JP2015011099A - 光ビーム走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路構成の付加を伴うことなく迷光の誤検出を防止する。【解決手段】光ビーム走査装置1は、LD11に対して、感光体ドラム2A面への静電潜像の形成用として予め設定された第1の光量レベルと、それ以下で光路を経て直接受光され、正規の同期信号として検出するための第2の光量レベルとを選択的に設定する光量設定部101と、静電潜像の形成処理前に、光量設定部101に対して第2の光量レベルの設定を指示し、第2の光量レベルで発光器11から射出されたレーザ光をBDセンサ17で受光して正規の同期信号の検出を行う同期処理部102とを備えた。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体レーザ等の発光器からのレーザ光を画像データで変調しつつ感光体ドラム等の像担持体上に走査し、静電潜像を形成する光ビーム走査装置、及びかかる光ビーム走査装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を備えた複合機等の電子写真式の画像形成装置に関する。
画像形成装置は、半導体レーザから射出されるレーザ光をポリゴンミラーを介して周期的に走査する光ビーム走査ユニットを備えている。光ビーム走査ユニットは、軸心周り(副走査方向)に定速回転する感光体ドラム上に、画像データで変調されたレーザ光を、その軸方向(主走査方向)に走査する。かかる走査によって感光体ドラム面上に静電潜像が形成される。光ビーム走査ユニットは、レーザ光の走査路内であって感光体ドラムの走査範囲よりも走査方向の上流側の適所に配置されるBD(Beam Detector)センサを有する。BDセンサはレーザ光の通過タイミングを検出して、この検出時点に同期して感光体ドラムへの画像データの出力動作が開始される。
ところで、近年、画像形成装置の小型化の要請がある。光ビーム走査ユニットは光学的な部品点数が多いことから、それらをより狭いスペースに収容し、しかも高精度に配置することは容易ではなく、複雑な配置構成を強いられる。この結果、光ビーム走査ユニット内では、不要な反射光に起因する迷光の発生が避けがたいという問題が起きている。BDセンサのセンサ面に入射する迷光は、本来の光路を経由したものではないため、すなわち正規のレーザ光の受光タイミングとは異なるタイミングで受光されることになるため、画像データの出力タイミングがずれ、画像品質の低下を招く場合がある。
特許文献1,2には、レーザ光の乱反射等に起因して生じる迷光をBDセンサで受光して同期信号として誤検出することを抑止する技術が記載されている。すなわち、特許文献1に記載された発明では、正規光の出力が迷光の出力に比してBDセンサの受光面での走査時間が長いことに着目し、レーザ光検出器の出力をランプ信号発生回路でランプ出力として生成し、あるいはカウンタ回路を用いて出力期間を計測し、次いで比較器で閾値とランプ出力やカウント値とを比較することで迷光の誤検出を防止している。また、特許文献2に記載された発明では、ビーム光の強度に対するピークを検出するピーク検出部と、検出したピーク時のビーム光の強度に応じて基準信号を設定する処理回路とを備えて、迷光による影響を抑制するようにしている。
特開2002−31770号公報 特開2011−70203号公報
特許文献1,2に記載された発明では、迷光の影響を抑止するために種々の誤検出の抑止回路を付設しており、却って構成を複雑に、昨今の省スペース化の要請に応えることを依然として困難なものにしている。また、ユニットの狭スペース内に多数の光学部品を収容、配置する現状では、レーザ光の走査光路に対して受光器の受光面を直角に配置できる保証はなく、このような場合、前記ランプ出力を比較する処理によっても正規のレーザ光と一律に区別できるとは限らない。