JP2014533927A - 分化を促進する方法 - Google Patents

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Abstract

USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の阻害により細胞運命変化、特に腫瘍細胞の分化を促進する方法が本明細書で提供される。

Description

本出願は、35USC§119の下で、2011年9月15日出願の米国特許仮出願第61/535,336号の優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体を組み込まれている。
本出願は、EFS−Webを介してASCIIフォーマットで提出され、それにより参照によってその全体を組み込まれている配列表を含有している。前記ASCIIコピーは、2012年9月14日に作成され、P4745R1WO.txtと称され、サイズは49,096バイトである。
USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の阻害により細胞運命変化、特に腫瘍細胞の分化を促進する方法が本明細書で提供される。
塩基性ヘリックス−ループ−ヘリックス(bHLH)転写因子はヒトゲノムにおいて認識された転写因子の3番目に大きなファミリーを構成しており(Tuplerら、2001)、Eボックスと呼ばれるDNAエレメントに結合することを通じて発生および分化の不可欠な調節因子である(MassariおよびMurre、2000)。クラスI bHLHホモ二量体は広く発現されており、CDKN1A、CDKN2A、およびCDKN2Bなどの抗増殖性遺伝子の発現を促進する(YokotaおよびMori、2002)。クラスII bHLHタンパク質は、より限定された発現を示し、クラスIタンパク質とヘテロ二量体を形成してIGH@およびSP7/OSTERIXなどの組織特異的遺伝子を駆動させる(Lassarら、1991;Weintraubら、1994)。組織特異的および抗増殖性遺伝子の組み合わされた誘導を通じて、bHLH転写因子は分化系列決定のインテグレーターとしての働きをする。
bHLHタンパク質のDNA結合は、DNA結合タンパク質のインヒビター、またはIDとのヘテロ二量体化により制限される。IDファミリーはID1、ID2、ID3、およびID4という4つのメンバーからなり(Lasorellaら、2001)、これらの空間的および時間的発現プロファイルは重複している。4つのIDはすべて種々のbHLHタンパク質に類似する親和性で結合して遺伝子発現を調節している(Prabhuら、1997)。IDは、骨形態形成タンパク質、血小板由来増殖因子、上皮増殖因子を含む種々の増殖因子によりおよびT細胞受容体ライゲーションにより転写的に誘導される(YokotaおよびMori、2002)。ID1、ID2、およびID3は、K48連結ポリユビキチン化とそれに続く26Sプロテアソームによる分解を受けるが、ID4は受けない。その結果、IDは大半の組織では短命である(Bounphengら、1999)。一様に発現されるAPC/Cdh1複合体は、ID安定性および存在量を支配するE3ユビキチンリガーゼである(Lasorellaら、2006)が、IDタンパク質は一部の状況では安定である。
IDは哺乳動物発生に不可欠であり、2つ以上のID遺伝子が崩壊すると胚性致死にいたる(Lydenら、1999)。これとは対照的に、トランスジェニックマウスでIDタンパク質が過剰発現すると、致命的悪性腫瘍を生じる(Kimら、1999)。同様に、膵臓癌から神経芽細胞腫までに及ぶ広範囲の脱分化型原発性ヒト悪性腫瘍ではIDタンパク質レベルの上昇が観察される(Perkら、2005)。操作されたID抑制HLHタンパク質は神経芽細胞腫腫瘍を分化させることが報告された(Ciarapicaら、2009)。IDタンパク質は正常な成人分化組織では乏しいが、胚性および成人幹細胞集団を含む増殖中の組織では豊富であり、IDが「幹細胞性」を維持している可能性があることが示唆される(YokotaおよびMori、2002)。癌幹細胞生物学におけるID遺伝子の役割を解明するにはさらに多くの研究が必要である。
USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)を使用して、細胞運命および/または細胞周期停止の変化をスクリーニングするおよび/または同定する方法ならびに前記変化を促進する方法が本明細書で提供される。
細胞運命の変化を促進するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを求めてスクリーニングするおよび/または同定する方法であって、基準細胞の細胞運命である(i)基準細胞運命を、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストの存在下での基準細胞の細胞運命である(ii)候補細胞運命と比較し、USP1候補アンタゴニストがUSP1に結合し、UAF1候補アンタゴニストがUAF1に結合し、および/またはID候補アンタゴニストがIDに結合して、それによって基準細胞運命と候補細胞運命の間の細胞運命の違いがUSP1候補アンタゴニストおよび/またはID候補アンタゴニストを細胞運命の変化を促進すると同定することを含む方法が本明細書で提供される。
細胞周期停止を誘導するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを求めてスクリーニングするおよび/または同定する方法であって、(i)USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストの存在下で基準細胞を接触させ、USP1候補アンタゴニストがUSP1に結合し、UAF1候補アンタゴニストがUAF1に結合し、および/またはID候補アンタゴニストがIDに結合して、それによって細胞周期停止がUSP1候補アンタゴニストおよび/またはID候補アンタゴニストを細胞周期停止を誘導すると同定することを含む方法も本明細書で提供される。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUSP1候補アンタゴニストである。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがID候補アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、ID候補アンタゴニストは、ID1候補アンタゴニスト、ID2候補アンタゴニスト、および/またはID3候補アンタゴニストである。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUAF1候補アンタゴニストである。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、基準細胞運命は幹細胞運命である。いくつかの実施形態では、幹細胞運命は間葉幹細胞運命である。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、候補細胞運命は、骨芽細胞運命、軟骨細胞運命、または脂肪細胞運命である。いくつかの実施形態では、候補細胞運命は骨芽細胞運命である。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストは抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである。
細胞の細胞運命の変化を促進する方法であって、細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む方法が本明細書でさらに提供される。細胞周期停止を誘導する方法であって、細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞は幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞である。
疾患または障害を治療する方法であって、個体に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、個体は、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療について選択されるか、または個体は、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療について選択されない。いくつかの実施形態では、個体は、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療について選択されるか、または個体は、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療について選択されない。
いくつかの実施形態では、個体はp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性である可能性が高く、または個体はp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少したまたは著しい変化のない発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性ではない可能性が高い。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは細胞周期停止を誘導する。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは細胞運命の変化を促進することができる。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞運命の変化を促進することは、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少した発現レベルにより示される。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞運命の変化を促進することは、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の上昇した発現レベルにより示される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、疾患または障害は幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞を含む。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、前記細胞はCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、前記細胞はp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を著しく発現してはいない(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて発現してはいないまたは低レベルで発現している)。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、疾患または障害は癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。いくつかの実施形態では、前記癌はCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはUSP1アンタゴニストである。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはIDアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IDアンタゴニストは、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、および/またはID3アンタゴニストである。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはUFA1アンタゴニストである。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト、ヒト化、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は抗体断片であり、抗体断片はUSP1、UAF、および/またはIDに結合する。
本特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含有する。1つまたは複数のカラー図面付の本特許または特許出願公開の複製は、要求があり必要な料金が支払われ次第特許庁により提供される。
USP1はIDタンパク質を脱ユビキチン化し安定化する。ベクターのみ(CTL)、野生型USP1(WT)、または触媒的に不活性なUSP1 C90Sでトランスフェクトされた293T細胞のウェスタンブロット(WB)分析。細胞は、指定された時間25mg/mlのシクロヘキシミド(CHX)で処理された(左パネル)。ID2はデンシトメトリーで定量された(右パネル)。 USP1はIDタンパク質を脱ユビキチン化し安定化する。293T細胞は、Flagタグ付きID1、ID2、ID3、またはIkBa、および空ベクター(CTL)、野生型USP1、またはUSP1 C90Sを同時トランスフェクトされた。指定されている場合、細胞は10mMのMG−132で4時間処理された。 USP1はIDタンパク質を脱ユビキチン化し安定化する。HAタグ付きユビキチンを同時トランスフェクトされた293T細胞におけるUSP1またはUSP1 C90SおよびWDR48によるID2−Flagの脱ユビキチン化。 USP1はIDタンパク質を脱ユビキチン化し安定化する。USP1−Flag、USP1 C90S−Flag、WDR48−Flag、およびユビキチン化ID2−Flagは293T抽出物から別々にアフィニティー精製され、次にインビトロ脱ユビキチン化アッセイにおいて6時間一緒に組み合わされた。NEM、N−エチルマレイミド。 ID2−脱ユビキチン化酵素としてのUSP1の同定およびUSP1−ID2結合インターフェイスのマッピング。Flagタグ付きデユビキチナーゼ(DUB)または空ベクター(−)をトランスフェクトされた293Tのウェスタンブロット(WB)分析。指定されている場合、細胞は10mMのMG−132で4時間処理された。 ID2−脱ユビキチン化酵素としてのUSP1の同定およびUSP1−ID2結合インターフェイスのマッピング。Flagタグ付きDUBは、ID2を同時トランスフェクトされ、10mMのMG−132で6時間処理された293T細胞から免疫沈降(IP)された。 ID2−脱ユビキチン化酵素としてのUSP1の同定およびUSP1−ID2結合インターフェイスのマッピング。293T細胞において発現されたUSP1変異体は免疫沈降され同時発現されたID2に対してブロットされた。 ID2−脱ユビキチン化酵素としてのUSP1の同定およびUSP1−ID2結合インターフェイスのマッピング。野生型(WT)または変異体USP1をトランスフェクトされた293T細胞における内在性ID2のウェスタンブロット分析。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。正常および疾患組織由来の原発性ヒト骨生検におけるUSP1 mRNA発現の箱ヒゲ図。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。原発性ヒト骨芽細胞および骨肉腫腫瘍試料におけるUSP1およびID2タンパク質発現のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。(B)における試料におけるUSP1発現のRT−PCR定量化。バーは3通りの観測値の平均±SDを表す。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。(B)における試料におけるID2(D)発現のRT−PCR定量化。バーは3通りの観測値の平均±SDを表す。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。ID2発現ベクター(上パネル)もしくはID2 shRNA(下パネル)をトランスフェクトされた293T細胞におけるID2の免疫組織化学的検出。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。ID2発現ベクター(上パネル)もしくはID2 shRNA(下パネル)をトランスフェクトされた原発性ヒト骨肉腫生検(F)におけるID2の免疫組織化学的検出。 USP1は骨肉腫において過剰発現され、ID2タンパク質発現と相関している。原発性骨肉腫組織由来の連続切片におけるUSP1およびID2の免疫組織化学的染色。対照染色はアイソタイプ対照抗体を用いた。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。USP1または対照(CTL)shRNA、プラス空ベクター(CTL)またはshRNA抵抗性USP1のどちらかで同時トランスフェクトされたU2−OS細胞のウェスタンブロット(WB)分析(野生型[WT]またはUSP1変異体C90S)。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。(A)においてと同様に処理されEボックス駆動ルシフェラーゼレポーターを同時トランスフェクトされたU2−OS細胞のルシフェラーゼ活性。バーは3通りの観測値の平均±SDを表す。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。U2−OS細胞はshRNAをトランスフェクトされ、指定された場合は10mMのMG−132で4時間処理された。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。U2−OS細胞はID2−Flag、HA−ユビキチン、およびCTLまたはUSP1 shRNAのどちらかを同時トランスフェクトされた。指定された場合は、細胞は10mMのMG−132で4時間処理された。ID2−Flagは、SDS/熱変性された細胞ライセートから免疫沈降された。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。USP1はU2−OS細胞から免疫沈降された。対照免疫沈降は非特異的IgGを用いた。アステリスク(*)は、抗ID2抗体により認識された正体未知のバンドを示している。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質と物理的に会合し安定化させる。ID2(F)はU2−OS細胞から免疫沈降された。対照免疫沈降は非特異的IgGを用いた。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。培養された原発性ヒト骨芽細胞およびヒト骨肉腫細胞系のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。骨肉腫細胞系は10mMのMG−132で4時間処理された。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。骨肉腫細胞系は対照(CTL)またはUSP1 shRNAをトランスフェクトされた。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。骨肉腫細胞は空ベクターもしくはWDR48をトランスフェクトされた、または10mMのMG−132で4時間処理された。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。USP1はHOS細胞から免疫沈降された。対照免疫沈降は非特異的IgGを用いた。(F)USP1+/-(WT)およびUSP1-/-DT40細胞の分析。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。USP1+/-(WT)およびUSP1-/-DT40細胞の分析。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。WTおよびUSP1-/-DT40細胞におけるUSP1 mRNAのリアルタイムRT−PCR定量化。バーは3通りの観測値の平均±s.d.を表している。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。WTおよびUSP1-/-DT40細胞は10mMのMG−132で2時間処理された。 USP1は複数の骨肉腫細胞系においてIDタンパク質を調節する。USP1-/-DT40細胞は空ベクター(CTL)、USP1野生型(WT)、またはUSP1 C90Sをトランスフェクトされ、USP1-/-DT40細胞と比較された。Un、非トランスフェクト。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。図4Aにおける通りに処理されたU2−OS細胞のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。(A)における通りに処理されたU2−OS細胞の増殖は培養の5日後に数え上げられた。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。(A)における通りに処理されたヨウ化プロピジウム染色されたU2−OS細胞の細胞周期状態。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。指定されたshRNAおよび対照またはCDKN1A/p21 siRNAをトランスフェクトされたU2−OS細胞。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。(D)における通りに処理された細胞におけるS期の細胞の定量化。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。指定されたshRNAおよびshRNA抵抗性USP1(shRes USP1)、ID1、ID2、およびID3、または対照発現ベクターをトランスフェクトされたU2−OS細胞。 USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を介して細胞周期を調節する。(F)における通りに処理されたU2−OS細胞におけるS期の細胞の定量化。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。U2−OS細胞は対照(CTL)またはUSP1 shRNAを3日間トランスフェクトされ、等価密度で蒔かれ、生存可能細胞はそれに続く日々計測された。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。shRNA、および指定されている場合は、shRNA抵抗性USP1を同時トランスフェクトされたU2−OS細胞(野生型または変異体)。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。細胞周期のS期での(B)における細胞の百分率。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。骨肉腫細胞はshRNAをトランスフェクトされ、細胞は8日目に数え上げられた。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。(A)における通りに処理されヨウ化プロピジウム(PI)で染色されたU2−OS細胞のDNA含有量。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。U2−OS細胞は指定されたshRNAでおよび対照またはp21 siRNAをトランスフェクトされた。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。(F)における細胞はヨウ化プロピジウムで染色され、フローサイトメトリーにより分析された。バーはS期の細胞の平均百分率を表す。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。U2−OS細胞は指定されたshRNAをトランスフェクトされた。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。(H)における細胞はリアルタイムRT−PCRにより評価された。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。(H)における細胞はPI染色後フローサイトメトリーにより評価された。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。(H)における細胞はPI染色後フローサイトメトリーにより評価された。 USP1はIDタンパク質を介して増殖および細胞周期停止を調節する。U2−OS細胞はshRNAおよび対照またはp53 siRNAをトランスフェクトされた。指定されている場合、細胞は10mMのエトポシドで1時間処理された。バーは3通りの観測値の平均±s.d.を表している。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。CTLまたはUSP1 shRNAをトランスフェクトされたU2−OS細胞のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。(A)における細胞は染色され、蛍光顕微鏡により分析された。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。ドキシサイクリン(DOX)誘導性shUSP1を有する143B細胞の異種移植片におけるUSP1またはID2についての免疫組織化学的染色。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。(C)に記載される143B異種移植片の腫瘍量の定量化。バーは10の異種移植片の平均±SDを表している。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。(C)における143B異種移植片由来のUSP1、ID2、OSTEONECTIN(ON)、RUNX(RX2)、OSTERIX(OSX)、およびOSTEOPONTIN(OP)のmRNAレベルRT−PCR定量化。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。(C)における143B異種移植片由来のUSP1、ID2、OSTEONECTIN(ON)、RUNX(RX2)、OSTERIX(OSX)、およびOSTEOPONTIN(OP)のALP活性のRT−PCR定量化。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1は骨肉腫において幹細胞同一性の保持を促進する。(C)由来の代表的異種移植片腫瘍は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)またはトリクローム染色で染色された。スケールバー、100mm。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。骨肉腫細胞は対照(CTL)、USP1、またはID shRNAを連続してトランスフェクトされた。指定された間葉幹細胞マーカーの表面発現は、11日後にフローサイトメトリーにより決定された。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。(A)における細胞は、RUNX2、OSTERIX(OSX)、およびOSTEONECTIN遺伝子発現についてリアルタイムRT−PCRにより分析された。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。(A)における細胞は、p−ニトロフェノール−ホスフェート(pNPP)切断によりアルカリホスファターゼ活性について評価された。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。ドキシサイクリン誘導性CTLまたはUSP1 shRNAで形質導入された143B細胞のウェスタンブロット(WB)分析。指定されている場合、細胞は3mg/mlのドキシサイクリン(DOX)で4日間処理された。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。5日間のドキシサイクリン処理に続く143B shUSP1異種移植片腫瘍の切片におけるインサイツハイブリダイゼーションによるOSTEOCALCIN遺伝子発現の明視野および暗視野顕微鏡。スケールバー、100mm。 USP1が枯渇するとステムマーカーの喪失を誘導し、骨肉腫細胞系において骨形成プログラムを開始する。対照およびUSP1 shRNA含有143B異種移植片腫瘍におけるUSP1遺伝子発現のリアルタイムRT−PCR分析。バーは3通りの観測値の平均±s.d.を表している。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。骨分化培地(ODM)において、または非分化培地(Un)において増殖したhMSCのウェスタンブロット(WB)分析。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。hMSCはID2、USP1野生型(WT)、USP1 C90S、または空ベクター(CTL)を形質導入され、ODMにおいて9日間培養された。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。(B)におけるhMSCは、ALP活性について評価された。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。(B)におけるhMSCは、OSTEONECTIN、RUNX2、およびOSTERIX mRNAについて評価された。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。カルシウム沈着を視覚化するためにアリザリンレッドで染色された(B)におけるhMSC。スケールバー、100mm。 USP1およびIDは間葉幹細胞分化を調節する。指定された培養日数後の(B)におけるhMSCの数え上げ。バーは3通りの観測値の平均±SDを表している。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。ID2、USP1野生型(WT)、USP1 C90S、または空対照ベクター(CTL)で形質導入されたNIH 3T3細胞のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。