JP2015004295A - 凝縮水処理機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一端部61aが吸気通路10Aのインタークーラ22又はインタークーラ22よりも下流側に接続され、他端部61bが吸気通路10Aの一端部よりも下流側又は排気通路20Aに接続され、インタークーラ22で生成された凝縮水が流通する凝縮水通路60Aと、凝縮水通路60Aに介装され、凝縮水を貯留する貯留部62とを備え、凝縮水通路60Aの貯留部62よりも下流側には、貯留部62に貯留された凝縮水を毛細管現象により凝縮水通路60Aの他端部61bに吸い上げる毛細管材70が備えられている。
【選択図】図1
Description
また、排気中の窒素酸化物(以下、「NOx」という)を低減させるために、排気の一部を吸気通路に還流させて新気とともに再燃焼させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが実用化されている。
通常、排気には、燃焼により生成された水蒸気が含まれるため、新気よりも多くの水蒸気が含まれている。このため、低圧EGRで還流された排気を含む吸気が、過給機で圧縮されインタークーラで冷却されることにより、吸気中の水蒸気が凝縮して水(以下、「凝縮水」という)が生成される場合がある。
そこで、低圧EGRを備えた吸排気系において、インタークーラで生成された凝縮水を処理する技術が開発されている。かかる技術が、例えば特許文献1及び2に開示されている。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(3)前記ガラス繊維は、その直径が0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。
(4)前記排気通路に介装され、排気を浄化処理する排気処理装置を備え、前記凝縮水通路の前記他端部は、前記排気通路の前記排気処理装置よりも上流側に接続されたことが好ましい。
(6)前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路の前記インタークーラよりも下流側のなかで鉛直高さが最も低い部分に接続されたことが好ましい。
このように、凝縮水を貯留する貯留部とこれよりも下流側の毛細管材により、凝縮水の巻き上げを防止し、適切に凝縮水を処理することができる。
なお、本実施形態でいう上流及び下流は、吸気,排気又は凝縮水の流れる方向を基準にしている。
〔1.構成〕
〔1−1.エンジン及びその吸排気系〕
まず、図1を参照して、エンジン並びにその吸気系及び排気系の構成を説明する。
〔1−1−1.エンジン〕
エンジン1は、ディーゼルエンジンであり、シリンダヘッド2,シリンダブロック3及びクランクケース4を有している。なお、エンジン1は、図示省略するが気筒を複数有する多気筒エンジンとして構成されている。
次に、エンジン1の上流側に設けられた吸気系の構成を説明する。
吸気系には、吸気管10及びこれに介装又は付設された各装置と、吸気管10とエンジン1の吸気ポート2aとの間に介装されているインテークマニホールド(以下、「インマニ」と略称する)19とが備えられている。
吸気管10及びこれに介装又は付設された各装置とインマニ19とは、それぞれの内部に吸気通路10A(図1では一箇所にのみ符号を付す)を形成している。
吸気管10には、上流から順にエアクリーナ20,第一スロットル弁21,ターボチャージャ(過給機)50のコンプレッサ50a,インタークーラ22,第二スロットル弁23が配置されている。
エアクリーナ20は、吸入される新気中の異物を取り除くフィルタである。
インタークーラ22は、吸気の冷却装置である。このインタークーラ22では、ターボチャージャ50により圧縮されて上昇した吸気温度が低下され、吸気の空気密度の低下が回復される。
次に、エンジン1の下流側に設けられた排気系の構成について説明する。
排気系には、エキゾーストマニホールド(以下、「エキマニ」と略称する)39と、この下流側に接続された排気管30及びこれに介装又は付設された各装置とが備えられている。
エキマニ39と排気管30及びこれに介装又は付設された各装置とは、それぞれの内部に排気通路30A(図1では一箇所にのみ符号を付す)を形成している。
