JP6206672B2 - 車両用通風制御装置 - Google Patents

車両用通風制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6206672B2
JP6206672B2 JP2014064079A JP2014064079A JP6206672B2 JP 6206672 B2 JP6206672 B2 JP 6206672B2 JP 2014064079 A JP2014064079 A JP 2014064079A JP 2014064079 A JP2014064079 A JP 2014064079A JP 6206672 B2 JP6206672 B2 JP 6206672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
front member
electric fan
radiator
vehicle
traveling wind
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014064079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015182751A (ja
Inventor
直矢 瓶子
直矢 瓶子
隆志 門脇
隆志 門脇
直樹 長野
直樹 長野
晋一 引谷
晋一 引谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014064079A priority Critical patent/JP6206672B2/ja
Publication of JP2015182751A publication Critical patent/JP2015182751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6206672B2 publication Critical patent/JP6206672B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

本発明は、車両用通風制御装置に係わり、特に、車両内に流入する走行風の流量を制御する車両用通風制御装置に関する。
従来から、車両内に流入する走行風の流量を制御する種々の技術が開示されている。例えば、特許文献1には、暖機特性や燃費向上の観点から、フロントグリル後方に配置されたシャッターを開閉して、若しくはラジエータファンの停止、正転及び逆転を切り替えて、ラジエータを通過する外気の通風量を制御する技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、高速走行時に、ラジエータを通さずにエンジンルーム内に走行風を導く導風路を閉じて、エンジンルーム内に走行風が侵入することを抑制し、走行中の空気抵抗を低減する技術が開示されている。
特開平7−11954号公報 特開2013−103510号公報
特許文献1には、エンジンルーム内への走行風の侵入を抑制するために、ラジエータファンを逆回転させる手法が開示されているが、この手法では、フロントグリルとエンジンルームとの間に存在する各種部材間の隙間や、ラジエータファンの逆回転により発生可能な風圧の限界などにより、エンジンルーム内への走行風の侵入を抑制するのに限界がある。
また、特許文献2には、エンジンルーム内への走行風の侵入を抑制するために、ラジエータを通さずにエンジンルーム内に走行風を導く導風路を閉じる手法が開示されているが、この手法でも、フロントグリルとエンジンルームとの間に存在する各種部材間の隙間などにより、エンジンルーム内への走行風の侵入を抑制するのに限界がある。
他方で、特許文献1に開示されたようなシャッターを、フロントグリルを塞ぐ手段として適用する手法が考えられる。この手法では、エンジンルーム内への走行風の侵入を効果的に抑制することができるが、シャッターが高価なため、コストが高くなってしまう。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、低コストにて、エンジンルーム内に走行風が侵入することを効果的に抑制することができる車両用通風制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両内に流入する走行風を制御する車両用通風制御装置であって、車両の前端部分に設けられ、走行風が流入する開口部が形成されたフロント部材と、このフロント部材後方に配置され、冷却水を冷却するラジエータと、このラジエータ後方に配置され、正回転することにより後方へ送風する電動ファンと、フロント部材とラジエータとの間に設けられ、フロント部材の開口部から流入した走行風をラジエータへ導く導風路と、電動ファンを制御する電動ファン制御手段と、を有し、導風路は、フロント部材の開口部を取り囲み、該開口部からラジエータの表面までほぼ隙間なく延びる筒状の外壁によって形成され、走行風がフロント部材の開口部から流入して導風路内の圧力が高い状態となり、電動ファン制御手段は、冷却水の温度が所定温度未満であり且つ車速が所定速度以上の場合に、この所定車速以上の全速度域で、電動ファンを逆回転で駆動し且つ車速が速くなるほど電動ファンの回転数を大きくするように制御し、これにより、導風路内の圧力を更に高い状態とする、ことを特徴とする。
