JP2012049107A - 電気接点部品 - Google Patents

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直貴 関
Katsunobu Yamada
勝信 山田
Yuichi Uchida
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Abstract

【課題】接触信頼性及び実装性に優れる電気接点部品を提供する。
【解決手段】接触により電気的接続を行う接点部1と、半田接合により外部との電気的接続を行う実装部2とを備える。前記接点部1の表面にはカーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層4が選択的に形成される。前記実装部2には前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層4よりも半田濡れ性の高いめっき層5が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、リレー、スイッチ、コネクタなどの電気部品の接点部品(接点材料)として用いられる電気接点部品に関するものである。
電気接点部品の接触信頼性と実装性を確保するために、接点部には電気伝導性に優れるAu、Ag、Pt、Rh、Ru、Ir、Pdなどの高価な貴金属層を最表面に形成することが一般的である。AuやAgは軟質材料であるため、その硬度を上げるために、Au−Co、Au−Ni、Ag−W、Ag−WCといった合金または複合材料として用いられることが多い。
しかし、リフロー後では接点部の表面に電気接続を阻害する酸化物が形成されるため、低接触圧力領域(接点部の表面が金合金系のめっき層で形成されている場合では、9.8×10−3N(1gf)以下の接触力)での接触抵抗が大きくなり、接触信頼性に欠けるという問題があった。
特許第4032116号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、接触信頼性及び実装性に優れる電気接点部品を提供することを目的とするものである。
本発明の電気接点部品は、接触により電気的接続を行う接点部と、半田接合により外部との電気的接続を行う実装部とを備え、前記接点部の表面にはカーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層が選択的に形成され、前記実装部には前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層よりも半田濡れ性の高いめっき層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明にあっては、前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層の表面に前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックが突出していることが好ましい。
本発明にあっては、前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層は、電解めっき又は無電解めっきにより形成されるのが好ましい。
本発明にあっては、前記カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブを含有することが好ましい。
本発明にあっては、前記カーボンナノチューブを含有するめっき層は、その全量に対して0.02〜2.0質量%のカーボンナノチューブを含有することが好ましい。
本発明にあっては、前記カーボンブラックを含有するめっき層は、その全量に対して0.02〜1.0質量%のカーボンブラックを含有することが好ましい。
本発明は、接触信頼性及び実装性に優れるものである。
本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は側面の概略図、(b)(c)は一部の断面図である。 (a)は本発明を用いるヘッダの一例を示す斜視図、(b)は本発明を用いるソケットの一例を示す斜視図である。 同上のCNTめっき層の形成方法の一例を示す概略図である。 同上のCNTめっき層の形成方法の他例を示す概略図である。 同上のCNTめっき層の形成方法の他例を示す概略図である。 (a)(b)は、同上のCNTめっき層の形成方法の他例を示す概略図である。 (a)は実施例1で作製したCNT複合めっき膜の表面SEM写真(×1000倍)を示し、(b)は実施例1で作製したCNT複合めっき膜の表面SEM写真(×5000倍)を示す写真である。 接触信頼性及び実装性の評価で用いたリフロー温度プロファイルを示すグラフである。 接触信頼性の評価を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態の一例を示す断面図である。 実施例3で形成したCBめっき層の表面SEM写真である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
