JP2015015857A - 絶縁シートの固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁対象物を覆うように取り付ける絶縁シートを、絶縁対象物を覆った状態に容易に、短時間で固定することができる絶縁シートの固定具を提供する。【解決手段】 絶縁シート25を絶縁対象物を覆った状態に固定する絶縁シートの固定具1であって、外側に膨出するように湾曲されるとともに、先端が外側に向けて湾曲される一対のアーム2、5と、前記両アーム2、5の一端間を回動可能に連結することにより、前記両アーム2、5の他端間を開閉可能とする連結部材12と、前記両アーム2、5を前記連結部材12を介して支持する支持部材7と、前記両アーム2、5の外面側に設けられる前記絶縁シート25の取付部材20と、前記両アーム2、5を閉じる方向に常時付勢する付勢部材と、前記支持部材7に設けられるとともに、間接活線工具で把持可能な把持部11と、前記各アーム2、5の内面の複数箇所に回転可能に設けられるとともに、一部が各アーム2、5の内面から内方に所定量突出する複数の案内部材とを備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁シートの固定具に関し、特に、架空配電線において、間接活線工法により各種の作業を行う場合に、電柱、腕金等の絶縁対象物を覆うように取り付ける絶縁シートを、絶縁対象物を覆った状態に固定するのに有効な絶縁防具の固定具に関する。
従来、架空配電線において、間接活線工法により各種の作業を行う場合、縁線や作業者が誤って他物と接触して、地絡、短絡、感電等の不測の事故が起きるのを防止するため、電柱、腕金、配電線等の絶縁対象物を覆うように絶縁シートを取り付け、固定クリップ等の固定具で絶縁シートを絶縁対象物を覆った状態に固定することが行われている。
この種の固定具の一例が特許文献1に記載されている。この固定具は、開閉可能に連結される湾曲形状の一対のハンドルと、両ハンドルを閉じる方向に常時付勢するバネ部材と、両ハンドルの要所に回転可能に設けられるローラーと、一方のハンドルの端部に設けられる掴み部とを備えている。
このような構成の固定具は、絶縁ヤット等の間接活線工具を用いて掴み部を掴み、間接活線工具を操作して絶縁対象物(配電線)の側方から両ハンドルを配電線の方向に送り込み、両ハンドルの先端部間を絶縁シートを取り付けた配電線に押し付け、両ハンドルの先端部間を押し広げることにより、絶縁シートと共に配電線を両ハンドルの中央部間に押し込む。これにより、絶縁シートの外側に絶縁シートを挟み込んだ状態に取り付けることができ、絶縁シートを配電線を覆った状態に固定することができる。
ところで、上記のような構成の固定具にあっては、絶縁シートを配電線を覆うように取り付ける作業と、絶縁シートの外側に固定具を取り付ける作業の2つの作業が必要になるため、絶縁シートを配電線を配電線を覆った状態に取り付け、固定するのに時間と手間がかかる。
また、一方のハンドルの端部に設けられた掴み部のみを絶縁ヤットコ等の間接活線工具で掴んでいるため、間接活線工具によって両ハンドルに均等な力を加えることができない。このため、両ハンドルの先端部間に絶縁シートを取り付けた配電線を押し付けた際に、片持ち状態になって押し込み力の小さいハンドルの方向へ回転力が生じ、この回転力によって間接活線工具が掴み部から外れることがある。このため、間接活線工具で掴み部を掴み直す等の作業が必要になり、固定具を絶縁シートの外側に取り付ける作業に非常に手間がかかる。
さらに、固定具の両ハンドル間に絶縁シートと共に配電線を押し込む際に、ローラーの回転によって各ハンドルと絶縁シートとの間の摩擦力を軽減させているが、両ハンドルに均等な力を加えることができないため、各ハンドルのローラーと絶縁シートとの間の摩擦力に大小の差が生じ、摩擦力の大きい方のローラーに対応する絶縁シートの部分が摩耗したり、損傷したりするおそれがある。
特開2001−231118号公報
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、電柱、腕金、配電線等の絶縁対象物を覆うように取り付ける絶縁シートを、容易に、短時間で絶縁対象物を覆った状態に固定することができるとともに、絶縁シートを部分的に摩耗させたり、損傷させたりすることがない絶縁シートの固定具を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、絶縁シートを絶縁対象物を覆った状態に固定する絶縁シートの固定具であって、外側に膨出するように湾曲されるとともに、先端が外側に向けて湾曲される一対のアームと、前記両アームの一端間を回動可能に連結することにより、前記両アームの他端間を開閉可能とする連結部材と、前記両アームを前記連結部材を介して支持する支持部材と、前記両アームの外面側に設けられる前記絶縁シートの取付部材と、前記両アームを閉じる方向に常時付勢する付勢部材と、前記支持部材に設けられるとともに、間接活線工具で把持可能な把持部と、前記各アームの内面の複数箇所に回転可能に設けられるとともに、一部が各アームの内面から内方に所定量突出する複数の案内部材とを備えていることを特徴とする。