JP2015000825A - 左官材料製造キット - Google Patents

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洋二 藤浦
栗山 智
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Abstract

【課題】 分離されて納められている二つの材料を一つの包装用容器の内部において混合する際に、より速く均一に混合ができる左官材料製造キットを提供する。
【解決手段】 分離手段によって内部が二つの空間(A)、(B)に分割された包装用容器において、空間(A)には水および吸水性樹脂からなるゾル状組成物が収容され、空間(B)には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料が収容されている左官材料製造キットであって、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積の割合が80%以下である左官材料製造キットであり、二つの材料の混合性に優れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分離されて納められている二つの材料を一つの包装用容器内で混合する左官材料製造キットに関する。
セメントモルタル、漆喰、プラスターなどの左官材料において、良好な作業性や施工後の性能を得るためには、目的に応じ、種々の充填材や混和材などの種類と配合量を適宜決定し、かつ注意を払って水の添加量を調整しなければならず、充分な混合も必要となる。また、左官材料に含まれている比重の大きい充填材や混和材を予め水に分散させると、静置により充填材や混和材が沈降して分離してしまうため、調達した材料を現場で計量し、その後空練する作業が行われる。
ところが、配合する充填材や混和材などの種類と配合量を適宜決定するのは結構煩雑であるだけでなく、充填材や混和材などの計量は手間がかかり、空練には機械や道具が必要となるため、予め必要な材料を所要量だけ調合した既調合製品が販売されている。
このような左官材料製造キットとして、包装用容器の内部を、分離手段によって複数の空間に分け、一つの空間には水及び吸水性ポリマーを含んだ30〜5,000ポアズの粘度を有するモルタル用ゲル状組成物を収容し、別の空間には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料を収容し、分離手段を除去又は解除することにより、当該包装用容器の内部において混合して用いるものが提案されている(たとえば、特許文献1)。
特開2005−089288号公報
しかしながら、この左官材料製造キットは、分離手段を除去又は解除することにより、当該包装用容器の内部においてそれぞれの容器に納められている材料を混合する際、袋の外側から手で揉むようにして混合するが、均一に混合するのに時間がかかるという問題がある。また最近はモルタルの硬化を促進するためにセメント混和用ポリマーディスパージョンの量を増やす傾向があり、硬化が始まるまでの時間が短くなるのでより速く均一に混合する必要が生じている。
本発明の目的とするところは、分離されて納められている二つの材料を一つの包装用容器の内部において混合する際に、より速く均一に混合ができる左官材料製造キットを提供するものである。
発明者は、様々な検討を重ねた結果、容器内の空間において材料が占める部分を一定量より少なくすることにより速く均一に混合ができることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、分離手段によって内部が二つの空間(A)、(B)に分割された包装用容器において、空間(A)には水および吸水性樹脂からなるゾル状組成物が収容され、空間(B)には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料が収容されている左官材料製造キットであって、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積の割合が80%以下である左官材料製造キットである。
さらに本発明は、上記吸水性樹脂が、エポキシ系架橋剤またはアリル系架橋剤で架橋されたアニオン系吸水性樹脂であることを特徴とする。
また本発明は、上記の左官材料製造キットの分離手段を除去又は解除することにより前記包装用容器の空間(A),空間(B)を一つの空間にした空間において、ゾル状組成物とモルタル系材料を混合して用いる左官材料製造キットの使用方法である。
本発明において、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積の割合が80%以下であるので、これらの材料を配合するために手で揉む以外に上下左右に振って混合しやすいので予想以上に速い時間で均一になる。また、空間(A)の内容物はゾル状であるので、穴があいても一気に外へ漏れ出ることはなく、袋に入った水ではないので運搬がしやすい。
