JP2015006786A - 蒸着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着時に発生する蒸着抜けを抑え、蒸着層の密着強度が高く、ガスバリア性の低下を抑制した蒸着フィルムおよびその製造方法、並びに用途を提供すること。【解決手段】エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系重合体からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムであって、不飽和アルデヒドを0.01ppm以上100ppm以下含有する蒸着フィルム。不飽和アルデヒドとしては、例えばクロトンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール及び2,4,6−オクタトリエナールからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、ラミネーションなどの加工時におけるガスバリア性の低下を抑制した蒸着フィルムに関する。
従来、冷蔵庫用の断熱材や住宅断熱壁用の断熱パネル、貯湯タンクの断熱材として、ポリウレタンフォームを用いた断熱体が使われてきた。これに代るより優れた材料として、高湿度下でもガスバリア性を有するラミネートフィルムと芯材とで構成される真空断熱体が使われてはじめている。ガスバリア材としては主としてアルミニウム箔が用いられているが、アルミニウムが熱の良導体であることから、フィルム中のアルミニウム部分を通過する熱量が大きく、断熱性能が低下してしまうという欠点があった。この欠点を解消するために、アルミニウム箔の代りに薄いアルミニウム蒸着層を有するポリエステルフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、さらにシリカ蒸着フィルムなどの高ガスバリアフィルムが検討されている。
これらの蒸着層は、厚み数十〜百nmの薄い層であるために、ラミネートフィルム作製工程や真空断熱体作製工程での屈曲によるガスバリア性が低下する不都合がある。この解決策として、ガスバリア性樹脂にフィラーを入れて、耐ピンホール性を向上させる技術が知られている(特許文献1参照)。また、基材フィルムの表面処理を行い安定的なバリア性を発現させる技術が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、このような技術を用いても蒸着時に蒸着抜けを生じ、蒸着フィルムのガスバリア性が低下することから、蒸着時の加工性に関する改善が望まれていた。
特開2002−310385公報 特開2005−290108公報
本発明の目的は、上記のような蒸着時の蒸着抜けの発生、ラミネーションなどの蒸着フィルム加工時のクラックを抑え、蒸着層の密着強度に優れ、ガスバリア性の低下を抑制した蒸着フィルムおよびその製造方法、並びに用途を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムであって、基材フィルム中に不飽和アルデヒド(B)を0.01ppm以上100ppm以下含有する蒸着フィルムである。
本発明の蒸着フィルムは、ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムであって、基材フィルム中に不飽和アルデヒド(B)を上記特定範囲含有することで、蒸着時の蒸着抜けの発生、ラミネーションなどの蒸着フィルム加工時のクラックを抑え、蒸着層の密着強度に優れる。当該樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが例えば以下のように推察することができる。すなわち、不飽和アルデヒド(B)の含有量を上記特定範囲とすることで、基材フィルム作製時のゲル・ブツなどの発生を抑制することができる。その結果、基材フィルムへの蒸着時に蒸着欠点の発生が抑制されて基材フィルム表面が乱れないため、蒸着層と基材フィルムとの密着強度が向上する。
上記不飽和アルデヒド(B)は、不飽和脂肪族アルデヒドであることが好ましく、上記不飽和脂肪族アルデヒドは、クロトンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール及び2,4,6−オクタトリエナールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。当該樹脂組成物は、不飽和アルデヒドを含有することで、蒸着欠点抑制性及び蒸着層の密着強度をより向上させることができる。
上記金属蒸着層が基材フィルムの両側に有する蒸着フィルムであってもよい。基材フィルムの両側、すなわちフィルムの相対する2つの面の両方に金属蒸着層を有することで 、更なるガスバリア性の向上及び安定性が得られる。
2層以上の金属蒸着層を基材フィルムの片面または両面に有する蒸着フィルムであってもよい。金属蒸着層が2層以上蒸着されることで、更なるガスバリア性の向上及び安定性が得られる。
上記蒸着フィルムの片面の金属蒸着層の平均厚みの合計が15nm以上150nm以下であってもよい。
上記蒸着フィルムを備える包装材料または真空断熱体であってもよい。
上記蒸着フィルムは、蒸着時の基材フィルムの表面温度が60℃以下で製造することが経済性、基材フィルムの変形抑制など蒸着の安定性の観点から好ましい。
本発明の目的は、上記のような蒸着時に発生する蒸着抜けなどの蒸着欠点を抑え、蒸着層の密着強度が高く、ガスバリア性の低下を抑制した蒸着フィルムおよびその製造方法、並びに用途を提供することにある。
<蒸着フィルム>
本発明の蒸着フィルムは、ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムであって、基材フィルム中に不飽和アルデヒド(B)を0.01ppm以上100ppm以下含有する。以下、基材フィルム、不飽和アルデヒド、金属蒸着層の順に説明する。
<基材フィルム>
(ビニルアルコール系重合体(A))
上記樹脂組成物に含まれるビニルアルコール系重合体(A)は、ビニルエステル単独重合体、またはビニルエステルと他の単量体との共重合体(以下、ビニルエステル単独重合体とビニルエステルと他の単量体との共重合体の両者を合わせてビニルエステル重合体と略称する)を、アルカリ触媒などを用いてケン化して得られる。ビニルエステルと他の単量体との共重合体中のビニルエステルの含有割合は40モル%以上が好ましい。上記ビニルエステルとしては酢酸ビニルが挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、上記ビニルアルコール系重合体(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、他の単量体、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸又はその塩;アルキルチオール類;N−ビニルピロリドンなどのビニルピロリドンなどを1種又は複数種を共重合させたものでもよい。これらの中でも共重合させる単量体としては、得られるビニルアルコール系重合体(A)の溶融成形が可能となる観点から、エチレンがより好ましい。また、ビニルアルコール系重合体(A)としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
上記他の単量体がエチレンの場合、上記ビニルアルコール系重合体(A)を構成する全単位に対するエチレン単位の含有量としては、0モル%〜60モル%であり、3モル%〜60モル%がより好ましく、10モル%〜60モル%がより好ましく、20モル%〜55モル%がさらに好ましい。上記樹脂組成物に含まれるビニルアルコール系重合体(A)の製造は公知の方法で行うことができる。製造の際に連鎖移動剤を使用してもよく、連鎖移動剤としては、例えば、アルキルチオール類などが挙げられる。
また、上記ビニルアルコール系重合体(A)のビニルエステル成分のケン化度(ビニルアルコール単位及びビニルエステル単位の合計に対するビニルアルコール単位の割合(モル%))としては85モル%以上であり、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。ケン化度が85モル%未満では、当該蒸着フィルムの高湿度下でのガスバリア性が低下するおそれがある。ビニルアルコール系重合体(A)がケン化度の異なる2種類以上のビニルアルコール系重合体(A)を含む場合には、それぞれのビニルアルコール系重合体(A)の含有質量比により算出される平均値をケン化度とする。上記ビニルアルコール系重合体(A)のケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
上記基材フィルムは、20℃−65%RHで測定した酸素透過係数の上限が50ml・20μm/m・day・atm以下であることが好ましく、10ml・20μm/m・day・atm以下がより好ましく、5ml・20μm/m・day・atm以下がさらに好ましく、1ml・20μm/m・day・atm以下が特に好ましい。酸素透過係数が50ml・20μm/m・day・atm以下であると、真空断熱体を構成する基材フィルムの厚みを薄くでき、コストを低減することができる。
ここで、「20℃−65%RH」とは、20℃において相対湿度65%であることを表し、「50ml・20μm/m・day・atm」とは、フィルム厚さ20μmに換算したときに、フィルム1m、酸素ガス1気圧の圧力差のもとで、1日当たり50mlの酸素が透過することを表す。
上記基材フィルムの平均厚みは特に限定されないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。また、上記平均厚みとしては、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。
(不飽和アルデヒド(B))
上記の樹脂組成物は、不飽和アルデヒド(B)を必須成分として含有する。不飽和アルデヒド(B)の含有量の下限としては、樹脂組成物に対して、0.01ppm以上であり、0.05ppm以上がより好ましい。一方、不飽和アルデヒド(B)の含有量の上限としては、樹脂組成物に対して、100ppm以下であり、50ppm以下がより好ましい。不飽和アルデヒド(B)の含有量が上記下限未満だと、溶融成形において経時的なゲルやブツの発生の増加を抑制することが不十分となる。逆に不飽和アルデヒド(B)の含有量が上記上限を超えると、溶融成形時に不飽和アルデヒド(B)同士の縮合やビニルアルコール系重合体(A)が不飽和アルデヒド(B)同士の縮合物と架橋し、フィッシュアイやスジの発生を誘発するおそれがあり、また、当該樹脂組成物が着色し易くなるおそれがある。ここで、当該樹脂組成物中の不飽和アルデヒド(B)の含有量とは、当該樹脂組成物の全固形分質量に対する割合で表し、具体的には、乾燥させた当該樹脂組成物に含有される不飽和アルデヒド(B)を定量して得られた値をいう。
