JP2015012228A - 受光素子アレイを作製する方法 - Google Patents

受光素子アレイを作製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程中に光入射面に付着する異物及び光入射面に形成される傷に起因する特性劣化を低減可能な、受光素子アレイを作製する方法が提供される。
【解決手段】受光素子チップCHPを形成する工程の前に、絶縁膜積層31上に第2シリコン系無機絶縁膜を成長する。受光素子チップCHPを形成する工程及び基板部品47を形成する工程の後に、第2シリコン系無機絶縁膜を除去して絶縁膜積層31を露出させる。第2シリコン系無機絶縁膜は、受光素子チップCHPを形成する前に基板11の全面に形成されると共に、受光素子チップCHPを形成した後に個々の受光素子チップCHPから除去されるので、これらの工程中における処理で生じた、基板裏面11b側の付着物及び傷が、第2シリコン系無機絶縁膜の除去に伴って受光素子チップCHPから消失する。この絶縁膜積層31の表面31bは、受光素子アレイ装置53の光入射面となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、受光素子アレイを作製する方法に関する。
特許文献1は、イメージセンサを保護するために、接着剤を用いて透明のガラス板を接合して、該イメージセンサの信頼性を高めている。
特開昭63−227057号公報
特許文献1は、複数の受光素子を含むイメージセンサを開示する。有機化合物からなる膜をイメージセンサ用保護膜として使用すると、ピンホールが生じ易い。また、有機化合物の膜の均一性を得ることが容易ではないので、受光部に照射される光量にむらが生じやすい。一方、酸化膜及び窒化膜からなる膜をイメージセンサ用保護膜として用いると、アモルファスシリコンを用いる素子では成膜時にプラズマ損傷を引き起こす可能性がある。
また、特許文献1のイメージセンサでは、保護用の透明ガラス板は,最終生産物の素子に残るので、透明ガラス板上の汚染物や付着物も最終生産物のイメージセンサに残る。傷や付着物が光受光面に存在するときは、受光素子アレイが、傷や付着物に起因した影をイメージセンサの像に生じさせる可能性がある。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、製造工程中に光入射面に付着する異物及び光入射面に形成される傷に起因する特性劣化を低減可能な、受光素子アレイを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明は受光素子アレイを作製する方法に関する。この方法は、(a)半導体受光素子のための半導体積層と、裏面及び表面を有する基板と、第1シリコン系無機絶縁膜を含む絶縁膜積層とを備え複数の素子区画の配列を含む基板生産物における前記絶縁膜積層上に第2シリコン系無機絶縁膜を成長する工程と、(b)前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後に前記基板生産物を分離して、受光素子チップを形成する工程と、(c)前記受光素子チップからの電気信号を処理するマルチプレクサを含む支持体上に前記受光素子チップをバンプ法により搭載して、基板部品を形成する工程と、(d)前記基板部品を形成した後に前記第2シリコン系無機絶縁膜を除去して前記絶縁膜積層を露出させて、前記絶縁膜積層の露出面を光入射面とする受光素子アレイを形成する工程とを備え、前記素子区画の各々は、アレイ状に配列された複数の受光素子を備える半導体受光デバイスを含み、前記素子区画の各々において前記複数の受光素子は、それぞれ、前記半導体積層上に設けられた複数の電極を含み、前記基板部品の前記複数の受光素子は前記支持体に接続され、前記受光素子チップはpin型又はnip型を有しており、前記絶縁膜積層は反射防止膜を備え、前記第1シリコン系無機絶縁膜は前記絶縁膜積層の最表面に設けられ、前記半導体積層は前記基板の前記表面に形成され、前記絶縁膜積層は前記基板の前記裏面に形成され、前記第1シリコン系無機絶縁膜の材料は前記第2シリコン系無機絶縁膜の材料と異なる。
受光素子アレイを作製する方法(以下「作製方法」と記す)によれば、受光素子チップを形成する工程に先立って、基板の裏面上に第2シリコン系無機絶縁膜を成長する。受光素子チップを形成する工程及び基板部品を形成する工程の後に、受光素子チップ上の第2シリコン系無機絶縁膜を除去して絶縁膜積層を露出させる。第2シリコン系無機絶縁膜は、受光素子チップを形成する前に基板の全面に形成されると共に受光素子チップを形成した後に個々の受光素子チップから除去されるので、これらの工程の間における製造工程で生じる可能性にある、基板裏面側の付着物及び傷が、第2シリコン系無機絶縁膜の除去に伴って受光素子チップから消失する。この絶縁膜積層の露出面が、受光素子アレイの光入射面となるので、基板裏面側の付着物及び傷が受光層への光入射の妨げになることはない。
本発明に係る作製方法では、前記半導体積層は、前記複数の受光素子の各々が赤外線に感応するように設けられた受光層を含み、前記受光層は、構成元素としてアンチモンを含むことができる。この作製方法によれば、長波長の赤外線用の受光素子がアレイ状に配列される。
本発明に係る作製方法は、前記基板部品を形成した後に、前記受光素子チップと前記支持体との間に樹脂を充填して、前記受光素子チップの表面及び前記支持体の前記マルチプレクサの表面を覆う工程を更に備えることができる。前記第1シリコン系無機絶縁膜の材料はシリコン窒化物を備え、前記第2シリコン系無機絶縁膜の材料はシリコン酸化物を備え、前記第2シリコン系無機絶縁膜の除去は、バッファードフッ酸を用いて行われる。
この作製方法によれば、受光素子チップの表面及び支持体のマルチプレクサ表面を樹脂で覆っているので、第2シリコン系無機絶縁膜のシリコン酸化物をバッファードフッ酸を用いて除去できる。
