JP2015014019A - 電気接点の表面処理方法、電気接点部材、コネクタ並びに接点処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気接点部材が高温で半田処理等されたとしても、その接点部の潤滑性や導電性が損なわれてしまうのを抑制できる電気接点の表面処理方法及びこの方法で表面処理された電気接点部材を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る電気接点の表面処理方法は、導電性ナノカーボン材料と溶媒とを含む接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程を有する。また、本発明に係る電気接点部材は、上記接点表面処理方法によって処理されたことを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、接点処理剤を用いてコネクタ端子等の電気接点を表面処理する方法、この方法により処理された電気接点部材、コネクタ並びに接点処理剤に関する。
コネクタ端子等の電気接点部材は、主に銅系の金属材料などで構成されており、その金属材料表面にはさらにメッキ処理が施されて形成されている。具体的には、金属材料表面にNiメッキ処理が施されてNi下地メッキ層が形成され、さらに、このメッキ層の上にAuメッキ、Pdメッキ又はPd−Ni合金メッキ等が施されて電気接点部材が形成されている。上記のようなメッキ処理によって形成される金属メッキ層には、通常、微小な多数の孔が形成されてしまう。このような微小孔をそのままにしておくと、Ni下地メッキや金属材料が露出してしまうことによって、金属材料の腐食が起こるおそれがあり、また、半田の濡れ性が悪くなって半田付け性が低下するおそれもある。そのため、電気接点部材においては、通常、メッキ層に形成されている微小孔を封孔処理剤などで埋めるようにする処理(封孔処理ともいう)が行われる(例えば、特許文献1〜4等を参照)。尚、上記封孔処理剤は接点処理剤と称したりもする。
封孔処理剤としては、防錆性を付与できる材料(防錆剤)と潤滑性を付与できる材料(潤滑剤)とを含んで構成されたものが知られている。このような封孔処理剤で、微小孔を塞ぐと、電気接点部材におけるAuメッキ、Niメッキやメッキ層下の金属材料に対する耐食性が向上する。また、上記封孔処理剤による処理によって、電気接点部材の潤滑性も向上する。この場合、例えば、コネクタ端子等にあっては、電気接点部分での摩擦が低減するので、コネクタ端子の抜き差しの動作も容易に行えるようになる。
しかしながら、上記封孔処理剤で処理された電気接点部材に半田付け処理を行った場合、半田付けの際の温度によっては、封孔処理剤の潤滑剤や防錆剤が熱劣化したり、揮発したりするなどして、潤滑性能や防錆性能が低下してしまうおそれがあった。特に近年では、鉛フリー半田付け実装が主流となっている中、従来は240℃のリフロー温度であったのが、最近では260℃とより高温となっているため、封孔処理剤の性能がより低下しやすい条件下となっている。そのため、あらかじめ封孔処理したとしても、潤滑性能や防錆性能を維持することが難しくなってきているのである。さらには、近年の商品の小型化に伴い、コネクタ端子等の電気接点部材自身も小型化しており、これによって、接点の接圧が低下し、接触面積も小さくなることで、潤滑剤自身が絶縁物として作用して接触抵抗を悪化させる原因となっていた。このような観点から、耐熱性等に優れ、しかも、潤滑性や導電性が損なわれにくい電気接点部材を製作することが望まれているのである。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電気接点部材が高温で半田処理等されたとしても、その接点部の潤滑性や導電性が損なわれてしまうのを抑制できる電気接点の表面処理方法を提供することを目的とする。また、上記電気接点の表面処理方法により処理された電気接点部材及びこの電気接点部材を備えるコネクタを提供することを目的とする。さらに、上記電気接点の表面処理方法で使用でき、電気接点部材に高い潤滑性及び導電性を付与できる接点処理剤を提供することを目的とする。
本発明に係る電気接点の表面処理方法は、導電性ナノカーボン材料と溶媒とを含む接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程を有することを特徴とするものである。
また、前記接点処理剤が界面活性剤をさらに含むことが好ましい。
また、前記接点処理剤は、前記導電性ナノカーボン材料が強酸処理されたものであることが好ましい。
また、前記接点処理剤は防錆剤をさらに含むことも好ましい。
上記電気接点の表面処理方法にあっては、前記接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、防錆剤を前記接点部に付着させる工程を有することが好ましい。
