JP2015010118A - 樹脂組成物およびそれを用いた成形品 - Google Patents

樹脂組成物およびそれを用いた成形品 Download PDF

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【課題】無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御することで表面の欠陥を抑制し、導電性等、各種性能を向上させることが可能な、微細な相分離構造を形成する樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製造方法を提供すること。【解決手段】溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm3)1/2以上4.5(cal/cm3)1/2以下である少なくとも2種の樹脂を含み、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御することで表面の欠陥を抑制し、導電性等、各種性能を向上させることが可能な樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製造方法に関するものである。
近年、高分子材料は様々な分野、用途において幅広く使用されており、その用途は、日常用品はもとより、自動車、航空機、エレクトロニクスデバイス、メディカルデバイス等、あらゆる産業分野にわたっている。これは、高分子材料が、その一次構造から高次構造の制御によって、各分野、用途のニーズに柔軟に対応し得たことが理由の一つである。
高分子材料の高次構造制御技術の一つとして、ポリマーアロイ技術が挙げられる。本技術は、異なった物性を有する樹脂を組合せ、各々の樹脂の長所を引き出し、短所を補い合うことで、単一の樹脂に比べて優れた特性を発揮させる技術のことであり、その特性は、原料樹脂の物性はもちろんのこと、それら樹脂の分散相サイズと均一性によっても大きく変化する。これまでに、分散相サイズを1μm以下にすることにより靭性などの力学特性の向上が期待できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、部分相溶系の樹脂を組合せ、相溶状態から非相溶状態にすることで、スピノーダル分解を誘発し、均一かつ微細に構造制御されたポリマーアロイを得る方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。これらの方法においては、せん断または樹脂成分の低分子量化により相溶状態とした後、相分離させることにより、微細かつ均一な構造を形成し、良好な物性を有する材料を得られている。
一方、無機化合物の積層構成やその組成を制御する手法として、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等が提案されている。さらに、例えば、酸化アルミニウム等の無機組成物(無機酸化物を含む)を使用し、これらの手法を用いて無機組成物の層を基材の表面に形成した成形品も提案されている。例えば、スパッタリング法により透明導電性薄膜を樹脂基材表面に形成した透明電極は、表示素子、太陽電池、発光素子等の電子デバイスの電極に利用され、高い導電性と透明性が求められる。
ここで、透明導電性薄膜としては、例えば、アンチモンやフッ素をドーパントとして含む酸化スズや、アルミニウムやガリウムをドーパントとして含む酸化インジウムなどが利用されており、導電性および透明性に優れた透明電極を形成することができる。これまでに、より低抵抗の電極を提供する手段として、例えば、スパッタリングターゲットの組成を改良することで、膜成分を非晶質とし、膜欠陥を抑制して導電性を向上する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平3−20333号公報 特開2003−286414号公報 特開2010−195964号公報 特開2006−219357号公報
しかしながら、特許文献1〜3のようなポリマーアロイ技術では、溶融しながら構造を形成するため、溶融成形時または加熱状態で滞留させた際、相分離構造が熱力学的な平衡状態に向かって粗大化しやすい傾向にあり、特に、無機組成物積層用樹脂組成物には、さらに微細な相分離構造が求められる。また、無機組成物の積層に関して、特許文献4に記載の方法は、薄膜の欠陥を抑制し、平滑性に優れた表面を得ることのできる優れた方法であるが、無機組成物をより薄い薄膜として積層した場合に、十分に構造を制御し得るものではなかった。
本発明は、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御することで表面の欠陥を抑制し、導電性等、各種性能を向上させることが可能な、微細な相分離構造を形成する樹脂組成物およびそれを用いた成形品とその製造方法を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有するものである。
(1)溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2以上4.5(cal/cm1/2以下である少なくとも2種の樹脂を含み、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記樹脂前駆体(A)が2つ以上の不飽和炭化水素基を含むことを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3)無機組成物積層用である(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、表面に構造周期0.001μm以上1μm以下の相分離構造を有する成形品。
(5)樹脂組成物を構成する前記樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶後、所望の構造に成形し、光照射することにより前記前駆体(A)を光重合させて表面に構造周期0.001μm以上1μm以下の相分離構造を形成することを特徴とする(4)に記載の成形品の製造方法。
(6)前記相分離構造を、スピノーダル分解による相分離によって形成することを特徴とする(5)に記載の成形品の製造方法。
本発明の樹脂組成物によれば、表面の相分離構造を微細に制御した成形品を得ることができる。本発明の成形品表面に無機組成物の層を形成することで、薄膜であっても無機組成物層の欠陥を抑制し、性能を向上させることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2以上4.5(cal/cm1/2以下である少なくとも2種の樹脂を含み、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であることを特徴とする。かかる樹脂を用いることにより、成形品表面に微細な相分離構造を形成することが可能となり、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御することができる。
ここで、溶解度パラメータとは、溶解性および相溶性の指標となるパラメータのことである。一般的に、蒸発熱等の物性から溶解度パラメータの値を算出する方法と、分子構造から溶解度パラメータの値を推算する方法がある。ここでは、Polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)に記載された、Fedorsの方法に基づき、分子構造から算出した値を用いるものとし、その単位は、(cal/cm1/2を用いることとする。