(A)における細胞は軟寒天において増殖され、コロニーは数え上げられた。バーは3通りの観測値の平均±s.d.を表している。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。対照(CTL)、ID2、USP1野生型(WT)、またはUSP1 C90Sを形質導入されたNIH 3T3細胞により形成される代表的コロニー。スケールバー、100mm。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。(A)におけるNIH 3T3細胞は、C.B−17 SCID.bgマウス(上パネル)またはNCrヌードマウス(下パネル)の皮下に移植され、腫瘍量がモニターされた。データポイントは10頭のマウスの平均±s.d.を表している。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。研究の終了時の(A)由来のC.B−17 SCID.bg(上パネル)およびNCrヌードマウス(下パネル)。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。空ベクター(CTL)−またはUSP1形質導入されたNIH 3T3細胞は、対照(CTL)またはID shRNAを順次形質導入された。 USP1はNIH 3T3細胞のID依存性形質転換を誘導する。(F)における細胞は軟寒天において増殖され、コロニーは数え上げられた。バーは3通りの観測値の平均±s.d.を表している。 USP1は正常な骨格形成に必要である。12日経過のUSP1+/+(WT)およびUSP1-/-マウス(上)および大腿骨(下)のマイクロコンピューティドトモグラフィ。 USP1は正常な骨格形成に必要である。(A)におけるマウスの平均骨ミネラル化密度(BMD)。バーはそれぞれの遺伝子型の4つの大腿骨の平均±SDを表している。 USP1は正常な骨格形成に必要である。(A)におけるマウスのミネラル化骨量(Minz.Vol.)。バーはそれぞれの遺伝子型の4つの大腿骨の平均±SDを表している。 USP1は正常な骨格形成に必要である。E18.5 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-マウス由来の大腿骨幹端のウェスタンブロット(WB)分析。 USP1は正常な骨格形成に必要である。E18.5 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-胚の血清中のBALP。バーはそれぞれの遺伝子型の4つの胚の平均±SDを表している。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。USP1の触媒システインをコードするエクソン3を枯渇させるためのUSP1ターゲティング戦略。黄色ボックスはエクソンを表している。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。E18.5 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-胚のマイクロコンピューティドトモグラフィ。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。(B)におけるマウスのミネラル化骨量(Minz.Vol.)。バーはそれぞれの遺伝子型の3頭のマウスの平均±s.d.を表している。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨のヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色切片。スケールバー、100mm。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨における骨片の長さあたりの類骨面積。バーはそれぞれの遺伝子型の3頭のマウスの平均±s.d.を表している。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨幹端のH&E、トリクローム、およびフォンコッサ染色。スケールバー、100mm。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨における常在性破骨細胞のTRAP標識化。スケールバー、100mm。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨切片におけるTRAP陽性細胞の数え上げ。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。E18.5羊水中のクレアニチン正常化デオキシピリジノリン(DPD)レベル。 USP1は正常なマウス骨格形成に必要である。P12 USP1+/+(WT)およびUSP1-/-大腿骨幹端におけるUSP1およびID2発現。スケールバー、100mm。
I.定義
用語「ユビキチン特異的ペプチダーゼ1」、「脱ユビキチン化酵素1」、および「USP1」とは本明細書では、天然配列USP1ポリペプチド、ポリペプチドバリアントならびに天然配列ポリペプチドおよびポリペプチドバリアントの断片のことである(これらは本明細書でさらに定義される)。本明細書に記載されるUSPポリペプチドは、ヒト組織型からもしくは別の供給源からなどの種々の供給源から単離される、または組換えもしくは合成的方法により調製されるポリペプチドであってもよい。
「天然配列USP1ポリペプチド」は、天然に由来する対応するUSP1ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一実施形態では、天然配列USP1ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
「USP1ポリペプチドバリアント」またはその変化したものは、本明細書で開示される天然配列USP1ポリペプチド配列のいずれかと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する本明細書で定義されるUSP1ポリペプチド、一般的には活性USP1ポリペプチドを意味する。そのようなUSP1ポリペプチドバリアントには、例えば、1つまたは複数のアミノ酸残基が天然アミノ酸配列のN−またはC−末端に付加されているまたは欠失しているUSP1ポリペプチドが含まれる。通常、USP1ポリペプチドバリアントは、本明細書で開示される天然配列USP1ポリペプチド配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%のアミノ酸配列同一性を有することになる。通常、USP1バリアントポリペプチドは少なくとも約10アミノ酸長である、または少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長、もしくはそれよりも長い。通常、USP1バリアントポリペプチドは、天然USP1ポリペプチド配列と比べた場合、1つ以下の保存的アミノ酸置換、または天然USP1ポリペプチド配列と比べた場合、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10以下の保存的アミノ酸置換を有することになる。
本明細書で定義される用語「USP1アンタゴニスト」は、天然配列USP1により媒介される生物活性を部分的にまたは完全にブロックする、阻害するまたは中和する任意の分子である。ある特定の実施形態では、そのようなアンタゴニストはUSP1に結合する。一実施形態によれば、アンタゴニストはポリペプチドである。別の実施形態によれば、アンタゴニストは抗USP1抗体である。別の実施形態によれば、アンタゴニストは小分子アンタゴニストである。別の実施形態によれば、アンタゴニストはポリヌクレオチドアンタゴニストである。
用語「WD繰り返しドメイン48」、「USP1関連因子1」、および「UAF1」とは本明細書では、天然配列UAF1ポリペプチド、ポリペプチドバリアントならびに天然配列ポリペプチドおよびポリペプチドバリアントの断片のことである(これらは本明細書でさらに定義される)。本明細書に記載されるUAF1ポリペプチドは、ヒト組織型からもしくは別の供給源からなどの種々の供給源から単離される、または組換えもしくは合成的方法により調製されるポリペプチドであってもよい。
「天然配列UAF1ポリペプチド」は、天然に由来する対応するUAF1ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。一実施形態では、天然配列UAF1ポリペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列を含む。
「UAF1ポリペプチドバリアント」またはその変化したものは、本明細書で開示される天然配列UAF1ポリペプチド配列のいずれかと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する本明細書で定義されるUAF1ポリペプチド、一般的には活性UAF1ポリペプチドを意味する。そのようなUAF1ポリペプチドバリアントには、例えば、1つまたは複数のアミノ酸残基が天然アミノ酸配列のN−またはC−末端に付加されているまたは欠失しているUAF1ポリペプチドが含まれる。通常、UAF1ポリペプチドバリアントは、本明細書で開示される天然配列UAF1ポリペプチド配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%のアミノ酸配列同一性を有することになる。通常、UAF1バリアントポリペプチドは少なくとも約10アミノ酸長である、または少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長、もしくはそれよりも長い。場合により、UAF1バリアントポリペプチドは、天然UAF1ポリペプチド配列と比べた場合、1つ以下の保存的アミノ酸置換、または天然配列UAF1ポリペプチド配列と比べた場合、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10以下の保存的アミノ酸置換を有することになる。
本明細書で定義される用語「UAF1アンタゴニスト」は、天然配列UAF1により媒介される生物活性を部分的にまたは完全にブロックする、阻害するまたは中和する任意の分子である。ある特定の実施形態では、そのようなアンタゴニストはUAF1に結合する。一実施形態によれば、アンタゴニストはポリペプチドである。別の実施形態によれば、アンタゴニストは抗UAF1抗体である。別の実施形態によれば、アンタゴニストは小分子アンタゴニストである。別の実施形態によれば、アンタゴニストはポリヌクレオチドアンタゴニストである。
用語「DNA結合のインヒビター」、および「ID」とは本明細書では、天然配列IDポリペプチド、ポリペプチドバリアントならびに天然配列ポリペプチドおよびポリペプチドバリアントの断片のことである(これらは本明細書でさらに定義される)。本明細書に記載されるIDポリペプチドは、ヒト組織型からもしくは別の供給源からなどの種々の供給源から単離される、または組換えもしくは合成的方法により調製されるポリペプチドであってもよい。
「天然配列IDポリペプチド」は、天然に由来する対応するIDポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。天然配列IDポリペプチドのいずれかのいくつかの実施形態では、天然配列IDポリペプチドは、配列番号2の天然配列ID1アイソフォームaポリペプチドを含む。天然配列IDポリペプチドのいずれかのいくつかの実施形態では、天然配列IDポリペプチドは、配列番号3の天然配列ID1アイソフォームbポリペプチドを含む。天然配列IDポリペプチドのいずれかのいくつかの実施形態では、天然配列IDポリペプチドは、配列番号4の天然配列ID2ポリペプチドを含む。天然配列IDポリペプチドのいずれかのいくつかの実施形態では、天然配列IDポリペプチドは、配列番号5の天然配列ID3ポリペプチドを含む。
「IDポリペプチドバリアント」またはその変化したものは、本明細書で開示される天然配列IDポリペプチド配列のいずれかと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する本明細書で定義されるIDポリペプチド、一般的には活性IDポリペプチドを意味する。そのようなIDポリペプチドバリアントには、例えば、1つまたは複数のアミノ酸残基が天然アミノ酸配列のN−またはC−末端に付加されているまたは欠失しているIDポリペプチドが含まれる。通常、IDポリペプチドバリアントは、本明細書で開示される天然配列IDポリペプチド配列に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%のアミノ酸配列同一性を有することになる。通常、IDバリアントポリペプチドは少なくとも約10アミノ酸長である、または少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長、もしくはそれよりも長い。場合により、IDバリアントポリペプチドは、天然IDポリペプチド配列と比べた場合、1つ以下の保存的アミノ酸置換、または天然IDポリペプチド配列と比べた場合、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10以下の保存的アミノ酸置換を有することになる。IDポリペプチドバリアントのいずれかのいくつかの実施形態では、IDポリペプチドバリアントにはID1ポリペプチドバリアントが含まれる。IDポリペプチドバリアントのいずれかのいくつかの実施形態では、IDポリペプチドバリアントにはID2ポリペプチドバリアントが含まれる。IDポリペプチドバリアントのいずれかのいくつかの実施形態では、IDポリペプチドバリアントにはID3ポリペプチドバリアントが含まれる。
本明細書で定義される用語「IDアンタゴニスト」は、天然配列IDにより媒介される生物活性を部分的にまたは完全にブロックする、阻害するまたは中和する任意の分子である。ある特定の実施形態では、そのようなアンタゴニストはIDに結合する。一実施形態によれば、アンタゴニストはポリペプチドである。別の実施形態によれば、アンタゴニストは抗ID抗体である。別の実施形態によれば、アンタゴニストは小分子アンタゴニストである。別の実施形態によれば、アンタゴニストはポリヌクレオチドアンタゴニストである。IDアンタゴニストのいずれかのいくつかの実施形態では、IDアンタゴニストはID1アンタゴニストである。IDアンタゴニストのいずれかのいくつかの実施形態では、IDアンタゴニストはID2アンタゴニストである。IDアンタゴニストのいずれかのいくつかの実施形態では、IDアンタゴニストはID3アンタゴニストである。
「ポリヌクレオチド」、または「核酸」とは、本明細書では互換的に使用されるように、任意の長さのヌクレオチドのポリマーのことであり、DNAおよびRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、および/またはその類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼにより、または合成反応によりポリマーに組み込むことができる任意の基質であることが可能である。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドおよびその類似体を含んでいてもよい。存在するとすれば、ヌクレオチド構造への改変をポリマーの組立て前にまたは後に加えてもよい。ヌクレオチドの配列に非ヌクレオチド成分が割り込んでいてもよい。ポリヌクレオチドは、合成後に標識を用いたコンジュゲーションによるなどさらに改変されてもよい。他の種類の改変には、例えば、「キャップ」、天然に存在するヌクレオチドの1つまたは複数の類似物での置換、例えば、無電荷連鎖(例えば、メチルホスホン酸、ホスホトリエステル、アミド亜リン酸エステル、カルバミン酸、等)および電荷連鎖(例えば、ホスホロチオエート、ジチオリン酸、等)を有する修飾、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply−L−リシン、等)などのペンダント部分を含有する修飾、介入物(例えば、アクリジン、ソラレン、等)を有する修飾、キレーター(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属、等)を含有する修飾、アルキル化剤を含有する修飾、改変された連鎖(例えば、アルファアノマー核酸、等)を有する修飾などのヌクレオチド間修飾、ならびに非改変型の(1つまたは複数の)ポリヌクレオチドが含まれる。さらに、糖中に通常存在するヒドロキシル基のいずれでも、例えば、ホスホン酸エステル基、リン酸基で置換される、標準保護基により保護される、または活性化されて追加のヌクレオチドへの追加の連鎖を調製してもよいし、または固体もしくは半固体支持体にコンジュゲートされていてもよい。5’および3’末端OHはリン酸化するまたはアミンもしくは1から20炭素原子の有機キャッピング基部分で置換することができる。他のヒドロキシルも標準保護基に誘導体化しうる。ポリヌクレオチドは、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−または2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似物、α−アノマー糖、アラビノーズ、キシロース、またはリキソースなどのエピメリック糖、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体およびメチルリボシドなどの脱塩基ヌクレオシド類似体を含む、当技術分野で一般に知られているリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態も含有することができる。1つまたは複数のホスホジエステル連鎖は代わりの連結基で置換してもよい。これらの代わりの連結基には、リン酸がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、“(O)NR2(「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ギ酸アセタール」)で置換されており、それぞれのRまたはR’は独立してHであるまたは場合によりエーテル(−O−)連鎖、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジルを含有する置換されたもしくは非置換アルキル(1〜20C)である実施形態が含まれるが、これらに限定されない。ポリヌクレオチド内のすべての連鎖が同一である必要はない。先行する説明は、RNAおよびDNAを含む、本明細書で言及されるすべてのポリヌクレオチドに当てはまる。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」とは一般には、一般に約200ヌクレオチド長未満であるが、必ずしもそうではない短い、一般的に一本鎖の、一般的に合成ポリヌクレオチドのことである。用語「オリゴヌクレオチド」と「ポリヌクレオチド」は相互排他的ではない。ポリヌクレオチドについての上記説明は、オリゴヌクレオチドに対して等しく、完全に適用可能である。
用語「小分子」とは、分子量が約2000ダルトンまたはそれよりも少ない、好ましくは約500ダルトンまたはそれよりも少ない任意の分子のことである。
用語「宿主細胞」、「宿主細胞系」、および「宿主細胞培養」は互換的に使用されており、そのような細胞の子孫を含む、外来性核酸が導入されている細胞のことである。宿主細胞には、原発性形質転換細胞および継代の数とは無関係にそれに由来する子孫を含む「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれる。子孫は核酸含有量が親細胞と完全に同一というわけではないことがあるが、変異を含有することがある。最初の形質転換細胞においてスクリーニングしてまたは選択して求めた機能または生物活性と同じ機能または生物活性を有する変異体子孫は本明細書に含まれる。
用語「ベクター」とは、本明細書で使用されるように、それが連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸のことである。前記用語には、自己複製核酸構造体としてのベクターならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれているベクターが含まれる。ある種のベクターは、それが作動可能に連結した核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
「単離された」抗体は、その天然環境の成分から分離されている抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)により決定される場合、95%よりも多いまたは99%純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法についての概説は、例えば、Flatmanら、J.Chromatogr.B 848:79〜87(2007)を参照されたい。
「単離された」核酸とは、その天然環境の成分から分離されている核酸分子のことである。単離された核酸には、通常その核酸分子を含有する細胞に含有される核酸分子が含まれるが、前記核酸分子は染色体外にまたはその天然の染色体上の位置とは異なる染色体上の位置に存在する。
用語「抗体」は本明細書では、その最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、および所望の抗原結合活性を示す限りで抗体断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造体を包含する。
用語「抗USP1抗体」および「USP1に結合する抗体」とは、抗体がUSP1を標的にする際に診断薬および/または治療薬として有用であるように十分な親和性でUSP1に結合することができる抗体のことである。一実施形態では、抗USP1抗体が無関係な非USP1タンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)により測定した場合、USP1への抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、抗USP1抗体は異なる種由来のUSP1間で保存されているUSP1のエピトープに結合する。
用語「抗ID抗体」および「IDに結合する抗体」とは、抗体がIDを標的にする際に診断薬および/または治療薬として有用であるように十分な親和性でIDに結合することができる抗体のことである。一実施形態では、抗ID抗体が無関係な非IDタンパク質に結合する程度は、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)により測定した場合、IDへの抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、抗ID抗体は異なる種由来のID間で保存されているIDのエピトープに結合する。抗ID抗体のいずれかのいくつかの実施形態では、ID抗体は抗ID1抗体である。抗ID抗体のいずれかのいくつかの実施形態では、ID抗体は抗ID2抗体である。抗ID抗体のいずれかのいくつかの実施形態では、ID抗体は抗ID3抗体である。
「ブロッキング」抗体または「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物活性を阻害するまたは減少させる抗体である。好ましいブロッキング抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。
「親和性」とは、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)の間の非共有結合的相互作用の総和の強度のことである。他の方法で指示されていなければ、本明細書で使用されるように、「結合親和性」とは、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1対1の相互作用を反映する内因性結合親和性のことである。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般には解離定数(Kd)により表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当技術分野で公知の一般的方法により測定することができる。結合親和性を測定するための特定の説明的で例となる実施形態は以下に記載されている。
「親和性成熟」抗体とは、変更により抗原に対する抗体の親和性が改善されるような変更がない親抗体と比べて、1つまたは複数の高頻度可変性領域(HVR)に1つまたは複数の変更がある抗体のことである。
「抗体断片」とは、無傷の抗体が結合する抗原に結合する無傷の抗体の一部を含む無傷の抗体以外の分子のことである。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線形抗体、一本鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多重特異的抗体が含まれるが、これらに限定されない。
基準抗体として「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて基準抗体のその抗原への結合を50%以上ブロックする抗体のことであり、逆に基準抗体は競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上ブロックする。例となる競合アッセイは本明細書に提供されている。
用語「キメラ」抗体とは、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の供給源または種に由来しており、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体のことである。
抗体の「クラス」とは、定常領域またはその重鎖により所有される定常領域の種類のことである。抗体には5つの主要クラスIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらの抗体のいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分けられる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
用語「完全長抗体」、「無傷の抗体」、および「全抗体」は本明細書では互換的に使用されて、天然の抗体構造に実質的に類似する構造を有するまたは本明細書で定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、例えば、天然に存在する変異を含有するまたはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる可能なバリアント抗体(そのようなバリアントは一般に少量存在する)を除いて、実質的に均一な抗体の集団(すなわち、その集団を構成する個々の抗体が同一であるおよび/または同じエピトープに結合する)から得られる抗体のことである。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して向けられている異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物のそれぞれのモノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に対して向けられている。したがって、修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体の特長を指しており、いかなる特定の方法による抗体の産生も必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むがこれらに限定されない種々の技法により作製しうる(モノクローナル抗体を作製するためのそのような方法および他の例となる方法は本明細書に記載されている)。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞により産生されるまたはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用する非ヒト供給源由来の抗体のアミノ酸配列に一致するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体のことである。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、HVR(例えば、CDR)のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト抗体のHVRに一致しており、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト抗体のFRに一致している少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含むことになる。ヒト化抗体は、場合により、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含むことがある。「ヒト化型の」抗体、例えば、非ヒト抗体とはヒト化を受けた抗体のことである。
「免疫コンジュゲート」は、細胞傷害性薬剤を含むがこれに限定されない1つまたは複数の異種分子にコンジュゲートされた抗体である。
基準ポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、必要な場合はギャップを導入して最大パーセント配列同一性を達成した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部と見なすことなく、基準ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一の候補配列中のアミノ酸残基のパーセントと定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアライメントは、当分野の技術の範囲内である種々の方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公表されているコンピュータソフトウェアを使用して実現することができる。当業者であれば、比較されている配列の全長にわたって最大アライメントを実現するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるのに適切なパラメータを決定することができる。しかし、本明細書での目的のために、%アミノ酸配列同一性値は配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して生み出される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはGenentech,Inc.により生み出され、ソースコードは米国著作権局、Washington D.C.20559にユーザードキュメンテーションと一緒に提出され、そこに米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN−2プログラムはGenentech,Inc.、South San Francisco、Californiaから公表されており、またはソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含む、UNIXオペレーティングシステム上で使用するためにコンパイルすべきである。すべての配列比較パラメータはALIGN−2プログラムにより設定されており変動しない。
