JP2015009609A - 車両のフロントグリル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両2の前面にエンジンルーム3に面して開口した開口部5に設けられ、走行風をエンジンルーム3内に導入する車両のフロントグリル装置1であって、車幅方向に延びる板状で車両上下方向に間隔をおいて互いに平行に配置される複数のフィン10を有し、車両前後方向に揺動可能に支持されるフロントグリル8と、フロントグリル8を最も車両前方側に揺動した第1の位置と最も車両後方側に揺動した第2の位置との間で駆動するモータ14と、を備え、フロントグリル8が第1の位置に位置したときにフィン10が車両前後方向で上下に傾斜した状態とされ、フロントグリル8の揺動位置が第2の位置に位置したときにフィン10の車両前後方向での傾きが緩やかとなるよう構成する。
【選択図】図2
Description
更に、走行時において空力特性を向上させるため、蓋状のフロントグリル(グリルカバー体)を上下方向に回動して開口部を開閉可能とした車両が考案されている(特許文献1)。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、コンパクトな構成で開口部への走行風の流入量を調整可能な車両のフロントグリル装置を提供することにある。
請求項3の発明は、請求項1または2において、フロントグリルは、上下方向一方の端部側に揺動支点を有し、当該揺動支点を中心に上下方向他方の端部側が車両前後方向に揺動可能とされており、フィンは、その車両後方側の部位が揺動支点と反対側に向かって傾斜するよう屈曲形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項において、車両の走行速度及び車両のエンジン冷却水温度の少なくとも一方に基づいて、フロントグリルの揺動位置を移動するべく駆動手段を作動制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2の車両のフロントグリル装置では、フロントグリルが第1の位置に位置したときに、車両前面視でフィンの間から見える開口部の開口面積をゼロとすることができる。このため、エンジンルーム内への走行風の流入がより一層抑制されるので、より確実に車両の空気抵抗を低減することができる。
本発明の請求項5の車両のフロントグリル装置では、車両の走行速度及びエンジン冷却水温度の少なくとも一方に基づいて、駆動手段を作動制御してフロントグリルの揺動位置を制御することで、空気抵抗の低下及びエンジンの冷却を必要に応じて選択的に得ることができる。例えば、高速走行時にフロントグリルを第1の位置に位置させることで、開口部に流入する走行風を減少させ、空気抵抗を低下させることができ、エンジン冷却水高温時にフロントグリルを第2の位置に位置させることで、開口部に流入する走行風を増加させ、エンジンの冷却性能を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るフロントグリル装置1を備えた車両の一部前面図である。図2は、本実施形態のフロントグリル装置1の側面図である。
本発明の実施形態に係るフロントグリル装置1は、エンジンやラジエータを前部に搭載した車両に採用されている。図1、2に示すように、本実施形態の車両2の前面には、エンジンルーム3に面してフロントバンパー4の上部に車幅方向に長い矩形状の開口部5が設けられている。開口部5は、上側の縁部6が下側の縁部7よりも後方に位置している。
フロントグリル8は、開口部5より若干大きい略矩形状に形成され、枠体11に複数のフィン10を設けて構成されている。フィン10は、上下方向に略等間隔をおいて車幅方向に互いに平行に延びる板状部材であり、枠体11は、フィン10の両端に垂直に設けられ、複数のフィン10の端部を夫々固定している。フロントグリル8は、フィン10が開口部5内を車幅方向に延びて、開口部5を上下方向に複数に分割するように配置されている。
また、左右いずれか一方の枠体11の下部には、シャフト12を中心として円弧状に後方に延びて上面に内歯車が形成された内歯車部13が設けられている。
また、フロントグリル8は、車体に設けられたストッパ16、17によって、揺動角が規制されている。ストッパ16、17はフロントバンパー4から上方に突出するように設けられた突起物である。一方のストッパ16は、開口部5の下側の縁部7に設けられ、フロントグリル8の下部が前方に最も揺動したときに、縁部7よりも前方に突出しないように、フロントグリル8の揺動を規制する。第1の位置へ移動したフロントグリル8の前面は、車両の開口部5の左右の車両前面と連続面を形成するように設定されている。なお、この前方に最も揺動したフロントグリル8の位置を第1の位置という。