本発明の樹脂組成物は、樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶後、樹脂前駆体(A)の光重合により相分離させる方法により好ましく得ることができるが、溶解度パラメータの差が小さすぎると、樹脂前駆体(A)の重合後も相分離させることが困難となり、また溶解度パラメータの差が大きすぎると、樹脂前駆体(A)の重合前に相溶させることが困難となる。なお、前述の通り、溶解度パラメータは分子構造から算出することができるが、重合前後で分子骨格の主鎖は大きく変化しないため、重合前後の溶解度パラメータが大きく変化することはない。このため、本発明においては、樹脂の溶解度パラメータの差に着目する。
溶解度パラメータの差の下限値については、相分離構造を形成することができる点から、0.5(cal/cm1/2以上であることが必要であり、1.0(cal/cm1/2以上であることが好ましい。溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2未満の場合には、光重合後の樹脂と他の樹脂が相溶状態となり、相分離構造を形成することが困難となる。また、溶解度パラメータの差の上限値については、微細な相分離構造を形成する点から、4.5(cal/cm1/2以下であることが必要であり、3.5(cal/cm1/2以下であることが好ましい。溶解度パラメータの差が4.5(cal/cm1/2を超える場合、樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶させることができないため、微細な相分離構造を形成することが困難となる。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であることを特徴とする。熱重合とは異なり、光重合により樹脂前駆体(A)を重合することで、樹脂のモビリティが小さい低温環境下で高速に重合することが可能となり、その結果、重合後の相分離構造、特に成形品表面の相分離構造を微細に制御することが可能となる。一方、熱重合により樹脂前駆体(A)の重合を行う場合、重合反応中に形成された相分離構造が重合途中で粗大化しやすいことに加え、熱によるモビリティの高さに由来して、重合完了後も相分離構造が粗大化することがある。
前記光重合とは、電磁波または粒子線を用いて樹脂前駆体(A)の重合を進行させる方法であり、電磁波または粒子線を用いることで、低温でかつ高速に重合することができる。このため、成形品表面に微細な相分離構造を形成することが容易となり、無機成分を含む無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御し、性能を向上させやすくなる。
成形品表面により微細な相分離構造を形成する点から、前記樹脂前駆体(A)は2つ以上の不飽和炭化水素基を含むことが好ましい。前記不飽和炭化水素基としては、例えば、イソプロペニル基、イソペンテニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリリデン基、アリリジン基、ビニルエーテル基や、炭素−炭素二重結合基の炭素にフッ素や塩素等のハロゲン元素が結合したもの(例えば、フッ化ビニル基、フッ化ビニリデン基、塩化ビニル基、塩化ビニリデン基等)や、炭素−炭素二重結合基の炭素にフェニル基やナフチル基等の芳香環を有する置換基が結合したもの(例えばスチリル基等)や、ブタジエニル基(例えば、CH=C(R)−C(R)=CH−、CH=C(R)−C(=CH)−(RおよびRはそれぞれ独立にHまたはCHを表す))等の共役ポリエン構造を有する基等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。
また、樹脂前駆体(A)は、不飽和炭化水素基以外の反応性官能基を有してもよい。前記反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基、アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、シアノ基等の極性基、またこれら極性基の一部がNa、K等のカウンターカチオンを有した状態(例えば、−ONa、−COONa、−SONaなど)の極性基、ラクトン・オキサゾール・イミダゾールなどの複素環を含む芳香族基およびその開環基、エポキシ基(グリシジル基も含む)、イソシアネート基、メルカプト・スルフィドなどの含硫黄元素官能基、ウレイド・ケチミノなどの含窒素元素官能基等が挙げられる。要求する特性や生産性等に応じて、これらを2種以上有してもよい。
2つ以上の不飽和炭化水素基を含む樹脂前駆体(A)としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレートや、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の環状骨格を分子内に有するアクリレート化合物(アクリレート化合物としては、例えば、トリアクリレート、トリメタクリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、ペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、ヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等)や、これら化合物の一部を2−ヒドロキシプロパン酸等で変性した化合物(例えば、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等)、シリコーン骨格を導入した化合物(例えば、シリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、シリコーンテトラアクリレート、シリコーンテトラメタクリレート、シリコーンペンタアクリレート、シリコーンペンタメタクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、シリコーンヘキサメタクリレート等)や、ビニル基および/またはビニリデン基と共にその他骨格を有する化合物(例えば、ウレタン骨格を有するウレタントリアクリレート、ウレタントリメタクリレート、ウレタンテトラアクリレート、ウレタンテトラメタクリレート、ウレタンペンタアクリレート、ウレタンペンタメタクリレート、ウレタンヘキサアクリレート、ウレタンヘキサメタクリレート、エーテル骨格を有するポリエーテルトリアクリレート、ポリエーテルトリメタクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ポリエーテルテトラメタクリレート、ポリエーテルペンタアクリレート、ポリエーテルペンタメタクリレート、ポリエーテルヘキサアクリレート、ポリエーテルヘキサメタクリレート、エポキシ由来の骨格を有するエポキシトリアクリレート、エポキシトリメタクリレート、エポキシテトラアクリレート、エポキシテトラメタクリレート、エポキシペンタアクリレート、エポキシペンタメタクリレート、エポキシヘキサアクリレート、エポキシヘキサメタクリレート、エステル骨格を有するポリエステルトリアクリレート、ポリエステルトリメタクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルテトラメタクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルペンタメタクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサメタクリレート等)が挙げられる。中でもアクリレート、メタクリレートが特に好ましく用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらを2種以上用いてもよい。
また、前記樹脂前駆体(A)はもう一方の樹脂と相溶することが好ましく、そのためには樹脂前駆体(A)の分子量は1000以下であることが好ましく、500以下であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であるが、樹脂組成物を構成する他の樹脂は、特に限定されない。他の樹脂としては、例えば、炭化水素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂およびポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