エキマニ39には、後述する高圧EGRシステム52が接続されている。
排気管30には、上流から順に上述のターボチャージャ50のタービン50b,一次排気処理装置40,二次排気処理装置41が配置されている。
また、一次排気処理装置40には、DPF40bの上流と下流との差圧を検出する差圧センサ94が付設されている。
また、DOC40aによる酸化熱により、一次排気処理装置40下流側の二次排気処理装置41に吸蔵された硫黄成分が放出(いわゆるSパージ)されるようになっている。
二次排気処理装置41は、排気中に含まれるNOxを浄化するためのものである。具体的に言えば、二次排気処理装置41は、バリウムやカリウムなどの塩基類を吸蔵材に使用し、NOxを硝酸塩として吸蔵するものである。このように、二次排気処理装置41は、発熱せずに排気を浄化処理する。
本吸排気系には、吸気系と排気系に跨って低圧EGRシステム51及び高圧EGRシステム52が設けられている。これらのEGRシステム51,52は、排気を吸気に還流させることによりNOxを低減させるためのものである。
低圧EGRクーラ51dは、還流される排気の温度を低下させる冷却装置である。この低圧EGRクーラ51dよりも他端部51b側(吸気側)には、低圧EGR弁51eが設けられている。
低圧EGR弁51eは、低圧EGRシステム51による排気の還流量を調整するものであり、開度調整可能な弁として構成されている。
次に、上記したエンジン1の吸排気系に適用される凝縮水処理機構60の構成について説明する。
凝縮水処理機構60は、ターボチャージャ50で圧縮された吸気がインタークーラ22で冷却されることにより生成された凝縮水を処理するための機構である。具体的には、最低部10aに溜まろうとする凝縮水を吸気通路10Aの系外に導いて貯留し、凝縮水が燃焼室5に流入しても支障のないときに凝縮水を吸気通路10Aに排出させるためのものである。
以下、凝縮水管61及びタンク62の各構成を説明する。
スリット11は、吸気管10に沿う吸気の流通を妨げないような大きさ又は配置で設けられている。ここでは、複数のスリット11が千鳥状に配置され、各スリット11の長手方向が吸気の流通方向に沿うように配向されたものを例示する。複数のスリット11の千鳥状配置によれば、スリット11の大きさの設定自由度を確保しやすく、各スリット11の長手方向を吸気の流通方向に沿わせることにより、吸気の流通を妨げ難くすることができる。ただし、スリット11の配向及び配置は何れも任意であり、その他の配向や配置を採ることができる。
ここでは、タンク62の説明をした後、各凝縮水管611及び612を説明する。
第一凝縮水管611は、その内部に凝縮水が流れる空間(即ち第一凝縮水通路61A)を有する中空管である。この第一凝縮水管611としては、例えば金属管やゴム管といった耐水性又は耐腐食性を有するものを用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる凝縮水処理機構60は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
新気の吸気は、エアクリーナ20を経て、第一スロットル弁21のスロットル開度に応じて絞られる。この下流の低圧EGRシステム51の他端部51bでは、低圧EGR弁51eの開度に応じて還流された排気と新気とが合流した吸気がターボチャージャ50のコンプレッサ50aにより圧縮される。
この凝縮水は、吸気管10の最低部10aに溜まろうとするが、この最低部10aに接続された凝縮水処理機構60の一端部61aから吸気系の系外に導かれる。そして、第一凝縮水管611を流通してタンク62に貯留される。
凝縮水通路60Aの他端部61bは吸気通路10Aを形成しているインマニ19に接続されているため、吸い上げられた凝縮水は、吸気通路10Aを流通する吸気に曝されることにより気化され、水蒸気となって凝縮水処理機構60から排出される。
また、凝縮水の気化により、毛細管材70の間に充満していた凝縮水が排出されると、これに続く凝縮水が吸い上げられ気化される。このように、順次、凝縮水が気化され、吸い上げられる。
したがって、本実施形態の凝縮水処理機構60によれば、凝縮水が吸気通路10Aに溜まることが無く、凝縮水の巻き上げを防止することができる。
