JP2015013480A - コピーモールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な離型性を有し、元型モールド上のパターンへの被転写物の充填を良好に行い、精度良くパターンを転写させる方法の提供。
【解決手段】インプリントにより所定の凹凸パターンを被転写物1に転写するためのモールド30に設けられる離型層31において、モールドにおける前記凹凸パターンの凹部に離型層31越しで被転写物1を充填するため、エネルギーによる処理によって離型層31の表面自由エネルギーを変動させることによる表面自由エネルギーの最適化がなされている方法。但し、前記エネルギーによる処理とは、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによる処理のことである。
【選択図】図3

Description

本発明は、インプリント用離型層、インプリント用離型層付きモールド及びインプリント用離型層付きモールドの製造方法に関し、特に、パターン転写に用いられるモールドに設けられるインプリント用離型層に関する。
従来、ハードディスク等で用いられる磁気ディスクにおいては、磁気ヘッド幅を極小化し、情報が記録されるデータトラック間を狭めて高密度化を図るという手法が用いられてきた。
その一方で、この磁気ディスクは高密度化がますます進み、隣接トラック間の磁気的影響が無視できなくなっている。そのため、従来手法だと高密度化に限界がきている。
最近、磁気ディスクのデータトラックを磁気的に分離して形成するパターンドメディアという、新しいタイプのメディアが提案されている。このパターンドメディアとは、記録に不要な部分の磁性材料を除去(溝加工)して信号品質を改善しようとするものである。
このパターンドメディアを量産する技術として、マスターモールド、又はマスターモールドを元型のモールドとして一回又は複数回転写して複製したコピーモールド(ワーキングレプリカともいう)が有する凹凸パターンを被転写材に転写することによりパターンドメディアを作製するというインプリント技術(又は、ナノインプリント技術という)が知られている。
なお、このインプリント技術は大きく分けて2種類あり、熱インプリントと光インプリントとがある。
熱インプリントは、微細な凹凸パターンが形成されたモールドを被成形材料である熱可塑性樹脂に加熱しながら押し付け、その後で被成形材料を冷却・離型し、微細パターンを転写する方法である。
また、光インプリントは、微細な凹凸パターンが形成されたモールドを被成形材料である光硬化性樹脂に押し付けて紫外光を照射し硬化させ、その後で被成形材料を離型し、微細パターンを転写する方法である。
ここで挙げたインプリント用モールドにおいては、通常、微細パターンが設けられたマスターモールドそのものは用いられない。その代わりに、このマスターモールドの微細パターンを別の被成形材料に転写して形成された2次モールドや、この2次モールドの微細パターンを更に別の被成形材料に転写して形成された3次モールドなどが用いられる。
このコピーモールドが変形・破損したとしても、マスターモールドが無事ならば、コピーモールドを作製することができる。
さて、上述のようなパターンドメディアを実際に作製する際には、作製ライン毎にこのコピーモールドを作製する必要がある。そして、このコピーモールドを作製する際には上述のように、微細パターンが形成されたマスターモールド(又は元型となるコピーモールド、以降、これらのモールドをまとめて元型モールド又は単にモールドともいう)を被転写物における被成形材料に押し付ける必要があり、それに伴い被成形材料、ひいては被転写物から元型モールドを離型する必要がある。
被転写物から元型モールドを円滑に離型するために、元型モールド表面に予め離型剤組成物を施すことにより離型層を形成してからパターンの転写を行うことが知られている。
このように元型モールドに離型層を設けることにより、元型モールドと離型層との間はある程度の密着性を有しつつ、離型層と被転写物との間の離型性を向上することができる。
例えば特許文献1には、離型剤組成物として、直鎖パーフルオロポリエーテル構造を有する有機シリコーン化合物からなる表面改質剤を用いる技術が記載されている。
また、特許文献2には、オルガノポリシロキサン構造を基本構造とするシリコーン系離型剤について記載されており、具体的には、未変性又は変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等が挙げられている。
特表2008−537557号公報 特開2010−006870号公報
特許文献1及び2に記載されているように、ナノインプリント用離型剤としてはパーフルオロポリエーテル化合物やシリコーン系化合物が一般的に使用されている。
これらの化合物では、通常、フッ素やシリコーンによって、被転写物に対する離型性が高められている。
具体的に言うと、化合物の分子鎖における変性シラン基が設けられていない部分、即ちこの含有フッ素基やシリコーンの部分と被転写物とが接触することになり、この部分の表面自由エネルギーを低下させている。
その結果、元型モールド上に設けられた離型層から元型モールドを円滑に離型できる。そのため、良好な離型層を設けるためには、被転写物との接触予定部分における表面自由エネルギーを低下させることが好ましいと考えられている。
ところが、被転写物との接触予定部分における表面自由エネルギーを低下させた場合、今度は元型モールド上の凹凸パターンの凹部に被転写物が良好に充填されないという問題が生じる(後述する比較例に係る図1(b)参照)。
被転写物が元型モールドの微細な凹凸パターンの凹部に充填されなければ、充填不足の部分においては所望の形状の被転写物が得られず、ひいては充填不足の部分がパターン欠陥となる。
その結果、インプリントの際に、精度良くパターンを転写することが困難となり、ひいてはコピーモールドにより得られる最終製品の品質に影響を与えるおそれがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、充分な離型性を有し、元型モールド上のパターンへの被転写物の充填を良好に行い、精度良くパターンを転写させることができるインプリント用離型層、インプリント用離型層付きモールド及びインプリント用離型層付きモールドの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
インプリントにより所定の凹凸パターンを被転写物に転写するためのモールドに設けられる離型層において、
前記モールドにおける前記凹凸パターンの凹部に前記離型層越しで前記被転写物を充填するため、エネルギーによる処理によって前記離型層の表面自由エネルギーを変動させることによる表面自由エネルギーの最適化がなされていることを特徴とするインプリント用離型層である。
但し、前記エネルギーによる処理とは、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによる処理のことである。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載の発明において、
前記離型層に含まれる化合物は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基を有し、
前記吸着官能基は水素結合可能な官能基であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、
第1又は第2の態様に記載の発明において、
前記離型層に含まれる化合物は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基を有し、
前記吸着官能基はヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基またはこれらのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、