本発明に係る作製方法では、前記絶縁膜積層の前記第1シリコン系無機絶縁膜を摂氏400度以上の温度で熱処理する工程を更に備えることができる。前記第2シリコン系無機絶縁膜のシリコン酸化物は、プラズマCVD装置で摂氏200度以下の温度で成長されることが好ましい。
この作製方法によれば、摂氏400度以上の温度で熱処理されたシリコン窒化物では、フッ化水素酸に対する耐食性が増強され、摂氏200度以下の温度においてプラズマCVD法で成長されたシリコン酸化物はフッ化水素酸で容易にエッチングされる。
本発明に係る作製方法は、前記基板の前記表面上に前記半導体積層を成長して、エピタキシャル基板を形成する工程と、前記絶縁膜積層を形成するために、前記エピタキシャル基板の前記基板の前記裏面上にシリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する工程と、前記絶縁膜積層を形成した後であって前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長する前に、前記素子区画の各々において前記基板の前記裏面に接触を成す裏面電極を形成する工程とを備えることができる。
この作製方法によれば、裏面保護のための第2シリコン系無機絶縁膜を成長する前に、素子区画の各々に裏面電極を形成することができる。
本発明に係る作製方法は、前記基板の前記表面上に前記半導体積層を成長して、エピタキシャル基板を形成する工程と、前記絶縁膜積層を形成するために、前記エピタキシャル基板の前記基板の前記裏面上にシリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する工程と、前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後であって前記受光素子チップを形成する前に、前記素子区画の各々において前記基板の前記裏面に接触を成す裏面電極を形成する工程とを備えることができる。
この作製方法によれば、裏面保護のための第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後に、素子区画の各々に裏面電極を形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、製造工程中に光入射面に付着する異物及び光入射面に形成される傷に起因する特性劣化を低減可能な、受光素子アレイを作製する方法が提供される。
図1は、第1実施の形態に係る受光素子アレイ装置を作製する方法であって、ARコート形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図2は、第1実施の形態に係る作製方法における絶縁膜積層の開口の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図3は、第1実施の形態に係る作製方法における裏面電極の形成の工程における断面を模式的に示す図面である。 図4は、第1実施の形態に係る作製方法における裏面保護膜の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図5は、第1実施の形態に係る作製方法におけるバンプ電極の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図6は、第1実施の形態に係る作製方法における接合工程における断面を模式的に示す図面である。 図7は、第1実施の形態に係る作製方法におけるアンダーフィル充填工程における断面を模式的に示す図面である。 図8は、第1実施の形態に係る作製方法における保護膜除去工程における断面を模式的に示す図面である。 図9は、完成された受光素子アレイ装置の構造を模式的に示す図面である。 図10は、第2実施の形態に係る受光素子アレイ装置を作製する方法における絶縁膜積層の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図11は、第2実施の形態に係る作製方法における絶縁膜積層の開口形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図12は、第2実施の形態に係る作製方法における裏面電極の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図13は、第2実施の形態に係る作製方法におけるバンプ電極の形成工程における断面を模式的に示す図面である。 図14は、第2実施の形態に係る作製方法におけるダイシング工程における断面を模式的に示す図面である。 図15は、第2実施の形態に係る作製方法における接合工程における断面を模式的に示す図面である。 図16は、第2実施の形態に係る作製方法におけるアンダーフィル充填工程における断面を模式的に示す図面である。 図17は、第2実施の形態に係る作製方法における保護膜除去工程における断面を模式的に示す図面である。
引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の受光素子アレイを作製する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1〜図8は、第1の実施の形態に係る受光素子アレイ装置を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。
(ARコート形成工程)
まず、受光素子アレイ装置のためのフォトダイオードアレイを含む半導体素子を作製する。この作製のために、基板(図1において参照番号11)を準備する。基板11は例えばInP基板といったウエハであることができる。このウエハ上には、複数の素子区画を配列することができ、個々の素子区画には、受光素子チップのための構造物が形成されていく。図1〜図8では、製造工程における一素子区画分のエリアの断面を模式的に示す。