前記炭化水素系樹脂としては、例えば、メタクリル酸またはそのエステル、アクリル酸またはそのエステル、カルボン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルの重合体またはその共重合体等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸(またはそのエステル形成性誘導体)とジオール(またはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする原料の縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体等が挙げられる。これらの重合体ないしは共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
前記ポリアミド系樹脂の好ましい例としては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明の樹脂組成物を構成する少なくとも2種の樹脂は、溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2以上4.5(cal/cm1/2以下となるように任意に組み合わせることができる。溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2以上4.5(cal/cm1/2以下となる樹脂の組合せとしては、例えば、以下の組み合わせが挙げられる(以下、樹脂前駆体の重合物を樹脂と記載することとする)。すなわち、ポリメタクリル酸メチル(SP値9.9(cal/cm1/2)とペンタエリスリトールトリアクリレート樹脂(SP値12.5(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂(SP値11.6(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂(SP値11.4(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとペンタエリスリトールテトラメタクリレート樹脂(SP値10.6(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールトリアクリレート樹脂(SP値14.3(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂(SP値13.4(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂(SP値12.8(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールテトラメタクリレート樹脂(SP値12.0(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート樹脂(SP値11.3(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート樹脂(SP値10.6(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸メチルとトリメチロールプロパントリアクリレート樹脂(SP値10.7(cal/cm1/2)、ポリメタクリル酸エチル(SP値9.7(cal/cm1/2)とペンタエリスリトールトリアクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとペンタエリスリトールテトラメタクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとジペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとジペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとジペンタエリスリトールテトラメタクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとトリメチロールプロパントリアクリレート樹脂、ポリメタクリル酸エチルとトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート樹脂、ポリスチレン(SP値10.6(cal/cm1/2)とペンタエリスリトールトリアクリレート樹脂、ポリスチレンとペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂、ポリスチレンとペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂、ポリスチレンとジペンタエリスリトールトリメタクリレート樹脂、ポリスチレンとジペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂、ポリスチレンとジペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂、ポリスチレンとジペンタエリスリトールテトラメタクリレート樹脂、ポリスチレンとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート樹脂、ポリスチレンとトリメチロールプロパントリメタクリレート樹脂、ポリスチレンとトリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート樹脂(SP値9.9(cal/cm1/2)が挙げられるが、これらの例に限定されない。
本発明の樹脂組成物において、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂と他の樹脂の含有量については特に制限はないが、樹脂の合計100質量%中、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂を45質量%以上含有することが好ましく、55質量%以上含有することがより好ましく、75質量%以上含有することがさらに好ましい。また、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂を95質量%以下含有することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、有機や無機の微粒子、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
樹脂前駆体(A)の重合反応をより効果的に進行させるために、本発明の樹脂組成物は開始剤を含有することが好ましい。ここで開始剤とは、電磁波または粒子線によって、反応を開始させる活性種であるラジカル種、カチオン種、アニオン種等の活性種を生成し、化学反応を開始させる物質である。開始剤を含有する樹脂組成物に電磁波または粒子線を照射することで、系全体に同時に重合反応のための開始種を発生させることができるため、重合開始に要する時間や重合時間が短縮でき、相分離構造を所望の構造周期サイズに制御することがより容易となる。
また、本発明の樹脂組成物における開始剤の含有量については、特に制限がないが、開始剤による光重合をさらに効果的に進行させるためには、前駆体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることがさらに好ましい。