第1ないし第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記エネルギーによる処理は、離型層に対するベーク処理及び/又は紫外線露光であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、
第1ないし第4のいずれかの態様に記載の発明において、
前記エネルギーによる処理は、離型層に対するベーク処理であって、
前記離型層に対するベーク温度と前記離型層の表面自由エネルギーとの関係においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれ、
ベーク処理後の離型層は、ベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域における表面自由エネルギーを有することを特徴とする。
本発明の第6の態様は、
第1ないし第5のいずれかの態様に記載の発明において、
前記フルオロカーボンには(C2mO)[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(C2mO)の分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が1種類または複数種類含まれることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、
インプリントにより所定の凹凸パターンをレジストに転写するためのモールドに設けられる離型層において、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖には(C2mO)[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(C2mO)の分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が一種類または複数種類含まれ、
前記化合物は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基としてヒドロキシル基を少なくとも2個以上有し、
前記化合物の分子鎖における両末端に前記ヒドロキシル基が設けられており、
前記所定のパターンの転写に用いられるレジストを、前記モールドにおける前記凹凸パターンの凹部に前記離型層越しで充填するため、離型層に対するベーク処理によって前記離型層の表面自由エネルギーを変動させることによる表面自由エネルギーの最適化がなされており、
前記離型層に対するベーク温度と前記離型層の表面自由エネルギーとの関係においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれ、
ベーク処理後の離型層は、ベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域における表面自由エネルギーを有することを特徴とするインプリント用離型層である。
本発明の第8の態様は、
第1ないし7のいずれかの態様に記載の離型層が、前記石英基板における所定の凹凸パターンが形成された部分に設けられていることを特徴とするインプリント用離型層付きモールドである。
本発明の第9の態様は、
インプリントにより所定の凹凸パターンを被転写物に転写するためのモールドに離型層が設けられる離型層付きモールドの製造方法において、
前記モールドに離型剤を塗布した後、前記モールドにおける前記凹凸パターンの凹部に前記離型層越しで前記被転写物を充填するため、エネルギーによる処理によって前記離型層の表面自由エネルギーを変動させることによる表面自由エネルギーの最適化を行う工程を有することを特徴とするインプリント用離型層付きモールドの製造方法である。但し、前記エネルギーによる処理とは熱エネルギー及び/又は光エネルギーによる処理のことである。
本発明の第10の態様は、
第9の態様に記載の発明において、
前記エネルギーによる処理はベーク処理であって、
前記離型層に含まれる化合物は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基を有し、
前記吸着官能基は水素結合可能な官能基であり、
前記離型層に対するベーク温度と前記離型層の表面自由エネルギーとの関係においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれ、
ベーク処理後の離型層の表面自由エネルギーの値を、前記一定の表面自由エネルギーの値より大きくすることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、
第9又は10の態様に記載の発明において、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、
前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖には(C2mO)[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(C2mO)の分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が一種類または複数種類含まれ、
前記化合物は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基としてヒドロキシル基を少なくとも2個以上有し、
前記化合物の分子鎖における両末端に前記ヒドロキシル基が設けられており、
前記エネルギーによる処理は、25℃以上170℃以下という条件下でのベーク処理であることを特徴とする。
本発明によれば、充分な離型性を有し、元型モールド上のパターンへの被転写物の充填を良好に行い、精度良くパターンを転写させることができる。
本実施形態に係るインプリント用離型層付きモールドをレジスト上に載置した際にレジストが拡がる様子を示した写真であり、(a)は実施例、(b)は比較例に係る写真である。 本実施形態に係るインプリント用離型層付きモールドの製造工程を説明するための断面概略図である。 図2のインプリント用離型層付きモールドを用いてモールドを製造する工程を説明するための断面概略図である。 本実施形態に係る離型剤を構成する分子鎖における吸着官能基が元型モールド上の物質と結合している様子を説明するための概念図であり、(a)は水酸基が分子鎖の末端にある場合、(b)は水酸基が分子鎖の末端以外にある場合、(c)は主鎖に対してファンデルワールス力が働いている様子、(d)は水酸基が3つある場合、(e)は水酸基が4つある場合の様子を示す。 本実施形態に係るインプリント用離型層付きモールドを熱処理した際の分子鎖の様子を説明するための概念図である。 実施例及び比較例におけるベーク処理温度と表面自由エネルギーとの関係を示すグラフであり、(a)は実施例、(b)は比較例に係るグラフである。 実施例及び比較例により得られたインプリント用離型層付きモールドについて、インプリント用離型層の厚さを示すグラフである。 実施例及び比較例により得られたインプリント用離型層付きモールドについて、インプリント回数と厚さとの関係を示すグラフである。
本発明者らは、充分な離型性を有し、元型モールドの凹凸パターンの凹部に被転写物を充填するのに役立つインプリント用離型層について種々検討した。
この検討の結果、本発明者らは、離型層における被転写物との接触部分の表面自由エネルギーを低下させれば良いという従来の離型剤組成物に対する考えとは逆に、最終的に良好なパターンを被転写物に形成するためには、表面自由エネルギーを上昇させることを主とした最適化を行う必要があることに気づいた。