図1に示されるように、基板11は表面11a及び裏面11b有する。基板11の半導体の表面11a上には、受光層13、及び一又は複数の第1導電型のIII−V化合物半導体領域15を成長する。本実施例では、受光層13はInGaAs/GaAsSb多重量子井戸構造を含み、III−V化合物半導体領域15は、n型GaInAs層17及びn型InP層19の少なくともいずれか一方を含む。基板11上には、半導体受光素子のための半導体積層を形成するに先立って、バッファ層12を成長するようにしてもよく、バッファ層12は例えばInGaAsである。このバッファ層12を用いるときは、バッファ層12上に受光層13が成長される。これらの成長は、例えば有機金属気相成長法で行われる。エピタキシャル成長により、半導体受光素子のための半導体積層23が基板11の表面11a上に形成されて、エピタキシャル基板Eを得ることができる。エピタキシャル基板Eは、複数の素子区画の配列を設けることができる。個々の素子区画は、アレイ状に配列された複数の受光素子を備える半導体受光デバイスを含む。アレイ状に配列された複数の受光素子を作製するためには、各素子区画には、一次元又は二次元に配列された第2導電型半導体領域25をIII−V化合物半導体領域15内に形成する。第2導電型半導体領域25は、III−V化合物半導体領域15内に底面及び側面を有しており、互いに独立した島状に領域である。第2導電型半導体領域25と受光層13との間には、III−V化合物半導体領域15が設けられる。第2導電型半導体領域25の形成には、例えば不純物の熱拡散が適用されることができる。Znといったp型ドーパントをIII−V化合物半導体領域15(例えばSiドープInP)内に拡散させて、個々の素子区画内に第2導電型半導体領域25のアレイを形成することができる。図1に示されたエピタキシャル基板Eでは、3つの第2導電型半導体領域25が形成される。第2導電型半導体領域25の個々には、アノード電極27を形成する。アノード電極27は例えばAuZnAuを備える。アノード電極27は第2導電型半導体領域25の表面にオーミック接触を成す。また、アノード電極27上には、パッド電極29が形成される。アレイ状に配列される受光素子の各々は、第2導電型半導体領域25、アノード電極27及びパッド電極29を含む。このような構成により、アレイ状に配列される受光素子が、個々の素子区画に作製される。
この後に、図1に示されるように、成膜装置に基板11を配置して、絶縁膜積層31を基板11の裏面11b上に形成する。絶縁膜積層31は、一又は複数の誘電体膜を含む。本実施例では、絶縁膜積層31として、反射防止膜を構成するように設けられた複数のシリコン系無機絶縁膜を含み、成膜装置において下地シリコン系無機絶縁膜(例えばSiON膜)33a及び第1シリコン系無機絶縁膜(例えばSiN膜)33bを順に基板11の裏面11b上に成長する。シリコン系無機絶縁膜の成長には、例えばプラズマ気相成長法を適用できる。これらの成膜の後に、基板11を成膜装置から取り出す。このように形成された絶縁膜積層31と半導体積層23との間に基板11が設けられている。
絶縁膜積層31の作製方法の一例を示す。
下地シリコン系無機絶縁膜33a:シリコン酸窒化物(SiON)、厚さ300nm、摂氏250度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。
第1シリコン系無機絶縁膜33b:シリコン窒化物(SiN)、厚さ50nm、摂氏250度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。本実施例では、第1シリコン系無機絶縁膜として、SiN膜を成長する。SiN膜の成膜後に、摂氏400度以上の温度で熱処理を行うことが好ましい。SiN膜を摂氏400度程度の温度で又はこれより大きい温度で熱処理すると、この熱処理によりバッファードフッ酸に対するSiNのエッチング速度を小さくできる。このような絶縁膜積層31はARコード膜として役立つ。第1シリコン系無機絶縁膜33bは絶縁膜積層31の最表面に設けられる。
(絶縁膜積層の開口)
個々の素子区画毎に、基板裏面11bに電極を形成する。基板裏面11bの絶縁膜積層31上にレジストを塗布する。図2に示されるように、フォトリソグラフィによりレジスト膜からマスク37を形成する。マスク37は、裏面電極を形成すべき位置に開口37aを有する。本実施の形態では、受光素子のアレイを基板11を用いて作製する。基板裏面11bを通して光が入射すると、入射光は受光層に到達し、ここで生成されたキャリアは一素子区画内に設けられる受光素子アレイ内の最寄りの受光素子の半導体領域25に流れ込む。このため、一素子区画内のアレイ状の受光素子毎に裏面電極を設けることなく、一素子区画毎に裏面電極を設ける。これにより、基板裏面11bのより多くのエリアを受光のための利用できる。本実施例では、基板裏面11bの周縁に裏面電極が設けられ、また基板裏面11bの周縁の内側の受光エリアを囲うように裏面電極が設けられることができる。次いで、マスク37を用いて絶縁膜積層31をエッチングして、裏面電極のための開口31aを絶縁膜積層31に形成する。このエッチングにより、絶縁膜積層31の開口31aには、半導体からなる基板裏面11bが現れる。絶縁膜積層31のエッチングとしては例えばウエットエッチングを用いることができ、SiON及びSiNのエッチングのためには、バッファードフッ酸(BHF)を用いることができる。
(裏面電極の形成)
