JP2015004440A - ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受 - Google Patents

ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事がなくて、優れた取り扱い性を有し、しかも低コストで造れる構造を実現する。
【解決手段】第一ラジアル軌道輪4aと第一スラスト軌道輪8aとを一体とする。このうちの第一スラスト軌道輪8aと第二スラスト軌道輪10aとを、スラスト保持器12aを介して非分離に組み合わせる。又、第二ラジアル軌道輪5aの一部を、前記第一ラジアル軌道輪4aに形成したスラスト鍔部17と、前記第一スラスト軌道輪8aに添設したバックアップレース15aとの間で挟持して、前記両ラジアル軌道輪4a、5aの軸方向変位を阻止する。この構成により、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動車用変速機等の回転支持部に組み込まれるラジアル軸受とスラスト軸受とを組み合わせた、ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受の改良に関する。具体的には、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、前記回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事がなくて、優れた取り扱い性を有し、しかも低コストで造れる構造を実現するものである。
例えば自動車用変速機を構成する為、動力伝達軸の周囲に配置する歯車は、シンクロメッシュ機構の働きにより、この動力伝達軸と共に回転したり、或いはこの動力伝達軸に対して相対回転したり(動力伝達軸の回転に拘らず静止したままとなったり)する。又、前記歯車としてはすば歯車を使用する為、この歯車には、動力伝達に伴って、ラジアル荷重に加えてスラスト荷重も加わる。更に、前記自動車用変速機の回転支持部の設置スペースは限られる為、この回転支持部を構成する軸受は小型なものとする必要がある。この様な事情により従来から、前記動力伝達軸と前記歯車との間に、ラジアルニードル軸受とスラストニードル軸受とを組み込んでいた。又、これら両軸受を組み合わせたラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受も、例えば特許文献1〜3に記載される等により従来から知られており、又、一部で実施されている。
図16は、このうちの特許文献3に記載された、従来構造の1例を示している。この図16に示した組み合わせニードル軸受1は、ラジアル軸受2とスラスト軸受3とを組み合わせて成る。これら両軸受2、3を構成する為に、前記組み合わせニードル軸受1は、第一、第二両ラジアル軌道輪4、5と、複数本のラジアルニードル6、6と、ラジアル保持器7と、第一スラスト軌道輪8と、筒状フランジ9と、第二スラスト軌道輪10と、複数本のスラストニードル11、11と、スラスト保持器12とを備える。
これら各構成部材のうち、前記第一、第二両ラジアル軌道輪4、5は、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置されている。又、これら両ラジアル軌道輪4、5のうち、径方向外側に配置した第一ラジアル軌道輪4の内周面を外輪軌道13とし、同じく径方向内側に配置した第二ラジアル軌道輪5の外周面を内輪軌道14としている。
又、前記各ラジアルニードル6、6は、それぞれの中心軸を前記両ラジアル軌道輪4、5の中心軸と平行にした状態で前記ラジアル保持器7に保持し、前記外輪軌道13と前記内輪軌道14との間に、転動自在に設けている。
又、前記第一スラスト軌道輪8は、前記第一ラジアル軌道輪4の軸方向一端部から径方向外方に直角に折れ曲がった状態で、この第一ラジアル軌道輪4と一体に設けられている。そして、前記スラスト軌道輪8の外周縁部を軸方向一端側に折り曲げる事で、前記筒状フランジ9を形成している。
又、前記第二スラスト軌道輪10は、円輪状で、前記第一スラスト軌道輪8に軸方向に対向する状態で配置している。
更に、前記各スラストニードル11、11は、それぞれの中心軸を前記両スラスト軌道輪8、10の径方向(放射方向)に配置した状態で前記スラスト保持器12に保持し、これら両スラスト軌道輪8、10の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けている。図16に示した構造の場合には、前記第一スラスト軌道輪8と前記各スラストニードル11、11との間にバックアップレース15を配置している。
上述の様な組み合わせニードル軸受1は、互いに独立したラジアルニードル軸受とスラストニードル軸受とを組み付ける場合に比べて、設置スペースを少なく抑えられる。但し、上述の図16に示した従来構造の場合、前記組み合わせニードル軸受1を回転支持部に組み付ける以前の状態では、この組み合わせニードル軸受1の構成各部材を抑えておかない限り、この構成各部材同士が分離する。この為、部品管理、組み付け作業が何れも面倒になる。この点に関しては、特許文献2に記載された発明の構造の場合も同様である。
一方、特許文献1には、それぞれ1対ずつ必要となるラジアル軌道面及びスラスト軌道面のうちの何れか一方のラジアル軌道面及びスラスト軌道面のみを備え、他方のラジアル軌道面及びスラスト軌道面として回転部材の表面を直接利用する構造で、構成各部材の分離防止を図った構造が記載されている。この様な特許文献1に記載された構造は、回転部材の硬度及び表面粗さが、軌道輪部材として利用可能な程度である事が必要であり、用途が限られる。又、前記回転部材の表面粗さを適切にする為の仕上げ加工が必須となり、コストが嵩む可能性がある。
特開2009−14043号公報 特開2010−91038号公報 米国特許第3829181号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事がなくて、優れた取り扱い性を有し、しかも低コストで造れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受は何れも、前述の図16に示した従来構造と同様に、第一、第二両ラジアル軌道輪と、複数本のラジアルニードルと、第一スラスト軌道輪と、筒状フランジと、第二スラスト軌道輪と、複数本のスラストニードルと、スラスト保持器とを備える。
このうちの第一、第二両ラジアル軌道輪は、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置している。
又、前記各ラジアルニードルは、それぞれの中心軸をこれら両ラジアル軌道輪の中心軸と平行にした状態で、これら両ラジアル軌道輪の互いに対向する周面同士の間に転動自在に設けている。
又、前記第一スラスト軌道輪は、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向一端部から径方向外側に直角に折れ曲がっている。
又、前記筒状フランジは、前記第一スラスト軌道輪の外周縁から軸方向一端側に折れ曲がっている。
又、前記第二スラスト軌道輪は、円輪状で、前記第一スラスト軌道輪に軸方向に対向する状態で配置している。
又、前記各スラストニードルは、それぞれの中心軸をこれら両スラスト軌道輪の径方向に(放射状に)配置した状態で、これら両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けている。
又、前記スラスト保持器は、全体を円輪状に造られて前記両スラスト軌道輪同士の間に、これら両スラスト軌道輪に対する相対回転を自在に配置した状態で、前記各スラストニードルを保持している。
特に、請求項1に記載した本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に、硬質金属製で円輪状のバックアップレースを設けている。このバックアップレースは、前記第二ラジアル軌道輪の外径よりも小さな内径を有しており、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものである。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、この第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、この第二ラジアル軌道輪の外周面のうち、前記各ラジアルニードルを配置した軌道面部分から外れた軸方向一端寄り部分を、この軌道面部分よりも径方向に凹ませる事により、これら軌道面部分と一端寄り部分との間に段差面を設けている。そして、この段差面に前記バックアップレースの径方向内端部の軸方向片側面を対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、このスラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、前記第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記第二係止部とこのスラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
又、請求項2に記載した本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に、硬質金属製で円輪状のバックアップレースを設けている。このバックアップレースは、前記第二ラジアル軌道輪と一体に構成され、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものである。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、前記第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、この第二ラジアル軌道輪と前記バックアップレースとを一体に設ける事により、この第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、前記スラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、この第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記第二係止部と前記スラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