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、両アームの外面側に絶縁シートを取付部材を介して取り付け、把持部を間接活線工具で把持し、間接活線工具を操作して、両アームを絶縁対象物の方向に送り込み、両アームの他端部間に絶縁対象物を押し付けることにより、両アームの他端部間が付勢部材の付勢力に抗して押し広げられ、両アーム間に絶縁対象物が押し込まれる。これにより、両アームが付勢部材の付勢力によって絶縁対象物に押し付けられ、外面側に取付部材を介して絶縁シートが取り付けられた状態の固定具が絶縁対象物に取り付けられる。そして、この状態で絶縁シートで絶縁対象物を覆うことにより、絶縁シートを絶縁対象物を覆った状態に固定することができる。
また、本発明において、前記取付部材は、前記両アームの外面側に貼着された面ファスナーのループ又はフックからなる第1部材であり、該第1部材と前記絶縁シートに貼着された面ファスナーのフック又はループからなる第2部材とを相互に接合させることにより、前記絶縁シートが前記両アームの外面側に取り付けられるように構成されていることとしてもよい。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、両アームの外面側の面ファスナーの第1部材と、絶縁シート側の面ファスナーの第2部材とを、相互に接合させることにより、絶縁シートが両アームの外面側に取り付けられることになる。従って、両アームへの絶縁シートの着脱を容易に行うことができる。
また、本発明において、前記支持部材は、板状の上板と、板状の下板と、上板と下板の一端間を連結する板状の側板とからなるコ形状をなし、前記側板の外面側に前記把持部が設けられるとともに、前記支持部材の内面側に前記両アームの一端部が挿入された状態で、前記両アームの一端間が前記連結部材を介して前記支持部材に連結されていることとしてもよい。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、支持部材の側板の外面側に把持部が設けられ、この把持部を間接活線工具で把持することにより、支持部材の内面側に一端部が挿入された状態の両アームを支持することができるので、両アームの他端間に絶縁対象物を押し付けた場合に、両アームに均等の押付け力を加えることができ、両アーム間に絶縁対象物を容易に、短時間で押し込むことができる。
また、本発明において、前記把持部は、板状、又は中実又は中空の棒材をコ字状に屈曲させた形状に形成されていることとしてもよい。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、使用する間接活線工具の種類に応じて、把持部を板状、又は中実又は中空の棒材をコ字状に屈曲させた形状とすることにより、各種の間接活線工具で把持部を把持することができる。
また、本発明において、前記一対のアームは、略半円筒状に形成されていることとしてもよい。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、絶縁対象物が電柱のような円柱状をなすものの場合に、両アームと絶縁対象物との接触面積を大きくとるこができ、両アームで絶縁対象物を強固に把持することができる。
また、本発明において、前記案内部材は、ローラーと、該ローラーを回転可能に支持する支持軸とからなり、前記ローラーの周面の一部が前記各アームの内面から内方に所定量突出するように、前記各アームに設けられていることとしてもよい。
本発明の絶縁シートの固定具によれば、各アームの案内部材のローラーの周面を絶縁対象物の表面に接触させることにより、両アーム間に絶縁対象物を押し込む際に、各アームと絶縁対象物との間の摩擦力を軽減させることができ、両アーム間に絶縁対象物を容易に、短時間で押し込むことができる。
以上、説明したように、本発明の絶縁シートの固定具によれば、絶縁対象物を覆うように取り付ける絶縁シートを、容易に、短時間で絶縁対象物を覆った状態に固定することができる。また、絶縁対象物に固定具を取り付けることにより、固定具に取り付けられた絶縁シートを絶縁対象物に取り付けることができるので、絶縁対象物に絶縁シートを取り付け、絶縁シートを絶縁対象物を覆った状態に固定する作業を効率良く行うことができる。