開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系開始剤、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系開始剤、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−ヒドロキシケトン系開始剤やα−アミノケトン系開始剤、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系開始剤、メチルフェニルグリオキシレートなどが挙げられる。極大吸収波長の値、吸光度、色見、着色度合い等の観点から、これら開始剤のうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる開始剤の市販品としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとして“IRGACURE”(登録商標)184(BASF社製)、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンとして“IRGACURE”907(BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1として“IRGACURE”369(BASF社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、前記樹脂前駆体(A)と他の樹脂、必要に応じてその他成分を混合して樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶させた後、樹脂前駆体(A)を光重合することにより得ることができる。樹脂前駆体(A)の光重合には、例えば、電磁波や粒子線を用いることができる。電磁波としては、例えば、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波などが挙げられる。粒子線としては、例えば、α線、β線、電子線、陽子線、中性子線などが挙げられる。樹脂組成物を構成する成分の種類や性質によってこれらを2種以上用いてもよい。
次に、本発明の成形品について説明する。本発明の成形品は、前述の本発明の樹脂組成物を成形してなり、表面に構造周期0.001μm以上1μm以下の相分離構造を有することが好ましい。ここで、表面とは、空気との界面から10nm深さまでのことであり、表面における相分離構造の構造周期は、例えば、電界放出形走査型電子顕微鏡または原子間力顕微鏡により評価することができる。
ここでいう相分離とは、2種以上の互いに異なる成分が、分子の慣性半径より大きな構造、すなわち分子レベルで混合していない構造に分離している状態を指すもので、また、相分離構造とはそれによって形成された構造のことを指す。
表面における相分離構造の有無は、顕微鏡観察および/または散乱測定により確認することができる。顕微鏡観察の場合、その構造周期に応じ、走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等により相分離構造を確認することができる。また、散乱測定の場合、その構造周期に応じ、微小角入射小角X線散乱測定等により、相分離構造の有無を確認することができる。
前記相分離構造は、大きく分けて共連続構造、海島構造が挙げられる。共連続構造とは、混合する2種以上の成分がそれぞれ連続相を形成し、互いに3次元的に絡み合った構造を指す。この共連続構造の模式図は、例えば「ポリマーアロイ 基礎と応用(第2版)(第10.1章)」(高分子学会編:東京化学同人)に記載されている。また、海島構造とは、片方の成分が主成分である粒子状に形成した部分と、もう片方の成分が主成分であるマトリックスとが存在し、そのマトリックスの中に粒子が点在した構造のことを指す。
本発明の成形品表面における構造周期は、0.001μm以上1μm以下であることが好ましい。構造周期が0.001μm以上であれば、異なる2種の樹脂が相分離構造を形成していると言え、表面に無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造をより制御しやすくなる。構造周期は0.01μm以上であることがより好ましい。一方、構造周期が1μm以下であれば、相分離構造が大きくなりすぎず、無機組成物の構造をより微細に制御しやすくなる。構造周期は0.5μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、本発明における成形品表面の共連続構造または海島構造の構造周期は、走査型電子顕微鏡または原子間力顕微鏡観察により測定することができる。
構造周期とは例えば電子顕微鏡観察により、以下の方法により求めることができる。なお、相分離構造には、海島構造と共連続構造があるのでそれぞれについて定義する。
相分離構造が海島構造を形成している場合、まず、正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描いた際、いずれの直線にも10個以上100個未満の島相が直線に接するよう、適切な観察倍率に調整する。かかる適切な倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を接する島の数で割る。10本の直線について同様の作業を行い、かかる作業を試料上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を得ることによって、構造周期を求めることができる。
また、相分離構造が、A相およびB相の共連続構造を形成している場合、まず、正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描いた際、いずれの直線にも20個以上200個未満のA相とB相の境界が直線と交差するよう、適切な観察倍率に調整する。かかる適切な倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を、A相とB相の境界の数を2で割った数で割る。10本の直線について同様の作業を行い、かかる作業を試料上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を得ることによって、構造周期を求めることができる。
なお、ここでいう、線分の距離とは、実際の距離のことであり、観察写真中のスケールバーを基準に実際の距離を求めることができる。
かかる構造周期は、例えば、分子量1000以下の樹脂前駆体(A)と他の樹脂を一旦相溶状態にした後に、光重合により樹脂前駆体(A)を重合することによって、スピノーダル分解により相分離させることで得ることができる。
本発明における成形品を形成する方法は特に限定されないが、樹脂組成物を構成する樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶した後、所望の構造に成形し、光照射することにより前記前駆体(A)を光重合させる工程を含むことが好ましい。ここで、相溶状態とは、分子レベルで均一に混合している状態のことであり、具体的には異なる2成分の樹脂を主成分とする相がいずれも構造周期0.001μm以上の相分離構造を形成していない場合を指す。樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶させる工程および光重合させる工程を含むことで、相分離構造を所望の構造周期サイズに制御することが容易となり、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御し、性能を向上させやすくなる。
例えば、樹脂組成物を構成する樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶後、溶解物を基板上に塗布し、光を照射することで樹脂前駆体(A)を重合し、成形品を形成することができる。また、樹脂組成物の成分を相溶させやすくすることを目的として、溶媒に樹脂組成物を構成する樹脂前駆体(A)と他の樹脂を加え、相溶させ、基板上に塗布した後、溶媒が揮発しうる温度で乾燥させ、溶媒を除去した後同様に光を照射することで樹脂前駆体(A)を重合し、成形品を形成することができる。但し、この場合にも溶媒揮発後に樹脂前駆体(A)と他の樹脂は相溶している必要がある。