又、請求項3に記載した本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、本発明の場合には、上述した請求項1、2に記載した発明とは異なり、バックアップレースを省略しており、前記両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に直接複数本のスラストニードルを転動自在に設けている。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、前記第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、この第二ラジアル軌道輪の外周面のうち、前記各ラジアルニードルを配置した軌道面部分から外れた軸方向一端寄り部分を、この軌道面部分よりも径方向に凹ませる事により、これら軌道面部分と一端寄り部分との間に段差面を設けている。そして、この段差面に、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁を対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、このスラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、この第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、この第二係止部とこのスラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
上述の様な本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受によれば、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止できる。即ち、第一、第二両ラジアル軌道輪同士が軸方向に変位する事は、この第一ラジアル軌道輪と、スラスト鍔部及びスラスト軌道面を備えた部材(バックアップレース又は第二スラスト軌道輪)との係合により阻止する。又、第一、第二両係止部と保持器の内外両周縁部との係合により、この保持器及び前記第二スラスト軌道輪が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止する。前記第一ラジアル軌道輪と前記第一スラスト軌道輪とは一体であるから、上述の様な構成各部材同士の分離阻止により、ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受を回転支持部に組み付ける以前の状態で、このラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受の構成各部材を抑えておかなくても、これら構成各部材同士が分離する事がなくなる。この為、部品管理、組み付け作業を何れも簡略化できて、優れた取り扱い性を持たせる事ができる。又、上述した分離防止の為の構造を、特に専用の部品や複雑な構造を使用せず、容易に構成できる為、低コストで造れる。
又、請求項1、2に記載した発明の様にバックアップレースを使用すれば、金属板を曲げ形成する事で造られる前記第一スラスト軌道輪と、各スラストニードルとの転がり接触に基づいて、この第一スラスト軌道輪の軸方向側面に大きな面圧が加わる事を防止できる。そして、この第一スラスト軌道輪の耐久性を十分に確保できる。
又、請求項1に記載した発明の様に、スラスト鍔部と前記バックアップレースの径方向内端部とで前記第一、第二両ラジアル軌道輪の軸方向に関する相対変位を抑えれば、より簡単な構成で、この相対変位を確実に抑えられる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 予め歯車を外嵌した状態から更に軸に外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明に関する参考例の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 予め軸に外嵌した状態から更に歯車を外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 予め歯車を外嵌した状態から更に軸に外嵌する状態を示す半部断面図。 予め軸に外嵌した状態から更に歯車を外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明に関する参考例の第3例を示す断面図。 本発明の実施の形態の第3例を示す断面図。 同第4例を示す断面図。 同第5例を示す断面図。 同第6例を示す断面図。 同第7例を示す断面図。 本発明に関する参考例の第4例を示す断面図。 従来構造の1例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1aは、それぞれがニードル軸受であるラジアル軸受2aとスラスト軸受3aとを一体に組み合わせて成る。この為に前記組み合わせニードル軸受1aは、第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aと、複数本のラジアルニードル6、6と、ラジアル保持器7aと、第一スラスト軌道輪8aと、バックアップレース15aと、第二スラスト軌道輪10aと、複数本のスラストニードル11、11と、スラスト保持器12aとを備える。そして、これら各構成部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aを、必要箇所を相対的回転を可能に、且つ、非分離に組み合わせている。即ち、前記組み合わせニードル軸受1aとして回転支持部に組み込む以前の状態でも、前記各構成部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aが、それぞれが隣接する部材から分離する事を防止している。
前記各構成部品4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aのうちの第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aは、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置している。本例の場合には、これら両ラジアル軌道輪4a、5aのうちの第一ラジアル軌道輪4aを、前記第一スラスト軌道輪8aと一体としている。即ち、肌焼鋼等の、熱処理により少なくとも表面を硬化可能な、炭素鋼製の引き抜き鋼管の如き円筒状の素材の軸方向一端寄り(図1の右端寄り)部分を径方向外方に向け直角に折り曲げて、外向フランジ状の円輪状部分としている。そして、このうちの円筒状部分を前記第一ラジアル軌道輪4aとし、円輪状部分を前記第一スラスト軌道輪8aとしている。又、この第一ラジアル軌道輪4aの内周面を、外輪軌道13としている。
又、前記円筒状部分の軸方向他端部を径方向内方に向け直角に折り曲げて、内向フランジ状のスラスト鍔部17としている。又、前記円輪状部分の径方向外端部を、軸方向に関して前記第一ラジアル軌道輪4aと反対側に向け直角に折り曲げて、短円筒状の筒状フランジ9aとしている。更に、この筒状フランジ9aの先端部の円周方向複数箇所(例えば3〜4箇所)を径方向内方に曲げ形成して(突出させて)、第一係止部18を形成している。これら各第一係止部18の内接円の直径は、前記スラスト保持器12aの外径よりも少しだけ小さい。
一方、前記第二ラジアル軌道輪5aは、炭素鋼(軸受鋼を含む)等の焼き入れ硬化可能な鉄系合金製の素材に、鍛造等の塑性加工、或いは旋削等の削り加工を施す事により、全体を円筒状に加工している。本例の場合、前記第二ラジアル軌道輪5aの外周面のうち、軸方向中間部乃至他端寄り部分を内輪軌道14としている。前記各ラジアルニードル6、6は、それぞれの中心軸を前記両ラジアル軌道輪4a、5aの中心軸と平行にし、前記ラジアル保持器7aに保持された状態で、前記外輪軌道13と前記内輪軌道14との間に、転動自在に配置している。又、前記第二ラジアル軌道輪5aの外周面のうち、この内輪軌道14から外れた軸方向一端寄り部分を、この内輪軌道14部分よりも径方向内方に凹ませて、小径段部19としている。そして、これら内輪軌道14と小径段部19との間に、段差面20を設けている。
そして、この段差面20に、前記バックアップレース15aの内径寄り端部の軸方向片側面を対向させている。このバックアップレース15aは、軸受鋼、肌焼鋼等、少なくとも表面を熱処理硬化可能な鉄系合金製の板材により全体を円輪状としている。この様なバックアッププレート15aの外径は、前記筒状フランジ9aの内径と同じか、この内径よりも僅かに小さい。同じく内径は、前記内輪軌道14の外径よりも小さく、前記小径段部19の外径よりも大きい。又、前記バックアップレース15aと前記第一スラスト軌道輪8aとを隙間なく重ね合わせた状態で、このバックアップレース15aの軸方向片側面と前記スラスト鍔部17の内側面との間隔は、前記第二ラジアル軌道輪5aのうちの前記内輪軌道14を形成した部分の幅(軸方向長さ)よりも少し大きい。本例の場合には、前記バックアップレース15aの径方向内端部と前記スラスト鍔部17との間で、前記第二ラジアル軌道輪5aのうちの前記内輪軌道14を形成した部分を軸方向両側から緩く(隙間を開けて)挟む事により、前記第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aの軸方向に関する相対変位を抑えている。この構成により、前記ラジアル軸受2aの構成各部材同士の分離防止が図られる。