不飽和アルデヒド(B)は、分子内に炭素−炭素二重結合もしくは三重結合を有するアルデヒド類である。不飽和アルデヒド(B)としては、不飽和脂肪族アルデヒドが好ましく、例えばアクリルアルデヒド(アクロレイン)、クロトンアルデヒド、メタクリルアルデヒド、2−メチル−2−ブテナール、2−ペンテナール、2−ヘキセナール、2,6−ノナジエナール、2,4−ヘキサジエナール、2,4,6−オクタトリエナール、3−メチル−2−ヘキセナール、5−メチル−2−ヘキセナールなどの分子内に炭素−炭素二重結合を有するアルデヒド類;プロピオルアルデヒド、2−ブチン−1−アール、2−ペンチン−1−アールなどの炭素−炭素三重結合を有するアルデヒド類が好ましく、直鎖又は分岐のある炭素−炭素二重結合を有する不飽和脂肪族アルデヒドがより好ましく、クロトンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナールおよび2,4,6−オクタトリエナールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、中でも水への溶解性が高く、沸点が100℃付近のクロトンアルデヒドは例えば、洗浄工程や乾燥工程で必要に応じて過剰分を除去または不足分を追加することが容易であるので、さらに好ましい。不飽和アルデヒド(B)のアルデヒド部分を含めた炭素数としては、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、4、6、8がさらに好ましい。
(ホウ素化合物)
当該樹脂組成物は、100ppm以上5,000ppm以下のホウ素化合物をさらに含有することが好ましい。なお、ホウ素化合物の含有量は、ホウ酸換算とする。
上記ホウ素化合物としては、例えば
オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などのホウ酸類;
ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどのホウ酸エステル;
上記ホウ酸類のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ホウ砂などのホウ酸塩;
水素化ホウ素類などが挙げられる。これらのうち、ホウ酸類が好ましく、オルトホウ酸(以下、単に「ホウ酸」と称することもある)がより好ましい。
上記ホウ素化合物の含有量としては、100ppm以上5,000ppm以下であり、100ppm以上4,000ppm以下が好ましく、150ppm以上3,000ppm以下がより好ましい。当該樹脂組成物は、ホウ素化合物の含有量を上記特定範囲とすることで、溶融成形の際にゲル化を起こし難くなると共に、加熱溶融時の押出機などのトルク変動を効果的に抑制することができる。これにより、当該樹脂組成物は、外観性に優れる容器などを形成することができ、ロングラン性を向上させることができる。当該樹脂組成物は、ホウ素化合物の含有量が100ppm未満であると上記効果を十分に奏することができず、5,000ppmを超えるとゲル化し易くなり成形品の外観性が不十分となる場合がある。
(共役ポリエン化合物)
当該樹脂組成物は、0.01ppm以上1,000ppm以下の共役ポリエン化合物をさらに含有することが好ましい。ここで共役ポリエン化合物とは、不飽和アルデヒド(B)に該当する共役ポリエン化合物を含まない。当該樹脂組成物は、上記特定量の共役ポリエン化合物をさらに含有することにより、溶融成形時の酸化劣化を抑制することができる。これにより、当該樹脂組成物は、フィッシュアイなどの欠陥の発生及び着色をより抑制し、成形品の外観性を向上させることができると共に、ロングラン性にもより優れる。
上記共役ポリエン化合物とは、炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。上記共役ポリエン化合物は、共役二重結合を2個有する共役ジエン、3個有する共役トリエン、又はそれ以上の数を有する共役ポリエンであってもよい。また、上記共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエン構造が同一分子内に3個ある化合物も上記共役ポリエン化合物に含まれる。
上記共役ポリエン化合物としては、共役二重結合の数が7個以下であることが好ましい。当該樹脂組成物が、共役二重結合を8個以上有する共役ポリエン化合物を含有すると、成形品の着色が起こる可能性がある。
上記共役ポリエン化合物は、共役二重結合に加えて、カルボキシル基及びその塩、水酸基、エステル基、カルボニル基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、ジアゾ基、ニトロ基、スルホン基及びその塩、スルホニル基、スルホキシド基、スルフィド基、チオール基、リン酸基及びその塩、フェニル基、ハロゲン原子、非共役二重結合、三重結合などのその他の官能基を有していてもよい。
上記共役ポリエン化合物としては、例えば
イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、センブレン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、アビエチン酸などの共役ジエン化合物;
1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロールなどの共役トリエン化合物;
シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸などの共役ポリエン化合物などが挙げられる。なお、上記共役ポリエン化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
共役ポリエン化合物の炭素数としては、4〜30が好ましく、4〜10が好ましい。
これらのうち、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、ミルセン及びこれらのうちのいずれかの混合物が好ましく、ソルビン酸、ソルビン酸塩及びこれらの混合物がより好ましい。ソルビン酸、ソルビン酸塩及びこれらの混合物は、高温での酸化劣化の抑制効果が高く、また、食品添加剤としても広く工業的に使用されているため衛生性や入手性の観点からも好ましい。
上記共役ポリエン化合物の分子量は、通常1,000以下であり、500以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましい。上記共役ポリエン化合物の分子量が1,000を超えると、ビニルアルコール系重合体(A)中への分散状態が悪く、溶融成形後の外観が不良になるおそれがある。
上記共役ポリエン化合物の含有量は、0.01ppm以上1,000ppm以下であり、0.1ppm以上1,000ppm以下が好ましく、0.5ppm以上800ppm以下が好ましく、1ppm以上500ppm以下がより好ましい。当該樹脂組成物は、共役ポリエン化合物の含有量が0.01ppm未満であると、溶融成形時の酸化劣化を抑制する効果を十分に得られない。一方、1,000ppmを超えると、樹脂組成物のゲル化を促進し、成形品の外観が不良となり易い。
重合の後工程で共役ポリエン化合物を添加することにより成形時にゲル状ブツの発生の少ない樹脂組成物が得られることは特開平9−71620号公報に開示されているが、本発明では共役ポリエン化合物に加えて不飽和アルデヒド(B)を併せて添加することで、フィッシュアイなどの欠陥の発生及び着色をより抑制し、成形品の外観性を向上させることができることに加えて、ロングラン性にも優れる樹脂組成物が得られる。
(酢酸及び/又は酢酸塩)
当該樹脂組成物は、50ppm以上1,000ppm以下の酢酸及び/又は酢酸塩を含有することが好ましい。当該樹脂組成物は、上記特定量の酢酸及び/又は酢酸塩をさらに含有することで、成形品の着色を防止することができる。なお、酢酸及び/又は酢酸塩の含有量は、酢酸換算とする。
上記酢酸及び/又は酢酸塩としては、酢酸及び酢酸塩の両方を用いることが好ましく、酢酸及び酢酸ナトリウムを用いることがより好ましい。
酢酸及び/又は酢酸塩の含有量としては、50ppm以上1,000ppm以下が好ましく、100ppm以上1,000ppm以下が好ましく、150ppm以上500ppm以下が好ましく、200ppm以上400ppm以下がより好ましい。酢酸及び/又は酢酸塩の含有量が50ppm未満であると、十分な着色防止の効果を得られないため、当該樹脂組成物から形成される成形品に黄変が見られる場合がある。当該樹脂組成物は、酢酸及び/又は酢酸塩の含有量が1,000ppmを超えると、溶融成形時、特に長時間に及ぶ溶融成形時にゲル化し易くなり、成形品の外観が不良となる場合がある。
(リン化合物)
当該樹脂組成物は、1ppm以上200ppm以下のリン化合物を含有することが好ましい。当該樹脂組成物は、上記特定量のリン化合物をさらに含有することにより、フィッシュアイなどの欠陥の発生及び着色をより抑制し、成形品の外観性を向上させることができると共に、ロングラン性にもさらに優れる。なお、リン化合物の含有量は、リン元素換算とする。
上記リン化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸などの各種リン酸、リン酸塩などが挙げられる。
上記リン酸塩としては、第1リン酸塩、第2リン酸塩及び第3リン酸塩のいずれの形でもよい。また、そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であることが好ましく、これらのうちリン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムがより好ましく、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2カリウムがさらに好ましい。
当該樹脂組成物におけるリン化合物の含有量としては、1ppm以上200ppm以下が好ましく、2ppm以上150ppm以下が好ましく、3ppm以上150ppm以下が好ましく、5ppm以上100ppm以下がより好ましい。当該樹脂組成物は、リン化合物の含有量が1ppm未満である場合、又は200ppmを超える場合には、熱安定性が低減し、長時間にわたる溶融成形を行なう際のゲル状ブツの発生や着色の問題が生じ易くなる。
(その他の任意成分)
当該樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分として、アルカリ金属を含有してもよい。上記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また、上記アルカリ金属は、アルカリ金属塩として含有することもできる。上記アルカリ金属塩とは、例えば一価の金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、金属錯体などである。具体的にはステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩などが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが好ましい。上記アルカリ金属の当該樹脂組成物における含有量としては、20〜1,000ppmが好ましく、50〜500ppmがより好ましい。
当該樹脂組成物は、上記アルカリ金属以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、熱安定剤、他の樹脂、高級脂肪族カルボン酸の金属塩、ハイドロタルサイト化合物などをその他の任意成分として含有してもよい。当該樹脂組成物は、これらの任意成分を、1種又は2種以上含有してもよく、含有量としては、合計で1質量%以下である。
上記酸化防止剤としては、例えば2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えばエチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキトシキベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記帯電防止剤としては、例えばペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス(商品名)などが挙げられる。
上記滑剤としては、例えばエチレンビスステアロアミド、ブチルステアレートなどが挙げられる。
上記着色剤としては、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラなどが挙げられる。
上記熱安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
上記他の樹脂としては、例えばポリアミド、ポリオレフィンなどが挙げられる。
上記高級脂肪族カルボン酸の金属塩としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
なお、ゲル発生防止対策として、上記ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪酸カルボン酸の金属塩の1種、又は2種以上を0.01〜1質量%添加することができる。
上記充填剤としては、例えばグラスファイバー、ウォラストナイト、ケイ酸カルシウム、タルク、モンモリロナイトなどが挙げられる。
上記ビニルアルコール系重合体(A)は、無機酸化物を含有してもよい。この無機酸化物としては特に限定されないが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデン及びこれらの複合体などが用いられる。これらの無機酸化物の中では、酸化ケイ素、酸化ケイ素−酸化マグネシウムが好ましく、酸化ケイ素がより好ましい。
上記無機酸化物の含有量としては、ビニルアルコール系重合体100質量%に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。また、無機酸化物の含有量としては、1質量%以下が好ましく、0.75質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。無機酸化物の含有量が1質量%を超えるとゲル、フィッシュアイなどが発生し易くなり、蒸着抜けなどによりガスバリア性が低下する場合がある。
上記無機酸化物のレーザー回折散乱法で測定される平均粒子径としては、2μm以上が好ましく、2.5μm以上がより好ましい。また、無機酸化物の平均粒子径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3.5μm以下がさらに好ましい。無機酸化物の平均粒子径が10μmを超えると、ゲル、フィッシュアイなどが発生し易くなる。また、2μm未満であると、ガスバリア性が低下する場合がある。無機酸化物の添加方法としては特に限定されず、例えば、ビニルアルコール系重合体(A)の製造時に、水分散液として加えてから凝固浴で析出し乾燥させる方法、押出機などで溶融混練する方法、ドライブレンドする方法、マスターバッチを混合する方法などが挙げられる。
<樹脂組成物の製造方法>
上記の樹脂組成物の製造方法としては、ビニルアルコール系重合体(A)中に不飽和アルデヒド(B)を均一にブレンドでき、最終的に得られる樹脂組成物の0.01ppm以上100ppm以下の範囲の不飽和アルデヒド(B)を含有させられる方法であれば特に限定されないが、
(1)ビニルエステルなどを重合させる工程、及び
(2)工程(1)により得られた共重合体をケン化する工程
を有するビニルアルコール系重合体(A)の製造方法であって、
上記樹脂組成物中に0.01ppm以上100ppm以下の不飽和アルデヒド(B)を含有させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法が好ましい。
上記特定量の不飽和アルデヒド(B)を樹脂組成物中に含有させる方法としては、特に限定されないが、例えば
上記工程(1)において特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法、
上記工程(2)において特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法、
上記工程(2)により得られたビニルアルコール系重合体(A)に、特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法などが挙げられる。
しかし、上記工程(1)において特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法、又は上記工程(2)において特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法を採用する場合には、得られる樹脂組成物中に所望量の不飽和アルデヒド(B)を含有させるために、上記工程(1)における重合反応、上記工程(2)におけるケン化反応で消費される量を考慮して添加量を多くする必要があるが、不飽和アルデヒド(B)の量が多いとこれらの反応を阻害するおそれがある。また、重合反応やケン化反応の反応条件により消費される量が変動するため、樹脂組成物中の不飽和アルデヒド(B)の含有量を調節することが難しい。したがって、上記工程(2)より後に、上記工程(2)により得られたEVOH(A)に、特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法が好ましい。
上記ビニルアルコール系重合体(A)に特定量の不飽和アルデヒド(B)を添加する方法としては、例えば不飽和アルデヒド(B)を予めビニルアルコール系重合体(A)に配合してペレットを造粒する方法、ビニルエステル重合体のケン化後にペーストを析出させる工程で析出させたストランドに不飽和アルデヒド(B)を含浸させる方法、析出させたストランドをカットした後に不飽和アルデヒド(B)を含浸させる方法、乾燥樹脂組成物のチップを再溶解したものに不飽和アルデヒド(B)を添加する方法、ビニルアルコール系重合体(A)及び不飽和アルデヒド(B)の2成分をブレンドしたものを溶融混練する方法、押出機の途中からビニルアルコール系重合体(A)の溶融物に不飽和アルデヒド(B)をフィードし含有させる方法、不飽和アルデヒド(B)をビニルアルコール系重合体(A)の一部に高濃度で配合して造粒したマスターバッチを作成しビニルアルコール系重合体(A)とドライブレンドして溶融混練する方法などが挙げられる。
これらのうち、ビニルアルコール系重合体(A)中に微量の不飽和アルデヒド(B)を均一に分散することができる観点から、上記不飽和アルデヒド(B)混合工程としては、不飽和アルデヒド(B)を予めビニルアルコール系重合体(A)に配合してペレットを造粒する工程であることが好ましい。具体的には、ビニルアルコール系重合体(A)を水/メタノール混合溶媒などの良溶媒に溶解させた溶液に、不飽和アルデヒド(B)を添加し、その混合溶液をノズルなどから貧溶媒中に押出して析出及び/又は凝固させ、それを洗浄及び/又は乾燥することにより、ビニルアルコール系重合体(A)に不飽和アルデヒド(B)が均一に混合されたペレットを得ることができる。
また、上記ペレットを造粒する工程で不飽和アルデヒド(B)とともに共役ポリエン化合物を同時に添加することもできる。不飽和アルデヒド(B)と共役ポリエン化合物とを添加することにより、フィッシュアイなどの欠陥の発生及び着色をより抑制し、成形品の外観性を向上させることができることに加えて、ロングラン性にも優れる樹脂組成物を得ることができる。
当該樹脂組成物に不飽和アルデヒド(B)以外の各成分を含有させる方法としては、例えば上記ペレットを各成分と共に混合して溶融混練する方法、上記ペレットを調製する際に、不飽和アルデヒド(B)と共に同時に各成分を混合する方法、上記ペレットを各成分が含まれる溶液に浸漬させる方法などが挙げられる。なお、上記混合には、リボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサーなどを用いることができる。
<基材フィルムの製造方法>
上記基材フィルムの製造方法は特に限定されず、キャスト法による無延伸、延伸のいずれであってもよく、基材フィルムの延伸方法については、二軸延伸、一軸延伸、インフレーションのいずれであってもよい。なお、基材フィルムを製造する際に、上記不飽和アルデヒド(B)などの成分を混合してフィルムを得てもよい。基材フィルム中の上記不飽和アルデヒド(B)などの成分濃度は、上記記載の樹脂組成物中の成分濃度であることが好ましい。