さらに、特許文献2に記載された発明では、光学部品等の経年変化に対しても誤検出の抑制が可能であるが、同様にそのための回路構成を付設する必要があり、コストアップの原因にもなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、静電潜像を形成する通常動作モードに移行する前に前処理モードを行うようにし、かつ、その間の光量レベルを通常動作モードの場合に比して制限することで迷光の誤検出を防止して正規の同期信号を検出するようにした光ビーム走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、発光器から射出されるレーザ光を周期的に走査し、前記レーザ光を光路上に配置された受光器で光量に応じたレベルで受光して同期信号を生成し、前記同期信号に同期して像担持体上に静電潜像を形成する光ビーム走査装置において、前記発光器に対して、前記静電潜像を形成する通常動作モード用として設定された光量レベルに対応する第1の設定値と、前記通常動作モード用として設定された光量レベル以下であって前記光路を経て直接受光される正規の同期信号を検出するための光量レベルに対応する第2の設定値とを選択的に設定する光量設定部と、前記通常動作モードに移行する前に、前記光量設定部に対して前記第2の設定値を設定し、この第2の設定値で前記発光器から射出されたレーザ光を受光して前記正規の同期信号を検出する前処理モードを行う同期処理部とを備えたことを特徴とするものである。
この構成によれば、同期処理部によって、静電潜像形成動作を行う通常動作モード前に、光量設定部に対して正規の同期信号を検出するための第2の設定値が設定され、この第2の設定値で発光器から射出されたレーザ光が受光部で受光され、正規の同期信号として検出される。従って、正規の同期信号の検出が、通常動作モード前にレーザ光の光量を制限する処理で可能となるので、新たな回路構成の付加を伴うことなく、迷光の誤検出が防止され、同期信号が精度良く検出される。また、装置のコンパクト化も維持される。
また、前記正規の同期信号の検出時点から1走査期間が経過する直前までの期間、前記受光器による信号検出動作を禁止する検出動作禁止処理部を備えたことを特徴とする。この構成によれば、光量レベルが元の第1の設定値に戻されても、検出動作禁止処理部によって、迷光の誤検出が防止される。
また、前記検出動作禁止処理部は、前記正規の同期信号の検出時点から1走査期間が経過する直前までの期間に亘るゲート信号を形成し、受光信号から同期信号を検出する動作を禁止することを特徴とする。この構成によれば、ゲート信号によって、迷光の誤検出が防止される。
また、前記光量設定部は、前記第2の設定値を記憶するメモリを備えていることを特徴とする。この構成によれば、メモリから読み出して光量設定ができるので、光ビーム走査装置の個体差が吸収される。
また、前記光量設定部は、レーザ光の光量を段階的に変化させる毎に、所定の走査期間を設定して同期信号の個数を計数し、計数値が走査回数と一致するときのレーザ光の光量を第2の設定値として取得することを特徴とする。この構成によれば、経年変化や環境温度等が反映された第2の設定値が取得されるので、正規の同期信号をより精度良く検出することが可能となる。
また、本発明は、前記光ビーム走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。この構成によれば、コンパクト化が維持された画像形成装置が提供可能となる。
本発明によれば、迷光の誤検出が防止され、同期信号が精度良く検出できる。
本発明に係る光ビーム走査装置が適用される画像形成装置の第1の実施形態である概略構成を示す正面図である。 光ビーム走査ユニットの一実施形態の概略構成を示す上面図である。 光ビーム走査ユニットの動作が関連する構成部分の一実施形態を示すブロック図である。 レーザ発光器の一実施形態を示すブロック図である。 レーザ受光器の一実施形態を示すブロック図である。 レーザ光及び迷光と同期信号との関係を説明するための波形図で、(a)は、レーザ光の光量が制御されたレベル(第2の光量レベル)の時のBDセンサ17からの出力の一例を示す波形図、(b)は、(a)におけるBD出力から生成される同期信号を示す波形図、(c)は、(b)における同期信号から生成されるマスク信号を示す波形図、(d)は、レーザ光の光量が通常レベル(第1の光量レベル)の時のBDセンサ17からの出力を示す波形図、(e)は、(d)におけるBD出力から生成される同期信号を示す波形図、(f)は、(e)における同期信号から生成されるマスク信号を示す波形図である。 光量設定部101によって実行される制御電圧値取得処理の手順を示すフローチャートである。
