JP2015008285A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
端部に耐水シール処理を施さない場合にも金属成分の腐食を低減でき、高温高湿下で長期間使用した場合でも発電効率の低下が少なく、トリムカット性などモジュール製造工程での取り扱い性に優れる太陽電池モジュールの提供。
【解決手段】
表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)及び第二の樹脂層(E)が積層され、ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが600μm以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が太陽電池セル(B)の少なくとも一面と接するように配置され、第二の樹脂層(E)が表面保護層(A)と裏面保護層(C)との少なくとも一方と接するように配置されている、太陽電池モジュール。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ポリビニルアセタール樹脂層を含む太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接変換する太陽電池が広く使用され、さらなる開発が進められている。
太陽電池モジュールは、通常、外部からの影響を保護するための透明な覆いを備えた光電性の半導体層(以下、太陽電池セルと呼ぶことがある)を有する。従来の太陽電池セルは、ガラス板とガラス等の硬質カバープレート又はバックシートとの間に設置され、接着性を有する封止材によって固定され、太陽電池モジュールの端部をフレームで覆うといった耐水シール処理が施されている。近年は環境面やコスト面から、フレームレスでより長寿命な太陽電池モジュールが要求されており、その達成手段の一つとして、耐腐食性が改善された封止材が求められている。
太陽電池セルは一般に極めて壊れやすいため、封止材の原料としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いることが提案されている(特許文献1参照)。これらの原料は、硬化していない状態では気泡を含むことなく太陽電池セルを包囲するような低い粘度に調整することができ、続く硬化剤又は架橋剤による架橋反応の後、あるレベル以上の力学的強度を示す封止材となる。EVAを用いた太陽電池モジュールの問題点は、EVAの加水分解又は熱分解で生じた酢酸による金属成分の腐食に起因して、太陽電池の発電効率を低下させることである。
そこで、封止材として、熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール(PVB)を用いることが提案されている(特許文献2参照)。PVBは酸成分を生じうる酢酸ユニットの含有量がEVAに比べて少ないため、金属成分の腐食を起こしにくいという利点がある。しかし、特許文献2記載のPVB封止材は、一般的にロールへの巻き取りなどの取り扱い性を向上させるために、PVBに加えて必須成分として多量の可塑剤を含んでいる。この可塑剤により封止材の透湿度が上昇しやすくなるため、高温高湿下で長期間用いると、金属成分が腐食されることにより太陽電池モジュールが変色し、発電効率が低下することがあった。
一方、近年、高温高湿下で透湿度が低く、酸の発生を抑制することで、太陽電池モジュールの長寿命化を達成できるポリビニルアセタール封止材が提案されており、フレームレス、シールレス構造で高い耐久性を示すことが報告されている(特許文献3参照)。
特開昭58−23870号公報 特表2006−013505号公報 WO2013/002292号公報
しかし、特許文献3に記載の太陽電池用封止材は、可塑剤量が少ないことに起因して、ロール状に巻き取ることが困難であったり、ロールから引き出した際の封止材の反りやトリムカットが困難であったりするなど、太陽電池モジュール作製工程での取り扱い性不良が問題となる場合がある。
本発明の目的は、端部に耐水シール処理を施さない場合にも金属成分の腐食を低減でき、高温高湿下で長期間使用した場合でも発電効率の低下が少なく、トリムカット性などモジュール製造工程での取り扱い性に優れる太陽電池モジュールを提供することである。
本発明によれば、上記目的は、
[1]表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)及び第二の樹脂層(E)が積層され、ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが600μm以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が太陽電池セル(B)の少なくとも一面と接するように配置され、第二の樹脂層(E)が表面保護層(A)と裏面保護層(C)との少なくとも一方と接するように配置されている、太陽電池モジュール。
[2]ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が10質量部以下である、[1]の太陽電池モジュール;
[3]ポリビニルアセタール樹脂層(D)の塩素含有量が100ppm以下である、[1]または[2]の太陽電池モジュール;
[4]ポリビニルアセタール樹脂層(D)がさらにゴムを含む、[1]〜[3]のいずれかの太陽電池モジュール;
[5]ゴムのガラス転移温度が−10℃以下である、[4]の太陽電池モジュール;
[6]第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下である組成物からなる、[1]〜[5]のいずれかの太陽電池モジュール;
[7]第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と異なる組成を有する組成物からなる、[1]〜[5]のいずれかの太陽電池モジュール;
[8]第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部より多い組成物からなる、[7]の太陽電池モジュール;
[9]第二の樹脂層(E)が、α−オレフィンおよびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマー、アイオノマー、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリエチレン、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン系エラストマーおよびエポキシ樹脂からなる群から選択される1つ以上を含有する組成物からなる、[7]の太陽電池モジュール;
[10]太陽電池セル(B)がシリコン系太陽電池セルである、[1]〜[9]のいずれかの太陽電池モジュール;
[11]太陽電池セル(B)が化合物系太陽電池セルである、[1]〜[9]のいずれかの太陽電池モジュール;
[12]表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、第二の樹脂層(E)、裏面保護層(C)の順で積層される、[1]〜[11]のいずれかの太陽電池モジュール;
[13]表面保護層(A)、第二の樹脂層(E)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)の順で積層される、[1]〜[11]のいずれかの太陽電池モジュール;
[14]表面保護層(A)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、太陽電池セル(B)、第二の樹脂層(E)、裏面保護層(C)の順で積層される、[1]〜[11]のいずれかの太陽電池モジュール;
[15]表面保護層(A)、第二の樹脂層(E)、太陽電池セル(B)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、裏面保護層(C)の順で積層される、[1]〜[11]のいずれかの太陽電池モジュール;
[16]表面保護層(A)とポリビニルアセタール樹脂層(D)との間にさらに別の第二の樹脂層(E)が積層されている、[14]の太陽電池モジュール;
[17]ポリビニルアセタール樹脂層(D)と裏面保護層(C)の間にさらに別の第二の樹脂層(E)が積層されている、[15]の太陽電池モジュール;
[18]ポリビニルアセタール樹脂層(D)と表面保護層(A)または裏面保護層(C)との間に、第二の樹脂層(E)が積層されている、[1]〜[11]のいずれかの太陽電池モジュール;
[19]ポリビニルアセタール樹脂層(D)の主面の面積が太陽電池セル(B)の主面の面積以上の大きさであり、表面保護層(A)及び裏面保護層(C)の主面の面積よりも小さい、[1]〜[18]のいずれかの太陽電池モジュール;
[20]ポリビニルアセタール樹脂層(D)または第二の樹脂層(E)が着色されたものである、[1]〜[19]のいずれかの太陽電池モジュール;
[21]着色が白色または黒色である、[20]の太陽電池モジュール;
[22]表面保護層(A)が、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレンおよびポリアミドからなる群から選択された1つ以上の材料からなる、[1]〜[21]のいずれかの太陽電池モジュール;
[23]裏面保護層(C)が、金属、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、無機物蒸着ポリエステルからなる群から選択された1つ以上の材料からなる、[1]〜[22]のいずれかの太陽電池モジュール;
[24][1]〜[23]のいずれかに記載の太陽電池モジュールを製造する製造方法であって、100℃以上200℃以下かつ減圧である条件でラミネートする、太陽電池モジュールの製造方法;
を提供することにより達成される。
本発明によれば、端部に耐水シール処理を施さない場合にも金属成分の腐食を低減でき、高温高湿下で長期間使用した場合でも発電効率の低下が少なく、トリムカット性などモジュール製造工程での取り扱い性に優れる太陽電池モジュールを提供できる。
本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。 本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。 本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。 本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。 本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。 本発明の太陽電池モジュールの断面図の一例である。
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)及び第二の樹脂層(E)が積層され、ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが600μm以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が太陽電池セル(B)の少なくとも一面と接するように配置され、第二の樹脂層(E)が表面保護層(A)と裏面保護層(C)との少なくとも一方と接するように配置されている。
[ポリビニルアセタール樹脂層(D)]
本発明の太陽電池モジュールに用いられるポリビニルアセタール樹脂層(D)は、ポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下である組成物からなる。