基材フィルムの延伸を行う方法としては特に限定されるものではなく、同時延伸、逐次延伸のいずれの方式も可能である。延伸倍率は、面積倍率の上限として12倍以下が好ましく、11倍以下がより好ましい。また、延伸倍率としては、面積倍率として8倍以上が好ましく、9倍以上がより好ましい。面積倍率の下限として8倍以上が好ましく、9倍以上がより好ましい。面積倍率を8〜12倍とすることが、得られるフィルムの厚みの均一性、ガスバリア性及び機械的強度の点から好ましい。面積倍率が8倍未満であると、延伸斑が残りやすくなることがあり、また12倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じやすくなることがある。
また、延伸前の原反に予め含水させておくことにより、連続延伸が容易となる。延伸前原反の水分率としては2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。延伸前原反の水分率としては30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。水分率が2質量%未満の場合、延伸斑が残りやすく、また特にテンターで延伸する場合、グリップに近い部分の延伸倍率が高くなるために、グリップ近辺での破れが生じやすくなることがある。一方、水分率が30質量%を超える場合、延伸された部分の弾性率が低く、未延伸部分との差が十分でなく、延伸斑が残り易くなることがある。
延伸温度としては、延伸前の原反の水分率によって多少異なるが、一般に50℃〜130℃の範囲が用いられる。特に同時二軸延伸においては、70℃〜100℃の範囲において、厚み斑の少ない二軸延伸フィルムが得られ易く、逐次二軸延伸においては、ロールでの長手方向の延伸においては70℃〜100℃、テンターでの幅方向の延伸においては80℃〜120℃の温度範囲において、厚み斑の少ない二軸延伸フィルムが得られ易い。
<金属蒸着層>
本発明の蒸着フィルムは、ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する。基材フィルムの上に蒸着させる金属としてはアルミニウムが、軽く、柔軟性、光沢性に富むという利点を有するので好ましい。蒸着層表面から走査型電子顕微鏡にて観察したときの蒸着された金属粒子の平均粒子径の上限は150nm以下であり、125nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、75nm以下がより好ましく、50nm以下が特に好ましい。上記金属蒸着層の平均粒子径の下限は特に限定はないが、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上がさらに好ましい。この金属蒸着層の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡などの電子顕微鏡で測定されるものであり、上記金属蒸着層が金属粒子で形成されている場合はこの金属粒子の粒子径を、金属粒塊で形成されている場合はこの粒塊を与える金属粒子の粒子径を意味する。また、金属蒸着層の平均粒子径は、電子顕微鏡で観察される金属粒子などの同一方向についてのそれぞれの最大長さを個数平均したものを意味する。
上記金属蒸着層の平均厚みとしては、蒸着層1層あたり150nm以下が好ましく、130nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましい。また、上記金属蒸着層の平均厚みとしては、蒸着層1層あたり15nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上がさらに好ましい。蒸着層1層あたりの金属蒸着層の平均厚みが150nmを超えると、真空断熱体においてヒートブリッジが発生し易くなり、断熱効果が低下するおそれがある。また蒸着層1層あたりの金属蒸着層の平均厚みが15nm未満だと、ガスバリア性が不充分になるおそれがある。なお、上記金属蒸着層の平均厚みとは、電子顕微鏡により測定される金属蒸着層断面の任意の10点における厚みの平均値である。複数の金属蒸着層を有する蒸着フィルムは、金属蒸着層それぞれが上記の金属蒸着層の平均厚みの範囲であることが好ましく、金属蒸着層の厚さの和(金属蒸着層の平均厚みの合計)が上記の金属蒸着層の平均厚みの範囲であるとさらに好ましい。
上記金属蒸着層の平均粒径を150nm以下とする方法としては、蒸着フィルムの製造において、蒸着前の基材フィルムに含まれる揮発分の含有量を1.1質量%以下にすること、蒸着時の基材フィルムの表面温度を60℃以下にすること、蒸着前の基材フィルムの表面をプラズマ処理し改質することなどの方法を用いることができる。
上記蒸着前の基材フィルムに含まれる揮発分の含有量としては、1.1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。また、上記揮発分の含有量としては、下限は特に限定されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。ここで、揮発分の含有量は、105℃における乾燥前後の質量変化から下記式により求められる。
揮発分の含有量(質量%)=[(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥後質量]×100
金属蒸着を行う際の基材フィルムの表面温度としては、60℃以下が好ましく、55℃以下がより好ましく、50℃以下がさらに好ましい。また、蒸着時の基材フィルムの表面温度としては、下限は特に限定されないが、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。表面温度を60℃以下とすることで基材フィルムの上に蒸着される金属の平均粒径を上記範囲にすることでガスバリア性が向上すること、基材フィルムの変形を抑制することができる。
本発明の蒸着フィルムは、金属蒸着層を基材フィルムの両面、すなわちフィルムの相対する2つの面の両方に金属蒸着層を有していてもよい。金属蒸着層を基材の両面に配置することで、更なるガスバリア性の向上及び安定性が得られる。ここで安定性とは、ある蒸着層が物理的衝撃などにより欠陥が生じても、他の蒸着層がバリア性を維持することにより、フィルムのガスバリア性が維持されることを表す。
本発明の蒸着フィルムは、2層以上の金属蒸着層を基材フィルムの片面または両面に有する蒸着フィルムであってもよい。
なお、本明細書中において、基材フィルムの片面の蒸着層を基材フィルム側から順に、第1層目蒸着層、第2層目蒸着層・・・第n層目蒸着層とする。ここでnは整数を表す。
金属蒸着層は、1層以上であってもよく、好ましくは経済性の面から1〜5層、より好ましくは、1〜3層である。1層以上の金属蒸着層を基材フィルムの片面または両面に有することで、ガスバリア性の向上および安定性が得られる。
蒸着前の基材フィルムの表面をプラズマ処理する方法としては、公知の方法を用いることができるが、この中でも、大気圧プラズマ処理が好ましい。大気圧プラズマ処理においては、放電ガスとして、窒素ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどが用いられる。この中でも、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストを低減することができ、好ましく用いられる。
上記プラズマ処理の他に、基材フィルムに蒸着処理を施す前の基材フィルムの表面に前処理としては、例えば、コロナ処理等の基材そのものの活性化を促す方法と、ポリエチレンやポリエーテルを主剤としウレタン系硬化剤を用いるようなコーティング剤で薄膜層を形成する方法を挙げることができる。
本発明の蒸着フィルムは、上記金属蒸着層上に積層されるビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂コート層をさらに有してもよい。樹脂コート層をさらに有することにより、当該蒸着フィルム製造において起こりうる、後工程のラミネーションなどのフィルム加工における屈曲によるガスバリア性の低下をさらに抑制することができる。樹脂コート層の材料としては、水溶性又は水分散性ポリマー、すなわち、常温で水を主成分とする溶媒に完全に溶解又は微分散可能な高分子であることが好ましい。このようなポリマーとしては、特に限定されないが、基材フィルムに用いることのできるビニルアルコール系重合体(A)として例示したもののうち、水溶性又は水分散性などを持つポリマーが挙げられる。
上記樹脂コート層には、膨潤性無機層状ケイ酸塩を分散させてもよい。樹脂コート層中のビニルアルコール系重合体(A)に対する上記膨潤性無機層状ケイ酸塩の含有量としては特に限定されないが、固形分換算で、0.5質量%〜55質量%が好ましい。55質量%を超えると、樹脂コート層の柔軟性が低下してクラックなどの欠点を生じ易くなる。膨潤性無機層状ケイ酸塩の含有量としては、1質量%〜40質量%がより好ましく、3質量%〜30質量%がさらに好ましく、5質量%〜20質量%が特に好ましい。
上記金属蒸着層に上記樹脂コート層を積層する方法としては特に限定されないが、金属蒸着層上に、樹脂組成物の塗工液を基材フィルム側の表面に塗布、乾燥及び熱処理を行いコーティングする方法、金属蒸着層側に樹脂コート層をラミネートする方法が好ましい。また、金属蒸着層と樹脂コート層との界面は、コロナ処理、アンカーコート剤などによる処理などがされていてもよい。上記コーティングする方法としては、ダイレクトグラビア法やリバースグラビア法、マイクログラビア法、2本ロールビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法などのロールコーティング法;ドクターナイフ法、ダイコート法、ディップコート法、バーコーティング法、及びこれらを組み合わせたコーティング法などが挙げられる。樹脂コート層の平均厚みとしては、特に限定されないが、10μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。樹脂コート層の平均厚みとしては、下限は特に限定されないが、効果的なガスバリア性を得るためには0.001μm以上が好ましい。
本発明の蒸着フィルムは、ビニルアルコール系重合体(A)以外の熱可塑性樹脂を含む層をさらに有していてもよい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが挙げられ、これらは延伸されていてもよい。上記熱可塑性樹脂からなる層は、当該蒸着フィルムの基材フィルム、金属蒸着層、及び樹脂コート層のいずれに積層されていてもよく、これらの層と接着層を介していてもよい。
