JP7476858B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
本発明は、表示装置に関する。
従来、凹部を有する筐体に表示パネルが収納され、当該筐体にガラス等の透明カバーが接着剤を介して取り付けられた構造の表示装置が知られている。この種の表示装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1に記載の表示装置は、ガラスによりなる透明カバーと、凹部、凹部の周囲に配置され、透明カバーの側面を支持する第1支持部および第1支持部よりも内側に配置され、透明カバーの底面を支持する第2支持部を有する筐体とを有してなる。この表示装置は、透明カバーが筐体の凹部を覆うと共に、第1支持部と第2支持部との間に配置された接着剤により筐体に接着された構造とされ、凹部に表示パネルや各種電子部品が収納されている。
近年、表示装置の分野では、透明カバーおよび表示パネルが湾曲した曲面形状とされた曲面表示装置の開発が進められている。本発明者らは、表示パネルが貼り付けられた平板形状の透明カバーを接着剤により曲面を有する筐体に接着し、透明カバーおよび表示パネルが曲面形状とされた曲面表示装置について鋭意検討を行った。その結果、平板形状の透明カバーを冷間曲げしたことに起因して接着剤に応力が集中し、透明カバーが筐体から剥離する新たな課題が判明した。以下、説明の便宜上、平板形状の透明カバーを冷間曲げにより曲面形状にしつつ、接着剤により筐体に接着し、当該透明カバーを曲面形状に保持する方式を「後曲げ方式」と称する。
本発明は、上記の点に鑑み、後曲げ方式により得られる表示装置において、透明カバーの復元力に起因する接着剤への応力を緩和し、透明カバーと筐体との剥離が抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の表示装置は、表示装置であって、可撓性を有する透明カバー(2)と、少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、筐体の前面に配置され、透明カバーと筐体とを接着する接着剤(5)と、透明カバーに貼り付けられ、透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、透明カバーは、筐体の前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凹となる状態で保持されており、リブは、少なくとも一部が前面のうち透明カバーの外郭内側に位置する領域に配置されると共に、透明カバーのうち筐体と向き合う裏面(2b)に当接しており、接着剤は、前面のうちリブに近接し、かつリブよりも内側に位置する領域に配置されている。
この表示装置は、透明カバーが筐体のうち湾曲した前面に接着剤により接着され、前面に追従した湾曲形状であると共に、筐体の前面に設けられたリブにより裏面が支持された構造である。また、この表示装置は、透明カバーが筐体とは反対面の表面が凹となる曲面
形状であり、接着剤が前面のうちリブに近接し、かつリブよりも内側に位置する領域に配置されている。これにより、透明カバーに平板状に戻ろうとする復元力が作用した際に、接着剤の近傍に位置するリブが透明カバーを支持することで当該復元力に起因する接着剤を引き延ばそうとする応力を緩和する。その結果、透明カバーと筐体との剥離を抑制可能な構造の表示装置となる。
形状であり、接着剤が前面のうちリブに近接し、かつリブよりも内側に位置する領域に配置されている。これにより、透明カバーに平板状に戻ろうとする復元力が作用した際に、接着剤の近傍に位置するリブが透明カバーを支持することで当該復元力に起因する接着剤を引き延ばそうとする応力を緩和する。その結果、透明カバーと筐体との剥離を抑制可能な構造の表示装置となる。
請求項2に記載の表示装置は、表示装置であって、可撓性を有する透明カバー(2)と、少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、筐体の前面に配置され、透明カバーと筐体とを接着する接着剤(5)と、透明カバーに貼り付けられ、透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、透明カバーは、筐体の前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凸となる状態で保持されており、リブは、前面のうち透明カバーの外郭よりも内側に位置する領域に配置されると共に、透明カバーのうち筐体と向き合う裏面(2b)に当接しており、接着剤は、前面のうちリブに近接し、かつリブよりも外側に位置する領域に配置されている。
この表示装置は、透明カバーが筐体のうち湾曲した前面に接着剤により接着され、前面に追従した湾曲形状であると共に、筐体の前面に設けられたリブにより裏面が支持された構造である。また、この表示装置は、透明カバーが筐体とは反対面の表面が凸となる曲面
形状であり、接着剤が前面のうちリブに近接し、かつリブよりも外側に位置する領域に配置されている。これにより、透明カバーに平板状に戻ろうとする復元力が作用した際に、接着剤の近傍に位置するリブが透明カバーを支持することで当該復元力に起因する接着剤を引き延ばそうとする応力を緩和する。その結果、透明カバーと筐体との剥離を抑制可能な構造の表示装置となる。
形状であり、接着剤が前面のうちリブに近接し、かつリブよりも外側に位置する領域に配置されている。これにより、透明カバーに平板状に戻ろうとする復元力が作用した際に、接着剤の近傍に位置するリブが透明カバーを支持することで当該復元力に起因する接着剤を引き延ばそうとする応力を緩和する。その結果、透明カバーと筐体との剥離を抑制可能な構造の表示装置となる。