ここで用いる溶媒は、樹脂前駆体(A)および樹脂を相溶するものであれば特には限定されず、樹脂の成分や形成方法の種類によって適宜選定すればよい。例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトン、アセトフェノン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン、ベンジルアルコールなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、1,2−プロパンジオール、テルピネオール、アセチルテルピネオール、ブチルカルビトール、エチルセルソルブ、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセロールなどのアルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアリールエーテル類、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ソルベントナフサ、水、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルエチレン尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、テトラメチル尿素などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の成形品の表面に形成する相分離構造は、スピノーダル分解により形成することが好ましい。スピノーダル分解によって相分離構造を形成することで、所望の構造周期サイズに制御することが容易となり、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御し、性能を向上させやすくなる。ここで、スピノーダル分解による相分離構造形成とは、異なる2成分の樹脂組成および温度に対する相図においてスピノーダル曲線の内側の不安定状態で生じる相分離による構造形成のことを指す。かかるスピノーダル曲線とは、組成および温度に対して、異なる2成分の樹脂を混合した場合、相溶した場合の自由エネルギーと相溶しない2相における自由エネルギーの合計との差(ΔGmix)を濃度(φ)で二回偏微分したもの(∂ΔGmix/∂φ)が0となる曲線のことであり、またスピノーダル曲線の内側では、∂ΔGmix/∂φ<0の不安定状態であり、外側では∂ΔGmix/∂φ>0である。
詳細な理論によると、スピノーダル分解では、一旦相溶領域の温度で均一に相溶した混合系の温度を、急速に不安定領域の温度にした場合、系は共存組成に向けて急速に相分離を開始する。その際濃度は一定の波長に単色化され、構造周期(Λm)で両分離相が共に連続して規則正しく絡み合った共連続構造を形成するため、上述の微細かつ均一な構造を有する相分離構造の作製において好適である。この共連続構造形成後、その構造周期を一定に保ったまま、両相の濃度差のみが増大する過程をスピノーダル分解の初期過程と呼ぶ。このスピノーダル分解の初期過程は、光散乱やX線散乱測定等において、周期構造に由来する散乱ピークがその極大値に対応する散乱ベクトルの値を変化させずにその強度を増大する過程を経ることで、確認することができる。
スピノーダル分解では、この様な初期過程を経た後、波長の増大と濃度差の増大が同時に生じる中期過程、濃度差が共存組成に達した後、波長の増大が自己相似的に生じる後期過程を経て、最終的には巨視的な2相に分離するまで進行する。中期過程から後期過程にかける波長の増大過程において、組成や界面張力の影響によっては、片方の相の連続性が途切れ、上述の共連続構造から海島構造に変化する場合もある。
一般に、少なくとも2種の樹脂を含むポリマーアロイには、これらの樹脂が、ガラス転移温度以上、熱分解温度以下の実用的な全領域において相溶する相溶系や、逆に全領域で非相溶となる非相溶系や、ある領域で相溶し、別の領域で相分離状態となる、部分相溶系があり、さらにこの部分相溶系には、その相分離状態の条件によってスピノーダル分解によって相分離するものと、核生成と成長によって相分離するものがある。
スピノーダル分解による相分離とは、異なる2成分の樹脂組成および温度に対する相図においてスピノーダル曲線の内側の不安定状態で生じる相分離のことを指し、また核生成と成長による相分離とは、該相図においてバイノーダル曲線の内側であり、かつスピノーダル曲線の外側の準安定状態で生じる相分離のことを指す。
かかるスピノーダル曲線とは、組成および温度に対して、異なる2成分の樹脂を混合した場合、相溶した場合の自由エネルギーと相溶しない2相における自由エネルギーの合計との差(ΔGmix)を濃度(φ)で二回偏微分したもの(∂ΔGmix/∂φ)が0となる曲線のことであり、またスピノーダル曲線の内側では、∂ΔGmix/∂φ<0の不安定状態であり、外側では∂ΔGmix/∂φ>0である。またかかるバイノーダル曲線とは、組成および温度に対して、系が相溶する領域と相分離する領域の境界の曲線のことである。
詳細な理論によると、スピノーダル分解では、一旦相溶領域の温度で均一に相溶した混合系の温度を、不安定領域の温度まで急速にした場合、系は共存組成に向けて急速に相分離を開始する。その際濃度は一定の波長に単色化され、構造周期(Λm)で両分離相が共に連続して規則正しく絡み合った両相連続構造を形成する。この両相連続構造形成後、その構造周期を一定に保ったまま、両相の濃度差のみが増大する過程をスピノーダル分解の初期過程と呼ぶ。さらに上述のスピノーダル分解の初期過程における構造周期(Λm)は熱力学的に下式のような関係がある。
Λm〜[│Ts−T│/Ts]−1/2
(ここでTsはスピノーダル曲線上の温度)ここで本発明でいうところの両相連続構造とは、混合する樹脂の両成分がそれぞれ連続相を形成し、互いに三次元的に絡み合った構造を指す。この両相連続構造の模式図は、例えば「ポリマーアロイ 基礎と応用(第2版)(第10.1章)」(高分子学会編:東京化学同人、1993年)に記載されている。
本発明においては、樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶後、樹脂前駆体(A)の光重合により、十分な重合速度において、相分離させることで、スピノーダル分解により相構造を形成することができる。
本発明の樹脂組成物および成形品は、無機組成物を接触させた際に、無機組成物の構造や物性を制御することで表面の欠陥を抑制し、導電性等、各種性能を向上させることが可能な、微細な相分離構造を有する樹脂組成物であり、無機組成物積層用途に好適に用いることができる。本発明の成形品に無機組成物を積層した積層体は、例えば、液晶ディスプレイ、太陽電池、タッチパネル用フィルム、有機EL素子等の導電性薄膜の基板として好適に用いることができる。
ここで、接触させる無機組成物は特に限定されず、無機物のみであっても、有機物と無機物の混合物であってもよいが、周期律表における2〜6周期の1〜17族に属する元素の少なくとも1種を含むことが好ましい。周期律表における2〜6周期の1〜17族に属する元素に対して、本発明の樹脂組成物および成形品の効果を発現しやすくなり、とりわけガスバリア性の向上効果が発現しやすくなる。
周期律表における2〜6周期の1〜17族に属する元素としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)等が挙げられる。これら元素の単体、もしくは炭化物、酸化物、窒化物、硫化物等の化合物を、無機組成物に含むことが好ましい。これらを2種以上含んでもよい。
無機組成物を積層する方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD法)、ウエットコート法などが挙げられる。