ALIGN−2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bにとっての、これとの、またはこれに対する所与のアミノ酸配列Aの%アミノ酸配列同一性(代わりに、所与のアミノ酸配列Bにとって、これと、またはこれに対してある%のアミノ酸配列同一性を有するまたは含む所与のアミノ酸配列Aと言い表すことができる)は以下の通りに計算され、
100×分数X/Y
XはAとBのそのプログラムアライメントにおいて配列アライメントプログラムALIGN−2により同一マッチとしてスコアー化されたアミノ酸残基の数であり、YはBにおけるアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの%アミノ酸配列同一性はAに対するBの%アミノ酸配列同一性と等しくならないことは認識されるであろう。他の方法で特に記述されていなければ、本明細書で使用されるすべての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用するすぐ前のパラグラフに記載されている通りに得られる。
「有効量」の薬剤とは、必要な用量で必要な期間、所望の治療結果または予防結果を達成するのに有効な量のことである。
本発明の「治療的有効量」の物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストは、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストの能力に応じて変化しうる。治療的有効量は、物質/分子、アゴニストまたはアンタゴニストの毒作用または有害作用よりも治療的に有益な効果のほうが上回る量でもある。「予防的有効量」とは、必要な用量で必要な期間、所望の予防結果を達成するのに有効な量のことである。典型的にはしかし必ずしもではないが、予防用量は疾患に先立ってまたはその初期段階で対象において使用されるために、予防的有効量は治療的有効量よりも少ないことになる。
用語「薬学的製剤」とは、そこに含有される活性成分の生物活性が効果的であることを可能にするような形態であり、前記製剤が投与されると考えられる対象にとって容認できないほど有毒である追加の成分を含有しない調製物のことである。
「薬学的に許容される担体」とは、活性成分以外の薬学的製剤中の、対象にとって無毒の成分のことである。薬学的に許容される担体には、バッファー、賦形剤、安定化剤、または保存剤が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、「治療」(および、「治療する(treat)」または「治療すること(treating)」などのその文法的変形)とは、治療を受けている個体の自然経過を変える試みにおける臨床的介入のことであり、予防のためにまたは臨床病理の経過中に実施することができる。治療の望ましい効果には、疾患の発生または再発を予防すること、症状の軽減、疾患のいかなる直接的または間接的病理学的結果も減少すること、転移を予防すること、疾患進行の速度を減少すること、疾患状態の寛解または緩和、および寛解または予後改善が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の抗体を使用して疾患の発症を遅らせるまたは疾患の進行を遅くする。
用語「抗癌療法」とは、癌を治療するのに有用な療法のことである。抗癌治療剤には、例えば、化学療法剤、増殖阻害剤、細胞傷害性薬剤、放射線療法に使用される薬剤、抗血管形成剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、および癌を治療するための他の薬剤、抗CD20抗体、血小板由来増殖因子阻害剤(例えば、Gleevec(商標)(イマチニブメチル酸塩))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、以下の標的、PDGFR−ベータ、BlyS、APRIL、(1つまたは複数の)BCMA受容体、TRAIL/Apo2のうちの1つまたは複数に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体)、ならびに他の生体活性剤および有機化学剤、等が含まれるが、これらに限定されない。それらの組合せも本発明に含まれる。
本明細書で使用される用語「細胞傷害性薬剤」とは、細胞の機能を阻害するもしくは妨げるおよび/または細胞の破壊を引き起こす物質のことである。前記用語は放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位元素)、化学療法剤、例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤、核酸分解酵素などの酵素およびその断片、抗体、ならびに小分子毒素または細菌、真菌、植物もしくは動物起源の酵素的に活性な毒素(その断片および/またはバリアントを含む)、ならびに下に開示されている種々の抗腫瘍剤または抗癌剤を含むことが意図されている。他の細胞傷害性薬剤は下に記載されている。殺腫瘍性薬剤は腫瘍細胞の破壊を引き起こす。
「化学療法剤」とは、癌の治療に有用な化学化合物のことである。化学療法剤の例には、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホン酸塩;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド(triethylenethiophosphoramide)、トリメチロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamines);アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン(bullatacinone));デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));ベータ−ラパコン;ラパコール;コルヒチン、ベツリン酸;カンプトテシン(合成類似物トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレチン、および9−アミノカンプトテシンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシンおよびビゼレシン合成類似物を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);テニポシド;クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似物KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン(sarcodictyin);スポンギスタチン(spongistatin);クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド(chlorophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビシン(novembichin);フェネステリン(phenesterine)、プレドニマスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1(例えば、Nicolaouら、Angew.Chem Intl.Ed.Engl.、33:183〜186(1994)参照);CDP323、経口アルファ−4インテグリン阻害剤;ダイネミシン(dynemicin)Aを含むダイネミシン;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連色素タンパク質エネジイン抗生物質クロモフォア、アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ(pyrrolino)−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソームインジェクション(DOXIL(登録商標))、リポソーマルドキソルビシン(liposomal doxorubicin)TLC D−99(MYOCET(登録商標))、ペグ化リポソーマルドキソルビシン(CAELYX(登録商標))、およびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロン、および5−フルオロウラシル(5−FU)などの抗代謝剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似物;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似物;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似物;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗アドレナル(anti−adrenals);フォリン酸などの葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフロルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム:エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシンおよびアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)ポリサッカライド複合体(JHS天然物、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANE(商標))、およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル(chloranbucil);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン、オキサリプラチン(例えば、ELOXATIN(登録商標))、およびカルボプラチンなどの白金薬剤;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標))、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、およびビノレルビン(NAVELBINE(登録商標))を含む、チューブリン重合が微小管を形成するのを妨げるビンカ;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボリン;ノバントロン(novantrone);エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロン酸;トポイソメラーゼ阻害剤RES 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標))を含む、レチノイン酸などのレチノイド;クロドロン酸(例えば、BONEFOS(登録商標)またはOSTAC(登録商標))、エチドロン酸(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロン酸(FOSAMAX(登録商標))、パミドロン酸(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))、またはリセドロン酸(ACTONEL(登録商標))などのビスホスホネート;トロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似物);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えば、PKC−アルファ、Raf、H−Ras、および上皮増殖因子受容体(EGF−R)などの、異常な細胞増殖に関係するシグナル伝達経路における遺伝子発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド;THERATOPE(登録商標)ワクチンおよび遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、およびVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));BAY439006(ソラフェニブ;Bayer);SU−11248(スニチニブ、SUTENT(登録商標)、Pfizer);ペリフォシン、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブまたはエトリコキシブ)、プロテオソーム阻害剤(例えば、PS341);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標));CCI−779;ティピファニブ(R11577);オラフェニブ、ABT510;オブリメルセンナトリウムなどのBcl−2阻害剤(GENASENSE(登録商標));ピクサントロン;EGFR阻害剤(下の定義参照);チロシンキナーゼ阻害剤(下の定義参照);ラパマイシンなどのセリン−スレオニンキナーゼ阻害剤(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));ロナファーニブなどのファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(SCH 6636、SARASAR(商標));ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体;ならびに、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾロンの併用療法を表す略字);ならびにFOLFOX(オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))を5−FUおよびロイコボリンと併用した治療レジメンを表す略字)などの上記のうちの2つ以上の薬剤の組合せが含まれる。
本明細書に定義される化学療法剤には、癌の増殖を促進することができるホルモンの効果を調節する、減少する、ブロックするまたは阻害するように作用する「抗ホルモン剤」または「内分泌療法」が含まれる。化学療法剤は、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標))、4−ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン(FARESTON(登録商標))、イドキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、トリオキシフェン(trioxifene)、ケイキシフェン(keoxifene)、およびSERM3などの選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を含む、混合アゴニスト/アンタゴニストプロファイルを有する抗エストロゲン;フルベストラント(FASLODEX(登録商標))、およびEM800(そのような薬剤はエストロゲン受容体(ER)二量体化をブロックし、DNA結合を阻害し、ERターンオバーを増加させ、および/またはERレベルを抑制しうる)などのアゴニスト特性のない純粋な抗エストロゲン;ホルメスタンおよびエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))などのステロイドアロマターゼ阻害剤、ならびにアナストロゾール(anastrazole)(ARIMIDEX(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))およびアミノグルテチミドなどの非ステロイドアロマターゼ阻害剤を含むアロマターゼ阻害剤、ならびに他のアロマターゼ阻害剤にはボロゾール(RIVISOR(登録商標))、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、ファドロゾール、および4(5)−イミダゾールが含まれる;リュープロリド(LUPRON(登録商標)およびELIGARD(登録商標))、ゴセレリン、ブセレリン、およびトリプテレリンを含む、黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト;酢酸メゲストロールおよび酢酸メドロキシプロゲステロンなどのプロゲスチン、ジエチルスチルベストロールおよびプレマリンなどのエストロゲン、ならびにフルオキシメステロン、オールトランスレチオニン酸(all transretionic acid)およびフェンレチニドなどのアンドロゲン/レチノイドを含む、性ステロイド;オナプリストン(onapristone);抗プロゲステロン(anti−progesterones);エストロゲン受容体下方調節因子(ERD);フルタミド、ニルタミドおよびビカルタミドなどの抗アンドロゲン;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体;ならびに上記のうちの2つ以上の組合せを含むが、これらに限定されず、ホルモンそれ自体でもよい。
本出願において使用される用語「プロドラッグ」とは、親ドラッグと比べて腫瘍細胞に対して細胞傷害性が少なく、酵素的に活性化されるまたはより活性な親形態に転換することができる薬学的に活性な物質の前駆体または誘導体形態のことである。例えば、Wilman、「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」Biochemical Society Transactions、14、375〜382ページ、615th Meeting Belfast (1986)およびStellaら、「Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery」、Directed Drug Delivery、Borchardtら、(編)、247〜267ページ、Humana Press(1985)を参照されたい。本発明のプロドラッグには、より活性な無細胞傷害性ドラッグに転換することができるリン酸含有プロドラッグ、チオリン酸含有プロドラッグ、硫酸含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、βラクタム含有プロドラッグ、場合により置換フェノキシアセトアミド含有プロドラッグまたは場合により置換フェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシンおよび他の5−フルオロウリジンプロドラッグが含まれるが、これらに限定されない。本発明において使用するためにプロドラッグ形態に誘導化することができる細胞傷害性薬物の例には、上記の化学療法剤が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合の「増殖阻害薬剤」とは、細胞(例えば、その増殖がインビトロまたはインビボのどちらかでUSP1発現に依拠している細胞)の増殖を阻害する化合物または組成物のことである。増殖阻害薬剤の例には、G1停止およびM期停止を誘導する薬剤などの細胞周期進行をブロックする(S期以外の場所で)薬剤が含まれる。古典的M期ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、タキサン、ならびにドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、およびブレオマイシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。G1を停止させる薬剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、およびアラビノフラノシル−CなどのDNAアルキル化剤はS期停止にも波及する。追加の情報は、The Molecular Basis of Cancer、MendelsohnおよびIsrael、編、Chapter 1、entitled「Cell cycle regulation、oncogenes、and antineoplastic drugs」by Murakamiら、(WB Saunders:Philadelphia、1995)、特に13ページに見ることができる。タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセル)は、両方ともイチイに由来する抗癌薬である。ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone−Poulenc Rorer)は、ヨーロッパイチイに由来するが、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb)の半合成類似物である。パクリタキセルおよびドセタキセルはチューブリン二量体からの微小管の構築を促進し、細胞において有糸分裂を阻害する脱重合を妨げることにより微小管を安定化する。
「放射線療法」は、正常に機能する細胞の能力を制限するまたは細胞を完全に破壊するように細胞に対する十分な損傷を誘導する有向のガンマ線またはベータ線を使用することを意味する。治療の投与用量および持続時間を決定する当技術分野で公知の方法が数多く存在することが認識される。典型的な治療は1回投与として与えられ、典型的な投与用量は1日当たり10から200単位(グレイ)に及ぶ。
「個体」または「対象」は哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、およびウマ)、霊長類(例えば、ヒトおよびサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)が含まれる。ある特定の実施形態では、個体または対象はヒトである。
用語「同時に」とは、投与の少なくとも一部が時間的に重なっている2つ以上の治療薬の投与を指すのに本明細書では使用される。したがって、同時投与には、1つまたは複数の他の薬剤の投与を中断した後に1つまたは複数の薬剤の投与が続く投与計画が含まれる。
「減少させるまたは阻害する」は、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれよりも多い全体的減少を引き起こす能力を意味する。減少させるまたは阻害するは、治療されている障害の症状、転移の存在もしくは大きさ、または原発性腫瘍の大きさに言及することができる。
用語「添付文書」は、適応症、用法、投与量、投与、併用療法、禁忌症および/またはそのような治療製品に関する警告についての情報を含む、治療製品のコマーシャルパッケージに通例含まれる使用説明書に言及するのに使用される。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態には、態様および実施形態「からなる」および/または「基本的にからなる」が含まれることは理解されている。本明細書で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」には他の方法で指示されていなければ複数の参照が含まれる。
II.方法および使用
USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを利用する方法が本明細書で提供される。例えば、細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む、細胞の細胞運命の変化を促進する方法が本明細書で提供される。細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む、細胞周期停止を誘導する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞は幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞である。
個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む、疾患または障害を治療する方法が本明細書で提供される。
個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む、骨成長を誘導する方法が本明細書で提供される。
個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む、化学療法剤に対して個人を感作するおよび/または再感作する方法が本明細書で提供される。
個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む、EMTを誘導するおよび/または促進する方法が本明細書で提供される。
個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む、化学療法剤に抵抗性の癌を治療する方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療のための個体が選択されるまたはCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療のための個体は選択されない。いくつかの実施形態では、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療のための個体が選択されるまたはp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療のための個体は選択されない。
いくつかの実施形態では、個体は、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性である可能性が高いか、または個体は、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少したまたは著しい変化のない発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性ではない可能性が高い。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは細胞周期停止を誘導する。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは細胞運命の変化を促進することができる。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはEMTを促進するおよび/または誘導することができる。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞運命の変化を促進することは、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、標準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少した発現レベルにより示される。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞運命の変化を促進することは、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の上昇した発現レベルにより示される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、疾患または障害は幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞を含む。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、前記細胞はCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、細胞はp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を著しく発現してはいない(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて発現してはいないまたは低レベルで発現している)。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、疾患または障害は癌である。癌の例には、細胞腫、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽腫および網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫および滑膜細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍、および膵島細胞癌を含む)、中皮腫、シュワン腫(聴神経腫瘍を含む)、髄膜腫、腺癌、黒色腫、および白血病またはリンパ系腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。そのような癌のさらに詳細な例には、扁平上皮癌(例えば、上皮扁平上皮癌)、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃腸癌を含む胃癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌(転移性乳癌を含む)、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌、肛門癌、陰茎癌、精巣癌、食道癌、胆管の腫瘍、ならびに頭頸部癌が含まれる。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。いくつかの実施形態では、癌はユーイング肉腫ではない。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌ではない。いくつかの実施形態では、癌はCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する(発現することが明らかにされている)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子の発現レベルは内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している。いくつかの実施形態では、癌は1つまたは複数の化学療法剤を用いた治療に抵抗性である。いくつかの実施形態では、癌は化学療法剤を用いて以前治療されている。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはUSP1アンタゴニストである。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはIDアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IDアンタゴニストは、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、および/またはID3アンタゴニストである。前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストはUFA1アンタゴニストである。