請求項3に記載の表示装置は、表示装置であって、可撓性を有する透明カバー(2)と、少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、筐体の前面に配置され、透明カバーと筐体とを接着する接着剤(5)と、透明カバーに貼り付けられ、透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、透明カバーは、筐体の前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凸の曲面形状である凸領域(21)と、表面が凹の曲面形状である凹領域(22)とを少なくとも1つずつ有する状態で保持されており、リブは、透明カバーのうち筐体と向き合う裏面(2b)に当接すると共に、凸領域に当接する第1リブ(621)と、凹領域に当接する第2リブ(622)と、透明カバーのうち凸領域と凹領域との間に位置する境界領域(23)に当接する第3リブ(623)とを有してなり、接着剤は、前面のうち第1リブに近接し、かつ第1リブよりも内側に位置する領域と、前面のうち第2リブに近接し、かつ第2リブよりも外側に位置する領域と、前面のうち第3リブに近接する領域とにそれぞれ配置されている。
この表示装置は、透明カバーが筐体のうち湾曲した前面に接着剤により接着され、前面に追従した湾曲形状であると共に、筐体の前面に設けられた複数のリブにより裏面が支持された構造である。また、この表示装置は、透明カバーが筐体とは反対面の表面が凸となる曲面部位である凸領域、当該表面が凹となる曲面部位である凹領域およびこれらの領域の間に位置する境界領域を有する形状となっている。
そして、リブは、透明カバーのうち凸領域に当接する第1リブ、凹領域に当接する第2リブおよび境界領域に当接する第3リブを有してなる。さらに、接着剤は、前面のうち第1リブに近接し、かつ第1リブよりも外側に位置する領域、第2リブに近接し、かつ第2リブよりも内側に位置する領域および第3リブに近接する領域にそれぞれ配置されている。
これにより、透明カバーに平板状に戻ろうとする復元力が作用した際に、接着剤の近傍に位置する第1リブないし第3リブが透明カバーを支持することで、凸領域、凹領域および境界領域において当該復元力に起因する接着剤を引き延ばそうとする応力を緩和する。その結果、透明カバーと筐体との剥離を抑制可能な構造の表示装置となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置1について、図1~図8Bを参照して説明する。本実施形態の表示装置1は、例えば、自動車等の車両に搭載される車載用表示装置に適用されると好適であるが、勿論、他の用途にも適用されうる。
第1実施形態の表示装置1について、図1~図8Bを参照して説明する。本実施形態の表示装置1は、例えば、自動車等の車両に搭載される車載用表示装置に適用されると好適であるが、勿論、他の用途にも適用されうる。
図1では、表示装置1の構成を分かり易くするため、後述する透明カバー2に覆われた表示パネル4の外郭を破線で示している。図2では、表示装置1の構成部材のうち図2の角度から見たとき、各構成部材のうち前方に位置する他の構成部材と重なっている部分の外郭を破線で示している。
〔基本構成〕
本実施形態の表示装置1は、例えば図1に示すように、透明カバー2と、表示パネル4と、筐体6とを備え、透明カバー2および表示パネル4が筐体6の湾曲形状に追従した曲面形状で保持された構成となっている。表示装置1は、例えば図2に示すように、透明カバー2および筐体6を接着する接着剤5と、表示パネル4を透明カバー2に貼り付ける光学接着層3とをさらに備える。表示装置1は、例えば図3に示すように、筐体6のうち透明カバー2と向き合う前面6aに形成された凹部61内の領域に、曲面形状に保持された表示パネル4が収まる配置とされ、透明カバー2の表面2aが凹形状とされた曲面表示装置となっている。
本実施形態の表示装置1は、例えば図1に示すように、透明カバー2と、表示パネル4と、筐体6とを備え、透明カバー2および表示パネル4が筐体6の湾曲形状に追従した曲面形状で保持された構成となっている。表示装置1は、例えば図2に示すように、透明カバー2および筐体6を接着する接着剤5と、表示パネル4を透明カバー2に貼り付ける光学接着層3とをさらに備える。表示装置1は、例えば図3に示すように、筐体6のうち透明カバー2と向き合う前面6aに形成された凹部61内の領域に、曲面形状に保持された表示パネル4が収まる配置とされ、透明カバー2の表面2aが凹形状とされた曲面表示装置となっている。
透明カバー2は、厚みが1mm以下の可撓性のある透明基材であり、例えば、厚み0.7mm以下のガラスもしくは強化ガラス、あるいは剛性および透光性を有する樹脂材料などが用いられうる。本明細書では、透明カバー2が厚み0.7mm以下のガラス板で構成された場合を代表例として説明する。透明カバー2は、筐体6に貼り付けられる前においては平板状であり、筐体6に貼り付けられることで筐体6の湾曲形状に追従した曲面形状とされ、接着剤5により筐体6に接着されている。すなわち、透明カバー2は、後曲げ方式により曲面形状とされ、曲面形状のまま筐体6に保持されている。透明カバー2は、例えば、筐体6とは反対側の面を表面2aとし、筐体6に向き合う面を裏面2bとして、裏面2b側が凸となる曲面形状となっている。透明カバー2は、裏面2bのうち筐体6の凹部61の内側に位置する領域に光学接着層3を介して表示パネル4が貼り付けられている。透明カバー2は、筐体6のうち凹部61よりも外側の外周領域6aaに配置された接着剤5により、筐体6の前面6aに接着されている。
以下、説明の便宜上、透明カバー2の表面2aが凹となる曲げ状態を「凹曲げ」と称することがある。
透明カバー2は、光学接着層3により表示パネル4が貼り付けられた後、例えば、図示しないロールまたは筐体6の前面6aの湾曲形状に追従した曲面形状を有する治具を用いて、筐体6に貼り合わせされる。このとき、透明カバー2は、接着剤5の近傍に配置された筐体6の後述するリブ62が裏面2bに当接しており、リブ62により支持されている。透明カバー2が平板状に戻ろうとする復元力が接着剤5に作用するが、当該復元力に起因する接着剤5の応力がリブ62により低減される構成となっている。この詳細については、後述する。