電気接点部品Aはコネクタの端子部品、スイッチやリレーなどの可動接点や固定接点などとして用いられるものであって、特に、低接触圧力領域で使用される電気接点部品Aに好適である。
電気接点部品Aを用いるコネクタとしては、図2(a)に示すヘッダHと、図2(b)に示すソケットSとからなるものを例示することができる。ヘッダHは、例えば合成樹脂のような絶縁材料からなるヘッダ本体30と、導電材料からなり例えばインサート成形によりヘッダ本体30に保持された複数本のヘッダコンタクト40とを有する。また、ソケットSは、例えば合成樹脂のような絶縁材料からなり接続凹部20が設けられたソケット本体50と、導電性と弾性とを有する材料からなり接続凹部20にヘッダHが挿入された際に接続凹部20の内側においてヘッダコンタクト40に一対一に接触導通するようにソケット本体50に保持された複数本のソケットコンタクト60とを有する。本発明の電気接点部品Aは上記ヘッダコンタクト40及びソケットコンタクト60として用いることができる。
図1(a)に示すように、ヘッダコンタクト40は、ヘッダ本体30の左右の外側面に露出してソケットコンタクト60の第1の接触部64に接触する第1の接触部41と、第1の接触部41とともに内凹部19の左右の縁を挟むU字形状をなし内凹部19の内側に露出してソケットコンタクト6の第2の接触部66に接触する第2の接触部42と、第2の接触部42の上端から左右方向のうち外向きに延長されて内凹部19の底面を貫通しヘッダ本体30の上端面(図2(a)における下端面)に沿って左右に突出して実装に用いられる端子部43とを有する。
ソケットコンタクト60は、厚さ方向を上下方向に向けてソケット本体50から突出して実装に用いられる端子部61と、下端が端子部61の左右のうち内側となる一方の端に連結され上方向に延長されソケット本体50に保持される被保持部62と、被保持部62の上端に一端が連結され左右方向のうち端子部61から離れる方向に延長された第1の連結部63と、第1の連結部63の他端に一端が連結され下方に延長されてヘッダコンタクト40に接触する第1の接触部64と、第1の接触部64の下端に一端が連結され左右方向のうち被保持部62から離れる方向に延長された第2の連結部65と、第2の連結部65の他端に下端が連結されて接続凹部20からヘッダHを抜く方向に延長されて第1の接触部64との間にヘッダコンタクト40を弾性的に挟持する第2の接触部66とを有する。
そして、上記ヘッダコンタクト40の第1の接触部41と第2の接触部42及び上記ソケットコンタクト60の第1の接触部64と第2の接触部66が、電気回路や他の電気接点部品などの導電部材と接触することにより電気的接続を行う接点部1として形成されている。また、上記ヘッダコンタクト40の端子部43と上記ソケットコンタクト60の端子部61が電気回路などの外部(他部材)の導電部材と半田接合により電気的接続を行う実装部2として形成されている。
接点部1は、電気接点部品Aの母材3の表面にカーボンナノチューブを含有するめっき層(以下、「CNTめっき層」という)4を設けて形成されている。実装部2は、母材3の表面にCNTめっき層4よりも半田濡れ性の高いめっき層(以下、「半田接合めっき層」という)5を設けて形成されている。尚、図1(a)において、接点部1をクロスハッチングで示し、実装部2を斜線模様で示す。
母材3は電気接点部品Aの使用目的に応じて所望の形状に成形されており、銅又は銅合金などの電気接点部品に使われる公知の金属材料で形成することができる。銅合金としては、Cu−Ti、Cu−Ti−Fe、Cu-Be、Cu−Sn−P系、Cu−Zn系、Cu−Ni−Zn系、Cu−Ni−Si系、Cu−Fe−P系合金などが挙げられる。
CNTめっき層4は、図1(b)に示すように、母材3の表面に付着する金属めっき膜4aと、金属めっき膜4a中に分散して配合されるカーボンナノチューブ(以下、「CNT」という)4bとの複合めっきで形成されている。
金属めっき膜4aは母材3への付着性やCNT4bの保持性、硬度等を考慮して、その材質や厚みなどを決定すればよい。例えば、金属めっき膜4aは、Cuめっき膜やNiめっき膜等の材質で形成することができるが、Niめっき膜の方が好ましい。Niめっき膜は耐食性、耐摩耗性、耐薬品性に優れた金属皮膜で、作業性も良く、処理コストも比較的低いためである。また、金属めっき膜4aは、1〜5μmの厚みであることが好ましい。