具体的には、インプリント用離型層に対して熱エネルギー及び/又は光エネルギーを加え、被転写物(例えばレジスト液)と接触する部分におけるインプリント用離型層の表面自由エネルギーを意図的に変動させ、最適な表面自由エネルギーへと調整すると、インプリント用離型層越しに、元型モールドの凹凸パターンの凹部に被転写物を良好に充填できることを見出した(後述する実施例に係る図1(a)参照)。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施形態について説明する。
順序としては、まず本実施形態において、元型モールドにインプリント用離型層を設ける工程について、断面概略図である図2を用いて説明する。
その後、<実施の形態2>において、光インプリントによりコピーモールド20を製造する工程について、断面概略図である図3を用いて説明する。
また、<実施の形態3>においては熱インプリントを用いた場合について記載し、<実施の形態4>においては種々の変形例を記載する。
なお、本実施形態を説明する際の便宜上、元型モールド上に塗布された離型剤であってベーク処理を行うまでのものについては「離型剤組成物」の表現を用い、ベーク処理後に層状且つ半固体状ないし固体状になったものについては「インプリント用離型層」又は単に「離型層」とも表現することにする。
本実施形態においては、表面自由エネルギーの最適化について説明するために、[1.元型モールドに離型層を設ける工程]について最初に説明する。この説明は以下の手順で行う。
1.離型層の概要
2.元型モールドの準備
3.元型モールドへの離型剤の塗布
4.ベーク処理による表面自由エネルギーの最適化
5.リンス処理
その後、[2.インプリント用離型層に含まれる具体的な化合物等]について、以下の手順で説明する
1.インプリント用離型層の化合物組成の概要
2.インプリント用離型層の化合物の主鎖部分
3.インプリント用離型層の化合物の吸着官能基
4.添加剤
その後、上記の化合物における[3.表面自由エネルギーの最適化の詳細]について説明する。
その後、[4.離型層を設ける際の好ましい条件]について説明する。
最後に、[5.本実施形態の効果]について述べる。
[1.元型モールドに離型層を設ける工程]
(1.離型層の概要)
本実施形態においては、図2に示すように、この元型モールド30、少なくとも所定の凹凸パターン(以降、単にパターンとも言う)が形成された部分に離型剤を塗布することによりインプリント用離型層を設ける。
このインプリント用離型層を設けることにより、後述する図3に示すコピーモールド作製用基板1上に設けられたレジスト層4と元型モールド30(更に正確に言えば離型層31)とを接触させたときに、レジスト層4から離型層31を容易に引き離すことができる。
その結果、レジスト層4から元型モールド30を円滑に離型でき、スループットが向上するとともに元型モールド30及びレジスト層4のパターン毀れを抑制することができる。
(2.元型モールドの準備)
元型モールド30であるが、図2に示すように、コピーモールド20に転写されるパターンの元型となるモールド30を用意する。
本実施形態においては、所定のパターンに対応する溝が設けられた石英基板を用いた場合について説明する。
なお、この石英基板上に設けられる所定のパターン(凹凸パターン)はミクロンオーダーであっても良いが、近年の電子機器の性能という観点からはナノオーダーであっても良いし、インプリントモールドなどにより作製される最終製品の性能を考えると、その方が好ましい。
(3.元型モールドへの離型剤の塗布)
この元型モールド30の所定のパターン部分上に離型層31を設けるべく、元型モールド30上に離型剤を塗布する。この塗布方法については、一例を挙げるとするならば、ディップ法、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられる。
(4.ベーク処理による表面自由エネルギーの最適化)
このように離型剤を元型モールド30に塗布した後、本実施形態においては、所定のパターンが転写される被転写物(例えばレジスト液)を、元型モールドの凹凸パターンの凹部に離型層31越しで充填するため、熱エネルギー及び/又は光エネルギーを加え、レジストと接触する離型層31表面における表面自由エネルギーを変動させ、表面自由エネルギーの最適化を行う。
こうすることにより、以下の効果が得られる。
まず、そもそも離型剤により形成される離型層31の離型効果により、充分な離型性を有する程度に、被転写物と接触する部分の離型層31の表面自由エネルギーを低くしている。
その上で本実施形態においては、表面自由エネルギーをある程度の低い値に留めつつも、熱エネルギー及び/又は光エネルギーによる処理を行うことによって、表面自由エネルギーを意図的に上昇させる。それにより、被転写物を元型モールド30上のパターンに充填容易となるように、離型層31上の表面自由エネルギーを最適化させることができる。
この最適化により、被転写物を元型モールド30に迅速且つ確実に充填させることができる。しかも、被転写物の組成に応じてその都度、熱エネルギー及び/又は光エネルギーの大きさを調整することも可能になる。つまり、表面自由エネルギーが実質的に変動する化合物ならば、被転写物の組成がどのような組成であっても元型モールド30上のパターンに充填可能とすることができ、更には充填速度すら調整することが可能となる。
この熱エネルギー及び/又は光エネルギーによる処理は、具体的な例を挙げると離型剤組成物に対するベーク処理及び/又は紫外線露光が挙げられる。
本実施形態においてはベーク処理を行った場合について説明する。
なお、本実施形態において被転写物は、コピーモールド用の基板に凹凸パターンを設ける際に用いることができるものであれば良い。先に述べたように、本実施形態において被転写物は液状のレジスト層としている。
(5.リンス処理)
上述のような表面自由エネルギーの変動処理を行った後、離型層31付き元型モールド30に対してリンス処理を行う。このリンス処理は、元型モールド30と吸着しなかった化合物の分子を洗い流すために行われる。その後、適宜、乾燥処理等の後処理が行われる。
以上が、元型モールド30上にインプリント用離型層31を設ける工程の概要である。
上述の通り、本実施形態においては、前記インプリント用離型層31越しで前記元型モールドにレジストを迅速に充填させることができる程度に、表面自由エネルギーを上昇させる必要があり、それと同時にこのような条件を満たす化合物を使用する必要がある。
以下、この条件を満たす化合物等について説明する。
[2.インプリント用離型層に含まれる具体的な化合物等]
(1.インプリント用離型層の化合物組成の概要)
まず、本実施形態に係るインプリント用離型層31に含まれる化合物は、離型に寄与する主鎖部分と、元型モールド30に対して吸着可能な吸着官能基とを含む。
(2.インプリント用離型層の化合物の主鎖部分)
この分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれている。フルオロカーボンにおけるフッ素により、離型層31における表面、即ちコピーモールド作製用基板1上に設けられたレジスト層4と接触する部分の表面自由エネルギーを低下させることができる。その結果、円滑に離型を行うことができる。
なお、前記フルオロカーボンには(C2mO)が一種類又は複数種類含まれるのが好ましい。
このように化合物の主鎖にパーフルオロエーテル基を含ませることにより、離型層31において、前記レジスト層と接触する部分の表面自由エネルギーを低下させることができる。
それに加え、図4(a)(b)に示すように、エーテル基の存在により分子鎖全体がランダムコイル状となり、分子鎖の屈曲性を向上させることができる。分子鎖の屈曲性が向上すれば、従来は層厚方向に配向することに起因して層厚が分子鎖全長に依存していたところ、層厚方向への分子鎖の配向度合いが分子鎖の屈曲性により緩和されることになる。その結果、離型層31の厚さを従来よりも減少させることになる。
