び樹脂厚さ10mmで加圧し
たときに約10%の変形で1.5〜3.0kg/mm
の圧縮応力となる合成樹脂よりなる合成樹脂層が形成さ
れ、合成樹脂層には凸模様が形成された凸模様エンボス
ロール型と、凸模様エンボスロール型に対向するように
配置され、且つ凸模様エンボスロール型と同じ寸法、同
じ材質で形成され、その合成樹脂層には凸模様に対して
反転した凹模様が形成された凹模様エンボスロール型と
を備えたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項2記載の発明は、シート状の成形物
を1対のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成
形装置であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、常
温で硬化する合成樹脂であって、加熱硬化後のショアD
硬度(ISO868)が65から70程度、破断に至る
伸びが100〜150%程度及び樹脂厚さ10mmで加
圧したときに約10%の変形で1.5〜3.0kg/m
の圧縮応力となる合成樹脂よりなる合成樹脂層が形
成され、合成樹脂層には凸又は凹模様が形成された樹脂
製エンボスロール型と、樹脂製エンボスロール型に対向
するように配置され、且つ樹脂製エンボスロール型と同
じ外形寸法の金属材質で形成され、その表面には凸又は
凹模様に対して反転した凹又は凸模様が切削加工された
金属性エンボスロール型とを備えたものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】請求項3記載の発明は、樹脂製エンボスロ
ール型の製造方法であって、円柱形状よりなる金属ロー
ル等の芯材の周壁面に、常温で硬化する合成樹脂であっ
て、加熱硬化後のショアD硬度(ISO868)が65
から70程度、破断に至る伸びが100〜150%程度
及び樹脂厚さ10mmで加圧したときに約10%の変形
で1.5〜3.0kg/mmの圧縮応力となる合成樹
脂よりなる合成樹脂層を形成する工程と、形成された合
成樹脂層を切削加工して凹凸模様を形成する工程とから
なるものである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月10日(2002.1.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明は上記の問題を解決するもので、そ
の目的とするところは、成形物の模様深さを深くできる
エンボス成形装置を提供すると共に、それに用いるロー
ル型を高度の熟練を必要とせず、短期間で製造でき、且
つ模様の深さや細かさで製造コストが左右されない樹脂
製エンボスロール型の製造方法を提供することにある。
【課題を解決しようとする手段】上記の目的を達成する
ために請求項1記載の発明は、シート状の成形物を1対
のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成形装置
であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、常温で硬
化する合成樹脂であって、加熱硬化後のショアD硬度
(ISO868)が65から70程度、破断に至る伸び
が100〜150%程度及び樹脂厚さ10mmで加圧し
たときに約10%の変形で1.5〜3.0kg/mm
の圧縮応力となる合成樹脂よりなる合成樹脂層が形成さ
れ、合成樹脂層には凸模様が切削加工によって形成され
た凸模様エンボスロール型と、凸模様エンボスロール型
に対向するように配置され、且つ凸模様エンボスロール
型と同じ寸法、同じ材質で形成され、その合成樹脂層に
は凸模様に対して反転した凹模様が切削加工によって形
成された凹模様エンボスロール型とを備えたものであ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項2記載の発明は、シート状の成形物
を1対のエンボスロール型を用いて成形するエンボス成
形装置であって、円柱形状よりなる芯材の周壁面に、常
温で硬化する合成樹脂であって、加熱硬化後のショアD
硬度(ISO868)が65から70程度、破断に至る
伸びが100〜150%程度及び樹脂厚さ10mmで加
圧したときに約10%の変形で1.5〜3.0kg/m
の圧縮応力となる合成樹脂よりなる合成樹脂層が形
成され、合成樹脂層には切削加工によって凸又は凹模様
が形成された樹脂製エンボスロール型と、樹脂製エンボ
スロール型に対向するように配置され、且つ樹脂製エン
ボスロール型と同じ外形寸法の金属材質で形成され、そ
の表面には凸又は凹模様に対して反転した凹又は凸模様
が切削加工された金属性エンボスロール型とを備えたも
のである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の成形物を1対のエンボスロー
    ル型を用いて成形するエンボス成形装置であって、 円柱形状よりなる芯材の周壁面に、プレス成形性、耐磨
    耗性が少なくとも金属と同等の合成樹脂層が形成され、
    前記合成樹脂層には凸模様が形成された凸模様エンボス
    ロール型と、 前記凸模様エンボスロール型に対向するように配置さ
    れ、且つ前記凸模様エンボスロール型と同じ寸法、同じ
    材質で形成され、その合成樹脂層には前記凸模様に対し
    て反転した凹模様が形成された凹模様エンボスロール型
    とを備えた、エンボス成形装置。
  2. 【請求項2】 シート状の成形物を1対のエンボスロー
    ル型を用いて成形するエンボス成形装置であって、 円柱形状よりなる芯材の周壁面に、プレス成形性、耐磨
    耗性が少なくとも金属と同等の合成樹脂層が形成され、
    前記合成樹脂層には凸又は凹模様が形成された樹脂製エ
    ンボスロール型と、 前記樹脂製エンボスロール型に対向するように配置さ
    れ、且つ前記樹脂製エンボスロール型と同じ外形寸法の
    金属材質で形成され、その表面には前記凸又は凹模様に
    対して反転した凹又は凸模様が切削加工された金属性エ
    ンボスロール型とを備えた、エンボス成形装置。
  3. 【請求項3】 樹脂製エンボスロール型の製造方法であ
    って、 円柱形状よりなる金属ロール等の芯材の周壁面に、プレ
    ス成形性、耐磨耗性が少なくとも金属と同等の合成樹脂
    層を形成する工程と、 前記形成された合成樹脂層を切削加工して凹凸模様を形
    成する工程とからなる、樹脂製エンボスロール型の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記凹凸模様は、マシニングセンターに
    よる切削加工によって形成される、請求項3記載の樹脂
    製エンボスロール型の製造方法。
JP2001177956A 2000-10-02 2001-06-13 エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法 Expired - Fee Related JP3284131B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001177956A JP3284131B1 (ja) 2000-10-02 2001-06-13 エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000301916 2000-10-02
JP2000-301916 2000-10-02
JP2001177956A JP3284131B1 (ja) 2000-10-02 2001-06-13 エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3284131B1 JP3284131B1 (ja) 2002-05-20
JP2002178402A true JP2002178402A (ja) 2002-06-26