このように構成された本発明においては、走行風が流入するフロント部材の開口部を取り囲み、フロント部材の背面からラジエータの表面まで延びる筒状の外壁によって形成された導風路を用いるので、この導風路内にはほとんど隙間がなく、フロント部材の開口部から流入した走行風が導風路から外部に抜けにくいため、導風路内の圧力が高い状態となり、走行風がフロント部材の開口部から流入しにくくなる。また、本発明では、そのような導風路内の圧力が高い状態で、車速が所定速度以上で、且つ冷却水の温度が所定温度未満である場合に、電動ファンを逆回転させるので、電動ファンから前方に送り出された風がラジエータを通して導風路に供給されて、導風路内の圧力が更に高い状態となり、走行風がフロント部材の開口部から更に流入しにくくなる。したがって、本発明によれば、フロントグリルなどを塞ぐシャッターを用いることなく、エンジンルーム内に走行風が侵入することを適切に抑制することができる。よって、本発明によれば、低コストにて、エンジンルーム内に走行風が侵入することを抑制して、走行中の空気抵抗を低減することが可能となる。
また、電動ファンを逆回転させる際の回転数を車速に基づいて設定するので、車速に応じた走行風量(走行風の圧力)に対応するための風圧を電動ファンから前方に適切に生じさせることができる。したがって、エンジンルーム内に走行風が侵入することをより効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、フロント部材とラジエータとの間に配置され、衝撃を吸収可能なバンパービームと、フロント部材とバンパービームとの間で導風路内に配置され、車幅方向に延びるバンパービーム前方部材と、を有し、このバンパービーム前方部材の上面及び下面は、フロント部材の開口部から流入した走行風をラジエータに向けて指向させるように傾斜している。
このように構成された本発明においては、フロント部材の開口部から流入した走行風をラジエータに向けて指向させるように傾斜した上面及び下面を有するバンパービーム前方部材を導風路内に設けるので、フロント部材の開口部から流入した走行風を、バンパービーム前方部材の上面及び下面によって、ラジエータに向けて適切に指向させることができる。つまり、バンパービーム前方部材の上面及び下面により、バンパービームの後方で風が巻き込まれないようにし、ラジエータに向けて風を適切に流すことができる。したがって、本発明によれば、上述したように、導風路によって、フロント部材の開口部から流入する走行風を適切に制限しつつ、導風路内のバンパービーム前方部材によって、フロント部材の開口部から流入した走行風を用いてラジエータを適切に冷却することができる。
本発明の車両用通風制御装置によれば、低コストにて、エンジンルーム内に走行風が侵入することを効果的に抑制して、走行中の空気抵抗を低減することができる。
本発明の実施形態による車両用通風制御装置の概略構成図である。 図2(A)は、本発明の実施形態による車両用通風制御装置におけるフロント部材の正面図であり、図2(B)は、このフロント部材を取り除いて見た斜視図である。 図2(A)中のX1−X1線に沿って見た断面図である。 本発明の実施形態による電動ファン制御処理を示すフローチャートである。 比較例1〜3及び本発明の実施形態によるフロント部材通過風量の解析結果を示す棒グラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両用通風制御装置を説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両用通風制御装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用通風制御装置の概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による車両用通風制御装置1は、車両の前端部分に設けられ、走行風が流入する開口部(図示せず)が形成された、フロントバンパー及びフロントグリルなどを含むフロント部材2と、フロント部材2の後方に配置され、冷却水を冷却するラジエータ3と、ラジエータ3の後方に配置され、エンジン6aが配置されたエンジンルーム6に向けて送風可能な電動ファン4と、電動ファン4を駆動する駆動モータ5と、駆動モータ5を制御するECU(Electronic Control Unit)7と、を有する。
