JP2015010257A - 真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法 - Google Patents

真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法 Download PDF

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Hiroyasu Matsuura
宏育 松浦
英明 峰川
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英明 峰川
智彦 尾方
Tomohiko Ogata
智彦 尾方
正明 望月
Masaaki Mochizuki
正明 望月
三宅 竜也
Tatsuya Miyake
竜也 三宅
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Abstract

【課題】 本発明は、長尺な蒸発源において処理開始から長時間の稼働の間、再現性の良い膜厚分布が得られるリニア蒸発源を提供するものである。【解決手段】本発明の第1の特徴は、課題で示した第1の知見、即ち長手方向に発生する蒸気発生抑制現象を低減する蒸気発生抑制低減手段を設ける。また、本発明の第2の特徴は、課題で示した第2の知見、即ち単に整流板を設けただけでは、オリフィスを通過した蒸気は、高真空下では長手方向に十分拡散することなく近くのノズルから吸引・放出されてしまうので、これを回避するために、発生した蒸気を長手方向に拡散させる蒸気拡散手段を設ける。【選択図】 図1

Description

真空下で蒸着材料を加熱して蒸着粒子を発生させ、基板上に蒸着材料の膜を形成するための蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及びに真空蒸着方法に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)発光素子10は、図5に示すように、基板5上に陽極11・正孔注入層12・正孔輸送層13・発光層14・電子輸送層15・電子注入層16・陰極17の順に膜形成し、陽極11と陰極17の間に電流を流すことにより発光するものである。また、正孔注入層12から電子注入層16については、有機化合物又は無機化合物を一層毎に真空蒸着より成膜し、陽極上11に積層構造体を形成する。その後、マグネシウム・銀やアルミニウム等の金属膜を真空蒸着で形成し、陰極17を設ける。以上のようにして有機EL発光素子10を形成する。さらに、基板5上において、事前に薄膜トランジスタ(TFT)9でアレイ回路を形成し、有機EL発光素子10の各陽極11と接続させれば、鮮明かつ高速応答に対応したディスプレイを製作可能である。
一般的な真空蒸着方法の例を示す。真空蒸着装置1は、真空チャンバ2と、真空ポンプ3及び蒸発源4を備えている。図6に示す真空チャンバ2は密閉容器で、中に蒸発源4と蒸着対象の基板5が配置されている。真空チャンバ2の内部は、基板5に対して成膜する際には、10-3〜10-6Paの真空度を保つように、真空ポンプ3によって真空排気される。また、蒸発源4では蒸着材料を加熱し、気化させ、基板5に対して吹きつけ、成膜する。この際、基板5の大形化に対しては、直線状にノズルを配列した長尺な蒸発源4(リニア蒸発源)を用い、基板5又は蒸発源4のどちらかを蒸発源のノズル配列方向と略垂直方向(紙面手前又は奥方向)に移動させて成膜を行う方法が検討されている。
従来のリニア蒸発源の技術では、蒸着材料を収納した容器(ルツボ)を囲むように設けられた加熱手段と、線状にかつ線状の両端部で密に配置され、容器に蒸発した蒸着材料を放出する同一径の複数の放出孔とを有し、放出孔と同様に端部に対して密に配置され、蒸着材料の蒸気が通過する同一径の複数の通過孔を有する整流板を容器内部に設ける方式が提案された(特許文献1)。また、ノズル配列方向のルツボの温度を均一にするために、蒸着材料を収納したルツボを囲むように、かつ、ルツボの位置に応じて加熱量に調整を施したヒータを取り付ける方式が提案された(特許文献2)。さらに、蒸着材料と接触するよう容器内に固定配置された熱源を有し、遮熱部材で仕切られた蒸発室を線状に複数設け、あたかも複数の蒸発源が設けられたように、順次熱源を個別に加熱する方式が提案された(特許文献3)。
特開2011−012309号公報 特開2010−150663号公報 特開2012−132049号公報
上記従来技術のうち特許文献1、2は、本願発明が対象としているルツボの外部に設けた加熱手段によって、蒸発材料を加熱し蒸発させる方式である。
この種の従来技術では、リニア蒸発源の膜厚分布の均一化を図る方法として、大きく分けて2種類の方法が提案されてきた。
