JP2015007699A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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有理子 ▲高▼田
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佐竹 徹也
Tetsuya Satake
徹也 佐竹
中川 直紀
Naoki Nakagawa
直紀 中川
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Abstract

【課題】液晶パネルが湾曲された液晶表示装置において、別の問題を可及的に生じることなく、表示ムラを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置は、可撓性を有する液晶パネル11と、液晶パネル11の後面及び前面をそれぞれ挟み込む透明な後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13と、後面偏光板14及び前面偏光板15とを備える。後面偏光板14及び前面偏光板15の少なくともいずれか一方は、液晶パネル11に貼り付けられずに後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13のうち隣接する一方に貼り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に液晶パネルが湾曲された液晶表示装置及びその製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、軽量、薄型、及び低消費電力の特徴を有しており、パーソナルコンピュータや携帯情報機器などの表示装置としてよく使用されている。
液晶表示装置は、画素電極を有するアレイ基板と、共通電極を有するカラーフィルタ基板とを互いに貼り合わせ、それら基板の間(一対の基板間)に液晶層を挟持して成る液晶パネルを備える。この構成において、画素単位で、画素電極及び共通電極の間に電圧を印加して液晶層の液晶の分子配向を変化させることにより、液晶パネルを通過する光の透過率を制御する。これにより、液晶表示装置では、所望の画像などを表示することが可能となっている。
近年、これまで平板状であった液晶パネルを任意の曲率で湾曲させた液晶表示装置が、デザイン面から要求されている。このような要求に対し、可撓性を有する液晶パネルを形成し、当該液晶パネルを湾曲形状に変形させた状態で固定する技術が様々に提案されている。例えば、特許文献1には、剛性が高い筐体に設けた湾曲形状の溝に、液晶パネルを嵌合させて湾曲形状に保持した液晶表示装置が提案されている。
液晶パネルが湾曲された液晶表示装置においては、液晶パネルの四隅周辺などに表示ムラが発生する。そこで、表示ムラが発生するという課題を解決するための技術が様々に提案されている。例えば、特許文献2には、アレイ基板等のパネル基板と、偏光板等の板状体とを接合する接合部において、面内方向より垂直方向の接着力が強い構造にする(好ましくは接合部を液状物質とする)ことによって、上記表示ムラや画像の歪みを抑制する技術が提案されている。また、例えば、特許文献3には、液晶パネルのシール材の平面視での角部の形状を、表示領域から外側に突出させた形状とすることで、液晶パネルの角部分での応力集中を低減し、ひいては表示ムラを軽減する技術が提案されている。
特開平11−38395号公報 特開2011−164503号公報 特開2010−217234号公報
しかしながら、特許文献2の技術では、画像の歪みを抑制する効果を高めるために、上記接合部における面内方向の接着力を、垂直方向よりも十分に小さくした場合には、接合体自体が、パネル基板と板状体との間の適した位置に留まることができなくなったり、板状体が面内方向の適した範囲からはみ出たりするという問題が生じる。一方、接合部の面内方向の接着力を大きくしたり、部分的に板状体をパネル基板に固定したりする方策も考えられるが、その場合には、表示ムラや画像の歪みを抑制する効果を十分に得ることができなくなってしまう。また、特許文献3の技術では、シール材の角部の形状を外側に突出させることから、額縁部分が大きくなるという別の問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、液晶パネルが湾曲された液晶表示装置において、別の問題を可及的に生じることなく、表示ムラを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1及び第2基板によって挟持された液晶層とを備える、可撓性を有する液晶パネルと、予め独立状態で湾曲形状を保持するように加工された、前記液晶パネルの後面及び前面をそれぞれ挟み込む透明な第1及び第2湾曲保護板と、前記液晶パネルの前記後面側に配設された、偏光板を含む第1光学フィルムと、前記液晶パネルの前記前面側に配設された、偏光板を含む第2光学フィルムとを備える。そして、前記第1及び第2光学フィルムの少なくともいずれか一方は、前記液晶パネルに貼り付けられずに前記第1及び第2湾曲保護板のうち隣接する一方に貼り付けられている。
本発明によれば、第1光学フィルム及び第2光学フィルムの少なくともいずれか一方は、液晶パネルに貼り付けられずに第1及び第2湾曲保護板のうち隣接する一方に貼り付けられている。このような構成によれば、別の問題を可及的に生じることなく、液晶パネルが湾曲された液晶表示装置の表示ムラを抑制することができる。
実施の形態1に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るパネルユニットの構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るパネルユニットの構成を示す分解図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの構成を示す平面図である。 実施の形態1に係る液晶パネルの構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るパネルユニットの構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るパネルユニットの構成を示す分解図である。 実施の形態2に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るパネルユニットの構成を示す断面図である。 実施の形態3に係るパネルユニットの構成を示す分解図である。 実施の形態3に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。 実施の形態4に係るパネルユニットの構成を示す断面図である。 実施の形態4に係るパネルユニットの構成を示す分解図である。 実施の形態4に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。