図1に示す第1の実施形態において、画像形成装置は、画像形成部10、中間転写部20、二次転写部30、定着部40、給紙部50、用紙搬送路60及び画像読取部70を備えると共に、装置本体の上部に自動原稿搬送装置80が搭載されている。画像形成装置は、原稿から読み取った画像データあるいは図外の外部装置から入力された画像データを用紙に多色又は単色の画像形成処理を行う。
画像形成部10は、光ビーム走査ユニット1及びそれぞれ同様な構造を有する各色の画像形成部10A〜10Dを備えている。光ビーム走査ユニット1は、筐体を有し、その内部に色毎に必要な光学部品が配置されている。光ビーム走査ユニット1は、画像読取部70で読み取られた画像データをBk、C、M、Y色に変換し、変換後の各色の画像データによって変調されたレーザ光で画像形成部10A〜10Dの感光体ドラム2A〜2Dの表面を軸方向(主走査方向)に沿って露光走査して、それぞれの静電潜像を形成する。代表して説明する画像形成部10Aは、感光体ドラム2Aを備え、その周囲に回転方向(副走査方向)に沿って帯電器3A、現像器4A及びクリーナ部5Aを備えている。
中間転写部20は、中間転写ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23、一次転写ローラ24A〜24Dを備えて、感光体ドラム2A〜2Dの周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト21の表面に一次転写する。二次転写部30は、中間転写ベルト21の表面のトナー像を用紙へ二次転写する。定着部40は、用紙に転写されたトナー像を加熱して定着し、排紙トレイに排出する。給紙部50は、給紙カセットや手差しトレイを備えており、選択された用紙を、対応する給紙カセットから用紙搬送路60に給紙する。
図2において、光ビーム走査ユニット1は、レーザダイオード(以下、LDという。)11、集光レンズ12、回転多面鏡であるポリゴンミラー13、Fθレンズ14、及び反射ミラー15を少なくとも備える。また、光ビーム走査ユニット1は、反射ミラー16及びフォトダイオード等のBD(Beam Detector)センサ17を備える。BDセンサ17は同期信号検出部として機能する。なお、以下では、ある色、例えばBk色における光ビーム走査ユニット1を代表にして説明するが、各色における光ビーム走査ユニットは同様な構造である。
LD11は、1つの色を担当するものとして採用されたもので、平行光束を形成する集光レンズ12を経てポリゴンミラー13に向かうようにビーム状のレーザ光Lを射出する光源である。なお、公知のようにLD11とポリゴンミラー13との間には図略の光変調素子が配置されており、LD11からのレーザ光が画像データを構成する各画素データで光変調されるようになっている。LD11から射出されたレーザ光Lは、モータ等の回転駆動部131によって定速回転状態にあるポリゴンミラー13の各面で反射される。ポリゴンミラー13は、図2の紙面に垂直な回転軸周りに矢印で示す方向に回転することで、レーザ光を等角度走査させる。ポリゴンミラー13の回転によってレーザ光Lは走査される。所定の走査範囲内には、Fθレンズ14を含む下記の光学部品が配置されている。Fθレンズ14は、等角度走査されたレーザ光Lを等速度走査に変換する。Fθレンズ14及び反射ミラー15を通過したレーザ光Lは、感光体ドラム2A上(有効露光範囲)を矢印Xで示す軸方向(主走査方向)に走査される。感光体ドラム2Aは、図略の駆動手段で軸周りに定速回転されており、1走査毎の画像データによって光変調されたレーザ光が順次回転方向(副走査方向)に露光されることで表面に画像データに対応した静電潜像が形成される。
反射ミラー16は、レーザ光Lの光路上であって、感光体ドラム2Aに対して走査方向Xの上流側、すなわち有効露光範囲の上流側の適所に配置されている。レーザ光Lは反射ミラー16を通過する間、BDセンサ17の受光面に一時的に入射される。BDセンサ17は、レーザ光Lを一時的に受光すると、受光レベルに応じた検出信号を生成する。
図3に示すように、画像形成装置は、画像の露光動作に関連する処理部として、光ビーム走査ユニット1の他、画像形成装置の全体的な制御を担うCPU(Central Processing Unit)90、画像メモリ91、及びICU(Image Control Unit)92を備えている。