先ず、第1の方法として、特許文献1を代表とするように、温度が低くなり易いルツボ端部に対して、ルツボのノズル等の開口を密にすることで、膜厚の均一化を図る技術が提案されている。
また、第2の方法として、特許文献2を代表とするように、ヒータ配置を調整してルツボに供給する熱を適正化することで、長尺なルツボの温度ムラを低減させ、蒸発量を均一化させる技術が提案されている。
蒸着幅1m以上の大型基板の蒸着に対応する蒸発源を製作し、発明者らが実験した結果では、蒸気の2つの技術を組み合わせても、長期間運転において膜厚プロファイルが変化する現象が発生した。原因を調査した結果、長尺の蒸発源では、第2の方法で温度調整しても、長尺の蒸発源、即ちルツボの長手方向(以下、単に長手方向という)に数℃程度のばらつきを抑えることは非常に困難である。それ以外にも、材料を消費して行く過程での熱容量バランスの変化で、図3に示す高温部と低温部との間の温度分布は数℃程度の差が生じてしまう。
このような温度差が生じると、特にルツボの材料室内では、高温部に蒸着材料消費が集中し、低温部に材料消費が滞る。長時間運転し続けると、図4に示すように、高温部の材料は枯渇し、低温部では極端な場合、高温部で発生した蒸気が析出して重量が増加することもある。このような場合、ルツボ内の温度バランスがさらに乱れ、温度分布がさらに拡大する(図4)。以上の現象により、長時間の稼働では長手方向の蒸気の発生量の分布は当初の状態と異なる。
特に、特許文献1のように整流板で蒸着材料とノズルとの間の空間を所定の比率で仕切ったとしても、蒸着材料と整流板との空間は長手方向に最も温度が高い部分で発生する蒸気圧に支配され、周辺部分の蒸着材料の蒸気の発生を抑制する蒸気発生抑制現象が発生してしまう。例えば、長手方向の中央部の温度が高いと、長手方向端部に近い程、より一層蒸気圧、温度が低くなる。このため、上記の現象はより顕著に表れる。さらに一度蒸着材料の充填状態が変化してしまうと、膜厚のプロファイル自体が変化し、膜厚均一性が悪化する。
また、整流板のオリフィスを通過した蒸気は、高真空下では、ノズルから吸引されるため、長手方向に十分拡散することなく近くのノズルから吸引・放出される。このため、整流板のオリフィスを通過する蒸着材料の蒸気量のムラが緩和されることなく膜厚分布に影響を与える結果となった。
一方、特許文献3の方式は、本願発明の対象と異なり、熱源をルツボ内に内蔵する方式である。熱源を内蔵する方式では、蒸着材料と接触する領域と、接触していない領域では、温度分布が異なり、上述した蒸気発生抑制現象が生じる。また、熱源と蒸着材料との接触状態が変化し、蒸着材料の蒸発状態が変化し、膜厚分布に影響を与える結果となる。このことは、周囲が遮熱部材で仕切られた蒸発室を複数列状に設けても、また、熱源をルツボに固定しても、各蒸発室で同じ現象が起こる。従って、特許文献3の方式には、上述した蒸気発生抑制現象の知見の認識には至らない。
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであって、ルツボの周囲から蒸着材料を加熱する長尺な蒸発源及びそれを用いる真空蒸着方法において、処理開始から長時間の稼働の間、再現性の良い膜厚分布が得られる蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及びに真空蒸着方法を提供するものである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、課題で示した第1の知見、即ち長手方向に発生する蒸気発生抑制現象を低減する蒸気発生抑制低減手段を設ける。
また、本発明の第2の特徴は、課題で示した第2の知見、即ち単に整流板を設けただけでは、オリフィスを通過した蒸気は、高真空下では長手方向に十分拡散することなく近くのノズルから吸引・放出されてしまうので、これを回避するために、発生した蒸気を長手方向に拡散させる蒸気拡散手段を設ける。
より具体的には、本発明は少なくとも以下の特徴を有する。
本発明による真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法では、一方向に長いルツボ内部に保持された蒸着材料をルツボ外部から加熱し、加熱して発生した蒸気を、複数、直線状に配列されたノズルから放出して蒸着対象に成膜し、前記ルツボの内部に保持した前記蒸着材料を前記長手方向にルツボ素材と同等以上の熱伝導性を有する材料で構成された第1の仕切り板で複数に分割された区画と前記区画に蓋をする中蓋で形成される材料蒸発空間に設けられた第1のオリフィスから外部に前記蒸気を放出する、ことを特徴とする。
また、本発明による真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法では、前記第1のオリフィスから放出される前記蒸気を前記中蓋と複数の前記ノズルとの間を分離形成する第1の蒸気拡散整流板と前記中蓋とで形成される第1の蒸気拡散空間に拡散させ、前記拡散された前記蒸気を前記第1の蒸気拡散整流板に設けられた第2のオリフィスから前記ノズルに蒸気を供給する、ことを特徴とする。