<実施の形態1>
はじめに、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の全体構成について図面を参照しながら説明する。なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではなく、例えば表示画素パターンや膜構成などの図示は省略されている。また、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは本明細書の発明の詳細な説明において共通することである。
まず、本実施の形態1に係る液晶表示装置の構成の概略について、全体構成から構成要素が小さくなる順に説明する。図1は、当該液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。
本実施の形態1に係る液晶表示装置は、パネルユニット1と、バックライトユニット51と、筐体52とを備えて構成されている。
パネルユニット1は、画像などを表示するモジュール部分であり、断面視において湾曲形状を有している。ここでは、湾曲形状のパネルユニット1の凸面を、液晶表示装置の前面である(ここでは液晶表示装置の最前面であり、かつ画像などが表示される表示面である)とし、湾曲形状のパネルユニット1の凹面を、液晶表示装置の後面(背面)であるものとする。ただし、これに限ったものではなく、湾曲形状のパネルユニット1の凹面を、液晶表示装置の前面であるとし、湾曲形状のパネルユニット1の凸面を、液晶表示装置の後面であるものとしてもよい。
バックライトユニット51は、パネルユニット1の後面に対向して設けられ、パネルユニット1に光を照射する光源である。
筐体52は、パネルユニット1の最前面を覆わずにパネルユニット1及びバックライトユニット51を収納する。
図2は、本実施の形態1に係るパネルユニット1の構成を示す断面図であり、図3は、当該パネルユニット1の分解図である。パネルユニット1は、可撓性を有する液晶パネル11と、予め独立状態で湾曲形状を保持するように加工された透明な後面湾曲保護板12(第1湾曲保護板)及び前面湾曲保護板13(第2湾曲保護板)と、後面偏光板14(第1光学フィルム)及び前面偏光板15(第2光学フィルム)と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13を固定するネジなどの固定部材16とを備えて構成されている。
次に、本実施の形態1に係る液晶表示装置の構成の詳細について、液晶パネル11、パネルユニット1、液晶表示装置の全体構成の順に説明する。
<液晶パネル11>
ここでは、液晶パネル11の各構成要素、動作及び製造方法について詳細に説明する。図4は、本実施の形態1に係る液晶パネル11の構成を示す平面図であり、図5は、図4中の一点鎖線で示した切断箇所を矢印A方向からみた断面図である。なお、以下において、液晶パネル11の、液晶表示装置の前面及び後面に対応する面を、それぞれ、液晶パネル11の前面及び後面として説明する。
液晶パネル11は、アレイ基板21(第1基板)と、アレイ基板21と対向配置されたカラーフィルタ基板22(第2基板)と、液晶からなる液晶層23と、シール材24(図4ではカラーフィルタ基板22によって隠れるため破線で示される)と、端子25と、FFC(Flexible Flat Cable)26と、制御基板27とを備えて構成されている。
ただし、本明細書の発明の詳細な説明においては、特記する場合を除いて、液晶パネル11は、アレイ基板21、カラーフィルタ基板22、液晶層23及びシール材24からなる部分を意味するものとする。なお、液晶パネル11のうち当該部分以外の構成(端子25、FFC26及び制御基板27)の図示は、適宜省略される。
アレイ基板21は、図示しないが、透明基板であるガラス基板と、液晶を配向させる配向膜と、配向膜の下部に設けられ液晶を駆動するための電圧を印加する画素電極と、画素電極との間に電界を生じさせて液晶を駆動する共通電極と、画素電極に電圧を供給するTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子と、スイッチング素子を覆う絶縁膜と、スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線とを含んでいる。なお、配向膜、画素電極、共通電極、スイッチング素子、絶縁膜、ゲート配線及びソース配線は、アレイ基板21のガラス基板の一方の面のうち、画像などを表示する表示領域29(図4では矩形状の領域)上に形成される。
アレイ基板21の表示領域29外には、スイッチング素子に供給すべき駆動信号などの信号を受け入れる端子25などが形成されている。制御基板27は、駆動信号を生成する駆動用IC(Integrated Circuit)などを装備しており、FFC26を介して端子25と電気的に接続されている。
一方、カラーフィルタ基板22は、図示しないが、透明基板であるガラス基板と、液晶を配向させる配向膜と、配向膜の下部に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などとを含んでいる。なお、配向膜、カラーフィルタ及び遮光層は、カラーフィルタ基板22のガラス基板の一方の面のうち、図4に示される表示領域29上に形成される。
シール材24は、例えば樹脂からなり、対向配置されたアレイ基板21及びカラーフィルタ基板22を貼り合わせる。図4に示されるように、シール材24は、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22により形成される表示領域29を囲うようなパターンに形成されている。
このシール材24によって囲まれ、かつ、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22との間に形成される隙間には、液晶が注入されて液晶層23が形成されている。すなわち、液晶層23は、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22によって挟持されている。