前記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストは抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト、ヒト化、またはキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は抗体断片であり、抗体断片はUSP1、UAF、および/またはIDに結合する。
上記実施形態のいずれかに従った「個体」はヒトであってよい。
追加の態様では、本発明は癌を治療するための方法を提供する。一実施形態では、方法はそのような癌を有する個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む。そのような一実施形態では、下に記載されるように、方法は個人に有効量の少なくとも1つの追加の療法剤を投与することを含む。上記実施形態のいずれかに従った「個体」はヒトであってよい。
追加の態様では、本発明は、EMTを誘導するおよび/もしくは促進する、骨成長を促進する、細胞増殖を阻害する、細胞周期停止を促進するまたは個人において細胞運命の変化を促進するための方法を提供する。一実施形態では、方法は、個人に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与して、EMTを誘導するおよび/もしくは促進する、骨成長を促進する、細胞増殖を阻害する、細胞周期停止を促進するまたは細胞運命の変化を促進することを含む。一実施形態では、「個体」はヒトである。いくつかの実施形態では、個人は癌に罹っている。いくつかの実施形態では、癌は化学療法剤を用いた治療に抵抗性または耐性である。
追加の態様では、本発明は、例えば、上記の治療方法のいずれかにおいて使用するために、本明細書に提供されるUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストのいずれかを含む薬学的製剤を提供する。一実施形態では、薬学的製剤は、本明細書に提供されるUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストのいずれかならびに薬学的に許容される担体を含む。別の実施形態では、薬学的製剤は、例えば、下に記載されているように、本明細書に提供されるUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストのいずれかならびに少なくとも1つの追加の治療剤を含む。
本発明のアンタゴニストは、単独でまたは療法において他の薬剤と組み合わせてのどちらでも使用することができる。例えば、本発明の抗体は、少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与してもよい。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は化学療法剤である。
上記のそのような併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が同じまたは別々の製剤に含まれている)、および別々の投与を包含しており、後者の場合、本発明のアンタゴニストの投与は追加の治療剤および/またはアジュバンドの投与に先立って、同時におよび/または続いて行うことができる。本発明のアンタゴニストは、放射線療法と組み合わせて使用することもできる。
本発明のアンタゴニスト(例えば、抗体)(および任意の追加の治療剤)は、非経口、肺内、および鼻腔内、ならびに局所的治療のためには病巣内投与を含む、どんな適切な手段によっても投与することができる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。投与は、いかなる適切な経路によっても、例えば、一部、投与が短期か長期かにより、静脈注射または皮下注射などの注射によっても可能である。様々な時点にわたる単回または複数回投与、ボーラス投与、およびパルス注入を含むがこれらに限定されない様々な投与スケジュールが本明細書では想定されている。
本発明のアンタゴニスト(例えば、抗体)は、良好な医療行為と一致する様式で処方される、服用される、および投与されると考えられる。この文脈で考慮する要因には、治療されている特定の障害、治療されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング、および医師に知られている他の要因が含まれる。抗体は、問題の障害を予防するまたは治療するのに現在使用されている1つまたは複数の薬剤と一緒に処方される必要はないが、場合によりそのように処方される。そのような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するアンタゴニストの量、障害または治療の種類、および上で考察された他の要因に依拠する。これらの薬剤は一般に、本明細書に記載されるのと同じ投与量で投与経路を用いて、または本明細書に記載される投与量の約1〜99%、または経験的に/臨床的に適切であると判定されているいかなる投与量でもおよびいかなる経路でも使用される。
疾患の予防または治療では、本発明の抗体の適切な投与量(単独でまたは1つもしくは複数の他の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合)は、治療される疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度および経過、抗体が予防目的でまたは治療目的で投与されるのかどうか、前の療法、抗体に対する患者の臨床歴および応答、ならびに主治医の慎重さに依拠することになる。抗体は1回または一連の治療にわたって患者に適切に投与される。疾患の種類および重症度に応じて、約1μg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1mg/kg〜10mg/kg)の抗体は、例えば、1または複数回の別々の投与によりであれ、連続注入によりであれ、患者への投与のための初回候補投与量であることが可能である。1つの典型的な一日投与量は、上記の要因に応じて、約1μg/kg〜100mg/kgまたはそれよりも多いに及んでいてもよい。数日またはそれよりも長い期間にわたる繰り返し投与では、状態に応じて、治療は一般に、疾患症状の所望の抑制が起こるまで持続されることになる。抗体の1つの例となる投与量は、約0.05mg/kg〜10mg/kgの範囲になる。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kgまたは10mg/kgの1つまたは複数の用量(またはその任意の組合せ)を患者に投与してもよい。そのような用量は、断続的に、例えば、毎週または3週間ごとに(例えば、患者が抗体の約2〜約20、または、例えば、6容量を受けるように)投与してもよい。もっと多い初回負荷量とそれに続くもっと低い1または複数回の用量を投与してもよい。例となる投与計画は投与することを含む。しかし、他の投与量計画が有用である場合もある。この療法の進行は、従来の技法およびアッセイにより容易にモニターされる。
上記製剤または治療方法のいずれも、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストの代わりにまたはこれらアンタゴニストに加えて本発明の免疫コンジュゲートを使用して実施しうることは理解される。
III.治療組成物
本明細書に記載される方法において有用なUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)は、抗体、結合ペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである。
A.抗体
一態様では、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、またはID3)に結合する単離された抗体が本明細書で提供される。上記実施形態のいずれにおいても、抗体はヒト化されている。
いくつかの実施形態では、抗体はUSP1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体はUAF1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体はID1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体はID2アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体はID3アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、抗体は1つよりも多いID(例えば、2つのID、3つのID、または4つのID)を阻害することができる。いくつかの実施形態では、抗体はUAF1とのUSP1の相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、抗体はIDの脱ユビキチン化をブロックする。いくつかの実施形態では、抗体はbHLHとのIDの相互作用を阻害する。
いくつかの実施形態では、抗体はUSP1アンタゴニストであり、USP1アンタゴニストは米国特許出願公開第2010/0330599号に開示されている抗体である。前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。いくつかの実施形態では、抗体はID1アンタゴニストであり、ID1アンタゴニストは米国特許第7,571,663号に開示されている抗体である。前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。いくつかの実施形態では、抗体はID3アンタゴニストであり、ID3アンタゴニストは米国特許第7,629,131号に開示されている抗体である。前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、抗ID3抗体は、QVLTQTPSPVSAAVGGTVTINCQASQSIYNDNDLAWFQQKPGQPPKLLIYDASTLTSGVPSRFKGSGSGTQFTLTISDLDCDDAATYYCAARYSGNIYGF(配列番号41)を含む可変軽鎖配列および/または
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTVSGIDLSSYAMSWVRQAPGKGLEWIGVIFPSNNVYYASWAKGRFTISKTSTTVDLKITSPTTEDTATYFCASMGAFDSWGPGTLVTVSSG(配列番号42)を含む可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗ID3抗体は、
AVLTQTPSPVSAAVGGTVSISCQSSQSVWNNNWLSWFQQKPGQPPKLLIYETSKLESGVPSRFKGSGSGTQFTLTISDVQCDDAATYYCLGGYWTTSDNNVFGGGTEVVVK(配列番号43)を含む可変軽鎖配列および/または
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTASGFSLSNVYIHWVRQAPGKGLEWIGYISDGDTARYATWAKGRFTISKTSSTTVNLKMTSLTTEDTATYFCARQGFNIWGPGTLVTVSL(配列番号44)を含む可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗ID3抗体は、
AVLTQTPSPVSAAVGGTVTSCQSSQSVYNNNWLSWFQQKSGQPPKLLIYETSKLESGVPSRFKGSGSGTQFTLTIIDVQCDDAATYYCLGGYWTTSDNNIFGGGTEVVVK(配列番号45)を含む可変軽鎖配列および/または
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTASGFSLSSYYIHWVRQAPGKALEWIGYISDGGTTYYASWAKGRFTISKTSSTTVDLKMTSLTTEDTATYFCARQGFNIWGPGTLVTVSL(配列番号46)を含む可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗ID3抗体は、
AVLTQTPSPVSAAVGGTVSISCQSSQSVWNNNWLSWFQQKPGQPPKLLIYETSKLESGVPSRFKGSGSGTQFTLTISDVQCDDAATYYCLGGYWTTSDNNVFGGGTEVVVK(配列番号47)を含む可変軽鎖配列および/または
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTASGFSLSNVYIHWVRQAPGKGLEWIGYISDGDTARYATWAKGRFTISKTSSTTVNLKMTSLTTEDTATYFCARQGFNIWGPGTLVTVSL(配列番号48)を含む可変重鎖配列を含む。いくつかの実施形態では、抗ID3抗体は、
AVLTQTPSPVSAAVGGTVTISCQSSQSVYNNNWLSWFQQKSGQPPKLLIYETSKLESGVPSRFKGSGSGTQFTLTIIDVQCDDAATYYCLGGYWSTSDNNIFGGGTEVVVK(配列番号49)を含む可変軽鎖配列および/または
QSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTASGFSLSSYYIHWVRQAPGKALEWIGYISDGGTTYYASWAKGRFTISKTSSTTVDLKMTSLTTEDTATYFCARQGFNIWGPGTLVTVSL(配列番号50)
を含む可変重鎖配列を含む。
本発明の追加の態様では、上記実施形態のいずれかに従った抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/または抗ID抗体は、キメラ、ヒト化またはヒト抗体を含む、モノクローナル抗体である。一実施形態では、抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/または抗ID抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、またはF(ab’)2断片である。別の実施形態では、抗体は完全長抗体、例えば、無傷のIgG1’’抗体または本明細書で定義される他の抗体クラスもしくはアイソタイプである。
追加の態様では、上記実施形態のいずれかに従った抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/または抗ID抗体は、下のセクションに記載されているように、前記特長のいずれかを単独でまたは組み合わせて組み込んでいることがある。
1.抗体親和性
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は解離定数(Kd)≦1μMを有する。一実施形態では、Kdは、以下のアッセイにより説明される対象の抗体のFabバージョンおよびその抗原を用いて実施される放射標識された抗原結合アッセイ(RIA)により測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、非標識抗原の滴定シリーズの存在下でFabを最小濃度の(125I)−標識抗原で平衡にし、次に結合抗原を抗Fab被覆プレートで捕捉することにより測定される(例えば、Chenら、J.Mol.Biol.293:865〜881(1999)参照)。前記アッセイの条件を確立するため、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)は、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中5μg/mlの捕捉抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩被覆され、それに続いて室温(およそ23℃)で2から5時間、PBS中2%(w/v)ウシ血清アルブミンでブロックされる。非吸着性プレート(Nunc#269620)では、100pMまたは26pMの(125I)−抗原は対象のFabの段階希釈を用いて混合される(例えば、Prestaら、Cancer Res.57:4593〜4599(1997)における抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一致する)。次に、対象のFabは一晩インキュベートされるが、インキュベーションは平衡に達していることを確実にするためにさらに長い期間(例えば、約65時間)続いてもよい。その後、前記混合物は室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のために捕捉プレートに移される。次に、溶液は取り除かれ、プレートはPBS中0.1%のポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))で8回洗浄される。プレートが乾燥すると、150μl/ウェルのシンチラント(MICROSCINT−20(商標);Packard)が添加され、プレートは10分間TOPCOUNT(商標)ガンマカウンター(Packard)上で計測される。最大結合の20%以下を与えるそれぞれのFabの濃度が、競合結合アッセイにおいて使用するために選択される。
別の実施形態に従えば、Kdは約10応答単位(RU)で固定化された抗原CM5チップを用いて25℃でBIACORE(登録商標)−2000またはBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.、Piscataway、NJ)を使用する表面プラズモン共鳴アッセイを使用して測定される。手短に言えば、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)は、供給業者の使用説明書に従って、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)およびN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)で活性化される。抗原は、流速5μl/分での注入前に10mMの酢酸ナトリウム、pH4.8で5μg/ml(約0.2μM)まで希釈されて、およそ10応答単位(RU)の連結タンパク質を達成する。抗原の注入に続いて、1Mのエタノールアミンが注入されて、未反応基をブロックする。動態測定では、Fabの2倍の段階希釈液(0.78nMから500nM)が、25℃、流速およそ25μl/分で、0.05%ポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))界面活性剤(PBST)と一緒にPBSに注入される。会合速度(kon)および解離速度(koff)は、会合および解離センサーグラムを同時に適合させることにより、単純な1対1Langmuir結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して計算される。平衡解離定数(Kd)は比koff/konとして計算される。例えば、Chenら、J.Mol.Biol.293:865〜881(1999)を参照されたい。上記のオンレート(on−rate)が表面プラズモン共鳴アッセイにより106-1-1を超える場合、オンレートは、流れ停止装備スペクトロフォメーター(spectrophometer)(Aviv Instruments)または撹拌されたキュベット付の800シリーズSLM−AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計において測定される場合、増加する濃度の抗原の存在下、25℃でPBS中20nMの抗−抗原抗体(Fab形態)、pH7.2の蛍光放出強度の増加または減少を測定する(励起=295nm;放出=340nm、16nmバンドパス)蛍光消光技法を使用することにより決定することができる。
2.抗体断片
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は抗体断片である。抗体断片には、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、FvおよびscFv断片ならびに下に記載される他の断片が含まれるが、これらに限定されない。ある種の抗体断片の概説については、Hudsonら、Nat.Med.9:129〜134(2003)を参照されたい。scFv断片の概説については、例えば、Pluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、第113巻、RosenburgおよびMoore編、(Springer−Verlag、New York)、269〜315ページ(1994)を参照されたい。WO93/16185;ならびに米国特許第5,571,894号および米国特許第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含みインビボ半減期が増大しているFabおよびF(ab’)2断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。
ダイアボディは、二価または二重特異性のこともある2つの抗原結合部位のある抗体断片である。例えば、EP404,097;WO1993/01161;Hudsonら、Nat.Med.9:129〜134(2003);およびHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444〜6448(1993)を参照されたい。トリアボディおよびテトラボディもHudsonら、Nat.Med.9:129〜134(2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインのすべてもしくは一部または軽鎖可変ドメインのすべてもしくは一部を含む抗体断片である。ある特定の実施形態では、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.、Waltham、MA;例えば、米国特許第6,248,516号B1を参照)。
抗体断片は、本明細書に記載されているように、無傷の抗体のタンパク質消化および組換え宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli)またはファージ)による産生を含むがこれらに限定されない種々の技法により作製することができる。
3.キメラおよびヒト化抗体
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体はキメラ抗体である。ある種のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号およびMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6851〜6855(1984)に記載されている。一例では、キメラ抗体は非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、またはサルなどの非ヒト霊長類由来の可変領域)およびヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のクラスまたはサブクラスから変えられている「クラス転換された」抗体である。キメラ抗体にはその抗原結合断片が含まれる。
ある特定の実施形態では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトへの免疫原性を抑えるために親非ヒト抗体の特異性および親和性を保持したままヒト化される。一般的には、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその部分)が非ヒト抗体由来でFR(またはその部分)がヒト抗体配列由来である1つまたは複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、場合によって、ヒト定常領域の少なくとも一部も含むことになる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体中の一部のFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を回復または改善するために非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
ヒト化抗体およびそれを作製する方法は、例えば、AlmagroおよびFransson、Front.Biosci.13:1619〜1633(2008)で概説されており、例えば、Riechmannら、Nature 332:323〜329(1988);Queenら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029〜10033(1989);米国特許第5,821,337号、米国特許第7,527,791号、米国特許第6,982,321号、および米国特許第7,087,409号;Kashmiriら、Methods 36:25〜34(2005)(SDR(a−CDR)移植法を記載している);Padlan、Mol.Immunol.28:489〜498(1991)(「リサーフェイシング」を記載している);Dall’Acquaら、Methods 36:43〜60(2005)(「FRシャフリング」を記載している);ならびにOsbournら、Methods 36:61〜68(2005)およびKlimkaら、Br.J.Cancer、83:252〜260(2000)(FRシャフリングへの「誘導選択」アプローチを記載している)にさらに記載されている。
ヒト化のために使用されうるヒトフレームワーク領域には、「ベストフィット」法を使用して選択されるフレームワーク領域(Simsら、J.Immunol.151:2296(1993));軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285(1992);およびPrestaら、J.Immunol.、151:2623(1993));ヒト成熟(体細胞的に変異した)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(AlmagroおよびFransson、Front.Biosci.13:1619〜1633(2008));およびFRライブラリーをスクリーニングすることに由来するフレームワーク領域(Bacaら、J.Biol.Chem.272:10678〜10684(1997)およびRosokら、J.Biol.Chem.271:22611〜22618(1996))が含まれるが、これらに限定されない。
4.ヒト抗体
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は当技術分野で公知の種々の技法を使用して産生することができる。ヒト抗体は一般的には、van Dijkおよびvan de Winkel、Curr.Opin.Pharmacol.5:368〜74(2001)ならびにLonberg、Curr.Opin.Immunol.20:450〜459(2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原投与に応答してヒト可変領域を有する無傷のヒト抗体または無傷の抗体を産生するように改変されているトランスジェニック動物に免疫原を投与することにより調製しうる。そのような動物は典型的には、ヒト免疫グロブリン遺伝子座のすべてまたは一部を含有しており、その遺伝子座は内在性免疫グロブリン遺伝子座に取って代わる、または染色体外に存在するもしくは動物の染色体中に無作為に取り込まれる。そのようなトランスジェニックマウスでは、内在性免疫グロブリン遺伝子座は一般的には不活化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg、Nat.Biotech.23:1117〜1125(2005)を参照されたい。例えば、XENOMOUSETM(商標)技術を記載している米国特許第6,075,181号および米国特許第6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載している米国特許第5,770,429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7,041,870号およびVelociMouse(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。そのような動物により産生される無傷の抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによりさらに改変しうる。