絶縁膜積層31に開口31aを形成した後に、マスク37を残したまま基板裏面11bの絶縁膜積層31の全面に、裏面電極膜を堆積する。裏面電極膜は例えば厚み750nmのAuGeNi系材料からなり、例えば真空蒸着により成膜される。裏面電極膜を形成した後にマスク37を除去すると、リフトオフによりマスク37と一緒にマスク37上の裏面電極膜も除去されて、図3に示されるように、絶縁膜積層31の開口31aに裏面電極39が形成される。裏面電極39は、素子区画毎に形成されて、素子区画に対応するように基板裏面11bにアレイ状に配列される。裏面電極39は、例えばAuGeNi系電極を備える。
(裏面保護膜の形成)
裏面電極39を形成した後に、図4に示されるように、絶縁膜積層31及び裏面電極39を覆うように裏面保護膜41を堆積する。本実施例では、裏面保護膜41として第2シリコン系無機絶縁膜を成長する。第2シリコン系無機絶縁膜の材料は第1シリコン系無機絶縁膜の材料と異なり、第2シリコン系無機絶縁膜は第1シリコン系無機絶縁膜と接合を成す。
裏面保護膜41の一例を示す。
第2シリコン系無機絶縁膜:シリコン酸化物(例えばSiO)、厚さ100〜300nm、摂氏100度〜摂氏200度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。
第2シリコン系無機絶縁膜の成膜温度は、下地シリコン系無機絶縁膜の成膜温度より低い。また、第2シリコン系無機絶縁膜の成膜温度は、第1シリコン系無機絶縁膜の成膜温度より低い。低い温度で成膜されたシリコン系無機絶縁膜のエッチングレートが、高い温度で成膜されたシリコン系無機絶縁膜を用いる場合に比べて大きくなるので、第2シリコン系無機絶縁膜のエッチングにおいて、第1シリコン系無機絶縁膜に対するエッチング選択性を高めることができる。第2シリコン系無機絶縁膜は、プラズマCVD装置で摂氏200度以下の温度で成長されるシリコン酸化物を備えることが好ましい。第2シリコン系無機絶縁膜は、絶縁膜積層31の表面31b及び裏面電極39の表面を覆う。
(バンプ電極の形成)
図5に示されるように、電極29の各々にバンプ電極43を形成する。本実施例では、バンプ電極43は例えばインジウム電極を含むことができる。バンプ電極43の形成には、例えばリフトオフ法を適用できる。例えば、バンプ電極43の配置位置に開口を有するレジストマスクをフォトリソグラフィにより形成した後に、全面にInバンプ膜を蒸着法により形成する。この後に、レジストマスクを除去すると、Inバンプ電極が形成される。一の素子区画において、アレイ状配列の受光素子はInバンプ電極を含み、これらのInバンプ電極も、第2導電型半導体領域25及びアノード電極27に対応してアレイ状に配列される。このような構成により、アレイ状に配列される受光素子の各々からの電気信号をInバンプ電極を介して取り出すことができる。素子区画の各々において複数の受光素子は、それぞれ、半導体積層23上に設けられた複数の電極(27、29)及びバンプ電極43を含む。これらの工程により、基板生産物SPが完成する。バンプ電極工程においては、上面、つまり基板11の表面側を加工するためにバンプ電極形成のプロセス中は基板裏面側が下になるけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31及び裏面電極39は第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。バンプ電極形成のプロセスに関連した汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(ダイシング)
バンプ電極43を形成した後に、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31及び裏面電極39を覆う第2シリコン系無機絶縁膜を除去することなく、基板生産物SPを分離して、受光素子チップCHPを形成する。受光素子チップCHPは例えばpin型又はnip型を有することができる。基板生産物SPを分離して受光素子チップCHPを形成するチップ化工程では、例えばダイシングにより基板生産物SPを切断して、個々の素子区画に分離された受光素子チップCHPを形成する。このダイシングに際して細かな多数の破砕屑が生成されるけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31及び裏面電極39は第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。ダイシングのプロセスに関連した汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(接合)
図6に示されるように、受光素子チップCHPをバンプ法により支持体45上に搭載して、基板部品47を形成する。支持体45は、受光素子チップCHPの各受光素子からの電気信号を処理するマルチプレクサ49を含む。マルチプレクサ49は信号読出集積素子を含むことができる。この工程により、受光素子チップCHPのバンプ電極43のアレイは、支持体45の電極アレイにしっかりと接合される。基板部品47は、接合により単一の部品に組み立てられた受光素子チップCHP及び支持体45を含む。基板部品47内の受光素子チップCHPの受光素子アレイは支持体45に接続されている。接合プロセス中は基板裏面が装置ステージと接触するけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31及び裏面電極39は第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。接合プロセスに関連した汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(アンダーフィル充填)