本発明の成形品の表面に無機組成物を積層することで、表面の欠陥を抑制でき、さらに表面の凹凸を小さくすることができるため、例えば、本発明の成形品を導電性薄膜に適用した際、導電性薄膜の導電性向上が期待でき、さらに薄膜の膜厚を薄くしても従来と同様またはそれ以上の薄膜の特性を発現できる。また、本発明の成形品を金属スパッタを利用したハイバリア膜に適用した場合にも、スパッタ膜の表面欠陥抑制により、これまで以上のハイバリア性の達成、またはさらなる薄膜化により高性能を発現することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<評価方法>
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)重合前の相溶状態
重合前のサンプルの一部をスライドグラス上に採取し、上からカバーグラスを載せ、プレパラートを作製し、光学顕微鏡(ニコン製「OPTIPHOT」)を用いて常温、観察倍率100倍で相溶状態を観察した。なお、溶媒を用いてサンプルを作製した場合には、乾燥により溶媒揮発後の相溶状態を観察した。
(2)重合後の相溶状態
重合後のサンプルについて、断面観察用サンプルを、ライカ製ウルトラミクロトーム(EM UC7)を用い、ダイヤモンドナイフにより作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7100)により、加速電圧100kVとして、観察用サンプルの断面を適当な倍率で観察し、相溶状態を観察した。なお、ここでいう適当な倍率とは、予想される構造サイズが0.001μm以上0.1μm未満の場合は50,000倍、0.1以上1μm未満の場合は5,000倍、1μm以上の場合は1,000倍である。
得られた電子顕微鏡画像において、相分離構造が観察されなかった場合を「相溶」、相分離構造が観察された場合を「相分離」とした。
(3)表面の構造周期
電界放出形走査型電子顕微鏡(JEOL製 JSM−6301NF)により、加速電圧5kV、エミッション電流12μAとして、適当な倍率でサンプル表面の観察を行い、相分離構造の有無、相分離している場合にはその形状、構造周期を観察した。
構造周期は、以下の方法により求めた。なお、相分離構造には、海島構造と共連続構造があるのでそれぞれについて記載する。
相分離構造が海島構造を形成している場合、まず、正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描いた際、いずれの直線にも10個以上100個未満の島相が直線に接するよう、適切な観察倍率に調整した。かかる適切な倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を接する島の数で割った。10本の直線について同様の作業を行い、かかる作業を試料上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を得ることによって、構造周期を求めた。
また、相分離構造が、A相およびB相の共連続構造を形成している場合、まず、正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描いた際、いずれの直線にも20個以上200個未満のA相とB相の境界が直線と交差するよう、適切な観察倍率に調整した。かかる適切な倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を、A相とB相の境界の数を2で割った数で割った。10本の直線について同様の作業を行い、かかる作業を試料上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を得ることによって、構造周期を求めた。
なお、ここでいう、線分の距離とは、実際の距離のことであり、観察写真中のスケールバーを基準に実際の距離を求めた。
(4)溶解度パラメータの差
樹脂組成物を構成する各樹脂について、Polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)に記載された、Fedorsの方法に基づき、分子構造からSP値を算出した。その単位は、(cal/cm1/2を用いた。
(5)電気抵抗率(表面抵抗率測定)
表面に無機組成物を積層したサンプルの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)を用いて、無作為に選んだ10箇所測定し、その数平均値を算出した。
(6)表面粗さ
原子間力顕微鏡(ブルカー・エイエックスエス社製 Dimension Icon)を用いて、観察モードとしてタッピングモードにて観察視野1μmの範囲を走査速度1Hzにて観察した。その測定から得たデータを用い、表面粗さ規格(JIS B 0601−2001)に準拠し表面粗さを算出した。
<実施例>
(実施例1)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンとして“IRGACURE”907(BASF社製)と2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1として“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物1を作製した。
次に、得られた成形体形成用組成物1を、ガラス基板(コーニング社製ガラス基板)上に、スピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて500rpmの回転数でスピンコートした後、ホットプレートを用いて80℃で1分間加熱することで、溶媒を十分に揮発させ、ガラス基板上に成形体を形成した。その後紫外線を0.8J/cm照射し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.02μmの海島構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸メチル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂のSP値はそれぞれ9.9(cal/cm1/2、11.4(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
組成質量比がインジウム1に対し、タングステン0.003、マグネシウム0.002、亜鉛0.01となるよう混合した、酸化インジウム、酸化タングステン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛で形成された混合焼結材であるスパッタターゲットを用意した。
次いで、前記スパッタターゲットをスパッタリング・化学気相成長装置(以降スパッタ・CVD装置と略す)を使用し、真空度2×10−1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流電源により投入電力500Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記硬化成形体上に無機組成物を200nmとなるよう積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1,2と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例2)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物2を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.05μmの共連続構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様にして無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