ヒト抗体はハイブリドーマベースの方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞系は記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.、133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、51〜63ページ(Marcel Dekker,Inc.、New York、1987);およびBoernerら、J.Immunol.、147:86(1991)を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して産生されるヒト抗体も、Liら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、103:3557〜3562(2006)に記載されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞系からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載している)およびNi、Xiandai Mianyixue、26(4):265〜268(2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマを記載している)に記載されている方法が含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ(Trioma)技術)も、VollmersおよびBrandlein、Histology and Histopathology、20(3):927〜937(2005)ならびにVollmersおよびBrandlein、Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology、27(3):185〜91(2005)に記載されている。
ヒト抗体は、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても産生しうる。次に、そのような可変ドメイン配列は所望のヒト定常ドメインと組み合わせうる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択する技法は下に記載されている。
5.ライブラリー由来抗体
本発明の抗体は、1種または複数の所望の活性を有する抗体を求めてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより単離しうる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し所望の結合特徴を有する抗体を求めてそのようなライブラリーをスクリーニングするための種々の方法は当技術分野では公知である。そのような方法は、Hoogenboomら、Methods in Molecular Biology 178:1〜37(O’Brienら編、Human Press、Totowa、NJ、2001)で概説されており、例えば、McCaffertyら、Nature 348:552〜554;Clacksonら、Nature 352:624〜628(1991);Marksら、J.Mol.Biol.222:581〜597(1992);MarksおよびBradbury、Methods in Molecular Biology 248:161〜175(Lo編 Human Press、Totowa、NJ、2003);Sidhuら、J.Mol.Biol.338(2):299〜310(2004);Leeら、J.Mol.Biol.340(5):1073〜1093(2004);Fellouse、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467〜12472(2004);ならびにLeeら、J.Immunol.Methods 284(1−2):119〜132(2004)にさらに記載されている。
ある種のファージディスプレイ法では、Winterら、Ann.Rev.Immunol.、12:433〜455(1994)に記載されているように、VHおよびVL遺伝子のレパートリーはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリーにおいて無作為に組み換えられ、これは次に抗原結合ファージを求めてスクリーニングすることができる。ファージは典型的には、一本鎖Fv(scFv)断片としてまたはFab断片としてのいずれかで抗体断片を提示する。免疫源由来のライブラリーは、ハイブリドーマの構築を要することなく免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。代わりに、Griffithsら、EMBO J、12:725〜734(1993)により記載されているように、未処置のレパートリーをクローニングして(例えば、ヒトから)いかなる免疫化もせずに広範な非自己抗原および自己抗原にも単一源の抗体を提供することができる。最後に、HoogenboomおよびWinter、J.Mol.Biol.、227:381〜388(1992)により記載されているように、幹細胞から再配列されていないV−遺伝子セグメントをクローニングし、高度に可変性のCDR3領域をコードし、インビトロで再配列を実現するランダム配列を含有するPCRプライマーを使用することにより、未処置のライブラリーを合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許公報には、例えば、米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許出願公開第2005/0079574号、米国特許出願公開第2005/0119455号、米国特許出願公開第2005/0266000号、米国特許出願公開第2007/0117126号、米国特許出願公開第2007/0160598号、米国特許出願公開第2007/0237764号、米国特許出願公開第2007/0292936号、および米国特許出願公開第2009/0002360号が含まれる。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体断片は、本明細書ではヒト抗体またはヒト抗体断片と見なされる。
6.多特異的抗体
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は多特異的抗体、例えば、二重特異的抗体である。多特異的抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある特定の実施形態では、結合特異性の1つはUSP1またはID(例えば、ID1、ID2、またはID3)に対してであり、もう1つは他の任意の抗原に対してである。ある特定の実施形態では、二重特異的抗体はUSP1またはID(例えば、ID1、ID2、またはID3)の2つの異なるエピトープに結合しうる。二重特異的抗体を使用して、細胞傷害性薬剤をUSP1および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)を発現する細胞に局在化させてもよい。二重特異的抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
多特異的抗体を作製するための技法には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え同時発現(MilsteinおよびCuello、Nature 305:537(1983)、WO93/08829およびTrauneckerら、EMBO J.10:3655(1991)参照)、および「ノブインホール」工学(例えば、米国特許第5,731,168号参照)が含まれるが、これらに限定されない。抗体Fcヘテロダイマー分子を作製するために静電気的ステアリング効果を操作する(WO2009/089004A1);2つまたはそれよりも多い抗体または断片を架橋する(例えば、米国特許第4,676,980号およびBrennanら、Science、229:81(1985)参照);ロイシンジッパーを使用して二重特異的抗体を産生する(例えば、Kostelnyら、J.Immunol.、148(5):1547〜1553(1992)参照);二重特異的抗体断片を作製するために「ダイアボディ」技術を使用する(例えば、Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444〜6448(1993)参照);および一本鎖Fv(sFv)ダイマーを使用する(例えば、Gruberら、J.Immunol.、152:5368(1994)参照);ならびにTuttら、J.Immunol.147:60(1991)に記載されている三重特異的抗体を調製することにより、多特異的抗体を作製してもよい。
「オクタパス抗体」を含む、3つまたはそれよりも多い機能的抗原結合部位を有する操作された抗体も本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1参照)。
本明細書の抗体または断片には、USP1またはID(例えば、ID1、ID2、またはID3)および別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」または「DAF」も含まれる(例えば、US2008/0069820参照)。
7.抗体バリアント
a)グリコシル化バリアント
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加するまたは減少するように変化させる。抗体へのグリコシル化部位の付加または削除は、1つまたは複数のグリコシル化部位が作り出されるまたは取り除かれるようにアミノ酸配列を変化させることにより都合よく実現しうる。
抗体がFc領域を含む場合、それに結合している炭水化物を変化させうる。哺乳動物細胞により産生された未処置の抗体は典型的には、一般的にはFc領域のCH2ドメインのAsn297へのN連結により結合している分岐した二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wrightら、TIBTECH 15:26〜32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は種々の炭水化物、例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、およびシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造体の「幹」においてGlcNAcに結合しているフコースを含むことがある。いくつかの実施形態では、本発明の抗体におけるオリゴ糖の改変は、ある種の改善された特性を有する抗体バリアントを生み出すためになされうる。
一実施形態では、Fc領域に結合している(直接的にまたは間接的に)フコースを欠く炭水化物構造体を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体中のフコースの量は、1%〜80%、1%〜65%、5%〜65%または20%〜40%まででもよい。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載されているように、MALDI−TOF質量分析により測定された場合、Asn297に結合しているすべてのグリコ構造体(例えば、複合体、ハイブリッドおよび高マンノース構造体)の合計と比べたAsn297での糖鎖内のフコースの平均量を計算することにより決定される。Asn297とは、Fc領域のおおよそ297位(Fc残基のEu番号付け)に位置しているアスパラギン残基のことであるが、Asn297は、抗体中の小さな配列変動のせいで、297位から約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、294位〜300位までの間に位置していることもある。そのようなフコシル化バリアントは改善されたADCC機能を有することがある。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「デフコシル化(defucosylated)」または「フコース欠損」抗体バリアントに関係する出版物の例には、US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazakiら、J.Mol.Biol.336:1239〜1249(2004);Yamane−Ohnukiら、Biotech.Bioeng.87:614(2004)が含まれる。デフコシル化抗体を産生することができる細胞系の例には、タンパク質フコシル化を欠損するLec13 CHO細胞(Ripkaら、Arch.Biochem.Biophys.249:533〜545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108A1、Presta,L;およびWO2004/056312A1、Adamsら、特に実施例11);およびアルファ−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞などのノックアウト細胞系(例えば、Yamane−Ohnukiら、Biotech.Bioeng.87:614ページ(2004);Kanda,Y.ら、Biotechnol.Bioeng.、94(4):680〜688(2006);およびWO2003/085107)が含まれる。
二分されたオリゴ糖を有する、すなわち、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcにより二分されている抗体バリアントがさらに提供される。そのような抗体バリアントは減少したフコシル化および/または改善されたADCC機能を有しうる。そのような抗体バリアントの例は、例えば、WO2003/011878(Jean−Mairetら);米国特許第6,602,684号(Umanaら);およびUS2005/0123546(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合しているオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。そのような抗体バリアントは改善されたCDC機能を有しうる。そのような抗体バリアントは、例えば、WO1997/30087(Patelら);WO1998/58964(Raju,S.);およびWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
b)Fc領域バリアント
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸改変を本明細書に提供される抗体のFc領域に導入し、それによりFc領域バリアントを産生しうる。前記Fc領域バリアントは、1つまたは複数のアミノ酸位にアミノ酸改変(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4Fc領域)を含みうる。
ある特定の実施形態では、本発明は、いくつかのしかしすべてではないエフェクター機能を有する抗体バリアントであって、そのエフェクター機能のおかげで、インビボでの抗体の半減期は重要であるがある種のエフェクター機能(例えば、補体およびADCC)は必要ではないまたは有害である適用のための望ましい候補になる抗体バリアントを想定している。インビトロおよび/またはインビボ細胞傷害性アッセイを行えば、CDCおよび/またはADCC活性の減少/枯渇を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行えば、抗体がFcγR結合を欠く(したがって、おそらくADCC活性を欠く)が、FcRn結合力は保持していることを確認することができる。ADCCを媒介するための一次細胞、すなわちNK細胞はFcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、RavetchおよびKinet、Annu.Rev.Immunol.9:457〜492(1991)の464ページ表3に要約されている。対象の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.ら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059〜7063(1986)参照)およびHellstrom,Iら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499〜1502(1985);米国特許第5,821,337号(Bruggemann,M.ら、J.Exp.Med.166:1351〜1361(1987)参照)に記載されている。代わりに、非放射アッセイ法を用いることもある(例えば、ACTI(商標)non−radioactive cytotoxicity assay for flow cytometry(CellTechnology,Inc. Mountain View、CA);およびCytoTox 96(登録商標)non−radioactive cytotoxicity assay(Promega、Madison、WI)参照)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核球(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。代わりに、またはさらに、対象の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynesら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652〜656(1998)に開示されている動物モデルなどの動物モデルで評価しうる。C1q結合アッセイも実施して、抗体がC1qに結合することができずしたがってCDC活性を欠くことを確認しうる。例えば、WO2006/029879およびWO2005/100402におけるC1qおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するため、CDCアッセイを実施しうる(例えば、Gazzano−Santoroら、J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.ら、Blood 101:1045〜1052(2003);ならびにCragg,M.S.およびM.J.Glennie、Blood 103:2738〜2743(2004)参照)。FcRn結合およびインビボ排除/半減期決定も、当技術分野で公知の方法を使用して実施することができる(例えば、Petkova,S.B.ら、Int’l.Immunol.18(12):1759〜1769(2006)参照)。
エフェクター機能が減少した抗体には、Fc領域残基238、265、269、270、297、327および329のうちの1つまたは複数の置換がある抗体が含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体には、残基265および297のアラニンへの置換があるいわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸265位、269位、270位、297位および327位のうちの2つまたはそれよりも多い位での置換のあるFc変異体が含まれる(米国特許第7,332,581号)。
FcRsへの結合が改善されているまたは減少しているある種の抗体バリアントは記載されている(例えば、米国特許第6,737,056号;WO2004/056312、およびShieldsら、J.Biol.Chem.9(2):6591〜6604(2001)参照)。ある特定の実施形態では、抗体バリアントはADCCを改善する1つまたは複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、および/または334位での置換のあるFc領域を含む(残基のEU番号付け)。いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、およびIdusogieら、J.Immunol.164:4178〜4184(2000)に記載されているように、変化した(すなわち、改善されたまたは減少した)C1q結合および/または補体依存性細胞傷害(CDC)をもたらす変化がFc領域においてなされる。
半減期が増加し、母性IgGの胎児への移行の原因となる(Guyerら、J.Immunol.117:587(1976)およびKimら、J.Immunol.24:249(1994))新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体はUS2005/0014934A1(Hintonら)に記載されている。それらの抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を改善する1つまたは複数の置換がその中にあるFc領域を含む。そのようなFcバリアントには、Fc領域残基238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424または434のうちの1つまたは複数に置換、例えば、Fc領域残基434の置換のあるFcバリアントが含まれる(米国特許第7,371,826号)。Fc領域バリアントの他の例に関しては、Duncan&Winter、Nature 322:738〜40(1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;およびWO94/29351も参照されたい。
c)システイン操作抗体バリアント
ある特定の実施形態では、抗体の1つまたは複数の残基がシステイン残基で置換されているシステイン操作抗体、例えば、「チオMAb」を作り出すのが望ましいことがある。特定の実施形態では、置換される残基は抗体の接触可能部位に存在する。さらに本明細書で説明されるように、それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基はそれにより抗体の接触可能部位に置かれ、この基を使用して抗体を、薬物部分またはリンカー薬物部分などの他の部分にコンジュゲートさせて、免疫コンジュゲートを作り出しうる。ある特定の実施形態では、以下の残基:軽鎖のV205(Kabat番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);および重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)のうちの任意の1つまたは複数をシステインで置換しうる。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載される通りに産生しうる。
B.免疫コンジュゲート
化学療法剤もしくは薬物、増殖阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物または動物起源のタンパク質毒素、酵素的に活性な毒素またはその断片)または放射性同位体などの1つまたは複数の細胞傷害性薬剤にコンジュゲートされた本明細書の抗USP1抗体および/または抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)を含む免疫コンジュゲートが本明細書でさらに提供される。
一実施形態では、免疫コンジュゲートは、マイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、米国特許第5,416,064号および欧州特許EP0 425 235B1参照);モノメチルオーリスタチン薬物部分DEおよびDF(MMAEおよびMMAF)などのオーリスタチン(米国特許第5,635,483号および米国特許第5,780,588号および米国特許第7,498,298号参照);ドラスタチン;カリチアマイシンもしくはその誘導体(米国特許第5,712,374号、米国特許第5,714,586号、米国特許第5,739,116号、米国特許第5,767,285号、米国特許第5,770,701号、米国特許第5,770,710号、米国特許第5,773,001号、および米国特許第5,877,296号;Hinmanら、Cancer Res.53:3336〜3342(1993);およびLodeら、Cancer Res.58:2925〜2928(1998)参照);ダウノマイシンもしくはドキソルビシンなどのアントラサイクリン(Kratzら、Current Med.Chem.13:477〜523(2006);Jeffreyら、Bioorganic&Med.Chem.Letters 16:358〜362(2006);Torgovら、Bioconj.Chem.16:717〜721(2005);Nagyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829〜834(2000);Dubowchikら、Bioorg.&Med.Chem.Letters 12:1529〜1532(2002);Kingら、J.Med.Chem.45:4336〜4343(2002);および米国特許第6,630,579号参照);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキシル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、およびオルタタキセルなどのタキサン;トリコテシン;ならびにCC1065を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の薬物に抗体がコンジュゲートされている抗体−薬物コンジュゲート(ADC)である。
別の実施形態では、免疫コンジュゲートは、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファサルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ニガウリ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およびトリコテセン(tricothecenes)を含むがこれらの限定されない酵素的に活性な毒素またはその断片にコンジュゲートされた本明細書に記載される抗体を含む。
別の実施形態では、免疫コンジュゲートは、放射性原子にコンジュゲートされて放射性コンジュゲートを形成する本明細書に記載される抗体を含む。放射性コンジュゲートの産生には種々の放射性同位元素が利用可能である。例には、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212およびLuの放射性同位体が含まれる。放射性コンジュゲートが検出に使用される場合、シンチグラフィー研究用の放射性原子、例えば、tc99もしくはI123、または再びヨウ素123、ヨウ素131、インジウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム、マンガンまたは鉄などの核磁気共鳴(NMR)画像法(磁気共鳴画像法、mriとしても知られる)用のスピン標識を含むことがある。
抗体と細胞傷害性薬剤のコンジュゲートは、N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)、サクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸塩(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二機能性誘導体(例えば、アジプイミド酸ジメチルHCl)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジサクシニミジル)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビスジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアン酸(例えば、トルエン2,6−ジイソシアン酸)、およびビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などの種々の二機能的タンパク質カップリング剤を使用して作製しうる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら、Science 238:1098(1987)に記載される通りに調製することができる。炭素14標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドを抗体にコンジュゲートするための例となるキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。前記リンカーは、細胞中での細胞傷害性薬の放出を促進する「切断可能リンカー」でありうる。例えば、酸不安定リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカー(Chariら、Cancer Res.52:127〜131(1992);米国特許第5,208,020号)を使用してもよい。
本明細書の免疫コンジュゲートまたはADCは、市販されているBMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、およびスルホ−SMPB、ならびにSVSB(サクシニミジル−(4−ビニルスルホン)安息香酸(例えば、Pierce Biotechnology,Inc.、Rockford、IL.、U.S.Aから)を含むがこれらの限定されない架橋剤試薬で調製されたそのようなコンジュゲートを明確に想定しているが、これらに限定されない。
C.結合ポリペプチド
結合ポリペプチドは、本明細書に記載されるUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)に好ましくは特異的に結合するポリペプチドである。結合ポリペプチドは、既知のポリペプチド合成法を使用して化学的に合成してもよいし、または組換え技術を使用して調製し精製してもよい。結合ポリペプチドは通常、少なくとも約5アミノ酸長、または少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100アミノ酸長もしくはそれよりも長く、そのような結合ポリペプチドは、本明細書に記載される標的、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)に好ましくは特異的に結合することができる。結合ポリペプチドは、周知の技法を使用する必要以上の実験をせずに同定しうる。この点に関して、ポリペプチド標的に特異的に結合することができる結合ポリペプチドを求めてポリペプチドライブラリーをスクリーニングするための技法は当技術分野では周知であることは知られている(例えば、米国特許第5,556,762号、米国特許第5,750,373号、米国特許第4,708,871号、米国特許第4,833,092号、米国特許第5,223,409号、米国特許第5,403,484号、米国特許第5,571,689号、米国特許第5,663,143号;PCT出願番号WO84/03506およびWO84/03564;Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、81:3998〜4002(1984);Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、82:178〜182(1985);Geysenら、in Synthetic Peptides as Antigens、130〜149(1986);Geysenら、J.Immunol.Meth.、102:259〜274(1987);Schoofsら、J.Immunol.、140:611〜616(1988)、Cwirla,S.E.ら、(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:6378;Lowman,H.B.ら、(1991)Biochemistry、30:10832;Clackson,T.ら、(1991)Nature、352:624;Marks,J.D.ら、(1991)、J.Mol.Biol.、222:581;Kang,A.S.ら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:8363、およびSmith,G.P.(1991)Current Opin.Biotechnol.、2:668参照)。