CNT4bは炭素材料であって、化学的に安定かつ電気伝導性、摺動性、機械的強度に優れるものである。CNT4bとしては、直径が100〜200nm、長さ10〜20μmのものを用いる。また、CNT4bとしては、グラファイトのシートが1層に筒状に巻かれた単層CNTとグラファイトのシートが2層以上の多層に巻かれた多層CNTが存在するが、多層CNTは単層CNTよりも量産性に優れ、比較的安価に入手できるため、コストを抑えることができる点で好ましい。
CNTめっき層4は、金属めっき膜4aの表面にCNT4bが突出して形成されているのが好ましい。すなわち、図1(b)に示すように、金属めっき膜4aに含有される一部又は全部のCNT4bの一部が金属めっき膜4aの表面よりも外側に突出した状態となっている。また、金属めっき膜4aの表面に金属酸化皮膜が形成されている場合は、CNT4bは金属めっき膜4aの表面の金属酸化皮膜4cよりも内部(深部)の酸化されていない部分に接触していることが好ましい。これにより、半田リフロー工程等で金属めっき膜4aの表面に形成される金属酸化皮膜4cを貫通してCNT4bがCNTめっき層4の表面に存在することになる。従って、電気導電性の低い金属酸化皮膜4cよりも電気導電性の高いCNT4bを介して他の導電部材と金属めっき膜4aの内部(深部)の金属とが電気的に直結し、その結果、安定的に低い接触抵抗が得られる。また、CNTめっき層4の表面のCNT4bにより金属めっき膜4aと他の金属製の導電部材との凝着・磨耗現象が発生しにくくなり、耐スティッキング性を高めることができると考えられる。
CNTめっき層4には、その全量に対して0.02〜2.0質量%のCNT4bが含有されていることが好ましい。CNT4bの含有量が0.02質量%よりも少ないと、CNT4bによるCNTめっき層4の接触信頼性の向上が充分に得られなくなるおそれがあり、CNT4bの含有量が2.0質量%よりも多いと、めっき液への分散性が低下したり、母材3への密着性が低くなるおそれがある。すなわち、CNT4bの含有量が上記の範囲であると、CNT4bによるCNTめっき層4の接触信頼性の向上が充分に得られ、また、CNT4bのめっき液への分散性やCNTめっき層4の母材3への密着性が十分に確保できるものである。
半田接合めっき層5は、CNTめっき層4よりも半田濡れ性の高いものである。CNTめっき層4はCNT自体が疎水性を有していることや、表面粗度の程度が大きいため、半田が広がりにくくて密着しにくい。従って、CNTめっき層4を実装部2にまで施すと、電気接点部品Aの他の導電部材への接合強度が低下したり接合に時間や手間がかかったりするなどして実装性が低くなるおそれがある。そこで、実装部2にはCNTめっき層4よりも半田濡れ性の優れた半田接合めっき層5を形成するのである。半田接合めっき層5は、例えば、電気伝導性に優れるAu、Ag、Pt、Rh、Ru、Ir、Pd及びこれらの合金などの貴金属めっき膜を母材3の表面に直接形成することができる。また、図1(c)に示すように、半田接合めっき層5と母材3の表面との間にベースめっき層6を介在させてもよい。この場合、ベースめっき層6としては、母材3との密着性に優れるNiめっき膜を用いることができ、その表面に積層される半田接合めっき層5としては、電気伝導性に優れるAuやAuPd合金めっき膜などを用いることができる。また、ベースめっき層6の厚みは0.5〜2μmとするのが好ましく、半田接合めっき層5の厚みは0.1〜0.5μmとするのが好ましい。
上記のような電気接点部品Aは、所望の形状に形成した母材3の接点部1となるべき部分にCNTめっき層4を選択的に形成すると共に上記母材3の実装部2となるべき部分に半田接合めっき層5を選択的に形成することによって製造することができる。
CNTめっき層4を選択的に形成するにあたっては各種の方法を採用することができる。例えば、スポットめっき法を採用する場合は、図3に示すように、母材3の表面のCNTめっき層4を形成すべき箇所にノズル10からめっき液11を部分的に吹き付けてCNTめっき層4を形成することができる。めっき液11には金属めっき膜4aを形成するための金属成分とCNT4bとが含有されている。この他に、スパージャーを用いて部分的にめっきすることもできる。
また、マスクめっき法によりCNTめっき層4を選択的に形成することもできる。この場合は、図4に示すように、母材3の表面のCNTめっき層4を形成すべき箇所以外の部分(例えば、実装部2となるべき箇所)をマスク12で被覆し、この後、マスク12を設けた母材3をめっき液に浸漬し、電解めっきや無電解めっきにより、母材3のマスク12で被覆されていない箇所にCNTめっき層4を形成することができる。
また、レジストめっき法によりCNTめっき層4を選択的に形成することもできる。この場合は、図5に示すように、母材3の表面のCNTめっき層4を形成すべき箇所以外の部分(例えば、実装部2となるべき箇所)をレジスト膜13で被覆し(図5にハッチングで示す)、この後、レジスト膜13を設けた母材3をめっき液に浸漬し、電解めっきや無電解めっきにより、母材3のレジスト膜13で被覆されていない箇所にCNTめっき層4を形成することができる。