画像メモリ91は、画像読取部70によって読み取られた原稿の画像データや外部から受信した画像データを一時的に保管する。CPU90は、プリント指示及びプリント対象の画像データが指定されると、対象の画像データを画像メモリ91から読み出して(あるいは外部から直接読み込んで)、ICU92に出力する。ICU92は、画像データに所定の画像処理を施すユニットであり、送信されてきた画像データに対して、例えばページ毎に階調補正や変倍処理等を施す。CPU90は、画像処理が施された画像データを制御部であるLSU-ASIC(Laser scanning Unit Application SpecificIntegrated Circuit)(以下、ASICという。)100に出力させる。
ASIC100は、本実施形態ではソフトウエアによって各機能を実行する光量設定部101、同期処理部102、及びマスク処理部103を備える。ASIC100にはメモリ105が接続されている。メモリ105は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、ASIC100が参照する各種データ、更には制御電圧値を図略のテーブルに記憶している。制御電圧値とは、LD11が射出する発光量を指令する光量制御値である。光量設定部101は、制御電圧値をメモリ105から読み出して制御回路部111に出力する。レーザ発光器としてのLD11は、制御回路部111に入力された制御電圧値に基づいてレーザ光の射出制御を行う。
図4に示すように、制御回路部111は、発光光量を一定化制御するためのもので、LD11からの射出光の一部が入射され、その受光光量に応じたレベルの信号を生成する、モニタ用のフォトダイオード(以下、PDという。)111aと、APC(Auto Power Controller)112と、LD出力部113とを備える。制御回路部111は、種々の方法でLD11を駆動してもよいが、本実施形態では、APC112を採用している。APC112は、LD11の発光光量を一定に保持する機能を実行するコントローラをいう。APC112は、定常APC状態において、ASIC100の光量設定部101から入力された制御電圧値をアナログ変換した制御電圧に対し、PD111aでの検出された検出電圧をフィードバックさせることでレーザ光の光量が一定となるように補正する。そして、APC112は、この補正した信号であるAPC信号をレーザドライバであるLD出力部113に出力する。そして、LD出力部113は、LD11にAPC信号を出力する。LD11は、LD出力部113から入力されたAPC信号に応じた光量でレーザ光を射出する。PD111aは、LD11が射出したレーザ光の受光光量に応じた信号(電流)に応じた信号をAPC112に出力し、これによってレーザ発光光量が、光量設定部101からの制御電圧値に対応したレベルとなる。なお、光量制御値は、第1の設定値と第2の設定値を有し、光量設定部101によって選択的に読み出し可能にメモリ105に記憶されている。第1の設定値は、定常APC状態において、感光体ドラム2Aへの静電潜像を形成する通常動作モードの間に設定される光量制御値である。第2の設定値は、定常APC状態において、第1の設定値以下であって、通常動作モードへ移行する前に、正規の同期信号の検出を行う前処理モードにおいて設定される光量制御値である。
図3に戻って、同期信号生成部171は、走査毎にBDセンサ17で検出された信号から閾値を利用して同期信号を抽出するものである。BDセンサ17と同期信号生成部171とでレーザ受光器を構成する。ASIC100の同期処理部102は、通常動作モードの開始前に、光量設定部101に対して第2の設定値の設定し、この第2の設定値でLD11から射出されたレーザ光をBDセンサ17で受光して正規の同期信号の検出を行う前処理モードを実行する。なお、同期信号の検出処理については、図6を用いて後述する。
ところで、LD11から射出され、ポリゴンミラー13を介して走査されるレーザ光は、コンパクト化された光ビーム走査ユニット1の筐体内で複雑に配置された部品の一部で不要に反射(部材表面での多重反射等も含む)して迷光を生じる虞があり、しかも、この場合の迷光は、正規の光路に比して長く又は短くなる光路を経て、正規のレーザ光の受光タイミングに対して時間差を持ってBDセンサ17に受光される場合がある。また、コンパクト化が原因で、BDセンサ17の受光面がレーザ光の正規の光路に対して垂直に向けた姿勢で配置することが困難な場合があり、かかる場合も、迷光が生じ易くなる。