又、前記第二スラスト軌道輪10aは、肌焼鋼等、熱処理により少なくとも表面を硬化可能な鉄系合金製の素板に、例えばプレスによる打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、断面L字形で全体を円輪状に形成している。即ち、前記第二スラスト軌道輪10aの本体部分となる、平坦な円輪状部分の内径寄り端部を前記第一スラスト軌道輪8aに向けて直角に折り曲げる事により、短円筒状の第二筒状フランジ16を設けている。更に、この第二筒状フランジ16の先端部の円周方向複数箇所(例えば3〜4箇所)を径方向外方に曲げ形成して(突出させて)、第二係止部21を形成している。これら各第二係止部21の外接円の直径は、前記スラスト保持器12aの内径よりも少しだけ大きい。
前記各スラストニードル11、11は、それぞれの中心軸を前記両スラスト軌道輪8a、10aの径方向に(放射状に)配置し、前記スラスト保持器12aに保持した状態で、これら両スラスト軌道輪8a、10aの互いに対向する軸方向片側面(スラスト軌道面)同士の間に転動自在に設けている。この状態で、前記スラスト保持器12aの外周縁と前記各第一係止部18との係合により、このスラスト保持器12aが前記第一スラスト軌道輪8aから離れる方向に変位する事が抑えられる。又、このスラスト保持器12aの内周縁と前記各第二係止部21との係合により、前記第二スラスト軌道輪10aがこのスラスト保持器12aから離れる方向に変位する事が抑えられる。この結果、前記スラスト軸受3aの構成各部材同士の分離防止が図られる。
前述した通り、前記ラジアル軸受2aの構成各部材同士が分離する事はなく、このラジアル軸受2aを構成する前記第一ラジアル軌道輪4aと、前記スラスト軸受3aを構成する前記第一スラスト軌道輪8aとは一体である。従って、前記組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aは、必要箇所を相対的回転を可能な状態として、非分離に組み合わされている。従って、前記組み合わせニードル軸受1aを回転支持部に組み付ける以前の状態で、この組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aを抑えておかなくても、これら構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12a同士が分離する事がなくなる。この為、部品管理、組み付け作業を何れも簡略化できて、優れた取り扱い性を持たせる事ができる。
図2は、本例の組み合わせニードル軸受1aを、自動車用変速機を構成する歯車22の内周面と動力伝達軸23の外周面との間に組み付ける状態を示している。本例の場合には、先ず、前記第一ラジアル軌道輪4aに前記歯車22を、締り嵌めで外嵌する。この際、前記第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の右端面を抑えた状態で、前記歯車22を前記第一ラジアル軌道輪4aに外嵌する。この外嵌作業に伴ってこの第一ラジアル軌道輪4aには、図1〜2で右向きのスラスト荷重が加わるが、このスラスト荷重は、前記第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の左端面と前記スラスト鍔部17の内側面との当接により支承する。従って、前記外嵌作業に伴うスラスト荷重が、前記スラスト軸受3aの転がり接触部に加わる事はない。
上述の様にして、前記歯車22の内径側に嵌合保持した、前記組み合わせニードル軸受1aは、次いで、前記第二ラジアル軌道輪5aを前記動力伝達軸23に、締り嵌めで外嵌固定する。この外嵌固定作業は、この第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の右端面を押圧する事により行う。従って、前記外嵌作業に伴うスラスト荷重に関しても、前記スラスト軸受3aの転がり接触部に加わる事はない。
以上の組立作業により、前記歯車22と前記回転伝達軸23とを、互いに同心に、且つ、相対回転を可能に組み合わせられる。この組み合わせ作業の前後で、組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aが互いに分離する事はないので、前記組み合わせニードル軸受1aに関する、部品管理並びに組み合わせ作業を容易に行える。
又、本例の組み合わせニードル軸受1aは、前述した分離防止の為の構造を、特に専用の部品や複雑な構造を使用せず、容易に構成できる為、低コストで造れる。又、本例の場合には、前記第一スラスト軌道輪8aに添設する状態で前記バックアップレース15aを設置している為、この第一スラスト軌道輪8aの軸方向側面に大きな面圧が加わる事を防止できる。即ち、肌焼鋼等の金属板を曲げ形成する事で造られる前記第一スラスト軌道輪8aの表面の平面度を特に高くしなくても(表面に僅かな凹凸が存在しても)、前記各スラストニードル11、11の転動面と相手面(スラスト軌道面)との転がり接触状態を良好にでき、これら各転動面と相手面との接触面積を確保して、前記第一スラスト軌道輪8aの耐久性を十分に確保できる。
[参考例の第1例]
図3は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1bの場合には、ラジアル軸受2bを構成する第二ラジアル軌道輪5bの径方向に関する厚さ寸法を、上述した実施の形態の第1例の場合よりも小さく(薄く)している。これに伴って、前記第二ラジアル軌道輪5bが第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事を、この第二ラジアル軌道輪5bの端部外周面に突設した係合突部24とラジアルニードル6、6の軸方向一端面との係合により阻止している。これら各ラジアルニードル6、6を保持したラジアル保持器7aが前記第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事は、バックアップレース15aの内径側端部により阻止する。更に、このバックアップレース15aを含む、スラスト軸受3aの構成各部材が第一スラスト軌道輪8aから離れる方向に変位する事は、上述した実施の形態の第1例と同様の構造により阻止している。
従って、本参考例の構造の場合も、上述した実施の形態の第1例と同様に、前記組み合わせニードル軸受1bを回転支持部に組み付ける以前の状態でも、この組み合わせニードル軸受1bの構成各部材同士が分離する事はない。上述した部分以外の構成、及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[参考例の第2例]
図4〜5も、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1cの場合には、ラジアル軸受2cを構成する第二ラジアル軌道輪5cを、肌焼鋼等の金属板を曲げ形成する事により構成している。そして、この第二ラジアル軌道輪5cの一端部に、外向フランジ状の鍔部25を、前記金属板を径方向外方に向け直角に折り曲げる事により形成している。そして、この鍔部25を、ラジアル保持器7aの軸方向片端縁に対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪5cが第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事を阻止している。
本参考例の組み合わせニードル軸受1cを、歯車22の内周面と動力伝達軸23の外周面との間に組み付ける場合には、例えば、先ず図5に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5cを前記動力伝達軸23に、締り嵌めで外嵌する。この外嵌作業時、第一ラジアル軌道輪4aのスラスト鍔部17を介して前記鍔部25を押圧し、この鍔部25を設けた前記第二ラジアル軌道輪5cを、前記動力伝達軸23の所定部分に押し込む。次いで本参考例の場合には、第二スラスト軌道輪10aを支え治具26により支えつつ、第一ラジアル軌道輪4aに歯車22を締り嵌めで外嵌する。この際、スラスト軸受3aの転がり接触部に、この第一ラジアル軌道輪4aを押し込む為の力がスラスト荷重として加わる。但し、前記第一ラジアル軌道輪4aと前記歯車22との締り嵌めは小さい為、前記各転がり接触部の面圧上昇は限られ、第一、第二両スラスト軌道輪8a、10aの軌道面に圧痕等の損傷を生じる事はない。前記スラスト荷重を、前記鍔部25と前記スラスト鍔部17との当接に基づき、前記第二ラジアル軌道輪5cを介して前記動力伝達軸23により支承すれば、前記圧痕等の損傷防止を、より確実に図れる。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述の図3に示した参考例の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第2例]
図6〜8は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1dの場合には、第二ラジアル軌道輪5dの外周面のうち、スラスト軸受3aと反対側端部で、周囲に各ラジアルニードル6、6を配置した内輪軌道14から外れた部分を、この内輪軌道14よりも径方向内方に凹ませている。そして、当該部分を、この内輪軌道14を設けた部分よりも径方向に関する厚さが小さい薄肉部27としている。更に、この薄肉部27を、第一ラジアル軌道輪4aの端部に設けたスラスト鍔部17よりも、前記各ラジアルニードル6、6を配置した内部空間と反対側に突出させている。