なお、(C2mO)のmの値は整数かつ1≦m≦7であるのが好ましい。
mが1以上であれば、適度に屈曲性が発揮されるため、元型モールド30と吸着した後の分子鎖同士の間隔を適度に近接させることができ、適度に密集したフルオロカーボンからなる分子鎖により、離型層31の表面自由エネルギーを充分に低下させることができる。
mが7以下であれば、適度に剛直性が発揮されるため、先に述べたような分子鎖全長に層厚が依存するのを防ぐことができる。
このような分子鎖の密着性及び剛直性のバランスを取るためには、mが3又は4であるのが特に好ましい。
また、前記nの値は、前記(C2mO)の分子量が500以上かつ6000以下となる整数であるのが好ましい。
(C2mO)の分子量が500以上であれば、分子鎖が短くなりすぎて吸着官能基同士が自己凝集しやすくなることもなくなる。更に、元型モールド30上に吸着した後の分子鎖同士を近接させる方向の分子間力を維持することができ、適度に密集したフルオロカーボンからなる分子鎖により、離型層31の表面自由エネルギーを充分に低下させることができる。
また、分子量が6000以下であれば、分子鎖が長すぎることにより離型層31の層厚減少効果が相殺されてしまうこともなくなる。
具体的なnの値としては、6又は7が好ましい。
また、(C2mO)は、複数種類におけるランダムコポリマーであっても、ブロックコポリマーであっても良い。一例を挙げるとするならば、(CFO)及び(CO)のランダムコポリマーが挙げられる。
(3.インプリント用離型層の化合物の吸着官能基)
また、インプリント用離型層31に含まれる化合物は、元型モールド30に対して吸着可能な吸着官能基を少なくとも2個以上有している。
先にも述べたように、離型層31は、コピーモールド作製用基板上に設けられたレジストを元型モールドのパターン部分に不足なく充填することへの寄与が求められる。その上で、コピーモールド作製用基板上に設けられたレジスト層との離型を円滑に行えることも求められる。
それらと同時に、レジスト層と物理的に接触・離型する際の離型性が求められる。
具体的には、元型モールド30に対して離型層31が充分な密着性を有している必要がある。仮に充分な密着性を有していない場合、インプリントの最中に離型層31が元型モールドから剥離してレジスト層上に残存してしまい、コピーモールドのパターン精度に影響を与えるおそれがある。
本実施形態においては、元型モールドに対して吸着可能な吸着官能基を複数とすることにより、元型モールド30と吸着官能基1個では強固に吸着できなくとも、化合物における1つの分子鎖に2つの吸着官能基を設けていれば、1つの分子鎖の2箇所で元型モールド30に対していわばアンカーを設けることができ、その結果、元型モールド30との密着性を高めることができる。
なお、上述のような分子鎖に対するアンカー効果を充分に発揮するためには、前記吸着官能基が、前記離型層31に含まれる化合物の分子鎖における両末端に近い部分、好ましくは両末端に設けられているのが好ましい。
前記吸着官能基が分子鎖の両末端に近い部分にあれば、分子鎖全長を層厚方向に配向するのを抑制することができ、ひいては層厚を従来よりも大幅に減少させることができる。
しかも、分子鎖内の離れた2箇所で元型モールド30と強固に結合させることにより、元型モールド30と離型層31との間の密着性を向上させることができる。
前記吸着官能基が、前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における両末端に近い部分に存在する場合、推測ではあるが以下の効果が期待できる。即ち、前記吸着官能基が元型モールド30に吸着すると、先にも述べたように主鎖はランダムコイル状になると推測される。しかしながら、図4(c)に示すように、この主鎖と元型モールド30との間にファンデルワールス力のような相互作用が働き、元型モールド30に向かう方向の物理的な力が主鎖に対して働いていると推察される。
更に、上述のように前記吸着官能基が分子鎖の両末端に近い部分に設けられている場合、図4(d)に示すように、その部分よりも分子鎖中央部分に更に吸着官能基を有するのが好ましい。
こうすることにより、分子鎖におけるアンカーの箇所を増加させることができ、ひいては層厚を更に低下させることが可能となる。特に、密着性、離型性、使いやすさ及び自己凝集を抑制する点などのバランスから、図4(d)(e)に示すように、前記吸着官能基は合計で3又は4個有するのが好ましい。
また、前記吸着官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ケトン基、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせであるのが好ましい。変性シラン基よりも自己凝集を起こしにくい官能基だからである。
仮に、これらの官能基が変性シラン基に比べて元型モールド30との密着性が低くとも、先に述べたように本実施形態においては1つの分子鎖に吸着官能基を2個設けており、元型モールド30に対して充分な密着性を確保することができる。
後で述べる結合エネルギーの観点、即ち密着性及び自己凝集を起こしにくい点を考慮すると、吸着官能基はヒドロキシル基であるのが好ましい。
なお、前記吸着官能基が元型モールド30に吸着可能であると説明したが、前記吸着官能基がヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、又はこれらのうちのいずれかの組み合わせからなる場合、元型モールド30上に存在する水と吸着官能基とが脱水縮合を起こして強固な結合が形成されていると考えられる。
また、元型モールドが石英基板よりなる場合、石英基板表面の酸素と吸着官能基とが水素結合を起こし、その結果、元型モールド30と離型層31との密着性を更に向上させることができる。
この水素結合の存在は、吸着官能基をヒドロキシル基とするのが表面自由エネルギーを最適化する上で好ましい理由にもなる。
即ち、吸着官能基をヒドロキシル基とすることにより、脱水縮合及び水素結合という2種類の吸着力が元型モールド30に対して働く。そして、脱水縮合に比べて、この水素結合は熱エネルギーや光エネルギー処理による影響を比較的受けやすい。この影響を受けることにより、インプリント用離型層31の表面自由エネルギーを上昇させることができる。
更に、上述の化合物をインプリント用離型層31として用いると、後で詳述するが、ベーク温度を170℃以下とすることにより表面自由エネルギーを上昇させることができる。
つまり、元型モールド30上(つまり離型層31上)にレジストを充填させるために、主鎖部分によって低下した表面自由エネルギーを意図的に上昇させることが可能となる。しかも、離型剤組成物を離型層31にするためのベーク処理と同時に、表面自由エネルギーの最適化を行うことが同じベーク処理内にて可能となるため、別途工程を増加させる必要がなく、製造コストの増大を抑制することができる。
以降、本実施形態においては、吸着官能基をヒドロキシル基とした場合について述べる。
(4.添加剤)
なお、この離型剤は上記のような化合物以外にも、離型剤に添加可能な公知の物質を含んでいても良い。
[3.表面自由エネルギーの最適化の詳細]
以上の化合物からなる離型剤組成物が元型モールド30のパターン部分に施された後、本実施形態においては、表面自由エネルギーの変動による最適化を行う。
以下、この最適化として、例えば離型剤塗布後のベーク処理を行う場合について説明する。
吸着官能基をヒドロキシル基とした場合、本実施形態における離型剤組成物に対するベーク温度とインプリント用離型層の表面自由エネルギーとの関係(後述する図6(a))においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれる。
先にも述べたように、本実施形態においては、離型層31がレジストと接触する部分の表面自由エネルギーについて焦点を当てている。そして、本実施形態においては、離型層31の元となる離型剤組成物の組成に起因して低下した表面自由エネルギーを、ベーク処理によって適度に増大させている。