さらに、本発明による真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法では、前記第1の蒸気拡散空間の前記ノズルの配列方向の拡散コンダクタンスが前記第1の蒸気拡散整流板に設けられた全ての前記第2のオリフィスの開口部より形成される第2のコンダクタンスより大きく、複数の前記ノズルの全ての開口部で形成されるノズルコンダクタンスが前記第2のコンダクタンスより大きく、前記第2のコンダクタンスが全ての前記第1のオリフィスの開口部で形成される第1のコンダクタンスより大きいことは望ましい。
また、本発明による真空蒸着装置の蒸発源及びそれを用いた真空蒸着装置では、前記区画を前記ルツボの横手(短手)方向にも分離するための第2の仕切り板を有してもよい。
さらに、本発明による真空蒸着装置の蒸発源及びそれを用いた真空蒸着装置では、前記横手方向の分離は2つであり、離間して設けられた2つの前記第2の仕切り板を有してもよい。
また、本発明による真空蒸着装置の蒸発源並びにそれを用いた真空蒸着装置及び真空蒸着方法では、前記中蓋を形成する材料も高熱伝導率を有し、前記第1の仕切り板、前記中蓋及び前記蒸気拡散整流板を形成する材料の高熱伝導率は100〜2000W/m・Kであることが望ましい。
本発明によれば、ルツボの周囲から蒸着材料を加熱する長尺な蒸発源及びそれを用いる真空蒸着方法において、処理開始から長時間の稼働の間、再現性の良い膜厚分布が得られる蒸発源並びに前記蒸発源を用いた真空蒸着装置及びに真空蒸着方法を提供できる。
より具体的に言えば、上記で説明した本発明の蒸発源又は真空蒸着方法によれば、ルツボの長手方向に設けた仕切り板により形成された区画と区画に蓋をする中蓋とより形成された蒸発材料空間内部での温度差は縮小するので、区画内長手方向の温度が低い部分に材料が析出、或いは高い部分での集中的な消費といった現象が発生しなくなる。この結果、各区画間での材料の消費量の差は縮小し、稼働中に特定の区画の材料枯渇による膜厚プロファイルの変動を避けることができる。
また、区画とノズルとの間に蒸気拡散整流板を設けて、形成した蒸気拡散空間におけるルツボの長手方向へのコンダクタンスをノズル方向へのコンダクタンスより大きくすることで、蒸気の長手方向への拡散を促進し、この結果ノズル方向へ供給される蒸気量が安定・平準化するため、膜厚プロファイルの再現性が高くなる。
さらに、上記のような方式を採用することで、ルツボ、ヒータの個体差に応じた精密な調整を不要とし、生産性の高い製品を実現できる。
本発明による蒸発源の第1実施形態を示し、ルツボ内部に本発明の特徴である蒸着材料を充填する仕切り板と中蓋で構成される材料蒸発空間、ノズルと前述の空間の間にオリフィス付き蒸気拡散整流板を設けて蒸気拡散空間を形成した例を示す図である。 図1の例でノズル配列に対して蒸発源の垂直方向の断面図を示す図である。 従来技術での蒸発源の加熱初期状態の例で、蒸発源のノズル配列方向に数℃程度の温度差を有する例を示す図である。 従来技術での蒸発源の長時間加熱時の状態の例で、初期状態で温度が高い部分では蒸着材料が枯渇、温度が低い部分には材料が析出して、蒸着材料の量が変化することを示す図である。 蒸着対象の有機ELパネルの断面構造の一例を示す図である。 ノズルが線状に配置された蒸発源を用いた蒸着装置の構成例を示す図である。 蒸着装置のライン構成の一例を示す図である。 本発明による蒸発源の第2実施形態を示し、仕切り板の間隔を等間隔としない場合で、各区画毎の中蓋に設けたオリフィスのコンダクタンスはそれぞれの材料蒸発空間の体積に比例する例を示す図である。 本発明による蒸発源の第3実施形態を示し、図1とは異なり、ルツボの両側壁にそれぞれ独立した材料蒸発空間を形成した例で、材料蒸発空間を形成する中蓋以外の部材にスリット状のオリフィスを設けた例を示す図である。 本発明による蒸発源の第4実施形態を示し、その他の実施形態とは異なり、中蓋と仕切り板を設けず、中蓋の位置に中蓋の変わりにオリフィスを有する整流板を設け、整流板と蒸気拡散整流板との間に蒸気拡散空間を形成する例を示す図である。
本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図6に一般的な真空蒸着装置1の構成を示す。真空蒸着装置1は、真空チャンバ2の内部を真空排気するための真空ポンプ3が接続されており、バルブ7によって、10-3〜10-6Paオーダの真空度が維持される。また、真空チャンバ2の内部には蒸発源4が納められ、蒸発源4から放出された蒸着材料の蒸気をガラス基板5等(以下、単に基板5という)に吹き付ける。基板5への成膜速度の検出には、水晶振動子に蒸着材料を付着させて検出するレートセンサ26を用いる。