上記のポリビニルアセタール樹脂層(D)に用いられるポリビニルアセタールとしては、平均アセタール化度40〜90モル%のものが好ましい。ポリビニルアセタールの平均アセタール化度が40モル%未満であると、太陽電池用封止材の吸水率が高くなる傾向があり、平均アセタール化度が90モル%を超えると、ポリビニルアセタールを得るための反応時間に長時間を要し、反応プロセス上、好ましくないことがある。平均アセタール化度は60〜85モル%がより好ましく、太陽電池セル(B)との接着性の観点から、62〜80モル%がさらに好ましい。
ポリビニルアセタールは、通常ビニルアセタール成分、ビニルアルコール成分及びビニルアセテート成分から構成されており、これらの各成分量(平均アセタール化度、平均残存水酸基量、ビニルアセテート成分量)は、例えば、JIS K 6728:1977年「ポリビニルブチラール試験方法」や核磁気共鳴法(NMR)に基づいて測定することができる。
上記のポリビニルアセタール樹脂層(D)に用いられるポリビニルアセタールは、ポリビニルアセタール中のビニルアセテート成分が20モル%以下のものが好ましく、5モル%以下のものがより好ましく、2モル%以下のものがさらに好ましい。ビニルアセテート成分が20モル%を超えると、ポリビニルアセタールの製造時にブロッキングを起こして製造が困難となり、また高温高湿下において、アセテート基が加水分解してカルボキシル基に変性される可能性がある。
上記のポリビニルアセタール樹脂層(D)に用いられるポリビニルアセタールの平均残存水酸基量は、15モル%〜40モル%が好ましく、18〜38モル%がより好ましく、20〜36モル%がさらに好ましい。ポリビニルアセタールの平均残存水酸基量が15モル%未満となると、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と太陽電池セルとの接着不良が発生しやすくなり、平均残存水酸基量が40モル%を超えると、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の吸水率が高くなる傾向がある。
ポリビニルアセタールがビニルアセタール成分以外の成分を含む場合は、通常、ビニルアルコールの成分量とビニルアセテートの成分量を測定し、ポリビニルアセタールの全量からこれらの両成分量を差し引くことで、残りのビニルアセタール成分の量を算出することができる。
本発明の太陽電池モジュールを構成するポリビニルアセタール樹脂層(D)に用いられるポリビニルアセタールとしては、ポリビニルアルコールに、後述するアルデヒドを反応させて得られるものを用いることができる。このようなポリビニルアセタールは、公知の方法により製造できる。
ポリビニルアセタールの原料として用いられるポリビニルアルコールは、例えば、ビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。ビニルエステル系単量体を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を適用できる。重合開始剤としては、重合方法に応じてアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などを適宜選択できる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒又は酸触媒を用いる加アルコール分解、加水分解などが適用でき、中でもメタノールを溶剤とし苛性ソーダ(NaOH)触媒を用いるけん化反応が簡便であり最も好ましい。
原料となるポリビニルアルコールのけん化度は80モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。
上記ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられ、中でも酢酸ビニルが好ましい。また、上記ビニルエステル系単量体を重合する場合、本発明の主旨を損なわない範囲でα−オレフィン等の他の単量体と共重合させることもできる。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)に用いるポリビニルアセタールの原料となるポリビニルアルコールの平均重合度は、100〜5000が好ましく、200〜3000がより好ましく、300〜2000がさらに好ましく、350〜1700が特に好ましい。ポリビニルアルコールの平均重合度が100未満であると、得られる太陽電池モジュールの耐貫通性、耐クリープ物性、特に85℃、85%RHのような高温高湿条件下での耐クリープ物性が低下することがある。一方、平均重合度が5000を超えるとポリビニルアセタール樹脂層(D)の成形が難しくなることがある。また、得られるポリビニルアセタール樹脂層(D)のラミネート適性を向上させ、外観に一層優れた太陽電池モジュールを得る観点からは、ポリビニルアルコールの平均重合度が2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1200以下であることがさらに好ましい。なお、ポリビニルアセタールの平均重合度は、原料であるポリビニルアルコールの平均重合度と一致するため、上記したポリビニルアルコールの好ましい平均重合度はポリビニルアセタールの好ましい平均重合度と一致する。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、例えばJIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定することができる。
ポリビニルアセタールの製造に用いる溶媒は特に制限されないが、工業的に大量に製造する上では水を用いることが好ましく、ポリビニルアルコールを反応前に予め高い温度、例えば90℃以上の温度で十分に溶解しておくことが好ましい。また、ポリビニルアルコールを溶解した水溶液の濃度は、5〜40質量%が好ましく、6〜20質量%がより好ましく、特に7〜15質量%が好ましい。ポリビニルアルコールを溶解した水溶液の濃度が5質量%以下となると、生産性が悪くなる傾向にあり、一方、水溶液の濃度が40質量%を超えると、反応中の撹拌が困難となり、またポリビニルアルコールの分子間水素結合によるゲル化が起こり、反応にむらができる傾向にある。
上記ポリビニルアルコールの水溶液にアルデヒドを添加して反応させることで、ポリビニルアセタールを製造することができる。アセタール化反応の際に用いられる触媒としては、塩酸等の塩素系触媒を用いることも可能であるが、ポリビニルアセタール中の塩素量低減の観点から非塩素系触媒が好ましい。非塩素系触媒としては有機酸及び無機酸のいずれでもよく、例えば酢酸、p−トルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、炭酸等が挙げられる。中でも、特に硫酸及び硝酸が、十分な反応速度が達成されること、反応後の洗浄が容易であることから好ましく、取り扱い性が容易なことから硝酸がさらに好ましい。触媒を添加した後のポリビニルアルコール水溶液における触媒の濃度は、用いる触媒の種類にもよるが、硫酸及び硝酸の場合は、0.01〜5mol/Lであることが好ましく、0.1〜2mol/Lであることがより好ましい。触媒の濃度が低すぎると反応速度が遅く、目的とするアセタール化度、目的とする物性を有するポリビニルアセタールを得るのに時間がかかるため、好ましくない。一方、触媒の濃度が高すぎると、アセタール化反応を制御することが困難であると共に、アルデヒドの3量体が生成しやすくなるため、好ましくない。
ここで、アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが使用される。炭素数1〜12のアルデヒドが好ましく、炭素数1〜6の飽和アルキルアルデヒドがより好ましく、炭素数1〜4の飽和アルキルアルデヒド化合物がさらに好ましく、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の力学物性が優れる観点から、ブチルアルデヒドが特に好ましい。アルデヒドは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリビニルアセタールのガラス転移温度を制御できる観点からは、ブチルアルデヒドとアセトアルデヒドを併用することが好ましい。また、多官能アルデヒドやその他の官能基を有するアルデヒドなどを全アルデヒドの20質量%以下の範囲で少量併用してもよい。
アセタール化反応の手順としては公知の方法が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコールの水溶液に触媒を添加してから上記アルデヒドを添加する方法;アルデヒドを先に添加した後に触媒を添加する方法;添加するアルデヒド又は触媒を、一括添加、逐次添加又は分割添加する方法や、触媒又はアルデヒドを含む溶液にポリビニルアルコール水溶液とアルデヒド又は触媒の混合溶液を添加する方法;などが挙げられる。
アセタール化反応の反応温度に特に制限はないが、反応後の中和時に生成する塩を洗浄除去しやすい多孔質状のポリビニルアセタールを生成させる観点から、反応の途中でポリビニルアセタール粒子が析出するまでは0〜40℃の比較的低温で反応を行うことが好ましく、5〜20℃で反応を行うことがより好ましい。反応温度が40℃を超えると、ポリビニルアセタールが融着し、多孔質とならないおそれがある。0〜40℃の比較的低温で反応を行った後は、反応を追い込んで生産性を上げるため、反応温度を50〜80℃とすることが好ましく、65〜75℃とすることがより好ましい。多孔質状のポリビニルアセタールは残存する塩を低減しやすく、得られるポリビニルアセタール樹脂層(D)を用いた太陽電池モジュールの耐腐食性を向上できる。
アセタール化反応後にポリビニルアセタールに残存するアルデヒド及び触媒を除去する方法としては、公知の方法が挙げられる。得られたポリビニルアセタールは、アルカリ化合物により中和されるが、中和前に、ポリビニルアセタール中に残存するアルデヒドをできるだけ除去しておくことが好ましい。中和前にアルデヒドを除去する方法としては、アルデヒドの反応率が高くなる条件で反応を追い込む方法、水又は水/アルコール混合溶媒等により十分に洗浄する方法、化学的にアルデヒドを処理する方法が有用である。中和に使用されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア;トリエチルアミン、ピリジン等のアミン系化合物が挙げられる。これらの中でも、水洗により除去が容易な観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
上述の方法により得られるポリビニルアセタールは、水の存在下、酸により分解してアルデヒドを生じるため、アルカリタイター値が正の値になるよう調整することが好ましい。アルカリ中和後のポリビニルアセタールのアルカリタイター値は、0.1〜100が好ましく、1〜50がより好ましく、1〜30がさらに好ましい。アルカリタイター値が0.1未満であると加水分解しやすくなる場合があり、100を超えるとポリビニルアセタール樹脂層(D)の成形時に変色しやすくなるおそれがある。ここでアルカリタイター値とは、100gのポリビニルアセタール中のアルカリ成分を中和滴定するのに要する0.01mol/Lの塩酸量(mL)で規定される値である。