この点に関して、バクテリオファージ(ファージ)ディスプレイは、大量のポリペプチドライブラリーをスクリーニングして、標的ポリペプチド、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)に特異的に結合することができるライブラリーの1つまたは複数のメンバーを同定することができる1つの周知の技法である。ファージディスプレイは、バリアントポリペプチドがバクテリオファージ粒子の表面上のコートタンパク質への融合タンパク質として提示される技法である(Scott,J.K.およびSmith,G.P.(1990)Science、249:386)。ファージディスプレイの有用性は、選択的に無作為化されたタンパク質バリアント(または無作為にクローニングされたcDNA)の大きなライブラリーを、標的分子に高親和性で結合する配列について迅速かつ効率的に分類することができることにある。ファージ上へのペプチド(Cwirla,S.E.ら、(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:6378)またはタンパク質(Lowman,H.B.ら、(1991)Biochemistry、30:10832;Clackson,T.ら、(1991)Nature、352:624;Marks J.D.ら、(1991)、J.Mol.Biol.、222:581;Kang,A.S.ら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:8363)ライブラリーの提示は、特異的結合特性を有するものを求めて何百万のポリペプチドまたはオリゴペプチドをスクリーニングするために使用されてきた(Smith,G.P.(1991)Current Opin.Biotechnol.、2:668)。ランダム変異体のファージライブラリーを分類するには、多数のバリアントを構築し増殖させるための戦略、標的受容体を使用する親和性精製のための手順、および結合濃縮の結果を評価する手段が必要である。米国特許第5,223,409号、米国特許第5,403,484号、米国特許第5,571,689号、および米国特許第5,663,143号。
大半のファージディスプレイ法は繊維状ファージを使用してきたが、ラムダ状ファージディスプレイシステム(WO95/34683;U.S.5,627,024)、T4ファージディスプレイシステム(Renら、Gene、215:439(1998);Zhuら、Cancer Research、58(15):3209〜3214(1998);Jiangら、Infection&Immunity、65(11):4770〜4777(1997);Renら、Gene、195(2):303〜311(1997);Ren、Protein Sci.、5:1833(1996);Efimovら、Virus Genes、10:173(1995))およびT7ファージディスプレイシステム(SmithおよびScott、Methods in Enzymology、217:228〜257(1993);U.S.5,766,905)も知られている。
追加の改良により、選択された標的分子への結合についてペプチドライブラリーをスクリーニングし、所望の特性を求めてこれらのタンパク質をスクリーニングする可能性のある機能的タンパク質を提示するディスプレイシステムの能力は増強されている。ファージディスプレイ反応のためのコンビナトリアル反応装置が開発され(WO98/14277)、ファージディスプレイライブラリーを使用して、二分子相互作用(WO98/20169;WO98/20159)および束縛されたヘリックスペプチドの特性(WO98/20036)を解析し制御してきた。WO97/35196は、ファージディスプレイライブラリーを、リガンドが標的分子に結合する1つの溶液とアフィニティーリガンドが標的分子に結合しない第2の溶液に接触させて、結合リガンドを選択的に単離する、アフィニティーリガンドを単離する方法を記載している。WO97/46251は、ランダムファージディスプレイライブラリーを親和性精製された抗体でバイオパンし、次に結合ファージを単離し、続いて高親和性結合ファージを単離するためのマイクロプレートウェルを使用するマイクロパンニングプロセスの方法を記載している。親和性タグとしての黄色ブドウ球菌(Staphlylococcus aureus)タンパク質Aの使用も報告されている(Liら、(1998)Mol Biotech.、9:187)。WO97/47314は、ファージディスプレイライブラリーであることもあるコンビナトリアルライブラリーを使用して酵素特異性を区別するための基質サブストラクションライブラリーの使用を記載している。ファージディスプレイを使用する洗剤中で使用するのに適した酵素を選択するための方法はWO97/09446に記載されている。特異的結合タンパク質を選択する追加の方法は、米国特許第5,498,538号、米国特許第5,432,018号、およびWO98/15833に記載されている。
ペプチドライブラリーを作製しこれらのライブラリーをスクリーニングする方法も、米国特許第5,723,286号、米国特許第5,432,018号、米国特許第5,580,717号、米国特許第5,427,908号、米国特許第5,498,530号、米国特許第5,770,434号、米国特許第5,734,018号、米国特許第5,698,426号、米国特許第5,763,192号、および米国特許第5,723,323号に開示されている。
いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはUSP1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはUAF1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはID1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはID2アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはID3アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドは1つよりも多いID(例えば、2つのID、3つのID、または4つのID)を阻害することができる。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはUAF1とのUSP1の相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDの脱ユビキチン化をブロックする。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはbHLHとのIDの相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはUSP1の切断を阻害する。
いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストはIDタンパク質の細胞質への輸送を阻害するポリペプチドである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストは細胞質においてIDタンパク質を隔離するポリペプチドである。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストは少なくとも1つのLIMドメインを含むタンパク質である。LIMドメインはシステイン豊富な二重の亜鉛フィンガーモチーフであり、このモチーフはタンパク質−タンパク質相互作用を媒介する。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストは少なくとも1つのLIM−PDZタンパク質を含むタンパク質である。「LIM−PDZタンパク質ファミリー」メンバー、または「LIM−PDZタンパク質」とは、そのPDZおよびLIMタンパク質ドメインにおいて高度なアミノ酸類似性(最大70%配列類似性)を共有するタンパク質(およびその相同物、変異体、バリアント)の天然に存在するグループのことである。前記ファミリーは現在では7つのタンパク質を含有し、そのそれぞれがN末端PDZドメインに続いて1つのC末端LIMドメイン(ALPサブファミリー;ALP、RIL、CLP−36/hClim1/Elfin、Mystique)または3つのC末端LIMドメイン(Enigmaサブファミリー;Enigma/LMP−1、ENH、ZASP/Cypher1)のどちらかを含有する(Xiaら、J.Cell Biol.、271:15934〜15941、1997)。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストはエニグマ相同物(ENH)タンパク質またはその断片である。例えば、米国特許出願公開第2007/0041944号を参照されたい。前記特許文献の内容は参照によりその全体を組み込まれている。いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはID2アンタゴニストでありID2アンタゴニストはそのENHタンパク質である。いくつかの実施形態では、ENHタンパク質はアミノ酸配列(配列番号51)
Figure 2014533927

を含む。
いくつかの実施形態では、ENHタンパク質はアミノ酸配列(配列番号52)
Figure 2014533927

を含む。
いくつかの実施形態では、結合ポリペプチドはUAF1アンタゴニストでありUAF1アンタゴニストは、1つまたは複数のUSF1 WD40リピート、例えば、WD40リピート2〜4、WD40リピート2、WD40リピート3、WD40リピート4、WD40リピート8に結合するポリペプチドである。
D.結合小分子
USP1アンタゴニスト、UAF1および/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、および/またはID3アンタゴニスト)として使用するための結合小分子が本明細書に提供される。
結合小分子は好ましくは、本明細書に記載されるUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)に好ましくは特異的に結合する本明細書で定義される結合ポリペプチドまたは抗体以外の有機分子である。結合有機小分子は公知の方法を使用して同定され化学的に合成されうる(例えば、PCT出願番号WO00/00823およびWO00/39585参照)。結合有機小分子は通常大きさは約2000ダルトン未満である、または大きさは約1500、750、500、250もしくは200ダルトン未満であり、本明細書に記載されるポリペプチドに好ましくは特異的に結合することができるそのような有機小分子は、周知の技法を使用する不必要な実験なしで同定しうる。この点に関して、ポリペプチド標的に結合することができる分子を求めて有機小分子ライブラリーをスクリーニングするための技法は当技術分野では周知であることが知られている(例えば、PCT出願番号WO00/00823およびWO00/39585参照)。結合有機小分子は、例えば、アルデヒド、ケトン、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルバジド、一級アミン、二級アミン、三級アミン、N−置換ヒドラジン、ヒドラジド、アルコール、エーテル、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、エステル、アミド、ウレア、カルバミン酸、炭酸、ケタール、チオケタール、アセタール、チオアセタール、ハロゲン化アリール、アリールスルホン酸、ハロゲン化アルキル、アルキルスルホン酸、芳香族化合物、複素環式化合物、アニリン、アルケン、アルキン、ジオール、アミノアルコール、オキサゾリジン(oxazolidine)、オキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、エナミン、スルホンアミド、エポキシド、アジリジン、イソシアン酸、スルホニルクロリド、ジアゾ化合物、酸クロリド、または同類の物でありうる。
いくつかの実施形態では、結合小分子はUSP1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合小分子はUAF1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合小分子はID1アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合小分子はID2アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合小分子はID3アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、結合小分子は1つよりも多いID(例えば、2つのID、3つのID、または4つのID)を阻害することができる。いくつかの実施形態では、結合小分子はUAF1とのUSP1の相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、結合小分子はIDの脱ユビキチン化をブロックする。いくつかの実施形態では、結合小分子はbHLHとのIDの相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、結合小分子はUSP1の切断を阻害する。
いくつかの実施形態では、結合小分子はUSP1アンタゴニストでありUSP1アンタゴニストはユビキチンアルデヒドである。この場合、USP1アンタゴニストはHershkoら、(Ubiquitin−aldehyde:a general inhibitor of ubiquitin−recycling processes.Proc Natl Acad Sci 1987年4月;84(7):1829〜33)に記載されている通りに、USP1酵素と緊密な複合体を形成することにより作用すると考えられている。前記文献は参照により本明細書に組み込まれている。ユビキチンアルデヒド、例えば、Enzo Life Sciencesから入手可能である。いくつかの実施形態では、結合小分子はUSP1アンタゴニストでありUSP1アンタゴニストはカンプトテンシンである。カンプトテンシンは、USP1とUAF1複合体の形成を阻害すると考えられている。例えば、Muraら、Mol Cell Biol(2011)31:2462を参照されたい。いくつかの実施形態では、結合小分子はUSP1アンタゴニストおよびUSP1アンタゴニストNSC632839塩酸塩(3,5−ビス[(4−メチルフェニル)メチレン]−4−ピペリドン塩酸塩;CAS No.157654−67−6)(Tocris)である。
いくつかの実施形態では、結合小分子はIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストは1つよりも多いID(例えば、2つのID、3つのID、または4つのID)を阻害することができる。いくつかの実施形態では、結合小分子はIDアンタゴニストでありIDアンタゴニストはID1およびID3を阻害することができる。いくつかの実施形態では、ID1およびID3を阻害することができるIDアンタゴニストはテトラサイクリンである。米国特許出願公開第2003/0022871号は、Id1およびId3のアンタゴニストとしてのテトラサイクリンの使用を記載しており、前記特許文献の内容は参照によりその全体を組み込まれている。「テトラサイクリン」とは、基本式C222428および命名[4S−(4I,5aI,5aI,6J,12aI)]−4−(ジメチルアミノ)−1,4,4a,5,5a,6−11,12a−オクタヒドロ−3,6,10,12,12a−ペイズタイイドロキシ(peiztaiydroxy)−6−メチル−1,11−ジオキソ−2−ナフタセンカルボキサミドを有する化合物である。テトラサイクリンの構造は以下に記載されている。
Figure 2014533927
あるいは、前記化合物はテトラサイクリンの類似物または誘導体を含む。テトラサイクリンの数多くの類似物および誘導体は本明細書に記載される方法に用途がある。特定の実施形態では、本明細書に用途を有するテトラサイクリンの類似物または誘導体は、
Figure 2014533927

を含む一般構造を有し、R1、R2、R3、R4、およびR5は同じでも異なっていてもよく、H、低級アルキル(C1〜C4)、C1〜C4アルコキシル、シクロアルキル、アリール、または複素環式環構造を含む。
本明細書に用途を有するテトラサイクリンの類似物または誘導体の他の例は、米国特許第5,589,470号、米国特許第5,064,821号、米国特許第5,811,412号、米国特許第4,089,900号、米国特許第4,960,913号、米国特許第4,066,694号、米国特許第4,060,605号、米国特許第3,911,111号、および米国特許第3,951,962号に記載されており、これにより前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
E.アンタゴニストポリヌクレオチド
ポリヌクレオチドアンタゴニストが本明細書で提供される。ポリヌクレオチドはアンチセンス核酸および/またはリボザイムでもよい。アンチセンス核酸は、USP1遺伝子、UAF1遺伝子、および/またはID遺伝子(例えば、ID1、ID2および/またはID3)のRNA転写物の少なくとも一部に相補的な配列を含む。しかし、絶対的相補性は、好ましいが、必要ではない。本明細書で言及される「RNAの少なくとも一部に相補的な」配列とは、前記RNAとハイブリダイズして、安定な二重鎖を形成することができるのに十分な相補性を有する配列を意味し、二本鎖USP1、UAF1および/またはIDアンチセンス核酸の場合、したがって、二重鎖DNAの一本鎖を試験することができ、または三重鎖形成をアッセイしうる。ハイブリダイズする能力は、アンチセンス核酸の相補性の程度と長さの両方に依拠することになる。一般に、ハイブリダイズしている核酸が大きいほど、核酸はUSP1、UAF1および/またはID RNAとそれだけ多くの塩基ミスマッチを含有するが、それでも安定な二重鎖(または、場合によっては、三重鎖)を形成しうる。当業者であれば、ハイブリダイズした複合体の融点を決定する標準法の使用によりミスマッチの許容可能な程度を確認することができる。
メッセージの5’末端、例えば、AUG開始コドンまでのおよびを含む5’非翻訳配列に相補的であるポリヌクレオチドは翻訳の阻害に最も効率よく機能するはずである。しかし、mRNAの3’非翻訳配列に相補的な配列も同様にmRNAの翻訳を阻害するのに効果的であることが明らかにされている。一般的には、Wagner,R.、1994、Nature 372:333〜335を参照されたい。したがって、USP1、UAF1および/またはID遺伝子の5’−または3’−非翻訳、非コード領域のどちらかに相補的であるオリゴヌクレオチドであれば、内在性X mRNAの翻訳を阻害するのにアンチセンスアプローチを使用することができる。mRNAの5’非翻訳領域に相補的なポリヌクレオチドであればAUG開始コドンの相補体を含むはずである。mRNAコード領域に相補的なアンチセンスポリヌクレオチドは翻訳を阻害する効率は低くなるが、本発明に従えば使用することができる。USP1、UAF1および/またはID mRNAの5’−、3’−またはコード領域にハイブリダイズするように設計されていようと、アンチセンス核酸は少なくとも6ヌクレオチド長であるべきであり、好ましくは6〜約50ヌクレオチド長に及ぶオリゴヌクレオチドである。特定の態様では、オリゴヌクレオチドは少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも17ヌクレオチド、少なくとも25ヌクレオチドまたは少なくとも50ヌクレオチドである。
一実施形態では、本発明のUSP1、UAF1および/またはIDアンチセンス核酸は、外来性配列の転写により細胞内で産生される。例えば、ベクターまたはその一部は転写されて、USP1、UAF1および/またはID遺伝子のアンチセンス核酸(RNA)を産生する。そのようなベクターであれば、USP1、UAF1および/またはIDアンチセンス核酸をコードする配列を含有していると考えられる。そのようなベクターは、転写されて所望のアンチセンスRNAを産生することができさえすれば、エピソームのままであるまたは染色体に組み込まれることも可能である。そのようなベクターは、当技術分野で標準的方法である組換えDNA技術により構築することができる。ベクターは、脊椎動物細胞における複製および発現のために使用されるプラスミド、ウイルス、または当技術分野で公知の他のものであることが可能である。USP1、UAF1および/またはIDをコードする配列またはその断片の発現は、脊椎動物、好ましくはヒト細胞において作用する当技術分野で公知のいかなるプロモーターによっても可能である。そのようなプロモーターは誘導性でも構成的でも可能である。そのようなプロモーターは、SV40初期プロモーター領域(BernoistおよびChambon、Nature 29:304〜310(1981))、ラウス(Rous)肉腫ウイルスの3’長末端リピートに含有されるプロモーター(Yamamotoら、Cell 22:787〜797(1980))、ヘルペスチミジンプロモーター(Wagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1441〜1445(1981))、メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、Nature 296:39〜42(1982))、等が含まれるが、これらに限定されない。
アンタゴニストポリヌクレオチドは本明細書で開示され例証されている。
いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはUSP1アンタゴニストであり、USP1アンタゴニストは5’−TTGGCAAGTTATGAATTGATA−3’(配列番号53)および/または5’−TCGGCAATACTTGCTATCTTA−3’(配列番号54)である。一実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはUSP1アンタゴニストであり、USP1アンタゴニストは5’−ACAGTTCGCTTCTACACAA−3’(配列番号55)である。例えば、米国特許出願公開第2010/0330599号を参照されたい。これにより前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはID2アンタゴニストであり、ID2アンタゴニストは5’−gcggtgttcatgatttctt−3’(配列番号56)および/または5’−caaagcactgtgtgtgggctga−3’(配列場合57)である。いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはID2アンタゴニストであり、ID2アンタゴニストはWO1997/005283、WO2009/059201およびWO1997/005283に開示されており、これにより前記特許文献の内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはID1、ID2、ID3および/またはID4アンタゴニストであり、ID1、ID2、ID3および/またはID4アンタゴニストはWO2001/066116に開示されており、これにより前記特許文献の内容は参照によりその全体を組み込まれている。
いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはUAF1アンタゴニストであり、UAF1アンタゴニストは5’−CCGGTCGAGACTCTATCATAA−3’(配列番号58)および/または5’−CACAAGCAAGATCCATATATA−3’(配列番号59)である。いくつかの実施形態では、アンタゴニストポリヌクレオチドはUAF1アンタゴニストであり、UAF1アンタゴニストは5’−CAAGCAAGATCCATATATA−3’(配列番号60)である。
F.抗体および結合ポリペプチドバリアント
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体および/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントが想定されている。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改善するのが望ましいことがある。抗体および/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントは、適切な改変を抗体および/または結合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列中に導入することにより、またはペプチド合成により調製しうる。そのような改変には、例えば、抗体および/または結合ポリペプチドのアミノ酸配列からの残基の欠失、および/または内への残基の挿入および/または残基の置換が含まれる。最終構築物が所望の特徴、例えば、標的結合性を有するのであれば、欠失、挿入、および置換のどんな組み合わせでも行って最終構築物に到達することができる。
ある特定に実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換を有する抗体バリアントおよび/または結合ポリペプチドバリアントが提供される。置換的変異誘発のための対象の部位には、HVRおよびFRが含まれる。保存的置換は表1の「保存的置換」の項目の下に示されている。さらに多くの実質的変化は表1の「例となる置換」の項目の下に提供されており、アミノ酸側鎖クラスに関しては下にさらに記載されている通りである。アミノ酸置換は対象の抗体に導入され、生成物は、所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合性、減少した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングされうる。
Figure 2014533927
アミノ酸は、共通の側鎖特性に従ってグループ化されうる。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln
(3)酸性:Asp、Glu
(4)塩基性:His、Lys、Arg
(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを必要とする。
置換的バリアントの一種は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つまたは複数の高頻度可変領域残基を置換することを伴う。一般に、さらなる研究のために選択される1つまたは複数のこうして得られるバリアントは、親抗体と比べてある種の生物学的特性(例えば、増加した親和性、減少した免疫原性)に改変(例えば、改善)を有することになるおよび/または親抗体のある種の生物学的特性を実質的に保持していることになる。例となる置換的バリアントは親和性成熟抗体であり、この抗体は、例えば、本明細書に記載されている技法などのファージディスプレイベースの親和性成熟技法を使用して都合よく産生しうる。手短に言えば、1つまたは複数のHVR残基は変異され、バリアント抗体はファージ上に提示され、特定の生物活性(例えば、結合親和性)を求めてスクリーニングされる。
例えば、抗体親和性を改善するために、HVRにおいて変更(例えば、置換)を加えることもできる。そのような変更はHVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程中に高頻度で変異を受けるコドンによりコードされている残基(例えば、Chowdhury、Methods Mol.Biol.207:179〜196(2008)参照)、および/またはSDR(a−CDR)において加えることができ、こうして得られるバリアントVHまたはVLは結合親和性について試験される。二次ライブラリーを構築しそこから再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboomra、in Methods in Molecular Biology 178:1〜37(O’Brienら、編、Human Press、Totowa、NJ(2001))に記載された。親和性成熟のいくつかの実施形態では、種々の方法(例えば、エラープローンPCR、チェインシャフッリング、またはオリゴヌクレオチド指向性突然変異)のうちのいずれかにより成熟のために選択された可変遺伝子に多様性が導入される。次に、二次ライブラリーが作製される。次に、前記ライブラリーはスクリーニングされて、所望の親和性を有る任意の抗体バリアントを同定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのHVR領域(例えば、1度に4〜6残基)がランダム化されるHVR指向性アプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング変異誘発またはモデリングを使用して、特異的に同定しうる。CDR−H3およびCDR−L3は特に標的にされることが多い。