また、前記接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、前記溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加する工程を有することも好ましい。
本発明の電気接点部材は、上記いずれかの接点表面処理方法によって処理されたことを特徴とするものである。
また、本発明のコネクタは、電気接点部材を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の接点処理剤は、電気接点部材の接点部に付着させるための接点処理剤であって、導電性ナノカーボン材料を含み、前記導電性ナノカーボン材料が潤滑性を有していることを特徴とするものである。
本発明の電気接点の表面処理方法によれば、導電性ナノカーボン材料を含む接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させるので、その接点部には潤滑性と導電性が付与される。しかも、このように処理された電気接点部材は、高温で半田処理等されたとしても潤滑性や導電性が損なわれにくい。また、上記表面処理方法で表面処理された電気接点部材は、導電性ナノカーボン材料で処理されていることで、安定した接触抵抗が付与される。
本発明の電気接点部材は、上記表面処理方法で表面処理されているので、高温で半田処理等されたとしても潤滑性や導電性が損なわれにくく、しかも、安定した接触抵抗を有する。
本発明のコネクタは、上記電気接点部材を備えてなるので、優れた潤滑性や導電性を有するものである。
本発明の接点処理剤は、潤滑性を有する導電性ナノカーボン材料を含んでいるので、電気接点部材の接点部に付着させれば、その電気接点部材に優れた潤滑性や導電性を付与することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の電気接点の表面処理方法は、導電性ナノカーボン材料と溶媒とを含む接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程を有する。上記接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させると、接点部が接点処理剤に含まれる材料によって被覆される。尚、「接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程」を、以下では「付着工程」と称する場合がある。
上記電気接点部材は、特に限定されるものではないが、例えば、コネクタ端子等の端子部品が例示される。その他、電気接点部材は、リードフレーム、スイッチやリレーなどの可動接点や固定接点などとして用いられる部材であってもよい。
コネクタ端子等の電気接点部材は、一般的には銅系素材などの金属系材料で形成させることができる。さらに、そのような金属材料の表面には、半田メッキ、Auメッキ、Pdメッキ、PbフリーのSn−Zn、Sn−Bi、Sn−Ag等の合金メッキなど、金属メッキが施されて金属メッキ層が形成されていてもよい。例えば、電気接点部材がコネクタの端子部品であれば、端子は銅系素材で形成され、その表面にはNi下地メッキ等のメッキが所定の厚みで施され、さらに、そのNi下地メッキの上にはPd−Au合金メッキ等が、所定の厚みで施される。上記のようなメッキ処理は、電気接点部材の接点部のみに施されていてもよいし、その他の部分にも施されていてもよい。
尚、ここでいう接点部とは、他の電極と接触して電気接続を得るための部分のことをいい、例えば、開閉器のように接離が繰り返される電気部材の接点のことをいう。
上記接点処理剤は、少なくとも導電性ナノカーボン材料と、溶媒とを含んで構成される混合物であって、具体的には、導電性ナノカーボン材料が溶媒に分散した液体状の組成物である。
導電性ナノカーボン材料は、導電性を有し、大きさがナノサイズであるカーボン材料のことをいう。導電性ナノカーボン材料の具体例としては、カーボンブラック(CBと称することがある)、カーボンナノチューブ(CNTと称することがある)、カーボンナノコイル(CNCと称することがある)、カーボンナノホーン(CNHと称することがある)、カーボンナノファイバー(CNFと称することがある)、グラフェン等が挙げられる。カーボンブラックの具体例としては、例えば、CABOT社製「VULCAN XC」、ケッチェンブラックの名称で知られるライオン社製の導電性カーボンブラック、その他、アセチレンブラック等が挙げられる。また、上記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWCNTと称することがある)、二層カーボンナノチューブ(DWCNTと称することがある)、多層カーボンナノチューブ(MWCNTと称することがある)等の他、官能基化されたカーボンナノチューブなども使用できる。これらのカーボンナノチューブの中でも、多層カーボンナノチューブは大量生産が可能で比較的安価な実用的なものである点で好ましく、例えば、昭和電工社製「VGCF」などが知られている。接点処理剤に含まれる導電性ナノカーボン材料は、上記例示列挙した導電性ナノカーボン材料のうちのいずれか1種単独でなるものであってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