光学接着層3は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesiveの略)やOCR(Optical Clear Resinの略)などの光学接着剤である。光学接着層3は、表示パネル4のうち各種画像を表示する側の面である表示面と透明カバー2の裏面2bとの隙間に配置され、これらを接着している。光学接着層3は、例えば図2に示すように、表示パネル4と略同一の平面サイズとされ、透明カバー2を筐体6に貼り付ける前に、予め透明カバー2の裏面2bまたは表示パネル4の表示面に配置される。
表示パネル4は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)パネルであり、可撓性のあるフレキシブルな構成とされる。表示パネル4は、例えば、OLEDパネル(有機ELパネルとも称されうる)の場合、可撓性のある樹脂材料によりなる基板上に、薄膜トランジスタ(TFT)と画素を構成するOLED素子とがこの順に積層された構成とされる。表示パネル4は、例えば、図示しないFPC(Flexible printed circuitsの略)を介して駆動制御用の図示しない回路基板に接続され、各種の表示制御がなされる。
なお、表示パネル4を駆動するための図示しない回路基板は、例えば、配線基板に電源回路、冷却ファン、CPU、ROM、RAMやI/Oが搭載されてなる電子制御ユニットであり、凹部61内あるいは筐体6の背面6b(前面6aの反対面)側に配置される。
なお、表示パネル4は、各種画像を表示でき、透明カバー2の曲げに追従可能なフレキシブルパネルであればよく、OLEDパネルに限定されるものではない。また、OLEDパネルやその他のフレキシブルパネルの構成や使用材料等については、公知のため、本明細書では、その詳細な説明を省略する。さらに、表示パネル4に接続される図示しない配線や回路基板の配置等については、適宜変更されうる。
接着剤5は、透明カバー2を筐体6に直接接着するために用いられる接着剤であり、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の一般的な接着剤を用いることができる。接着剤5は、例えば、透明カバー2または筐体6の外周領域6aaにディスペンサー等により塗布される。接着剤5は、例えば、透明カバー2と筐体6とを貼り合わせた直後においては液状もしくはペースト状であるが、透明カバー2を図示しない貼り合わせ治具等により筐体6に曲面形状で保持している間に硬化し、最終的には固化した状態となる。接着剤5は、本実施形態では、筐体6の前面6aのうちリブ62に近接し、かつリブ62よりも内側に位置する内側近接領域に配置される。なお、内側近接領域とは、例えば、リブ62から1mm以内であって、リブ62よりも前面6aの中心側に位置する領域を指す。また、接着剤5は、図3に示す例では、リブ62とは接触しない配置となっているが、これに限定されず、リブ62に接していてもよい。
筐体6は、透明カバー2が接着剤5により接着されると共に、透明カバー2に貼り付けられる表示パネル4との干渉を避けるための凹部61を有する部材である。筐体6は、例えば、Al(アルミニウム)やMg(マグネシウム)などの熱伝導率が高い金属材料やその合金材料、もしくは軽量な樹脂材料などにより構成され、表示パネル4の熱を外部に放出する放熱部材としての役割を果たす。筐体6は、例えば、透明カバー2と向き合う前面6aに表示パネル4の平面サイズよりも大きい平面サイズの凹部61が形成されており、少なくとも前面6aが一方向に沿って湾曲した湾曲面となっている。
筐体6は、前面6aのうち凹部61よりも外側の領域である外周領域6aaに、前面6aから突出したリブ62を有している。リブ62は、本実施形態では、例えば図2や図3に示すように、透明カバー2の外郭に沿った枠体形状となっており、透明カバー2の裏面2bに当接し、透明カバー2を支持している。リブ62は、凹曲げされた状態の透明カバー2の復元力に起因する押圧を受け止めることで、透明カバー2の変位を抑制して接着剤5を引き延ばす力を低減し、透明カバー2と筐体6との剥離を抑制する役割を果たす。
なお、筐体6は、例えば、凹部61の全域が外周領域6aaに囲まれた構成、すなわち閉環枠体状の内壁に囲まれた構成とされてもよいし、外周領域6aaの一部に開環した開口部とされ、凹部61の一部が内壁に囲まれていない構成であってもよい。筐体6は、例えば、前者の場合には凹部61の底面に背面6bに連通する貫通孔が形成され、当該貫通孔を経由して表示パネル4と図示しない回路基板とを接続する配線の引き回しが可能な構成とされうる。筐体6は、例えば、後者の場合には凹部61のうち内壁に囲まれていない部分を介して上記の配線の引き回しが可能な構成とされうる。また、筐体6は、前面6aの反対側の背面6bに図示しない放熱用のフィンや剛性向上のための図示しない補強部材などを有していてもよい。
以上が、本実施形態の表示装置1の基本的な構成である。
〔リブによる剥離抑制〕
次に、筐体6のリブ62による透明カバー2と筐体6との剥離抑制について説明するが、まず、平板状の透明カバー2を曲げたときに生じる復元力およびこれにより生じる接着剤5の応力について図4~図8を参照して説明する。
次に、筐体6のリブ62による透明カバー2と筐体6との剥離抑制について説明するが、まず、平板状の透明カバー2を曲げたときに生じる復元力およびこれにより生じる接着剤5の応力について図4~図8を参照して説明する。
図4、図5では、凹曲げされた透明カバー2が復元力により戻ろうとする平板形状の透明カバー2の外郭を破線で示すと共に、作用する復元力およびその方向を太線矢印で示している。図5では、見易くするため、透明カバー2が接着剤5で接着される他部材を省略している。図6、図7では、透明カバー2に生じる復元力およびその方向を太線矢印で示すと共に、見易くするため、透明カバー2の端部近傍の構成を示し、他の部位を省略している。また、図6、図7では、見易くするため、筐体6、100のうち接着剤5が配置された部分を紙面左右方向に対して平行にした状態を示している。図8A、図8Bにおける「外側」とは後述する透明カバー2の曲率方向DR1における端部側の方向を意味し、「内側」とは同方向における透明カバー2の中心側の方向を意味する。
平板状の透明カバー2を表面2aが凹となるように曲げたとき、透明カバー2は、例えば図4に示すように、曲率方向DR1における両端において裏面2bに向かう方向の復元力F0が生じる。
ここで、曲率方向DR1とは、例えば、透明カバー2が長方形板状の場合において、透明カバー2を長手方向または短手方向のいずれか一方向に沿って曲げたときの当該一方向を意味する。図1に示す例では、透明カバー2が短手方向に沿って凹曲げされることとなり、曲率方向DR1は、透明カバー2の短手方向に沿った方向となる。つまり、曲率方向DR1は、前面6aのうち湾曲した方向に沿った方向であり、「湾曲方向」とも称され得る。また、以下、説明の便宜上、透明カバー2のうち曲率方向DR1における端部を「曲率端部」と称することがある。
図4に示すように、透明カバー2を凹曲げし、透明カバー2を固定しない場合には、透明カバー2は、曲率方向DR1における両端すなわち曲率端部が、破線で示すように同方向における中心部分と同じ平面上に向かおうとする復元力F0が生じる。
透明カバー2を凹曲げした状態で接着剤5により他の部材に固定すると、透明カバー2に生じる復元力が変化する。具体的には、例えば図5に示すように、凹曲げした透明カバー2の曲率端部を接着剤5で固定した場合、透明カバー2は、接着剤5に接する部分が支点として、平板形状に戻ろうとする。具体的には、透明カバー2は、接着剤5に接する部分を支点部位として、破線で示すように、支点部位が位置する平面上に他の部位が向かう力が作用し、平板形状に戻ろうとする。この場合、透明カバー2は、曲率端部には裏面2b側に向かう復元力F1が生じ、曲率方向DR1における中心部分(以下、単に「中心部」という)には表面2a側に向かう復元力F2が生じる。
このとき、透明カバー2を接着する接着剤5は、復元力F1、F2に起因して、接着剤5を押し潰す方向に作用する力(以下「圧縮力」という)と、接着剤5を引き延ばす方向に作用する力(以下「延伸力」という)とが生じる。本発明者らの検討によれば、接着剤5が延伸力により引き延ばされることで、透明カバー2と透明カバー2が接着される他の部材(筐体)とが剥離する原因となることが判明した。
例えば図6に示すように、凹曲げされた透明カバー2と、透明カバー2と向き合う面に凹部101を有し、リブを有しない筐体100とが接着剤5により接着された比較例の構造の場合、透明カバー2には、接着剤5の両側に復元力F3a、F3bが生じる。具体的には、透明カバー2は、接着剤5よりも端部側の部位には裏面2b側に向かう復元力F3aが生じ、接着剤5よりも中心部側の部位に表面2a側に向かう復元力F3bが生じる。復元力F3aが接着剤5を押し潰す圧縮力として作用する一方で、復元力F3bは、接着剤5を引き延ばす延伸力として作用する。比較例の構造は、筐体100が透明カバー2を支持する部位を有していないため、接着剤5に復元力F3a、F3bがそのまま作用することとなる。その結果、接着剤5が大きく引き延ばされ、透明カバー2は、筐体100と剥離してしまう。
これに対して、本実施形態の表示装置1は、例えば図7に示すように、筐体6が前面6aのうち透明カバー2の曲率方向DR1の端部近傍にリブ62を有し、透明カバー2の裏面2bのうち接着剤5の近傍部分をリブ62で支持する構造となっている。この構造は、透明カバー2が凹曲げされているため、比較例と同様に透明カバー2に復元力F3a、F3bが生じるものの、圧縮力として作用する復元力F3aが生じる部位をリブ62が支えた状態となっている。リブ62は、復元力F3aを受け止め、透明カバー2のうち曲率端部の変位を抑制し、透明カバー2の復元力F3bに起因する接着剤5の引張り応力をリブ62のない比較例の構造に比べて小さくする役割を果たす。その結果、接着剤5に作用する延伸力、すなわち引張り応力が小さくなり、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制される効果が得られる。
シミュレーションの結果によれば、比較例および実施例のいずれの場合も、例えば図8A、図8Bに示すように、接着剤5は、外側すなわち透明カバー2の曲率端部側に圧縮方向の応力が生じ、同方向における内側には引張り方向の応力が生じる。
なお、図8A、図8Bでは、接着剤5に生じる圧縮および引張りの応力を破線、実線の矢印で示すと共に、その応力の大小を分かり易くするため、相対的に大きい応力を示す矢印を長くしている。また、図8A、図8Bでは、見易くするため、シミュレーション解析により得られる応力の発生状態をデフォルメして簡素化したものを示している。
リブ62により透明カバー2が支持されていない比較例は、シミュレーション結果によれば、図8Aに示すように、接着剤5の圧縮および引張りの応力が大きかった。これに対して、透明カバー2がリブ62に支持された実施例は、シミュレーション結果によれば、図8Bに示すように、接着剤5の圧縮および引張りの応力が比較例に比べて小さく、接着剤5が引き延ばされにくい構造であった。
なお、上記のシミュレーションは、例えば、有限要素法を用いたCAE(Computer Aided Engineering)解析などにより行うことができる。例えば、透明カバー2がサイズ350mm×125mmかつ厚み0.4mmのガラスであって、その短辺を曲げたときの曲率方向DR1における曲率半径Rを200mmと設定したとする。この場合、シミュレーション結果によれば、透明カバー2の復元力は、ガラス単独では約30N、表示パネル4が取り付けられた状態では約40Nであった。そして、上記した曲げ条件下、図7に示す実施例の構造において接着剤5にかかる相当応力の最大値は、図6に示す比較例の構造に比べて約40%低減することが判明した。
本実施形態の表示装置1は、凹曲げされた透明カバー2の曲率方向における端部が筐体6のリブ62に支持されると共に、リブ62の内側近接領域に接着剤5が配置され、透明カバー2と筐体6とが接着されている。これにより、後曲げ方式により凹曲げされた透明カバー2に生じる復元力に起因して接着剤5を引き延ばす力が透明カバー2を支持するリブ62により低減されることとなる。よって、表示装置1は、後曲げ方式により凹曲げされた透明カバー2の復元力に起因する接着剤5への応力を緩和し、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制された構造となる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の表示装置1は、例えば図9に示すように、筐体6のリブ62が枠体形状でなく、透明カバー2の曲率方向DR1における両端のみに配置され、曲率方向DR1と交差する交差方向DR2に沿って延設された構成であってもよい。
第1実施形態の表示装置1は、例えば図9に示すように、筐体6のリブ62が枠体形状でなく、透明カバー2の曲率方向DR1における両端のみに配置され、曲率方向DR1と交差する交差方向DR2に沿って延設された構成であってもよい。
なお、交差方向DR2とは、曲率方向DR1に対して交差する方向、例えば、曲率方向DR1に対する直交方向であるが、略直交であってもよい。また、図9では、接着剤5が配置された筐体6を前面6aに対する法線方向から見た様子を示すと共に、断面を示すものではないが、接着剤5とリブ62との配置関係を分かりやすくするため、接着剤5およびリブ62にハッチングを施している。
接着剤5を引き延ばす方向の力を生じさせる透明カバー2の変位箇所は、主に、曲率方向DR1における両端である。そのため、リブ62は、例えば、凹部61との間に接着剤5を配置する隙間を確保しつつ、筐体6の前面6aのうち凹部61を挟んで曲率方向DR1における両端に配置され、延設方向を交差方向DR2に揃えて平行配置されていればよい。これにより、凹曲げされた透明カバー2の復元力に起因する透明カバー2の変位を抑止し、ひいては接着剤5の変位を低減し、透明カバー2と筐体6との剥離を抑制することができる。このように、リブ62は、少なくとも一部が透明カバー2の曲率方向DR1における両端に配置されていればよく、その他の部分における配置については適宜変更されてもよい。
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる表示装置1となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の表示装置1について、図10~図13を参照して説明する。図11は、図9に相当する図であって、図9と同様の目的で断面を示すものではないが、接着剤5およびリブ62にハッチングを施したものである。
第2実施形態の表示装置1について、図10~図13を参照して説明する。図11は、図9に相当する図であって、図9と同様の目的で断面を示すものではないが、接着剤5およびリブ62にハッチングを施したものである。
本実施形態の表示装置1は、例えば図10に示すように、透明カバー2が表面2aを凸とした湾曲面を有する曲面形状であると共に、接着剤5およびリブ62の配置が逆になっている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
透明カバー2は、本実施形態では、表面2aが凸となる曲面形状で保持され、裏面2bが接着剤5により筐体6に接着されている。以下、説明の簡便化のため、表面2aが凸となる透明カバー2の曲面形状を「凸曲げ」と称する。
接着剤5は、本実施形態では、筐体6の前面6aのうちリブ62に近接し、かつリブ62よりも外側に位置する外側近接領域に配置され、透明カバー2と筐体6とを接着している。なお、外側近接領域とは、例えば、リブ62から1mm以内であって、リブ62よりも前面6aの中心とは反対側である外側に位置する領域を指す。
筐体6は、本実施形態では、前面6aが背面6bよりも突出する湾曲面となっている。筐体6は、外周領域6aaにリブ62を有し、リブ62が透明カバー2のうち接着剤5よりも内側の部分を支持する構造となっている。
リブ62は、例えば図11に示すように、凹部61を囲む枠体形状とされ、本実施形態では、接着剤5よりも内側に位置している。これにより、リブ62は、凸曲げされた透明カバー2に生じる復元力を受け止め、当該復元力に起因して接着剤5に生じる引張りの応力を低減する役割を果たす。
例えば図12に示すように、リブ62を有しない筐体100に凸曲げされた透明カバー2の曲率端部が接着剤5により接着された比較例の構造は、透明カバー2の曲率端部に表面2a側に向かう復元力F4aが生じる。また、比較例の構造は、透明カバー2のうち接着剤5よりも中心部側には裏面2bに向かう復元力F4bが生じる。つまり、凸曲げされた透明カバー2の場合、復元力F4aが接着剤5を引き延ばす延伸力として作用し、復元力F4bは接着剤5を圧縮する圧縮力として作用する。比較例の構造は、透明カバー2には接着剤5以外の他の部材が当接していないため、凸曲げされた透明カバー2の復元力F4a、F4bが接着剤5に直接作用する。そのため、比較例の構造は、接着剤5のうち透明カバー2の曲率端部側が引き延ばされ、透明カバー2と筐体100とが剥離しやすい。
これに対して、本実施形態の表示装置1は、例えば図13に示すように、凸曲げされた透明カバー2がリブ62に支持されると共に、接着剤5がリブ62よりも外側に配置されている。この表示装置1は、上記の比較例と同様に、透明カバー2に復元力F4a、F4bが生じるものの、接着剤5の圧縮力として作用する復元力F4bをリブ62が受け止める構造となっている。これにより、透明カバー2の復元力F4aが低減されるため、接着剤5を引き延ばす引張りの応力が比較例よりも低減され、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制される。なお、本発明者らが行ったシミュレーション解析によれば、上記第1実施形態と同様に、透明カバー2の復元力に起因して接着剤5にかかる相当応力は、図13に示す実施例の構造のほうが図12に示す比較例に比べて約30%低減されることが確認された。