なお、図示しないが、シール材24のパターンとして、当該液晶を注入するための注入口が形成されており、液晶パネル11の完成時には当該注入口が封止材によって封止される。また、図示しないが、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22は、両基板間の距離を一定に保持するためのギャップ材を介して貼り合わされている。ギャップ材としては、両方のガラス基板上に散布された粒状のギャップ材を用いてもよいし、一方のガラス基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のギャップ材を用いてもよい。
次に、液晶パネル11の動作について説明する。制御基板27から駆動信号などの電気信号が入力されると、スイッチング素子の制御に応じて画素電極及び共通電極に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶の分子の配向方向ひいては偏光方向が制御される。そして、バックライトユニット51から発せられた光が、後面偏光板14、アレイ基板21、液晶層23及びカラーフィルタ基板22を通過した後、前面偏光板15にて透過または遮断される。そして、前面偏光板15にて透過された光は、観察者側に向かう。このような光の透過及び遮断が、各画素において行われることにより、液晶表示装置の最前面のうち表示領域29において、画像などが表示される。
なお、以上では、アレイ基板21に共通電極及び画素電極が設けられ、液晶層23において横方向に向く電界を両電極間に発生させる横電界方式の一つであるIPS(In Plane Switching)モードの液晶パネルを想定して説明したが、これは一例であり液晶パネルは他のモードであってもよい。例えば、液晶パネル11の動作モードは、VA(Vertically Aligned)モード、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、または、強誘電性液晶モードなどであってもよい。また、駆動方法は、単純マトリックスまたはアクティブマトリックスなどであってもよい。さらに、上述の液晶パネル11は、通常の透過型の液晶パネルであったが、これに限ったものではなく、反射型、または、両者を併せ持つ半透過型の液晶パネルであってもよい。
次に、液晶パネル11の製造方法について説明する。アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の製造方法については一般的な方法を用いるため、簡単に説明する。アレイ基板21は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子や画素電極、端子、トランスファ電極などを形成することによって製造される。同様に、カラーフィルタ基板22は、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタや画素電極などを形成することによって製造される。
次に、アレイ基板21とカラーフィルタ基板22とを貼り合わせるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極が形成されているアレイ基板21を洗浄する。次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板21の画素電極が形成された面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミドからなる有機膜を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。また、カラーフィルタ基板22についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理を行うことにより配向膜を形成する。続いて、シール材24を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板21またはカラーフィルタ基板22の一方の面にシール材となる樹脂(例えば、エポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂など)の塗布処理を行う。
それから、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22を互いに対向するように配置した後、各々の基板に形成された画素がそれぞれ対応するように位置合わせを行いながら、貼り合わせを行う。以上のように貼り合わされたアレイ基板21及びカラーフィルタ基板22に対して、シール材24の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシール材の材質に合わせて熱を加えたり、紫外線を照射したりすることによって行われる。
続いて、これまでに形成された構造が可撓性を有するように(湾曲化が可能となるように)、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の外側主面を削る薄型化研磨工程を行う。この工程は、例えば薬液を用いた化学研磨や、研磨材を用いて擦る物理研磨などによりガラス基板の主面を削ることにより行われる。本実施の形態1では、薬液を用いた化学研磨により、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の厚さをいずれも0.2mmとした。
次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を、個々の液晶パネル11対応する個別セルに分断する。セル分断工程後の液晶注入工程にて、真空中でシール材24の液晶注入口から、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の間に液晶層23となる液晶を注入する。さらに、封止工程において、例えば光硬化型樹脂を液晶注入口に塗布し、光を照射することにより液晶注入口の封止が行われる。続いて、制御基板実装工程においてFFC26を介して制御基板27をアレイ基板21に実装する。
以上により、偏光板が貼付されていない液晶パネル11が完成する。
<パネルユニット1>
まず、本実施の形態1に係るパネルユニット1について説明する前に、それと関連するパネルユニット(以下「関連パネルユニット」と記す)について説明する。関連パネルユニットでは、上述の液晶パネル11の両面に偏光板を貼り付けてなる液晶パネル(以下「関連液晶パネル」と記す)を備えている。そして、関連液晶パネルが、保持部材に挟み込まれたり、嵌め込まれたりすることによって湾曲化されている。