モルタル系材料との混合時に、吸水性樹脂でゾル状となったゾル状組成物から水が放出されるため、水を別途用意しなくてもすむと同時に、少しずつ水を吐き出すのでさらに混合がしやすいという利点も生じる。
さらに本発明における吸水性樹脂が、エポキシ系架橋剤またはアリル系架橋剤で架橋されたアニオン系吸水性樹脂であるので、ゾル組成物の粘度が長期間安定しており、品質が安定し安心して使用することができる。
また本発明は、分離手段を除去又は解除することにより、空間(A)におけるゾル状組成物と空間(B)におけるモルタル系材料を一つの空間になった包装用容器の内部において混合して使用する方法であるので、粉末が飛散することなく、他の容器を必要としたり、手や衣服を汚すこともないという利点もある。
本発明の実施の一形態に係る包装用容器の分離手段を解除して一つの空間にし、それを振って内容物を容器の下部に寄せ集めた状態を示す概念的正面図(a)および該(a)図におけるX−Y軸を含み図に対して垂直面で切断したときの概念的断面図(b)である。
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明において、空間(A)には水および吸水性樹脂からなるゾル状組成物が収納される。吸水性樹脂を水に少量添加すれば、流動性を有するゾル状態とすることができる。
本発明における吸水性樹脂としては、天然系でも合成系でも特に限定はないが、安価で、安全性、耐久性、吸水倍率などの吸水特性に優れ、かつ、腐敗の心配の無いものが好ましい。
このようなものとして特に合成系の吸水性樹脂が挙げられ、吸水・膨潤するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合架橋体、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合架橋体、(メタ)アクリロイルアルカンスルホン酸塩共重合架橋体、架橋カルボキシメチルセルロース塩などが挙げられる。これらのうち、ポリアクリル酸部分中和物架橋体が、吸水膨潤特性、保水性、モルタル形成性や経済性などが特に良好であるため好ましい。
これらの吸水性樹脂は、アクリル酸(またはその塩)、無水マレイン酸(またはその塩)、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、(メタ)アクリロイルアルカンスルホン酸塩などから選ばれる1種または2種以上を重合した後、架橋剤で架橋して得られるが、その製造条件は公知の製造条件で製造できる。
ここで用いられる架橋剤としては、たとえば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのアミド系架橋剤;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ又はトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのアクリレート系架橋剤;トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどのアリル系架橋剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤などが使用できる。これらの架橋剤の内で好ましいのは、ゾル状組成物の粘度が長期間安定であるアリル系架橋剤、エポキシ系架橋剤である。アリル系架橋剤、エポキシ系架橋剤を用いると、架橋した箇所が水、空気によって分解しにくく長期間保存しても粘度が下がりにくいので、安心して用いることができモルタルの品質も一定となる。
また、架橋としては熱架橋、表面架橋したものも使用できる。
これらの吸水性樹脂は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。上記吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状、粉末状など、種々の形状であってもよいが、吸水性能を向上させるために、粉末状であることがより好ましい。粉末状における粒子の平均粒子径について特に限定はないが、好ましくは30〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。
上記吸水性樹脂の吸水倍率は重量で20〜1000倍であるのが好ましい。吸水倍率は下記の方法で測定できる。純水の吸水倍率がこの範囲内であると、長期間粘度が安定したゾル状組成物を作成できる。
(純水の吸水倍率)
250メッシュのナイロンネット製、サイズ10cm×20cm、ヒートシール幅5mm以内のティーバッグと、純水を準備する。測定対象となる吸水性樹脂をJIS標準篩いでふるい分けし、30〜100メッシュの粒径のものを採取して測定試料とする。