より具体的には、駆動モータ5は、電動ファン4の正回転と逆回転とが切り替え可能な三相モータである。駆動モータ5が電動ファン4を正回転させた場合には、電動ファン4は後方へ風を送り出す。これに対して、駆動モータ5が電動ファン4を逆回転させた場合には、電動ファン4は前方へ風を送り出す。
ECU7は、機能的には、駆動モータ5を介して電動ファン4を制御する電動ファン制御部7aを有する。電動ファン制御部7aは、車輪速センサなどの車速検出部8が検出した車速、及び、冷却水通路中に設けられた温度センサである冷却水温検出部9が検出した冷却水温を取得し、取得した車速及び冷却水温に基づいて電動ファン4を制御する。
基本的には、電動ファン制御部7aは、冷却水温が高い場合に、電動ファン4が後方に向かって風を送り出すように、電動ファン4を正回転させる制御を行う。こうすることにより、フロント部材2に形成された開口部から外気(走行風)を取り込ませて、この外気をラジエータ3に送って、ラジエータ3内の冷却水温を低下させる。
他方で、電動ファン制御部7aは、冷却水温が低く、且つ車速が速い場合には、電動ファン4が前方に向かって風を送り出すように、電動ファン4を逆回転させる制御を行う。こうすることにより、電動ファン4からの風をラジエータ3の隙間などを通して前方に送り、この風によって、フロント部材2に形成された開口部から流入する走行風に対して抵抗することにより、エンジンルーム6内に走行風が侵入することを抑制する。
なお、ECU7は、CPU、CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による車両用通風制御装置が有する、フロント部材2とラジエータ3との間に設けられた導風路について説明する。図2(A)は、フロント部材2の正面図であり、図2(B)は、フロント部材2を取り除いて見た斜視図、つまりフロント部材2の後方に配置された部材の斜視図であり、図3は、図2(A)中のX1−X1線に沿って見た断面図である。なお、図2及び図3では、説明を分かり易くするために、各構成要素を簡略化した図を示している。
図2(A)に示すように、フロント部材2は、緩衝部材としてのフロントバンパー11と、フロントバンパー11の中央部に取り付けられた第1及び第2外気取込部材12、13とを有する。第1外気取込部材12は、所謂フロントグリルに相当する。
第1及び第2外気取込部材12、13は、車幅方向に延びる1以上の帯板状部材12a、13aを有する(車高方向に延びる1以上の帯板状部材を更に含んでいてもよい)。第1外気取込部材12が有する帯板状部材12a間の隙間、及びこの帯板状部材12aとフロントバンパー11との隙間が、第1外気取込部材12において走行風が流入する第1開口部12bを形成する。また、第2外気取込部材13が有する帯板状部材間13aの隙間、及びこの帯板状部材13aとバンパー11との隙間が、第2外気取込部材13において走行風が流入する第2開口部13bを形成する。
次に、図2(B)及び図3を参照すると、フロント部材2とラジエータ3との間には、筒状の外壁16が設けられており、この外壁16は、上壁16a、下壁16b及び側壁16cによって形成される。上壁16a、下壁16b及び側壁16cは、それぞれ、フロント部材2の背面(例えば第1及び第2外気取込部材12、13の外周縁部の裏側)からラジエータ3の表面まで、ほぼ隙間なく延びている。また、上壁16aと側壁16cとは、ほぼ隙間なく連結し、下壁16bと側壁16cとは、ほぼ隙間なく連結している。これにより、上壁16a、下壁16b及び側壁16cによって、ほぼ閉じた筒状の外壁16が形成される。この筒状の外壁16は、第1及び第2外気取込部材12、13の両方を取り囲むように設けられている。つまり、外壁16の一端は、第1及び第2外気取込部材12、13の第1及び第2開口部12b、13bを取り囲むことにより、開口している。これに対して、外壁16の他端は、ラジエータ3の表面によって塞がれている。
このような筒状の外壁16の内側の空間が、つまり上壁16a、下壁16b及び側壁16cによって囲まれた空間が、導風路20を形成する。導風路20には、第1及び第2外気取込部材12、13の第1及び第2開口部12b、13bから走行風が流入し、導風路20は、この走行風を通過させて、ラジエータ3に供給する。具体的には、導風路20は、その通路の途中で走行風がほとんど抜けることなく、ラジエータ3に走行風を供給する。こうして導風路20を通して走行風をラジエータ3に供給して、ラジエータ3を冷却する、つまりラジエータ3内の冷却水温を低下させる。
ここで、ラジエータ3には隙間があり(つまり全く隙間がない隔壁ではない)、ラジエータ3の前後である程度空気が行き来する。したがって、導風路20を通ってラジエータ3に供給された走行風は、ラジエータ3をある程度通過して後方へと流れる。他方で、電動ファン4が逆回転している場合には、電動ファン4からの風がラジエータ3を通過して前方へと流れる。この場合、電動ファン4からの風が、ラジエータ3前方の導風路20に供給される。