また、上述の方法により得られるポリビニルアセタールの酸価は0.50KOHmg/g以下が好ましく、0.40KOHmg/g以下がより好ましく、0.30KOHmg/g以下がさらに好ましい。ポリビニルアセタールの酸価が0.50KOHmg/gを超えると、得られるポリビニルアセタール樹脂層(D)に変色が起きたり、得られる太陽電池モジュールの電極が腐食し、寿命を低下させる原因となることがある。ここで、ポリビニルアセタールの酸価は、JIS K6728:1977年に準じて測定した値である。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)はポリビニルアセタールを40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。ポリビニルアセタールの含有割合が40質量%未満であると、耐腐食性や、ポリビニルアセタール樹脂層(D)がガラスと接する場合においてのガラスへの接着性が不十分となったりすることがある。
[可塑剤]
ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量は20質量部以下であり、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、0質量部であってもよい(つまり、可塑剤を含有していなくてもよい)。可塑剤の含有量が20質量部を超えると、可塑剤に不純物として含まれる酸性成分の量が増加したり、可塑化効果により透湿度が上昇して水が浸入しやすくなったりして、高温高湿下での太陽電池モジュールの出力低下や変色といった問題が生じるおそれがある。
可塑剤としては特に制限はないが、例えば、トリエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコール−ジ(2−エチルブタノエート)、トリエチレングリコール−ジヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジヘプタノエート等のオリゴアルキレングリコールジアルキルエステル化合物;ジ(2−ブトキシエチル)−アジピン酸エステル(DBEA)、ジ(2−ブトキシエチル)−セバシン酸エステル(DBES)、ジ(2−ブトキシエチル)−アゼライン酸エステル、ジ(2−ブトキシエチル)−グルタル酸エステル、ジ(2−ブトキシエチル)−フタル酸エステル、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−アジピン酸エステル(DBEEA)、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−セバシン酸エステル(DBEES)、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−アゼライン酸エステル、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−グルタル酸エステル、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−フタル酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエチル)−アジピン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエチル)−セバシン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエチル)−アゼライン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエチル)−グルタル酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエトキシエチル)−アジピン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエトキシエチル)−セバシン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエトキシエチル)−アゼライン酸エステル、ジ(2−ヘキソキシエトキシエチル)−グルタル酸エステル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸−ジイソノニルエステル(DINCH)などのジカルボン酸ジエステル;ひまし油などのグリセリンエステル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどのジオール化合物とアジピン酸などのジカルボン酸化合物からなるポリエステルポリオール又はそのジエステル;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール又はその誘導体(エステル、エーテルなど)などのポリアルキレングリコール及びその誘導体などが挙げられる。これらの中でも、可塑剤の分子を構成する炭素原子数と酸素原子数の和が28よりも大きい可塑剤が好ましい。可塑剤の分子を構成する炭素原子数と酸素原子数の和が28以下となると、高温高湿下での熱分解や加水分解が発生して、ポリビニルアセタール樹脂層(D)における酸性成分の濃度が高くなる傾向にある。上記のような炭素原子数と酸素原子数の和が28よりも大きい可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−アジピン酸エステル(DBEEA)、ジ(2−ブトキシエトキシエチル)−セバシン酸エステル(DBEES)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸−ジイソノニルエステル(DINCH)などが挙げられる。中でも、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の耐腐食性を低下させることなく、少量で、所望の可塑効果を得ることができる点から、トリエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)(3GO)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸−ジイソノニルエステル(DINCH)が好ましい。上記可塑剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明に使用される可塑剤の酸価は1.0KOHmg/g以下が好ましく、0.7KOHmg/g以下がより好ましく、0.5KOHmg/g以下がさらに好ましい。可塑剤の酸価が1.0KOHmg/gを超えると、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が変色したり、分解ガスを生じたりすることがあり、それによって得られる太陽電池モジュールの寿命が短くなるおそれがある。ここで可塑剤の酸価は、JIS K6728:1977年に準じて測定した値である。
[その他の添加剤]
本発明の太陽電池モジュールを構成するポリビニルアセタール樹脂層(D)は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、接着力調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、機能性無機化合物等を、必要に応じてさらに含んでいてもよい。また、ポリビニルアセタール樹脂層(D)は、本発明の趣旨に反しない限り、ポリビニルアセタール以外の樹脂と混合することも可能である。
接着力調整剤は、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が表面保護層(A)または裏面保護層(C)と接するように配置されている場合に好適に用いられる。接着力調整剤としては、例えば、国際公開第03/033583号に開示されているものを用いることができ、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上記塩としてはオクタン酸、ヘキサン酸、酪酸、酢酸、ギ酸等のカルボン酸等の有機酸の塩;塩酸、硝酸等の無機酸の塩などが挙げられる。接着力調整剤の最適な添加量はその種類により異なるが、得られるポリビニルアセタール樹脂層(D)のガラスへの接着力が、パンメル試験(Pummel test;国際公開第03/033583号等に記載)において一般には3〜10となるように調整することが好ましい。高いガラス飛散防止性が求められる場合は、接着力調整剤を添加しないことも有用な方法である。そして、接着性を向上させるための各種添加剤としてはシランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤を添加する場合、添加量は、ポリビニルアセタール樹脂層(D)を構成する組成物の質量を基準にして0.01〜5質量%であることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤を使用できる。中でもフェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸化防止剤を添加する場合、添加量は、ポリビニルアセタール100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、マロン酸エステル系、シュウ酸アニリド系、金属酸化物系などの公知の紫外線吸収剤を使用できる。紫外線吸収剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。紫外線吸収剤を添加する場合、添加量は、ポリビニルアセタールに対して質量基準で10〜50000ppmであることが好ましく、100〜10000ppmであることがより好ましい。
光安定剤としてはヒンダードアミン系、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブLA−57(商品名)」が挙げられる。
機能性無機化合物としては、例えば、光反射材料、光吸収材料、熱伝導性改良材料、電気特性改良材料、ガスバリア性改良材料、力学物性改良材料が挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールの耐衝撃性を向上させる観点から、ポリビニルアセタール樹脂層(D)がさらにゴムを含むことが、好ましい。ゴムとは、室温でゴム状となる物質であり、より具体的には、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂または樹脂組成物をいう。
上記ゴムに特に制限はなく、例えば、ウレタンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、フッ素ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、シリコーン・アクリル複合ゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ブタジエン・アクリル複合ゴム、ブタジエン系ゴム(MBS、NBR、ABS、SBR等);これらのゴムあるいはその他のゴムをコア成分としてアクリル系重合性単量体をグラフト重合させたゴム含有グラフト重合体が挙げられる。前記列挙したゴムは一部の成分をコア成分として他の成分(重合性単量体)をグラフト重合されたゴム含有グラフト重合体であってもよい。中でも、より一層耐衝撃性を向上させる観点からは、シリコーン・アクリル複合ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、ブタジエン・アクリル複合ゴムが好ましく、ブタジエン・アクリル複合ゴム及びブタジエン系ゴムがより好ましい。ゴムは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