基板部品47を形成した後に、図7に示されるように、受光素子チップCHPと支持体45との間に樹脂51を充填して、受光素子チップCHPの表面及び支持体45のマルチプレクサ49の表面を覆う。接合した受光素子チップCHPと支持体45(マルチプレクサ、信号読出集積素子)との間にエポキシ樹脂、CV5362など、シリカ、エポキシ樹脂、酸無水物などが主成分といった補強用樹脂を充填する。エポキシ樹脂は熱硬化性を有することがよく、充填の後に樹脂を加熱炉でベークして硬化させることができる。受光素子チップCHPと支持体45との間に熱硬化性エポキシ樹脂が設けられるので、アンダーフィル後のプロセスにより、受光素子チップCHPの電極27、29、43及び支持体45のマルチプレクサ49が直接に損傷を受けることがない。
(保護膜除去)
基板部品47を形成した後に、図8に示されるように、受光素子チップCHPの裏面保護膜(第2シリコン系無機絶縁膜)41を除去して絶縁膜積層31の表面31b及び裏面電極39を露出させて、絶縁膜積層31の露出面を受光面とする受光素子アレイ装置53を形成する。この処理により受光素子チップCHP上の裏面保護膜41がエッチングにより消失して、絶縁膜積層31の表面31bが露出された受光素子チップCHP0を得る。本実施例では、第2シリコン系無機絶縁膜がシリコン酸化膜を備え、第1シリコン系無機絶縁膜がシリコン窒化膜を備えるので、裏面保護膜41の除去には、例えばバッファードフッ酸(BHF)が用いられる。
図9は、完成された受光素子アレイ装置53の構造を模式的に示す。受光素子アレイ装置53では、絶縁膜積層31の表面31bを介して受光層13に光Lが入射する。また、受光層13からのキャリア(電子・正孔対)は、エピ面にアレイ状に配列された直近の電極構造物(27、29、43)のいずれかに向かって流れる。電極27、29の各々からの電気信号は、バンプ電極43を介して基板部品47のマルチプレクサ49に送られる。
受光素子チップCHP0の半導体積層23が、複数の受光素子の各々が赤外線に感応するように設けられた受光層13を備える。この受光層13は、例えば構成元素としてアンチモンを含むIII−V化合物半導体を備え、タイプIIバンド構造を有する。受光素子チップCHP0の受光層13は近赤外光に感応する。近赤外光の波長範囲は例えば1.0〜2.3μm程度である。受光素子アレイ装置53では、赤外線用の受光素子(フォトダイオード)がアレイ状に配列される。このため、入射面(表面31b)上の傷及び付着物は、受光素子アレイからの信号による像に影を生じさせる。裏面保護膜41の除去により、入射面上の、上記のような欠陥の数を低減できる。
第1の実施の形態に係る作製方法によれば、受光素子チップCHPを形成する工程に先立って、基板11の裏面11b上に第2シリコン系無機絶縁膜を成長する。受光素子チップCHPを形成する工程及び基板部品47を形成する工程の後に、第2シリコン系無機絶縁膜を除去して絶縁膜積層31を露出させる。第2シリコン系無機絶縁膜は、受光素子チップCHPを形成する前に基板11の全面に形成されると共に受光素子チップCHPを形成した後に個々の受光素子チップCHPから除去されるので、これらの工程の間における処理工程で生じる可能性のある、基板裏面11b側の付着物及び傷が、第2シリコン系無機絶縁膜のエッチングに伴って受光素子チップCHPから除去される。この絶縁膜積層31の露出面(表面31b)は、受光素子アレイ装置53の光入射面となる。これ故に、基板裏面11b側の付着物及び傷が光入射の妨げになることはない。
また、この作製方法では、基板11の主面11a上に半導体積層23を成長して、エピタキシャル基板Eを形成する。このエピタキシャル基板Eの基板裏面11b上に絶縁膜積層31を形成するために、例えばシリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する。そして、絶縁膜積層31を形成した後であって保護絶縁膜(第2シリコン系無機絶縁膜)41を成長する前に、素子区画の各々において基板裏面11bに接触を成す裏面電極39を形成する。この作製方法では、裏面保護のための第2シリコン系無機絶縁膜を成長する前に、素子区画の各々に裏面電極39を形成するので、裏面電極も含め保護出来るため保護性が高まる。
図10〜図17は、第2実施の形態に係る受光素子アレイを作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。第1の実施の形態と同様に、エピタキシャル基板Eに、素子区画毎に一次元又は二次元に配列された第2導電型半導体領域25をIII−V化合物半導体領域内15に形成する。次いで、第2導電型半導体領域25の各々には、アノード電極27及びパッド電極29を形成する。一の素子区画においてアレイ状に配列される受光素子は、それぞれ、アレイ状に配列される第2導電型半導体領域25、アノード電極27及びパッド電極29を含む。半導体積層23は、第1の実施の形態と同様に、pin型又はnip型の受光素子チップを提供できるように設けられている。
この後に、図10に示されるように、成膜装置に基板11を配置して、基板11の裏面11b上に第1の実施の形態と同様に絶縁膜積層31を形成する。本実施例では、絶縁膜積層31を形成した後に、この成膜装置において裏面保護膜61を形成する。裏面保護膜61が、絶縁膜積層31の形成に続けて堆積されるので、裏面保護膜61は絶縁膜積層31の表面に接合を成す。
絶縁膜積層31は、一又は複数の誘電体膜を含む。本実施例では、絶縁膜積層31は、複数のシリコン系無機絶縁膜を含み、本実施例では、成膜装置において、下地シリコン系無機絶縁膜(例えばSiON膜)33a及び第1シリコン系無機絶縁膜(例えばSiN膜)33bを順に基板11の裏面11b上に成長する。シリコン系無機絶縁膜の成長には、例えばプラズマ気相成長法を適用できる。絶縁膜積層31は反射防止膜を備える。本実施例では、これらの成膜の後に基板11を成膜装置から取り出すことなく、裏面保護膜61として第2シリコン系無機絶縁膜(例えば、シリコン酸化膜)を成長する。第1シリコン系無機絶縁膜の材料は第2シリコン系無機絶縁膜の材料と異なり、第1シリコン系無機絶縁膜は第2シリコン系無機絶縁膜と接合を成す。第2シリコン系無機絶縁膜の成膜温度は、下地シリコン系無機絶縁膜の成膜温度より低い。また、第2シリコン系無機絶縁膜の成膜温度は、第1シリコン系無機絶縁膜の成膜温度より低い。低い成膜温度で成膜されたシリコン系無機絶縁膜のエッチングレートが、高い温度で成膜された膜に比べて大きくなるので、第2シリコン系無機絶縁膜のエッチングにおいて、第1シリコン系無機絶縁膜に対するエッチング選択性を高めることができる。
