JP2017071771A - ポリビニルアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリビニルアセタールと可塑剤を含有し、JIS K7210−2014のB法に準じて190℃、5kg荷重の条件で測定されるMFRが3〜80g/10minであることを特徴とするポリビニルアセタール樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物に関する。
ポリビニルアセタールは、強靭性、無機物への密着性、有機溶剤への溶解性等に優れていることから、例えば、塗料、ウォッシュプライマー、セラミックス用バインダー、合わせガラス用中間膜等の用途に広く利用されている。
ポリビニルアセタールは、通常、可塑剤を配合して可塑化したうえで、押し出し法により成形して、種々の用途に供している(例えば、特許文献1)。しかしながら、可塑化したポリビニルアセタールは、成形後の成形物の貯蔵弾性率が低く、例えば、ドアモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール等の自動車用や、サッシ等の建材用や、OA機器ハウジングやディスプレイ筺体等の構造部材用樹脂成型品等の用途には供することができないという問題があった。
特開2005−325278号公報
本発明は、上記現状に鑑み、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタールと可塑剤を含有し、JIS K7210−2014のB法に準じて190℃、5kg荷重の条件で測定されるMFRが3〜80g/10minであるポリビニルアセタール樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリビニルアセタールと可塑剤を含有するポリビニルアセタール樹脂組成物において、190℃におけるMFRを一定の範囲に調整することにより、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、ポリビニルアセタールと可塑剤を含有するものであって、190℃におけるMFRの下限が3g/10min、上限が80g/10minである。190℃におけるMFRをこの範囲内とすることにより、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できる。190℃におけるMFRの好ましい下限は5g/10min、好ましい上限は70g/10minであり、より好ましい下限は8g/10min、より好ましい上限は60g/10minであり、更に好ましい下限は10g/10min、更に好ましい上限は50g/10minであり、特に好ましい下限は15g/10min、特に好ましい上限は40g/10minである。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の190℃におけるMFRは、JIS K7210−2014のB法に準じて、190℃、5kg荷重の条件で、比重を1.0g/mlとして測定、算出することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、20℃における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であることが好ましい。20℃における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であることにより、本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、ドアモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール等の自動車用や、サッシ等の建材用や、OA機器ハウジングやディスプレイ筺体等の構造部材用樹脂成型品等の用途にも好適に用いることができる。20℃における貯蔵弾性率G’は2×10Pa以上であることがより好ましく、3×10Pa以上であることが更に好ましい。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における貯蔵弾性率G’の上限は特に限定されないが、ポリビニルアセタールの化学的性質上、1×10Pa程度が実質的な上限である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における貯蔵弾性率G’は、例えばARES−G2(TAINSTRUMENTS社製)、DVA−200(アイティー計測制御社製)等の動的粘弾性測定装置により、降温速度3℃/分、周波数1Hz、歪1%の条件にて測定することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、20℃における引張破断強度が20MPa以上であることが好ましい。20℃における引張破断強度が20MPa以上であることにより、本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、ドアモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール等の自動車用や、サッシ等の建材用や、OA機器ハウジングやディスプレイ筺体等の構造部材用樹脂成型品等の用途にも好適に用いることができる。20℃における引張破断強度は30MPa以上であることがより好ましく、35MPa以上であることが更に好ましく、40MPa以上であることが特に好ましい。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における引張破断強度の上限は特に限定されないが、ポリビニルアセタールの化学的性質上、70MPa程度が実質的な上限である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における引張破断強度は、JIS K 7161:2014に準じて測定することができる。
上記ポリビニルアセタールは、例えば、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られたポリビニルアルコールを、触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールを触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化する際には、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般的には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。
即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)であることが好ましい。上記ポリビニルブチラールは、被着体に対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等にも優れる。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールは、平均重合度の好ましい下限が500、好ましい上限が1000である。平均重合度がこの範囲内のポリビニルアセタールを選択し、後述する可塑剤の含有量を調整することにより、ポリビニルアセタール樹脂組成物の190℃におけるMFRを所期の範囲に容易に調整することができる。上記ポリビニルアセタールの平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は900である。
なお、本明細書においてポリビニルアセタールの平均重合度は、JIS K6728:1977年に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。ポリビニルアセタール樹脂が2種以上のポリビニルアセタール樹脂の混合物である場合は、混合後のポリビニルアセタール樹脂全体の見掛け上の粘度平均重合度を意味する。
また、ポリビニルアセタールの平均重合度は、ポリビニルアセタールの製造に用いられるポリビニルアルコールの平均重合度に等しい。つまり、ポリビニルアルコール樹脂と、そのポリビニルアルコール樹脂をアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂とは、重合度が等しい。
上記ポリビニルアセタールの水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記水酸基量がこの範囲内であると、被着体に対する高い接着性を発揮できるとともに、耐湿性や耐候性を向上させることができる。上記水酸基量のより好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%であり、より好ましい上限は40モル%、更に好ましい上限は38モル%、更により好ましい上限は36モル%、特に好ましい上限は35モル%である。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量がこの範囲内であると、耐湿性や耐候性を向上させることができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%であり、より好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル基量を上記範囲に調整する方法として、例えば、上記ポリビニルアルコールの鹸化度を調整する方法が挙げられる。即ち、上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は、上記ポリビニルアルコールの鹸化度に依存するものであり、鹸化度が低いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は大きくなり、鹸化度が高いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は小さくなる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は50モル%、好ましい上限は85モル%である。上記アセタール化度がこの範囲内であると、ポリビニルアセタールを製造するために必要な反応時間を短縮できる。上記アセタール化度のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。上記アセタール化度のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を調整する方法として、例えば、上記アルデヒドの添加量を調整する方法が挙げられる。上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は高くなる。
上記可塑剤は、ポリビニルアセタール樹脂組成物の柔軟性を向上させ、押し出し法による成形を可能にする役割を有する。
上記可塑剤は特に限定されず、従来公知の可塑剤を用いることができる。具体的には例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、有機酸エステル可塑剤が好適である。また、上記可塑剤は、液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸と、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールとの反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
上記有機酸エステル可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。上記ジエステル可塑剤を用いることにより、成形性が向上する。
−CO−(−R−O−)−CO−R (1)
式(1)中、R及びRはそれぞれ炭素数5〜10(好ましくは炭素数6〜10)の有機基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
上記有機酸エステル可塑剤は、具体的には例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートが更に好ましい。
上記可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が25重量部である。上記ポリビニルアセタールとして平均重合度が500〜1000であるポリビニルアセタールを選択し、かつ、上記可塑剤の含有量をこの範囲に調整することにより、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物を得ることができる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は20重量部であり、更に好ましい下限は5重量部、更に好ましい上限は15重量部である。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、更に必要に応じて、接着力調整剤、粘着付与樹脂、可塑剤、乳化剤、軟化剤、微粒子、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、押し出し法により容易に成形することができる。押し出し法は、生産効率に優れ、本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物を種々の用途に供することができる。このように容易に押し出し法により成形できるにも係わらず、本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できる。このため、本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物は、ドアモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュール等の自動車用や、サッシ等の建材用や、OA機器ハウジングやディスプレイ筺体等の構造部材用樹脂成型品等の用途にも好適に用いることができる。更に、成形後のポリビニルアセタール樹脂組成物は、自着抑制効果も発揮されることから、マスターバッチ化したときに合着することを防止でき、かつ、成形品を重ねて保管したときにも成形品同士が合着することを防止することができ、極めて優れた取り扱い性を発揮することができる。
本発明によれば、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
<ポリビニルブチラールの調製>
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度1700、鹸化度99.3モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラール樹脂が析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラール樹脂を水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール1(PVB1)を得た。
得られたPVB1は、平均重合度1700、水酸基量31.3モル%、アセチル基量0.7モル%、ブチラール化度(Bu化度)68.0モル%であった。
更に、原料となるポリビニルアルコールを選択し、ブチラール化の条件を整えて、ポリビニルブチラール2(PVB2)〜ポリビニルブチラール5(PVB5)を調製した。
得られた各ポリビニルブチラールについて、表1に示した。
Figure 2017071771
(実施例1)
PVB2の100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)25.0重量部を添加し、充分に混練してポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂組成物について、JIS K7210−2014のB法に準じて、190℃、5kg荷重の条件で比重を1.0g/mlとしてMFRを測定、算出したところ、56.6g/10minであった。
(実施例2〜6、比較例1〜6)
ポリビニルブチラールの種類及び可塑剤の含有量を表2のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、MFRを求めた。
(評価)
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)押し出し成形性の評価
小型押出機(東洋精機社製、ラボプラストミル)にTダイを装着し、押出温度80〜190℃、金型出口温度190℃の条件で、得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を押出し製膜して、押出成形性を確認した。製膜できた場合を「○」と、製膜困難であった場合を「×」と評価した。
(2)貯蔵弾性率G’の測定
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を、190℃の温度条件で押し出し成形して、厚み200μmのシート状成形体を得た。
得られたシート状成形体について、動的粘弾性測定装置ARES−G2(TAINSTRUMENTS社製)を用いて、降温速度3℃/分、周波数1Hz、歪1%の条件にて20℃における貯蔵弾性率G’を測定した。
(3)引張破断強度の測定
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を、190℃の温度条件で押し出し成形して、厚み200μmのシート状成形体を得た。
得られたシート状成形体を裁断して10mm幅×約100mm長×厚さ約0.2mmの測定試料を得た。
得られた測定試料について、JIS K 7161:2014に準拠して破断強度を測定した。即ち、測定試料を初期チャック間隔10mmでチャック間に固定し、20℃の恒温槽に投入した。温度が安定した後、テンシロンRTC(オリエンテック社製)を用い、引張速度50mm/minの条件で引っ張り、破断強度を測定した。
Figure 2017071771
本発明によれば、押し出し法による成形が可能であり、かつ、成形後は常温で高い貯蔵弾性率を発揮できるポリビニルアセタール樹脂組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. ポリビニルアセタールと可塑剤を含有し、JIS K7210−2014のB法に準じて190℃、5kg荷重の条件で測定されるMFRが3〜80g/10minであることを特徴とするポリビニルアセタール樹脂組成物。
  2. 20℃における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
  3. 20℃における引張破断強度が20MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
  4. ポリビニルアセタールの平均重合度が500〜1000であり、かつ、ポリビニルアセタール100重量部に対する可塑剤の含有量が1〜25重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
  5. ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
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