このように、表面自由エネルギーをベーク処理によって適度に増大させるため、ベーク処理後の離型層31が、ベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域における表面自由エネルギーを有するように設定するのが好ましい。
また、ベーク処理ならば、離型層31の形成を行うと同時に、表面自由エネルギーの最適化を行うことができる。これにより、表面自由エネルギーの最適化工程を別途行う必要がなく、工程数増加に伴うコスト増大を抑制することができる。
具体的には、この離型剤組成物を有する元型モールド30に対し、25℃以上170℃以下にてベーク処理を行うのが好ましい。
この温度範囲ならば、下がりすぎた表面自由エネルギーを適度に上昇させることができる。そして、離型性を損なうことなく、元型モールド30のパターン上に離型層31越しでレジストを迅速に塗布することができ、元型モールド30の凹凸パターンの凹部にレジストを良好に充填することができる。
それに加え、この温度範囲ならば、離型剤における溶媒を除去することにより、離型層31を緻密化し、元型モールド30と離型層31との密着性を向上させることができる。またこの温度範囲ならば、離型剤における化合物の熱分解を発生させずに密着性向上を図れる。
更に、上記の温度範囲で熱処理を行うことにより、図5に示すように、2個以上ある吸着官能基を元型モールド30と吸着させやすくすることができる。言い換えるなら、2個以上ある吸着官能基を元型モールド30上の物質と結合させやすくすることができる。ひいては、元型モールド30と離型層31との間の密着性を更に向上させることができ、分子鎖の全長に膜厚が依存することを防止することができる。
なお、具体的な加熱手段としては、一例を挙げるとすれば、クリーンオーブンやホットプレートなどが挙げられる。
[4.離型層を設ける際の好ましい条件]
インプリント用離型層31を元型モールド30上に設ける際、本実施形態の効果を更に奏するための好ましい条件について、以下説明する。
まず、元型モールドへの離型剤の塗布の際、ディップ法を用いる場合、5分以上の浸漬時間とするのが好ましい。この時間範囲ならば、元型モールド30に離型剤を充分塗布することができる。また、吸着官能基が元型モールド30に吸着するのに充分な時間を確保することもできる。
また、浸漬した後の引き上げ速度は80〜200mm/分で行うのが好ましい。
上限以下の速度ならば、液面の揺れで離型剤の塗布の際の均一性が損なわれることはない。
また、下限以上の速度ならば、メニスカス力のせいで引き上げ液量が低下するという事態を抑制することができる。
また、リンス処理についてであるが、本実施形態においては、上述のような熱処理を行った後にリンス処理を行うことに意味がある。
即ち、通常、上述の熱処理を行わずにリンスを行うと、元型モールド30への吸着が充分でない分子鎖も基板1上から洗い流してしまうことになってしまう。しかしながら、上述の熱処理の後ならば、分子鎖各々は元型モールド30に対して充分吸着することができている。そのため、元型モールド30に対して吸着していない分子鎖のみを洗い流すことができる。
こうして不使用の吸着官能基を離型層31に残存させることに起因する表面自由エネルギーの増加を抑制することができ、その結果、離型性を低下させずに済む。リンス液としては、離型層31を溶解しないものであれば良い。
[5.本実施形態の効果]
以上のような本実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
即ち、離型層の元となる離型剤組成物の組成に起因して表面自由エネルギーが下がりすぎ、又は上がりすぎる場合がある。
本実施形態においては、熱エネルギー及び/又は光エネルギーを変動させることによって表面自由エネルギーの値が適度に変動する化合物を用いることにより、元型モールドに被転写物を良好に充填することができる。
更に、元型モールドに被転写物を良好に充填することにより、インプリントの際に、精度良くパターンを転写することができる。ひいてはコピーモールドにより得られる最終製品の品質も向上する。
<実施の形態2>
実施の形態1において、元型モールド30に離型層31を設ける場合の説明を行った。以下、本実施形態においては、この離型層31付き元型モールド30を用いて、光インプリントによりコピーモールドを作製する工程について、図3を用いて述べる。
本実施形態においては、以下の手順でコピーモールド作製工程を説明する。
1.コピーモールド製造用基板の準備
2.ハードマスク層の形成
3.レジスト層の形成
4.レジスト層への元型モールドの載置
5.露光によるパターン転写
6.レジスト層における残膜層の除去
7.第1のエッチング
8.第2のエッチング
9.残存ハードマスク層の除去
10.コピーモールドの完成
11.元型モールドの再生
(1.コピーモールド製造用基板の準備)
まず図3(a)に示すように、コピーモールド20のための基板1を用意する。
この基板1は、コピーモールド20として用いることができるのならば良く、先に述べた元型モールド30と同様の材質でも構わない。
本実施形態においては、円盤形状の石英基板1を用いて説明する。
(2.ハードマスク層の形成)
次に、図3(b)に示すように、前記石英基板1をスパッタリング装置に導入する。そして本実施形態においては、タンタル(Ta)とハフニウム(Hf)の合金からなるターゲットをアルゴンガスでスパッタリングし、タンタル−ハフニウム合金からなる導電層2を成膜し、基板1上に形成される溝に対応する微細パターンを有するハードマスク層7の内の下層(導電層2)とするのが好ましい。
なお、導電層2の材料としては、公知の導電層として用いられるものであっても良い。一例を挙げれば、Taを主成分とする化合物が挙げられる。この場合、TaHf、TaZr、TaHfZrなどのTa化合物やその合金が好適である。
本実施形態においては、タンタル−ハフニウム(TaHf)合金からなる導電層2について説明する。
次に、本実施形態においては、酸化防止の観点から前記導電層2に対して大気暴露は行わず、クロムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして窒化クロム層3を成膜し、微細パターンを有するハードマスク層7の内の上層(導電層用酸化防止層3)とするのが好ましい。
本実施形態においては、窒化クロム(CrN)からなる酸化防止層3について説明する。
こうして図3(b)に示すように、タンタル−ハフニウム合金層2を下層とし、窒化クロム層3を上層としたハードマスク層7を、石英基板1上に形成する。
なお、本実施形態における「ハードマスク層」は、単一又は複数の層からなり、基板上への溝のエッチングに用いられる層状のもののことを指すものとする。ただし、ハードマスク層7における酸化防止層3は、導電層2を兼ねても良い。その場合はTaHfのような導電層は省略可能である。
このように、基板上にハードマスク層7を設けたものを、本実施形態においてはマスクブランクスという。
(3.レジスト層の形成)
マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して適宜洗浄・ベーク処理を行った後、図3(c)に示すように、前記マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して光インプリント用のレジストを塗布してレジスト層4を形成し、本実施形態におけるコピーモールド20の製造に用いられるレジスト付きマスクブランクスを作製する。
光インプリント用のレジストとしては、光硬化性樹脂とりわけ紫外線硬化性樹脂が挙げられるが、光硬化性樹脂の内、後で行われるエッチング工程に適するものであれば良い。