なお、前述の多層フィルムは、本発明の金属蒸着フィルムを複数層有していてもよく、例えば、本発明の蒸着フィルムとビニルアルコール系重合体(A)以外の熱可塑性樹脂からなる基材の上に金属蒸着層を有するフィルムとを複数層有することで、より高いバリア性を安定的に得ることができる。ビニルアルコール系重合体(A)以外の熱可塑性樹脂からなる基材の上に金属蒸着層を有するフィルムとして、例えば金属蒸着ポリエステルフィルムが挙げられる。
上記蒸着フィルムは、40℃、蒸着層側の湿度90%RH、基材フィルム側の湿度0%RHで測定した酸素透過度の上限が5ml/m・day・atm以下であることが好ましく、3ml/m・day・atm以下がより好ましく、2ml/m・day・atm以下がさらに好ましく、1ml/m・day・atm以下が特に好ましい。酸素透過度が5ml/m・day・atm以下であると、真空断熱体を構成する断熱体の真空度を維持できる期間が延び、真空断熱体の耐用年数を延ばすことができる。
上記蒸着前の蒸着フィルムに含まれる揮発分の含有量としては、1.1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。また、上記揮発分の含有量としては、下限は特に限定されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましい。ここで、揮発分の含有量は、105℃における乾燥前後の質量変化から下記式により求められる。
揮発分の含有量(質量%)=[(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥後質量]×100
例えば真空断熱体においては、真空断熱体の真空部分に蒸着フィルムから発生する揮発分が侵入する。その結果真空断熱体中の真空度が下がり、断熱性能が低下する。このため蒸着フィルムに含まれる揮発分の含有量は、可能な限り小さいことがとくに好ましい。
<用途>
本発明のビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムは、蒸着時の蒸着抜けの発生、ラミネーションなどの蒸着フィルム加工時のクラックを抑え、蒸着層の密着強度に優れる。このため、本発明の蒸着フィルムは、様々な用途に適用できる。例えば、包装材料や真空断熱体が挙げられる。
包装材料としては、様々な用途に適用することができ、酸素に対するバリア性が必要となる用途や、包装材の内部が各種の機能性ガスによって置換される用途に好ましく用いられる。また、本発明の包装材料は、食品用包装材料、農薬、医薬などの薬品;医療器材;機械部品、精密材料などの産業資材;衣料などを包装するための包装材料として好ましく用いることができる。
また、本発明の包装材料は種々の成形品に加工して使用することができる。このような成形品は、縦製袋充填シール袋、真空包装袋、スパウト付パウチ、ラミネートチューブ容器、容器用蓋材または真空断熱体であってもよい。
上記成形品(たとえば縦製袋充填シール袋など)では、ヒートシールが行われる。ヒートシールが行われる場合には、通常、成形品の内側となる側、あるいは成形品の内側となる側および外側となる側の両方に、ヒートシール可能な層を配置することが必要である。ヒートシール可能な層が、成形品(袋)の内側となる側にのみある場合は、通常、胴体部のシールは合掌貼りシールとなる。ヒートシール可能な層が、成形品の内側となる側および外側となる側の両方にある場合は、通常、胴体部のシールは封筒貼りシールとなる。ヒートシール可能な層としては、ポリオレフィン層(以下、「PO層」と記載することがある)が好ましい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、たとえば、液体、粘稠体、粉体、固形バラ物、または、これらを組み合わせた食品や飲料物などを包装する縦製袋充填シール袋であってもよい。本発明の蒸着フィルムを含む縦製袋充填シール袋は、ガスバリア性に優れ、変形や衝撃などの物理的ストレスを受けた際にもそのガスバリア性が維持されるため、該縦製袋充填シール袋によれば、内容物の品質劣化を長期間にわたって抑制できる。
縦製袋充填シール袋は、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリオレフィン層、紙層、無機蒸着フィルム層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層(以下、EVOH層と記載することがある)、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。縦製袋充填シール袋として特に好ましい蒸着フィルムの構成としては、蒸着フィルム/ポリアミド層/PO層、蒸着フィルム/PO層、PO層/蒸着フィルム/PO層という構成が挙げられる。該縦製袋充填シール袋は、変形や衝撃などの物理的ストレスを受けた際にもそのガスバリア性が維持される。上記縦製袋充填シール袋を構成する各層の層と層の間には、接着層を設けてもよい。また、本発明の蒸着層が基材の片面にある場合、蒸着層は、該縦製袋充填シール袋の外側および内側のいずれの方向を向いていてもよい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、固形分を含む食品などを包装する真空包装袋であってもよい。真空包装袋は、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリオレフィン層、無機蒸着フィルム層、EVOH層、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。
真空包装袋として特に好ましい蒸着フィルムの構成としては、蒸着フィルム/ポリアミド層/PO層、および、ポリアミド層/蒸着フィルム/PO層、という構成が挙げられる。このような蒸着フィルムを用いた真空包装袋は、真空包装後や、真空包装・加熱殺菌後のガスバリア性に特に優れる。上記各層の層間には接着層を設けてもよい。また、蒸着層が基材の片面のみに積層されている場合、蒸着層は、基材に対して真空包装袋の外側にあってもよいし内側にあってもよい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、様々な液状物質を包装するスパウト付パウチであってもよい。該スパウト付パウチは、液体飲料(たとえば清涼飲料)、ゼリー飲料、ヨーグルト、フルーツソース、調味料、機能性水、流動食などの容器として使用できる。該スパウト付パウチは、ガスバリア性に優れ、変形や衝撃などの物理的ストレスを受けた際にもそのガスバリア性が維持される。そのため該スパウト付パウチを用いることによって、輸送後、長期保存後においても、内容物の変質を防ぐことが可能である。
スパウト付きパウチは、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリオレフィン層、無機蒸着フィルム層、EVOH層、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。スパウト付パウチとして特に好ましい蒸着フィルムの構成としては、蒸着フィルム/ポリアミド層/PO層、および、ポリアミド層/蒸着フィルム/PO層、という構成が挙げられる。上記各層の層間には接着層を設けてもよい。また、蒸着層が基材の片面のみに積層されている場合、蒸着層は、基材に対してスパウト付パウチの外側にあってもよいし内側にあってもよい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、化粧品、薬品、医薬品、食品、歯磨などを包装するラミネートチューブ容器であってもよい。該ラミネートチューブ容器は、ガスバリア性に優れ、変形や衝撃などの物理的ストレスを受けた際にもそのガスバリア性が維持される。
ラミネートチューブ容器は、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリアミド層、ポリオレフィン層(顔料含有ポリオレフィン層であってもよい)、無機蒸着フィルム層、EVOH層、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。ラミネートチューブ容器として特に好ましい構成としては、PO層/蒸着フィルム/PO層、および、PO層/顔料含有PO層/PO層/蒸着フィルム/PO層、という構成が挙げられる。上記各層の層間には、接着層を配置してもよい。また、蒸着層が基材の片面のみに積層されている場合、蒸着層は、基材に対してラミネートチューブ容器の外側にあってもよいし内側にあってもよい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、畜肉加工品、野菜加工品、水産加工品、フルーツなどの食品が充填される容器の蓋材であってもよい。該容器用蓋材は、ガスバリア性に優れ、変形や衝撃などの物理的ストレスを受けた際にもそのガスバリア性が維持されるため、内容物である食品の品質劣化を長期間にわたって抑制できる。そして、該容器用蓋材は、食料品などの内容物の保存用に使用される容器の蓋材として、好ましく用いられる。
容器用蓋材は、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリアミド層、ポリオレフィン層、無機蒸着フィルム層、EVOH層、ポリエステル層、紙層、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。容器用蓋材として特に好ましい蒸着フィルムの構成としては、蒸着フィルム/ポリアミド層/PO層、および、蒸着フィルム/PO層、という構成が挙げられる。上記各層の層間には、接着層を設けてもよい。また、蒸着層が基材の片面にある場合、蒸着層は、基材よりも内側(容器側)にあってもよいし、基材よりも外側にあってもよい。
本発明の蒸着フィルムを含む成形品は、保冷や保温が必要な各種用途に使用することができる真空断熱体であってもよい。該真空断熱体は、長期間にわたって断熱効果を保持できるため、冷蔵庫、給湯設備および炊飯器などの家電製品用の断熱材、壁部、天井部、屋根裏部および床部などに用いられる住宅用断熱材、車両屋根材、自動販売機などの断熱パネルなどに利用できる。
真空断熱体は、少なくとも1層の蒸着フィルムと、少なくとも1層の他の層とを積層することによって形成してもよい。他の層の例には、ポリエステル層、ポリアミド層、ポリオレフィン層、および接着層などが含まれる。これらの層の数および積層順には特に制限はないが、ヒートシールが行われる場合にはそのための構成が採用される。真空断熱体として特に好ましい蒸着フィルムの構成としては、蒸着フィルム/ポリアミド層/PO層、および、ポリアミド層/蒸着フィルム/PO層、という構成が挙げられる。上記各層の層間には、接着層を設けてもよい。また、蒸着層が基材の一方の表面のみに積層されている場合、蒸着層は、基材に対して真空断熱体の外側にあってもよいし内側にあってもよい。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例における各定量は、以下の方法を用いて行った。