試料0.2gをティーバッグヘ投入し、それを純水中に、ティーバッグの底から約15cmを浸する。1時間放置した後、ティーバッグを引き上げ、垂直に吊るして15分間水切りをし、その後重量測定をする(L(g))。試料を入れない空ティーバッグも同様の操作を行い、重量測定をする(M(g))。
測定は、各3回行い、得られるL及びMを平均する。吸水倍率を(L−M)/0.2より求める。
吸水倍率=(Y−Z)/X
また、吸水性樹脂は、生理食塩水の吸収倍率が0.5倍〜150倍であって、かつ生理食塩水の吸収倍率が純水の吸水重量の0.2倍以下であるのがさらに好ましい。このような物性をもつ吸水性樹脂は、ゾル状組成物とモルタル系材料(無機結合材料)とを混ぜた場合において、無機結合材料の中の金属塩により、含水ゾルが水を吐き出して、より適切な粘性を有するモルタルを得ることができるからである。なお、生理食塩水の吸収倍率が0.1倍〜100倍であるのが、特に好ましい。
(生理食塩水の吸収倍率)
250メッシュのナイロンネット製、サイズ10cm×20cm、ヒートシール幅5mm以内のティーバッグと、生理食塩水を準備する。測定対象となる吸水性樹脂をJIS標準篩いでふるい分けし、30〜100メッシュの粒径のものを採取して測定試料とする。
試料1.0gをティーバッグヘ投入し、それを生理食塩水中に、ティーバッグの底から約15cmを浸す。1時間放置した後、ティーバッグを引き上げ、垂直に吊るして15分間水切りをし、その後重量測定をする(L(g))。試料を入れない空ティーバッグも同様の操作を行い、重量測定をする(M(g))。
測定は、各3回行い、得られたL及びMを平均する。吸収倍率を(L−M)/1.0より求める。
ゾル状組成物には骨材、セメント混和用ポリマーディスパージョン、短繊維などを配合してもよい。
骨材としては、特に限定されず、一般に細骨材とされているものであれば使用することができるが、たとえば、硅砂、砂、小石、砕石、再生ガラス粉粒体、パーライトなどの無機質系、エチレン酢酸ビニル重合体の粉粒体、木粉(おがくずを含む)、ウレタンフォーム、発泡ポリスチレンフォームの粉砕物などの有機質系が挙げられる。
セメント混和用ポリマーディスパージョンは、JIS A6203に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものであればよく、特に限定されないが、たとえば、スチレンブタジエンゴムラテックス系合成高分子エマルジョン、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合体系エマルジョンなどが挙げられる。
短繊維としては、繊維長が1〜30mmのものであれば、天然繊維、合成繊維の別を問わないが、たとえば、モルタル混和用として開発されたナイロン繊維、特にこれらの円断面繊維及び異形断面繊維(Y断面、中空断面)などが使用できる。この中でナイロンは、他の繊維と比較して、保水性、親水性及び靱性に優れ、その上、他の成分との相性も抜群によい。
ゾル状組成物には、発明の効果を妨げない範囲であれば、紫外線吸収剤などのゲルの安定化剤、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、着色剤などを混合することもできる。
ゾル状組成物は、上記の吸水性樹脂、水および上記の添加剤を配合して混合すれば作成できる。配合の順序は特に限定はない。また、ゾル状組成物を別の容器内で作成してから空間(A)に入れてもよいし、空間(A)内でこれらを配合しても容易にゾル状組成物を作成できる。好ましくは作業性の面で後者である。
ゾル状組成物における吸水性樹脂の含有量は、配合する水の重量を1とした場合において、0.001〜0.3であるのが好ましい。吸水性樹脂の含有量が、0.001以上であると、ゾル状組成物が軟らかすぎたり、ゾルの粒子間に含まれる間隙水が多すぎず、無機結合材料と混合した場合に粒子同士のママコが発生しにくい。逆に、0.3以下であると、ゾル状組成物が硬くなりすぎず混合がしやすい。
このようにして作成されたゾル状組成物は、粘度が30ポアズ〜4,000ポアズである。粘度が30ポアズ以上であると、粉体の沈降分離が起きにくく、粒子同士のママコが発生しにくい。逆に、4,000ポアズ以下であると、硬くなりすぎず混合がしやすい。
空間(B)には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料が収容される。
無機結合材料は、ポルトランドセメント、石膏、消石灰、ドロマイトプラスターの中から選ばれる一種または二種以上である。
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸ポルトランドセメントの4種類が挙げられる。また、ポルトランドセメントに混合材を加えた、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントも使用できる。
石膏としては、二水石膏、半水石膏、無水石膏などが挙げられる。