耐衝撃性をより一層向上させる観点から、上記ゴムのガラス転移温度は−10℃以下であることが好ましく、−20℃以下であることがより好ましく、−30℃以下であることがさらに好ましい。上記ゴムのガラス転移温度の下限は特に限定されないが、ゴムのガラス転移温度は、−200℃以上であることが好ましく、−150℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度の測定方法としては、JIS K 7244−4:1999年に基づいて測定し、tanδのピーク値を採用できる。
上記ゴムの含有量は、耐衝撃性向上の観点からポリビニルアセタール樹脂層(D)のポリビニルアセタール100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、3〜80質量部であることがより好ましく、5〜60質量部であることがさらに好ましい。ゴムの含有量が1質量部より少ないと耐衝撃性の改善効果が小さい。一方、ゴムの含有量が100質量部を超えると、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の室温(25℃程度)および50℃での貯蔵弾性率やガラスとの接着力が低下して、破断荷重が不十分となるおそれがある。また、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の流動性も低下し、ラミネートが難しくなる傾向がある。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)を受光面側に用いる場合には、太陽電池モジュールの発電効率を向上させるため、ポリビニルアセタール樹脂層(D)は透明であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)の透明性を維持する観点から、上記ゴムとポリビニルアセタール樹脂との屈折率の差が0.04以下であることが好ましく、0.02以下であることがより好ましく、0.01以下であることがさらに好ましい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)の透明性を向上させる観点からは、ゴムとしてアクリル系ゴム、シリコーン・アクリル複合ゴム、ブタジエン・アクリル複合ゴムを用いることが好ましい。
本発明で用いるポリビニルアセタール樹脂層(D)中の塩素含有量は100ppm以下であることが好ましく、70ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。塩素含有量が100ppmを超える場合は、高温高湿下で金属成分の腐食により太陽電池モジュールが変色しやすくなり、結果として太陽電池モジュールの出力が低下する。塩素の含有量の下限値は特に限定されないが、ポリビニルアセタールの製法上の理由から、塩素含有量は、通常0.1ppm以上である。塩素含有量は、後述する実施例のとおり、電位差滴定法にて測定できる。具体的には、0.001mol/Lの硝酸銀水溶液を滴下溶液に用い、電気伝導度の変化したときの滴定量から、上記ポリビニルアセタール樹脂層(D)における塩化物イオン濃度を求めて、塩素含有量とする。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)中の塩素含有量を上記範囲とするためには、例えば、塩素含有量が低減されたポリビニルアセタールを使用する方法が挙げられる。塩素含有量が低減されたポリビニルアルコールを得る方法としては、アセタール化する際の触媒として前記した非塩素系触媒を用いる方法が挙げられる。中でも、アセタール化反応が十分な反応速度となること、及び、反応後の洗浄が容易であることから、硫酸または硝酸が好ましく、取り扱いが容易なことから硝酸がより好ましい。また、塩酸等の塩素系触媒を用いる場合であっても、アセタール化して得られたポリビニルアセタールをろ過した後、及び/又は、中和した後、水等を用いて繰り返し洗浄することでも、塩素含有量を低減できる。
本発明で用いるポリビニルアセタール樹脂層(D)は、下記式(1)で示される熱水試験後の酸性成分変化量が10.0KOHmg/g以下であることが好ましく、7.0KOHmg/g以下であることがより好ましく、5.0KOHmg/g以下であることがさらに好ましい。当該熱水試験後の酸性成分変化量が10.0KOHmg/gを超えると、高温高湿下で金属成分の腐食により太陽電池モジュールが変色しやすくなり、結果として太陽電池モジュールの出力が低下するおそれがある。なお、熱水試験後の酸性成分変化量は負の値にもなり得るが、通常は0KOHmg/g以上である。
Figure 2015008285
上記式(1)中、A(単位:KOHmg/g)は、測定対象となるポリビニルアセタール樹脂層(D)を85℃の熱水に1000時間浸漬した後に、ポリビニルアセタール樹脂層(D)中と水中の両方に存在する酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(単位:mg)を、浸漬前のポリビニルアセタール樹脂層(D)の質量(単位:g)で除した値を表し、B(単位:KOHmg/g)は、熱水に浸漬する前のポリビニルアセタール樹脂層(D)中に存在する酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(単位:mg)を、当該浸漬前のポリビニルアセタール樹脂層(D)の質量(単位:g)で除した値を表す。
以下に、上記熱水試験後の酸性成分変化量の測定方法について説明する。まず、測定対象となるポリビニルアセタール樹脂層(D)の酸価をJIS K6728:1977年の規定に準じて測定する。得られた酸価をそのまま上記B(単位:KOHmg/g)とする。次に、測定対象となるポリビニルアセタール樹脂層(D)5gを水50mL中に浸漬し、85℃で1000時間浸漬処理する。1000時間浸漬処理後に取り出したポリビニルアセタール樹脂層(D)の酸価をJIS KJIS K6728:1977年の規定に準じて測定し、得られた酸価(単位:KOHmg/g)に当該1000時間浸漬処理後のポリビニルアセタール樹脂層(D)の質量(単位:g)を乗じた値をA1(単位:KOHmg)とする。また、1000時間浸漬処理後にポリビニルアセタール樹脂層(D)を取り出した後の水の酸価をJIS K6728:1977年の規定に準じて測定し(但し、滴定液としては、0.02mol/Lの水酸化ナトリウムを用い、滴定に要した水酸化ナトリウムのモル数を等モルの水酸化カリウムの質量に換算する)、得られた酸価(単位:KOHmg/g)に当該水の質量(単位:g)を乗じた値をA2(単位:KOHmg)とする。そして、上記のA1とA2の和を、浸漬前のポリビニルアセタール樹脂層(D)の質量で除した値を上記A(単位:KOHmg/g)とする。
上記式(1)で示される熱水試験後の酸性成分変化量を上記範囲とするには、用いるポリビニルアセタールに含まれる酸性成分を低減することが重要であり、例えば、アセタール化の酸触媒を十分に中和洗浄して取り除く方法、pH調整用緩衝剤を添加する方法が挙げられる。また、可塑剤の使用量を少なくすることによっても酸性成分を低減できる。これらの中でも、熱水浸漬中の脱アセタール化反応及びその後の酸化反応が抑制され、結果として酸性成分の発生を抑制できる点で、pH調整用緩衝剤を添加する方法が好ましい。
pH調整用緩衝剤としては公知のものが使用でき、例えば、クエン酸−クエン酸塩緩衝剤(クエン酸とクエン酸ナトリウム等)、酢酸−酢酸塩緩衝剤(酢酸と酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム等)、酪酸−酢酸塩緩衝剤(酪酸と酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム等)、クエン酸−リン酸塩緩衝剤(クエン酸とリン酸水素二ナトリウム等)、リン酸塩−リン酸塩緩衝剤(リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウム等)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝剤、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝剤、炭酸塩−重炭酸塩緩衝剤(炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウム等)が挙げられる。どの緩衝剤を用いるかは接触する金属、金属酸化物の耐腐食性に応じて適宜選択できる。通常、pH5〜9の範囲の緩衝剤が好ましく、特に酢酸−酢酸塩緩衝剤、酪酸−酢酸塩緩衝剤、リン酸塩−リン酸塩緩衝剤がpH値、取り扱い性及びコストの観点から好ましい。
上記pH調整用緩衝剤の添加量は、特に限定されないが、ポリビニルアセタールの質量に基づいて1〜100000ppmであることが好ましく、5〜50000ppmであることがより好ましく、10〜20000ppmであることがさらに好ましく、15〜10000ppmであることが特に好ましい。
本発明に使用されるポリビニルアセタール樹脂層(D)の成形方法は特に限定されない。前記のポリビニルアセタールを単独で、あるいは必要に応じてこれに所定量の可塑剤、及び/又は他の添加剤を配合し、均一に混練又は混合した後、得られた組成物を押出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等の公知の成形方法により、ポリビニルアセタール樹脂層(D)単体をフィルム状に成形できる。または、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と第二の樹脂層(E)を共押出成形しても良いし、公知の方法により、表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)及び第二の樹脂層(E)との積層体として一体的に成形することもできる。
公知の成形方法の中でも特に押出機を用いて成形する方法が好適に採用される。押出時の組成物の温度は150〜250℃が好ましく、170〜230℃がより好ましい。組成物の温度が高くなりすぎると、ポリビニルアセタールが分解し、揮発性物質の含有量が多くなりやすい。逆に組成物の温度が低すぎても、取り除かれる揮発分が少なくなり、結果としてポリビニルアセタール樹脂層(D)中の揮発性物質の含有量が多くなりやすい。なお、揮発性物質を効率的に除去するために、押出機のベント口から減圧により揮発性物質を除去することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールを構成するポリビニルアセタール樹脂層(D)は、表面にメルトフラクチャー、エンボスなどの従来公知の方法で凹凸構造を形成させることが好ましい。メルトフラクチャー、エンボスの形状は特に限定されず、従来公知のものを採用できる。