本発明による絶縁シートの固定具の一実施の形態を示した斜視図である。 第1アームと第2アームと支持部材との関係を示した説明図である。 絶縁シートの裏面側から見た展開図である。 固定具及び絶縁シートを電柱及び腕金に取り付けた状態を示した説明図である。 本発明による絶縁シートの固定具の他の使用例を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による絶縁シートの固定具の一実施の形態が示されている。本実施の形態の絶縁シートの固定具(以下、固定具1という。)は、架空配電線において、間接活線工法により各種の作業を行う場合に、縁線や作業者が誤って電柱、腕金、配電線等の絶縁対象物と接触して、地絡、短絡、感電等の不測の事故が起きるのを防止するため、電柱、腕金、配電線等の絶縁対象物を覆うように取り付ける絶縁シートを、絶縁対象物を覆った状態に固定するのに有効なものである。
なお、本実施の形態にいては、絶縁対象物を電柱35及び腕金36、37とし、電柱35及び腕金36、37を覆うように取り付ける絶縁シート25を、電柱35及び腕金36、37を覆った状態に固定するのに適用している。
本実施の形態の固定具1は、図1及び図2に示すように、開閉可能に設けられる一対のアーム2、5と、両アーム2、5を開閉可能に支持する支持部材7と、両アーム2、5を閉じる方向に常時付勢する付勢部材(図示せず)と、支持部材7に設けられる把持部11と、各アーム2、5の複数箇所に回転可能に設けられる案内部材16とを備えている。
両アーム(以下、第1アーム2、第2アーム5という。)は、略半円筒状をなすものであって、両アーム2、5の一端部が連結部材12を介して支持部材7に連結され、連結部材12を中心として両アーム2、5の他端間が開閉可能に構成されている。
第1アーム2の一端の上下には、図2に示すように、一対の板状の突部3、4が間隔をおいて一体に設けられている。各突部3、4の中心には、それぞれピン挿通孔3a、4aが貫通した状態で設けられている。第1アーム2の他端は、図1に示すように、所定の角度で外方に屈曲されている。
第2アーム5の一端の厚さ方向の中央には、図2に示すように、一つの板状の突部6が一体に設けられている。突部6の中心には、ピン挿通孔6aが貫通した状態で設けられている。第2アーム5の他端は、図1に示すように、第1アーム2と同一角度で外方に屈曲されている。
支持部材7は、図1及び図2に示すように、平板状の上板8と、平板状の下板9と、上板8と下板9の一端間を連結する平板状の側板10とからなるコ字形状をなすものであって、上板8及び下板9の中央には、それぞれピン挿通孔8a、9aが貫通した状態で設けられ、この支持部材7の内面側に第1アーム2及び第2アーム5の一端部が挿入される。
支持部材7の内面側に第1アーム2及び第2アーム5の一端部を挿入し、第1アーム2の突部3、4間に第2アームの突部6を挟んだ状態で、支持部材7の上板8のピン挿通孔8a、第1アーム2の上側の突部3のピン挿通孔3a、第2アーム5の突部6のピン挿通孔6a、第1アーム2の下側の突部4のピン挿通孔4a、及び支持部材7の下板9のピン挿通孔9a内に連結部材としての連結ピン12を挿通させ、連結ピン12の上下端部を上板8及び下板9に固定することにより、両アーム2、5の一端部が支持部材7に連結ピン12を介して回動自在に連結され、両アーム2、5の他端部間が連結ピン12を中心として開閉可能に構成される。
連結ピン12としては、例えば、両端部にねじが設けられたもの、六角ボルト状のもの等が用いられ、連結ピン12のねじの部分にナットを締め付けることにより、連結ピン12の上下端部が支持部材7の上板8及び下板9に固定される。
連結ピン12と第1アーム2及び第2アーム5との間には、付勢部材としてのトーションコイルばねが装着され、このトーションコイルばねの付勢力により、両アーム2、5の他端部間が閉じる方向に常時付勢される。
なお、付勢部材としては、トーションコイルばねに限らず、両アーム2、5の他端部間を閉じる方向に常時付勢することができる機能を有するものであればよい。
支持部材7の側板10の中央には、板状の把持部11が外方に突出した状態で一体に設けられ、この把持部11を絶縁ヤットコ等の間接活線工具(図示せず)で把持することで、固定具1を支持することができる。
なお、把持部11は、板状に限らず、中実又は中空の棒状のものをコ字状に屈曲させて、その両端を側板10に連結するように構成してもよい。要は、絶縁ヤット等の間接活線工具で把持できる形状であればよい。