導電性ナノカーボン材料は、ナノサイズに形成されているが、ここでいうナノサイズとは、例えば、粒子状であれば、少なくともその短径が1000nm未満、上記CNTのようにチューブ状であれば、その直径が1000nm未満である炭素含有材料を指す。従って、CNTのように、全体的な大きさ(チューブの長さ)が1μmを超えていたとしても、チューブ径が1000nm以下であれば、このような材料はナノサイズであるということができ、ナノカーボン材料ということができる。
導電性ナノカーボン材料がカーボンナノチューブである場合は、平均直径が10〜200nm、長さが200nm〜20μmであればよい。また、導電性ナノカーボン材料がカーボンナノコイルであれば、そのコイル径が数十nm〜数μmであればよい。また、導電性ナノカーボン材料がカーボンナノファイバーであれば、その平均直径が50nm〜5μmであればよい。もちろん、導電性ナノカーボン材料は上記の種々のサイズに限定されるものではない。尚、導電性ナノカーボン材料のサイズは、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)など電子顕微鏡による観察から求めることができ、得られた画像からカーボンナノ材料の粒子径、直径や長手方向の長さを測定すればよい。
溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、デカンなどの炭化水素類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類、酢酸エチル、ジヒドロターピネオールアセテートなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、炭酸ジエチル、炭酸エチレンなどのカーボネート類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素類、フロン113やフロン225等のフロン類、その他、アミン類、カルボン酸類等が挙げられる。これら列挙した溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を任意の割合で併用しての混合溶媒として使用してもよい。
接点処理剤は、上記の導電性ナノカーボン材料と、溶媒とを用意し、これらを所定の割合で混合することで調製される。混合方法は特に制限されないが、例えば、市販の混合ミル等の混合機や撹拌機が備え付けられた分散機、あるいは、超音波分散機等を使用する方法が採用され得る。上記のように導電性ナノカーボン材料と溶媒とが混合されると、導電性ナノカーボン材料は溶媒中に分散した状態で存在する。
導電性ナノカーボン材料は溶媒中において、均一分散していることが好ましい。具体的には、接点処理剤の平均粒子径を計測した場合において、50μm以上の凝集体が1%以下であれば、導電性ナノカーボン材料が均一分散しているということができる。尚、平均粒子径は、例えば、動的光散乱法で測定することができる。導電性ナノカーボン材料が均一分散した接点処理剤を電気接点部材に付着させて形成した被膜は、その表面を目視観察しても、導電性ナノカーボン材料の凝集物や塊状物が目視で確認されにくいものである。
接点処理剤における導電性ナノカーボン材料の含有量は特に制限はされないが、例えば、接点処理剤の全質量に対して、導電性ナノカーボン材料が0.1〜20質量%であれば、後述する電気接点部材の潤滑性や導電性が損なわれにくいものとなる。特に、接点処理剤の全質量に対して、導電性ナノカーボン材料が1〜10質量%であれば、より優れた潤滑性や導電性を電気接点部材に付与することができる。
接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させることで、接点処理剤で接点部が表面処理される。具体的には、接点部に形成されている金属メッキ層の表面に、接点処理剤に由来する導電性ナノカーボン材料等が、例えば、膜状となって被覆した状態となる。
接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる方法としては、例えば、接点処理剤中に、電気接点部材を所定の時間にわたって浸漬させることで付着させる方法が採用され得る。電気接点部材を浸漬するにあたっては、接点部のみを接点処理剤に浸漬するようにしてもよいし、その他の部分も接点処理剤に浸漬するようにしてもよい。浸漬の温度は、接点処理剤の温度が室温以上であっても、室温以下であってもよいが、通常は、接点処理剤を室温もしくは加熱した状態で浸漬させればよい。また、電気接点部材の浸漬時間は、通常は1秒以上行えばよく、1分以上浸漬させれば充分である。
上記のように浸漬した後、電気接点部材に付着している溶媒は、加熱乾燥又は自然乾燥等の方法で除去するようにすればよい。このようにして、電気接点部材の接点部に接点処理剤が付着し、接点部が表面処理されることになる。