また、各種塗工装置又は塗装装置を用いて、塗布又は塗装により太陽電池セル(B)上にポリビニルアセタール樹脂層(D)を形成させることもできる。塗布又は塗装により、ポリビニルアセタール樹脂層(D)を形成させる際には、ポリビニルアセタールおよび必要に応じて可塑剤などの成分を溶媒に溶解又は分散して塗布して乾燥しても良いし、ポリビニルアセタールの粉体をそのまま粉体塗装し、溶融して形成させても良い。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さは、600μm以下であり、0.01〜500μmであることが好ましく、0.1〜450μmであることがより好ましく、1〜400μmであることがさらに好ましい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが薄すぎると、層に孔などの欠点がでてしまい、太陽電池モジュールの出力低下の原因になり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが600μmを超えると、コストが高く、押出成形でポリビニルアセタール樹脂層(D)を得る場合に、ロール巻き取り時に巻き癖が残ってしまったり、トリムカットが困難となったりする。押出成形によりポリビニルアセタール樹脂層を形成させる場合、成形性の観点からは、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。
本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂層(D)は、太陽電池セル(B)と同等かそれ以上の面積を有することが好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂層(D)は、表面保護層(A)及び裏面保護層(C)のいずれか一方又は両方より面積が小さくてもよい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)の面積を、表面保護層(A)及び裏面保護層(C)のいずれか一方又は両方の面積よりも小さくすることは、該ポリビニルアセタール樹脂層(D)を塗布又は塗装する場合や、第二の樹脂層(E)として安価なものを用いる場合、第二の樹脂層(E)として水蒸気透過率の低いものを用いる場合に、特に好ましい。
[第二の樹脂層(E)]
本発明に使用される第二の樹脂層(E)は、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と同一の組成の組成物からなるものであっても良いし、異なる組成の組成物からなるものであっても良い。ここで、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と同一の組成であるとは、ポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下の組成物からなるものであることを指す。第二の樹脂層(E)として、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と同一の組成の組成物からなる樹脂層を用いることは、高温高湿下で透湿度が低く太陽電池モジュールの長寿命化を達成できる点で、より好ましい。
耐衝撃性などの力学物性の向上の観点からは、第二の樹脂層(E)として、ポリビニルアセタール樹脂層(D)とは異なる組成を有する組成物からなるものを用いることが好ましい。第二の樹脂層(E)は、太陽電池セル(B)に直接接触しないか、僅かにしか接触しないため、ポリビニルアセタール樹脂層(D)とは異なり、酸価が高い樹脂層を用いてもよい。
第二の樹脂層(E)として、ポリビニルアセタール樹脂層(D)とは異なる組成を有する組成物からなるものを用いる場合、合わせガラス用中間膜として入手可能な可塑化ポリビニルアセタール樹脂層を用いることが、工業的に安価に製造できること、耐貫通性の高いモジュールが得られることから好ましい。第二の樹脂層(E)としては、例えば、ポリビニルアセタール100質量部に対して可塑剤を20質量部より多く含有する組成物からなる可塑化ポリビニルアセタール樹脂層が挙げられる。第二の樹脂層(E)として可塑化ポリビニルアセタール樹脂層を用いる場合、可塑化ポリビニルアセタール樹脂層を構成する組成物がポリビニルアセタール100質量部に対して可塑剤20〜80質量部を含有することが好ましく、30〜70質量部を含有することがより好ましい。可塑剤の含有量が、ポリビニルアセタール100質量部に対して80質量部を超えると、高温高湿下での透湿度が高くなり、酸の発生量が高くなる傾向にある。
また、第二の樹脂層(E)として、可塑化ポリビニルアセタール樹脂層を用いる場合、ポリビニルアセタール樹脂層(D)に移行しない可塑剤、又は、移行しにくい可塑剤で可塑化されていることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)に移行しない可塑剤、又は、移行しにくい可塑剤としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸−ジイソノニルエステル(DINCH)があげられる。第二の樹脂層(E)は、例えば、公知のポリビニルアセタールを含む層を用いることができ、酸価の大きいポリビニルアセタールを含む層を使用してもよい。
第二の樹脂層(E)として、ポリビニルアセタール以外の樹脂を含有する組成物からなる層を用いる場合は、例えば、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマー、アイオノマー、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリエチレン、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン系エラストマーおよびエポキシ樹脂からなる群から選択された1つ以上を含有する樹脂層が好ましい。これらの中でも、コスト低減の点で、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマーであるエチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなどが、より好ましく用いられる。
第二の樹脂層(E)の厚さは、薄すぎると封止工程でモジュール内に気泡が残り易くなり、厚すぎるとコストアップになることから、50〜1000μmであることが好ましく、100〜800μmであることがより好ましく、150〜600μmであることが特に好ましい。第二の樹脂層(E)を複数用いてもよく、二層隣接させて積層し、全体として一つの第二の樹脂層(E)としてもよいし、複数の第二の樹脂層(E)を隣接しないように積層してもよい。また、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と第二の樹脂層(E)の合計厚さは、200μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましく、350μm以上であることがさらに好ましく、400μm以上であることが特に好ましい。ポリビニルアセタール樹脂層(D)と第二の樹脂層(E)の合計厚さが200μm未満となると、層に孔などの欠点がでて太陽電池モジュールの出力低下の原因となったり、モジュール内に気泡が残り易くなる傾向にある。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂層(D)及び第二の樹脂層(E)のいずれか一方または両方は、着色されていても良い。着色された層を用いる場合は、着色層が太陽電池セル(B)の受光面側にないことが好ましい。着色は、白色又は黒色が好ましい。白色は光線反射率が高い点で、黒色はセルや瓦に近い色であり景観の観点から好ましく使用される。
[太陽電池セル(B)]
太陽電池モジュールを構成する太陽電池セル(B)としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコンなどの結晶シリコン、アモルファスシリコン、多接合型・ヘテロ接合型シリコンなどシリコン系の材料を光電変換ユニットに用いたシリコン系太陽電池セル;CIGS(銅(Cu)−インジウム(In)−ガリウム(Ga)−セレン(Se))、CIS(Cu−In−Se)、CZTS、ガリウム・砒素、カドミウム・テルルなど、周期律表I−III−VI族、I−II−IV−VI族、III−V族又はII−VI族などの化合物半導体を光電変換ユニットに用いた化合物系太陽電池セル;色素増感、有機薄膜などの有機系太陽電池セル等種々の太陽電池セルが挙げられる。太陽電池セル(B)として、シリコン系太陽電池セルを用いることは、変換効率に優れる点で好ましく、化合物系太陽電池セルを用いることは、太陽電池にフレキシブル性を付与できる点で好ましい。
ここで、太陽電池セルとは、太陽光発電に用いる太陽電池の最小構成単位であり、少なくとも光電変換ユニットと電極を有する。電極は、導電性の材料からなり、例えば、金属、金属酸化物など金属化合物、グラフェンやカーボンナノチューブなどの炭素系材料などにより構成される。太陽電池セル(B)に用いられる電極の材料やその形状、取りつけ位置は、光電変換ユニットに用いられる材料や材料の組合せに応じて、適宜決められる。また、太陽電池セル(B)はその種類に応じて、反射防止膜やセル用の基材など種々の部材を有していてもよい。例えば、アモルファスシリコンやCIGSなどの薄膜系の太陽電池セルは、通常、透明電極層と、光電変換ユニットと、裏面電極を少なくとも有する。アモルファスシリコンを用いた太陽電池セルの場合、光電変換ユニットは、通常、p層のアモルファスシリコン膜、i層のアモルファスシリコン膜、n層のアモルファスシリコン膜から構成される。CIGSを用いた太陽電池セルの場合、通常、光電変換ユニットがCIGSから構成される。必要に応じて、光電変換ユニットには他の成分が含まれていてもよい。透明電極層の材料としては、ITO、GZO、BZO、AZO、IZO等の酸化無機物やカーボンナノチューブなど炭素系材料が挙げられる。
また、上記薄膜系の太陽電池セル(B)は、基材上に形成されていることが好ましい。基材は、ガラスからなることが好ましい。表面保護層(A)や裏面保護層(C)が基材として用いられてもよい。
[表面保護層(A)]
本発明の太陽電池モジュールを構成する表面保護層(A)は受光面に用いられるため、表面保護層(A)に用いられる部材は、通常、透明であり、太陽電池モジュール内を保護する機能を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、有機ガラスまたは無機ガラスなどのガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン又はポリアミド等のうち1以上の材料からなるものが用いられる。表面保護層(A)として、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン又はポリアミドを用いることは、透明性の点で好ましい。表面保護層(A)は、1つの材料を単層で用いたものや、複数の異なる材料の層からなる多層構造を有するものを用いてもよく、1つの層中に複数の材料が混合したものを用いてもよい。また、上記の材料以外の任意成分をさらに含む材料を用いてもよい。中でも、水分バリア性及びコストの面から、表面保護層(A)としては、ガラスが好ましい。
[裏面保護層(C)]
また、本発明の太陽電池モジュールを構成する裏面保護層(C)に用いられる部材としては、裏面保護層(C)に用いられる部材は、太陽電池モジュール内を保護する機能を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、有機ガラスまたは無機ガラスなどのガラス、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属等の無機材料、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド又は無機物蒸着ポリエステル等のうち1以上の材料からなるものが用いられる。裏面保護層(C)として、ガラス、金属、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド又は無機物蒸着ポリエステルを用いることは、耐侯性の点で好ましい。裏面保護層(C)は、1つの材料を単層で用いたものや、複数の異なる材料の層からなる多層構造を有するものを用いてもよく、1つの層中に複数の材料が混合したものを用いてもよい。また、上記の材料以外の任意成分をさらに含む材料を用いてもよい。中でも、水分バリア性及びコストの面から、裏面保護層(C)としては、ガラスが好ましい。