図5において、同期信号生成部171はオペアンプを有し、反転入力端子にはBDセンサ17が接続されて受光光量に応じた電圧(検出電圧)が入力され、一方、非反転入力端子には参照電圧源(図略)からの閾値Vrefが入力され、出力端子はASIC100に接続されている。これにより、同期信号生成部171は、BDセンサ17からの検出電圧が閾値Vrefを超えた場合に、Lレベルの検出信号をASIC100に出力する。
従って、走査中のある時点で、BDセンサ17が迷光を受光し、その検出レベルが閾値Vrefを超えたような場合には、不適な同期信号となる。かかる迷光による検出信号がASIC100に同期信号として誤って出力されると、当該走査においては主走査の画像データの出力開始タイミングが、他の走査時における画像データの出力開始タイミングと異なることとなる。この場合、プリントされた画像は、主走査方向にずれを生じたものとなって、低品質のプリント画像が形成されてしまうことになる。
次に、図6を用いてレーザ光及び迷光と同期信号との関係を説明する。先ず、第1の設定値のときの動作について説明する。図6(d)、(e)に示すように、第1の設定値では、BDセンサ17での検出信号として、正規のレーザ光の信号so(to時点)の他に、時間的にその近傍で、例えば前後で迷光が受光されている。信号so及び前後の迷光s’、s’’は閾値Vrefを超えており、従って、図6(e)のとおり、正規の同期信号Ssの他に、2個の不適な同期信号S’,S’’(なお、Sn’,Sn’’は次の走査における対応する信号)が生成されている。従って、このままでは、ASIC100の同期処理部102は、例えば先頭の不適な同期信号S’に基づいて画像データの出力開始タイミングを誤って設定する。
一方、図6(a)(b)に示すように、第2の設定値のときには、BDセンサ17での検出信号として、正規のレーザ光の信号so(to時点)の他に、図6(d)に対応する迷光s’、s’’が受光されているものの、信号soは閾値Vrefを超えているが、迷光s’、s’’は閾値Vrefに達していない。従って、図6(b)のとおり、信号soに対応する同期信号Ssのみが正規の同期信号として生成され、ASIC100の同期処理部102は、正規の同期信号Ssに基づいて画像データの出力開始タイミングを設定する。
LD11の発光光量は、ASIC100の光量設定部101から出力される制御電圧値で設定される。同期処理部102は、プリント指令があると、まず、前処理モードを開始するべく、光量設定部101を介して設定された第2の設定値でLD11を発光させ、その間にBDセンサ17を介して正規の同期信号が検出されると、続いて通常動作モードに移行するべく制御電圧値を第1の設定値に切り替える。なお、ASIC100は、ICU92から入力された画像データを正規の同期信号に同期して出力する。
第1の設定値は定格光量として設定される。また、第2の設定値は、出荷前の、例えば工場での生産工程の最終段階等において、光ビーム走査ユニット1を試験動作させて設定される。設定方法は、各制御電圧値で光ビーム走査ユニット1を稼働させてレーザ光及び発生する迷光の受光レベルを検出し、そのうちから、レーザ光の受光レベルが閾値Vref以上になる一方、迷光の受光レベルがいずれも閾値Vrefに達しないようなレーザ光の発光光量に対応する制御電圧値を第2の設定値として選定し、メモリ105に書き込むことで得られる。これによって、各光ビーム走査ユニット1に対して、個体差が吸収された同期信号検出用の制御電圧値が設定される。
図3に戻り、マスク処理部103は、迷光の誤検知を抑制するもので、同期処理部102によって正規の同期信号が検出されたことを受けて、この正規の同期信号の検出タイミングを元に、同期信号生成部171の検出動作を中断させるものである。マスク処理部103の動作を図6(c)、(f)を参照して説明する。前処理モードで設定された第2の設定値で走査中のレーザ光がBDセンサ17で受光され、正規の同期信号Ss(図6(b)参照)が出力されると、この同期信号Ssの検出タイミング、例えば同期信号Ssの先端であるto時点から、ゲート状のマスク信号Smaが生成される。マスク信号Smaの幅は、図6(d)(e)に示す迷光s’,s’’が遮断されるように設定されることが好ましい。すなわち、マスク信号Smaは、1走査(ポリゴンミラーの1面分)期間To(図6(c)のto〜to’)に対して、実質的に全域、例えば99.5%の幅(図6(c)のto〜t2)が設定されている。マスク信号Smaの幅は、一律でもよいし、前記と同様に個体差に対応し得るように、生産工程で設定するようにしてもよい。