また、この時のレジスト層4の厚さは、各種エッチングが完了するまでマスクとなる部分のレジストが残存する程度の厚さであることが好ましい。
なお、レジスト層4を設ける前に、ハードマスク層7上に先に密着層を設けても良い。密着層を設けることにより、インプリントやエッチングの最中にレジスト層4が剥離することを防止することができる。
(4.レジスト層への元型モールドの載置)
このレジスト層4に対して適宜ベーク処理を行った後、図3(d)に示すように、このレジスト層4の上に、微細パターン及び離型層31が形成された元型モールド30を配置する。
この時、レジスト層4が液状であるならば、元型モールド30を載置するだけで良い。
また、レジスト層4が固体形状の場合は、元型モールド30をレジスト層4に対して押圧して微細パターンを転写できる程度に軟らかいレジスト層4であれば良い。
(5.露光によるパターン転写)
その後、紫外光照射装置を用いて、前記レジスト層4に対して元型モールド30の微細パターンを転写する。このとき紫外光の露光は元型モールド30側から行うのが通常であるが、マスクブランクスの基板1が透光性基板である場合は、基板1側から行っても良い。
なおこの際、元型モールド30とマスクブランクスとの間の位置ずれによる転写不良を防止するため、アライメントマーク用の溝を基板上に予め設けていても良い。
(6.レジスト層における残膜層の除去)
微細パターン転写後、図3(e)に示すように、元型モールド30をレジスト付きマスクブランクスから離型する。
そして、窒化クロム層3上にあるレジストの残膜層を、酸素、オゾン等のガスのプラズマを用いたアッシングにより除去する。
こうして、図3(f)に示すように、所望の微細パターンに対応するレジストパターンを形成する。なお、レジストが形成されなかった部分において、基板1上に溝が形成されることになる。
(7.第1のエッチング)
次に、基板上にレジストパターンが形成された基板1を、ドライエッチング装置に導入する。そして、酸素ガスを実質的に含まない雰囲気下で塩素系ガスを含むガスによる第1のエッチングを行う。このとき、還元性ガスと共に上記のガスによるエッチングを行うと、導電層2の酸化防止という観点からも好ましい。
なお、「実質的に酸素ガスを含まない雰囲気下」とは「エッチングの際に酸素ガスが流入したとしても、異方性エッチングを行うことができる程度の流入量である雰囲気下」であることを指すものであり、好ましくは酸素ガスの流入量を流入ガス全体の5%以下とした場合の雰囲気である。
このエッチングにより、図3(g)に示すように、微細パターンを有するハードマスク層7を形成する。なお、この時のエッチング終点は、反射光学式の終点検出器を用いることで判別する。
(8.第2のエッチング)
続いて、第1のエッチングで用いられたガスを真空排気した後、同じドライエッチング装置内で、フッ素系ガスを用いた第2のエッチングを、石英基板1に対して行う。
この際、前記ハードマスク層7をマスクとして石英基板1をエッチング加工し、図3(h)に示すように、微細パターンに対応した溝を基板1に施す。その前後において、アルカリ溶液や酸溶液にてレジストを除去する。
ここで用いられるフッ素系ガスとしては、C(例えば、CF、C、C)、CHF、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He、Ar、Xeなど)を含むもの等が挙げられる。
こうして図3(h)に示すように、微細パターンに対応する溝加工が石英基板1に施され、微細パターンを有するハードマスク層7が石英基板1の溝以外の部分上に形成される。こうして残存ハードマスク層7除去前モールド10を作製する。
(9.残存ハードマスク層の除去)
このように作製された残存ハードマスク層除去前モールド10に対し、第1のエッチングと同様の手法で、引き続いて残存ハードマスク層除去前モールド10上に残存するハードマスク層7をドライエッチングにて除去する工程が行われ、それによりインプリントモールド20が作製される(図3(i))。
なお、いずれかのエッチングのみをウェットエッチングとし、他のエッチングにおいてはドライエッチングを行っても良いし、全てのエッチングにおいてウェットエッチング又はドライエッチングを行っても良い。また、パターンサイズがミクロンオーダーである場合など、ミクロンオーダー段階ではウェットエッチングを行い、ナノオーダー段階ではドライエッチングを行うというように、パターンサイズに応じてウェットエッチングを導入しても良い。
なお、本実施形態においては、第1〜第2のエッチングを行ったが、マスクブランクスの構成物質に応じて、別途エッチングを第1〜第2のエッチングの間に追加しても良い。
(10.コピーモールドの完成)
以上の工程を経て、前記溝形成部分以外の部分のハードマスク層7を除去した後、必要があれば基板1の洗浄等を行う。このようにして、図3(i)に示すようなコピーモールド20を完成させる。
(11.元型モールドの再生)
新たにコピーモールドを作製するために、インプリントを行った後の元型モールド30に対して、再生処理を行う。具体的には、硫酸過水などで元型モールド30を洗浄して離型層31を除去する。その後、適宜洗浄や乾燥等を行う。そして、再び離型剤を塗布することにより新たに離型層を元型モールド30上に設ける。
このように作製したコピーモールドは、特に、インプリント技術を用いて作製されるパターンドメディアに本実施形態を好適に応用することができる。
なお、上述のように元型モールドから別のコピーモールドを作製するのではなく、元型モールドから直接パターンドメディアを作製しても良い。つまり、パターンドメディアを作製する際にも上述の手法を適用できる。
具体的には、パターンドメディア用(特に磁気記録媒体用)の基板上に磁性膜を成膜し、液状レジストを塗布する。そして、離型層付き元型モールドを被転写物(液状レジスト)に押し付け、元型モールドの凹凸の凹部に液状レジストを充填させる。その後、光照射等により、元型モールドの凹凸をレジストに転写する。元型モールドを取り外した後、凹凸が転写されたレジストをマスクとして磁性膜を加工し、所望の磁性体パターンが形成された磁気記録媒体を製造する。
以上の手法により、元型モールドから直接パターンドメディアを作製しても良い。
<実施の形態3>
先に述べた実施の形態1においては、光インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20について述べた。
その一方、本実施形態においては、熱インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20について説明する。なお、以下の説明において特筆しない部分については、実施の形態1と同様である。
まず、熱インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20製造に用いられる基板についてであるが、ハードマスク層7に対するドライエッチングに用いられる塩素ガスに耐性があるSiC基板が挙げられる。
なお、熱インプリントを行う場合の基板1について、塩素系ガスに対して耐性を有する基板であるSiC基板以外にも、以下のような工夫を施すことにより塩素系ガスへの耐性が比較的弱いシリコンウエハを使用することもできる。即ち、シリコンウエハ1上にまずはSiO層を設ける。このSiO層の上にハードマスク層7を設けることにより、ハードマスク層7が塩素ガスで除去されたとしても、SiO層がシリコンウエハ1を塩素ガスから保護することになる。そして、バッファードフッ酸即ちフッ化アンモニウム及びフッ酸からなる混酸により、SiO層を除去する。こうすることにより、熱インプリント用モールドを作製するために、シリコンウエハを使用することもできる。また、シリコンウエハ上に加工層としてSiO層を設けたものを基板として使用することもできる。このときには加工層であるSiO層に溝を設けることになるため、シリコンウエハ1を用いる場合に比べてSiO層を厚くすることが好ましい。