第2の位置のとき、フロントグリル8の下部は、開口部5の下側の縁部7より後方に奥まった位置に位置する。本実施形態では、第1の位置と第2の位置との間のフロントグリル8の揺動可能角が約30度に設定されている。
以上のような構成により、本実施形態のフロントグリル装置1は、図3に示すように、車両前進走行時にフロントグリル8を第2の位置へ後方移動させたときに、フィン10の傾斜が緩やかとなり、フィン10の後端20とその下方のフィン10の上面との間が上下方向に離間する。したがって、車両前方からフロントグリル8に向かって来る走行風のうち、隣合うフィン10の間の上下方向離間寸法L1の部分を通過する走行風が、フィン10に衝突せずに通過して後方のエンジンルーム3内に流入する。即ち、フロントグリル8が第2の位置に位置すると、車両前面視でフィン10の間から見える開口部5の開口面積が最も大きい状態となり、フロントグリルからエンジンルーム内に流入する走行風の流量を確保して、エンジンやラジエータ等を十分に冷却することができる。
また、本実施形態では、フィン10の形状をへの字状にすることで、フロントグリル8を第1の位置に位置させたときに、フロントグリル8の傾斜が小さくとも、車両前方から見た開口部5の開口面積を略0にすることができ、走行風のエンジンルーム3内への流入量を大きく低下させることができる。また、フロントグリル8の揺動角が小さくとも、車両前方から見た開口部5の開口面積を略0から大きく変化させることができ、走行風のエンジンルーム3内への流入量を大きく変化させることができる。このように、フロントグリル8の揺動角を抑えることで、内歯車部13を小型化することができるとともに、フロントグリル8の揺動スペースを小さくでき、フロントグリル装置1の車両2への搭載スペースを抑制することができる。
例えば、フロントグリル8の揺動支点をフロントグリル8の下部に配置して、フロントグリル8の上部を車両前後方向に揺動させるようにしてもよい。この場合、フィン10の後部10aを揺動支点とは反対側の上方へ向かって屈曲させるようにすればよい。また、フロントグリル8の移動機構について、シリンダとリンク機構等で構成してもよい。また、フィン10の個数、車両前後方向の長さ、屈曲角度やフロントグリル8の揺動角等を変更してもよく、フロントグリル8の前後移動時において車両前方から見た開口面積が所望の大きさに変化するように適宜設定すればよい。
2 車両
5 開口部
8 フロントグリル
10 フィン
10a 後部(後方側の部位)
12 シャフト(揺動支点)
14 モータ(駆動手段)
20 後端
21 前端
25 コントロールユニット(制御手段)
Claims (5)
- 車両の前面にエンジンルームに面して開口した開口部に設けられ、走行風をエンジンルーム内に導入する車両のフロントグリル装置であって、
車幅方向に延びる板状で車両上下方向に間隔をおいて互いに平行に配置される複数のフィンを有し、車両前後方向に揺動可能に支持されるフロントグリルと、前記フロントグリルを最も車両前方側に揺動した第1の位置と最も車両後方側に揺動した第2の位置との間で駆動する駆動手段と、を備え、
前記フロントグリルが前記第1の位置に位置したときに前記フィンが車両前後方向で上下に傾斜した状態とされ、前記フロントグリルの揺動位置が前記第1の位置から前記第2の位置側に移動するに従って前記フィンの車両前後方向での傾斜が次第に緩やかとなるよう構成されていることを特徴とする車両のフロントグリル装置。 - 前記フロントグリルが前記第1の位置に位置したときに、上下で隣り合う前記フィンの一方の前端と他方の後端とが車両前後方向でラップした状態となることを特徴とする請求項1に記載の車両のフロントグリル装置。
- 前記フロントグリルは、上下方向一方の端部側に揺動支点を有し、当該揺動支点を中心に上下方向他方の端部側が前後方向に揺動可能とされており、
前記フィンは、その車両後方側の部位が前記揺動支点と反対側に向かって傾斜するよう屈曲形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のフロントグリル装置。 - 前記フロントグリルが前記第1の位置に位置したときに、当該フロントグリルの前面が前記開口部の周囲の車両前面と連続面を形成するように配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両のフロントグリル装置。
- 前記車両の走行速度及び前記車両のエンジン冷却水温度の少なくとも一方に基づいて、前記フロントグリルの揺動位置を移動するべく前記駆動手段を作動制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両のフロントグリル装置。
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