例えば、図5に示す有機EL表示装置では、基板5上に事前に薄膜トランジスタ(TFT)アレイ回路、画素電極11を形成し、さらに画素電極11上に有機薄膜の正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16、金属膜薄膜による上部電極17を蒸着して、表示領域に発光素子10を形成して行く。なお、18は、TFT9を保護して基板5と画素電極11を平坦化する平坦化膜である。19は、隣接する画素電極と絶縁性を保つ画素分離バンクであり、20は保護膜である。
また、有機EL表示装置は、図7に示す有機EL表示装置製造装置100のように、基板の受け渡しを行う仕込み室2a、多角形の搬送チャンバ2b、蒸着を行う真空蒸着装置1を接続し、各有機層と上部電極層の蒸着を真空下で一貫して製造されることが好ましい。なお、6は、搬送チャンバ2bと真空蒸着装置1又は仕込み室2aとの間に設けられたゲート弁である。8は、真空蒸着装置1と仕込み室2aとの間を、基板5を搬送する搬送用ロボットである。
図6の真空蒸着装置1の例では、基板5の成膜面を下に向け、蒸発源4上で水平状態に保持し、紙面に対して手前/奥側に蒸発源または基板を移動させて基板全体に膜を形成する方式を示している。図6では、蒸気の放出する方向と被蒸着対象の基板5の姿勢は問わない。例えば、蒸発源4から水平方向に放出させ、基板の姿勢を垂直に変更しても構わない。
図1及び図2に第1実施形態である蒸発源4の内部構造の詳細を示す。図1ではノズル配列方向の蒸発源4の断面図、図2ではノズル配列と垂直方向の蒸発源4の断面図を示す。蒸発源4は蒸着材料21を封入し、蒸気の噴出孔であるノズル34を有するルツボ22が収納されている。蒸発源4の内部にはルツボ22を加熱するためのヒータ23が設けられ、ヒータ23に通電することでルツボ22及び蒸着材料21を加熱する。また、加熱の効率の向上を図るため、蒸発源4の内部にルツボ22及びヒータ23を取り囲むように断熱手段40を設けることが望ましい。
図1の例では抵抗加熱方式を示しているが、加熱手段は抵抗加熱方式、ランプ方式等、方式はいずれでもよい。図1のヒータ23では発熱体を一定ピッチで蛇行させるようにして製作した例を示しているが、図2に示すようにプレート状のヒータを用いてもよい。また、ヒータ23とルツボ22は非接触または接触を問わず、ルツボ22の長手方向の温度分布が低減できるのであれば、どちらでも構わない。また、冷えやすいルツボ22端部の発熱量を大きく、ルツボ22中央の発熱量を小さくするように、発熱量に差をつけても構わない。
ヒータ23とルツボ22の周囲には断熱手段40を設ける。断熱手段40は熱伝導性の低いいわゆる断熱材を用いても、赤外線の反射率の高い複数の平行平板を略非接触で配置したリフレクタとしてもよい。図1及び図8では、ノズル34周辺に断熱手段40を配置していないが、配置しても構わない。
リフレクタの場合、断熱効率を高くするには、構成する平板の表面を鏡面に研磨すること、金・銀・アルミニウム、銅等の輻射率の低い金属の表面を持つことが望ましい。ステンレス鋼等で平板を作っても構わないが、断熱効率を上げるには表面を金・銀・アルミニウム、銅等の輻射率の低い金属でコーティングしてもよい。
図1及び図2では、ルツボ22のノズル配列方向に対して高熱伝導材料で構成された仕切り板50を設け、複数の区画に分割した。ここに、蒸着材料21を格納する。また、それぞれの仕切り板50の間の区画に対してオリフィス39を設けた同じく高熱伝導材料で構成された中蓋33によって個別の材料蒸発空間51を形成し、隣接する空間の間で蒸気の入出を制限するようにした。第1実施形態では、蒸気発生抑制低減手段は、仕切り板50とオリフィス39を有する中蓋33で構成される。
即ち、蒸気発生抑制低減手段により、仕切り板50と中蓋33で形成されるそれぞれの材料蒸発空間51では、温度が高い他の材料蒸発空間51で生じる蒸気の蒸気圧の干渉を低減できるため、独立に蒸気を発生することができ、それぞれの材料蒸発空間51の蒸気発生量が減少することを回避できる。
仕切り板50は、ルツボ22の周囲に設けられたヒータ23からの熱をルツボ22から受熱して蒸着材料に伝達する必要があり、引用文献3とは異なり、耐熱性の高い、高熱伝導の材料で構成されることが望ましい。
また、中蓋33も同様にルツボ22から受熱して概ねルツボ22と均等な温度になり、蒸着材料21が析出しなければ、どのような材料を用いても構わないが、耐熱性の高い、高熱伝導の材料で構成されることが望ましい。仕切り板50と中蓋33を形成する材料の高熱伝導率は、100〜2000W/m・Kであることが望ましい。
耐熱性の高い、高熱伝導の材料としては、例えばモリブデン、タンタル、タングステン、グラファイト、窒化アルミニウム、銅などがある。特に、中蓋33の温度がルツボ22の外壁とほぼ同等の温度でなければ、オリフィス39が蒸着材料の析出によって詰まってしまい、基板上の膜厚の均一性に支障が生じるためである。