接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる他の方法としては、電気接点部材に接点処理剤を塗布させる方法が採用され得る。接点処理剤を浸漬するにあたっては、接点部のみを接点処理剤に塗布するようにしてもよいし、その他の部分にも接点処理剤を塗布するようにしてもよい。塗布する手段としては、例えば、刷毛塗り法、キャスティング法、フローコーティング法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のように塗布した後、電気接点部材に付着している溶媒は、加熱乾燥又は自然乾燥等の方法で除去するようにすればよい。このようにして、電気接点部材の接点部に接点処理剤が付着し、接点部が表面処理されることになる。
その他、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる方法としては、エア噴霧やエアレス噴霧等の噴霧法を採用しても構わない。
接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程、すなわち、付着工程を経ることによって、接点処理剤中の導電性ナノカーボン材料によって接点部が被覆されるようになる。電気接点部材に上記金属メッキ層が形成されていれば、その金属メッキ層が導電性ナノカーボン材料によって被覆される。また、接点部には微小な孔が形成されている場合もあるが、この場合は、導電性ナノカーボン材料が微小孔に充填されて封じられる。よって、接点処理剤は、いわゆる封孔処理剤ということもできる。
上記のように導電性ナノカーボン材料によって接点部が被覆されると、その接点部にはナノカーボン材料に起因する導電性が付与される。また、導電性ナノカーボン材料は自己潤滑性にも優れるものでもあるので、接点部には潤滑性も付与されることになる。
特に、導電性ナノカーボン材料は耐熱性が高いため、電気接点部材が高温でリフロー実装されたとしても、ナノカーボン材料による被覆層の崩壊が抑制され、導電性や潤滑性も維持されやすくなる。近年の鉛フリーの半田実装の温度条件は260℃と従来よりも高温化しているが、導電性ナノカーボン材料の酸化温度は一般的に500℃程度であるので、鉛フリーの半田実装処理がなされたとしても、そのような温度付近では被覆層の崩壊が起きにくいのである。そのため、導電性ナノカーボン材料が付着した接点部は、高温処理されたとしても、導電性や潤滑性が損なわれにくい。一方で、従来から使用されているネオペンチル脂肪酸エステル等の潤滑剤は、高温で処理されると気化や分解が起こって、潤滑剤としての機能を発揮できなかったのである。そのため、この点において、上記接点処理剤を用いた表面処理方法は優れているといえる。
以上より、上記接点処理剤で表面処理を施せば、電気接点部材に対して従来よりも優れた潤滑性を付与することができ、近年主流となっている鉛フリーの半田実装にも対応可能な電気接点部材を提供することができるものである。尚、導電性ナノカーボン材料の上記効果が阻害されなければ、もちろん、従来から知られている潤滑剤を併用することも可能である。潤滑剤としては、ネオペンチル脂肪酸エステル等の他、二塩基酸、二塩基酸のアミン塩、ネオペンチルポリオールエステル、ヒマシ油脂肪酸エステル等が挙げられる。しかし、上述のように、従来の潤滑剤では、高温による気化や分解が起こることが多いので、好ましくは、接点処理剤は、導電性ナノカーボン材料以外の潤滑剤を含まない方がよいといえる。
また、上記のような付着工程によって接点部に、導電性が高く、かつ、耐熱性が高いナノカーボン材料の被覆層が形成されることで、電気接点部材の接触抵抗が悪化するおそれが小さくなる。従って、上記電気接点の表面処理方法によれば、電気製品等の小型化に伴う接点部の接圧低下や接触面積低下があったとしても、その接点部には良好な接触抵抗が実現される。
また、金属メッキ層に微小孔が形成されていたとしても、導電性ナノカーボン材料によって封孔処理されるので、電気接点部材を構成する金属材料や下地メッキ層の腐食が防止され、電気接点部材の耐食性も向上する。
次に、電気接点の表面処理方法の他の形態について説明する。
電気接点の表面処理方法では、接点処理剤が界面活性剤をさらに含むことが好ましい。この場合、接点処理剤中の導電性ナノカーボン材料の凝集が生じにくくなって、導電性ナノカーボン材料がより均一に分散する。そのため、このような接点処理剤を用いて表面処理を行えば、接点部に接点処理剤を均一塗布することができるようになり、潤滑性をより高めることができる。