絶縁膜積層31及び裏面保護膜61の作製方法の一例を示す。
下地シリコン系無機絶縁膜33a:SiON膜、厚さ300nm、摂氏250度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。
第1シリコン系無機絶縁膜33b:SiN膜、厚さ50nm、摂氏250度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。本実施例では、第1シリコン系無機絶縁膜としてSiN膜を成長する。この絶縁膜積層31はARコート膜として役立つ。第1シリコン系無機絶縁膜33bは絶縁膜積層31の最表面に設けられる。
第2シリコン系無機絶縁膜:SiO、厚さ100〜300nm、摂氏100度〜摂氏200度の成膜温度でプラズマCVD法の成膜。
なお、絶縁膜積層31の成膜と裏面保護膜61の成膜との間に、摂氏400度以上の温度で絶縁膜積層31の熱処理を行うために、熱処理工程を追加することもできる。摂氏400度程度の温度でSiNを熱処理すると、熱処理されたSiNではバッファードフッ酸に対するエッチング速度が小さくなる。
(絶縁膜積層の開口)
個々の素子区画毎に、基板裏面11bに電極65を形成する。基板裏面11bの絶縁膜積層31及び裏面保護膜61上にレジストを塗布する。フォトリソグラフィによりレジスト膜からマスク63を形成する。マスク63は、裏面電極を形成すべき位置に開口63aを有する。本実施の形態によれば受光素子アレイ半導体素子のアレイを基板11を用いて作製する。個々の受光素子アレイ半導体素子には、基板裏面11bを通して受光層に光が入射する。このため、一素子区画内のアレイ状の受光素子毎に裏面電極を設けることなく、一素子区画毎に裏面電極を設けることができる。これにより、基板裏面11bのより多くのエリアを受光のための利用できる。本実施例では、図11に示されるように、基板裏面11bの周縁に裏面電極を設け、また基板裏面11bの周縁の内側の受光エリアを囲うように裏面電極(図12における符号65)を設けることができる。マスク63を用いて絶縁膜積層31及び裏面保護膜61をエッチングして、裏面電極のための開口31aを絶縁膜積層31に形成すると共に裏面電極のための開口61aを裏面保護膜61に形成する。このエッチングにより、絶縁膜積層31の開口31a及び裏面保護膜61の開口61aには、半導体からなる基板裏面11bが現れる。絶縁膜積層31及び裏面保護膜61のエッチングとしては例えばウエットエッチングを用いることができ、SiON、SiN及びSiOのエッチングのためには、バッファードフッ酸(BHF)を用いることができる。
(裏面電極の形成)
絶縁膜積層31に開口31a及び裏面保護膜61の開口61aを形成した後に、マスク63を残したまま基板裏面11bの裏面保護膜61の全面に、裏面電極膜を堆積する。裏面電極膜は例えば厚み750nmのAuGeNi系材料からなり、例えば真空蒸着により成膜される。裏面電極膜を形成した後にマスク63を除去すると、リフトオフによりマスク63と一緒にマスク63上の裏面電極膜も除去されて、図12に示されるように、絶縁膜積層31の開口31a及び裏面保護膜61の開口61aに裏面電極65が形成される。裏面電極65は、素子区画毎に形成されて、基板裏面11bにアレイ状に配列される。裏面電極65は、例えばAuGeNi系電極を備える。裏面電極65は、裏面保護膜61が形成された後に作製される点を除いて、裏面電極39と実質的に同じであることができる。
(バンプ電極の形成)
図13に示されるように、電極29の各々にバンプ電極43を形成する。本実施例では、第1の実施の形態と同様に、バンプ電極43の形成にリフトオフ法を適用するけれども、本実施の形態は、この作製方法に限定されるものではない。本実施例では、バンプ電極43は例えばインジウム電極を含むことができる。このような構成により、アレイ状に配列される受光素子の各々からの電気信号をInバンプ電極を介して取り出すことができる。これらの工程により、基板生産物SPが完成する。上面を加工するため、バンプ電極形成のプロセス中は裏面が下になるけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31は第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。バンプ電極形成のプロセス中の汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(ダイシング)
バンプ電極43を形成した後に、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31を覆う裏面保護膜61である第2シリコン系無機絶縁膜を除去することなく、図14に示されるように、基板生産物SPを分離して、受光素子チップCHPを形成する。本実施例では、第1の実施の形態と同様に、基板生産物SPの分離にダイシングを適用するけれども、本実施の形態は、この作製方法に限定されるものではない。ダイシングにより、個々の素子区画のサイズに分離された受光素子チップCHPが形成される。このダイシングに際して細かな多数の破砕屑が生成されるけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31は裏面保護膜61である第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。ダイシングのプロセス中の汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の裏面保護膜61である第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(接合)