消石灰としては、JIS A6902(左官用消石灰)に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものであれば、特に限定されず、土中窯で塩焼きされた生石灰を熟成して製造された塩焼き灰及び貝灰も含まれ、使用できる。
ドロマイトプラスターとしては、JIS A6903に適合するもの又はこれと同等以上の性能を有するものであれば、特に限定されず、使用できる。
また、モルタル系材料としては、さらに、骨材、珪藻土、短繊維、再乳化形粉末樹脂、水溶性樹脂の中から選ばれる一種または二種以上が使用できる。
骨材、短繊維については、上記のゾル状組成物に使用されるものと同じものが使用できる。
再乳化形粉末樹脂としては、JIS
A6203に例示されるポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル等を主成分とする粉末状の樹脂が挙げられる。
これらは空間(B)に入れた後、混合してもしなくてもよい。空間(A)のゾル状組成物と空間(B)のモルタル系材料を一つの容器で混合する際にこれらを同時に混合することができるが、先に混合しておけば混合時間を短縮できる。
本発明の左官材料製造キットは、ゾル状組成物と、モルタル系材料の組み合わせからなる。本発明の左官材料製造キットは、包装用容器が分離手段によって内部が二つの空間(A)、(B)に分割されている。空間(A)には水および吸水性樹脂からなるゾル状組成物が収容され、空間(B)には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料が収容されている。
この左官材料製造キットにおいて、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物の容積と空間(B)におけるモルタル系材料の容積の合計容積の割合が80%以下である。
ここで空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積や空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積は、これらが入った容器を縦にして十分振り、ゾル状組成物やモルタル系材料を容器の底に集めれば全体の容積およびその中に入っているゾル状組成物とモルタル系材料との混合物の容積を把握することができ、その割合を把握することができる。詳細には混合物の容積部分(高さ、cm)を測りその値を内容物の容積とし、全体の容器の上記と同じ方向の高さ(cm)に対してどの程度かを断面状態から判断して計算する。この方法であれば少なくとも5%程度以下の精度で把握できる。割合が80%以下であるというのはおよそ80%以下ということを意味するものとする。
その割合が80%を超えると、容器を振ってもゾル状組成物やモルタル系材料を均一に混合するのに時間がかかる。好ましくは割合が70%以下である。70%以下であると、上下左右に振ったり揉んだりすると全体を均一にするのがより短時間でできる。
ここにいう「包装用容器」は、外部の水、水溶液、湿分などを遮断することができるものであれば特に限定されず、たとえば、水、水溶液、湿分などを透過させない材質でできた袋状又はチューブ状の変形自在の容器などを挙げることができる。
ゾル状組成物については水蒸気が抜けない程度の密封性があり、無機結合材料を含んでなるモルタル系材料については外部の水、水溶液、湿分などを遮断できる程度の密封性があれば、特に限定されず、公知の収納方法を使用することができる。ゾル状組成物については、アルミ製の袋か、アルミ蒸着製の袋を用いると、さらに長期間ゾル状組成物の粘度を安定にするのでより好ましい。
ここで、包装用容器の内部を空間(A)、(B)に分ける分離手段としては、ゾル状組成物とモルタル系材料の相互の接触を防止できるものであれば、公知のいずれの手段をも使用することができる。たとえば、開封後の菓子類などを湿らせずに保存するときに用いるにクリップ(袋物クリップ、帯クリップ、お菓子クリップ)、輪ゴム、開閉自在のファスナーやチャック部材、剥離容易性ヒートシール(引き剥がしにより比較的容易に剥がせるようにしたヒートシール)、張り合わされ剥離可能な境界線などを例示することができる。
分離手段を取り外すと、空間(A)、(B)にあった内容物が一つの包装用容器の内部において混合可能となる。たとえば、この左官材料製造キットの分離手段を取り外し、手で持って上下左右に振ったり、および/または手揉みなどにより包装用容器の内部にある内容物を混合すると、粒子同士のママコができずに短時間で均一に混ぜることができ、適度な軟らかさの左官材料となる。ここで、たとえば、包装用容器の端部又は排出口から、得られた左官材料を取り出すと、コテ滑りがよく、容易に壁塗りを行うことができ、施工後の性能も非常に良好である。なお、本発明における左官材料には、モルタルが含まれる。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらに限定されない。
(実施例1)