Family

ID=26601340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001177956A Expired - Fee Related JP3284131B1 (ja) 2000-10-02 2001-06-13 エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3284131B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009298143A (ja) * 2008-05-14 2009-12-24 Dainippon Printing Co Ltd エンボス装置、バックアップロール、および、加工品の製造方法
JP2015016564A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 ケイミュー株式会社 樹脂型及び樹脂型の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115674712B (zh) * 2022-10-14 2023-06-02 天津瑞丰橡塑制品有限公司 一种门窗隔热件生产装置、门窗隔热件

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009298143A (ja) * 2008-05-14 2009-12-24 Dainippon Printing Co Ltd エンボス装置、バックアップロール、および、加工品の製造方法
JP2015016564A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 ケイミュー株式会社 樹脂型及び樹脂型の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3284131B1 (ja) 2002-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11619766B2 (en) Micro- and nano-hot embossing method for optical glass lens arrays
US2171599A (en) Process of making negatives in metal of metal objects of substantially smooth surface
JP3284131B1 (ja) エンボス成形装置及び樹脂製エンボスロール型の製造方法
JP3079399U (ja) 樹脂製エンボスロール型
CA2191072A1 (en) Embossing tool for fashioning the surfaces of tacky materials
JP3294243B1 (ja) プレス成形装置及び樹脂製プレス型の製造方法
JPH0553467A (ja) 熱定着ローラ及びその製造方法
TW201438878A (zh) 成型滾輪及成型滾輪的製造方法
JP3003436B2 (ja) 平板状成形物用金型の製造方法
CN111941996A (zh) 一种全自动智能一体化版辊生产线及其生产工艺
JP3078546U (ja) 樹脂製プレス型の製造法を利用した装置
CN102514121A (zh) 一种复合金属模具
JP3460068B1 (ja) プレス成型装置
KR20210025153A (ko) 탄소섬유강화 플라스틱 기반 나노 원통 금형 제조 방법
CN209718679U (zh) 一种大长径比碳纤维复合材料等径管形构件成型工装
KR100330737B1 (ko) 장식용 몰딩제품의 성형방법
CN112248638B (zh) 一种碳纤维套筒网纹辊的加工方法
CN214083492U (zh) 一种碳纤维套筒网纹辊
KR20200020455A (ko) 복합 텐션 롤러 및 그 제조방법
JPH0241173Y2 (ja)
CN112317589B (zh) 一种控制旋压锥筒角度与直线度精度的工艺方法
JP2001172780A (ja) 平面状母型
CN107520769B (zh) 一种高精度异型砂轮的加工方法
CN109795130A (zh) 一种大长径比碳纤维复合材料等径管形构件成型工装
EP2512816B1 (en) Process for manufacturing a metering roll especially usable for flexographic printing

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110301

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees