JP2015007004A - 農園芸用または工業用製剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(A1)などで表される化合物で且つ脂溶性である物質(A)と硫酸カルシウムなどの担体(C)とを混合することを含む方法等によって、前記物質(A)を含有する農園芸用または工業用製剤組成物を安定化させる。
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、グリコシル基、−CHO、−C(=O)Raなどを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基などを示す。]
【選択図】なし
Description
式(B1)または式(B2)で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ水溶性である物質(B)を含有する、
固形状または物質(A)が懸濁して成る液状の農園芸用または工業用製剤組成物。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
〔2〕 物質(B)が、アスコルビン酸またはその塩を含有するものである、〔1〕に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
物質(A)の化学的安定性を高めることができ且つ室温で固体である担体(C)
を含有する固形状の農園芸用または工業用製剤組成物。
〔4〕 担体(C)が、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、デンプン、デンプン誘導体、およびトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有するものである、〔3〕に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
〔5〕 顆粒水和剤または粒剤である、〔3〕または〔4〕に記載の農園芸用または工業用固形製剤組成物。
物質(A)の溶解度を高めない界面活性剤(D)
を含有する農園芸用または工業用製剤組成物。
〔7〕 界面活性剤(D)がリグニン系界面活性剤を含有するものである、〔6〕に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
〔8〕 リグニン系界面活性剤がリグニンスルホン酸塩である、〔7〕に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
〔9〕 物質(A)が懸濁して成る液状である、〔7〕または〔8〕に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、デンプン、デンプン誘導体、およびトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する担体(C)とを
混合することを含む
物質(A)を含有する固形状の農園芸用または工業用製剤組成物の安定化方法。
〔11〕 式(A1)または式(A2)で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性である物質(A)を、
物質(A)の溶解度を高めない界面活性剤(D)の存在下に、
液媒に懸濁させることを含む
物質(A)が懸濁して成る液状の農園芸用または工業用製剤組成物の安定化方法。
物質(A)は、式(A1)または式(A2)で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性の物質、好ましくは式(A1)で表される化合物またはその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性の物質である。脂溶性の物質(A)は、具体的には、オクタノール/水分配係数(Log Pow)が、好ましくは0を超えるもの、より好ましくは1以上のものである。
なお、前記の式(A1)または式(A2)で表される化合物には、それらの異性体も含まれる。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と異なる若しくは同じ構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に置換された他の基である。置換基は一つであってもよいし、二つ以上であってもよい。二つ以上の置換基は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、置換基を有するC1〜30アルキル基は、母核となる基がC1〜30アルキル基で、これのいずれかの水素原子が異なる構造の基(「置換基」)で置換されているものである。
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などが挙げられる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などが挙げられる。
縮合ヘテロアリール基としては、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリニル基などが挙げられる。
その他のヘテロ環基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などが挙げられる。
「C12〜30アルキル基」としては、例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、1−ヘプチルデシル基、1−ヘキシルノニル基、11−メチルドデシル基、13−メチルテトラデシル基などが挙げられる。「置換基を有するC12〜30アルキル基」としては、例えば、2−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、1−アミノヘプタデシル基などが挙げられる。
物質(B)は、式(B1)または式(B2)で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ水溶性である物質、好ましくはアスコルビン酸またはその塩である。
式(B1)中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO3H2、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、または−CHOを示す。
式(B2)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO3H2、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、または−CHOを示す。
無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基は、前記物質(A)に関する説明に記載したものと同じである。
なお、前記の式(B1)または式(B2)で表される化合物には、それらの異性体も含まれる。
本発明の第一実施形態に係る固形状の農園芸用または工業用製剤組成物は、粉末、顆粒、塊などの形状を成したものである。農薬における製剤形態としては、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、錠剤などが包含される。固形状の農園芸用または工業用製剤組成物の農薬としての製剤形態は、水和剤、顆粒水和剤または粒剤が好ましく、顆粒水和剤または粒剤がより好ましい。本発明の第一実施形態に係る固形状の農園芸用または工業用製剤組成物における、物質(A)の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、物質(B)の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%である。
担体(C)は、物質(A)の化学的安定性を高めることができ且つ室温で固体であれば、特に制限されない。
なお、担体単独では物質(A)の化学的安定性を高めることができないものまたは室温で固体でないものであっても、他の担体との組み合わせ使用によって、物質(A)の化学的安定性を高めることができ且つ室温で固体であれば、当該担体の組み合わせは本発明において担体(C)として用いることができる。
デンプンとしては、コーンスターチ、タピオカデンプン、馬鈴薯デンプン等の未加工デンプン、アルファ化デンプン等が挙げられる。
デンプン誘導体としては、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、リン酸デンプン、酸化デンプン等が挙げられる。
これらのうち、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、デンプン、およびトレハロースが特に好ましい。
界面活性剤(D)は、物質(A)の溶解度を高めない界面活性剤であれば、特に制限されない。界面活性剤(D)は、界面活性剤(D)の添加された液媒体における物質(A)の溶解度が、界面活性剤(D)の添加されていない液媒体における物質(A)の溶解度と等しいかまたは低いものである。溶解度の測定法は特に限定されない。溶解度の測定に用いられる液媒体は、本発明の液状の農園芸用または工業用製剤組成物に用いる液媒体または本発明の固形状の農園芸用または工業用製剤組成物を施用する際の希釈、懸濁、乳化などに用いる液媒体である。係る液媒体としては、例えば、水や、後述する有機溶媒が挙げられる。測定時の液媒体の温度は、通常、20〜80℃である。測定時の界面活性剤(b3)の濃度は、通常、2〜10質量%である。
組み合わせによって界面活性剤(D)と成り得るものとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン植物油エーテル等の非イオン性界面活性剤;アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールサルフェート塩、アルキルアリールホスフェート塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸塩等の陰イオン性界面活性剤;アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルキルピリジニウム塩等の陽イオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アミンオキサイド、アルキルアミノ酸塩等の両性界面活性剤;が挙げられる。
該農園芸用活性成分としては、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、防藻剤、有害生物忌避剤、抗ウイルス剤、植物成長調整剤、植物活力剤、肥料等の成分が挙げられる。
L−アスコルビン酸−6−パルミテート31.5部、アスコルビン酸ナトリウム30部、アルキルサルフェートナトリウム4部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩10部、黄酸化鉄1部およびコーンスターチ23.5部を混合し、これに水を添加し、次いでベンチ・ニーダー(入江商会(株)製))で混練した。該混練物をミクロ形顆粒製造機(筒井理化学器械(株)製)で直径0.7mmに押し出し造粒して造粒湿品を得た。これを50℃の流動層乾燥機で20分間乾燥させて顆粒水和剤を得た。
製造直後の顆粒状水和剤と、当該顆粒状水和剤をアルミラミネート袋に入れて54℃で14日間静置したものとにつき、以下の試験を実施した。結果を表1に示す。
100mLスピッツ管に3度硬水を100mL入れ、これに顆粒状水和剤を100mg投入した。スピッツ管に空気が侵入しない様に栓をして30秒間静置した。その後、1分間に30回の速度でスピッツ管を倒立した。顆粒水和剤が完全に崩壊し、分散するまでに行った倒立回数を崩壊転倒回数として記録した。
100mLスピッツ管に3度硬水を100mL入れ、これに顆粒状水和剤を100mg投入し、顆粒状水和剤が完全に崩壊し、分散された液を得た。該分散液に含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C)を測定した。
前記の分散液を30分間静置した。上澄み液90mlを抜き取った。残された液10ml中に含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(Q)を測定した。下記の式に基づいて懸垂率を算出した。
懸垂率(%)=(10/9)×(100(C−Q)/C)
製造直後の顆粒状水和剤100mgに含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C0)を測定した。
アルミラミネート袋に入れて54℃で14日間静置した顆粒状水和剤100mgに含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C1)を測定した。下記の式に基づいて54℃14日における残存率を算出した。残存率が高いほど化学安定性が高いことを示す。
54℃14日における残存率(%)=C1/C0 × 100
なお、L−アスコルビン酸−6−パルミテート分析標準液は、次のようにして調製した。L−アスコルビン酸−6−パルミテート50mgを50mL容メスフラスコに入れ、メタノールで定容し、所定濃度に調整された溶液を得た。得られた溶液20mLを50mL容ガラス管瓶に入れた。これにホモシステイン溶液(1gホモシステイン/100mL蒸留水)10mLおよび内部標準溶液(2000ppm O−テルフェニル/メタノール溶液)5mLを加えて、調製した。
HPLC条件:
・機器:島津HPLC Class−VP
・カラム:YMC−Pack ODS−AM
・温度:40℃
・移動相:メタノール/水(酢酸ナトリウムでpH6.5に調整後に混合)=850/150
・流速:1.0mL/min
・注入量:1μL
・検出波長:265nm
L−アスコルビン酸−6−パルミテート20部および硫酸カルシウム80部を混合した。該混合物に水を添加してベンチ・ニーダー(入江商会(株)製))で混練した。該混練物をミクロ形顆粒製造機(筒井理化学器械(株)製)で直径0.7mmに押し出し造粒して造粒湿品を得た。これを40℃で静置し乾燥させて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりに炭酸カルシウムを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりに硫酸アンモニウムを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりに硫酸カリウムを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりに塩化カリウムを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりにコーンスターチを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりにトレハロースを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
硫酸カルシウムの代わりにラクトースを用いた以外は実施例2−1と同じ方法にて顆粒水和剤を得た。この顆粒水和剤について保存安定性試験1を行って、54℃14日における残存率を算出した。結果を表2に示す。
L−アスコルビン酸−6−パルミテート21部、アスコルビン酸ナトリウム20部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩10部、黄色酸化鉄1部、デンプン5部およびトレハロース42部を混合し、これに水を添加して混練した。該混練物を押し出し造粒した。これを乾燥して粒剤を得た。
L−アスコルビン酸−6−パルミテート25部、リグニンスルホン酸ナトリウム2.5部、シリコン系消泡剤1.0部、および蒸留水71.5部を混合し、遊星ミルで湿式粉砕して、懸濁剤を得た。リグニンスルホン酸ナトリウムが添加された水媒体におけるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの溶解度、およびL−アスコルビン酸−6−パルミテートの水に対する溶解度を表4に示す。
製造直後の懸濁剤と、当該懸濁剤をアンプル管に封入し54℃で7日間静置したものおよび14日間静置したものと、につき、以下の試験を実施した。結果を表3に示す。
アンプル管を手に持ち振盪した。その時の状態を目視観察し、次の基準により評価した。
○:液が速やかに流動した。
△:液が流動したが増粘が見られた。
×:液が流動しなかった。
製造直後の懸濁剤100mgに含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C2)を測定した。
アンプル管に封入し54℃で7日間静置した懸濁剤100mgに含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C3)を測定した。
アンプル管に封入し54℃で14日間静置した懸濁剤100mgに含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量(C4)を測定した。
下記の式に基づいて54℃7日における残存率および54℃14日における残存率を算出した。残存率が高いほど化学安定性が高いことを示す。
54℃ 7日における残存率(%)=C3/C2 × 100
54℃14日における残存率(%)=C4/C2 × 100
なお、懸濁剤に含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量の測定は、顆粒状水和剤100mgの代わりに懸濁剤100mgを用いた以外は、前記の顆粒状水和剤に含まれるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの質量の測定と同じ方法で行った。
製造直後の懸濁剤100mgを、100mLスピッツ管に3度硬水を100mL入れ、希釈した。該希釈液における懸濁粒子の体積平均粒径(D0)を測定した。
アンプル管に封入し54℃で7日間静置した懸濁剤100mgを、100mLスピッツ管に3度硬水を100mL入れ、希釈した。該希釈液における懸濁粒子の体積平均粒径(D1)を測定した。
アンプル管に封入し54℃で14日間静置した懸濁剤100mgを、100mLスピッツ管に3度硬水を100mL入れ、希釈した。該希釈液における懸濁粒子の体積平均粒径(D2)を測定した。
なお、懸濁粒子の体積平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置マイクロトラック9320−X−100(日機装株式会社)により測定した。
下記の式に基づいて54℃7日における粒径成長倍率および54℃14日における粒径成長倍率を算出した。粒径成長倍率が小さいほど安定性が高いことを示す。
54℃7日における粒径成長倍率 =(D1−D0)/(D0)
54℃14日における粒径成長倍率 =(D1−D0)/(D0)
リグニンスルホン酸ナトリウム2.5部に代えてナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物2.5部を用いた以外は実施例4と同じ方法にて懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃7日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。
リグニンスルホン酸ナトリウム2.5部に代えてポリカルボン酸ナトリウム2.5部を用いた以外は実施例4と同じ方法にて懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃7日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。
リグニンスルホン酸ナトリウム2.5部に代えてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2.5部を用いた以外は実施例4と同じ方法にて懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃7日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。
リグニンスルホン酸2.5部に代えてアルキルサルフェートナトリウム2.5部を用いた以外は実施例4と同じ方法にて懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃7日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。
リグニンスルホン酸2.5部に代えてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部を用いた以外は実施例4と同じ方法にて懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃7日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。
L−アスコルビン酸−6−パルミテート10部、リグニンスルホン酸ナトリウム1.25部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸塩10部、シリコン系消泡剤2.25部、および蒸留水76.5部を混合し、遊星ミルで湿式粉砕し、懸濁剤を得た。この懸濁剤について保存安定性試験2を行って、54℃14日における残存率および粒径成長倍率を算出した。結果を表3に示す。ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸塩が添加された水媒体におけるL−アスコルビン酸−6−パルミテートの溶解度を表4に示す。
蒸留水92.5部とL−アスコルビン酸−6−パルミテート5部とリグニンスルホン酸ナトリウム2.5部とを混合し、遊星ミルで湿式粉砕し、懸濁液を得た。この懸濁液を、30℃、40℃、および54℃で7日間静置した。その後、懸濁液をろ過して、濾液を得た。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて分析してL−アスコルビン酸−6−パルミテートの濃度を計測した。結果を表4に示す。
蒸留水95部とL−アスコルビン酸−6−パルミテート5部とを混合し、遊星ミルで湿式粉砕し、懸濁液を得た。この懸濁液を、30℃、40℃、および54℃で7日間静置した。その後、懸濁液をろ過して、濾液を得た。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて分析してL−アスコルビン酸−6−パルミテートの濃度を計測した。結果を表4に示す。
蒸留水85部とL−アスコルビン酸−6−パルミテート5部とポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸塩10部とを混合し、遊星ミルで湿式粉砕し、懸濁液を得た。この懸濁液を、30℃、40℃、および54℃で7日間静置した。その後、懸濁液をろ過して、濾液を得た。得られた濾液を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて分析してL−アスコルビン酸−6−パルミテートの濃度を計測した。結果を表4に示す。
Claims (11)
- 式(A1):
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Ra、−COOH、−COORa、−CONH2、−CONHRa、−CONRaRb、−SO2H、−SO2Ra、−PO3H2、−PO(OH)ORa、−SO2NH2、−SO2NHRa、または−SO2NRaRbを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
または式(A2):
[式(A2)中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Rc、−COOH、−COORc、−CONH2、−CONHRc、−CONRcRd、−SO2H、−SO2Rc、−PO3H2、−PO(OH)ORc、−SO2NH2、−SO2NHRc、または−SO2NRcRdを示す。ただし、R5とR6の少なくとも一つは−C(=O)Rcである。
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性である物質(A)、および
式(B1):
[式(B1)中、R7〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO3H2、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、または−CHOを示す。]
または式(B2):
[式(B2)中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO3H2、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、または−CHOを示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ水溶性である物質(B)を含有する、
固形状または物質(A)が懸濁して成る液状の農園芸用または工業用製剤組成物。 - 物質(B)が、アスコルビン酸またはその塩を含有するものである、請求項1に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
- 式(A1):
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Ra、−COOH、−COORa、−CONH2、−CONHRa、−CONRaRb、−SO2H、−SO2Ra、−PO3H2、−PO(OH)ORa、−SO2NH2、−SO2NHRa、または−SO2NRaRbを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
または式(A2):
[式(A2)中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Rc、−COOH、−COORc、−CONH2、−CONHRc、−CONRcRd、−SO2H、−SO2Rc、−PO3H2、−PO(OH)ORc、−SO2NH2、−SO2NHRc、または−SO2NRcRdを示す。ただし、R5とR6の少なくとも一つは−C(=O)Rcである。
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性である物質(A)、および
物質(A)の化学的安定性を高めることができ且つ室温で固体である担体(C)
を含有する固形状の農園芸用または工業用製剤組成物。 - 担体(C)が、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、デンプン、デンプン誘導体、およびトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有するものである、請求項3に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
- 顆粒水和剤または粒剤である、請求項3または4に記載の農園芸用または工業用固形製剤組成物。
- 式(A1):
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Ra、−COOH、−COORa、−CONH2、−CONHRa、−CONRaRb、−SO2H、−SO2Ra、−PO3H2、−PO(OH)ORa、−SO2NH2、−SO2NHRa、または−SO2NRaRbを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
または式(A2):
[式(A2)中、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Rc、−COOH、−COORc、−CONH2、−CONHRc、−CONRcRd、−SO2H、−SO2Rc、−PO3H2、−PO(OH)ORc、−SO2NH2、−SO2NHRc、または−SO2NRcRdを示す。ただし、R5とR6の少なくとも一つは−C(=O)Rcである。
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つで且つ脂溶性である物質(A)、および
物質(A)の溶解度を高めない界面活性剤(D)
を含有する農園芸用または工業用製剤組成物。 - 界面活性剤(D)がリグニン系界面活性剤を含有するものである、請求項8に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
- リグニン系界面活性剤がリグニンスルホン酸塩である、請求項7に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
- 物質(A)が懸濁して成る液状である、請求項7または8に記載の農園芸用または工業用製剤組成物。
- 式(A1):
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Ra、−COOH、−COORa、−CONH2、−CONHRa、−CONRaRb、−SO2H、−SO2Ra、−PO3H2、−PO(OH)ORa、−SO2NH2、−SO2NHRa、または−SO2NRaRbを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
または式(A2):
[式(A2)中、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Rc、−COOH、−COORc、−CONH2、−CONHRc、−CONRcRd、−SO2H、−SO2Rc、−PO3H2、−PO(OH)ORc、−SO2NH2、−SO2NHRc、または−SO2NRcRdを示す。ただし、R5とR6の少なくとも一つは−C(=O)Rcである。
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つ且つ脂溶性である物質(A)と、
硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、デンプン、デンプン誘導体、およびトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する担体(C)とを
混合することを含む
物質(A)を含有する固形状の農園芸用または工業用製剤組成物の安定化方法。 - 式(A1):
[式(A1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Ra、−COOH、−COORa、−CONH2、−CONHRa、−CONRaRb、−SO2H、−SO2Ra、−PO3H2、−PO(OH)ORa、−SO2NH2、−SO2NHRa、または−SO2NRaRbを示す。ただし、R1〜R4の少なくとも一つは−C(=O)Raである。
RaおよびRbは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
または式(A2):
[式(A2)中、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するグリコシル基、−CHO、−C(=O)Rc、−COOH、−COORc、−CONH2、−CONHRc、−CONRcRd、−SO2H、−SO2Rc、−PO3H2、−PO(OH)ORc、−SO2NH2、−SO2NHRc、または−SO2NRcRdを示す。ただし、R5とR6の少なくとも一つは−C(=O)Rcである。
RcおよびRdは、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜20シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜20シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20シクロアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜10員ヘテロ環基を示す。]
で表される化合物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一つ且つ脂溶性である物質(A)を、
物質(A)の溶解度を高めない界面活性剤(D)の存在下に、
液媒に懸濁させることを含む
物質(A)が懸濁して成る液状の農園芸用または工業用製剤組成物の安定化方法。
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