[ビニルアルコール系重合体(A)のエチレン含有量及びケン化度]
DMSO−dを溶媒としたH−NMR(日本電子株式会社製「JNM−GX−500型」)により求めた。
[不飽和アルデヒド(B)の定量]
50質量%の2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)溶液200mgに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)50ml、酢酸11.5ml及びイオン交換水8mlを添加し、DNPH調整溶液を作製する。その後、試料(乾燥樹脂組成物ペレット、基材フィルム、または蒸着フィルム)1gをDNPH調整溶液20mlに添加し、35℃にて1時間攪拌溶解させる。この溶液にアセトニトリルを添加してビニルアルコール系重合体(A)を沈降させ、溶液を濾過・濃縮し、抽出サンプルを得る。この抽出サンプルを高速液体クロマトグラフィーにて定量分析することで、不飽和アルデヒド(B)の量を定量した。なお、定量に際しては、それぞれの不飽和アルデヒド(B)をDNPH調製溶液と反応させて得た標品を用いて作成した検量線を使用した。
[金属蒸着層の厚み]
蒸着フィルムをミクロトームでカットし、断面を露出させた。この断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、金属蒸着層の厚みを測定した。SEM観察はエス・アイ・アイナノテクノロジー製ZEISS ULTRA 55を使用し、反射電子検出器を用いて行った。
[蒸着フィルムの蒸着欠点の評価]
(1)蒸着欠点数の測定
蒸着フィルムの1本目のロールをスリッターにかけて、フィルム下部から100Wの蛍光灯を当てながら巻きだし、幅0.5m長さ2mに渡ってn=10で蒸着欠点数を数え、その平均値を1mあたりの蒸着欠点数とし、以下のように判定した。
A:0〜20個/m
B:21〜40個/m
C:41〜60個/m
D:61〜80個/m
E:81〜100個/m
F:101個以上/m
(2)蒸着欠点数の経時変化
蒸着フィルムの連続製造において、蒸着フィルム100本目について1本目と同じ判定方法で蒸着欠点数を評価し、1本目と100本目との蒸着欠点のランクを比較することで蒸着欠点の経時変化を判定した。
(判定基準)
A:蒸着フィルム1本目と100本目での蒸着欠点のランク差がなかった。
B:蒸着フィルム1本目と100本目での蒸着欠点のランク差が1つあった。
[密着強度の評価]
(1)蒸着強度の測定
蒸着フィルムにおける蒸着層と樹脂層との密着強度を、以下のように評価した。
蒸着フィルムの金属蒸着層側の表面に、ドライラミネート用接着剤(三井化学製タケラックA−385/A−50を6/1の質量比で混合し、固形分濃度23質量%の酢酸エチル溶液としたもの)を、バーコーターを用いてコートし、50℃で5分間熱風乾燥させた後、80℃に加熱したニップロールにて、PETフィルム(東洋紡製E5000)とラミネートを行った。このとき、フィルムの半分は、間にアルミホイルを挟むことで貼りあわされない部分も用意した。その後、40℃で72時間養生し、ラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムをアルミ蒸着の境目を中心として100mm×15mmの短冊に裁断し、引っ張り試験機により引っ張り速度10mm/分にてT型剥離試験を5回行った。得られた測定値の平均値を密着強度とした。密着強度は、以下のように判定した。
(判定基準)
A:500g/15mm以上
B:450以上500g/15mm未満
C:400以上450g/15mm未満
D:350以上400g/15mm未満
E:350g/15mm未満
(2)密着強度の経時変化
蒸着フィルムの連続製造において、蒸着フィルム100本目について1本目と同じ判定方法で密着強度を評価し、1本目と100本目との密着強度のランクを比較することで密着強度の経時変化を判定した。
(判定基準)
A:蒸着フィルム1本目と100本目での蒸着欠点のランク差がなかった。
B:蒸着フィルム1本目と100本目での蒸着欠点のランク差が1つあった。
C:蒸着フィルム1本目と100本目での蒸着欠点のランク差が2つあった。
[基材フィルム、蒸着フィルムからの揮発分]
ロールの全幅80cmにおける中央部から、揮発分測定用の小片を切り出し、熱風乾燥機を用いて105℃で3時間乾燥し、乾燥前後の質量から下記式により揮発分を求めた。
揮発分(質量%)=(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥後質量×100
[酸素透過度]
蒸着フィルムの一部を切り取り、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製「MOCON OX−TRAN2/20」、検出限界値0.01ml/m・day・atm)を用いて測定した。測定条件は、温度が40℃、酸素供給側の湿度が90%RH、キャリアガス側の湿度が0%RH、酸素圧が1気圧、キャリアガス圧力が1気圧の条件下をJIS K7126(等圧法)に記載の方法に準じた。蒸着フィルムの酸素透過率測定装置への設置方法は、蒸着フィルムの片面に樹脂面がある場合は、蒸着層側を酸素供給側、樹脂面側をキャリアガス側とする。蒸着フィルムの両面が金属蒸着層の場合は、面を選んで設置していない。
<ビニルアルコール系重合体(A)の合成>
[合成例1]
250Lの加圧反応槽を用いて以下の条件でエチレン−酢酸ビニル共重合体の重合を実施した。
酢酸ビニル 83.0kg、
メタノール 26.6kg、
2,2’−アゾビスイソブチルニトリル供給量 1119.5ml/hr (濃度1.5g/l)
重合温度 60℃
重合槽エチレン圧力 4.93MPa
重合時間 5.0時間
得られた共重合体における酢酸ビニルの重合率は約40%であった。この共重合反応液にソルビン酸を添加した後、追出塔に供給し、塔下部からのメタノール蒸気の導入により未反応酢酸ビニルを塔頂より除去して、エチレン−酢酸ビニル共重合体の41%メタノール溶液を得た。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量は32mol%であった。このエチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液をケン化反応器に仕込み、苛性ソーダ/メタノール溶液(80g/l)を、共重合体中のビニルエステル成分に対して0.4当量となるように添加し、メタノールを加えて共重合体濃度が20%になるように調整した。この溶液を60℃に昇温し、反応器内に窒素ガスを吹き込みながら約4時間反応させた。この溶液を円形の開口部を有する金板から水中に押出して析出させ、切断することで直径約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたペレットは遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返した。
上記脱液して得たペレット20kgを、180kgの水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌し完全に溶解させた。得られた溶液に不飽和アルデヒド(B)、及びソルビン酸を添加し、さらに1時間攪拌して不飽和アルデヒド(B)及びソルビン酸を完全に溶解させ、樹脂組成物溶液を得た。この樹脂組成物溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の凝固浴中に連続的に押出してストランド状に凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の樹脂組成物チップを得た。得られた多孔質の樹脂組成物チップを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄した後、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム及びホウ酸を含む水溶液で浸漬処理を行った。この浸漬処理用水溶液と樹脂組成物チップを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、さらに100℃で16時間乾燥を行って、樹脂組成物(乾燥樹脂組成物ペレット)を得た。得られた樹脂組成物における各成分の含有量は、上記定量方法を用いて定量した。なお、不飽和アルデヒド(B)の添加量、浸漬処理用水溶液の各成分の濃度を調節することにより、各成分の含有量が表1に記載の通りとなるように樹脂組成物を調製した。
[合成例2]
重合時にクロトンアルデヒドを全系に対して0.5ppm共存するように供給した以外は合成例1と同様にして重合、ケン化、ペレット化及び洗浄を行ってペレットを得た。得られたペレット20kgを、180kgの水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌し完全に溶解させた。得られた溶液に不飽和アルデヒド(B)、及びソルビン酸を添加し、さらに1時間攪拌して不飽和アルデヒド(B)及びソルビン酸を完全に溶解させ、樹脂組成物溶液を得た。この樹脂組成物溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=90/10(質量比)の凝固浴中に連続的に押出してストランド状に凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して多孔質の樹脂組成物チップを得た。得られた多孔質の樹脂組成物チップを酢酸水溶液及びイオン交換水を用いて洗浄した後、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム及びホウ酸を含む水溶液で浸漬処理を行った。この浸漬処理用水溶液と樹脂組成物チップを分離して脱液した後、熱風乾燥機に入れて80℃で4時間乾燥を行い、さらに100℃で16時間乾燥を行って、樹脂組成物(乾燥樹脂組成物ペレット)を得た。得られた樹脂組成物における各成分の含有量は、上記定量方法を用いて定量した。なお、合成例2で得た樹脂組成物中の不飽和アルデヒド(B)は、検出限界以下だった。
<実施例1>
(1)基材フィルムの製造