図15に示されるように、受光素子チップCHPをバンプ法により支持体45上に搭載して、基板部品47を形成する。この工程により、受光素子チップCHPのバンプ電極43のアレイは、支持体45の電極アレイにしっかりと接合される。接合プロセス中は基板裏面が装置ステージと接触するけれども、基板裏面側に設けられる絶縁膜積層31は第2シリコン系無機絶縁膜により覆われている。接合プロセス中の汚染物やパーティクルは、基板裏面側上の第2シリコン系無機絶縁膜の表面に付着する。
(アンダーフィル充填)
基板部品47を形成した後に、図16に示されるように、受光素子チップCHPと支持体45との間に樹脂51を充填して、受光素子チップCHPの表面及び支持体45のマルチプレクサ49の表面を覆う。本実施例では、第1の実施の形態と同様に、接合した受光素子チップCHPと支持体45(マルチプレクサ、信号読出集積素子)との間に、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂を補強用樹脂として充填する。受光素子チップCHPと支持体45との間にエポキシ樹脂が設けられるので、アンダーフィル後のプロセスにより、受光素子チップCHPの電極27、29、43及び支持体45のマルチプレクサ49が直接に損傷を受けることがない。
(保護膜除去)
基板部品47を形成した後に裏面保護膜(第2シリコン系無機絶縁膜)61を除去して絶縁膜積層31の表面31b及び裏面電極65を露出させて、図17に示されるように、絶縁膜積層31の露出面(表面31b)とする受光素子アレイ装置67を形成する。本実施例では、第2シリコン系無機絶縁膜がシリコン酸化膜を備え、第1シリコン系無機絶縁膜がシリコン窒化膜を備えるので、裏面保護膜61の除去には、例えばバッファードフッ酸(BHF)が用いられる。
このように作製された受光素子アレイ装置67は、図9に示された第1の実施の形態に係る受光素子アレイ装置53の構造に実質的に同じである。受光素子アレイ装置67では、絶縁膜積層31の表面31bを介して受光層13に光Lが入射する。また、受光層13からのキャリアは、エピ面にアレイ状に配列された直近の電極27、29、43の各々に向かって流れる。電極27、29の各々からの電気信号は、バンプ電極43を介して基板部品47のマルチプレクサ49に送られる。
第2の実施の形態に係る作製方法によれば、受光素子チップCHPを形成する工程に先立って、基板11の裏面11b上に裏面保護膜61を成長する。受光素子チップCHPを形成する工程及び基板部品47を形成する工程の後に、裏面保護膜61を除去して絶縁膜積層31を露出させる。裏面保護膜61は、受光素子チップCHPを形成する前に基板11の全面に形成されると共に受光素子チップCHPを形成した後に個々の受光素子チップCHPから除去されるので、これらの工程の間における処理工程で生じる可能性にある、基板裏面11b側の付着物及び傷が、裏面保護膜61の第2シリコン系無機絶縁膜のエッチングに伴って受光素子チップCHPから除去される。この絶縁膜積層31の露出面(表面31b)は、受光素子アレイ装置67の光入射面となる。基板裏面11b側の付着物及び傷が光入射の妨げになることはない。
また、この作製方法では、基板11の主面11a上に半導体積層23を成長して、エピタキシャル基板Eを形成する。このエピタキシャル基板Eの基板裏面11b上に絶縁膜積層31を形成するために、シリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する。そして、絶縁膜積層31及び保護絶縁膜(第2シリコン系無機絶縁膜)61を成長した後であって受光素子チップCHPを形成する前に、素子区画の各々において基板裏面11bに接触を成す裏面電極65を形成する。この作製方法によれば、裏面保護のための第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後に、素子区画の各々に裏面電極65を形成するので、基板を成膜装置から出すことなくSiON、SiN、SiO2三層の膜を連続して成膜出来る。
発明者の知見によれば、受光面にキズや異物の付着が発生するのは、裏面工程後のインジウムバンプ工程、チップ化工程、接合工程である。これ故に、裏面保護膜の形成を、第1及び第2の実施の形態に説明されるように裏面電極の形成の前及び形成の後のいずれかにおいて行うことができる。受光素子チップCHPのチップサイズは、一例としておおよそ1cm角である。基板部品47を形成した後に裏面保護膜41、61を除去する際には、ウエハ程度の大きさの基板生産物を取り扱うのではなく、上記サイズの半導体素子を取り扱う。この取り扱いを容易にするために、裏面保護膜の除去工程では、BHF処理のためのチップ専用の治具を用いることが良い。この治具は、受光素子チップのチップサイズに対応したアレイ状の収容部を有する。収容部の各々は、受光素子チップのチップサイズに合わせたガイドを有する。個々の収容部に、裏面保護膜が上向きになるように受光素子チップを配置する。ツールの収容部にアレイ状に受光素子チップを配置した後には、個々の受光素子チップが治具の収容部に収まっている。この治具をエッチャントに曝して、裏面保護膜を除去することができる。