このような関連パネルユニットでは、湾曲された偏光板を元の平板状に戻そうとする復元力が、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22に応力として印加される結果、関連液晶パネルに表示ムラが発生していた。また、関連パネルユニットでは、偏光板の分だけ関連液晶パネルの柔軟性(可撓性)が損なわれる(曲げ弾性率が高くなる)ことから、関連液晶パネルを湾曲させるのに比較的大きな力を要することになり、関連パネルユニットを組立てることが困難であった。これに対して、本実施の形態1に係るパネルユニット1では、以下で説明するように、これらの問題を解決することが可能となっている。
まず、図2及び図3を用いて、パネルユニット1の各構成要素について詳細に説明する。パネルユニット1は、上述した可撓性を有する液晶パネル11と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13と、後面偏光板14及び前面偏光板15と、固定部材16とを備えて構成されている。
後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13は、独立状態で湾曲形状を保てるように予め加工された、湾曲形状を有する透明な湾曲基板である。すなわち、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13は、外部からの力が印加されていなくても、湾曲形状を維持するように構成されている。なお、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13の材質には、例えば、アクリルが用いられる。
図2及び図3に示されるように、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13は、液晶パネル11の後面及び前面をそれぞれ挟み込んでいる。すなわち、後面湾曲保護板12は、液晶パネル11の後面側に配設された湾曲保護板であり、前面湾曲保護板13は、液晶パネル11の前面側に配設された湾曲保護板である。
後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13に挟み込まれた液晶パネル11は湾曲されている。本実施の形態1では、長辺方向の長さが約200mmであり、短辺方向の長さが約120mmである表示領域29を有する長方形状の液晶パネル11を、短辺方向からみて長辺方向の中央部分が前面湾曲保護板13側に凸となるように、曲率半径400mmで湾曲されているものとする。ただし、これは一例であって、液晶パネル11の表示領域29は上記以外の大きさであってもよく、また、長辺方向からみて短辺方向の中央部分が前面湾曲保護板13側に凸となるように湾曲されてもよく、また、曲率が一定でない放物線のような形状で湾曲されてもよい。なお、湾曲形状のパネルユニット1の凹面を表示面とする場合には、長辺方向または短辺方向の中央部分が前面側に凹となるように湾曲されることになる。
後面偏光板14は、液晶パネル11の後面側に配設された、偏光板を含む第1光学フィルムに対応し、前面偏光板15は、液晶パネル11の前面側に配設された、偏光板を含む第2光学フィルムに対応している。本実施の形態1では、液晶表示装置の表示面(最前面)となる前面偏光板15に、ギラツキ防止(防眩)機能、及び、光の反射防止機能も有する偏光板を用いるものとする。
また、本実施の形態1では、図2及び図3に示されるように、後面偏光板14及び前面偏光板15はいずれも、液晶パネル11に貼り付けられずに、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13のうち隣接する一方に貼り付けられている。ここでは、後面偏光板14は、後面湾曲保護板12に隣接していることから、後面湾曲保護板12に貼り付けられており、前面偏光板15は、前面湾曲保護板13に隣接していることから、前面湾曲保護板13に貼り付けられている。
また、後面偏光板14及び前面偏光板15の厚さは100μm程度とし、薄型化したアレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の厚さと同程度にしているものとする。この場合、後面偏光板14及び前面偏光板15の曲げ弾性率は、薄型化したアレイ基板21及びカラーフィルタ基板22と同程度となる。本実施の形態1に係る液晶表示装置では、曲げ弾性率が比較的大きい後面偏光板14及び前面偏光板15が液晶パネル11に貼り付けられていないことから、液晶パネル11の曲げ弾性率を、偏光板が貼り付けられた上述の関連液晶パネルの曲げ弾性率よりも低減する(柔軟性及び可撓性を向上させる)ことができる。
なお、図示しないが、パネルユニット1は、液晶パネル11の前面と、前面湾曲保護板13との界面に形成(充填)された、空気層よりも屈折率が大きい透明な媒体を備えている。この媒体には、例えば、ボンディング材(接着剤、粘着材、粘着シート等)が用いられる。
固定部材16は、液晶パネル11を湾曲させている後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13を固定する。ここでは、固定部材16は、例えばネジであるとして説明するが、これに限ったものではなく、例えば、熱等により変形しにくい接着剤などであってもよい。また、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13が、上述の粘着シートなどの媒体によって十分に固定することが可能であるのであれば、固定部材16は必須ではない。
次に、パネルユニット1の製造方法(組立方法)について説明する。まず、後面偏光板14及び前面偏光板15を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13のそれぞれに貼り付ける。この貼付工程の際に、例えば、ローラーやフィルム貼付け装置などを用いれば、後面偏光板14及び前面偏光板15を気泡なく貼付することができる。
続いて、前面湾曲保護板13に上述の媒体(ここでは粘着シート)を、ローラー装置などを用いて貼り付けた後、前面湾曲保護板13の曲率よりも曲率半径が小さくなるように液晶パネル11を湾曲形状に保持し、前面湾曲保護板13の粘着シートと液晶パネル11との貼り付け部分の両者を、気泡を噛み込まないように加圧しながら、貼り付けていく。上述したように、液晶パネル11には偏光板が貼り付けられておらず、液晶パネル11の柔軟性が向上しているため、この工程において、所望の曲率半径の形状に液晶パネル11を、小さな力で保持することができる。これにより、気泡を逃がしながら液晶パネル11を貼り付けていくことが容易になる。この結果、液晶パネル11と前面湾曲保護板13との界面における外光反射を低減することができ、視認性を高めることができる。
液晶パネル11を前面湾曲保護板13に貼り付けて湾曲させた後、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込む。その後、必要であれば固定部材16によって後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13を固定する。
以上により、パネルユニット1が完成する。なお、以上では、後面偏光板14及び前面偏光板15を貼り付ける工程は、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する工程の前に行うものとして説明したが、これら工程の順序は逆であってもよい。
<全体構成>
ここでは、図1を用いて、液晶表示装置の全体構成について説明する。液晶表示装置は、上述したパネルユニット1と、バックライトユニット51と、筐体52とを備えて構成されている。
バックライトユニット51は、後面湾曲保護板12に関して液晶パネル11と逆側に配設されている。
筐体52は、パネルユニット1とバックライトユニット51とをまとめる機能を有する、金属などからなる部材である。筐体52の構造としては、前面湾曲保護板13の前面のうち表示領域29以外の領域(非表示領域)を覆って、パネルユニット1とバックライトユニット51とを保持する構造であってもよい。しかし、上述のように構成されたパネルユニット1では、すでに後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13が固定されているため、筐体52は、前面湾曲保護板13の前面まで覆う必要はない。
そこで、本実施の形態1では、筐体52(フレーム)は、前面湾曲保護板13の前面を覆わずに、バックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納している。具体的には、筐体52が有する側壁の上部は、前面湾曲保護板13の側面と接着剤などにより固定されている。なお、図1に示されるように、前面偏光板15が筐体52の側壁上部まで延設された構成を製造するのであれば、筐体52にバックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納した後に、前面偏光板15を貼り付ける工程を行えばよい。
<効果>
以上のように構成された本実施の形態1に係る液晶表示装置によれば、後面偏光板14及び前面偏光板15はいずれも、液晶パネル11に貼り付けられずに、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13にそれぞれ貼り付けられている。このような構成によれば、後面偏光板14及び前面偏光板15が、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13によってそれぞれ湾曲形状に保持されるため、後面偏光板14及び前面偏光板15が元の平面に戻ろうとする復元力が、液晶パネル11に応力として印加されることを抑制することができる。したがって、額縁部分を大きくすることなど別の問題を可及的に生じることなく、表示ムラを抑制できる。なお、実施の形態3,4で説明するように、表示ムラを十分に抑制することができる場合には、後面偏光板14のみが、液晶パネル11に貼り付けられずに後面湾曲保護板12(隣接する一方)に貼り付けられてもよいし、前面偏光板15のみが、液晶パネル11に貼り付けられずに前面湾曲保護板13(隣接する一方)に貼り付けられてもよい。
また、本実施の形態1では、液晶パネル11の柔軟性が向上し、液晶パネル11を小さな力で湾曲させることができるので、液晶表示装置を容易に組立てることができる。また、以上で説明したように、液晶パネル11と前面湾曲保護板13との間の界面を、粘着シートなどの媒体で埋めて前面湾曲保護板13に液晶パネル11を貼り付ける場合には、液晶パネル11の柔軟性の向上に伴い、気泡なく貼り付ける作業が容易となる。したがって、表示品位を高めることが期待できる。
また、本実施の形態1では、液晶パネル11の前面と、前面湾曲保護板13との界面に形成された、空気層よりも屈折率が大きい透明な媒体を備えている。これにより、液晶パネル11と前面湾曲保護板13との界面における外光反射を低減することができ、液晶表示装置の視認性を高めることができる。
また、本実施の形態1では、前面偏光板15は、前面湾曲保護板13の液晶パネル11と逆側の面に貼り付けられている。これにより、前面湾曲保護板13の割れを抑制する効果が得られる上、万が一、前面湾曲保護板13が割れることがあったとしても、その破片の飛散を抑制する効果が得られる。
また、以上で説明した本実施の形態1のように、前面偏光板15に、防眩機能及び反射防止機能も有する偏光板を用いた場合には、前面湾曲保護板13の前面に処理を行うことや、防眩機能及び反射防止機能を持つフィルムを別に用意して前面湾曲保護板13に貼り付けるなどの追加処理を行わなくて済む。この結果、コストを低減することが期待できるとともに、液晶表示装置の表示面での外光反射を抑制した視認性の高い液晶表示装置の実現が期待できる。
また、本実施の形態1では、筐体52は、前面湾曲保護板13の前面を覆わずに、バックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納している。このような構成によれば、液晶表示装置の表示面(最前面)の表示領域29と非表示領域との間に筐体52の一部(フレームの一部)による段差がなくなる。これにより、シームレス化が可能となることから、液晶表示装置周辺の部材のデザインに溶け込んだ構成、例えば画像が表示された時点で初めてディスプレイの存在を認識させるような、デザイン性の高い構成を実現することができる。
また、本実施の形態1では、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22は、ガラス基板を含んで構成される。このような構成によれば、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22の電極やカラーフィルタ等の構成要素を形成する工程などにおいて熱が加わっても、ガラス基板の変形が生じ難いことから、当該構成要素を精度よく形成することができる。この結果、表示品位の高い液晶表示装置を実現することができる。