上記合成例1で得た樹脂組成物100質量部に対して、クロトンアルデヒドを2.9ppm、富士シリシア化学株式会社製合成シリカ(「サイリシア」310P、レーザー法で測定された平均粒子径2.7μ)を0.03質量部になるようにタンブラーを用いてドライブレンドを行い、240℃にて溶融し、ダイからキャスティングロール上に押出すと同時にエアーナイフを用いて空気を風速30m/秒で吹付け、厚さ170μmの未延伸フィルムを得た。このフィルムを80℃の温水に10秒接触させ、テンター式同時二軸延伸設備により90℃にて縦方向に3.2倍、横方向に3.0倍延伸し、さらに170℃に設定したテンター内にて5秒間熱処理を行い、全幅3.6mの延伸熱処理フィルムを得た。このフィルムを巻き返しながら、フィルム全幅における中央位置を中心にして幅80cmをスリットし、4000m長のロールを得た。さらに、連続して基材フィルムを製膜し、4000m長のロールを計100本採取した。
本実施例においては、揮発分は0.15質量%であった。揮発分を抑えた二軸延伸フィルムは、製膜後、吸湿を防止するため、速やかにアルミニウム箔ラミネートフィルムで梱包した。
上記のフィルムを原料として、日本真空技術社製バッチ式蒸着設備EWA−105を用い、フィルム表面温度38℃、フィルム走行速度200m/分で、フィルム片側にアルミニウムを蒸着させ、蒸着フィルムを得た。蒸着されたアルミニウムの厚さは70nmであった。さらに、連続して製膜して得た4000m長のロール100本をそれぞれ蒸着フィルムとした。蒸着フィルムのロールの1本目、100本目について、それぞれ蒸着欠点数、密着強度、酸素透過度(OTR)を評価した。
得られた蒸着フィルムの蒸着欠点数、蒸着欠点数の経時的変化、蒸着層の密着強度、蒸着層の密着強度の経時的変化はいずれも良好であった。蒸着フィルムからの揮発分は、すべてのロールにおいて同一であり、良好であった。
<実施例2〜13>
表1に示すようにクロトンアルデヒドの含有量、蒸着におけるフィルム表面温度、蒸着層の厚みを変更する以外は実施例1と同様に蒸着フィルムを作製して、蒸着欠点数、蒸着欠点数の経時的変化、蒸着フィルムからの揮発分、蒸着層の密着強度、蒸着層の密着強度の経時的変化の評価を行った。これらの結果を表1に示す。いずれの評価項目においても良好な性能が確認された。
<実施例14>
実施例1で得られたフィルムを原料として、日本真空技術社製バッチ式蒸着設備EWBA−105を用い、フィルム表面温度38℃、フィルム走行速度200m/分で、フィルム片側にアルミニウムを蒸着させ、蒸着フィルムを得た。フィルムを室温まで十分に冷却した後、再び日本真空技術社製バッチ式蒸着設備EWA−105を用い、フィルム表面温度38℃、フィルム走行速度200m/分で、先にアルミ蒸着を施した面と反対の面にアルミニウムを蒸着させ、両面蒸着フィルムを得た。蒸着されたアルミニウムの厚さは両面とも70nmであった。実施例1と同様に蒸着欠点数、蒸着欠点数の経時的変化、蒸着層の密着強度、蒸着層の密着強度の経時的変化の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例15>
実施例1で得られたフィルムを原料として、日本真空技術社製バッチ式蒸着設備EWA−105を用い、フィルム表面温度38℃、フィルム走行速度200m/分で、フィルム片側にアルミニウムを蒸着させ、蒸着フィルムを得た。フィルムを室温まで十分に冷却した後、再び日本真空技術社製バッチ式蒸着設備EWA−105を用い、フィルム表面温度38℃、フィルム走行速度200m/分で、先にアルミ蒸着を施した面と同じ面にアルミニウムを蒸着させ、2層蒸着フィルムを得た。蒸着されたアルミニウムの厚さは各層とも70nmであった。実施例1と同様に蒸着欠点数、蒸着欠点数の経時的変化、蒸着層の密着強度、蒸着層の密着強度の経時的変化の評価を行った結果を表1に示す。
<実施例16>
実施例1で得られた蒸着フィルムを用いて、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、三井化学東セロ株式会社製、RXC‐21)と、厚さ12μmのポリエステル延伸フィルム(PET、東レ株式会社製「ルミラー」P60)とを、接着剤を用いてドライラミネートにより積層し、多層フィルムを得た。この多層フィルムの層構成は、ポリエステル延伸フィルム/蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムであり、上記蒸着フィルムの蒸着層側が、ポリエステル延伸フィルム側になるように積層した。接着剤として、三井化学株式会社「タケラック」A−385/「タケネート」A−50を用い、塗布量を固形分4g/mとし、50℃で5秒間乾燥した。また、乾燥後さらに40℃で3日間エージングした。この多層フィルムを用いて、酸素透過度(OTR)を測定したところ、0.09ml/m・day・atmであった。
<実施例17>
実施例1で得られた蒸着フィルムを用いて、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、三井化学東セロ株式会社製、RXC‐21)と、厚さ12μmの蒸着ポリエステル延伸フィルム(蒸着PET、東レ株式会社製「VM−PET」1510)とを、実施例16と同様の方法で多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムは蒸着PETの蒸着面と蒸着フィルムの蒸着面を張り合わせた。酸素透過度を測定した結果、0.04ml/m・day・atmであった。
<実施例18>
実施例1で得られた蒸着フィルム、実施例16で使用した無延伸ポリプロピレンフィルムおよびポリエステル延伸フィルムを実施例16と同様の方法で積層し、ポリエステル延伸フィルム/蒸着フィルム/蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。上記蒸着フィルムの蒸着層側が、ポリエステル延伸フィルム側になるように積層した。なお、蒸着フィルム同士の積層は、基材フィルムと蒸着層を張り合わせた。酸素透過度を測定した結果、検出限界以下(0.01ml/m・day・atm未満)であった。
<実施例19>
実施例14で得られた蒸着フィルム、実施例16で使用した無延伸ポリプロピレンフィルムおよびポリエステル延伸フィルムを用いて実施例16と同様の方法で積層し、ポリエステル延伸フィルム/両面蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。酸素透過度を測定した結果、0.03ml/m・day・atmであった。
<実施例20>
実施例15で得られた蒸着フィルム、実施例16で使用した無延伸ポリプロピレンフィルムおよびポリエステル延伸フィルムを用いて実施例16と同様の方法で積層し、ポリエステル延伸フィルム/2層蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムはPETと2層蒸着フィルムの蒸着面を張り合わせた。酸素透過度は、0.03ml/m・day・atmであった。
<実施例21>
実施例1で得られた蒸着フィルム、実施例17で使用した無延伸ポリプロピレンフィルムおよび蒸着ポリエステル延伸フィルム、さらに厚さ15μmの延伸ポリアミドフィルム(ON、ユニチカ株式会社製「エンブレム」ONBC(商標))を用いて実施例16と同様の方法で積層し、延伸ポリアミドフィルム/蒸着ポリエステル延伸フィルム/蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムは蒸着PETの蒸着面と蒸着フィルムの蒸着面を張り合わせた。酸素透過度を測定した結果、0.04ml/m・day・atmであった。
<比較例1>
合成例2で得られた樹脂組成物に不飽和アルデヒド(B)を添加しなかった。蒸着前の基材フィルムの揮発分は、1.05質量%であった。実施例1と同様にして、蒸着フィルムを作製し、酸素透過度の評価を行った。ロール1本目の蒸着フィルムの酸素透過度は0.19ml/m・day・atmであった。
<比較例2>
合成例2で得られた樹脂組成物に不飽和アルデヒド(B)を添加しなかった。蒸着前の基材フィルムの揮発分は、0.13質量%であった。実施例1と同様にして、蒸着フィルムを作製し、酸素透過度の評価を行った。ロール1本目の蒸着フィルムの酸素透過度は0.16ml/m・day・atm、であった。
<比較例3、比較例4>
表1に示すようにクロトンアルデヒドの含有量、フィルム表面温度を62度としたこと以外は合成例1により調製した樹脂組成物を使用して、実施例1と同様の方法で蒸着フィルムを作製し、酸素透過度の評価を行った。
<比較例5>
比較例1で得られた蒸着フィルム、実施例16で使用した無延伸ポリプロピレンフィルムおよびポリエステル延伸フィルムを用いて実施例16と同様の方法で積層し、ポリエステル延伸フィルム/蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。上記蒸着フィルムの蒸着層側が、ポリエステル延伸フィルム側になるように積層した。酸素透過度を測定した結果、0.34ml/m・day・atmであった。
<比較例6>
比較例1で得られた蒸着フィルム、実施例21で使用した無延伸ポリプロピレンフィルム、蒸着ポリエステル延伸フィルム及び延伸ポリアミドフィルムを用いて実施例16と同様の方法で積層し、延伸ポリアミドフィルム/蒸着ポリエステル延伸フィルム/蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムという多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムは蒸着PETの蒸着面と蒸着フィルムの蒸着面を張り合わせた。酸素透過度を測定した結果、0.19ml/m・day・atmであった。
[スパウト付パウチの作製および評価]
包装材料の実施例
<実施例22>
(スパウト付パウチの作製方法)
実施例16で作成した多層フィルムから20cm×13cmの大きさの2枚の多層フィルムを裁断した。続いて、裁断した2枚の多層フィルムを、CPPが内側になるように重ね合わせ、外周を0.5cmの幅でヒートシールし、さらにポリプロピレン製のスパウトをヒートシールによって取り付けた。このようにして、平パウチ型のスパウト付きパウチを作製した。このスパウト付パウチは温度20℃、湿度85%RHの雰囲気下で1週間放置した後、酸素透過度の測定を行った。
(スパウト付パウチの酸素透過度)
・スパウト付パウチ全体の酸素透過度