本実施形態においては、円盤形状のSiC基板を用いて説明する。
本実施形態においては、TaHfからなる導電層2及び窒化クロム層3を基板1上に成膜する。
次に、前記マスクブランクスにおけるハードマスク層7に対して熱インプリント用のレジストを塗布し、レジスト層4を形成して本実施形態におけるコピーモールド20の製造に用いられるレジスト付きマスクブランクスを作製する。熱インプリント用のレジストとしては熱可塑性樹脂が挙げられるが、熱可塑性樹脂の内、後で行われるエッチング工程に適するものであれば良い。なお、この熱可塑性樹脂は、元型となるモールドを押圧したときに転写すべき微細パターンが形成される程度の軟らかさを有することが好ましい。元型となるモールドをレジスト上に押圧したとき、元型モールド30の微細パターン及び離型層31に合わせてレジストが容易に変形し、後の冷却処理にて微細パターンを精度良く転写することができるためである。
その後、温度処理装置を用いて、前記レジスト層4に対して元型モールド30の微細パターンを転写する。
微細パターン転写後、ハードマスク層7上にあるレジストの残膜層をアッシングにより除去した後、実施の形態1に記載された工程により、インプリント用マスターモールドに対するコピーモールド20を完成させる。
<実施の形態4>
以下、各種変形例を列挙する。
本実施形態における元型モールド30は、インプリントモールドとして使用できるものならば良いが、透光性を有するもの(例えば石英、サファイア)であれば元型モールド30上から後述する露光を行うことができるため好ましい。
コピーモールド用基板が透光性を有するならば、コピーモールド用基板側から露光を行うことができる。その場合、元型モールド30の材料としては、透光性を有さないもの(例えばシリコンウエハ、ニッケル)であっても使用することができる。
また、基板に直接離型層31を設けるのではなく、基板上に別の物質からなる層を設けた元型モールド30に対し、その別の物質の層の上に離型層31を設けても構わない。
また、元型モールド30に設けられる所定のパターンがインプリントにより転写されると、コピーモールドにはこの所定のパターンとは逆のパターンが形成される。
そのため、コピーモールドのパターンを最終的に得たいパターンとするならば、元型モールド30にはそのパターンとは逆のパターンを形成しておいても良い。
また、仮のコピーモールドにパターンを転写した後、この仮のコピーモールドのパターンを、別のコピーモールドに転写することにより、元型モールド30と同一のパターンを得ても良い。
また、元型モールド30と同材質であっても良い。なお、光インプリントを行う場合は被転写材への光照射の観点から透光性基板であることが好ましい。この透光性基板1としては、石英基板などのガラス基板が挙げられる。なお、元型モールドが透光性を有するのならば、Si基板などの非透光性基板であっても構わない。
一方、このコピーモールドを用いて別のコピーモールドに対してパターン転写を行っても良い。その際、このコピーモールドに離型層を設けても当然良い。
また、基板1の形状についてであるが、円盤形状であるのが好ましい。レジストを塗布する際、円盤基板1を回転させながらレジストを均一に塗布することができるためである。なお、円盤形状以外であっても良く、矩形、多角形、半円形状であっても良い。
また、ハードマスク層7において、ハフニウム(Hf)とジルコニウム(Zr)の少なくとも一方の元素又はその化合物(例えばHfZrなど)を選択することもでき、更にこれらの材料をベース材料として、例えばB、Ge、Nb、Si、C、N等の副材料を加えた材料を選択することもできる。
なお、酸化防止層3の材料としては、成膜の際のスパッタリングにおいて酸素を用いなくて済む点からも窒化クロム(CrN)が好ましいが、それ以外でも酸化防止層として使用できる化合物であれば良い。例えばモリブデン化合物、酸化クロム(CrO)、SiC、アモルファスカーボン、Alを用いても良い。
また、熱エネルギー及び/又は光エネルギー以外であっても、表面自由エネルギーを最適化できる処理であればよい。
また、実施の形態1では表面自由エネルギーが低い状態から適度に高くするような表面自由エネルギーの最適化について述べた。
このような最適化以外にも、例えば表面自由エネルギーが高い状態から適度に低くするような表面自由エネルギーの最適化についても本発明は適用可能である。
更に、実施の形態1では、前記化合物に対するベーク温度と前記化合物の表面自由エネルギーとの関係においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれる場合について述べた。
このような場合以外にも、表面自由エネルギーの値が一定である領域がない場合、即ちベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域のみからなる場合にも本発明は適用可能である。その逆に、ベーク温度増加と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域を含んでいてもよい。
また、離型層31形成のためベーク処理と、表面自由エネルギーの最適化のためのベーク処理とを別々に行っても良い。更に、離型層31形成のためベーク処理と、紫外線露光による処理とを別々に行っても良い。
なお、前記光エネルギーによる処理においては、場合によっては紫外線露光以外であっても良く、例えば赤外線露光であっても良い。
また、実施の形態1では、表面自由エネルギーが実質的に変動する化合物として水素結合可能な化合物の具体例について列挙した。
しかしながら、水素結合以外が可能な化合物であっても、熱エネルギー及び/又は光エネルギーを変動させることにより、表面自由エネルギーが実質的に変動する化合物であれば、本発明のインプリント用離型層に適用可能である。
以上、本発明に係る実施の形態を挙げたが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。本発明の範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。本明細書中に明示的に記載されている又は示唆されているか否かに関わらず、当業者であれば、本明細書の開示内容に基づいて本発明の実施形態に種々の改変を加えて実施し得る。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
本実施例においては、深さ30nm、ライン15nmかつスペース10nmのハーフピッチ25nm周期構造のラインアンドスペースパターンが設けられている石英基板からなる元型モールド30を用いた。この元型モールド30を、VertrelXF−UP(Vertrelは登録商標 三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)で0.5wt%に希釈した下記化合物を含む離型剤に5分間浸漬した。
その後、120mm/分の速度で元型モールド30を引き上げた。
このようにディップ法により離型剤の塗布を行った。なおこの際、複数の試料を作製し、各々の試料に対して25℃〜190℃の温度にて熱処理を行った。
その後、元型モールド30に対してリンス処理を行った。この際にもリンス液としてVertrelXF−UPを用い、10分間リンス処理を行った。このようにして、本実施例に係る離型層付きモールドを得た。
その後、本実施例のコピーモールド20作製用基板1として円盤状合成石英基板(外径150mm、厚み0.7mm)を用いた(図3(a))。この石英基板1をスパッタリング装置に導入した。
そして、タンタル(Ta)とハフニウム(Hf)の合金(Ta:Hf=80:20原子比)からなるターゲットをアルゴンガスでスパッタリングし、実施例でも用いた基板上に7nmの厚みのタンタル−ハフニウム合金からなる導電層2を成膜した。