1,2と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例3)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=50/50(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物3を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.04μmの共連続構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1,2と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例4)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物4を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は3つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.05μmの海島構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸メチル、トリメチロールプロパントリアクリレート樹脂のSP値はそれぞれ9.9(cal/cm1/2、10.7(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例5)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリアクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物5を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は3つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.01μmの共連続構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例6)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物6を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は6つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.06μmの海島構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸メチル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート樹脂のSP値はそれぞれ9.9(cal/cm1/2、11.3(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例7)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物7を作製した。
次に、成形体形成用組成物にかえて成形体形成用組成物7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は6つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.02μmの共連続構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例8)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸エチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物8を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.4μmの海島構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸エチル、ペンタエリスリトールテトラアクリレート樹脂のSP値はそれぞれ9.7(cal/cm1/2、11.4(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例9)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸エチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物9を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.3μmの海島構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例10)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸エチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=50/50(質量%)の組成となるよう混合し、“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物10を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は4つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.2μmの共連続構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(実施例11)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/アクリル酸=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、アクリル酸100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物11を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物11を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は1つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、表面にスピノーダル分解により形成された構造周期0.9μmの共連続構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸のSP値はそれぞれ9.9(cal/cm1/2、14.0(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、比較例1〜3と比較して表面抵抗率が小さく、表面粗さもより平滑となっていた。
(比較例1)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学社製)を、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対し1質量部添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物12を作製した。