受光素子チップCHPと支持体(読み出し回路)45との間には熱硬化性のエポキシ樹脂(樹脂51)で満たされている。エポキシ樹脂は耐酸性に優れているので、受光素子チップCHP及び支持体45の主要部がBHF液に直接に曝されることが無い。また、支持体45は、例えばSiウエハ上に信号読み出し用の電極が配線されている構造を有しており、これらの電極はエポキシ樹脂(樹脂51)で覆われている。BHFエッチングの際には、支持体45の裏面がエポキシ樹脂(樹脂51)で覆われることなく露出されている。このため、支持体45の回路自体が、BHFエッチングの際に損傷を受けることは無い。
本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、製造工程中に光入射面に付着する異物及び光入射面に形成される傷に起因する特性劣化を低減可能な、受光素子アレイを作製する方法が提供される。
11…基板、11a…半導体主面、11b…基板裏面、12…バッファ層、13…受光層、15…III−V化合物半導体領域、17…n型GaInAs層、19…n型InP層、23…半導体積層、E…エピタキシャル基板、25…第2導電型半導体領域、27…アノード電極、29…パッド電極、31…絶縁膜積層、33a…下地シリコン系無機絶縁膜、33b…第1シリコン系無機絶縁膜、39、65…裏面電極、41、61…裏面保護膜、43…バンプ電極、45…支持体、47…基板部品、CHP、CHP0…受光素子チップ、49…マルチプレクサ、51…樹脂、53、67…受光素子アレイ装置。

Claims (6)

  1. 受光素子アレイを作製する方法であって、
    半導体受光素子のための半導体積層と、裏面及び表面を有する基板と、第1シリコン系無機絶縁膜を含む絶縁膜積層とを備え複数の素子区画の配列を含む基板生産物における前記絶縁膜積層上に第2シリコン系無機絶縁膜を成長する工程と、
    前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後に前記基板生産物を分離して、受光素子チップを形成する工程と、
    前記受光素子チップからの電気信号を処理するマルチプレクサを含む支持体上に前記受光素子チップをバンプ法により搭載して、基板部品を形成する工程と、
    前記基板部品を形成した後に前記第2シリコン系無機絶縁膜を除去して前記絶縁膜積層を露出させて、前記絶縁膜積層の露出面を光入射面とする受光素子アレイを形成する工程と、
    を備え、
    前記素子区画の各々は、アレイ状に配列された複数の受光素子を備える半導体受光デバイスを含み、
    前記素子区画の各々において前記複数の受光素子は、それぞれ、前記半導体積層上に設けられた複数の電極を含み、
    前記基板部品の前記複数の受光素子は前記支持体に接続され、
    前記受光素子チップはpin型又はnip型を有しており、
    前記絶縁膜積層は反射防止膜を備え、
    前記第1シリコン系無機絶縁膜は前記絶縁膜積層の最表面に設けられ、
    前記半導体積層は前記基板の前記表面に形成され、
    前記絶縁膜積層は前記基板の前記裏面に形成され、
    前記第1シリコン系無機絶縁膜の材料は前記第2シリコン系無機絶縁膜の材料と異なる、受光素子アレイを作製する方法。
  2. 前記半導体積層は、前記複数の受光素子の各々が赤外線に感応するように設けられた受光層を含み、
    前記受光層は、構成元素としてアンチモンを含む、請求項1に記載された受光素子アレイを作製する方法。
  3. 前記基板部品を形成した後に、前記受光素子チップと前記支持体との間に樹脂を充填して、前記受光素子チップの表面及び前記支持体の前記マルチプレクサの表面を覆う工程を更に備え、
    前記第1シリコン系無機絶縁膜の材料はシリコン窒化物を備え、
    前記第2シリコン系無機絶縁膜の材料はシリコン酸化物を備え、
    前記第2シリコン系無機絶縁膜の除去は、バッファードフッ酸を用いて行われる、請求項1又は請求項2に記載された受光素子アレイを作製する方法。
  4. 前記絶縁膜積層の前記第1シリコン系無機絶縁膜を摂氏400度以上の温度で熱処理する工程を更に備え、
    前記第2シリコン系無機絶縁膜のシリコン酸化物は、プラズマCVD装置で摂氏200度以下の温度で成長される、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された受光素子アレイを作製する方法。
  5. 前記基板の前記表面上に前記半導体積層を成長して、エピタキシャル基板を形成する工程と、
    前記絶縁膜積層を形成するために、前記エピタキシャル基板の前記基板の前記裏面上にシリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する工程と、
    前記絶縁膜積層を形成した後であって前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長する前に、前記基板の前記裏面に接触を成す裏面電極を前記素子区画の各々に形成する工程と、
    を備える、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された受光素子アレイを作製する方法。
  6. 前記基板の前記表面上に前記半導体積層を成長して、エピタキシャル基板を形成する工程と、
    前記絶縁膜積層を形成するために、前記エピタキシャル基板の前記基板の前記裏面上にシリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜を順に成長する工程と、
    前記第2シリコン系無機絶縁膜を成長した後であって前記受光素子チップを形成する前に、前記素子区画の各々において前記基板の前記裏面に接触を成す裏面電極を形成する工程と、
    を備える、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された受光素子アレイを作製する方法。
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