上記界面活性剤としては、水系界面活性剤、非水系界面活性剤のいずれであってもよい。水系界面活性剤は、水又は水とアルコール等との混合溶媒に溶解するか又は易溶である界面活性剤をいい、非水系界面活性剤は、非水系の有機溶媒に溶解するか又は易溶である界面活性剤のことをいう。水系界面活性剤の種類は特に限定はされないが、ポリアクリル酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル等が好ましい。この場合、導電性ナノカーボンがより分散しやすくなる。同様の観点から、非水系界面活性剤の種類としては、ポリカルボン酸部分アルキルエステル、ポリエーテル、ポリアルキレンポリアミン等が好ましい。水系界面活性剤、非水系界面活性剤いずれも、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。界面活性剤は、上記例示した種類の他、種々のイオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤を使用することも可能である。
界面活性剤を含む接点処理剤を調製方法は特に制限されないが、例えば、あらかじめ界面活性剤の溶液を調製しておき、この溶液に導電性ナノカーボン材料を上述の方法で分散させるようにすればよい。
接点処理剤が界面活性剤を含む場合であっても、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させるにあたっては、上述した浸漬や塗布等の方法を採用することができ、付着条件も同様に設定すればよい。
電気接点の表面処理方法においては、接点処理剤に含まれる導電性ナノカーボン材料が強酸処理されたものであることが好ましい。この場合、接点処理剤中の導電性ナノカーボン材料の表面に溶媒と親和性の高い官能基(例えば、カルボキシル基,ニトロ基,スルホ基等)が導入されるので、溶媒中での分散性が高まり、これによって、導電性ナノカーボン材料の凝集を抑制することができる。そのため、このような接点処理剤を用いて表面処理を行えば、接点部に接点処理剤を均一塗布することができるようになり、電気接点部材の潤滑性をより高めることができる。
導電性ナノカーボン材料を強酸処理する方法は、公知の強酸処理の方法で行うことができ、例えば、所定のpHに調整した酸性溶液と、粉末状導電性ナノカーボン材料とを混合し、ミキサー等の混合機を用いて所定時間にわたって撹拌する方法が挙げられる。あるいは、あらかじめ、粉末状導電性ナノカーボン材料を溶媒に分散させておき、その分散液を撹拌しつつ、強酸性の溶液を滴下する方式を採用してもよい。強酸処理を行った後の導電性ナノカーボン材料には、水洗処理を施し、その後、適宜の温度雰囲気化で乾燥処理を施してもよい。強酸処理をするにあたって使用する酸としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。
接点処理剤が上記のように強酸処理された導電性ナノカーボン材料を含む場合であっても、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させるにあたっては、上述した浸漬や塗布等の方法を採用することができる。
接点処理剤が強酸処理された導電性ナノカーボン材料を含む場合、導電性ナノカーボン材料の溶媒中での分散性が良好であるので、上記界面活性剤を添加しなくてもよいが、もちろん、接点処理剤の特性が損なわれなければ、界面活性剤を添加しても構わない。
接点処理剤は、防錆剤をさらに含むことも好ましい。接点処理剤に防錆剤が含まれている場合、このような接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させると、導電性ナノカーボン材料による潤滑性や導電性等の効果に加えて、防錆剤による防錆性の効果も発揮されるので、電気接点部材の耐食性がさらに向上する。また、防錆剤が含まれる接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させることで、半田の濡れ性が向上するので、半田付け性を高めることもできる。
その上、電気接点部材の接点部を表面処理するにあたって、別途、防錆処理をする工程を設ける必要がなく、一度の工程、すなわち、付着工程を行うだけで、防錆処理も合わせて行うことができるので、接点部の表面処理をより簡便に行うことができる。
防錆剤としては、5−アミノテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等を含むものが、防錆の効果が大きいという点では好ましいが、これらに限定されるものではない。防錆剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
防錆剤は、上記の界面活性剤と併用されて接点処理剤に添加されてもよいし、強酸処理されたナノカーボン材料を含む接点処理剤に添加されていてもよい。いずれの場合でも、防錆剤の上記効果は発揮され得る。
電気接点の表面処理方法は、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、防錆剤を前記接点部に付着させる工程を有することも好ましい一形態である。すなわち、電気接点の表面処理方法は、付着工程を有するものであるが、この付着工程の前に、さらに、防錆剤を接点部に付着させる工程を有していてもよい。以下では、「防錆剤を接点部に付着させる工程」を「防錆処理工程」と称する場合がある。