水が浸透しないチューブ状の変形自在の容器の中に、下記組成のゾル状組成物の原料をそれぞれ入れ、開放された一端を袋物クリップで密閉し(空間(A))、その中で混合してゲル状組成物を得た。
(ゲル状組成物の組成)
エポキシ系架橋剤で架橋されたポリアクリル酸ソーダ系吸水性樹脂{三洋化成工業社製、サンフレッシュST−500D*[純水に対する吸水能450g/g、生理食塩水に対する吸水能52g/g、
平均粒径310μm)]}0.6g、
市販の6号硅砂250g、
市販の8号硅砂69g、
水道水140g、
ナイロン繊維[東レ社製、アミランタフバインダー(10mm)]0.5g、
SBRラテックス(日本スタッコ社製、EMX−02)40g、
顔料(「シアニンブルーKRO」、銅フタロシアニンブルー顔料;山陽色素社製;粉体)1g
(合計500.1g)
上記の包装用容器において分離手段で上記のゾル状組成物と分離された別の隣に位置する容器であって、チューブ状の変形自在の容器の中に、市販の普通ポルトランドセメント0.2kg、市販の4号硅砂0.3kgを入れてモルタル系材料(500g)とし、開放された一端をスクリューキャップで密閉した(空間(B))。このようにして包装用容器において二つに分離された閉じた空間(A)、(B)を有する左官材料製造キットを得た。
ここで顔料を用いているのは、ゾル状組成物とモルタル系材料を混合するときの均一性を目視で評価するのに便利だからである。顔料のような着色剤を用いないと均一かどうかはわかりにくく、着色剤を用いれば細かいところまで均一化どうかがわかる。着色する必要がなければ顔料を用いる必要がないが、ここでは均一になるまでの時間を測定するために顔料を用いている。
同様にして同じ左官材料製造キットを合計3個作成した。
ゾル状組成物は、6ヶ月間室温で放置した後も、遊離水が全く発生せず、安定であった。ゾル状組成物1の粘度は、80ポアズで、6ヶ月間変化がなかった。
空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積の割合は65%であった。
続いて実施例1で用いたゾル状組成物とモルタル系材料を同じ比率で用いて、同一の包装用容器に入れる量を変えた、すなわち表1のように(内容物が占める容積/全容積)×100を変えた左官材料製造キット(実施例2〜3、比較例1)を作成した。ここで内容物が占める容積とは、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積のことであり、一つの空間にしたとき二つの内容物が占める容積のことでもある。全容積とは、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量のことであり、一つの空間にしたときの全体の容積のことでもある。
(評価)
これらの左官材料製造キットの分離手段を解除して、空間(A)、(B)を一つの空間にして容器全体の両端を手で持って上下左右にしっかり振り、さらに途中で手揉みを加えたりして、内容物が均一になるまでの時間(秒、約)を測定した。ここで均一とはままこがなく、着色状態がほぼ均一であることをいう。
Figure 2015000825
包装用容器の(内容物が占める容積/全容積)×100(%)が80%までは均一になるまでの時間は、比較的短かったが、90%では270秒と長くかかった。80%と90%の間に大きな差があった。したがって、(内容物が占める容積/全容積)×100(%)を80%以下とすることにより、均一になるまでの時間を大きく短縮できることがわかった。
表1に記載された時間だけ混合すれば、いずれの内容物も粒子同士のままこもなく均一に混ざり、流動性のよい本発明となるモルタルが得られた。しかし、比較例1において60秒混合したものは着色は均一ではなかった。
1 包装用容器
2 ヒートシール部
3 空気
4 内容物
5 分離手段を除去した跡

Claims (3)

  1. 分離手段によって内部が二つの空間(A)、(B)に分割された包装用容器において、空間(A)には水および吸水性樹脂からなるゾル状組成物が収容され、空間(B)には無機結合材料を含んでなるモルタル系材料が収容されている左官材料製造キットであって、空間(A)と空間(B)のそれぞれの全体容積の合計量に対する、空間(A)におけるゾル状組成物が占める容積と空間(B)におけるモルタル系材料が占める容積の合計容積の割合が80%以下である左官材料製造キット。
  2. 前記吸水性樹脂が、エポキシ系架橋剤またはアリル系架橋剤で架橋されたアニオン系吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の左官材料製造キット。
  3. 前記分離手段を除去又は解除することにより前記包装用容器の空間(A),空間(B)を一つの空間にした空間において、ゾル状組成物とモルタル系材料を混合して用いる請求項1または2記載の左官材料製造キットの使用方法。
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