まず、キャリアガス用の金属パイプ2本が接続された金属治具をパウチのスパウト口部にセットし、エポキシ接着剤を使用して、金属治具とスパウトとの隙間からガスが漏れないように金属治具をスパウト口部に固定した。次に、金属パイプ1本の反対の末端を酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製「MOCON OX−TRAN2/20」)に接続した。つまり、キャリアガスは、金属パイプの一方からスパウト付きパウチ内に放出された後、スパウト付きパウチ内を循環し、その後、もう一方の金属パイプから酸素透過量測定装置の酸素ガスセンサーに流れ込む。
続いて、金属パイプが取り付けられたパウチの周囲を袋で覆い、2本の金属パイプをその袋から引き出すようにしたうえで、袋を金属パイプ部分で紐により固定した。袋は、ポリエステル/接着層/エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層/接着層/PO層という積層構造を有するラミネートフィルムをヒートシールすることによって作製した。次に、袋と金属パイプとの隙間をエポキシ樹脂で埋めることによって、袋の気密性を高めた。次に、袋の1ヶ所に穴を開け、ガスを供給するためのパイプをその穴に入れ、袋とパイプとの間から外気が流入しないように粘着テープを使用して袋とガスを供給するためのパイプとを固定した。
続いて、2体積%の水素ガスを含む窒素ガスを、ガスおよびキャリアガスとして、上記の袋およびパウチ内にパイプおよび金属パイプを通して流した。袋の中に流入したガスのうち、一部はパウチを透過してパウチの内部に流入し、他の一部は袋を透過して外部へ流出し、他の一部は2ヶ所の接続部分(金属パイプと袋、パイプと袋の接続箇所)から外部へ流出した。金属パイプを通過するキャリアガス中に含まれる酸素ガスの濃度は、酸素透過量測定装置の酸素ガスセンサーにて、測定した。この酸素濃度が一定値になるまで、上記の袋内およびパウチ内にガスおよびキャリアガスを流しつづけた。そして、酸素濃度が一定となった時点の酸素濃度を、酸素透過度のゼロ点として設定した。
その後、上記の袋内に流していたガスを、調湿した酸素ガスに切り替えた。すなわち、パウチの内側には窒素ガスが流れ、パウチの外側には酸素ガスが流れている状態にした。パウチの外側から内側へ透過した酸素ガスは、パウチの内部を流れているキャリアガスによって金属パイプを経由して酸素ガスセンサーに運ばれ、酸素濃度が測定された。この時に測定された酸素濃度から、スパウト付パウチの酸素透過度(単位:ml/(m・day・atm))を算出した。測定は、温度20℃、湿度85%RH、酸素圧1気圧、キャリアガス圧力1気圧の条件で行った。
・スパウト自体の酸素透過度
スパウト自体の酸素透過度を以下の方法で測定した。まずスパウト付パウチからパウチの外部に出ているスパウト部分を切り出した。続いて、アルミ箔を用いて切り出したスパウト口部の片方の口をシールした。その後、キャリアガス用の金属パイプ2本が接続された金属治具を、スパウトのアルミ箔でシールされていない他方の口にセットし、エポキシ接着剤を使用して、金属治具とスパウトとの隙間からガスが漏れないように金属治具をスパウトに固定した。次に、金属パイプの反対の末端を酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製「MOCON OX−TRAN2/20」)に接続し、キャリアガスが、金属パイプの一方からスパウト内に流入し、スパウト内を流れた後、もう一方の金属パイプから酸素透過量測定装置の酸素ガスセンサーに流れ込むようにした。
続いて、金属パイプが取り付けられたスパウトの周囲を袋で覆い、上記の2本の金属パイプをその袋から引き出すようにしたうえで、袋を金属パイプ部分で紐により固定した。袋は、ポリエステル/接着層/EVOH層/接着層/PO層という積層構造を有するラミネートフィルムをヒートシールすることによって作製した。次に、袋と金属パイプとの隙間をエポキシ樹脂で埋めることによって、袋の気密性を高めた。次に、袋の1ヶ所に穴を開け、ガスを供給するためのパイプをその穴に入れ、袋とパイプの間から外気が流入しないように粘着テープを使用して袋とガスを供給するためのパイプとを固定した。
続いて、2体積%の水素ガスを含む窒素ガスを、ガスおよびキャリアガスとして、上記の袋およびスパウト内にパイプおよび金属パイプを通じて流した。袋の中に流したキャリアガスのうち、一部はスパウトを透過してスパウトの内部に流入し、他の一部は袋を透過して外部へ流出し、一部は2ヶ所の接続部分(金属パイプと袋、パイプと袋の接続箇所)から外部へ流出した。金属パイプを通過するキャリアガス中に含まれる酸素ガスの濃度は、酸素透過量測定装置の酸素ガスセンサーにて、測定した。この酸素濃度が一定値になるまで、上記の袋内およびスパウト内にガスおよびキャリアガスを流しつづけた。そして、酸素濃度が一定となった時点の酸素濃度を、酸素透過度のゼロ点として設定した。
その後、上記の袋内に流していたガスを、調湿した酸素ガスに切り替えた。すなわち、スパウトの内側には窒素ガスが流れ、スパウトの外側には酸素ガスが流れている状態とにした。スパウトの外側から内側へ透過した酸素ガスは、スパウトの内部を流れているキャリアガスによって金属パイプを経由して酸素ガスセンサーに運ばれ、酸素濃度が測定された。この時に測定された酸素濃度から、スパウトの酸素透過度(単位:ml/(m・day・atm))を算出した。測定は、温度20℃、湿度85%RH、酸素圧1気圧、キャリアガス圧力1気圧の条件で行った。
・多層フィルムの酸素透過度
上記の方法で測定されたスパウト付きパウチおよびスパウトのそれぞれの酸素透過度から、下式を用いて、多層フィルムの単位面積あたりの酸素透過度を算出した。
[スパウト付きパウチの酸素透過度]=([多層フィルムの酸素透過度]×[多層フィルムの表面積]+[スパウトの酸素透過度]×[スパウトの表面積])/([多層フィルムの表面積]+[スパウトの表面積])
<比較例7>
実施例22で用いた多層フィルムの代わりに比較例5で作成した多層フィルムを使用したことを除いて実施例22と同様にして、比較例7のスパウト付パウチを作製した。このスパウト付パウチを実施例22と同じ方法で酸素透過度を求めた。
実施例および比較例のスパウト付パウチの評価結果を表3に示す。
[真空断熱体の作製および評価]
<実施例23>
実施例21で作成した多層フィルムを裁断し、サイズが70cm×30cmである多層フィルムを2枚得た。その2枚の多層フィルムをCPP層同士が内面となるように重ね合わせ、3方を10mm幅でヒートシールして3方袋を作製した。次に、3方袋の開口部から断熱性の芯材を充填し、真空包装機(Frimark GmbH製VAC−STAR 2500型)を用いて温度20℃で内部圧力10Paの状態で3方袋を密封することによって、真空断熱体を得た。断熱性の芯材には、120℃の雰囲気下で4時間乾燥したシリカ微粉末を用いた。得られた真空断熱体を40℃、15%RHで360日間放置した後、ピラニー真空計を用いて真空断熱体の内部の圧力を測定した。
<比較例8>
実施例23で用いた多層フィルムの代わりに比較例6で作成した多層フィルムを使用したことを除いて実施例23と同様にして、比較例8の真空断熱体を作製した。この真空断熱体を40℃、15%RHで360日間放置した後、ピラニー真空計を用いて真空断熱体の内部の圧力を測定した。
実施例および比較例の真空断熱体の評価結果を表4に示す。
Figure 2015006786
Figure 2015006786
Figure 2015006786
Figure 2015006786
表1に示すように、ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムは、蒸着時に発生する蒸着抜けを抑えることができた。得られた金属蒸着層を有する蒸着フィルムは、ガスバリア性の低下を抑制することができた。
表2に示すように多層フィルムは、基材フィルムに不飽和アルデヒドを有することで、高い酸素バリア性を示した。
表3に示すようにスパウト付パウチは、基材フィルムに不飽和アルデヒドを有することで、高い酸素バリア性を示した。
表4に示すように、実施例の真空断熱体は、40℃、15%RHで360日間の保存試験後においても高い真空度を維持することができた。
以上のように、本発明のガスバリア層を用いた真空断熱体は、長期にわたって優れた特性を示した。
本発明のビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムは、蒸着時に発生する蒸着抜けを抑え、ガスバリア性の低下を抑制することができる。また、当該蒸着フィルムは、フィルム、シートなどに成形され、各種包装材料、真空断熱体として好適に用いられる。

Claims (9)

  1. ビニルアルコール系重合体(A)を含む樹脂組成物からなる基材フィルムの上に金属蒸着層を有する蒸着フィルムであって、基材フィルム中に不飽和アルデヒド(B)を0.01ppm以上100ppm以下含有する蒸着フィルム。
  2. 上記不飽和アルデヒド(B)が不飽和脂肪族アルデヒドである請求項1に記載の蒸着フィルム。
  3. 上記不飽和脂肪族アルデヒドが、クロトンアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール及び2,4,6−オクタトリエナールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の蒸着フィルム。
  4. 金属蒸着層を基材フィルムの両面に有する、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  5. 2層以上の金属蒸着層を基材フィルムの片面または両面に有する、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  6. 上記基材フィルムの片面の金属蒸着層の平均厚みの合計が15nm以上150nm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の蒸着フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着フィルムを備える包装材料。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着フィルムを備える真空断熱体。
  9. 蒸着時の基材フィルムの表面温度が、60℃以下である請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着フィルムの製造方法。
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