防錆処理工程で防錆剤を接点部に付着させる方法としては特に制限はなく、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる方法と同様の方法を採用することができる。すなわち、防錆剤を含む液体を準備して、これに電気接点部材を浸漬させる方法、あるいは、防錆剤を含む液体を電気接点部材に塗布させる方法で行うことができるが、もちろん、噴霧等の手段を用いてもよい。防錆剤の浸漬や塗布は、付着工程の場合と同様の方法、同様の条件で行うことができる。
上記のように付着工程の前に防錆処理工程を施すことで、電気接点部材に防錆性を付与することができるので、電気接点部材の耐食性を高めることができ、また、半田の濡れ性も向上することで、半田付け性を高めることもできる。
特に、付着工程の前に防錆処理工程を施すことにあたって、導電性ナノカーボン材料と相性が良い防錆剤をあらかじめ選定しておき、この防錆剤を用いて防錆処理工程を施すことが好ましい。この場合、防錆処理工程後の付着工程では、導電性ナノカーボン材料をより均一に電気接点部材に付着させることができるからである。すなわち、導電性ナノカーボン材料と相性の良い防錆剤が接点部に付着していることで、付着工程において導電性ナノカーボン材料の付着性が高まり、凝集して導電性ナノカーボン材料が付着するのを抑制することができるのである。ここでいう「導電性ナノカーボン材料と相性が良い防錆剤」とは、例えば、各々のゼータ電位が互いに正負が逆であることで両者の材料が電気的に付着しやすい関係にあることや、分子間相互作用が起こりやすい関係にあることをいう。導電性ナノカーボン材料と相性が良い防錆剤としては、既述の例示列挙した防錆剤が挙げられる。
電気接点の表面処理方法では、接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加する工程を有することも好ましい一形態である。すなわち、電気接点の表面処理方法は、溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加する工程を有していてもよい。尚、「溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加する工程」を、以下では「印加工程」と称する場合がある。
印加工程において接点部に印加する方法としては、例えば、電解による印加方法等を挙げることができる。
付着工程の前に上記印加工程によって、導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加しておくと、その後の付着工程において、導電性ナノカーボン材料が電気的な作用によって接点部に付着(吸着)しやすくなる。これにより、導電性ナノカーボン材料が速やかに接点部に付着し、また、凝集した状態での付着が抑制されるので、導電性ナノカーボン材料による潤滑性や導電性等の効果もより効率よく発揮される。また、導電性ナノカーボン材料が均一に付着されやすくなることで、耐食性を向上しやすくなる。以上より、付着工程の前に、あらかじめ印加工程により接点部に印加をしておけば、付着工程に費やす時間を短縮することができ、導電性ナノカーボン材料の上記効果を一層高めることができる。
尚、上記でいう導電性ナノカーボン材料のゼータ電位は、市販されているゼータ電位測定機で計測可能である。具体的には、導電性ナノカーボン材料を溶媒に分散させて接点処理剤を調整し、この接点処理剤を測定サンプルとしてゼータ電位測定機で測定することで、溶媒中における導電性ナノカーボン材料のゼータ電位を計測できる。また、接点処理剤中に上述の界面活性剤や防錆剤等の添加剤が含まれている場合は、これらも混合された状態の接点処理剤を測定サンプルとし、この測定サンプルをゼータ電位測定機で測定することで、導電性ナノカーボン材料のゼータ電位を計測できる。
このようにあらかじめ、溶媒中での導電性ナノカーボン材料のゼータ電位を計測しておけば、印加工程にて接点部に印加すべき電位を知ることができる。ここで、「導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位」とは、少なくとも、導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは正負が逆であればよく、必ずしも、ゼータ電位の絶対値まで一致している必要はない。ただし、導電性ナノカーボン材料の付着性をより向上させるという観点では、導電性ナノカーボン材料のゼータ電位と絶対値が近く、かつ、正負が逆の電位を接点部に印加することが好ましい。
電気接点の表面処理方法が上記印加工程を有する場合であっても、その後の付着工程は、上述した条件と同様の条件にて行うことができる。尚、付着工程の前に印加工程を有する場合は、上記の防錆処理工程を有する必要はない。
また、電気接点の表面処理方法が上記印加工程を有する場合、その後の付着工程で使用する接点処理剤は、界面活性剤や防錆剤が添加されていてもよいし、導電性ナノカーボン材料が強酸処理されたものであってもよい。