また、中蓋33をノズル配列方向において、複数の材料蒸発空間51に跨っている場合は、例えば全ての中蓋が一体的に形成されている場合は、それぞれの材料蒸発空間51間の温度を均一にする効果も得られ、さらに蒸気発生量の平準化が図れる。
なお、以上説明した材料蒸発空間51は、中蓋33と仕切り板50とによって完全密閉状態となっている。完全密閉状態は好ましい状態であるが、上述した材料蒸発空間51で生じる蒸気の蒸気圧の干渉が許容できる範囲内であれば、仕切り板50と中蓋33に多少の隙間があってもよい。
上記の蒸気発生抑制低減手段により、ルツボ22の長手方向に数℃から十数℃の微小な温度ばらつきがあっても、ルツボ22の長手方向に細分化されたそれぞれの材料蒸発空間51内では温度分布が減少し、区画内での極端な材料消費、析出が発生しなくなる。この結果、ルツボ22の長手方向の温度分布が数℃から十数℃程度の温度差であれば、材料の消費率はほぼ均等になり、終始安定した材料消費が実現できる。
しかし、ルツボ22のノズル配列方向の温度分布が数℃から十数℃程度の温度分布が生じる場合、それぞれのオリフィス39から放出される蒸着材料21の蒸気の流量は、わずかながら差が生じる。オリフィス39から放出される蒸着材料21の蒸気は、高真空下ではルツボ22内長手方向に拡散する間なく、近隣のノズル34から放出される。即ち、上記で説明した材料蒸発空間51を形成する中蓋33のオリフィス39は、引用文献1の整流板とある意味では整流作用を有している。従って、整流という役目を果たすだけでは整流板は不要である。
しかしながら、このままでは、引用文献1と同様に蒸気をバランス良く放出できない。また、ルツボ22に生じるわずかな温度差は、材料消費に伴い、ルツボの熱容量の分布が変化するため、刻々と温度分布が変化する。
そこで、次に、本実施形態における発生した蒸気を長手方向に拡散させる蒸気拡散手段を説明する。本実施形態では、蒸気拡散手段は、材料蒸発空間51(中蓋33)とノズル34の間の空間に仕切りとして設けられた蒸気拡散整流板52である。
蒸気拡散整流板52によって、材料蒸発空間51(中蓋33)とノズル34との間は、蒸気拡散空間54と蒸気供給バッファ空間55とに分離形成される。定性的には、材料蒸発空間51から蒸気は、蒸気拡散空間54で分散されて左右に移動後、蒸気拡散整流板52に設けたオリフィス53を介して、蒸気供給バッファ空間55に移り、ノズル34から外部に放出される。蒸気拡散整流板52は、ノズル配列方向、即ち長手方向に生じる温度差を低減させるために、分割数が少なく例えば一体型で、高熱伝導なものが好ましい。しかし、上記の目的を満足する範囲であれば、形状材質は問わない。
この際、蒸気拡散空間54のノズル配列方向(長手方向)と垂直方向のコンダクタンスを蒸気拡散整流板52に設けられた全てのオリフィス53により形成されたコンダクタンスよりも大きく、より望むらくは十分大きく取ることにより、オリフィス39から出てきた蒸気の大半は直接近隣のノズル34から放出されることなく、ノズル配列方向に拡散する機会を得る。例えば、蒸気拡散空間54の垂直方向の断面積が、全てのオリフィス53の開口部の総面積より大きく取る。
また、蒸気をノズル34方向にも流れ易くし安定してノズル34に導き、オリフィス53、ノズル34での蒸気の析出を防ぐために、蒸気拡散整流板52のオリフィス53のコンダクタンスを中蓋33のオリフィス39以上に、ノズルのコンダクタンスをオリフィス53以上にした。具体的には、例えば、オリフィス53やノズル34の穴数を増やす、または直径を増やすなどをしてコンダクタンスを増やすことができるが、それ以外の方法を用いてもよい。
また、図1では蒸気供給バッファ空間55への蒸気供給をノズル配列方向(長手方向)に均等化させるため、蒸気拡散整流板52のオリフィス53は同一形状で等間隔に配置した。
以上の説明では、材料蒸発空間51を出た蒸気が析出することを防ぐため、コンダクタンスの調整を行った例を述べたが、図1及び図2に示すように、ノズルから蒸気拡散空間54の領域をカバーするようにヒータを設けて析出を防いでもよい。
本実施形態によれば、材料蒸発空間51、即ちオリフィス39から供給される蒸着材料21の蒸気は平準化され、終始安定してノズル34側に供給し続けることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、各材料蒸発空間は一般的な蒸着材料21を用いた例で、ノズル配列方向に略等間隔で設けた。図8に示す第2実施形態は、有機蒸着材料のように小さな蒸気温度差で急激に蒸気圧が変化する蒸着材料21を用いる例で、図8に示すように、ノズル配列方向の材料蒸発空間の温度変化が大きい箇所には、仕切り板50の間隔を細かく設けた例である。本例は、特に事前に、蒸発源のノズル配列方向の温度データが取得できる場合に有効である。