なお、アレイ基板21及びカラーフィルタ基板22は、ガラス基板に限ったものではなく、例えば樹脂基板を含んで構成されてもよい。このような構成によれば、液晶パネル11の製造の際、液晶パネル11を湾曲させる際、または、液晶表示装置を使用している際などに、液晶パネル11が外部から局所的に強い衝撃を受けたとしても、液晶パネル11が破損しにくくなる。この結果、歩留りを高めることができるとともに、信頼性の高い液晶表示装置を実現することができる。
また、本実施の形態1では、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13の材質はアクリルやその他の樹脂としている。このような構成によれば、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13が外部から局所的に強い衝撃を受けたとしても、液晶パネル11が破損しにくくなる。この結果、歩留りを高めることができるとともに、信頼性の高い液晶表示装置を実現することができる。
なお、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13の材質は樹脂に限ったものではなく、例えばガラスであってもよい。このような構成によれば、複屈折が小さくなるため、コントラストを高めることができる。この結果、表示品位の高い液晶表示装置を実現することができる。
上述した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上述した実施形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示された意味及び範囲内と、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
<実施の形態1の変形例>
以上の説明では、媒体(粘着シートなど)を用いたため、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込む前から、液晶パネル11は湾曲されていた。しかしこれに限ったものではなく、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13に当接させて挟み込みながら、液晶パネル11を湾曲させてもよい。
また、以上では、第2光学フィルムは、前面偏光板15のみであるものとして説明したが、これに限ったものではない。例えば、第2光学フィルムは、前面偏光板15と、他の種類の光学フィルム(例えば、防眩機能を有するフィルム、反射防止機能を有するフィルム、及び、広視野角位相差フィルムなど)とを含むものであってもよい。また、他の種類の光学フィルムのうち剛性が比較的高いものを、前面偏光板15とともに貼り付け、それ以外のものを液晶パネル11に貼り付けた構成であってもよい。なお、第1光学フィルムについても同様の変形例を適用することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、後面偏光板14が、後面湾曲保護板12の液晶パネル11と逆側の面に貼り付けられ、前面偏光板15が、前面湾曲保護板13の液晶パネル11と逆側の面に貼り付けられた構成であった。これに対し、本発明の実施の形態2では、後面偏光板14が、後面湾曲保護板12の液晶パネル11側の面に貼り付けられ、前面偏光板15が、前面湾曲保護板13の液晶パネル11側の面に貼り付けられている。ただし、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、後面偏光板14及び前面偏光板15は、液晶パネル11には貼り付けられていないものとする。
図6は、本実施の形態2に係るパネルユニット1の構成を示す断面図であり、図7は、当該パネルユニット1の分解図である。なお、この構成では、後面偏光板14及び前面偏光板15を貼り付ける工程が、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する工程よりも前に行われる。
図8は、本実施の形態2に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。筐体52は、実施の形態1と同様に、前面湾曲保護板13の前面を覆わずに、バックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納している。なお、図8では、筐体52の側壁の上部は、前面湾曲保護板13の端部の下面と接着剤などによって固定されているが、これに限ったものではなく、実施の形態1の固定形態(図1)が適用されてもよい。また、実施の形態1において、図8に示される固定形態が適用されてもよい。
<効果>
以上のような本実施の形態2に係る液晶表示装置では、実施の形態1と同様、後面偏光板14及び前面偏光板15はいずれも、液晶パネル11に貼り付けられずに、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13にそれぞれ貼り付けられている。したがって、実施の形態1と同様に、額縁部分を大きくすることなく、表示ムラを抑制することができ、かつ、液晶パネル11の柔軟性を向上させることができる。
また、本実施の形態2では、後面偏光板14及び前面偏光板15は、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13の液晶パネル11側の面に貼り付けられている。このような構成によれば、後面偏光板14と液晶パネル11との間、及び、前面偏光板15と、液晶パネル11との間に、それぞれ後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13が存在しないため、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13の複屈折によるコントラストの低下が抑制される。したがって、表示品位の高い液晶表示装置を実現することができる。
なお、本実施の形態2において、後面偏光板14及び前面偏光板15を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13にそれぞれ貼り付けた後、実施の形態1と同様に、液晶パネル11の前面と前面偏光板15との界面に、空気層よりも屈折率が大きい媒体を埋めてもよい。この場合には、実施の形態1と同様に、前面湾曲保護板13の媒体(粘着シート)と液晶パネル11との貼り付け部分との間に気泡が生じるのを抑制することができる。したがって、表示品位を高めることが期待できる。
<実施の形態3>