表面保護層(A)及び裏面保護層(C)に有機ガラスを使用した場合には、太陽電池モジュールをフレキシブル構造とすることができる。
上記の表面保護層(A)または裏面保護層(C)としてガラスを用いる場合、例えば、フロートガラス、強化ガラス、網入りガラス、有機ガラス等が使用できる。ガラスの厚さは特に制限はないが、0.5〜10mmであることが好ましく、1〜6mmであることがより好ましい。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セル(B)の少なくとも一方の表面が、本発明で使用されるポリビニルアセタール樹脂層(D)と接していることが必要である。太陽電池モジュールの発電効率が低下する一つの要因として金属成分の腐食が挙げられるが、本発明は、耐腐食性の高いポリビニルアセタール樹脂層(D)を、太陽電池セル(B)を構成する金属層又は金属化合物層および/または金属成分を含む配線と接触する構成とすることで、発電効率の低下を大幅に抑制することが可能となる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいては、第二の樹脂層(E)が表面保護層(A)と裏面保護層(C)との少なくとも一方と接するように配置されており、樹脂層に孔などの欠点がでて太陽電池モジュールの出力低下の原因となったり、モジュール内に気泡が残ることを防止することができる。また、第二の樹脂層(E)に用いる樹脂を選択することで、耐腐食性を維持しながら、耐衝撃性などの力学物性を向上させることも可能となる。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールとしては、種々の構成を例示できる。以下、層構成の例示において、表面保護層(A)を(A)、太陽電池セル(B)を(B)、裏面保護層(C)を(C)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)を(D)、第二の樹脂層(E)を(E)とそれぞれ表記する。太陽電池モジュールの構成としては、例えば(A)/(D)/(B)/(E)/(C)、(A)/(E)/(B)/(D)/(C)、(A)/(D)/(B)/(D)/(E)/(C)、(A)/(E)/(B)/(D)/(E)/(C)、(A)/(E)/(D)/(B)/(D)/(E)/(C)のように太陽電池セルを両側から樹脂層で挟む構成のもの(図3、図4又は図6参照);(A)/(B)/(D)/(E)/(C)のような構成のもの(スーパーストレート構造、図1又は図2参照);(A)/(E)/(D)/(B)/(C)のような構成のもの(サブストレート構造、図5参照)などが挙げられる。中でも、(D)と(A)または(C)との間に(E)を積層する構造が、力学物性が向上できる観点から好ましい。
以下、図を用いて具体的に説明する。本発明のように太陽電池セル(B)を用いた太陽電池モジュールとしては、例えば、図1に示すように、太陽電池セル(B)13を蒸着した表面側透明保護層11と裏面側保護部材(バックカバー)15との間に、ポリビニルアセタール樹脂層12aおよび第二の樹脂層12bがこの順で、積層されて太陽電池セルを封止した構成が挙げられる。この場合、表面保護層(A)がそのまま太陽電池セル(B)の基材として用いられてもよい。即ち、表面保護層(A)/太陽電池セル(B)/ポリビニルアセタール樹脂層(D)/第二の樹脂層(E)/裏面保護層(C)などの構成が好ましく用いられる。太陽電池モジュールをこのような構成とすることは、高温高湿下での耐久性、コスト削減の点で好ましい。また、図2のように第一の樹脂層12aが、太陽電池セル13とほぼ同じ大きさのものを用いてもよい。
また、図3に例示するように、表面保護層(A)/第二の樹脂層(E)/(基材/)太陽電池セル(B)/ポリビニルアセタール樹脂層(D)/第二の樹脂層(E)/裏面保護層(C)の順で積層された構成も挙げられる。ここで、セルに接する「基材」は存在してもしなくても良いが、第二の樹脂層(E)と太陽電池セル(B)を隣接させる場合には、基材が存在することが好ましい。太陽電池モジュールをこのような構成とすることは高温高湿下での耐久性、コスト削減の点で好ましい。基材としては、例えば、ガラス、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属等の無機材料、アクリル樹脂、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン又はポリアミドが用いられる。
図4に示すように、表面側透明保護層11と、太陽電池セル13を蒸着したガラス基板14との間に第二の樹脂層12bおよびポリビニルアセタール樹脂層12aがこの順で、ガラス基板14と裏面側保護層(バックカバー)15との間に第二の樹脂層12bが積層されて太陽電池セル13を封止した構成もある。即ち、表面保護層(A)/ポリビニルアセタール樹脂層(D)/太陽電池セル(B)(/基材)/第二の樹脂層(E)/裏面保護層(C)、又は表面保護層(A)/第二の樹脂層(E)/(基材/)太陽電池セル(B)/ポリビニルアセタール樹脂層(D)/裏面保護層(C)などの構成が好ましく用いられる。太陽電池モジュールをこのような構成とすることは、高温高湿下での耐久性、コスト削減の点で好ましい。ここで、セルに接する「基材」は存在してもしなくても良いが、第二の樹脂層(E)と太陽電池セル(B)を隣接させる場合には、基材が存在することが好ましい。図6は表面側保護層11と太陽電池セル13を蒸着したガラス基板14との間に、ポリビニルアセタール樹脂層(D)である第一の樹脂層12aが積層されたものである。図4における表面側透明保護層11と太陽電池セル13の間の第二の樹脂層12bと第一の樹脂層12aの積層部分の代わりに、第一の樹脂層12aのみを用いている。
また、図5に例示するように、表面側透明保護層11と太陽電池セル13を蒸着したガラス基板14との間に、ポリビニルアセタール樹脂層12a及び第二の樹脂層12bを介して、太陽電池セル13を封止したサブストレート構造になってもよい。また、この場合、裏面保護層(C)がそのまま太陽電池セル(B)の基材として用いられてもよい。すなわち、サブストレート構造の太陽電池モジュールにおいては、表面保護層(A)/第二の樹脂層(E)/ポリビニルアセタール樹脂層(D)/太陽電池セル(B)/裏面保護層(C)の構成が好ましく用いられる。太陽電池モジュールをこのような構成とすることは、高温高湿下での耐久性、コスト削減の点で好ましい。
本発明の太陽電池モジュール構造は、ポリビニルアセタール樹脂層(D)である第一の樹脂層12aが、太陽電池セル(B)を構成する金属層又は金属化合物層や、金属成分を含む配線と接触している場合に、より一層太陽電池モジュールを構成する金属成分の腐食を低減できる点から有利である。
ポリビニルアセタール樹脂層(D)の主面の面積は、太陽電池セル(B)の主面の面積以上の大きさであり、表面保護層(A)及び裏面保護層(C)の主面の面積よりも小さいことが、コスト削減の点で好ましい。なお、ここで主面とは、各層を形成する平面のうち、最も面積の多い平面をいう。
また、本発明においては、金属成分の腐食による変色をより一層抑制するため、太陽電池モジュールの端部をシリコーンゴム、ブチルゴム等で耐水シール処理したり、アルミフレームなどのフレームを設置したりできる。コスト削減の観点からは端部を耐水シール処理することなく(シールレス)、かつフレームレスの構成で用いることが好ましい。本発明の太陽電池用封止材は耐腐食性に優れるため、このようなシールレスかつフレームレスの構成での使用において特に有用である。
太陽電池モジュールの製造に際しては、ポリビニルアセタール樹脂層(D)および第二の樹脂層(E)を予め作製し、これらの樹脂層が溶融する温度で圧着するという従来公知の方法によって、上述の構成のモジュールを形成できる。また、これらの積層の際、各層をロール・ツー・ロールプロセスにより積層し、一体的に太陽電池モジュールを製造することもできる。
真空ラミネーター装置を用いる場合は、例えば、太陽電池モジュールの製造に用いられる公知の装置を使用し、1〜30000Paの減圧下、100〜200℃、特に130〜170℃の温度で(A)〜(E)の各層をラミネートする方法が挙げられる。具体的には、真空バッグ又は真空リングを用いる場合には、例えば、欧州特許第1235683号明細書に記載されているように、約20000Paの圧力下、130〜170℃でラミネートすることが好ましい。
ニップロールを用いる場合は、例えば、ポリビニルアセタールの流動開始温度以下の温度で1回目の仮圧着をした後、さらに流動開始温度に近い条件で仮圧着する方法が挙げられる。具体的には、赤外線ヒーターなどで30〜100℃に加熱した後、ロールで脱気し、さらに50〜150℃に加熱した後ロールで圧着させればよい。
仮圧着後に付加的に行われるオートクレーブ工程は、太陽電池モジュールの厚さや構成にもよるが、例えば、約1〜1.5MPaの圧力下、130〜155℃の温度で約2時間実施される。
本発明の太陽電池モジュールは、例えば、地面、山などの斜面、屋根、海上に設置することもできる。また、屋根、窓、壁、バルコニー、手すり壁等の部材として用いることもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(PVB−1の調製)
撹拌機を取り付けた5L反応器に、PVA(平均重合度1000、けん化度99モル%)の8質量%水溶液3500g、ブチルアルデヒド168g及び2,6−ジt−ブチル−4−メチルフェノール1.40gを仕込み、全体を8℃に冷却した。ここに、濃度20質量%の硝酸水溶液336gを添加して、PVAのブチラール化を開始した。添加を終了して15分が経過した後、昇温を開始し、60分かけて45℃まで昇温し、さらに180分反応を行った。その後、室温まで冷却して析出したPVBをろ過し、PVBに対して10倍量のイオン交換水で10回洗浄した。その後、0.3質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて十分に中和を行い、さらにPVBに対して10倍量のイオン交換水で10回洗浄し、脱水した後、乾燥させ、PVB樹脂(PVB−1)を得た。
(PVB−2の調製)
PVAのブチラール化の際に添加する濃度20質量%の硝酸水溶液336gを、濃度20質量%の塩酸336gとしたこと以外は(PVB−1の調製)と同様にして、PVB樹脂(PVB−2)を得た。
(PVB−3の調製)
反応後の洗浄を5回とし、中和後の洗浄を2回とした以外は(PVB−2の調製)と同様にして、PVB樹脂(PVB−3)を得た。
(PVB−4の調製)
ブチルアルデヒドの使用量を149gとした以外は(PVB−1の調製)と同様にして、PVB樹脂(PVB−4)を得た。
(PVB−5の調製)
ブチルアルデヒドの使用量を210gとし、昇温後の温度を40℃、反応時間を300分とした以外は(PVB−2の調整)と同様にして、PVB樹脂(PVB−5)を得た。
(PVBシート−1〜7、9、11〜13の作製)