また、導風路20を形成する外壁16中にもある程度の隙間がある、つまり筒状の外壁16は完全に閉じた形態ではない。外壁16中に全く隙間がないと、第1及び第2外気取込部材12、13の第1及び第2開口部12b、13bから走行風が取り込まれなくなり、ラジエータ3に走行風が供給されなくなって、ラジエータ3を適切に冷却することができなくなる場合があるからである。
なお、上壁16a、下壁16b及び側壁16cを一体に形成してもよいし、つまり上壁16a、下壁16b及び側壁16cを一部材で形成してもよいし、上壁16a、下壁16b及び側壁16cを別部材で形成してもよい。後者の場合、上壁16a、下壁16b及び側壁16cのそれぞれを1つの部材で形成することに限定はされず、上壁16a、下壁16b及び側壁16cのそれぞれを2以上の部材で形成してもよい。例えば、上下に配置された2つの部材で側壁16cを形成してもよい。1つの例では、第1外気取込部材12の後方に設ける側壁16cと、第2外気取込部材13の後方に設ける側壁16cとを異なる部材にしてもよい。その場合、2つの部材を隙間なく連結すればよい。
また、上壁16a、下壁16b及び側壁16cのそれぞれを異なる部材で形成することに限定はされず、上壁16a、下壁16b及び側壁16cの一部を同一の部材で形成してもよい。例えば、上壁16aの端部を下方に折り曲げて、その折り曲げた部分によって側壁16cの一部を形成したり、下壁16bの端部を上方に折り曲げて、その折り曲げた部分によって側壁16cの一部を形成したりしてもよい。
図3を更に参照すると、第1外気取込部材12と第2外気取込部材13との間のフロントバンパー11の後方には、車両の衝突時の衝撃を低減するためのバンパービーム22が配置されている。このバンパービーム22の前方には、バンパービーム前方部材23が更に配置されている。バンパービーム前方部材23は、第1外気取込部材12と第2外気取込部材13との間のフロントバンパー11の背面に当接している。また、バンパービーム前方部材23は、導風路20内に配置され、車幅方向に延びている(図2(B)参照)。例えば、バンパービーム前方部材23は、樹脂などで作られている。
より具体的には、図3に示すように、バンパービーム前方部材23は、ラジエータ3側に向かって上方に傾斜する上面23a及び下面23bを有する。バンパービーム前方部材23の上面23aは、第1外気取込部材12の第1開口部12bを通過した走行風を上方向に流すことにより、この走行風をラジエータ3に向けて指向させる。同様に、バンパービーム前方部材23の下面23bは、第2外気取込部材13の第2開口部13bを通過した走行風を上方向に流すことにより、この走行風をラジエータ3に向けて指向させる。
次に、図4を参照して、本発明の実施形態においてECU7が電動ファン4に対して行う制御処理について説明する。図4は、本発明の実施形態による電動ファン制御処理を示すフローチャートである。なお、この電動ファン制御処理は、ECU7によって、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1において、ECU7は、車速検出部8によって検出された車速、及び冷却水温検出部9によって検出された冷却水温を取得する。次いで、ステップS2に進み、ECU7は、冷却水温が所定温度未満であるか否かを判定する。例えば、所定温度は、電動ファン4を駆動して冷却水を冷却すべき冷却水温の閾値である。
ステップS2の判定の結果、冷却水温が所定温度未満である場合には、ステップS3に進み、ECU7は、車速が所定速度以上であるか否かを判定する。例えば、所定速度は、エンジンルーム6内に走行風が侵入することを抑制して空気抵抗を低減すべき車速の閾値である。
ステップS3の判定の結果、車速が所定速度以上である場合には、ステップS4に進み、ECU7の電動ファン制御部7aは、電動ファン4を逆回転させる制御を行う。つまり、電動ファン制御部7aは、エンジンルーム6内に走行風が侵入することを抑制するために、電動ファン4が後方から前方に向かって風を送り出すように、電動ファン4を逆回転させる。
この場合、電動ファン制御部7aは、現在の車速に基づいて、電動ファン4を逆回転させる際の回転数を設定する。具体的には、電動ファン制御部7aは、車速が速くなるほど、電動ファン4を逆回転させる際の回転数を大きくする。こうするのは、車速が速くなるほど、走行風量が多くなるため(言い換えると走行風の圧力が大きくなるため)、エンジンルーム6内に走行風が侵入することを抑制するためには、電動ファン4によって前方に生じさせる風圧を大きくするべきだからである。例えば、電動ファン制御部7aは、車速に対して設定すべき電動ファン4の回転数が予め対応付けられたマップを参照して、電動ファン4の回転数を設定する。
他方で、ステップS2の判定の結果、冷却水温が所定温度以上である場合には、ステップS5に進み、電動ファン制御部7aは、冷却水温を低下させるために、電動ファン4が前方から後方に向かって風を送り出すように、電動ファン4を正回転させる制御を行う。電動ファン制御部7aは、車速の大きさに関わらず(つまり車速が所定速度以上であっても)、冷却水温が所定温度以上である場合には、このような電動ファン4を正回転させる制御を行う。