実施の形態1,2では、後面偏光板14及び前面偏光板15が、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13にそれぞれ貼り付けられた構成であった。しかし、後面偏光板14及び前面偏光板15のいずれか一方だけを湾曲保護板に貼り付けるだけでも、表示ムラを十分に抑制することができる。そこで、本発明の実施の形態3では、前面偏光板15が前面湾曲保護板13に貼り付けられている点は実施の形態1,2と同様であるが、後面偏光板14の代わりに、液晶パネル11の後面(アレイ基板21の面)に貼り付けられた偏光板30(第3光学フィルムに対応)を備えている点が実施の形態1,2と異なる。
図9は、本実施の形態3に係るパネルユニット1の構成を示す断面図であり、図10は、当該パネルユニット1の分解図である。
例えば、広視野角偏光板を備えた液晶パネルのように、液晶パネル11の前面に広視野角位相差フィルムが積層される場合などにおいて、第2光学フィルム(前面偏光板15、及び、それとともに形成すべき他の種類の光学フィルム)の合計の厚さが、第1光学フィルム(後面偏光板14、及び、それとともに形成すべき他の種類の光学フィルム)よりも厚くなり、剛性が比較的高くなることがある。このような場合に、液晶パネル11の柔軟性を維持するために、第1及び第2光学フィルムを第1及び第2湾曲保護板にそれぞれ貼り付けてもよいが、第2光学フィルム(前面偏光板15、及び、それとともに形成すべき他の種類の光学フィルム)が、前面湾曲保護板13に貼り付けられ、第1光学フィルムと同等の第3光学フィルム(偏光板30、及び、それとともに形成すべき他の種類の光学フィルム)を液晶パネル11に貼り付けてもよく、この場合にも表示ムラが抑制される。
次に、本実施の形態3に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。液晶パネル11の注入口封止工程まで、実施の形態1と同様の工程を行う。そして、注入口封止工程後に、液晶パネル11の後面(アレイ基板21の面)にのみ、ローラーなどを用いて偏光板30を貼り付ける工程を行い、続いて、制御基板実装工程において制御基板27を実装する。その後、偏光板30が貼り付けられた液晶パネル11を、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する。
その後、後面偏光板14を後面湾曲保護板12に貼り付けずに、前面偏光板15を前面湾曲保護板13に貼り付ける。なお、図9及び図10に示されるように、本実施の形態3では、前面偏光板15を前面湾曲保護板13の液晶パネル11と逆側の面に貼り付ける構成であることから、前面偏光板15を貼り付ける工程は、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する工程の前に行われてもよく、後に行われてもよい。
図11は、本実施の形態3に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。筐体52は、実施の形態1と同様に、前面湾曲保護板13の前面を覆わずに、バックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納している。図11では、筐体52の側壁の上部は、後面湾曲保護板12の端部の下面と接着剤などによって固定されているが、これに限ったものではなく、実施の形態1,2の固定形態(図1,図8)が適用されてもよい。また、実施の形態1,2において、図11に示される固定形態が適用されてもよい。
<効果>
以上のような本実施の形態3に係る液晶表示装置では、液晶パネル11の一方面に、偏光板30が貼り付けられている。これにより、液晶パネル11の製造工程終了から、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定するまでの間などにおいて、液晶パネル11が破損しにくくなる。この結果、歩留りを高めることができるとともに、信頼性の高い液晶表示装置を実現することができる。
なお、実施の形態1と同様に、前面偏光板15に、防眩機能及び反射防止機能も有する偏光板を用いた場合には、コストを低減することが期待できるとともに、液晶表示装置の最前面での外光反射を抑制した視認性の高い液晶表示装置の実現が期待できる。
また、以上では、前面偏光板15が、前面湾曲保護板13の液晶パネル11と逆側の面に貼り付けられた構成について説明したが、これに限ったものではなく、前面湾曲保護板13の液晶パネル11側の面に貼り付けられた構成であってもよい。なお、この構成の製造方法では、前面偏光板15を貼り付ける工程が、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する工程よりも前に行われる。このような構成によれば、実施の形態2と同様に、前面偏光板15と液晶パネル11との間に、前面湾曲保護板13が存在しないため、前面湾曲保護板13の複屈折によるコントラストの低下が抑制される。したがって、表示品位の高い液晶表示装置を実現することができる。
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4では、後面偏光板14が後面湾曲保護板12に貼り付けられている点は実施の形態1,2と同様であるが、前面偏光板15の代わりに、液晶パネル11の前面(カラーフィルタ基板22の面)に貼り付けられた偏光板30(第3光学フィルムに対応)を備えている点が実施の形態1,2と異なる。図12は、本実施の形態4に係るパネルユニット1の構成を示す断面図であり、図13は、当該パネルユニット1の分解図である。
本実施の形態4に係る液晶表示装置の製造方法では、液晶パネル11の注入口封止工程まで、実施の形態1と同様の工程を行う。そして、注入口封止工程後に、液晶パネル11の前面(カラーフィルタ基板22の面)にのみ、ローラーなどを用いて偏光板30を貼り付ける工程を行い、続いて、制御基板実装工程において制御基板27を実装する。その後、前面偏光板15を前面湾曲保護板13に貼り付けずに、後面偏光板14を後面湾曲保護板12に貼り付ける。そして、偏光板30が貼り付けられた液晶パネル11を、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する。
図14は、本実施の形態4に係る液晶表示装置の全体構成を示す断面図である。筐体52は、これまでの実施の形態と異なり、前面湾曲保護板13の前面を覆って、バックライトユニット51と、後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13とを収納している。しかし、これに限ったものではなく、シームレス化を実現したい場合には、実施の形態1〜3の固定形態(図1,図8,図11)が適用されてもよい。また、実施の形態1〜3において、シームレス化が不要である場合には、図14に示される固定形態が適用されてもよい。