また、毛細管材70は、凝縮水に懸濁又は混入した異物を除去するフィルタとして機能するため、異物を吸気通路に排出することがなく、燃焼室5への異物の侵入を防止することができる。
本凝縮水処理機構60は、従来の凝縮水処置機構で用いられていた開閉弁やその制御装置などを必要しないため、簡素な構成とすることができる。これにより、製造コストの低減を図ることができ、制御にともなう不安要素を排除することができる。
毛細管材70に用いられるガラス繊維の直径が0.1μm〜1.0μmであれば、毛細管現象によって凝縮水を容易に効率良く吸い上げることができる。
凝縮水通路60Aの一端部61aは、吸気通路10Aを形成する吸気管10の最低部10aに形成されたスリット11であるため、吸気の流通を妨げることがなく、凝縮水を凝縮水処理機構60に導入することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、最低部10aが吸気管10のなかで最も鉛直高さが低いものを説明したが、最低部10aは、少なくともインタークーラ19よりも下流側の吸気通路10Aのなかで最も低い部分であればよい。この場合も、最低部10aに溜まろうとする凝縮しは、凝縮水処理機構60により適切に処理される。
また、ターボチャージャ50に替えて、エンジン1の出力軸により駆動されるスーパーチャージャを用いてもよい。
また、ディーゼルエンジンを例に挙げて上述したが、これに替えてガソリンエンジンを用いてもよい。この場合、燃料としてガソリンを用いるのは勿論、インジェクタや後処理装置などの構成がガソリンエンジンに対応したものになる。
5 燃焼室
10 吸気管
10a 最低部
10A 吸気通路
11 スリット
19 インテークマニホールド
22 インタークーラ
23 第二スロットル弁
30 排気管
30A 排気通路
39 エキゾーストマニホールド
50 ターボチャージャ(過給機)
51 低圧EGRシステム
52 高圧EGRシステム
60 凝縮水処理機構
60A 凝縮水通路
61A 第一凝縮水通路
61B 第二凝縮水通路
61 凝縮水管
611 第一凝縮水管
612 第二凝縮水管(ゴムホース〈ゴム質〉)
70 毛細管材
62 タンク(貯留部)
93 リニア空燃比センサ
Claims (6)
- エンジンの吸気通路において吸気を過給する過給機よりも下流側に介装され、前記過給機により過給された吸気を冷却するインタークーラと、
前記エンジンの排気通路と前記吸気通路の前記過給機よりも上流側とを接続するEGR通路と、
一端部が前記吸気通路の前記インタークーラ又は前記インタークーラよりも下流側に接続され、他端部が前記吸気通路の前記一端部よりも下流側又は前記排気通路に接続され、前記インタークーラで生成された凝縮水が流通する凝縮水通路と、
前記凝縮水通路に介装され、前記凝縮水を貯留する貯留部とを備え、
前記凝縮水通路の前記貯留部よりも下流側には、前記貯留部に貯留された凝縮水を毛細管現象により前記凝縮水通路の前記他端部に吸い上げる毛細管材が備えられた
ことを特徴とする、凝縮水処理機構。 - 前記毛細管材は、ガラス繊維の束である
ことを特徴とする、請求項1記載の凝縮水処理機構。 - 前記ガラス繊維は、その直径が0.1μm〜1.0μmである
ことを特徴とする、請求項2記載の凝縮水処理機構。 - 前記排気通路に介装され、排気を浄化処理する排気処理装置を備え、
前記凝縮水通路の前記他端部は、前記排気通路の前記排気処理装置よりも上流側に接続された
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路を形成する吸気管に形成されたスリット又は細孔である
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。 - 前記凝縮水通路の前記一端部は、前記吸気通路の前記インタークーラよりも下流側のなかで鉛直高さが最も低い部分に接続された
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の凝縮水処理機構。
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