仕切り板50を細かい間隔で設けることにより、隣接する材料蒸発空間51間の蒸気温度差を小さくでき、材料蒸発空間51内部の蒸着材料21の加熱の温度差を小さくすることができる。このようにすれば、材料蒸発空間51内部のノズル配列方向に関して、材料が部分的に激しく消費したり、プロセス中に材料が析出したりする現象を回避できる。
また、燐光材料のような有機材料の蒸着では、材料蒸発空間51が大きいと輻射または伝導で蒸着材料21に伝わる熱量が増加するため、蒸気圧が高くなり易い。材料蒸発空間51の蒸気圧が高い状態が続くと、蒸着材料21の分解が生じてしまう。分解した材料は、基板5上にも付着してしまうため、有機ELデバイスの発光特性や寿命に影響を及ぼすこともある。
そこで、材料蒸発空間51の体積、即ちノズルの配列方向の仕切り板50の間隔に応じて、中蓋33のオリフィス39のコンダクタンスを変更した。第2実施形態を示す図8では、材料蒸発空間51の体積に比例してオリフィス39の個数を増やした。この他にオリフィス39の開口面積や形状を調整する方法でも構わない。
このような、手段を講じることにより、熱分解し易い有機材料にも適用可能である。
以下、第1実施形態と重複するので説明は割愛する。
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、ルツボ22の長手方向(ノズル配列方向)に仕切り板50を設け、仕切り板と中蓋33との間の空間で材料蒸発空間51を形成した例を示した。図9に示す第3実施形態は、更に、ルツボの長手方向に加え、横手(短手)方向にも、仕切り板56を設けて区画を形成する材料蒸発空間51を分離し、仕切り板56と、仕切り板50及び中蓋33とで材料蒸発空間51を形成する例を示す。
図9に、第3実施形態におけるノズル34の配列と蒸発源4の垂直方向の断面を示す。第3実施形態は、蒸着材料の接触面積を増やし、有機材料のような、熱伝導率の悪い蒸着材料21で効率よく蒸発でき、高いレートを得られる方法を示す。
蒸着材料21は、輻射及び熱伝導でエネルギーを受け、蒸気になる。これらは蒸着材料21の塊の表面で起こる。特に有機材料では、熱伝導率が小さく、粉状の材料だと接触面積が小さく、蒸着材料21の塊の中心まで熱が届き難い。このため、蒸着材料21の蒸発効率は悪い。また、ルツボ22は側面からヒータ40で加熱されるため、中心部に比べて側面側の方が温度が上がり易い。
そこで、ルツボ22の横手(短手)方向の中央部に相対向した2つの仕切り板56を設け、紙面左右の壁に独立した材料蒸発空間51を設ける。
また、図9に示す第3実施形態では、中蓋33にオリフィス39を設けた第1実施形態と異なり、ルツボ22の中央側の仕切り板56にオリフィス39を設けている。図9では、加工を簡単にするために、ルツボ22中央側の仕切り板56の中蓋33との隙間にオリフィス39としてスリットを設けた例を示す。勿論、オリフィス39を第1実施形態同様に中蓋33に設けてもよい。
図9に示すような構成では、ルツボ22の横手(短手)方向の左右の材料蒸発空間51の間の空間は蒸気拡散空間54の一部としてみなせるため、中蓋33と蒸気拡散整流板52の間隔を減らせることができ、ノズル(紙面上下)方向のルツボ22の省スペース化も図れることができる。
なお、図9に示す例では、ルツボ22の中央側に仕切り板56を2つ設けたが、両方を共用させた1つの仕切り板56を設けてもよい。
以下、第1実施形態と重複するので説明は割愛する。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態を示す図である。第4実施形態は、材料蒸発空間51を有する第1乃至第3の実施形態と異なり、中蓋33と仕切り板50を設けず、中蓋33の位置に中蓋の変わりにオリフィス59を有する整流板58を設け、整流板58と蒸気拡散整流板52との間に蒸気拡散空間54、蒸気拡散整流板52とノズル34との間に蒸気供給バッファ空間55を設けた例である。
整流板58と蒸気拡散整流板52の関係及びそれらが有するオリフィス59、53、ノズル34との関係を第1実施形態で説明した関係を維持することで、第1実施形態同様に、オリフィス59から供給される蒸着材料21の蒸気は平準化され、終始安定してノズル34側に供給し続けることができる。
以上の実施形態では、蒸着材料を上部配置された基板に成膜できる蒸発源について説明したが、本発明の蒸発源は、基板の配置方向についてはその方向性は問わなく適用できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形及び変更が可能となる。
1…真空蒸着装置 2…真空チャンバ 3…真空ポンプ
4…蒸発源 5…基板 6…ゲートバルブ
7…バルブ 8…搬送ロボット 9…TFT
10…有機EL発光素子 11…画素電極(陽極) 12…正孔注入層
13…正孔輸送層 14…発光層 15…電子輸送層
16…電子注入層 17…陰極 18…平坦化膜
19…画素分離バンク 21…蒸着材料 22…ルツボ