他方で、ステップS3の判定の結果、車速が所定速度未満である場合には、ステップS6に進み、電動ファン制御部7aは、電動ファン4を停止させる制御を行う。こうするのは、車速が所定速度未満である場合には、エンジンルーム6内に走行風がほとんど侵入しないからであり、加えて、ステップS6の前のステップS3に進んだ状況では、冷却水温が所定温度未満であるため、冷却水温を低下させる必要がないからである。そのため、電動ファン制御部7aは、電動ファン4を逆回転及び正回転させることなく停止させる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態による車両用通風制御装置の作用効果について説明する。ここでは、本発明の実施形態による車両用通風制御装置の作用効果を比較するために、比較例1〜3を比較対象として用いる。
比較例1は、導風路20が形成されておらず、電動ファン4を逆回転させない例である。比較例2は、導風路20が形成されておらず、電動ファン4を逆回転させないが、第1外気取込部材12の第1開口部12bを塞ぐシャッター(以下では適宜「フロントシャッター」と呼ぶ。)を有する例である。比較例3は、電動ファン4を逆回転させないが、導風路20が形成されている例である。本実施形態は、導風路20が形成されていると共に、電動ファン4を逆回転させるものである。
なお、第1外気取込部材12の第1開口部12bを塞ぐフロントシャッターを用いる代わりに、第2外気取込部材13の第2開口部13bを塞ぐフロントシャッターを用いてもよい。また、このようなフロントシャッターは、比較例2でのみ用いるものとする。
図5は、比較例1〜3及び本実施形態を実施した場合の、フロント部材2に形成された第1及び第2開口部12b、13bを前方から後方へと通過する風の流量(フロント部材通過風量)についての解析結果を示す。具体的には、図5は、上から順に、比較例1、比較例2、比較例3、本実施形態によるフロント部材通過風量の解析結果を棒グラフにて示している。例えば、図5に示す結果は、時速100kmでの走行を想定した解析により得られる。
図5に示すように、導風路20が形成されておらず、電動ファン4を逆回転させない比較例1では、フロント部材通過風量が最も多くなることがわかる。これに対して、フロントシャッターを用いる比較例2によれば、比較例1と比較して、フロント部材通過風量が大きく低減されていることがわかる。これは、第1外気取込部材12の第1開口部12bがフロントシャッターにより塞がれて、走行風が第1開口部12bをほとんど通過しなかったためである。
他方で、電動ファン4を逆回転させないが、導風路20が形成されている比較例3によれば、比較例2と比較すると、フロント部材通過風量が多いが、比較例1と比較すると、フロント部材通過風量が少ないことがわかる。比較例3が比較例1よりもフロント部材通過風量が少なくなるのは、ほとんど隙間がない外壁16によって形成された導風路20を用いたためである。つまり、そのような導風路20では、フロント部材2に形成された第1及び第2開口部12b、13bから流入した走行風が外部に抜けにくいため、導風路20内の圧力が高い状態となり、走行風がフロント部材2を通して導風路20内に流入しにくくなるのである。
更に、導風路20が形成されていると共に、電動ファン4を逆回転させる本実施形態によれば、フロント部材通過風量が最も少なくなることがわかる。特に、本実施形態によれば、フロントシャッターを用いる比較例2と比較しても、フロント部材通過風量が少ないことがわかる。この結果は、上述した導風路20による効果に加えて、電動ファン4を逆回転させた効果によるものである。具体的には、導風路20を用いると、上述したように、フロント部材2を通して流入した走行風が導風路20から外部に抜けにくいため、導風路20内の圧力が高い状態となるが、この状態で電動ファン4を逆回転させると、電動ファン4から前方に送り出された風がラジエータ3を通して導風路20に供給されて、導風路20内の圧力が更に高い状態となる。その結果、走行風が、フロント部材2に形成された第1及び第2開口部12b、13bから導風路20内に更に流入しにくくなるのである。
なお、図5では、本実施形態によるフロント部材通過風量のほうが比較例2によるフロント部材通過風量よりも少ない結果を示しているが、本実施形態によるフロント部材通過風量が比較例2によるフロント部材通過風量とほぼ同じになる場合もある。つまり、本実施形態のように、導風路20を用いると共に、電動ファン4を逆回転させれば、比較例2のようなフロントシャッターを用いる場合と同等以下のフロント部材通過風量が得られる。