第1アーム2及び第2アーム5の複数箇所には、案内部材16が設けられている。案内部材16は、円柱状のローラー17と、ローラー17を回転自在に支持する支持軸18とから構成されている。案内部材16は、ローラー17(又は支持軸16)の軸線が垂直方向を向くように、上下端が第1アーム2及び第2アーム5の上下面に固定されている。案内部材16は、ローラー17の周面の一部が第1アーム2及び第2アーム5の内面から内方に所定量突出するように、第1アーム2及び第2アーム5への取付位置が設定されている。
なお、本実施の形態においては、第1アーム2及び第2アーム5の内面のうち、外方に屈曲されている部分に1箇所、湾曲状に形成された部分に4箇所、及び外方に屈曲された部分と湾曲状に形成された部分との境界部に1箇所、合計6箇所に案内部材16をそれぞれ設けて、両アーム2、5の内面側に電柱35を押し込む際の抵抗を軽減させているが、これに限定することなく、両アーム2、5の内面側の5箇所以下、7箇所以上に案内部材16を設けるように構成してもよい。
なお、外方に屈曲されている部分、及び外方に屈曲された部分と湾曲状に形成された部分との境界部は、両アーム2、5の内面側に電柱35を押し込む際に、両アーム2、5が最初に電柱35に接触する部分、及び2番目に電柱35に接触する部分となるので、少なくとも1箇所に案内部材16を設ける必要がある。
第1アーム2及び第2アーム5の外面側には、第1アーム2及び第2アーム5の全長に亘るように面ファスナー20のループ又はフックからなる帯状の第1部材20aが一体に接合され、この面ファスナー20の第1部材20aと後述する絶縁シート25の主シート部26の面ファスナー20のフック又はループとかなる帯状の第2部材20bとが相互に着脱可能に接合される。
絶縁シート25は、絶縁材から形成されるものであって、図3に示すように、電柱35を覆うための長方形状の主シート部26と、主シート部26の各長辺に沿うようにそれぞれ設けられる、腕金36、37を覆うための長方形状の一対の副シート部28、29と、主シート部26の裏面側の各長辺26a、26bに沿う部分にそれぞれ設けられ、電柱35と腕金36、37との境界部を覆うための長方形状の一対の補助シート部30、31とを備えている。なお、図3は、絶縁シート25を裏面側から見た展開図である。
主シート部26の図中上側の短辺26cに沿う部分には、前述した固定具1の把持部11を挿通させるスリット27が設けられている。
各副シート部28、29は、主シート部26よりも全長が短い長方形状をなすものであって、図中下側の短辺28d、29dが主シート部26の図中下側の短辺26dの延長線上に位置するように、主シート部26の各長辺26a、26bに沿ってそれぞれ設けられている。
各副シート部28、29は、一方の長辺28a、29aの図中上側の太線で示す部分(一方の長辺28a、29aの全長の約1/4程度)が主シート部26の各長辺26a、26bに一体に接合され、それよりも図中下側の部分は主シート部26の各長辺26a、26bに対して分離した状態となっている。
各補助シート部30、31は、副シート部28、29よりも全長が短い長方形状をなすものであって、図中上側の短辺30c、31cが各副シート部28、29の図中上側の短辺28c、29cの延長線上に位置するように、主シート部26の各長辺26a、26bに沿ってそれぞれ設けられている。
各補助シート部30、31は、図中左側の長辺30a及び右側の長辺31aが主シート部26の各長辺26a、26bと重合した状態で、図中上側の短辺30c、31cに沿う部分(図中ハッチングで示す部分)が主シート部26に一体に接合され、その他の部分が主シート部26の裏面に対して分離した状態となっている。各補助シート部30、31は、接合部33a、33b側の折り曲げ線34a、34bを基準として、図中矢印方向に折り曲げ可能に構成されている。
主シート部26の図中上方の短辺26cに沿う裏面側の部分には、面ファスナー20のフック又はループからなる帯状の第2部材20bが短辺26cの全長に沿うように一体に接合され、この面ファスナー20の第2部材20bと前述した固定具1の外面側の面ファスナー20の第1部材20aとが相互に着脱可能に接合される。
各副シート部28、29の図中上側の短辺28c、29cに沿う表面側の部分には、面ファスナー21、22のループ又はフックからなる帯状の第1部材21a、22aが短辺28c、29cの全長に沿うように一体に接合され、各副シート部28、29の図中下側の短辺28d、29dに沿う裏面側の部分には、面ファスナー21、22のフック又はループからなる帯状の第2部材21b、22bが短辺28d、29dの全長に沿うように一体に接合されている。