ある特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、そのような変更が抗原に結合する抗体の能力を実質的に減少させない限り、1つまたは複数のHVR内で起こってもよい。例えば、結合親和性を実質的に減少させない保存的変更(例えば、本明細書で提供される保存的置換)をHVRにおいて加えうる。そのような変更はHVR「ホットスポット」またはSDRの外側であってよい。上に提供されるバリアントVHおよびVL配列のある特定の実施形態では、それぞれのHVRは変更されない、または1つ以下、2つ以下または3つ以下のアミノ酸置換を含有する。
変異誘発のために標的にされうる抗体および/または結合ポリペプチドの残基または領域の同定のための有用な方法は、CunninghamおよびWells(1989)Science、244:1081〜1085により記載されているように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、残基または残基のグループ(例えば、arg、asp、his、lys、およびgluなどの荷電残基)は中性または負電荷を帯びたアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)により同定され置き換えられて、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるかどうかが決定される。追加の置換が前記アミノ酸位に導入されて、最初の置換に対する機能的感受性を実証してもよい。その代わりに、またはそれに加えて、抗体と抗原の間の接触点を同定する抗原−抗体複合体の結晶構造。そのような接触残基および隣接する残基は置換の候補として標的されても取り除かれてもよい。バリアントはスクリーニングされて、所望の特性を含有するかどうかを決定してもよい。
アミノ酸配列挿入には、1残基から100またはそれよりも多い残基を含有するポリペプチドまでの長さに及ぶアミノ−および/またはカルボキシル末端融合物、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入バリアントには、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTのため)またはポリペプチドへの抗体のN−またはC−末端の融合が含まれる。
G.抗体および結合ポリペプチド誘導体
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体および/または結合ポリペプチドは、当技術分野では公知であり容易に入手可能な追加の非タンパク質性部分を含有するようにさらに改変することができる。抗体および/または結合ポリペプチドの誘導化に適した部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的例には、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、デキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキサイド/エチレンオキサイドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、およびこれらの混合物。エチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のおかげで製造に有利でありうる。前記ポリマーはいかなる分子量でもよく、分岐していることも分岐していないこともある。抗体に結合しているポリマーの数は変動してもよく、1つよりも多いポリマーが結合している場合、前記ポリマーは同じまたは異なる分子であることが可能である。一般に、誘導化のために使用されるポリマーの数および/または種類は、改善される抗体および/または結合ポリペプチドの特定の特性または機能、抗体誘導体および/または結合ポリペプチド誘導体が限定された条件下の治療において使用されるのかどうか、等を含むが、これらに限定されない検討事項に基づいて決定することができる。
別の実施形態では、放射線に曝露されることにより選択的に加熱されうる非タンパク質性部分への抗体および/または結合ポリペプチドのコンジュゲートが提供される。一実施形態では、非タンパク質性部分はカーボンナノチューブである(Kamら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600〜11605(2005))。放射線はどんな波長でもよく、普通の細胞を損傷しないが、抗体−非タンパク質性部分の近位の細胞を死滅させる温度まで非タンパク質性部分を加熱する波長を含むが、これに限定されない。
H.組換え法および組成物
抗体および/または結合ポリペプチドは、例えば、米国特許第4,816,567号に記載されている組換え法および組成物を使用して産生しうる。一実施形態では、抗USP1抗体、抗UAF1抗体または抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)をコードする単離された核酸。そのような核酸は抗体のVLを含むアミノ酸配列および/またはVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖および/または重鎖)をコードしうる。追加の実施形態では、抗体および/または結合ポリペプチドをコードするそのような核酸を含む1つまたは複数のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。追加の実施形態では、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。一そのような実施形態では、宿主細胞は、(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列および抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一のベクターおよび抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二のベクターを含む(例えば、これらのベクターで形質転換されている)。一実施形態では、宿主細胞は真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ球細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施形態では、抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/もしく抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)などの抗体ならびに/または結合ポリペプチドを作製する方法であって、抗体および/または結合ポリペプチドの発現に適した条件下で、上に提供される抗体および/または結合ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を培養し、場合により、宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から抗体および/またはポリペプチドを回収することを含む方法が提供される。
抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/もしくは抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)などの抗体ならびに/または結合ポリペプチドの組換え産生では、例えば、上に記載される抗体および/または結合ポリペプチドをコードする核酸は単離され宿主細胞におけるさらなるクローニングおよび/または発現のために1つまたは複数のベクター内に挿入される。そのような核酸は従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離され塩基配列決定される。
ベクターのクローニングまたは発現に適した宿主細胞には、本明細書に記載される原核または真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、特にグリコシル化およびFcエフェクター機能が必要ではない場合は細菌において産生しうる。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、米国特許第5,789,199号、および米国特許第5,840,523号を参照されたい(大腸菌における抗体断片の発現を記載しているCharlton、Methods in Molecular Biology、248巻(B.K.C.Lo,編、Humana Press、Totowa、NJ、2003)、245〜254ページも参照)。発現後、抗体は可溶画分中の細菌細胞ペーストから単離しうる。
原核生物に加えて、そのグリコシル化経路が「ヒト化」されており、部分的にまたは完全にヒトグリコシル化パターンで抗体が産生される真菌および酵母株を含む、繊維状真菌または酵母などの真核微生物はベクターに適したクローニングまたは発現宿主である。Gerngross、Nat.Biotech.22:1409〜1414(2004)、およびLiら、Nat.Biotech.24:210〜215(2006)を参照されたい。
グリコシル化抗体および/またはグリコシル化結合ポリペプチドの発現に適した宿主細胞も多細胞生物(無脊椎動物および脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例には植物および昆虫細胞が含まれる。特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションのために昆虫細胞と併せて使用しうる多数のバキュロウイルス株が同定されている。
植物細胞培養物も宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5,959,177号、米国特許第6,040,498号、米国特許第6,420,548号、米国特許第7,125,978号、および米国特許第6,417,429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIESTM(商標)技術を記載している)を参照されたい。
脊椎動物細胞も宿主として使用しうる。例えば、懸濁液で増殖するように適合されている哺乳動物細胞系統は有用でありうる。有用な哺乳動物細胞系統の他の例は、SV40で形質転換されているサル腎臓CV1系統、ヒト胚性腎臓系統(例えば、Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されている293または293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(TM4 cells as described, e.g., in Mather、Biol.Reprod.23:243〜251(1980)に記載されているTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT060562)、例えば、Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44〜68(1982)に記載されているTRI細胞、MRC 5細胞、およびFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞系統には、DHFR−CHO細胞(Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含む、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ならびにY0、NS0およびSp2/0などの骨髄腫細胞系が含まれる。抗体産生に適したある種の哺乳動物宿主細胞系の概説については、例えば、YazakiおよびWu、Methods in Molecular Biology、248巻(B.K.C.Lo、編、Humana Press、Totowa、NJ)、255〜268ページ(2003)を参照されたい。
本説明は主に抗体および結合ポリペプチドコード核酸を含有するベクターで形質転換されたまたはトランスフェクトされた細胞を培養することによる抗体および/または結合ポリペプチドの産生に関係するが、当然のことながら、当技術分野で周知の代替の方法を用いて抗体および/または結合ポリペプチドを調製しうることを想定している。例えば、適切なアミノ酸配列、またはその一部は固相技法[例えば、Stewartら、Solid−Phase Peptide Synthesis、W.H.Freeman Co.、San Francisco、CA(1969);Merrifield,J.Am.Chem.Soc.、85:2149〜2154(1963)参照]を使用する直接ペプチド合成により産生しうる。インビトロタンパク質合成は手作業技法を使用してまたは自動化により実施しうる。自動化合成は、例えば、製造業者の使用説明書を使用してApplied Biosystems Peptide Synthesizer(Foster City、CA)を用いて実現しうる。抗体または結合ポリペプチドの種々の部分は、別々に化学的に合成され、化学的または酵素的方法を使用して組み合わせて所望の抗体または結合ポリペプチドを産生してもよい。
抗体および結合ポリペプチドの形態は培養培地からまたは宿主細胞ライセートから回収しうる。膜結合している場合は、適切な清浄液(例えば、Triton−X 100)を使用してまたは酵素切断により膜から放出することができる。抗体および結合ポリペプチドの発現において用いられる細胞は、凍結融解サイクリング、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤などの種々の物理的または化学的手段により破壊することができる。
抗体および結合ポリペプチドを組換え細胞タンパク質またはポリペプチドから精製するのが望ましいことがある。以下の手順、イオン交換カラム上での分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ上またはDEAEなどの陽イオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿法;例えば、SephadexG−75を使用するゲル濾過;IgGなどの汚染物質を取り除くためのプロテインA Sepharoseカラム;ならびに抗体および結合ポリペプチドのエピトープタグ付き形態を結合させる金属キレートカラムによるは、適切な精製手順の例である。タンパク質精製の種々の方法を用いることができ、そのような方法は当技術分野では公知であり、例えば、Deutscher、Methods in Enzymology、182(1990);Scopes、Protein Purification:Principles and Practice、Springer−Verlag、New York(1982)に記載されている。選択される1つまたは複数の精製ステップは、例えば、使用される精製工程および産生される特定の抗体または結合ポリペプチドの性質に依拠することになる。
組換え技法を使用する場合、抗体は細胞膜周辺腔の細胞内に産生する、または培地に直接分泌することができる。抗体が細胞内に産生される場合、第一ステップとして、特定のデブリ、宿主細胞または溶解された断片のどちらかは、例えば、遠心分離または限外濾過により取り除かれる。Carterら、Bio/Technology 10:163〜167(1992)は、大腸菌の細胞膜周辺腔に分泌される抗体を単離するための手順を記載している。手短に言えば、細胞ペーストは約30分かけて酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、およびフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で解凍される。細胞デブリは遠心分離により取り除くことができる。抗体が培地に分泌される場合、そのような発現系からの上澄みは一般に先ず市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過装置を使用して濃縮される。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤は前述のステップのいずれかに含まれてタンパク質分解を阻害してもよく、抗体が含まれて偶発的汚染物質の増殖を妨げてもよい。
細胞から調製される抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、およびアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製することができ、アフィニティクロマトグラフィーが好ましい精製技法である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体中に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種およびアイソタイプに依拠する。プロテインAを使用して、ヒトγ1、γ2またはγ4重鎖を主成分とする抗体を精製することができる(Lindmarkら、J.Immunol.Meth.62:1〜13(1983))。プロテインGは、すべてのマウスアイソタイプにおよびヒトγ3に推奨される(Gussら、EMBO J.5:15671575(1986))。親和性リガンドが付着されるマトリックスはアガロースであることが最も多いが、他のマトリックスが利用可能である。制御ポアガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスであれば、アガロースを用いて達成することができるよりも迅速な流速および短い処理時間が可能になる。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker、Phillipsburg、NJ)が精製には有用である。イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)上でのクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング;SDS−PAGE、および硫酸アンモニウム沈殿法などのタンパク質精製のための他の技法も、回収される抗体に応じて利用可能である。
1つまたは複数の任意の予備精製ステップに続いて、対象の抗体および汚染物質を含む混合物は、2.5〜4.5までのpHの溶質バッファーを使用する低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけてもよく、好ましくは低塩濃度(例えば、0〜0.25M塩)で実施される。
III.所望の機能を有するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニストおよび/またはIDアンタゴニストをスクリーニングするおよび/または同定する方法
抗体、結合ポリペプチド、および/または小分子を作製するための技法は上に記載されている。抗USP1抗体、抗UAF1抗体および/または抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)などの抗体をさらに選択してもよく、ならびに本明細書に提供される結合ポリペプチド、および/または結合小分子を、当技術分野で公知の種々のアッセイにより、同定する、これらを求めてスクリーニングする、またはその物理的/化学的特性および/または生物活性について特徴付けてもよい。
本発明の抗体、結合ポリペプチドまたは結合小分子の増殖阻害効果は、当技術分野で公知の方法により、例えば、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)を内因的にまたは1つもしくは複数のそれぞれの遺伝子でのトランスフェクションに続いて発現する細胞を使用してアッセイしうる。例えば、適切な腫瘍細胞系、ならびにUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)ポリペプチドトランスフェクト細胞を、本発明のモノクローナル抗体、結合ポリペプチドまたは他の小分子で数(例えば、2〜7)日間、様々な濃度で処理し、クリスタルバイオレットもしくはMTTで染色し、または何か他の比色アッセイにより分析してもよい。増殖を測定する別の方法は、本発明の抗体、結合ポリペプチドまたは結合小分子の存在または非存在下で処理された細胞による3H−チミジン取り込みを比較することによる方法になるであろう。処理後、細胞は収穫され、DNAに取り込まれた放射線の量がシンチレーション計測器において定量される。適切な陽性対照には、選択された細胞系をその細胞系の増殖を阻害することが分かっている増殖阻害抗体で処理することが含まれる。インビボでの腫瘍細胞の増殖阻害は、当技術分野で公知の様々なやり方で決定することができる。腫瘍細胞は、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)ポリペプチドを過剰発現する細胞であってよい。抗体、結合ポリペプチドおよび/または結合小分子は、一実施形態では約0.5〜30μg/mlの抗体濃度で、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)発現腫瘍細胞のインビトロでのまたはインビボでの細胞増殖を、非処理の腫瘍細胞と比べて約25〜100%、さらに好ましくは約30〜100%、さらに好ましくは約50〜100%または約70〜100%阻害することになる。増殖阻害は細胞培養において約0.5〜約30μl/mlまたは約0.5nM〜約200nMの抗体濃度で測定することが可能であり、増殖阻害は抗体への腫瘍細胞の曝露の1〜10日後に決定される。抗体の約1μg/kg〜約100mg/kg体重での投与により、抗体の最初の投与から約5日〜3か月以内に、好ましくは約5〜30日以内に腫瘍サイズが減少するまたは腫瘍細胞増殖が減少すれば、抗体はインビボで増殖阻害性である。
脱ユビキチン化を阻害する抗体、結合ポリペプチド、および/または結合小分子を求めて選択するため、USP1および/またはUAF1のデユビキチナーゼ活性はUS2010/0330599およびUS2007/0061907に開示されている方法に従って測定しうる。これにより前記特許文献の内容は参照によりその全体を組み込まれている。
細胞死を誘導する抗体、結合ポリペプチド、および/または結合小分子を求めて選択するため、例えば、ヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルーまたは7AAD取り込みにより示される膜統合性の消失は対照と比べて評価しうる。PI取り込みアッセイは補体および免疫エフェクター細胞の非存在下で実施することができる。USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)ポリペプチド発現腫瘍細胞は、培地単独とまたは適切な抗体(例えば、約10μg/mlで)、結合ポリペプチドまたは結合小分子を含有する培地と一緒にインキュベートされる。細胞は3日の期間インキュベートされる。それぞれの処理に続いて、細胞は洗浄され、細胞集塊を取り除くために35mmストレーナーキャップ付き12×75チューブ(チューブあたり1ml、処理群あたり3チューブ)にアリコートされる。次に、チューブはPI(10μg/ml)を受ける。試料はFACSCAN(登録商標)フローサイトメーターおよびFACSCONVERT(登録商標)CellQuestソフトウェア(Becton Dickinson)を使用して解析しうる。PI取り込みにより決定される場合、統計的に有意なレベルでの細胞死を誘導する抗体、結合ポリペプチドまたは結合小分子は細胞死誘導抗体、結合ポリペプチドまたは結合小分子として選択することができる。
対象の抗体が結合しているポリペプチド上のエピトープに結合する抗体、結合ポリペプチド、および/または結合小分子を求めてスクリーニングするため、Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、編 Harlow and David Lane(1988)に記載されているアッセイなどの常用のクロスブロッキングアッセイを実施することができる。このアッセイを使用すれば、試験抗体、結合ポリペプチドまたは結合小分子が既知の抗体と同じ部位またはエピトープに結合するかどうかを決定することができる。その代わりに、またはそれに加えて、当技術分野で公知の方法によりエピトープマッピングを実施することができる。例えば、抗体配列はアラニンスキャニングなどにより変異誘発させて接触残基を同定することができる。変異抗体は最初、ポリクローナル抗体との結合について試験されて適切なフォールディングを確認する。異なる方法では、ポリペプチドの異なる領域に対応するペプチドは、試験抗体とのまたは試験抗体と特徴付けられたもしくは既知のエピトープを有する抗体との競合アッセイに使用することができる。
細胞運命の変化を促進するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを求めてスクリーニングするおよび/または同定する方法であって、基準細胞の細胞運命である(i)基準細胞運命を、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストの存在下での基準細胞の細胞運命である(ii)候補細胞運命と比較し、USP1候補アンタゴニストがUSP1に結合し、UAF1候補アンタゴニストがUAF1に結合し、および/またはID候補アンタゴニストがIDに結合して、それによって基準細胞運命と候補細胞運命の間の細胞運命の違いがUSP1候補アンタゴニストおよび/またはID候補アンタゴニストを細胞運命の変化を促進すると同定することを含む前記方法が本明細書で提供される。
細胞周期停止を誘導するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを求めてスクリーニングするおよび/または同定する方法であって、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストの存在下で(i)基準細胞運命を接触させ、USP1候補アンタゴニストがUSP1に結合し、UAF1候補アンタゴニストがUAF1に結合し、および/またはID候補アンタゴニストがIDに結合して、それによって細胞周期停止がUSP1候補アンタゴニストおよび/またはID候補アンタゴニストを細胞周期停止を誘導すると同定することを含む前記方法も本明細書で提供される。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUSP1候補アンタゴニストである。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがID候補アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、ID候補アンタゴニストは、ID1候補アンタゴニスト、ID2候補アンタゴニスト、および/またはID3候補アンタゴニストである。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUAF1候補アンタゴニストである。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、基準細胞運命は幹細胞運命である。いくつかの実施形態では、幹細胞運命は間葉幹細胞運命である。スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、候補細胞運命は、骨芽細胞運命、軟骨細胞運命、または脂肪細胞運命である。いくつかの実施形態では、候補細胞運命は骨芽細胞運命である。
スクリーニングする方法のいずれかのいくつかの実施形態では、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストは抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである。
I.結合アッセイおよび他のアッセイ
一態様では、本発明の抗体は、例えば、ELISA、ウェスタンブロット、等などの公知の方法によりその抗原結合活性について試験される。
J.診断および検出のための方法および組成物
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)のいずれも、生体試料中のUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の存在を検出するのに有用である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される抗USP1結合ポリペプチド、抗UAF1結合ポリペプチド、および/または抗ID結合ポリペプチド(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)のいずれも、生体試料中のUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の存在を検出するのに有用である。本明細書で使用される用語「検出する」は定量的または定性的検出を包含する。ある特定の実施形態では、生体試料は細胞または骨などの組織を含む。
一実施形態では、診断または検出の方法において使用するための抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)が提供される。追加の態様では、生体試料中のUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の存在を検出する方法が提供される。追加の態様では、個人をUSP1、UAF1、および/またはIDアンタゴニストで治療するのに適していると同定する方法であって、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現(例えば、発現レベル)を決定することを含む方法が提供される。追加の態様では、個人をUSP1、UAF1、および/またはIDアンタゴニストで治療するのに適していると同定する方法であって、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の発現(例えば、発現レベル)を(例えば、基準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)決定することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、基準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療のための個体が選択される。いくつかの実施形態では、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、基準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療のための個体は選択されない。いくつかの実施形態では、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、基準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療のための個体が選択される。いくつかの実施形態では、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つもしくは複数の遺伝子の(例えば、基準値および/または内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療のための個体は選択されない。