以上述べたことから、本実施形態によれば、フロント部材2からラジエータ3まで延びる筒状の外壁16によって形成された導風路20を用いると共に、電動ファン4を逆回転させるので、フロントシャッターを用いることなしに、フロント部材通過風量を大きく低減することができる(図5参照)。具体的には、本実施形態によれば、フロントシャッターを用いずに、フロントシャッターを用いた場合と同等以下のフロント部材通過風量を実現することができる。したがって、本実施形態によれば、低コストにて、エンジンルーム6内に走行風が侵入することを効果的に抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、走行中の空気抵抗を効果的に低減することが可能となる。
また、本実施形態によれば、電動ファン4を逆回転させる際の回転数を車速に基づいて設定するので、車速に応じた走行風量(走行風の圧力)に対応するための風圧を電動ファン4から前方に適切に生じさせることができる。よって、エンジンルーム6内に走行風が侵入することをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ラジエータ3側に向かって上方に傾斜する上面23a及び下面23bを有するバンパービーム前方部材23を導風路20内に設けるので、第1及び第2外気取込部材12、13の第1及び第2開口部12b、13bを通過した走行風を、バンパービーム前方部材23の上面23a及び下面23bによって、ラジエータ3に向けて指向させることができる。つまり、バンパービーム前方部材23の上面23a及び下面23bにより、バンパービーム22の後方で風が巻き込まれないようにし、ラジエータ3に向けて風を適切に流すことができる。したがって、本実施形態によれば、上述したように、導風路20によって、フロント部材2を通して流入する走行風を適切に制限しつつ、導風路20内のバンパービーム前方部材23によって、フロント部材2を通して流入した走行風を用いてラジエータ3を適切に冷却することができる。
なお、上述した実施形態では、フロント部材2に2つの第1及び第2外気取込部材12、13が設けられていたが、本発明の適用はこの実施形態に限定はされない。本発明は、1つの外気取込部材のみが設けられたフロント部材2や、3つ以上の外気取込部材が設けられたフロント部材2にも適用可能である。
1 車両用通風制御装置
2 フロント部材
3 ラジエータ
4 電動ファン
7 ECU
7a 電動ファン制御部
11 フロントバンパー
12 第1外気取込部材
12b 第1開口部
13 第2外気取込部材
13b 第2開口部
16 外壁
20 導風路
22 バンパービーム
23 バンパービーム前方部材

Claims (2)

  1. 車両内に流入する走行風の流量を制御する車両用通風制御装置であって、
    車両の前端部分に設けられ、走行風が流入する開口部が形成されたフロント部材と、
    このフロント部材後方に配置され、冷却水を冷却するラジエータと、
    このラジエータ後方に配置され、正回転することにより後方へ送風する電動ファンと、
    上記フロント部材と上記ラジエータとの間に設けられ、上記フロント部材の開口部から流入した走行風を上記ラジエータへ導く導風路と、
    上記電動ファンを制御する電動ファン制御手段と、を有し、
    上記導風路は、上記フロント部材の開口部を取り囲み、該開口部から上記ラジエータの表面までほぼ隙間なく延びる筒状の外壁によって形成され、走行風が上記フロント部材の開口部から流入して上記導風路内の圧力が高い状態となり、
    上記電動ファン制御手段は、上記冷却水の温度が所定温度未満であり且つ車速が所定速度以上の場合に、この所定車速以上の全速度域で、上記電動ファンを逆回転で駆動し且つ上記車速が速くなるほど上記電動ファンの回転数を大きくするように制御し、これにより、上記導風路内の圧力を更に高い状態とする、ことを特徴とする車両用通風制御装置。
  2. さらに、
    上記フロント部材と上記ラジエータとの間に配置され、衝撃を吸収可能なバンパービームと、
    上記フロント部材と上記バンパービームとの間で上記導風路内に配置され、車幅方向に延びるバンパービーム前方部材と、を有し、
    このバンパービーム前方部材の上面及び下面は、上記フロント部材の開口部から流入した走行風を上記ラジエータに向けて指向させるように傾斜している、請求項1に記載の車両用通風制御装置。
JP2014064079A 2014-03-26 2014-03-26 車両用通風制御装置 Expired - Fee Related JP6206672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014064079A JP6206672B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 車両用通風制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014064079A JP6206672B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 車両用通風制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015182751A JP2015182751A (ja) 2015-10-22