本実施形態によれば、表示装置1は、凸曲げされた透明カバー2の曲率方向における端部が筐体6のリブ62に支持されると共に、リブ62の外側近接領域に接着剤5が配置され、透明カバー2と筐体6とが接着されている。これにより、透明カバー2の復元力および接着剤5の応力が低減され、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制される効果が得られる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の表示装置1は、例えば図14に示すように、筐体6のリブ62が枠体形状でなく、透明カバー2の曲率方向DR1における両端のみに配置され、曲率方向DR1と交差する交差方向DR2に沿って延設された構成であってもよい。凸曲げの場合であっても、透明カバー2は、接着剤5を引き延ばす延伸力として作用する復元力が主に生じる部分が曲率端部の近傍である。そのため、筐体6は、曲率方向DR1における両端近傍にリブ62が配置された構成であれば、透明カバー2の復元力および接着剤5の応力を低減することができる。
第2実施形態の表示装置1は、例えば図14に示すように、筐体6のリブ62が枠体形状でなく、透明カバー2の曲率方向DR1における両端のみに配置され、曲率方向DR1と交差する交差方向DR2に沿って延設された構成であってもよい。凸曲げの場合であっても、透明カバー2は、接着剤5を引き延ばす延伸力として作用する復元力が主に生じる部分が曲率端部の近傍である。そのため、筐体6は、曲率方向DR1における両端近傍にリブ62が配置された構成であれば、透明カバー2の復元力および接着剤5の応力を低減することができる。
本変形例によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる表示装置1となる。
(第3実施形態)
第3実施形態の表示装置1について、図15~図17を参照して説明する。図16、図17は、図9に相当する図であって、図9と同様の目的で断面を示すものではないが、接着剤5およびリブ62にハッチングを施したものである。
第3実施形態の表示装置1について、図15~図17を参照して説明する。図16、図17は、図9に相当する図であって、図9と同様の目的で断面を示すものではないが、接着剤5およびリブ62にハッチングを施したものである。
本実施形態の表示装置1は、例えば図15に示すように、透明カバー2および筐体6の前面6aが断面視にて略S字状の湾曲形状であり、筐体6がリブ621~623を有した構成となっている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
透明カバー2は、本実施形態では、例えば図15に示すように、表面2a側が凸となる曲面領域である凸領域21と、表面2a側が凹となる曲面領域である凹領域22と、凸領域21および凹領域22の間に位置する境界領域23とを有した湾曲形状となっている。透明カバー2は、例えば、凸領域21および凹領域22のそれぞれに光学接着層3を介して表示パネル4が貼り付けられ、表示パネル4が透明カバー2に追従した曲面形状とされている。透明カバー2は、凸領域21については筐体6の第1リブ621により、凹領域については第2リブ622により、境界領域23が第3リブ623によりそれぞれ裏面2bが支持されている。透明カバー2のうち境界領域23は、例えば、凸領域21および凹領域22を繋ぐ略平板状となっている。
接着剤5は、前面6aのうち透明カバー2の凸領域21、凹領域22および境界領域23それぞれの直下に位置する部分に配置され、透明カバー2と筐体6とを接着している。接着剤5は、凸領域21の直下においては第1リブ621に近接し、かつ第1リブ621よりも外側に位置する領域に配置され、凹領域22の直下においては第2リブ622に近接し、かつ第2リブ622よりも内側に位置する領域に配置されている。接着剤5は、例えば、境界領域23の直下においては、第3リブ623に近接し、かつ第3リブ623よりも凹領域22側に位置する領域に配置されている。接着剤5は、例えば図16に示すように、筐体6のリブ62のうち第1リブ621よりも内側の領域を囲む枠体部分と、第2リブ622よりも外側の領域を囲む略枠体部分とを有する構成とされる。
なお、接着剤5は、図16に示す配置例に限定されるものではなく、領域21~23に配置される部分がすべて途切れることなく連続性を有する配置でなくてもよく、領域21~23ごとに独立した配置であってもよく、適宜変更されうる。接着剤5は、少なくとも一部が第1リブ621の近傍かつその内側、第2リブ622の近傍かつその外側、第3リブ623の近傍に配置されていればよく、例えば図17に示すように、リブ62の構成変更に応じてその配置が変更されてもよい。
筐体6は、本実施形態では、例えば、透明カバー2の凸領域21および凹領域22の直下に位置する領域それぞれに表示パネル4等との干渉を避けるための凹部61を有している。筐体6は、本実施形態では、凸領域21の直下に位置する領域に配置される第1リブ621、凹領域22の直下に位置する領域に配置される第2リブ622、および境界領域23の直下に位置する領域に配置される第3リブ623を有してなる。
リブ62は、リブ621~623からなり、例えば、これらがすべて途切れることなく連続性を有する、いわば地続きの形状とされうる。リブ62は、例えば図17に示すように、第1リブ621、第2リブ622および第3リブ623がそれぞれ独立し、延設方向を交差方向DR2に揃えた状態で、曲率方向DR1に沿って平行配置された構成であってもよい。