各副シート部28、29は、接合部32a、32b側の短辺28c、29cに対して図中下側の短辺28d、29dを図中矢印方向に丸めて、短辺28c、29cに沿う面ファスナー21、22の第1部材21a、22aと、短辺28d、29dに沿う面ファスナー21、22の第2部材21b、22bとを相互に接合させることにより、丸めた状態に保持される。
そして、上記のような構成の固定具1により、絶縁シート25を電柱35及び腕金36、37に覆った状態に固定するには、まず、図1に示すように、固定具1の第1アーム2及び第2アーム5の外面側の面ファスナー20の第1部材20aと絶縁シート25の主シート部26の裏面側の面ファスナー20の第2部材20bとを、相互に接合させることにより、絶縁シート25を固定金具1の両アーム2、5の外面側に、主シート部26を両アーム2、5の外面に沿って丸めた状態に、かつ吊り下げた状態に取り付ける。この際、固定金具1の把持部11を絶縁シート25の主シート部26のスリット27を挿通させることにより、絶縁シート25の主シート部26の表面側に固定金具1の把持部11を突出させる。
次に、作業者が各種の作業を行う電柱35の前面側に配置した高所作業車内において、図4に示すように、固定具1の把持部11を絶縁ヤットコ等の間接活線工具で掴み、間接活線工具を操作することにより固定具1を電柱35の方向に送り出し、固定具1の両アーム2、5の他端部間に電柱35を押し付け、固定具1を電柱35の方向に押し込むことにより、固定具1の両アーム2、5の他端部間をトーションコイルばねの付勢力に抗して押し広げ、固定具1の両アーム2、5間に電柱35を押し込む。
これより、固定具1の両アーム2、5がトーションコイルばねの付勢力によって電柱35の表面に押し付けられ、固定具1が両アーム2、5で電柱35を挟んだ状態に取り付けられ、固定具1に吊り下げられた絶縁シート25の主シート部26が、両アーム2、5の曲率と略同一に丸められた状態で、電柱35の周囲の一部(電柱35の前面側の部分、及び両側面側の部分)に巻き付けられる。
次に、各補助シート部30、31を、折り曲げ線34a、34bにおいて図3の矢印方向に折り曲げ、各補助シート部30、31を各腕金36、37の上面に沿って延ばす。次に、各副シート部28、29を、図3に示すように、短辺28c、29cに対して短辺28d、29dを各腕金36、37の周囲を囲むように丸め、各副シート部28、29の短辺28c、29c側の面ファスナー21、22の第1部材21a、22aと短辺28d、29d側の面ファスナー21、22の第2部材21b、22bとを相互に接合させ、各副シート部28、29を丸めた状態に保持する。
これにより、絶縁シート25の主シート部26によって電柱35の前面側の部分、及び両側面側の部分を覆うことができ、各副シート部28、29によって各腕金36、37の周囲を覆うことができ、各補助シート部30、31によって電柱35と各腕金36、37との境界部の上面側の部分を覆うことができる。また、固定具1により、主シート部26を電柱35の前面側の部分及び両側面側の部分を覆った状態に固定でき、各副シート部28、29を各腕金36、37の周囲を覆った状態に固定することができ、各補助シート部30、31を電柱35と各腕金36、37との境界部の上面側を覆った状態に固定することができる。
上記のように構成した本実施の形態の固定具1にあっては、固定具1の把持部11を間接活線工具で把持して、間接活線工具を操作して固定具1の両アーム2、5間に電柱35を押し込み、両アーム2、5で電柱35を両側から挟み込むことにより、固定具1を電柱35に取り付けることができ、固定具1を介して絶縁シート25を電柱35及び腕金36、37に取り付けることができる。
従って、固定具1を電柱35に取り付ける作業と、絶縁シート25を電柱35及び腕金36、37を覆うように取り付け、絶縁シート25を電柱35及び腕金36、37を覆った状態に固定する作業をほぼ同時に行うことができるので、絶縁シート25を電柱35及び腕金36、37を覆った状態に固定する作業を容易に、短時間で行うことができる。
また、間接活線工具によって把持部11を把持して両アーム2、5間に電柱35を押し込む際に、両アーム2、5に均等な押し込み力を加えることができるので、従来の技術のように、両アーム2、5に加える押し込み力が不均等なために片持ち状態になって、押し込み力が小さいアーム2、5の方向への回転力が作用して、把持部11が間接活線工具から外れるようなことはなく、固定具1を電柱35に容易に、短時間で取り付けることができる。
また、固定具1を電柱35に取り付けた後に、絶縁シート25で電柱35及び腕金3637を覆うことになるので、固定具1の各アーム2、5の案内部材16のローラー17との摩擦力により、絶縁シート25が部分的に摩耗したり、損傷したりすることはない。