この為、図7に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5dを動力伝達軸23に締り嵌めで外嵌固定する際に、この第二ラジアル軌道輪5dの軸方向端面である前記薄肉部27の先端面を、直接、効率良く押圧する事ができる。この結果、仮にこの第二ラジアル軌道輪5dと前記動力伝達軸23との嵌合部の締め代を大きくしても、何れの部分にも損傷を生じる事なく、前記第二ラジアル軌道輪5dを前記動力伝達軸23に外嵌固定できる。尚、前記組み合わせニードル軸受1dの第一ラジアル軌道輪4aに歯車22を外嵌するのは、図7に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5dを前記動力伝達軸23に外嵌する前であっても、或いは、図8に示す様に、この第二ラジアル軌道輪5dをこの動力伝達軸23に外嵌した後であっても良い。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[参考例の第3例]
図9は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1eの場合には、上述した実施の形態の第2例の構造に対して、第二ラジアル軌道輪5eの形状を異ならせている。具体的には、この第2例の構造から、第二ラジアル軌道輪5dの小径段部19(図6参照)を除去している。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述の図6に示した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第3例]
図10は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1fの場合には、第二ラジアル軌道輪5aとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第4例]
図11は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1gの場合には、第二ラジアル軌道輪5dとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図6に示した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第5例]
図12は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1hの場合には、第二ラジアル軌道輪5eとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図9に示した参考例の第3例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第6〜7例]
図13〜14は、請求項3に対応する、本発明の実施の形態の第6〜7例を示している。これら両例の組み合わせニードル軸受1i、1jの場合には、バックアップレースを省略し、第一スラスト軌道輪8aの軸方向片側面を、直接スラスト軌道面とすると共に、バックアップレースを省略した代わりに、スラスト保持器12b、12c及び第二スラスト軌道輪10bの内径を小さくしている。そして、この第二スラスト軌道輪10bの内周縁部分に形成した第二筒状フランジ16aを、第二ラジアル軌道輪5aの端部に形成した小径段部19の周囲に進入させている。従って、これら両例の場合には、前記第二筒状フランジ16aの先端縁と、前記小径段部19の奥端部に存在する段差面20との係合により、前記第二ラジアル軌道輪5aが第一ラジアル軌道輪4aの内径側から抜け出る方向に変位する事を阻止する。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[参考例の第4例]
図15は、本発明に関する参考例の第4例を示している。先に述べた実施の形態の第1〜7例及び参考例の第1〜3例が、何れも第一ラジアル軌道輪が外輪であり、第二ラジアル軌道輪が内輪であった。これに対して本参考例の組み合わせニードル軸受1kの場合には、第一ラジアル軌道輪4bが内輪であり、第二ラジアル軌道輪5fが外輪である。これに合わせて、第一スラスト軌道輪8bが、前記第一ラジアル軌道輪4bの端部から径方向内方に向け直角に折れ曲がっている等、前述の図1に示した実施の形態の第1例とは、径方向に関する内外が逆転している。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受は、自動車用変速機に限らず、隣接する部材同士の間に加わるラジアル荷重及びスラスト荷重を支承しつつこれら各部材の相対回転を許容する必要がある、各種機械装置の回転支持部に利用できる。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k 組み合わせニードル軸受
2、2a、2b、2c、2d ラジアル軸受
3、3a、3b スラスト軸受
4、4a、4b 第一ラジアル軌道輪
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f 第二ラジアル軌道輪
6 ラジアルニードル
7、7a ラジアル保持器
8、8a、8b 第一スラスト軌道輪
9、9a、9b 筒状フランジ
10、10a、10b、10c 第二スラスト軌道輪
11 スラストニードル
12、12a、12b、12c、12d スラスト保持器
13 外輪軌道
14 内輪軌道
15、15a、15b バックアップレース
16、16a、16b 第二筒状フランジ
17、17a スラスト鍔部
18、18a 第一係止部
19、19a 小径段部
20、20a 段差面
21、21a 第二係止部
22 歯車
23 動力伝達軸
24 係合突部
25 鍔部
26 支え治具
27 薄肉部
この発明は、例えば自動車用変速機等の回転支持部に組み込まれるラジアル軸受とスラスト軸受とを組み合わせた、ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受の改良に関する。具体的には、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、前記回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事がなくて、優れた取り扱い性を有し、しかも低コストで造れる構造を実現するものである。
例えば自動車用変速機を構成する為、動力伝達軸の周囲に配置する歯車は、シンクロメッシュ機構の働きにより、この動力伝達軸と共に回転したり、或いはこの動力伝達軸に対して相対回転したり(動力伝達軸の回転に拘らず静止したままとなったり)する。又、前記歯車としてはすば歯車を使用する為、この歯車には、動力伝達に伴って、ラジアル荷重に加えてスラスト荷重も加わる。更に、前記自動車用変速機の回転支持部の設置スペースは限られる為、この回転支持部を構成する軸受は小型なものとする必要がある。この様な事情により従来から、前記動力伝達軸と前記歯車との間に、ラジアルニードル軸受とスラストニードル軸受とを組み込んでいた。又、これら両軸受を組み合わせたラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受も、例えば特許文献1〜3に記載される等により従来から知られており、又、一部で実施されている。
図16は、このうちの特許文献3に記載された、従来構造の1例を示している。この図16に示した組み合わせニードル軸受1は、ラジアル軸受2とスラスト軸受3とを組み合わせて成る。これら両軸受2、3を構成する為に、前記組み合わせニードル軸受1は、第一、第二両ラジアル軌道輪4、5と、複数本のラジアルニードル6、6と、ラジアル保持器7と、第一スラスト軌道輪8と、筒状フランジ9と、第二スラスト軌道輪10と、複数本のスラストニードル11、11と、スラスト保持器12とを備える。
これら各構成部材のうち、前記第一、第二両ラジアル軌道輪4、5は、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置されている。又、これら両ラジアル軌道輪4、5のうち、径方向外側に配置した第一ラジアル軌道輪4の内周面を外輪軌道13とし、同じく径方向内側に配置した第二ラジアル軌道輪5の外周面を内輪軌道14としている。
又、前記各ラジアルニードル6、6は、それぞれの中心軸を前記両ラジアル軌道輪4、5の中心軸と平行にした状態で前記ラジアル保持器7に保持し、前記外輪軌道13と前記内輪軌道14との間に、転動自在に設けている。
又、前記第一スラスト軌道輪8は、前記第一ラジアル軌道輪4の軸方向一端部から径方向外方に直角に折れ曲がった状態で、この第一ラジアル軌道輪4と一体に設けられている。そして、前記スラスト軌道輪8の外周縁部を軸方向一端側に折り曲げる事で、前記筒状フランジ9を形成している。
又、前記第二スラスト軌道輪10は、円輪状で、前記第一スラスト軌道輪8に軸方向に対向する状態で配置している。
更に、前記各スラストニードル11、11は、それぞれの中心軸を前記両スラスト軌道輪8、10の径方向(放射方向)に配置した状態で前記スラスト保持器12に保持し、これら両スラスト軌道輪8、10の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けている。図16に示した構造の場合には、前記第一スラスト軌道輪8と前記各スラストニードル11、11との間にバックアップレース15を配置している。
上述の様な組み合わせニードル軸受1は、互いに独立したラジアルニードル軸受とスラストニードル軸受とを組み付ける場合に比べて、設置スペースを少なく抑えられる。但し、上述の図16に示した従来構造の場合、前記組み合わせニードル軸受1を回転支持部に組み付ける以前の状態では、この組み合わせニードル軸受1の構成各部材を抑えておかない限り、この構成各部材同士が分離する。この為、部品管理、組み付け作業が何れも面倒になる。この点に関しては、特許文献2に記載された発明の構造の場合も同様である。
一方、特許文献1には、それぞれ1対ずつ必要となるラジアル軌道面及びスラスト軌道面のうちの何れか一方のラジアル軌道面及びスラスト軌道面のみを備え、他方のラジアル軌道面及びスラスト軌道面として回転部材の表面を直接利用する構造で、構成各部材の分離防止を図った構造が記載されている。この様な特許文献1に記載された構造は、回転部材の硬度及び表面粗さが、軌道輪部材として利用可能な程度である事が必要であり、用途が限られる。又、前記回転部材の表面粗さを適切にする為の仕上げ加工が必須となり、コストが嵩む可能性がある。
特開2009−14043号公報 特開2010−91038号公報 米国特許第3829181号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事がなくて、優れた取り扱い性を有し、しかも低コストで造れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受は、前述の図16に示した従来構造と同様に、第一、第二両ラジアル軌道輪と、複数本のラジアルニードルと、第一スラスト軌道輪と、筒状フランジと、第二スラスト軌道輪と、複数本のスラストニードルと、スラスト保持器とを備える。
このうちの第一、第二両ラジアル軌道輪は、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置している。
又、前記各ラジアルニードルは、それぞれの中心軸をこれら両ラジアル軌道輪の中心軸と平行にした状態で、これら両ラジアル軌道輪の互いに対向する周面同士の間に転動自在に設けている。
又、前記第一スラスト軌道輪は、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向一端部から径方向外側に直角に折れ曲がっている。
又、前記筒状フランジは、前記第一スラスト軌道輪の外周縁から軸方向一端側に折れ曲がっている。
又、前記第二スラスト軌道輪は、円輪状で、前記第一スラスト軌道輪に軸方向に対向する状態で配置している。
又、前記各スラストニードルは、それぞれの中心軸をこれら両スラスト軌道輪の径方向に(放射状に)配置した状態で、これら両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けている。
又、前記スラスト保持器は、全体を円輪状に造られて前記両スラスト軌道輪同士の間に、これら両スラスト軌道輪に対する相対回転を自在に配置した状態で、前記各スラストニードルを保持している。
特に、本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に、硬質金属製で円輪状のバックアップレースを設けている。このバックアップレースは、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものである。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、前記第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、この第二ラジアル軌道輪とこの第二ラジアル軌道輪に軸方向に対向する部材との係合により、この第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、このスラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、前記第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記第二係止部とこのスラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
又、本発明の技術的範囲から外れた別の発明に係るラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に、硬質金属製で円輪状のバックアップレースを設けている。このバックアップレースは、前記第二ラジアル軌道輪と一体に構成され、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものである。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、この第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、前記第二ラジアル軌道輪と前記バックアップレースとを一体に設ける事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、このスラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、前記第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記第二係止部とこのスラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
又、本発明の技術的範囲から外れた別の発明に係るラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いては、以下の構成を採用する事により、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止している(構成各部材を非分離に組み合わせている)。
先ず、上述した本発明や上記別発明とは異なり、バックアップレースを省略しており、前記両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に直接複数本のスラストニードルを転動自在に設けている。
又、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部に、この軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部を設けている。そして、このスラスト鍔部と、この第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止している。
又、前記第二ラジアル軌道輪の外周面のうち、前記各ラジアルニードルを配置した軌道面部分から外れた軸方向一端寄り部分を、この軌道面部分よりも径方向に凹ませる事により、これら軌道面部分と一端寄り部分との間に段差面を設けている。そして、この段差面に、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁を対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止している。
又、前記筒状フランジの先端縁に、この先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部を設けている。そして、この第一係止部と、このスラスト保持器の外周縁とを係合させる事により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止している。
又、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に第二筒状フランジを、前記第二スラスト軌道輪の本体部分に対し折れ曲がった状態で設けている。又、前記第二筒状フランジの先端縁から第二係止部を、径方向外側に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記第二係止部とこのスラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止している。
上述の様な本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受によれば、1対のラジアル軌道面及び1対のスラスト軌道面を総て備えた構造で、しかも、回転支持部に組み込む以前の状態でも、構成各部材同士が分離する事を防止できる。即ち、第一、第二両ラジアル軌道輪同士が軸方向に変位する事は、これら第一、第二ラジアル軌道輪同士の係合と、この第二ラジアル軌道輪と軸方向に対向する部材との係合により阻止する。又、第一、第二両係止部と保持器の内外両周縁部との係合により、この保持器及び前記第二スラスト軌道輪が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止する。前記第一ラジアル軌道輪と前記第一スラスト軌道輪とは一体であるから、上述の様な構成各部材同士の分離阻止により、ラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受を回転支持部に組み付ける以前の状態で、このラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受の構成各部材を抑えておかなくても、これら構成各部材同士が分離する事がなくなる。この為、部品管理、組み付け作業を何れも簡略化できて、優れた取り扱い性を持たせる事ができる。又、上述した分離防止の為の構造を、特に専用の部品や複雑な構造を使用せず、容易に構成できる為、低コストで造れる。
又、本発明の様にバックアップレースを使用すれば、金属板を曲げ形成する事で造られる前記第一スラスト軌道輪と、各スラストニードルとの転がり接触に基づいて、この第一スラスト軌道輪の軸方向側面に大きな面圧が加わる事を防止できる。そして、この第一スラスト軌道輪の耐久性を十分に確保できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 予め歯車を外嵌した状態から更に軸に外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 第3例を示す断面図。 予め軸に外嵌した状態から更に歯車を外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明の実施の形態の第4例を示す断面図。 予め歯車を外嵌した状態から更に軸に外嵌する状態を示す半部断面図。 予め軸に外嵌した状態から更に歯車を外嵌する状態を示す半部断面図。 本発明の実施の形態の第5例を示す断面図。 本発明に関する参考例の第1例を示す断面図。 第2例を示す断面図。 第3例を示す断面図。 第4例を示す断面図。 第5例を示す断面図。 同第6例を示す断面図。 従来構造の1例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1aは、それぞれがニードル軸受であるラジアル軸受2aとスラスト軸受3aとを一体に組み合わせて成る。この為に前記組み合わせニードル軸受1aは、第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aと、複数本のラジアルニードル6、6と、ラジアル保持器7aと、第一スラスト軌道輪8aと、バックアップレース15aと、第二スラスト軌道輪10aと、複数本のスラストニードル11、11と、スラスト保持器12aとを備える。そして、これら各構成部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aを、必要箇所を相対的回転を可能に、且つ、非分離に組み合わせている。即ち、前記組み合わせニードル軸受1aとして回転支持部に組み込む以前の状態でも、前記各構成部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aが、それぞれが隣接する部材から分離する事を防止している。