第1リブ621は、透明カバー2の凸曲げ部分の端部に生じる復元力を受け止め、第1リブ621の近傍に配置される接着剤5の引張りの応力を低減する役割を果たす。第2リブ622は、透明カバー2の凹曲げ部分の端部に生じる復元力を受け止め、第2リブ622の近傍に配置される接着剤5の引張りの応力を低減する役割を果たす。第3リブ623は、第1リブ621または第2リブ622の少なくとも一方と対をなし、透明カバー2の凸領域21および凹領域22のうち境界領域23側の端部に生じる復元力を受け止め、第3リブ623の近傍に配置される接着剤5の引張りの応力を低減する。これにより、透明カバー2の凸領域21および凹領域22の復元力が低減され、ひいては領域21~23それぞれに接着された接着剤5の引張りの応力を低減することができ、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制される。
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる表示装置1となる。また、本実施形態では、透明カバー2が凸曲げおよび凹曲げされた複雑な曲面形状とされつつも、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制されるため、意匠性の自由度が高くなる効果も得られる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態の表示装置1は、例えば図18に示すように、透明カバー2の境界領域23にも表示パネル4が貼り付けられた構成であってもよい。この場合、筐体6は、例えば図19に示すように、凸領域21および凹領域22の直下に位置する領域に加えて、境界領域23の直下に位置する領域にも凹部61を有した構成とされる。また、筐体6は、例えば、リブ62が第1リブ621と第2リブ622とが独立しつつ、これらがそれぞれ第3リブ623に地続きの状態とされた構成とされる。
第3実施形態の表示装置1は、例えば図18に示すように、透明カバー2の境界領域23にも表示パネル4が貼り付けられた構成であってもよい。この場合、筐体6は、例えば図19に示すように、凸領域21および凹領域22の直下に位置する領域に加えて、境界領域23の直下に位置する領域にも凹部61を有した構成とされる。また、筐体6は、例えば、リブ62が第1リブ621と第2リブ622とが独立しつつ、これらがそれぞれ第3リブ623に地続きの状態とされた構成とされる。
具体的には、リブ62は、第1リブ621と第3リブ623とが連続したもの、および第2リブ622と第3リブ623とが連続したもの、の2つの枠体部を有した構成とされうる。この場合、例えば、接着剤5は、第1リブ621と第3リブ623とによりなる枠体の外側領域と、第2リブ622と第3リブ623とによりなる枠体の内側領域のそれぞれに配置される。このように表示パネル4の数や筐体6における凹部61およびリブ62の数や構成については、適宜変更されてもよい。
本変形例によっても、上記第3実施形態と同様の効果が得られる表示装置1となる。
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
(1)リブ62は、例えば図20に示すように、透明カバー2に接する先端面62aが透明カバー2の曲率方向DR1に沿って傾斜したテーパ形状であってもよい。例えば、前面6aに対する法線方向におけるリブ62の長さを高さとして、リブ62は、透明カバー2の曲率方向DR1に沿って高さが変わる構成とされる。具体的には、リブ62は、透明カバー2が凸曲げの場合には曲率端部側の高さが低く、中央部側の高さが高いテーパ形状とされ、透明カバー2が凹曲げの場合には曲率端部側の高さが高く、中央部側の高さが低いテーパ形状とされる。つまり、リブ62は、前面6aの曲率方向DR1、すなわち湾曲方向に沿った一端と他端との高さが異なる形状となっている。これにより、リブ62が透明カバー2により追従しやすくなり、透明カバー2とリブ62とが点接触のような局所的な接触をし、透明カバー2の破損を抑制できる効果が得られる。
また、リブ62は、例えば図21に示すように、断面視にて、透明カバー2側の先端が湾曲した形状であって、少なくとも先端面が角部を有しない形状であってもよい。この場合、透明カバー2は、リブ62のうち少なくとも頂点と接触し、その湾曲部分に追従して変形することでリブ62のうち頂点およびこれに隣接する領域に接触することとなる。これにより、透明カバー2とリブ62との局所的な接触を抑制でき、透明カバー2の破損を抑制できる効果が得られる。
(2)リブ62は、上記各実施形態およびその変形例において、加工性の観点から最小幅が1mm以上であることが好ましい。具体的には、リブ62は、例えば図20に示すように、曲率方向DR1に沿った方向の幅Wが1mm以上とされることが好ましい。
(3)上記第3実施形態およびその変形例では、透明カバー2が凸領域21および凹領域22をそれぞれ1つ有する形状とされた場合を代表例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、透明カバー2は、凸領域21、凹領域22および境界領域23を2つ以上有する構成であってもよい。この場合、筐体6は、例えば、それぞれの凸領域21の直下領域に第1リブ621が、それぞれの凹領域22の直下領域に第2リブ622が、これらの境界領域23に第3リブ623が、それぞれ配置された構成とされる。この場合であっても、透明カバー2の各曲げ領域に生じる復元力がリブ62により低減されるため、透明カバー2と筐体6との剥離が抑制される。
(4)上記各実施形態およびその変形例では、筐体6が凹部61を有する場合を代表例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、筐体6は、透明カバー2が取り付けられた際に、透明カバー2に貼り付けられた表示パネル4等と干渉しない構造であればよく、意匠性等の観点から凹部61を有しない構成であってもよい。この場合、筐体6は、例えば、前面6aがリブ62を除き、段差のない滑らかな湾曲面、あるいは段差がなく、部分的な平面部を有した滑らかな湾曲面とされる。
2・・・透明カバー、2a・・・表面、2b・・・裏面、21・・・凸領域、
22・・・凹領域、23・・・境界領域、4・・・表示パネル、5・・・接着剤、