<効果>
以上のような本実施の形態4に係る液晶表示装置では、液晶パネル11の一方面に、偏光板30が貼り付けられている。したがって、実施の形態3と同様に、歩留りを高めることができるとともに、信頼性の高い液晶表示装置を実現することができる。
なお、図12〜図14に示される構成では、後面偏光板14が、後面湾曲保護板12の液晶パネル11側の面に貼り付けられている。このような構成によれば、実施の形態2と同様に、後面偏光板14と液晶パネル11との間に、後面湾曲保護板12が存在しないため、後面湾曲保護板12の複屈折によるコントラストの低下が抑制される。したがって、表示品位の高い液晶表示装置を実現することができる。
ただし、図12〜図14に示される構成に限ったものではなく、後面湾曲保護板12の液晶パネル11と逆側の面に貼り付けられた構成であってもよい。なお、この構成の製造方法では、後面偏光板14を後面湾曲保護板12に貼り付ける工程は、液晶パネル11を後面湾曲保護板12及び前面湾曲保護板13で挟み込んで固定する工程よりも前に行われてもよく、後に行われてもよい。
なお、上記実施の形態のうち、実施の形態1,2,3,4は部分的にそれぞれ組み合せてもよい。すなわち、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
11 液晶パネル、12 後面湾曲保護板、13 前面湾曲保護板、14 後面偏光板、15 前面偏光板、21 アレイ基板、22 カラーフィルタ基板、23 液晶層、30 偏光板、51 バックライトユニット、52 筐体。

Claims (11)

  1. 第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1及び第2基板によって挟持された液晶層とを備える、可撓性を有する液晶パネルと、
    予め独立状態で湾曲形状を保持するように加工された、前記液晶パネルの後面及び前面をそれぞれ挟み込む透明な第1及び第2湾曲保護板と、
    前記液晶パネルの前記後面側に配設された、偏光板を含む第1光学フィルムと、
    前記液晶パネルの前記前面側に配設された、偏光板を含む第2光学フィルムと
    を備え、
    前記第1及び第2光学フィルムの少なくともいずれか一方は、前記液晶パネルに貼り付けられずに前記第1及び第2湾曲保護板のうち隣接する一方に貼り付けられている、液晶表示装置。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置であって、
    前記液晶パネルの前記前面と、前記第2湾曲保護板との界面に形成された、空気層よりも屈折率が大きい媒体
    をさらに備える、液晶表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置であって、
    前記第2光学フィルムは、前記第2湾曲保護板の前記液晶パネルと逆側の面に貼り付けられている、液晶表示装置。
  4. 請求項1に記載の液晶表示装置であって、
    前記第1光学フィルムは、前記第1湾曲保護板の前記液晶パネル側の面に貼り付けられ、
    前記第2光学フィルムは、前記第2湾曲保護板の前記液晶パネル側の面に貼り付けられている、液晶表示装置。
  5. 請求項1に記載の液晶表示装置であって、
    前記第2光学フィルムは、前記第2湾曲保護板に貼り付けられ、
    前記第1光学フィルムの代わりに、前記液晶パネルの前記後面に貼り付けられた、偏光板を含む第3光学フィルムを備える、液晶表示装置。
  6. 請求項1に記載の液晶表示装置であって、
    前記第1光学フィルムは、前記第1湾曲保護板に貼り付けられ、
    前記第2光学フィルムの代わりに、前記液晶パネルの前記前面に貼り付けられた、偏光板を含む第3光学フィルムを備える、液晶表示装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液晶表示装置であって、
    前記第1及び第2基板はガラス基板、または、樹脂基板を含む、液晶表示装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液晶表示装置であって、
    前記第1及び第2湾曲保護板の材質はガラス、または、樹脂である、液晶表示装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液晶表示装置であって、
    前記第1湾曲保護板に関して前記液晶パネルと逆側に配設されたバックライトユニットと、
    前記第2湾曲保護板の前記液晶パネルと逆側の面を覆わずに、前記バックライトユニットと、前記第1及び第2湾曲保護板とを収納するフレームと
    を備える、液晶表示装置。
  10. (a)第1基板と、前記第1基板と対向配置された第2基板と、前記第1及び第2基板によって挟持された液晶層とを備える、可撓性を有する液晶パネルを形成する工程と、
    (b)予め独立状態で湾曲形状を保持するように加工された、前記液晶パネルの後面及び前面をそれぞれ挟み込むための第1及び第2湾曲保護板を準備する工程と、
    (c)前記液晶パネルの前記後面側に配設された、偏光板を含む第1光学フィルム、及び、前記液晶パネルの前記前面側に配設された、偏光板を含む第2光学フィルムの少なくともいずれか一方を、前記液晶パネルに貼り付けずに前記第1及び第2湾曲保護板のうち隣接する一方に貼り付ける工程と、
    (d)前記液晶パネルの後面及び前面を前記第1及び第2湾曲保護板でそれぞれ挟み込む工程と
    を備える、液晶表示装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法であって、
    前記工程(c)において、前記第1光学フィルムを前記液晶パネルに貼り付けずに前記第1湾曲保護板の前記液晶パネル側の面に貼り付けるとともに、前記第2光学フィルムを前記液晶パネルに貼り付けずに前記第2湾曲保護板の前記液晶パネル側の面に貼り付け、
    (e)前記工程(c)と前記工程(d)との間において、前記液晶パネルの前記前面と、前記第2光学フィルムとの界面に、空気層よりも屈折率が大きい媒体を埋める工程
    をさらに備える、液晶表示装置の製造方法。
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