マスク処理部103によってマスク信号Smaが設定されると、直後、例えば次周期の走査から通常動作モードに移行し、第1の設定値が設定されると共に、同期信号Ssを基準にマスク信号Smsが走査毎に生成され、図6(f)に示すように、当該周期における迷光sn’,sn’’が遮断される。その結果、以後、走査毎に正規の同期信号Ssが検出される。
以上の説明では、第2の設定値を生産工程で設定するようにしたが、出荷後において適宜設定する態様としてもよい。光レーザ走査ユニット1を構成する光学部品は、使用等により経年的な変化を受けて、あるいは環境温度の影響を受けてレンズ等の光透過率、ミラーの反射率や光学センサの感度が変化したり、また変形等したりすることが考えられる。特に、迷光の影響を排除する点から、使用開始後からの適宜の時点で設定されるようにしてもよい。光量設定部101は、第2の実施形態として、画像形成装置の使用開始後において第2の設定値を取得する処理を実行するものである。
次に、図7に示す、第2の設定値の取得処理の手順を示すフローチャートにおいて、まず、LD11の光量が初期値に、例えば第1の設定値に設定され(ステップS1)、その状態で、定常APCが開始される(ステップS3)。続いて、BDセンサ17で受光され、同期信号生成部171で生成されたパルス信号の個数を計数するためのカウンタのカウント値(BDカウント値)がリセットされ(ステップS5)、この後、カウント動作が開始され(ステップS7)、かつ、タイマの計時動作が開始される(ステップS9)。
次いで、タイマが予定時間、例えばポリゴンミラー13が設定走査回数分に相当する時間が経過したか否かが判断される(ステップS11)。予定時間が経時されると(ステップS11でYes)、カウント動作が中止される(ステップS13)。そして、BDカウント値と所定値Aとの大小が比較される(ステップS15)。ここに、所定値Aとは、所定時間/1走査時間をいう。なお、所定時間は、精度を考慮して、1走査時間より長い複数走査時間、かつ1走査時間で割り切れない時間に設定されている。ステップS15におけるBDカウント値と所定値Aとの大小比較は、観察のための走査回数とBDカウント値との大小を比べることで、迷光の検出状況を判断するものである。例えば、予定時間が走査回数の10回分に相当する時間とした場合、正常であれば、10個の信号が生成、つまりBDカウント値は10となり、両者一致することになる。一方、BDカウント値が11以上であれば、少なくとも迷光に基づく誤検知分が混在していることが判る。逆に、BDカウント値が10未満であれば、正規の同期信号も検知できていない異常があるということになる。
そこで、ステップS15で、BDカウント値が所定値A未満であると、エラー報知が行われる(ステップS17)。エラー報知は、動作を停止してもよいし、あるいは所定回数だけ制御電圧値をより高い値に設定し直してステップS5に戻す方法であってもよい。
一方、BDカウント値が所定値A以上であると、さらに、BDカウント値と所定値Aとが一致するか否かが判断され(ステップS19)、一致しなければ、すなわち、BDカウント値の方が大きくて迷光の誤検知分が混在しているとして、レーザ光量を段階的に下げるべく、制御電圧値が所定値だけ低減されて(ステップS21)、ステップS5に戻る。そして、同様の処理を繰り返して、BDカウント値と所定値Aとが一致すると判断されると(ステップS19でYes)、そのときの制御電圧値が第2の設定値として更新設定される(ステップS23)。かかる方法を採用することで、個体差の他、経年変化や環境温度の影響も吸収される。
なお、更新設定される第2の設定値は、BDカウント値が1走査当たり1個となる、すなわちステップS19でYesと判断される状態を満たす、最大の制御電圧値と最低の制御電圧値とを抽出し、その中間値としてもよい。
また、ステップS1で設定される初期値は、第1の設定値に限定されず、第1の設定値より低い所定値であってもよい。