6・・・筐体、6a・・・前面、62・・・リブ、62a・・・先端面、
621・・・第1リブ、622・・・第2リブ、623・・・第3リブ
22・・・凹領域、23・・・境界領域、4・・・表示パネル、5・・・接着剤、
6・・・筐体、6a・・・前面、62・・・リブ、62a・・・先端面、
621・・・第1リブ、622・・・第2リブ、623・・・第3リブ
Claims (9)
- 表示装置であって、
可撓性を有する透明カバー(2)と、
少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前記前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、
前記筐体の前記前面に配置され、前記透明カバーと前記筐体とを接着する接着剤(5)と、
前記透明カバーに貼り付けられ、前記透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、
前記透明カバーは、前記筐体の前記前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、前記筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凹となる状態で保持されており、
前記リブは、少なくとも一部が前記前面のうち前記透明カバーの外郭内側に位置する領域に配置されると共に、前記透明カバーのうち前記筐体と向き合う裏面(2b)に当接しており、
前記接着剤は、前記前面のうち前記リブに近接し、かつ前記リブよりも内側に位置する領域に配置されている、表示装置。 - 表示装置であって、
可撓性を有する透明カバー(2)と、
少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前記前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、
前記筐体の前記前面に配置され、前記透明カバーと前記筐体とを接着する接着剤(5)と、
前記透明カバーに貼り付けられ、前記透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、
前記透明カバーは、前記筐体の前記前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、前記筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凸となる状態で保持されており、
前記リブは、前記前面のうち前記透明カバーの外郭よりも内側に位置する領域に配置されると共に、前記透明カバーのうち前記筐体と向き合う裏面(2b)に当接しており、
前記接着剤は、前記前面のうち前記リブに近接し、かつ前記リブよりも外側に位置する領域に配置されている、表示装置。 - 表示装置であって、
可撓性を有する透明カバー(2)と、
少なくとも一部が湾曲した曲面形状である前面(6a)と、前記前面から突出するリブ(62)とを有する筐体(6)と、
前記筐体の前記前面に配置され、前記透明カバーと前記筐体とを接着する接着剤(5)と、
前記透明カバーに貼り付けられ、前記透明カバーに追従した形状となる可撓性を有する表示パネル(4)と、を備え、
前記透明カバーは、前記筐体の前記前面の湾曲形状に追従した曲面形状であって、前記筐体とは反対側に位置する表面(2a)が凸の曲面形状である凸領域(21)と、前記表面が凹の曲面形状である凹領域(22)とを少なくとも1つずつ有する状態で保持されており、
前記リブは、前記透明カバーのうち前記筐体と向き合う裏面(2b)に当接すると共に、前記凸領域に当接する第1リブ(621)と、前記凹領域に当接する第2リブ(622)と、前記透明カバーのうち前記凸領域と前記凹領域との間に位置する境界領域(23)に当接する第3リブ(623)とを有してなり、
前記接着剤は、前記前面のうち前記第1リブに近接し、かつ前記第1リブよりも内側に位置する領域と、前記前面のうち前記第2リブに近接し、かつ前記第2リブよりも外側に位置する領域と、前記前面のうち前記第3リブに近接する領域とにそれぞれ配置されている、表示装置。 - 前記第3リブは、前記第1リブおよび前記第2リブの少なくとも一方に接続され、連続性を有している、請求項3に記載の表示装置。
- 前記透明カバーは、厚みが1mm以下のガラス板であって、前記筐体に接着される前においては平板形状である、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の表示装置。
- 前記筐体は、前記前面が一方向に沿って湾曲した湾曲形状となっており、
前記前面のうち湾曲した方向に沿った方向を湾曲方向とし、前記湾曲方向と交差する方向を交差方向として、前記リブは、少なくとも一部が前記交差方向に沿って配置されている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の表示装置。 - 前記筐体は、前記前面が一方向に沿って湾曲した湾曲形状となっており、
前記前面に対する法線方向に沿った前記リブの長さを高さとして、前記リブは、前記透明カバーに当接する先端面(62a)が前記前面の湾曲した方向に沿った方向に追従して傾いており、
前記先端面は、傾いた方向に沿った一端と他端との高さが異なっている、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の表示装置。 - 前記リブは、先端が湾曲形状となっており、少なくとも前記先端の頂点で前記透明カバーの前記裏面と当接している、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の表示装置。
- 前記リブは、最小幅が1mm以上である、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の表示装置。
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