JP6206672B2 true JP6206672B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=54349743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014064079A Expired - Fee Related JP6206672B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 車両用通風制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6206672B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10913332B2 (en) 2016-03-31 2021-02-09 Denso Corporation Heat exchange unit
CN114382582B (zh) * 2022-01-07 2022-11-08 江西现代职业技术学院 一种汽车用具有防气体回流结构的散热装置及其工作方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08232658A (ja) * 1995-02-22 1996-09-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の冷却装置
JP3651320B2 (ja) * 1999-07-16 2005-05-25 日産自動車株式会社 バンパ構造
JP2008106727A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Honda Motor Co Ltd 車両前部の空気取入装置
JP5746542B2 (ja) * 2011-03-31 2015-07-08 富士重工業株式会社 車両の冷却風導入装置
JP2012246790A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Fuji Heavy Ind Ltd 排気熱回収装置
JP2012251708A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Calsonic Kansei Corp 熱交換器支持構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015182751A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10422270B2 (en) Air guide structure for an engine compartment of a vehicle
JP2006193122A (ja) 車体の前部構造
WO2015129348A1 (ja) クーリングモジュール
CN104443074B (zh) 空气导向装置和生产方法以及冷却车辆中热交换器的方法
JP6206672B2 (ja) 車両用通風制御装置
US20160052369A1 (en) Device for air flow adjustment
WO2013161497A1 (ja) 車両の冷却装置
KR102227846B1 (ko) 차량의 액티브 에어 플랩 장치
KR20150079966A (ko) 차량용 냉각 팬 장치
JP2021054232A (ja) 整流装置
JP2018114802A (ja) 空気流制御装置及びエアガイド
JP2015105051A (ja) 車両用冷却装置
JP2013226958A (ja) 車両の冷却装置
JP2017165196A (ja) 車両の前部構造
JP6950485B2 (ja) 車両用整流装置
KR102074745B1 (ko) 차량용 쿨링모듈 및 그 제어방법
JP6879175B2 (ja) グリルシャッタ装置
JP6155475B2 (ja) 車両のエンジンルームの冷却構造
JP2015047875A (ja) 車両の冷風導入構造
CN107200068B (zh) 车辆的前部结构
JP5847148B2 (ja) 車体前部構造
JP6407599B2 (ja) エンジンルームカバー
JP2012192810A (ja) グリルシャッタ開閉装置
JP6119982B2 (ja) 車両のフロントグリル装置
JP6798209B2 (ja) 車両用アンダーカバー構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6206672

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees