JP2017071771A - ポリビニルアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の190℃におけるMFRは、JIS K7210−2014のB法に準じて、190℃、5kg荷重の条件で、比重を1.0g/mlとして測定、算出することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における貯蔵弾性率G’の上限は特に限定されないが、ポリビニルアセタールの化学的性質上、1×109Pa程度が実質的な上限である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における貯蔵弾性率G’は、例えばARES−G2(TAINSTRUMENTS社製)、DVA−200(アイティー計測制御社製)等の動的粘弾性測定装置により、降温速度3℃/分、周波数1Hz、歪1%の条件にて測定することができる。
本発明のポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における引張破断強度の上限は特に限定されないが、ポリビニルアセタールの化学的性質上、70MPa程度が実質的な上限である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂組成物の20℃における引張破断強度は、JIS K 7161:2014に準じて測定することができる。
上記ポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールを触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化する際には、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。
即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)であることが好ましい。上記ポリビニルブチラールは、被着体に対する接着力が適切に発現し、耐光性、耐候性等にも優れる。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
なお、本明細書においてポリビニルアセタールの平均重合度は、JIS K6728:1977年に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。ポリビニルアセタール樹脂が2種以上のポリビニルアセタール樹脂の混合物である場合は、混合後のポリビニルアセタール樹脂全体の見掛け上の粘度平均重合度を意味する。
また、ポリビニルアセタールの平均重合度は、ポリビニルアセタールの製造に用いられるポリビニルアルコールの平均重合度に等しい。つまり、ポリビニルアルコール樹脂と、そのポリビニルアルコール樹脂をアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂とは、重合度が等しい。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記可塑剤は特に限定されず、従来公知の可塑剤を用いることができる。具体的には例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、有機酸エステル可塑剤が好適である。また、上記可塑剤は、液状可塑剤であることが好ましい。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
R1−CO−(−R3−O−)p−CO−R2 (1)
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ炭素数5〜10(好ましくは炭素数6〜10)の有機基を表し、R3はエチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度1700、鹸化度99.3モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラール樹脂が析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラール樹脂を水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール1(PVB1)を得た。
得られたPVB1は、平均重合度1700、水酸基量31.3モル%、アセチル基量0.7モル%、ブチラール化度(Bu化度)68.0モル%であった。
得られた各ポリビニルブチラールについて、表1に示した。
PVB2の100重量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)25.0重量部を添加し、充分に混練してポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂組成物について、JIS K7210−2014のB法に準じて、190℃、5kg荷重の条件で比重を1.0g/mlとしてMFRを測定、算出したところ、56.6g/10minであった。
ポリビニルブチラールの種類及び可塑剤の含有量を表2のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、MFRを求めた。
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
小型押出機(東洋精機社製、ラボプラストミル)にTダイを装着し、押出温度80〜190℃、金型出口温度190℃の条件で、得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を押出し製膜して、押出成形性を確認した。製膜できた場合を「○」と、製膜困難であった場合を「×」と評価した。
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を、190℃の温度条件で押し出し成形して、厚み200μmのシート状成形体を得た。
得られたシート状成形体について、動的粘弾性測定装置ARES−G2(TAINSTRUMENTS社製)を用いて、降温速度3℃/分、周波数1Hz、歪1%の条件にて20℃における貯蔵弾性率G’を測定した。
実施例及び比較例で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物を、190℃の温度条件で押し出し成形して、厚み200μmのシート状成形体を得た。
得られたシート状成形体を裁断して10mm幅×約100mm長×厚さ約0.2mmの測定試料を得た。
得られた測定試料について、JIS K 7161:2014に準拠して破断強度を測定した。即ち、測定試料を初期チャック間隔10mmでチャック間に固定し、20℃の恒温槽に投入した。温度が安定した後、テンシロンRTC(オリエンテック社製)を用い、引張速度50mm/minの条件で引っ張り、破断強度を測定した。
Claims (5)
- ポリビニルアセタールと可塑剤を含有し、JIS K7210−2014のB法に準じて190℃、5kg荷重の条件で測定されるMFRが3〜80g/10minであることを特徴とするポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 20℃における貯蔵弾性率G’が1×107Pa以上であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
- 20℃における引張破断強度が20MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
- ポリビニルアセタールの平均重合度が500〜1000であり、かつ、ポリビニルアセタール100重量部に対する可塑剤の含有量が1〜25重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
- ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のポリビニルアセタール樹脂組成物。
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WO2006035756A1 (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-06 | Kureha Corporation | 近赤外光吸収材料及び積層体 |
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JP2015008285A (ja) * | 2013-05-31 | 2015-01-15 | 株式会社クラレ | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 |
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