また、第2の設定値の更新設定処理は、自動的でもよいし、オペレータによる指示を受け付けて実行される態様でもよい。自動的に実行される態様では、画像形成装置の起動毎に、又は画像形成装置の動作時間を計時するタイマを備えている場合は、その計時値が所定値増加する毎に行われようにすればよい。また、プリント指示毎に、あるいはプリント動作回数をカウントするカウンタを備える場合は、そのカウント数が所定値増加する毎に行われるようにすればよい。なお、プリント指示の都度実行される場合、ステップS23から引き続いて通常動作モードに移行してもよい。
また、第2の実施形態として示した第2の設定値取得処理は、高い方から順次所定値ずつ段階的に低下させながら、迷光の出現状況を観察して適宜の制御電圧値を取得しているが、かかる方法に代えて、上下から絞り込む方法を採用してもよいし、低い方の所定の光量レベルから順次所定値ずつ段階的に高くする方法でもよい。
また、第3の実施形態として、通常動作モード時における正規の同期信号の検出は、マスク処理の他に、前処理モードで得られた正規の同期信号Ssの検出時点から計時動作を行い、計時情報とBDセンサ17(あるいは同期信号生成部171)の信号とから正規のレーザ光の受光(同期信号Ss)か否かを判断する態様でもよい。
また、第4の実施形態として、マスク処理部103は、ゲート状のマスク処理を適用する態様の他、正規の同期信号Ssを検出した後、当該正規の同期信号Ssの検出時点から、1走査期間が経過する直前(図6(c)のt2)までの期間に、例えば同期信号生成部171の動作を中断したり、BDセンサ17の出力側の回路を遮断したり、所定のバイアスを印加するなどして動作を禁止する検出動作禁止処理部として機能するものであればよい。
また、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光ビーム走査ユニット(光ビーム走査装置)
11 LD(発光器)
17 BDセンサ(受光器)
101 光量設定部
102 同期処理部
103 マスク処理部(検出動作禁止処理部)
2A 感光体ドラム(像担持体)
Ss 正規の同期信号
Sma マスク信号

Claims (6)

  1. 発光器から射出されるレーザ光を周期的に走査し、前記レーザ光を光路上に配置された受光器で光量に応じたレベルで受光して同期信号を生成し、前記同期信号に同期して像担持体上に静電潜像を形成する光ビーム走査装置において、
    前記発光器に対して、前記静電潜像を形成する通常動作モード用として設定された光量レベルに対応する第1の設定値と、前記通常動作モード用として設定された光量レベル以下であって前記光路を経て直接受光される正規の同期信号を検出するための光量レベルに対応する第2の設定値とを選択的に設定する光量設定部と、
    前記通常動作モードに移行する前に、前記光量設定部に対して前記第2の設定値を設定し、この第2の設定値で前記発光器から射出されたレーザ光を受光して前記正規の同期信号を検出する前処理モードを行う同期処理部とを備えた光ビーム走査装置。
  2. 前記正規の同期信号の検出時点から1走査期間が経過する直前までの期間、前記受光器による信号検出動作を禁止する検出動作禁止処理部を備えた請求項1に記載の光ビーム走査装置。
  3. 前記検出動作禁止処理部は、前記正規の同期信号の検出時点から1走査期間が経過する直前までの期間に亘るゲート信号を形成し、受光信号から同期信号を検出する動作を禁止することを特徴とする請求項2に記載の光ビーム走査装置。
  4. 前記光量設定部は、前記第2の設定値を記憶するメモリを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
  5. 前記光量設定部は、レーザ光の光量を段階的に変化させる毎に、所定の走査期間を設定して同期信号の個数を計数し、計数値が走査回数と一致するときのレーザ光の光量を第2の設定値として取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ビーム走査装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光ビーム走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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