また、触媒めっき法によりCNTめっき層4を選択的に形成することもできる。この場合は、図6(a)に示すように、母材3の表面のCNTめっき層4を形成すべき箇所にめっき触媒(図6(a)のハッチング部分)14を付着し、この後、めっき触媒14を設けた母材3をめっき液に浸漬し、無電解めっきにより、図6(b)に示すように、母材3のめっき触媒14を付着した箇所にCNTめっき層(図6(b)の点々模様の部分)4を形成することができる。
また、半田接合めっき層5及びベースめっき層6もスパージャーめっき、部分浸漬、フェルトめっき、スポットめっきなどの公知のめっき方法やCNTめっき層4の場合と同様のめっき方法により、選択的に形成することができる。
上記のような電気接点部品Aでは、接点部1にCNTめっき層4を形成するので、低接触圧力であってもCNT4bで他の導電部材との接触を確保して電気的接続を行うことができ、半田リフロー後においても低接圧領域での接触信頼性を確保することができる。また、CNTめっき層4の金属めっき膜4aと他の導電部材との間にCNT4bが介在するため、金属めっき膜4aと他の導電部材との凝着・磨耗を少なくすることができ、耐スティッキング性を向上させることができる。さらに、CNTめっき層4は金属のみのめっき層に比べて摺動摩耗が少なく、高硬度にすることができるので、電気接点部品Aの長寿命化を図ることができる。従って、上記のような電気接点部品Aを開閉回数の多いスイッチやリレー等の接点部品(接点材料)として用いると、スティッキング現象が起こりにくく、また、容易に長寿命化を図ることができて好ましい。また、Au等の貴金属のめっきを接点部1に用いなくてもよいので、低コストで高信頼性の電気接点部材Aとすることができる。一方、実装部2にはCNTめっき層4よりも半田濡れ性の良いAu等の半田接合めっき層5を形成するため、高い実装性を確保することができる。従って、上記の電気接点部品Aは、接触信頼性と実装性とを両立させることができるものである。
図10に他の実施の形態を示す。この電気接点部品Aは、接点部1が電気接点部品Aの母材3の表面にカーボンブラックを含有するめっき層(以下、「CBめっき層」という)7を設けて形成されている。その他の構成は上記実施の形態と同様である。実装部2は図1(c)と同様に、母材3の表面にCBめっき層7よりも半田濡れ性の高い半田接合めっき層5を設けて形成されている。母材3は上記と同様に、銅又は銅合金などの電気接点部品に使われる公知の金属材料で形成することができる。
CBめっき層7はCNTめっき層4に含有されているCNT4bの代わりに、カーボンブラック7bを含有させて形成されている。すなわち、図10に示すように、母材3の表面に付着する金属めっき膜7aと、金属めっき膜7a中に分散して配合されるカーボンブラック(以下、「CB」という)7bとの複合めっきで形成されている。
金属めっき膜7aは上記と同様に、母材3への付着性やCB7bの保持性、硬度等を考慮して、その材質や厚みなどを決定すればよい。例えば、金属めっき膜7aは、Cuめっき膜やNiめっき膜等の材質で形成することができるが、Niめっき膜の方が好ましい。Niめっき膜は耐食性、耐摩耗性、耐薬品性に優れた金属皮膜で、作業性も良く、処理コストも比較的低いためである。また、金属めっき膜7aは、1〜5μmの厚みであることが好ましい。
CB7bは炭素材料であって、化学的に安定かつ電気伝導性、摺動性、機械的強度に優れるものである。CB7bとしては粒子状のものを用いることができ、その粒子径はレーザー回折法等による測定で数〜100nmのものを用いるのが好ましい。また、CB7bは電気伝導性に優れた品種であり、その各粒子がクラスター状になったミクロンオーダーの大きさの集合体の状態で存在していることが好ましい。また、CB7bはCNT4bよりも量産性に優れ、比較的安価に入手できるため、コストを抑えることができる点で好ましい。
CBめっき層7は、金属めっき膜7aの表面にCB7bが突出して形成されているのが好ましい。すなわち、図10に示すように、金属めっき膜7aに含有される一部又は全部のCB7bの一部が金属めっき膜7aの表面よりも外側に突出した状態となっている。また、金属めっき膜7aの表面に金属酸化皮膜が形成されている場合は、CB7bの他の一部が金属めっき膜7aの表面の金属酸化皮膜7cよりも内部(深部)の酸化されていない部分に接触していることが好ましい。これにより、半田リフロー工程等で金属めっき膜7aの表面に形成される金属酸化皮膜7cを貫通してCB7bがCBめっき層7の表面に存在することになる。従って、電気導電性の低い金属酸化皮膜7cよりも電気導電性の高いCB7bを介して他の導電部材と金属めっき膜7aの内部(深部)の金属とが電気的に直結し、その結果、安定的に低い接触抵抗が得られる。また、CBめっき層7の表面のCB7bにより金属めっき膜7aと他の金属製の導電部材との凝着・磨耗現象が発生しにくくなり、耐スティッキング性を高めることができると考えられる。