前記各構成部品4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aのうちの第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aは、それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置している。本例の場合には、これら両ラジアル軌道輪4a、5aのうちの第一ラジアル軌道輪4aを、前記第一スラスト軌道輪8aと一体としている。即ち、肌焼鋼等の、熱処理により少なくとも表面を硬化可能な、炭素鋼製の引き抜き鋼管の如き円筒状の素材の軸方向一端寄り(図1の右端寄り)部分を径方向外方に向け直角に折り曲げて、外向フランジ状の円輪状部分としている。そして、このうちの円筒状部分を前記第一ラジアル軌道輪4aとし、円輪状部分を前記第一スラスト軌道輪8aとしている。又、この第一ラジアル軌道輪4aの内周面を、外輪軌道13としている。
又、前記円筒状部分の軸方向他端部を径方向内方に向け直角に折り曲げて、内向フランジ状のスラスト鍔部17としている。又、前記円輪状部分の径方向外端部を、軸方向に関して前記第一ラジアル軌道輪4aと反対側に向け直角に折り曲げて、短円筒状の筒状フランジ9aとしている。更に、この筒状フランジ9aの先端部の円周方向複数箇所(例えば3〜4箇所)を径方向内方に曲げ形成して(突出させて)、第一係止部18を形成している。これら各第一係止部18の内接円の直径は、前記スラスト保持器12aの外径よりも少しだけ小さい。
一方、前記第二ラジアル軌道輪5aは、炭素鋼(軸受鋼を含む)等の焼き入れ硬化可能な鉄系合金製の素材に、鍛造等の塑性加工、或いは旋削等の削り加工を施す事により、全体を円筒状に加工している。本例の場合、前記第二ラジアル軌道輪5aの外周面のうち、軸方向中間部乃至他端寄り部分を内輪軌道14としている。前記各ラジアルニードル6、6は、それぞれの中心軸を前記両ラジアル軌道輪4a、5aの中心軸と平行にし、前記ラジアル保持器7aに保持された状態で、前記外輪軌道13と前記内輪軌道14との間に、転動自在に配置している。又、前記第二ラジアル軌道輪5aの外周面のうち、この内輪軌道14から外れた軸方向一端寄り部分を、この内輪軌道14部分よりも径方向内方に凹ませて、小径段部19としている。そして、これら内輪軌道14と小径段部19との間に、段差面20を設けている。
そして、この段差面20に、前記バックアップレース15aの内径寄り端部の軸方向片側面を対向させている。このバックアップレース15aは、軸受鋼、肌焼鋼等、少なくとも表面を熱処理硬化可能な鉄系合金製の板材により全体を円輪状としている。この様なバックアッププレート15aの外径は、前記筒状フランジ9aの内径と同じか、この内径よりも僅かに小さい。同じく内径は、前記内輪軌道14の外径よりも小さく、前記小径段部19の外径よりも大きい。又、前記バックアップレース15aと前記第一スラスト軌道輪8aとを隙間なく重ね合わせた状態で、このバックアップレース15aの軸方向片側面と前記スラスト鍔部17の内側面との間隔は、前記第二ラジアル軌道輪5aのうちの前記内輪軌道14を形成した部分の幅(軸方向長さ)よりも少し大きい。本例の場合には、前記バックアップレース15aの径方向内端部と前記スラスト鍔部17との間で、前記第二ラジアル軌道輪5aのうちの前記内輪軌道14を形成した部分を軸方向両側から緩く(隙間を開けて)挟む事により、前記第一、第二両ラジアル軌道輪4a、5aの軸方向に関する相対変位を抑えている。この構成により、前記ラジアル軸受2aの構成各部材同士の分離防止が図られる。
又、前記第二スラスト軌道輪10aは、肌焼鋼等、熱処理により少なくとも表面を硬化可能な鉄系合金製の素板に、例えばプレスによる打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、断面L字形で全体を円輪状に形成している。即ち、前記第二スラスト軌道輪10aの本体部分となる、平坦な円輪状部分の内径寄り端部を前記第一スラスト軌道輪8aに向けて直角に折り曲げる事により、短円筒状の第二筒状フランジ16を設けている。更に、この第二筒状フランジ16の先端部の円周方向複数箇所(例えば3〜4箇所)を径方向外方に曲げ形成して(突出させて)、第二係止部21を形成している。これら各第二係止部21の外接円の直径は、前記スラスト保持器12aの内径よりも少しだけ大きい。
前記各スラストニードル11、11は、それぞれの中心軸を前記両スラスト軌道輪8a、10aの径方向に(放射状に)配置し、前記スラスト保持器12aに保持した状態で、これら両スラスト軌道輪8a、10aの互いに対向する軸方向片側面(スラスト軌道面)同士の間に転動自在に設けている。この状態で、前記スラスト保持器12aの外周縁と前記各第一係止部18との係合により、このスラスト保持器12aが前記第一スラスト軌道輪8aから離れる方向に変位する事が抑えられる。又、このスラスト保持器12aの内周縁と前記各第二係止部21との係合により、前記第二スラスト軌道輪10aがこのスラスト保持器12aから離れる方向に変位する事が抑えられる。この結果、前記スラスト軸受3aの構成各部材同士の分離防止が図られる。
前述した通り、前記ラジアル軸受2aの構成各部材同士が分離する事はなく、このラジアル軸受2aを構成する前記第一ラジアル軌道輪4aと、前記スラスト軸受3aを構成する前記第一スラスト軌道輪8aとは一体である。従って、前記組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aは、必要箇所を相対的回転を可能な状態として、非分離に組み合わされている。従って、前記組み合わせニードル軸受1aを回転支持部に組み付ける以前の状態で、この組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aを抑えておかなくても、これら構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12a同士が分離する事がなくなる。この為、部品管理、組み付け作業を何れも簡略化できて、優れた取り扱い性を持たせる事ができる。
図2は、本例の組み合わせニードル軸受1aを、自動車用変速機を構成する歯車22の内周面と動力伝達軸23の外周面との間に組み付ける状態を示している。本例の場合には、先ず、前記第一ラジアル軌道輪4aに前記歯車22を、締り嵌めで外嵌する。この際、前記第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の右端面を抑えた状態で、前記歯車22を前記第一ラジアル軌道輪4aに外嵌する。この外嵌作業に伴ってこの第一ラジアル軌道輪4aには、図1〜2で右向きのスラスト荷重が加わるが、このスラスト荷重は、前記第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の左端面と前記スラスト鍔部17の内側面との当接により支承する。従って、前記外嵌作業に伴うスラスト荷重が、前記スラスト軸受3aの転がり接触部に加わる事はない。
上述の様にして、前記歯車22の内径側に嵌合保持した、前記組み合わせニードル軸受1aは、次いで、前記第二ラジアル軌道輪5aを前記動力伝達軸23に、締り嵌めで外嵌固定する。この外嵌固定作業は、この第二ラジアル軌道輪5aの軸方向両端面のうち、図1〜2の右端面を押圧する事により行う。従って、前記外嵌作業に伴うスラスト荷重に関しても、前記スラスト軸受3aの転がり接触部に加わる事はない。
以上の組立作業により、前記歯車22と前記回転伝達軸23とを、互いに同心に、且つ、相対回転を可能に組み合わせられる。この組み合わせ作業の前後で、組み合わせニードル軸受1aの構成各部材4a、5a、6、7a、8a、15a、10a、11、12aが互いに分離する事はないので、前記組み合わせニードル軸受1aに関する、部品管理並びに組み合わせ作業を容易に行える。
又、本例の組み合わせニードル軸受1aは、前述した分離防止の為の構造を、特に専用の部品や複雑な構造を使用せず、容易に構成できる為、低コストで造れる。又、本例の場合には、前記第一スラスト軌道輪8aに添設する状態で前記バックアップレース15aを設置している為、この第一スラスト軌道輪8aの軸方向側面に大きな面圧が加わる事を防止できる。即ち、肌焼鋼等の金属板を曲げ形成する事で造られる前記第一スラスト軌道輪8aの表面の平面度を特に高くしなくても(表面に僅かな凹凸が存在しても)、前記各スラストニードル11、11の転動面と相手面(スラスト軌道面)との転がり接触状態を良好にでき、これら各転動面と相手面との接触面積を確保して、前記第一スラスト軌道輪8aの耐久性を十分に確保できる。
実施の形態の第2例
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1bの場合には、ラジアル軸受2bを構成する第二ラジアル軌道輪5bの径方向に関する厚さ寸法を、上述した実施の形態の第1例の場合よりも小さく(薄く)している。これに伴って、前記第二ラジアル軌道輪5bが第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事を、この第二ラジアル軌道輪5bの端部外周面に突設した係合突部24とラジアルニードル6、6の軸方向一端面との係合により阻止している。これら各ラジアルニードル6、6を保持したラジアル保持器7aが前記第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事は、バックアップレース15aの内径側端部により阻止する。更に、このバックアップレース15aを含む、スラスト軸受3aの構成各部材が第一スラスト軌道輪8aから離れる方向に変位する事は、上述した実施の形態の第1例と同様の構造により阻止している。
従って、本例の構造の場合も、上述した実施の形態の第1例と同様に、前記組み合わせニードル軸受1bを回転支持部に組み付ける以前の状態でも、この組み合わせニードル軸受1bの構成各部材同士が分離する事はない。上述した部分以外の構成、及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態の第3例
図4〜5、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1cの場合には、ラジアル軸受2cを構成する第二ラジアル軌道輪5cを、肌焼鋼等の金属板を曲げ形成する事により構成している。そして、この第二ラジアル軌道輪5cの一端部に、外向フランジ状の鍔部25を、前記金属板を径方向外方に向け直角に折り曲げる事により形成している。そして、この鍔部25を、ラジアル保持器7aの軸方向片端縁に対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪5cが第一ラジアル軌道輪4aから抜け出る方向に変位する事を阻止している。
本例の組み合わせニードル軸受1cを、歯車22の内周面と動力伝達軸23の外周面との間に組み付ける場合には、例えば、先ず図5に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5cを前記動力伝達軸23に、締り嵌めで外嵌する。この外嵌作業時、第一ラジアル軌道輪4aのスラスト鍔部17を介して前記鍔部25を押圧し、この鍔部25を設けた前記第二ラジアル軌道輪5cを、前記動力伝達軸23の所定部分に押し込む。次いで本例の場合には、第二スラスト軌道輪10aを支え治具26により支えつつ、第一ラジアル軌道輪4aに歯車22を締り嵌めで外嵌する。この際、スラスト軸受3aの転がり接触部に、この第一ラジアル軌道輪4aを押し込む為の力がスラスト荷重として加わる。但し、前記第一ラジアル軌道輪4aと前記歯車22との締り嵌めは小さい為、前記各転がり接触部の面圧上昇は限られ、第一、第二両スラスト軌道輪8a、10aの軌道面に圧痕等の損傷を生じる事はない。前記スラスト荷重を、前記鍔部25と前記スラスト鍔部17との当接に基づき、前記第二ラジアル軌道輪5cを介して前記動力伝達軸23により支承すれば、前記圧痕等の損傷防止を、より確実に図れる。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述の図3に示した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第4例
図6〜8は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1dの場合には、第二ラジアル軌道輪5dの外周面のうち、スラスト軸受3aと反対側端部で、周囲に各ラジアルニードル6、6を配置した内輪軌道14から外れた部分を、この内輪軌道14よりも径方向内方に凹ませている。そして、当該部分を、この内輪軌道14を設けた部分よりも径方向に関する厚さが小さい薄肉部27としている。更に、この薄肉部27を、第一ラジアル軌道輪4aの端部に設けたスラスト鍔部17よりも、前記各ラジアルニードル6、6を配置した内部空間と反対側に突出させている。
この為、図7に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5dを動力伝達軸23に締り嵌めで外嵌固定する際に、この第二ラジアル軌道輪5dの軸方向端面である前記薄肉部27の先端面を、直接、効率良く押圧する事ができる。この結果、仮にこの第二ラジアル軌道輪5dと前記動力伝達軸23との嵌合部の締め代を大きくしても、何れの部分にも損傷を生じる事なく、前記第二ラジアル軌道輪5dを前記動力伝達軸23に外嵌固定できる。尚、前記組み合わせニードル軸受1dの第一ラジアル軌道輪4aに歯車22を外嵌するのは、図7に示す様に、前記第二ラジアル軌道輪5dを前記動力伝達軸23に外嵌する前であっても、或いは、図8に示す様に、この第二ラジアル軌道輪5dをこの動力伝達軸23に外嵌した後であっても良い。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態の第5例
図9は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の組み合わせニードル軸受1eの場合には、上述した実施の形態の第4例の構造に対して、第二ラジアル軌道輪5eの形状を異ならせている。具体的には、この第4例の構造から、第二ラジアル軌道輪5dの小径段部19(図6参照)を除去している。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述の図6に示した実施の形態の第4例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
参考例の第1例
図10は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1fの場合には、第二ラジアル軌道輪5aとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
参考例の第2例
図11は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1gの場合には、第二ラジアル軌道輪5dとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図6に示した実施の形態の第4例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
参考例の第3例
図12は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の組み合わせニードル軸受1hの場合には、第二ラジアル軌道輪5eとバックアップレース15aとを一体としている。
その他の部分の構成及び作用に就いては、前述の図9に示した実施の形態の第5例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
参考例の第4〜5例
図13〜14は、本発明に関する参考例の第4〜5例を示している。これら両参考例の組み合わせニードル軸受1i、1jの場合には、バックアップレースを省略し、第一スラスト軌道輪8aの軸方向片側面を、直接スラスト軌道面とすると共に、バックアップレースを省略した代わりに、スラスト保持器12b、12c及び第二スラスト軌道輪10bの内径を小さくしている。そして、この第二スラスト軌道輪10bの内周縁部分に形成した第二筒状フランジ16aを、第二ラジアル軌道輪5aの端部に形成した小径段部19の周囲に進入させている。従って、これら両参考例の場合には、前記第二筒状フランジ16aの先端縁と、前記小径段部19の奥端部に存在する段差面20との係合により、前記第二ラジアル軌道輪5aが第一ラジアル軌道輪4aの内径側から抜け出る方向に変位する事を阻止する。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[参考例の第6例
図15は、本発明に関する参考例の第6例を示している。先に述べた実施の形態の第1〜例及び参考例の第1〜例が、何れも第一ラジアル軌道輪が外輪であり、第二ラジアル軌道輪が内輪であった。これに対して本参考例の組み合わせニードル軸受1kの場合には、第一ラジアル軌道輪4bが内輪であり、第二ラジアル軌道輪5fが外輪である。これに合わせて、第一スラスト軌道輪8bが、前記第一ラジアル軌道輪4bの端部から径方向内方に向け直角に折れ曲がっている等、前述の図1に示した実施の形態の第1例とは、径方向に関する内外が逆転している。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1に示した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明のラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受は、自動車用変速機に限らず、隣接する部材同士の間に加わるラジアル荷重及びスラスト荷重を支承しつつこれら各部材の相対回転を許容する必要がある、各種機械装置の回転支持部に利用できる。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k 組み合わせニードル軸受
2、2a、2b、2c、2d ラジアル軸受
3、3a、3b スラスト軸受
4、4a、4b 第一ラジアル軌道輪
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f 第二ラジアル軌道輪
6 ラジアルニードル
7、7a ラジアル保持器
8、8a、8b 第一スラスト軌道輪
9、9a、9b 筒状フランジ
10、10a、10b、10c 第二スラスト軌道輪
11 スラストニードル
12、12a、12b、12c、12d スラスト保持器
13 外輪軌道
14 内輪軌道
15、15a、15b バックアップレース
16、16a、16b 第二筒状フランジ
17、17a スラスト鍔部
18、18a 第一係止部
19、19a 小径段部
20、20a 段差面
21、21a 第二係止部
22 歯車