また、電柱35の前面側から間接活線工具を操作することにより、固定具1を電柱35に取り付けることができるとともに、固定金具1に取り付けた絶縁シート35を、主シート部26で電柱35の前面側の部分及び両側面側の部分を覆い、各副シート部28、29で各腕金36、37の周囲を覆い、各補助シート部30、31で電柱35と各腕金36、37との境界部の上面側を覆うように、取り付けることができるので、電柱35及び腕金36、37を覆う作業を効率良く行うことができる。
なお、本実施の形態においては、固定具1の両アーム2、5の外面側に絶縁シート25を面ファスナー20によって取り付けたが、図5に示すように、シート状の絶縁シート40を電柱35に巻き付けた後に、絶縁シート40の外側に固定具1を取り付け、固定具1で絶縁シート40を電柱35に固定するように構成してもよい。この場合にも、間接活線工具により、固定具1の両アーム2、5に均等な押し込み力を加えることができるので、両アーム2、5への押し込み力が不均等なために、各アーム2、5の案内部材16のローラー17と絶縁シート40との間の摩擦力に大小の差が生じることはなく、案内部材16のローラー17との摩擦力によって絶縁シート40に摩耗や損傷が生じるようなことはない。
1 固定具
2 第1アーム
3 突部
3a ピン挿通孔
4 突部
4a ピン挿通孔
5 第2アーム
6 突部
6a ピン挿通孔
7 支持部材
8 上板
8a ピン挿通孔
9 下板
9a ピン挿通孔
10 側板
11 把持部
12 連結部材(連結ピン)
16 案内部材
17 ローラー
18 支持軸
20、21、22 面ファスナー
20a、21a、22a 第1部材
20b、21b、22b 第2部材
25 絶縁シート
26 主シート部
26a、26b 長辺
26c、26d 短辺
27 スリット
28、29 副シート部
28a、29a 長辺
28c、28d、29c、29d 短辺
30、31 補助シート部
30a、31a 長辺
30c、31c 短辺
32a、32b、33a、33b 接合部
34a、34b 折り曲げ線
35 電柱
36、37 腕金
40 絶縁シート

Claims (6)

  1. 絶縁シートを絶縁対象物を覆った状態に固定する絶縁シートの固定具であって、
    外側に膨出するように湾曲されるとともに、先端が外側に向けて湾曲される一対のアームと、前記両アームの一端間を回動可能に連結することにより、前記両アームの他端間を開閉可能とする連結部材と、前記両アームを前記連結部材を介して支持する支持部材と、前記両アームの外面側に設けられる前記絶縁シートの取付部材と、前記両アームを閉じる方向に常時付勢する付勢部材と、前記支持部材に設けられるとともに、間接活線工具で把持可能な把持部と、前記各アームの内面の複数箇所に回転可能に設けられるとともに、一部が各アームの内面から内方に所定量突出する複数の案内部材とを備えていることを特徴とする絶縁シートの固定具。
  2. 前記取付部材は、前記両アームの外面側に貼着された面ファスナーのループ又はフックからなる第1部材であり、該第1部材と前記絶縁シートに貼着された面ファスナーのフック又はループからなる第2部材とを相互に接合させることにより、前記絶縁シートが前記両アームの外面側に取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁シートの固定具。
  3. 前記支持部材は、板状の上板と、板状の下板と、上板と下板の一端間を連結する板状の側板とからなるコ形状をなし、前記側板の外面側に前記把持部が設けられるとともに、前記支持部材の内面側に前記両アームの一端部が挿入された状態で、前記両アームの一端間が前記連結部材を介して前記支持部材に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁シートの固定具。
  4. 前記把持部は、板状、又は中実又は中空の棒材をコ字状に屈曲させた形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の絶縁シートの固定具。
  5. 前記一対のアームは、略半円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の絶縁シートの固定具。
  6. 前記案内部材は、ローラーと、該ローラーを回転可能に支持する支持軸とからなり、前記ローラーの周面の一部が前記各アームの内面から内方に所定量突出するように、前記各アームに設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の絶縁シートの固定具。
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