CBめっき層7には、その全量に対して0.02〜1.0質量%のCB7bが含有されていることが好ましい。CB7bの含有量がこの範囲であると、CB7bによるCBめっき層7の接触信頼性の向上が充分に得られ、また、CB7bのめっき液への分散性やCBめっき層7の母材3への密着性が十分に確保できるものである。
半田接合めっき層5は上記と同様に、CBめっき層7よりも半田濡れ性の高いものである。CBめっき層7はCB自体が疎水性を有していることや、表面粗度の程度が大きいため、半田が広がりにくくて密着しにくい。従って、CBめっき層7を実装部2にまで施すと、電気接点部品Aの他の導電部材への接合強度が低下したり接合に時間や手間がかかったりするなどして実装性が低くなるおそれがある。そこで、実装部2にはCBめっき層7よりも半田濡れ性の優れた半田接合めっき層5を形成するのである。半田接合めっき層5は上記と同様に、電気伝導性に優れるAuなどの貴金属めっき膜を母材3の表面に直接形成することができる。また、半田接合めっき層5と母材3の表面との間に上記と同様のベースめっき層6を介在させてもよい。
カーボンブラックを用いた電気接点部品Aは、所望の形状に形成した母材3の接点部1となるべき部分にCBめっき層7を選択的に形成すると共に上記母材3の実装部2となるべき部分に半田接合めっき層5を選択的に形成することによって製造することができる。
CBめっき層7を選択的に形成するにあたっては、上記と同様の各種の方法を採用することができる。この場合、CNT4bの代わりにCB7bをめっき液等に配合すれば良い。また、半田接合めっき層5及びベースめっき層6も上記と同様の各種の方法で選択的に形成することができる。
そして、CB7bを用いた場合でもCNT4bを用いた場合と同様に、低接圧領域での接触信頼性を確保することができると共にスティッキング現象が起こりにくく、また、容易に長寿命化を図ることができるものである。また、実装部2にはCBめっき層7よりも半田濡れ性の良いAu等の半田接合めっき層5を形成するため、高い実装性を確保することができる。従って、上記の電気接点部品Aは、接触信頼性と実装性とを両立させることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
母材3としては、材質が銅板またはスイッチの接点材料に適用される形状に成形されたリン青銅またはチタン銅などのCu合金を用いた。
接点部1のCNTめっき層4は電解めっき法により形成した。この場合、CNT4bを含有するNiめっき液を用いた。CNT4bとしては、昭和電工(株)製のVGCFを用いた。このCNT4bは単層CNTと多層CNTの混合物である。また、直径(外径)が100〜200nmで長さが10〜20μmの範囲のCNT4bを含有している。Niめっき液はその組成が硫酸Ni(1mol/dm)、塩化Ni(0.2mol/dm)、ホウ素(0.5mol/dm)、分散剤として分子量5000のポリカルボン酸(2×10−5mol/dmのものを用いた。CNT4bの混合量は2g/dmとした。また、CNT4bを含有するNiめっき液をめっき浴とし、浴温25℃、電流密度1〜5A/dmのめっき条件とした。そして、金属めっき膜4aの厚みが5μm、CNT4bの含有量が0.02質量%のCNTめっき層4を形成した。
実装部2の半田接合めっき層5は、母材3の表面に形成されたベースめっき層6の表面に積層して形成した。ベースめっき層6は厚み0.5〜2μmのNiめっき膜であって、めっき条件はスルファミン酸Ni(450g/l)、塩化Ni(3g/l)、硼酸(30g/l)、添加剤(適量)、ピット防止剤(適量)、pH=3.0〜4.5、浴温40〜50℃で電解めっきを1分間行った。半田接合めっき層5は厚み0.2μmのAuめっき膜であって、めっき条件はシアン化Auカリウム(8〜10g/l)、クエン酸(60〜90g/l)、コバルト(100mg/l)、処理温度25〜35℃、電流密度0.5〜1.5A/dmで30秒間の電解めっきを行った。
(実施例2)
金属めっき膜4aの厚みを20μmにしたCNTめっき層4を形成した以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
CNT4bの代わりにCB7bを用い、金属めっき膜4aの厚みを2μmとしてCBめっき層7を形成した以外は実施例1と同様にした。CB7bとしては、Cabot社製のバルカンXC-72を用いた。このCBは直径(粒子径)が20〜40nmの範囲である。
(比較例1)
CNTめっき層4の代わりに、接点部1にCNTを含有しないNiめっきを厚み20μmで形成した以外は実施例1と同様にした。
(比較例2)
CNTめっき層4の代わりに、接点部1にCNTを含有しないAu−Coめっきを厚み0.2μmで形成した以外は実施例1と同様にした。