上記説明した各実施形態の表面処理方法で処理された電気接点部材は、高温で処理されたとしても潤滑性や導電性が損なわれにくく、しかも、安定した接触抵抗を有するものである。そのため、このような電気接点部材を用いて、例えば、コネクタを形成させれば、このようなコネクタは、上記接点部材の表面処理方法で処理された電気接点部材を備える
ので、接続信頼性や耐久性等の性能に優れたものとなる。電気接点部材はコネクタのみならず、リードフレーム、スイッチ、リレー等の電気接点にも適用可能である。
ので、接続信頼性や耐久性等の性能に優れたものとなる。電気接点部材はコネクタのみならず、リードフレーム、スイッチ、リレー等の電気接点にも適用可能である。
また、上記説明した各種態様の接点処理剤は、導電性ナノカーボン材料を含み、この導電性ナノカーボン材料が潤滑剤としての役割を果たすものである。そのため、電気接点部材の接点部に導電性と潤滑性の両方の性能を付与させる必要がある場合に、上記接点処理剤が好適に採用され得るものとなる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
導電性ナノカーボン材料としてカーボンナノチューブ(昭和電工社製、品名「VGCF」)を2質量部用意し、これを溶媒である代替フロンに固形分濃度が2質量%となるように分散させることで、接点処理剤を調製した。上記分散は、超音波分散機を用いることで行った。
導電性ナノカーボン材料としてカーボンナノチューブ(昭和電工社製、品名「VGCF」)を2質量部用意し、これを溶媒である代替フロンに固形分濃度が2質量%となるように分散させることで、接点処理剤を調製した。上記分散は、超音波分散機を用いることで行った。
一方、コネクタ(パナソニック社製、品名「A4S」)を準備し、このコネクタの接点部に、ニッケルメッキを施した後、この上にさらに金メッキを施した。
次いで、上記メッキを施したコネクタの接点部を、上記のように調製した接点処理剤に3秒間浸漬することで、コネクタの接点部に接点処理剤を付着させる処理をした。
(実施例2)
接点処理剤に、溶媒を水にして、さらに界面活性剤(和光純薬社製、品名「ポリアクリル酸5000」)を1質量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
接点処理剤に、溶媒を水にして、さらに界面活性剤(和光純薬社製、品名「ポリアクリル酸5000」)を1質量部添加したこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
(実施例3)
導電性ナノカーボン材料を硫酸で強酸処理をしたこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
導電性ナノカーボン材料を硫酸で強酸処理をしたこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
(実施例4)
コネクタの接点部に接点処理剤を付着させる処理を行う前に、防錆剤(和光純薬社製、品名「トリルトリアゾ−ル・5−メチルベンゾトリアゾール」)を前記接点部に付着させる処理を行ったこと以外は、実施例2と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
コネクタの接点部に接点処理剤を付着させる処理を行う前に、防錆剤(和光純薬社製、品名「トリルトリアゾ−ル・5−メチルベンゾトリアゾール」)を前記接点部に付着させる処理を行ったこと以外は、実施例2と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
(実施例5)
溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位をコネクタの接点部に印加した後に、コネクタの接点部に接点処理剤を付着させる処理をしたこと以外は、実施例2と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位をコネクタの接点部に印加した後に、コネクタの接点部に接点処理剤を付着させる処理をしたこと以外は、実施例2と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
(比較例1)
接点処理剤として、導電性ナノカーボン材料を含まず、防錆剤であるトリルトリアゾールと潤滑剤である水溶性潤滑剤とを含むものを使用したこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
接点処理剤として、導電性ナノカーボン材料を含まず、防錆剤であるトリルトリアゾールと潤滑剤である水溶性潤滑剤とを含むものを使用したこと以外は実施例1と同様の方法で、コネクタの接点部の処理を行った。
[評価方法]
各実施例及び比較例で得られたコネクタを、温度260℃にて鉛フリーの半田実装をした後、これらのコネクタの潤滑性、導電性及び耐食性の評価を行った。尚、各性能評価は以下の方法で行った。