次に、クロムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングし、窒化クロム層3を2.5nmの厚みで成膜した(図3(b))。
こうして、基板1上に形成された導電層2及び窒化クロム層3からなるハードマスク層7上に、スピンコート法により密着補助剤を塗布した。この塗布の際の回転数は3000rmpとし、60秒間塗布した。
密着補助剤を塗布した後、160℃で60秒間、基板1のベークを行った。
その後、インプリント装置(明昌機工製)を用い、光インプリント用の紫外線光硬化性
レジスト層4(東洋合成社製PAK−01)をスピンコート法により45nmの厚みに塗布した(図3(c))。
次に、前記元型モールド30を光硬化性レジスト層4に載置し、20秒間、紫外線露光を行った(図3(d))。紫外線露光による微細パターン転写後(図3(e))、ハードマスク層7上にあるレジストの残膜層を、酸素、アルゴンガスのプラズマを用いたアッシングにより除去し、所望の微細パターンに対応するレジストパターンを形成した(図3(f))。
次に、レジストパターンを有するハードマスク層7が形成された基板1をドライエッチング装置に導入し、ClガスとArガスとを同時に導入しながらドライエッチング(Cl)を行った。そして、微細パターンを有するハードマスク層7を形成した(図3(g))。
続いて、ハードマスク層7に対するドライエッチングで用いられたガスを真空排気した後、同じドライエッチング装置内で、フッ素系ガスを用いたドライエッチング(CHF:Ar=1:9(流量比))を、石英基板1に対して行った。この際、前記ハードマスク層7をマスクとして石英基板1をエッチング加工し、微細パターンに対応した溝を基板に施した。
そして、濃硫酸と過酸化水素水からなる硫酸過水(濃硫酸:過酸化水素水=2:1体積比)を用いてレジスト層4を除去し、本実施例におけるコピーモールド20の製造のための残存ハードマスク層除去前モールド10を得た(図3(h))。
その後、レジスト層4を除去した後の残存ハードマスク層除去前モールド10を、先のハードマスク層7へのエッチングに用いたドライエッチング装置に導入した。そして、基板上のハードマスク層7を除去し、適宜洗浄を加え、本実施例におけるコピーモールド20を作製した(図3(i))。
<比較例>
上述の実施例と比較するために、比較例においては離型剤として変性シラン基を有する化合物(製品名:OPTOOL(登録商標) ダイキン製)を用い、離型剤塗布の際、各々の試料に対して25℃〜150℃にてベーク処理を行った。これ以外については、実施例と同様にして離型層付きモールド及びコピーモールドを作製した。
<評価>
(1.良好な充填)
実施例及び比較例により得られた離型層付きモールドに対してレジストを接触させた際の写真を図1(a)(実施例)及び図1(b)(比較例)に示す。
なお、この離型層付きモールドはベーク温度170℃とした試料である。
実施例においては図1(a)からも明らかなように、元型モールド30全面にわたりレジストを充填させることができた。
一方、比較例においては図1(b)からも明らかなように、元型モールド30の左右側中央から下部にかけて充填不良が発生していた。
(2.表面自由エネルギーの変動による最適化)
更に、ベーク処理温度と表面自由エネルギーとの関係を求めた。その結果を、図6(a)(実施例)及び図6(b)(比較例)に示す。
実施例においては、図6(a)より、ベーク温度が170℃を超えた場合、表面自由エネルギーは実質的に変化せず、最適化させることができなかった。しかしながら、170℃以下の場合、表面自由エネルギーを上昇させることができ、離型層31越しで元型モールド30にレジストを充填させるのに役立てることができることがわかった。
その一方、比較例においては、図6(b)より、ベーク温度を変化させても表面自由エネルギーを実質的に変動させることができず、表面自由エネルギーの最適化処理を行うことができなかった。
(3.レジスト層の厚さ)
また、実施例及び比較例に係る離型層付きモールドにおけるレジスト層の厚さについても調べた。その結果を示す図7を見ると、実施例の方が比較例よりも薄いレジスト層を得ることができた。
また、インプリント回数と厚さとの関係について調べた。その結果を図8に示す。図8を見ると、実施例については、比較例よりも薄いレジスト層でありながらも複数回のインプリントに耐えられることがわかった。
1 基板
2 導電層
3 窒化クロム層
4 レジスト層
7 ハードマスク層
10 残存ハードマスク層除去前モールド
20 コピーモールド
30 元型モールド
31 インプリント用離型層(離型剤組成物)

Claims (7)

  1. コピーモールドの製造方法であり、
    所定の凹凸パターンを有する元型モールドを用意する工程と、
    コピーモールド用基板を準備する工程と、
    コピーモールド用基板の被加工面にレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層に前記元型モールドの凹凸パターンを転写する工程と、
    を有しており、
    前記元型モールドの少なくとも凹凸パターンの表面には、離型層が形成されており、
    前記離型層は、熱エネルギーまたは光エネルギーの少なくとも一方のエネルギーによる処理が施されており、
    前記離型層は、モールドに対して吸着可能な吸着官能基であってシラン基を含まず且つ水素結合可能な官能基を有する化合物を有していることを特徴とする、コピーモールドの製造方法。
  2. 前記離型層は、厚さを2.5nm〜5nmとした前記離型層を備えた前記元型モールドを元型としてレジスト層へのインプリントを5回行う場合に前記離型層の厚さの変化量が0.5nm以下となる程度の表面自由エネルギーを前記離型層が有することを特徴とする請求項1に記載のコピーモールドの製造方法。
  3. 前記離型層に含まれる化合物の吸着官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基またはこれらのうちのいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコピーモールドの製造方法。
  4. 前記エネルギーによる処理は、離型層に対するベーク処理及び/又は紫外線露光であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコピーモールドの製造方法。
  5. 前記離型層に含まれる化合物の分子鎖における主鎖にはフルオロカーボンが含まれ、 前記フルオロカーボンには(C2mO)[mは整数かつ1≦m≦7であり、nは、前記(C2mO)の分子量が500以上かつ6000以下となる整数]が1種類または複数種類含まれ、
    前記エネルギーによる処理は、離型層に対するベーク処理であって、
    前記離型層に対するベーク温度と前記離型層の表面自由エネルギーとの関係においては、ベーク温度が変動しても表面自由エネルギーの値が一定である領域とベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域とが含まれ、
    ベーク処理後の離型層は、ベーク温度減少と共に表面自由エネルギーの値が増加する領域における表面自由エネルギーを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコピーモールド製造方法。
  6. 前記レジスト層は、光硬化レジスト層であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコピーモールドの製造方法。
  7. 前記レジスト層は、熱可塑性樹脂からなるレジスト層であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコピーモールドの製造方法。
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