(CNTめっき層4及びCBめっき層7の表面性状の観察)
実施例1で形成したCNTめっき層4の表面性状を走査型電子顕微鏡(SEM)写真により観察した(図7(a)(b)参照)。白い線状あるいは針状の部分がCNTである。また、実施例3で形成したCBめっき層7の表面性状を走査型電子顕微鏡(SEM)写真により観察した(図11参照)。
(接触信頼性の評価)
実施例1〜3及び比較例1、2について、接点部1の熱処理後の接触抵抗値の測定を行った。図8に熱処理時の温度プロファイルを示す。これは、鉛フリーはんだを用いた大気リフロー実装を想定しており、3サイクルの熱処理を行った。
接触抵抗値の測定には(株)山崎精機研究所が作製した電気接点シミュレータ(型式CRS−113−AU型)を用いた。交流4端子法による測定のため、測定値にはリード線、コネクタ部などの固有抵抗は含まれず、接触荷重を変化させた時の接触抵抗値を計測することができる。電動ステージにより、一定荷重で接触位置を走査でき、スイッチやリレー接点におけるワイピングを想定した測定も可能である。尚、接触力0.2Nで接触抵抗値の測定を行った。結果を図9に示す。
この結果から明らかなように、実施例1〜3は比較例1、2よりも接触抵抗値が小さく、低接触圧力領域での接触信頼性が高いと言える。
(実装性の評価)
実施例2、3及び比較例2について、鉛フリーはんだペーストのはんだ濡れ性を評価した。
厚み0.12mmのマスクスクリーンを用いて、CNTめっき層又はCBめっき層の表面に鉛フリーはんだペーストをΦ4.5mmの円の形状になるように塗布した。はんだペーストは千住金属工業(株)製のM705−221BM5−32−11.2Kを使用した。実装条件は大気下で図8の温度プロファイルを用いたリフローとした。そして、リフロー後のはんだボール直径を計測し、リフロー前の寸法との比率を算出することで、はんだ濡れ性を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例2(Auめっき品)はリフロー後/リフロー前比率が125%であり、はんだが濡れ拡がりやすく実装上良好な結果が得られているのに対し、実施例2(CNTめっき層)は42%と逆にはんだをはじいていることがわかった。このことは、CNTめっき層の表面が酸化ニッケル層とCNTで構成されており、両方とも疎水的な作用があることに起因していると考えられる。よって、接点部に選択的にCNTめっき層を形成し、はんだ実装部にはAuめっきを設けることが、実用上最良の構成であるといえる。また、CBを用いた実施例3についても同様のことがいえる。
A 電気接点部品
1 接点部
2 実装部
4 カーボンナノチューブを含有するめっき層(CNTめっき層)
4b カーボンナノチューブ(CNT)
5 半田濡れ性の高いめっき層(半田接合めっき層)
7 カーボンブラックを含有するめっき層(CBめっき層)
7b カーボンブラック(CB)

Claims (6)

  1. 接触により電気的接続を行う接点部と、半田接合により外部との電気的接続を行う実装部とを備え、前記接点部の表面にはカーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層が選択的に形成され、前記実装部には前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層よりも半田濡れ性の高いめっき層が形成されていることを特徴とする電気接点部品。
  2. 前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層の表面に前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックが突出していることを特徴とする請求項1に記載の電気接点部品。
  3. 前記カーボンナノチューブ又はカーボンブラックを含有するめっき層は、電解めっき又は無電解めっきにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気接点部品。
  4. 前記カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気接点部品。
  5. 前記カーボンナノチューブを含有するめっき層は、その全量に対して0.02〜2.0質量%のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気接点部品。
  6. 前記カーボンブラックを含有するめっき層は、その全量に対して0.02〜1.0質量%のカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気接点部品。
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