23…ヒータ 24…リフレクタ 25…熱電対
26…レートセンサ 27…ハウジング 34…ノズル
40…断熱手段 50…仕切り板 51…材料蒸発空間
52…蒸気拡散整流板 53…オリフィス 54…蒸気拡散空間
55…蒸気供給バッファ空間 56…仕切り板 58…整流板
59…オリフィス 100…有機EL表示装置製造装置

Claims (17)

  1. 蒸着材料の蒸気を蒸着対象に向けて放出するノズルが複数、直線状に配列され、かつ前記蒸着材料を内部に保持して前記蒸着材料を加熱する容器である前記配列方向に長手方向を有する長いルツボと、前記ルツボの外部に設けた前記ルツボを加熱する手段を持つ真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記ルツボの内部に保持した前記蒸着材料を前記長手方向に複数の区画に分割し、ルツボ素材と同等以上の熱伝導性を有する材料で構成された第1の仕切り板と、
    前記区画に蓋をする中蓋と、
    前記区画と前記中蓋で形成される材料蒸発空間から外部に前記蒸気を放出する第1のオリフィスと、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  2. 請求項1に記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記中蓋と複数の前記ノズルとの間を分離形成し、前記第1のオリフィスから放出される前記蒸気を前記中蓋とで形成される第1の蒸気拡散空間に拡散させ、前記ノズル方向に前記蒸気を放出する第2のオリフィスが設けられた第1の蒸気拡散整流板と、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  3. 請求項1に記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記区画を前記ルツボの横手(短手)方向にも分離するための第2の仕切り板を、
    有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  4. 請求項3に記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記中蓋と複数の前記ノズルとの間を分離形成し、前記第1のオリフィスから放出される前記蒸気を前記中蓋とで形成される第1の蒸気拡散空間に拡散させ、前記ノズル方向に前記蒸気を放出する第2のオリフィスが設けられた第1の蒸気拡散整流板と、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  5. 請求項3及び4に示した真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記横手方向の分離は2つであり、離間して設けられた2つの前記第2の仕切り板を、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  6. 蒸着材料の蒸気を蒸着対象に向けて放出するノズルが複数、直線状に配列され、かつ前記蒸着材料を内部に保持して前記蒸着材料を加熱する容器である前記配列方向に長手方向を有する長いルツボと、前記ルツボの外部に設けた前記ルツボを加熱する手段を持つ真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記蒸着材料と複数の前記ノズルとの間を分離形成し、前記ノズル方向に前記蒸気を放出する第3のオリフィスを有する整流板と、
    さらに前記整流板と複数の前記ノズルとの間を分離形成し、前記第3のオリフィスから放出され前記蒸気を前記整流板とで形成される第2の蒸気拡散空間に拡散させ、前記ノズル方向に前記蒸気を放出する第4のオリフィスが設けられた第2の蒸気拡散整流板と、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記中蓋を形成する材料も高熱伝導率を有し、前記第1の仕切り板、前記中蓋及び前記蒸気拡散整流板を形成する材料の高熱伝導率は100〜2000W/m・Kであること、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  8. 請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記中蓋が前記配列方向の複数の前記区画に跨っている、或いは前記配列方向の全ての前記中蓋が一体的に形成されていること、
    を有することを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記配列方向の前記第1の仕切り板の間隔を、前記配列方向の前記材料蒸発空間の温度変化に基づいて設定する、