ポリビニルアセタール樹脂層(D)または第二の樹脂層(E)として用いるPVBシートは、表1に示す配合でポリビニルアセタールおよび可塑剤として3GO[トリエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)、酸価0.02KOHmg/g]を用い、これに酢酸マグネシウム125ppm(量はPVBシートの質量に基づく)を添加して、140℃で混練し、ダイス温度200℃で表1に示す所定の厚さのPVBシートを押出成形して作製した。なお、表1中の可塑剤の欄における数値は、ポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量を表す。得られたPVBシートについて、以下の方法に従い、塩素含有量、透湿度及び酸性成分変化量を測定した。PVBシートの測定結果を表1に示す。
(PVBシート−8の作製)
ポリビニルアセタール100質量部に対して、ゴムとしてブタジエン系ゴム(三菱レイヨン株式会社製、商品名:C−223A、ガラス転移温度:−77℃)5質量部を使用した以外は、PVBシート−1と同一の条件で、PVBシート−8を作製した。以下の方法に従い、塩素含有量、透湿度及び酸性成分変化量を測定した。PVBシート−8の測定結果を表1に示す。
(PVBシート−10の作製)
可塑剤としてDINCH(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸−ジイソノニルエステル)を使用し、PVB−2の代わりにPVB−5を用いた以外は、PVBシート−5と同一条件でPVBシート−10を作製した。以下の方法に従い、塩素含有量、透湿度及び酸性成分変化量を測定した。PVBシート−10の測定結果を表1に示す。
本実施例及び比較例で用いたPVB−1〜5、及びPVBシート−1〜13(以下、表においてはシート1〜13と称する)の各種物性の測定は、以下の方法に従った。
(PVB−1〜5の平均アセタール化度、ビニルアセテート成分量、平均残存水酸基量)
JIS K6728:1977年の規定に基づき測定した。
(PVBシート中の塩素含有量)
3質量%硝酸水溶液1mLに蒸留水10mLとエタノール80mLを加え、これに各PVBシートのサンプル1gを精秤して加えた。撹拌してサンプルを溶解させた後、0.001mol/Lの硝酸銀水溶液を滴下し、電気伝導度の変化による滴定量からサンプル中の塩化物イオン濃度を求め、塩素の含有量とした。
(PVBシートの透湿度)
JIS Z0208:1976年の規定に基づき、温度40℃、相対湿度90%の条件にて測定した。
(PVBシートの酸性成分変化量の測定)
下記(1)式で示される熱水試験後の酸性成分変化量を、JIS K6728:1977年の規定に基づき測定した。
Figure 2015008285
[式(1)中、A(単位:KOHmg/g)は、85℃の熱水に1000時間浸漬した後にPVBシート中及び水中の両方に存在する酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(単位:mg)を、浸漬前のポリビニルアセタール樹脂層(D)の質量(単位:g)で除した値を表し、B(単位:KOHmg/g)は、浸漬前のPVBシートに存在する酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量(単位:mg)を、浸漬前のPVBシートの質量(単位:g)で除した値を表す。]
Figure 2015008285
上記のPVBシート、市販されているファストキュアタイプのEVAシート、黒色のEVAシートを使用し、本実施例及び比較例の記載に従って各太陽電池モジュールを作製した。各層の詳細および得られた各太陽電池モジュールの評価は、以下の方法に従った。
なお、表1〜6において、「シート−1」〜「シート−13」はそれぞれPVBシート−1〜−13を指し、「EVA」はファストキュアタイプのEVAシート(例えば、サンビック株式会社製、ウルトラパール、厚さ0.4mm)を指し、「黒色EVA」は、黒色のEVAシート((カーボンブラックを含有するEVAシート)を指す。また、表3及び4において、「BS」は、バックシート(表面上にEVA易接着処理がされているポリエステルシート)を指し、「FS」は、フロントシート(表面にコロナ処理を施したテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体シート)を指す。
(ラミネート適性)
市販のフロートガラス(厚さ3.2mm、大きさ300mm×300mm)2枚に第一の樹脂層(実施例においては、ポリビニルアセタール樹脂層(D)。以下同じ。)、第二の樹脂層(E)を実施例、比較例に記載の組合せで各1枚挟み、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)を用いて、以下の条件で合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスのラミネート適性を以下の基準により判定した。
<条件>
熱板温度 :140℃
真空引き時間:12分
プレス圧力 :50kPa
プレス時間 :17分
<判定基準>
○:合わせガラス作製直後、及び温度85℃、相対湿度85%の条件で1000時間静置後に、気泡、密着不良などの外観欠点はなく、密着良好。
△:合わせガラス作製直後において、気泡、密着不良などの外観欠点はなく、密着良好。温度85℃、相対湿度85%の条件で1000時間静置後に、気泡、密着不良などの外観欠点あり。
×:合わせガラス作製直後、及び温度85℃、相対湿度85%の条件で1000時間静置後、共に、気泡、密着不良などの外観欠点あり。
(トリムカット性)
上記の(ラミネート適性)の評価と同一条件で、合わせガラス作製した後、オルファカッター万能L型を使用して、ガラス端部のはみだしをカットした結果、カットできるものを○、カットできないものを×とした。
(巻き癖)
上記のPVBシート、または、上記の市販のEVAシートを、巾300mm、長さ1mのシートで切り出し、各実施例の第一の樹脂層および第二の樹脂層をそれぞれ同一の直径90mmのコアに巻いてロールを作製し、その後168時間、室温で放置した。第一の樹脂層および第二の樹脂層それぞれのロールから、巾150mm、長さ150mmの試験片を切り出し、表2に示す第一の樹脂層と第二の樹脂層の試験片を各一枚ずつ重ね合わせ、重さ2.0kgの巾300mm、長さ300mmの鉄板で挟んだ。これを下記所定の条件(湿度は未調整)に置き、以下の判定基準で判定した。
◎:温度20℃、1時間後、試験片の中央部分で反りが観測されない。
○:温度20℃、1時間後の条件では、試験片の中央部分で反りが観測されるが、温度50℃、1時間後の条件では、試験片の中央部分で反りが観測されない。
×:温度50℃、1時間後、試験片の中央部分で反りが観測される。
(耐貫通性試験)
市販のフロートガラス(厚さ3.2mm、大きさ300mm×300mm)2枚に第一の樹脂層、第二の樹脂層を重ね合わせて挟んだ上で、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製;1522N)を用いて合わせガラスを作製した。その後、JIS R 3212に従い、耐貫通性試験にて、以下の基準で判定した。
◎:高さ3mから2260gの鋼球を落下させた結果、貫通しない。
○:高さ2mから2260gの鋼球を落下させた結果、貫通せず、高さ3mから2260gの鋼球を落下させた結果、貫通する。
×:高さ2mから2260gの鋼球を落下させた結果、貫通する。
(高温高湿試験後の変換効率の低下率)
各実施例に示す方法で太陽電池モジュールを作製し、この太陽電池モジュールについて、
暴露する前と、85℃、85%RHの条件下で表に記載の時間暴露した後に、変換効率をAM1.5、1000W/mの基準太陽光を照射して測定した。なお、変換効率の測定には、日清紡メカトロニクス株式会社製ソーラーシミュレーターを用いた。暴露前の変換効率を100%(基準)とした場合の暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。
(実施例1)
図1の構成となるように、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)の熱板上に、表面保護層11として縦100mm×横100mm×厚さ4mmのガラス(ショットソーラー社製、B270、無機ガラス)上に太陽電池セル(B)13として縦80mm×横80mmのアモルファスシリコン太陽電池セルが形成されたもの、第一の樹脂層12aとして縦100mm×横100mm×厚さ0.25mmのPVBシート−1、第二の樹脂層12bとして縦100mm×横100mm×厚さ0.25mmのPVBシート−1、及び裏面保護層15として大きさ100mm×100mm、厚さ4mmのガラス(ショットソーラー社製、B270、無機ガラス)をこの順に積層し、下記のラミネート条件で太陽電池モジュールを作製した。
<条件>
熱板温度 :140℃
真空引き時間:12分
プレス圧力 :50kPa
プレス時間 :17分
実施例1で用いた第一の樹脂層および第二の樹脂層につき、上記の方法に従い、ラミネート適正、巻き癖、トリムカット性、耐貫通性を評価した。また、上記で作製した太陽電池モジュールについての高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。結果を併せて表2に示す。
(実施例2〜13、15、16、比較例1〜7)
第一の樹脂層12aと第二の樹脂層12b、裏面保護層15を表2〜4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し、高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。また、各実施例及び比較例の第一の樹脂層および第二の樹脂層につき、実施例1と同様に各評価を行った。結果を表2〜4に示す。なお、比較例5及び6では、第二の樹脂層は用いなかった。比較例5及び6については、樹脂層の取り扱い性が低い、あるいはラミネート適正が低いため、太陽電池モジュールの高温高湿試験は実施していない。
(実施例14)
図2の構成となるように、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)の熱板上に、表面保護層11として縦100mm×横100mm×厚さ4mmのガラス上に太陽電池セル(B)13として縦80mm×横80mmのアモルファスシリコン太陽電池セルが形成されたもの、第一の樹脂層12aとして太陽電池セルの主面の面積と同じ大きさになるように切り出したPVBシート−1、第二の樹脂層12bとして縦100mm×横100mm×厚さ0.40mmの市販されているファストキュアタイプのEVAシート、及び裏面保護層15として大きさ100mm×100mm、厚さ4mmのガラスをこの順に積層した以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し、高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。結果を表3に示す。
(実施例17)