次に、得られた成形体形成用組成物12を、ガラス基板(コーニング社製ガラス基板)上に、スピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて500rpmの回転数でスピンコートした後、ホットプレートを用いて80℃で120分間加熱することで、溶媒を十分に揮発させると同時に成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は、熱重合により得られたため、表面に構造周期1.9μmと、比較的粗大な海島構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例2)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/ペンタエリスリトールテトラアクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学社製)を、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に対し1質量部添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物13を作製した。
次に、成形体形成用組成物12にかえて成形体形成用組成物13を用いたこと以外は比較例1と同様にして、成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は、熱重合により得られたため、表面に構造周期1.6μmと、比較的粗大な海島構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例3)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学社製)を、トリメチロールプロパントリアクリレート100質量部に対し1質量部添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物14を作製した。
次に、成形体形成用組成物12にかえて成形体形成用組成物14を用いたこと以外は比較例1と同様にして成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は、熱重合により得られたため、表面に構造周期1.8μmと、比較的粗大な海島構造を形成していた。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例4)
(成形体形成)
ポリスチレン/メタクリル酸メチル=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(関東化学社製)を、メタクリル酸メチル100質量部に対し1質量部添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物15を作製した。
次に、成形体形成用組成物12にかえて成形体形成用組成物15を用いたこと以外は比較例1と同様にして成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は、1つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されており、熱重合により得られたため、表面に構造周期2.9μmと、比較的粗大な海島構造を形成していた。なお、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルのSP値はそれぞれ10.6(cal/cm1/2、9.9(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例5)
(成形体形成)
ポリスチレン/ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、アクリル酸メチル100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物16を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物16を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は相分離構造を有しておらず、相溶状態であった。なお、ポリスチレン、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートのSP値はいずれも10.6(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例6)
(成形体形成)
ポリメタクリル酸エチル/ジペンタエリスリトールトリアクリレート=10/90(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、メタクリル酸メチル100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物17を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物17を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は、6つの不飽和炭化水素基を有する樹脂前駆体の重合体から形成されているが、SP値の差が大きすぎたため、表面に構造周期2.3μmと、比較的粗大な海島構造を形成していた。なお、ポリメタクリル酸エチル、ジペンタエリスリトールトリアクリレート樹脂のSP値はそれぞれ9.7(cal/cm1/2、14.3(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
(比較例7)
(成形体形成)
ポリ酢酸ビニル/アクリル酸メチル=20/80(質量%)の組成となるよう混合し、さらに“IRGACURE”907(BASF社製)と“IRGACURE”369(BASF社製)とを、アクリル酸メチル100質量部に対しそれぞれ2.5質量部(合計5質量部)添加後、酢酸エチル/シクロヘキサノン=70/30(質量%)の混合溶媒を加えて固形分濃度10質量%まで希釈し成形体形成用組成物18を作製した。
次に、成形体形成用組成物1にかえて成形体形成用組成物18を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に成形体を形成し、光重合により成形体を硬化させた。得られた硬化成形体は相分離構造を有しておらず、相溶状態であった。なお、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸メチルのSP値はいずれも10.6(cal/cm1/2であった。
(無機組成物層形成)
得られた硬化成形体に対して、実施例1と同様に無機組成物を積層し、表面抵抗率測定、表面粗さ測定用サンプルを作製した。
得られたサンプルの表面抵抗率を測定したところ、実施例と比較して表面抵抗率が大きく、表面粗さも粗くなっていた。
Figure 2015010118

Claims (6)

  1. 溶解度パラメータの差が0.5(cal/cm1/2以上4.5(cal/cm1/2以下である少なくとも2種の樹脂を含み、少なくとも一方の樹脂が、樹脂前駆体(A)の光重合により得られる樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記樹脂前駆体(A)が2つ以上の不飽和炭化水素基を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 無機組成物積層用である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる、表面に構造周期0.001μm以上1μm以下の相分離構造を有する成形品。
  5. 樹脂組成物を構成する前記樹脂前駆体(A)と他の樹脂を相溶後、所望の構造に成形し、光照射することにより前記前駆体(A)を光重合させて表面に構造周期0.001μm以上1μm以下の相分離構造を形成することを特徴とする請求項4に記載の成形品の製造方法。
  6. 前記相分離構造を、スピノーダル分解による相分離によって形成することを特徴とする請求項5に記載の成形品の製造方法。
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