23 動力伝達軸
24 係合突部
25 鍔部
26 支え治具
27 薄肉部

Claims (3)

  1. それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置された、第一、第二両ラジアル軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両ラジアル軌道輪の中心軸と平行にした状態で、これら両ラジアル軌道輪の互いに対向する周面同士の間に転動自在に設けられた、複数本のラジアルニードルと、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向一端部から径方向外側に直角に折れ曲がった第一スラスト軌道輪と、この第一スラスト軌道輪の外周縁から軸方向一端側に折れ曲がった筒状フランジと、前記第一スラスト軌道輪に軸方向に対向する状態で配置された、円輪状の第二スラスト軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両スラスト軌道輪の径方向に配置した状態で、これら両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けられた複数本のスラストニードルと、これら各スラストニードルを保持する為、全体を円輪状に造られて前記両スラスト軌道輪同士の間に、これら両スラスト軌道輪に対する相対回転を自在に配置されたスラスト保持器と、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に配置された、硬質金属製で円輪状のバックアップレースとを備えたラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いて、
    前記バックアップレースは、前記第二ラジアル軌道輪の外径よりも小さな内径を有しており、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものであり、
    前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部とこの第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止しており、この第二ラジアル軌道輪の外周面のうち、前記各ラジアルニードルを配置した軌道面部分から外れた軸方向一端寄り部分が、この軌道面部分よりも径方向に凹んでいて、これら軌道面部分と一端寄り部分との間に段差面が存在しており、この段差面に前記バックアップレースの径方向内端部の軸方向片側面を対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止しており、
    前記筒状フランジの先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部と前記スラスト保持器の外周縁との係合により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止しており、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁から径方向外側に折れ曲がった第二係止部と前記スラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止しており、
    前記第一、第二両ラジアル軌道輪と、前記各ラジアルニードルと、前記第一スラスト軌道輪と、前記第二スラスト軌道輪と、前記各スラストニードルと、前記スラスト保持器と、前記バックアップレースとが非分離に組み合わせられている事を特徴とするラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受。
  2. それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置された、第一、第二両ラジアル軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両ラジアル軌道輪の中心軸と平行にした状態で、これら両ラジアル軌道輪の互いに対向する周面同士の間に転動自在に設けられた、複数本のラジアルニードルと、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向一端部から径方向外側に直角に折れ曲がった第一スラスト軌道輪と、この第一スラスト軌道輪の外周縁から軸方向一端側に折れ曲がった筒状フランジと、前記第一スラスト軌道輪に軸方向に対向する状態で配置された、円輪状の第二スラスト軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両スラスト軌道輪の径方向に配置した状態で、これら両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に転動自在に設けられた複数本のスラストニードルと、これら各スラストニードルを保持する為、全体を円輪状に造られて前記両スラスト軌道輪同士の間に、これら両スラスト軌道輪に対する相対回転を自在に配置されたスラスト保持器と、前記第一スラスト軌道輪と前記各スラストニードルとの間に配置された、円輪状のバックアップレースとを備えたラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いて、
    前記バックアップレースが、前記第二ラジアル軌道輪と一体に構成され、前記第一スラスト軌道輪の軸方向片側面に隙間なく重ね合わせられるものであり、
    前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部とこの第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止しており、この第二ラジアル軌道輪と前記バックアップレースとを一体に設ける事により、この第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止しており、
    前記筒状フランジの先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部と前記スラスト保持器の外周縁との係合により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止しており、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁から径方向外側に折れ曲がった第二係止部と前記スラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止しており、
    前記第一、第二両ラジアル軌道輪と、前記各ラジアルニードルと、前記第一スラスト軌道輪と、前記第二スラスト軌道輪と、前記各スラストニードルと、前記スラスト保持器と、前記バックアップレースとが非分離に組み合わせられている事を特徴とするラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受。
  3. それぞれが円筒状に形成されて互いに同心に配置された、第一、第二両ラジアル軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両ラジアル軌道輪の中心軸と平行にした状態で、これら両ラジアル軌道輪の互いに対向する周面同士の間に転動自在に設けられた、複数本のラジアルニードルと、前記第一ラジアル軌道輪の軸方向一端部から径方向外側に直角に折れ曲がった第一スラスト軌道輪と、この第一スラスト軌道輪の外周縁から軸方向一端側に折れ曲がった筒状フランジと、前記第一スラスト軌道輪に軸方向に対向する状態で配置された、円輪状の第二スラスト軌道輪と、それぞれの中心軸をこれら両スラスト軌道輪の径方向に配置した状態で、これら両スラスト軌道輪の互いに対向する軸方向片側面同士の間に直接転動自在に設けられた複数本のスラストニードルと、これら各スラストニードルを保持する為、全体を円輪状に造られて前記両スラスト軌道輪同士の間に、これら両スラスト軌道輪に対する相対回転を自在に配置されたスラスト保持器とを備えたラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受に於いて、
    前記第一ラジアル軌道輪の軸方向他端部から径方向内側に折れ曲がったスラスト鍔部とこの第二ラジアル軌道輪の軸方向片端面とを軸方向に対向させる事により、前記第一ラジアル軌道輪がこの第二ラジアル軌道輪に対して軸方向一端側に変位する事を阻止しており、この第二ラジアル軌道輪の外周面のうち、前記各ラジアルニードルを配置した軌道面部分から外れた軸方向一端寄り部分が、この軌道面部分よりも径方向に凹んでいて、これら軌道面部分と一端寄り部分との間に段差面が存在しており、この段差面に、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁を対向させる事により、前記第二ラジアル軌道輪が前記第一ラジアル軌道輪に対し軸方向一端側に相対変位する事を阻止しており、
    前記筒状フランジの先端縁から径方向内側に折れ曲がった第一係止部と前記スラスト保持器の外周縁との係合により、このスラスト保持器が前記第一スラスト軌道輪から分離する事を阻止しており、前記第二スラスト軌道輪のうち、内周縁から軸方向他端側に折れ曲がった第二筒状フランジの先端縁から径方向外側に折れ曲がった第二係止部と前記スラスト保持器の内周縁との係合により、前記第二スラスト軌道輪がこのスラスト保持器から分離する事を阻止しており、
    前記第一、第二両ラジアル軌道輪と、前記各ラジアルニードルと、前記第一スラスト軌道輪と、前記第二スラスト軌道輪と、前記各スラストニードルと、前記スラスト保持器とが非分離に組み合わせられている事を特徴とするラジアル・スラスト組み合わせ型ニードル軸受。
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