    ことを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  10. 請求項8に記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記間隔が長い前記区画の前記第1のオリフィスのコンダクタンスを前記間隔が短い前記区画の前記第1のオリフィスのコンダクタンスより大きくする、
    ことを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  11. 請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記第1の蒸気拡散空間の前記ノズルの配列方向の第1の拡散コンダクタンスが前記第1の蒸気拡散整流板に設けられた全ての前記第2のオリフィスの開口部より形成される第2のコンダクタンスより大きく、
    複数の前記ノズルの全ての開口部で形成されるノズルコンダクタンスが前記第2のコンダクタンスより大きく、
    前記第2のコンダクタンスが全ての前記第1のオリフィスの開口部で形成される第1のコンダクタンスより大きい、
    ことを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  12. 請求項6に記載の真空蒸着装置の蒸発源において、
    前記第2の蒸気拡散空間の前記ノズルの配列方向と垂直方向の第2の拡散コンダクタンスが前記蒸気拡散整流板に設けられた全ての前記第4のオリフィスの開口部より形成される第4のコンダクタンスより大きく、
    複数の前記ノズルの全ての開口部で形成されるノズルコンダクタンスが前記第4のコンダクタンスより大きく、
    前記第4のコンダクタンスが全ての前記第3のオリフィスの開口部で形成される第3のコンダクタンスより大きい、
    ことを特徴とする真空蒸着装置の蒸発源。
  13. 一方向に長いルツボ内部に保持された蒸着材料をルツボ外部から加熱し、加熱して発生した蒸気を、複数、直線状に配列されたノズルから放出し蒸着対象に成膜する真空蒸着装置において、
    請求項1乃至12のいずれかに記載の蒸発源を用いて前記成膜を行う、
    ことを特徴とする真空蒸着装置。
  14. 一方向に長いルツボ内部に保持された蒸着材料をルツボ外部から加熱し、加熱して発生した蒸気を、複数、直線状に配列されたノズルから放出し蒸着対象に成膜する真空蒸着方法において、
    前記ルツボの内部に保持した前記蒸着材料を前記長手方向に高熱伝導材料で構成された第1の仕切り板で複数に分割された区画と前記区画に蓋をする中蓋で形成される材料蒸発空間に設けられた第1のオリフィスから外部に前記蒸気を放出する、
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
  15. 請求項14に記載の真空蒸着方法において、
    前記第1のオリフィスから放出される前記蒸気を前記中蓋と複数の前記ノズルとの間を分離形成する第1の蒸気拡散整流板と前記中蓋とで形成される第1の蒸気拡散空間に拡散させ、
    前記拡散された前記蒸気を前記第1の蒸気拡散整流板に設けられた第2のオリフィスから前記ノズルに蒸気を供給する、
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
  16. 請求項15に記載の真空蒸着方法において、
    前記第1の蒸気拡散空間の前記ノズルの配列方向の第1の拡散コンダクタンスが前記第1の蒸気拡散整流板に設けられた全ての前記第2のオリフィスの開口部より形成される第2のコンダクタンスより大きく、
    複数の前記ノズルの全ての開口部で形成されるノズルコンダクタンスが前記第2のコンダクタンスより大きく、
    前記第2のコンダクタンスが全ての前記第1のオリフィスの開口部で形成される第1のコンダクタンスより大きい、
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
  17. 一方向に長いルツボ内部に保持された蒸着材料をルツボ外部から加熱し、加熱した発生した蒸気を、複数、直線状に配列されたノズルから放出し蒸着対象に成膜する真空蒸着方法において、
    前記蒸着材料と複数の前記ノズルとの間を分離形成する整流板に設けられた第3のオリフィスから前記蒸気を放出し、
    前記整流板オリフィスから放出される前記蒸気を前記整流板と複数の前記ノズルとの間を分離形成する第2の蒸気拡散整流板と前記整流板とで形成される第2の蒸気拡散空間に拡散させ、
    前記拡散された前記蒸気を前記第2の蒸気拡散整流板に設けられた第4のオリフィスから放出する、
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
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