図3の構成となるように、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)の熱板上に、裏面保護層15として縦100mm×横100mmの市販のバックシート(表面上にEVA易接着処理がされているポリエステルシート)、第二の樹脂層12bとして縦100mm×横100mm×厚さ0.40mmの市販されているファストキュアタイプのEVAシート、第一の樹脂層12aとして太陽電池セルの主面の面積と同じ大きさになるように切り出したPVBシート−1、太陽電池セル(B)13として縦80mm×横80mmのガラス基材14上にアモルファスシリコン太陽電池セルが形成されたもの、さらに第二の樹脂層12b、表面保護層として縦100mm×横100mmの市販のフロントシート(表面にコロナ処理を施したテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体シート)をこの順に積層した以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し、高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2015008285
Figure 2015008285
Figure 2015008285
(実施例18)
図4の構成となるように、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)の熱板上に、裏面保護層15として縦120mm×横110mm×厚さ3.2mmの白板ガラス、第二の樹脂層12bとして縦120mm×横110mm×厚さ0.25mmのPVBシート−1、縦100mm×横90mmのガラス基材14上に形成されたCIGSからなる太陽電池セル13(第二の樹脂層側に基材が接するように配置)、第一の樹脂層12aとして太陽電池セルの主面の面積と同じ大きさになるように切り出したPVBシート−1、さらに第二の樹脂層12bとしてPVBシート−1、表面保護層11として縦120mm×横110mm×厚さ3.2mmの白板ガラスをこの順に積層し、下記のラミネート条件で太陽電池モジュールを作製した。
<条件>
熱板温度 :140℃
真空引き時間:12分
プレス圧力 :50kPa
プレス時間 :17分
実施例18で用いた第一の樹脂層および第二の樹脂層につき、実施例1と同様に、ラミネート適正、巻き癖、トリムカット性、耐貫通性を評価した。また、上記で作製した太陽電池モジュールについての高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。結果を併せて表5に示す。
(実施例19〜26、比較例8〜10)
第一の樹脂層と第二の樹脂層を表5および表6に示すとおりに変更した以外は、実施例18と同様にして太陽電池モジュールを作製し、高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。また、各実施例の第一の樹脂層および第二の樹脂層につき、実施例1と同様に各評価を行った。結果を表5および6に示す。
(実施例27、比較例11及び12)
図5の構成となるように、真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製 1522N)の熱板上に、裏面保護層15として縦120mm×横110mm×厚さ3.2mmの白板ガラス上に縦100mm×横90mmのCIGSからなる太陽電池セル13が形成されたもの、縦120mm×横110mm×厚さ0.25mmの表5または表6に記載の第一の樹脂層12a、縦120mm×横110mm×厚さ0.25mmの表5または表6に記載の第二の樹脂層12b、表面保護層として縦120mm×横110mm×厚さ3.2mmの白板ガラスをこの順に積層し、実施例1と同じラミネート条件で太陽電池モジュールを作製し、高温高湿試験を行い、暴露後の変換効率の低下率(%)を算出した。また、各実施例および比較例の第一の樹脂層および第二の樹脂層につき、実施例1と同様に評価した。結果を表5および6に示す。なお、比較例11及び12では、第二の樹脂層は用いなかった。比較例11及び12については、樹脂層の取り扱い性が低い、あるいはラミネート適正が低いため、太陽電池モジュールの高温高湿試験は実施していない。
Figure 2015008285
Figure 2015008285
第一の樹脂層として可塑剤量が20質量部以下であるPVBシートを用いることで、変換効率の低下が小さい太陽電池モジュールが得られる。また、塩素量が100ppm以下のPVBシートを用いることで、より変換効率の低下が小さい太陽電池モジュールが得られる。また、第二の樹脂層としてEVAシートを用いることで、耐貫通性が向上する太陽電池モジュールが得られ、ゴムを含有するPVBシート−8を用いると、さらに耐貫通性が向上する。
本発明の太陽電池モジュールは、端部に耐水シール処理を施さない場合にも金属成分の腐食を低減でき、高温高湿下で長期間使用した場合でも発電効率の低下が少なく長寿命であり、トリムカット性などモジュール製造工程での取り扱い性に優れる。また、より耐久性が求められるフレキシブル太陽電池についても長寿命な太陽電池モジュールを提供できる。
11 表面保護層
12a 第一の樹脂層(ポリビニルアセタール樹脂層)
12b 第二の樹脂層
13 太陽電池セル
14 基材
15 裏面保護層

Claims (24)

  1. 表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)及び第二の樹脂層(E)が積層され、ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)の厚さが600μm以下であり、ポリビニルアセタール樹脂層(D)が太陽電池セル(B)の少なくとも一面と接するように配置され、第二の樹脂層(E)が表面保護層(A)と裏面保護層(C)との少なくとも一方と接するように配置されている、太陽電池モジュール。
  2. ポリビニルアセタール樹脂層(D)中のポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が10質量部以下である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. ポリビニルアセタール樹脂層(D)の塩素含有量が100ppm以下である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. ポリビニルアセタール樹脂層(D)がさらにゴムを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. ゴムのガラス転移温度が−10℃以下である、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部以下である組成物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール樹脂層(D)と異なる組成を有する組成物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 第二の樹脂層(E)が、ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量が20質量部より多い組成物からなる、請求項7に記載の太陽電池モジュール。
  9. 第二の樹脂層(E)が、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のコポリマー、アイオノマー、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルクロリド)、ポリエチレン、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン系エラストマーおよびエポキシ樹脂からなる群から選択される1つ以上を含有する組成物からなる、請求項7に記載の太陽電池モジュール。
  10. 太陽電池セル(B)がシリコン系太陽電池セルである、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  11. 太陽電池セル(B)が化合物系太陽電池セルである、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  12. 表面保護層(A)、太陽電池セル(B)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、第二の樹脂層(E)、裏面保護層(C)の順で積層される、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  13. 表面保護層(A)、第二の樹脂層(E)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、太陽電池セル(B)、裏面保護層(C)の順で積層される、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  14. 表面保護層(A)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、太陽電池セル(B)、第二の樹脂層(E)、裏面保護層(C)の順で積層される、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  15. 表面保護層(A)、第二の樹脂層(E)、太陽電池セル(B)、ポリビニルアセタール樹脂層(D)、裏面保護層(C)の順で積層される、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  16. 表面保護層(A)とポリビニルアセタール樹脂層(D)との間にさらに別の第二の樹脂層(E)が積層されている、請求項14記載の太陽電池モジュール。
  17. ポリビニルアセタール樹脂層(D)と裏面保護層(C)の間にさらに別の第二の樹脂層(E)が積層されている、請求項15記載の太陽電池モジュール。
  18. ポリビニルアセタール樹脂層(D)と表面保護層(A)または裏面保護層(C)との間に、第二の樹脂層(E)が積層されている、請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  19. ポリビニルアセタール樹脂層(D)の主面の面積が太陽電池セル(B)の主面の面積以上の大きさであり、表面保護層(A)及び裏面保護層(C)の主面の面積よりも小さい、請求項1〜18のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  20. ポリビニルアセタール樹脂層(D)または第二の樹脂層(E)が着色されたものである、請求項1〜19のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  21. 着色が白色または黒色である、請求項20記載の太陽電池モジュール。
  22. 表面保護層(A)が、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレンおよびポリアミドからなる群から選択される1つ以上の材料からなる、請求項1〜21のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  23. 裏面保護層(C)が、金属、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド及び無機物蒸着ポリエステルからなる群から選択される1つ以上の材料からなる、請求項1〜22のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の太陽電池モジュールを製造する製造方法であって、100℃以上200℃以下かつ減圧である条件でラミネートする、太陽電池モジュールの製造方法。
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