各実施例及び比較例で得られたコネクタを、温度260℃にて鉛フリーの半田実装をした後、これらのコネクタの潤滑性、導電性及び耐食性の評価を行った。尚、各性能評価は以下の方法で行った。
(潤滑性)
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「トライボギア(HEIDON‐Type:14FW)」を用い、試験条件は、荷重を100g、測定距離を40mm、測定速度を600mm/minとして、潤滑性試験を行った。潤滑性能については、摩擦力が20gf以下であるかどうかを基準とし、以下の判定基準にて評価した。
◎:潤滑性が非常に良好であった。
○:潤滑性が良好であった。
×:潤滑性が悪いものであった。
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「トライボギア(HEIDON‐Type:14FW)」を用い、試験条件は、荷重を100g、測定距離を40mm、測定速度を600mm/minとして、潤滑性試験を行った。潤滑性能については、摩擦力が20gf以下であるかどうかを基準とし、以下の判定基準にて評価した。
◎:潤滑性が非常に良好であった。
○:潤滑性が良好であった。
×:潤滑性が悪いものであった。
(導電性)
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「接点シミュレーター(山崎試験機)」を用いて導電性試験を行った。導電性能については、接圧0.2N時において100mΩ以下であるかどうかを基準として、以下の判定基準にて評価した。
○:接点部は高い導電性を有していた。
×:接点部の導電性は低いものであった。
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「接点シミュレーター(山崎試験機)」を用いて導電性試験を行った。導電性能については、接圧0.2N時において100mΩ以下であるかどうかを基準として、以下の判定基準にて評価した。
○:接点部は高い導電性を有していた。
×:接点部の導電性は低いものであった。
(耐食性)
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「亜硫酸ガス試験機」を用い、ガス濃度10ppm、温度40℃、湿度90%、試験時間を48時間として耐食性試験を行った。そして、試験後の外観を観察し、以下の判定基準にて耐食性能を評価した。
前処理として、コネクタの260℃大気リフロー処理を3回行った。測定機器として「亜硫酸ガス試験機」を用い、ガス濃度10ppm、温度40℃、湿度90%、試験時間を48時間として耐食性試験を行った。そして、試験後の外観を観察し、以下の判定基準にて耐食性能を評価した。
[耐食性]
○:外観が良好で、耐食性が優れるものであった。
×:外観が悪化し、耐食性に劣るものであった。
○:外観が良好で、耐食性が優れるものであった。
×:外観が悪化し、耐食性に劣るものであった。
Claims (9)
- 導電性ナノカーボン材料と溶媒とを含む接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程を有することを特徴とする電気接点の表面処理方法。
- 前記接点処理剤が界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電気接点の表面処理方法。
- 前記導電性ナノカーボン材料が強酸処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の電気接点の表面処理方法。
- 前記接点処理剤は防錆剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気接点の表面処理方法。
- 前記接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、防錆剤を前記接点部に付着させる工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気接点の表面処理方法。
- 前記接点処理剤を電気接点部材の接点部に付着させる工程の前に、前記溶媒中の導電性ナノカーボン材料のゼータ電位とは逆の電位を接点部に印加する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気接点の表面処理方法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の接点表面処理方法によって処理されたことを特徴とする電気接点部材。
- 請求項7に記載の電気接点部材を備えることを特徴とするコネクタ。
- 電気接点部材の接点部に付着させるための接点処理剤であって、導電性ナノカーボン材料を含み、前記導電性ナノカーボン材料が潤滑性を有していることを特徴とする接点処理剤。
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