ある特定の実施形態では、発現はタンパク質発現である。ある特定の実施形態では、発現はポリヌクレオチド発現である。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドはDNAである。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドはRNAである。
mRNA、タンパク質、または遺伝子増幅の発現を決定するための様々な方法には、遺伝子発現プロファイリング、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、RNA−Seq、FISH、マイクロアレイ解析、遺伝子発現の連続分析(SAGE)、MassARRAY、プロテオミクス、免疫組織化学(IHC)、等が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、タンパク質発現は定量される。そのようなタンパク質分析は、IHCを使用して、例えば、患者腫瘍試料で実施しうる。
一態様では、バイオマーカーのレベルは、(a)試料(例えば、患者腫瘍試料)で遺伝子発現プロファイリング、PCR(例えば、rtPCR)、RNA−Seq、マイクロアレイ解析、SAGE、MassARRAY技法、またはFISHを実施する、および(b)試料においてバイオマーカーの発現を決定することを含む方法を使用して決定される。一態様では、バイオマーカーのレベルは、(a)抗体を用いて試料(例えば、患者腫瘍試料)のIHC分析を実施する、および(b)試料においてバイオマーカーの発現を決定することを含む方法を使用して決定される。いくつかの実施形態では、IHC染色強度は基準値と比べて決定される。
ある特定の実施形態では、方法は、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)への抗USP1抗体の結合を許容する条件下で本明細書に記載される抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)に生体試料を接触させ、抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)とUSP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)の間で複合体が形成されるかどうかを検出することを含む。そのような方法は、インビトロまたはインビボ法でもよい。一実施形態では、抗USP1抗体を使用して、例えば、USP1、UAF1、および/またはID(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)が患者の選択のためのバイオマーカーである場合、抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)を用いた療法にふさわしい対象を選択する。
ある特定の実施形態では、標識された抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、ID1、ID2、および/またはID3)が提供される。標識には、直接検出される標識または部分(例えば、蛍光、発色団、高電子密度、化学発光、および放射標識)、ならびに、例えば、酵素反応または分子相互作用を通じて間接的に検出される酵素またはリガンドなどの部分が含まれるが、これらに限定されない。例となる標識には、放射性同位体、32P、14C、125I、3H、および131I、希土キレートまたはフルオレセインおよびその誘導体などのフルオロフォア、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルセリフェラーゼ(luceriferases)、例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リソザイム、糖類オキシダーゼ、例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸デハイドロゲナーゼ;過酸化水素を用いてHRP、ラクトペルオキシダーゼ、またはミクロペルオキシダーゼなどの色素前駆体を酸化する酵素と結合している、ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼなどの複素環オキシダーゼ;ビオチン/アビジン、スピン標識、バクテリオファージ標識、安定なフリーラジカル、その他同類のものが含まれるが、これらに限定されない。
K.薬学的製剤
本明細書に記載されるUSP1アンタゴニスト、UAF1および/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、および/またはID3アンタゴニスト)の薬学的製剤は、所望の純度を有するそのような抗体を1つまたは複数の随意の薬学的に許容される担体と混合することにより、凍結乾燥剤または水溶液の形態で調製される。いくつかの実施形態では、USP1アンタゴニストおよび/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、またはID3アンタゴニスト)は結合小分子、抗体、結合ポリペプチド、またはポリヌクレオチドである。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度ではレシピエントには無毒であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属複合体(例えば、Zn−タンパク質複合体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。例となる薬学的に許容される担体は、本明細書ではさらに、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などの可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質などの間質性薬分散剤が含まれる。rHuPH20を含む、ある種の例となるsHASEGPおよび使用方法は、米国特許出願公開第2005/0260186号および米国特許出願公開第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つまたは複数の追加のグリコサミノグリカナーゼと組み合わされる。
例となる凍結乾燥抗体製剤は米国特許第6,267,958号に記載されている。水性抗体製剤には、米国特許第6,171,586号およびWO2006/044908に記載されている製剤が含まれ、後者の製剤にはヒスチジン−アセテートバッファーが含まれる。
本明細書の製剤は治療されている特定の適応症に必要な1つよりも多い、好ましくは互いに悪影響を与えない補完的活性を有する活性成分も含有しうる。そのような活性成分は、意図している目的に有効である量で組み合わせて適切に存在している。
活性成分は、コロイド薬送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)においてまたはマクロエマルションにおいて、例えば、コアセルベーション技法によりまたは界面重合により調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ−(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルに封入してもよい。そのような技法はRemington’s Pharmaceutical Sciences 第16版 Osol,A.編(1980)に開示されている。
徐放性製剤を調製しうる。徐放性製剤の適切な例には、抗体を含有する固形疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、前記マトリックスは造形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形状をしている。
インビボ投与のために使用される製剤は一般に無菌である。無菌性は、例えば、除菌膜を通す濾過により容易に実現しうる。
L.製品
本発明の別の態様では、上記障害の治療、予防および/または診断に有用な物質を含有する製品が提供される。製品は、容器および容器上のまたはこれに付属するラベルもしくは添付文書を含む。適切な容器には、例えば、ビン、バイアル、注射器、IV溶液袋、等が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成しうる。容器には、状態を治療する、予防するおよび/または診断するのに単独で効果的なまたはこれに効果的な別の組成物と組み合わされる組成物が入っており、無菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、容器は静脈注射液袋または皮下注射針により突き刺し可能な栓付のバイアルでもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は本発明の抗体である。ラベルまたは添付文書は、組成物が最適の状態を治療するのに使用されることを表示している。さらに、製品は、(a)USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニストおよび/またはIDアンタゴニスト(例えば、ID1アンタゴニスト、ID2アンタゴニスト、またはID3アンタゴニスト)を含む組成物がそこに含有されている第1の容器、ならびに(b)追加の細胞傷害性または他の方法での治療薬を含む組成物がそこに含有されている第2の容器を含んでいてもよい。本発明のこの実施形態における製品は、組成物を使用して特定の状態を治療することができることを表示する添付文書をさらに含んでいてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、製品は、注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容されるバッファーを含む第2(または第3)の容器をさらに含んでいてもよい。製品は、他のバッファー、希釈剤、充填剤、針、および注射器を含む、商業的および使用者の立場から望ましい他の材料をさらに含んでいてもよい。
上記製品のいずれも、抗USP1抗体、抗UAF1抗体、および/または抗ID抗体(例えば、抗ID1抗体、抗ID2抗体、または抗ID3抗体)に代わってまたはこれに加えて本発明の免疫コンジュゲートを含んでいてもよいことは理解される。
以下は本発明の方法および組成物の例である。上で提供される概要を考慮すれば、様々な他の実施形態を実行しうることは理解される。
実施例のための材料および方法
細胞系および培養条件
ヒト細胞系、143B、293T、HOS、MG−63、SAOS−2、SJSA、およびU2−OS(ATCC)は、10%FBS(Sigma)、10ユニット/mlペニシリン、および10μg/mlストレプトマイシン(Gibco)を含むDMEMにおいて維持された。原発性ヒト骨芽細胞(PromoCell)は原発性骨芽細胞培地(PromoCell)に広げられ、上記の通りに補充されたDMEMにおいて継代された。正常骨髄由来の原発性ヒト間葉幹細胞(Lonza)は間葉幹細胞増殖培地(Lonza)で継代された。骨分化研究のため、hMSCは、100ng/mL BMP−9(R&D Systems)を補充された骨分化培地(Lonza)で培養された。原発性ヒト骨肉腫は、CytoMix、LLCから、およびCooperative Human Tissue Networkから入手した。原発性骨芽細胞は、継代2〜3で使用され、RT−PCRにより評価した場合、アルカリホスファターゼ、アラザリンレッド反応性、および骨芽細胞特異的転写物OsterixおよびOsteonectinの発現により確認された。マウスNIH−3T3(ATCC)は補充されたDMEMにおいて培養された。野生型およびUSP1-/-DT−40細胞はK.Patelから寄贈され、7%FBSおよび3%ニワトリ血清を含むRPMI(Gibco)において培養された。MG−132(Calbiochem)は10μMで使用された。シクロヘキシミド(Sigma)は25μg/mlで使用された。
発現ベクター
USP1および変異USP1 C90Sを含むヒトデユビキチナーゼのcDNAは合成され(Blue Heron Biotechnology)、インフレームC末端FlagエピトープのあるまたはなしでpRK2001にクローニングされた。shRNA−抵抗性USP1はコドン保存部位特異的変異誘発により作製された。ID1、ID2、およびID3はジャーカット(Jurkat)由来cDNAから増幅され、C末端FlagエピトープのあるインフレームでpRK2001にクローニングされた。WDR48は発現ベクター(Origene)から増幅され、pRK2001にサブクローニングされた。HAユビキチンをコードするプラスミドは記載されている(Wertzら、Nature 430、694、2004)。切断型マウスMHCクラスIH−2Kk発現ベクターであるpMACSは、Miltenyi Biotec.から入手した。ウイルス発現研究のために、ID2およびUSP1バリアントは、レトロウイルスベクターpQCXIP(Clontech)またはレンチウイルスベクターpHUSH.Lenti.Puro(David Davis、Genentech、BMC Biotechnol.2007 Sep26;7:61)にクローニングされた。
USP1(A−TI333874(配列番号6)5’−TGGTGGACTTTCCAAGATCAACACTCCTT−3’)もしくは(B−TI333876(配列番号7)5’−CAAGGAATCCAGTGACCAAACAGGCATTA−3’)、ID1(TI315979(配列番号8)5’−GAGATTCTCCAGCACGTCATCGACTACAT−3’)、ID2(TI349048(配列番号9)5’−CCTTCTGAGTTAATGTCAAATGACAGCAA−3’)、ID3(TI375157(配列番号10)5’−TGGTCTCCTTGGAGAAAGGTTCTGTTGCC−3’)をターゲティングするpRS発現ベクター中のshRNAベクターまたは非ターゲティング対照配列(pRS30003(配列番号11)5’−TGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGC−3’)はOrigeneから入手した。他の方法で指示がなければ、shUSP1−BはUSP1ノックダウン実験で使用された。
ヒトUSP1(5’−AGGCAATACTTGCTATCTTAAT−3’(配列番号12))、マウスID1(5’−CGCAGCACGTCATCGACTACAT−3’(配列番号13))、マウスID2(5’−CGCAAAGTACTCTGTGGCTAAA−3’(配列番号14))(5’−CGCAGCACGTCATCGATTACAT−3’(配列番号15))、(5’−CTGACTGCTACTCCAAGCTCAA−3’(配列番号16))、マウスID3(5’−CGCCCTGATTATGAACTCTATA−3’(配列番号17))、(5’−ACCTGATTATGAACTCTATAAT−3’(配列番号18))、(5’−CGCCCTCTTCACTTACCCTGAA−3’(配列番号19))をターゲティングするpTRIPZ発現ベクター中のドキシサイクリン誘導性shRNA構築物または非ターゲティング対照はOpen Biosystemsから入手した。
トランスフェクション、細胞選別、RNA、およびタンパク質抽出
U2−OS、HOS、SJSA、SAOS、またはMG−63細胞は10〜25%コンフルエンスまで増殖され、FuGENE6(Sigma)を使用してマーカープラスミドpMACSと組み合わせて指示されたプラスミドをトランスフェクトさせた。トランスフェクト細胞は、MACSセレクトH−2Kkマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)で選別された。RNAは、培養されたまたは選別されトランスフェクト細胞からQiagen RNeasy Miniキットで抽出された。タンパク質は、プロテアーゼ阻害剤カクテルIならびにホスファターゼ阻害剤カクテル1および2(Calbiochem)を補充されたNP−40バッファー(1%NP−40、120mM NaCl、50mM Tris、pH=7.4、1mM EDTA)中での溶解により抽出された。ライセートは解析に先立って、15,000×Gで10分間の遠心分離により澄ませた。タンパク質含有量はBCAタンパク質アッセイ(Thermo Scientific)により正規化された。二重shRNA/siRNA実験では、細胞はFugeneによりDNA発現ベクターをトランスフェクトされ、それに続いて、ヌクレオフェクション溶液V(Lonza)中プログラムX−001でのヌクレオフェクションにより、対照siRNA(センス−5’−AAUUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号20))またはsiRNAターゲティングp21(5’−CGATGGAACTTCGACTTTGTT−3’(配列番号21))をトランスフェクトされた。DT−40細胞は、ヌクレオフェクション溶液T(Lonza)中プログラムB−023でのヌクレオフェクションによりトランスフェクトされた。
抗体、ウェスタンブロッティング、および免疫沈降
ラットモノクローナル抗体はヒトUSP1またはWDR48のC末端100アミノ酸に対して産生されて、モノクローナルUSP1抗体5E10およびWDR48抗体9F10を産生した。ID1、ID2、ID3、E47、およびp53(Santa Cruz Biotechnology)、GAPDH(Assay Designs)、Flag、HA、チューブリン、およびアクチン(Sigma)、p21WAF1/CIP1(Cell Signaling)、E−カドヘリンおよびN−カドヘリン(BD Transduction Labs)、ならびにフィブロネクチン(Calbiochem)は商業的供給源から入手した。免疫沈降は、指示された抗体およびプロテインA/Gアガロースビーズ(Pierce)を用いて10μMのMG−132の存在下で実施された。タンパク質抽出物はBis−Trisゲル(Invitrogen)上で分離され、免疫ブロット解析のために0.2μMニトロセルロース膜(Invitrogen)に移された。
RNA解析
RNAはQiagen RNEasy RNA単離キットを使用して抽出された。USP1(5’:5’−GCCACTCAGCCAAGGCGACTG−3’(配列番号22);3’:5’−CAGAATGCCTCATACTGTCCATCTCTATGC−3’(配列番号23))、ID1(5’:5’−GAGCTGGTGCCCACCCTGC−3’(配列番号24);3’:5’−GATCGTCCGCAGGAACGCAT−3’(配列番号25))、ID2(5’:5’−CAAGAAGGTGAGCAAGATGGAAATCCT−3’(配列番号26);3’:5’−ACAGTGCTTTGCTGTCATTTGACATTAACTC−3’(配列番号27))、ID3(5’:5’−GAGCCGCTGAGCTTGCTGGA−3’(配列番号28);3’:5’−ATGACAAGTTCCGGAGTGAGCTCG−3’(配列番号29))、p21(5’:5’−CTTGGCCTGCCCAAGCTCTACCTTCCCACG−3’(配列番号30);3’:5’−GGGCTTCCTCTTGGAGAAGATCAGCCGGCG−3’(配列番号31))、Runx2(5’:5’−ATGGGACTGTGGTTACTGTCATGGCGGG−3’(配列番号32);3’:5’−CTGGGTTCCCGAGGTCCATCTACTGTAACTTTAATTGC−3’(配列番号33))、Osterix(5’:5’−CTCTCCATCTGCCTGGCTCCTTGGGAC−3’(配列番号34);3’:5’−CCTCAGGCTATGCTAATGATTACCCTCCCTTTTCCC−3’(配列番号35))、Osteonectin(5’:5’−GCACCATGAGGGCCTGGATCTTCTTTCTCC−3’(配列番号36);3’:5’−GGTTCTGGCAGGGATTTTCCGCCACC−3’(配列番号37))またはβ−アクチン(5’:5’−GTCGACAACGGCTCCGGC−3’(配列番号38);3’:5’−GGTGTGGTGCCAGATTTTCT−3’(配列番号39))をターゲティングするDNAオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、QuantiTect SYBR Green RT−PCRシステム(Qiagen)を用いてそれぞれの遺伝子から増幅させ、ABI 7500 Real TimePCRシステム(Applied Biosystems)でサーモサイクラーにかけた。データはSequence Detection Software v1.4(Applied Biosystems)で解析された。β−アクチンmRNAレベルを使用してUSP1およびID mRNAレベルを正規化し、負荷および試料誤差を補正した。
原発性腫瘍RNAデータは、発現プローブ(ID1)で208937_s_、(ID2)で213931_、(ID3)で207826_s_、(USP1)で202412_s_、(p21)で202284_s_、(p57)で219534_x_、(p15)で236313_、および(p16)で207039_を使用して指示されたヒト骨試料中のRNA発現レベルのGeneLogicマイクロアレイ解析(Ocimum Biosolutions)から入手した。試料はHGU133P Affymetrixチップにハイブリダイズされた。
免疫組織化学
ホルマリン固定、パラフィン包埋組織切片をスライドに載せ、脱パラフィンし、dH20で再水和した。抗原を回収するため、試料は99℃で20分間、Target Retrieval Solution(Dako)中でインキュベートされ、20分間で74℃まで冷却された。内在性ペルオキシダーゼ、アビジン、ビオチン、および免疫グロブリンはAvidin/Biotin Blocking Kitバッファー(Vector Labs)中でのインキュベーションによりクエンチされ、続いてRTで30分間、3%BSA中でインキュベートされた。クエンチングに続いて、試料はRTで60分間、一次抗体でインキュベートされ、Dako洗浄バッファーで2回すすがれ、30分間Vectastain Kit(Vector Labs)バッファー中でインキュベートされた。染色はPeroxidase Substrate Buffer(Pierce)中でインキュベートすることにより視覚化された。試料はMayer’s Hematoxylinで対比染色され、撮像に先立ってカバーガラスに載せられた。RT=室温。
フローサイトメトリー
細胞周期解析は、FITC−コンジュゲートH−2Kk抗体(Miltenyi Biotec)で染色し、続いて70%エタノール固定およびRNAse A(Sigma)を用いたヨウ化プロピジウムでのDNA標識化により実施された(Krishanら、J.Cell Biol.66:188、1975)。FITC+細胞のDNA含有量は、FACSCaliburフローサイトメター(BD Biosciences)を使用して評価された。データはFlowJo v8.7.3ソフトウェア(Tree Star,Inc.)を用いて解析された。細胞周期パーセンタイルはFlowJo細胞周期プラットホームを用いて定量された。
hMSCマーカー発現は、CD90(Chemicon)、CD105(R&D Systems)、CD106(SouthernBiotech)、およびCD144(eBioscience)またはアイソタイプ対照(R&D Systems)に特異的なPE−コンジュゲート抗体で染色することにより骨肉腫細胞系およびhMSCで評価された。マーカーの幾何平均発現はFACSCaliburフローサイトメターを使用して定量された。
免疫蛍光アッセイ
記載された通りにベクターを安定的に形質導入されたU2−OS細胞は、チャンバースライド上でコンフルエンスまで増殖され、3μg/mlのドキシサイクリン(Clontech)で14日間処理され、PBS中1%PFAに固定され、E−カドヘリン−FITC、N−カドヘリン(BD transduction laboratories)、またはフィブロネクチン(Calbiochem)で探索された。非連結抗体はヤギ抗マウスFITC(Southern Biotech Associates)で検出された。カバーガラスはProLong Gold封入剤(Invitrogen)をマウントされた。
インビボ脱ユビキチン化アッセイ
293T細胞は記載の通りにトランスフェクトされ、10μMのMG−132および10mMのN−エチルマレイミド(Sigma)を補充されたNP−40バッファー中での溶解に先立って10μMのMG−132で処理された。澄んだライセートは1%SDSで解離され、95℃で5分間煮沸し、次にM2−アガロース抗Flagビーズ(Sigma)を用いた免疫沈降に先立って溶解バッファーに1対20で希釈された。ユビキチンレベルはHA抗体を用いた免疫ブロットにより評価された。
インビトロ脱ユビキチン化アッセイ
293T細胞は、別々のバッチで、USP1−Flag、USP1−C90S−FlagまたはID2−FlagおよびHA−ユビキチンをトランスフェクトされた。ユビキチン化ID2−Flagは、SDS煮沸ライセートから上記の通りに免疫沈降された。USP1およびUSP1 C90Sは、NP−40溶解バッファー中での溶解に続いてFlag M2−アガロースビーズで免疫沈降された。すべての試料は、500μg/mlの3×Flagペプチド(Sigma)でビーズから溶出された。試料は脱ユビキチン化バッファー(20mMのHEPES、20mMのNaCl、100μg/mlのBSA、500μMのEDTA、1mMのDTT、pH=8.3)中で組み換えられ、室温で指示された時間インキュベートされた。ユビキチンレベルはHA抗体を用いた免疫ブロットにより評価された。
骨肉腫分化アッセイ
U2−OS、HOS、またはSAOS細胞は以下の通りにpRS shUSP1またはshCTLを3回トランスフェクトされ、細胞は最初、shUSP1またはshCTLをトランスフェクトされ、2日間培養され、3日間ピューロマイシンで選択された。細胞はpMACSおよびshUSP1またはshCTLをトランスフェクトされ、2日間培養され、抗H−2Kkビーズソート(Miltenyi)により選別され、1日間培養され、連続してshUSP1またはshCTLを再トランスフェクトされた。細胞はさらに3日間培養され、骨芽細胞およびhMSCマーカーは、フローサイトメトリー、リアルタイムRT−PCR、およびALPアッセイにより評価された。143B細胞はpTRIPZベースの誘導性USP1または対照shRNAベクターを形質導入され、ピューロマイシン耐性細胞は継代された。
p−ニトロフェノールリン酸切断アッセイ
細胞ライセートはプロテアソーム阻害剤を用いてNP−40バッファーで産生されたが、ホスファターゼ阻害剤はなく、タンパク質含有量について正規化された。ライセートは、クリアー底96ウェルプレートにおいてp−ニトロフェノールホスファターゼ基質系溶液(Sigma)に添加され、室温で0.5〜20時間インキュベートされた。既知量の4−ニトロフェノール(Sigma)の希釈シリーズは基準として使用された。活性は、SpectraMax 190分光光度計(Molecular Devices)付のOD吸光度測定により405nmで定量され、SoftMax Pro v5.3ソフトウェア(MDS Analytical Technologies)で解析された。データは、タンパク質入力および反応時間について正規化された。
アリザリンレッド染色
8ウェルチャンバースライド上に蒔かれた分化hMSCは、氷冷70%エタノールで30分間固定され、脱イオン水で洗浄され、0.2%アリザリンレッド染色(Ricca Chemical)、pH6.4中で30分間インキュベートされた。染色に続いて、細胞は脱イオン水で2回すすがれ、画像が得られた。
3T3形質転換アッセイ
マウス3T3線維芽細胞は、USP1−Flag、USP1−C90S−Flag、ID2−Flag、または空対照発現ベクターを形質導入され、2日間の発現に続いて、1%寒天ベッド上に0.5%低融点寒天と一緒にFBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEMに蒔かれた。細胞は21日間インキュベートされ、8以上の細胞のコロニーは目視検査によりスコアー化された。USP1形質転換試料由来の形質転換コロニーは寒天から回収され、継代され、軟寒天に再播種されて形質転換を確かめた。すべての継代された試料において強いコロニー増殖が観察された(データは示されていない)。
ID1、ID2、ID3ノックダウン研究では、USP1形質導入された3T3細胞はpTRIPZベースのID1−、ID2−、およびID3誘導性shRNA発現ベクターまたは対照shRNAベクターを形質導入され、寒天包埋に先立って72時間3μg/mlドキシサイクリン(Clontech)で処理された。3μg/mlドキシサイクリンは1%と0.5%寒天の両方に含まれていた。
インビボ研究
8週齢メスNCrヌードマウス(Taconic Laboratories、Hudson、NY)またはC.B−17SCID.bgマウス(Charles Rivers Laboratories、Hollister、CA)は、容積100μlのHBSS中1×106マウス3T3線維芽細胞(USP1、USP1−C90S、ID−2、またはベクター対照を形質導入されている)を右後部横腹に皮下注射された。マウスは、腫瘍定着および増殖ならびに体重変化についてモニターされた。所与の群内のマウスが平均腫瘍量2000mm3を達成するおよび/または接種後40日に達すると、マウスは安楽死され解剖されて、腫瘍形成の存在または非存在を確かめた。
8週齢メスNCrヌードマウスは、容積100μlのHBSS+マトリゲル中2.5×106143BshUSP1細胞を右後部横腹に皮下注射された。ドキシサイクリン処置マウスは、5%ショ糖水中1mg/mLのドキシサイクリン溶液を与えられた。マウスは、腫瘍定着および増殖ならびに体重変化についてモニターされた。所与の群内のマウスが平均腫瘍量2000mm3を達成するおよび/または接種後78日に達すると、マウスは安楽死され解剖されて、腫瘍形成の存在または非存在を確かめた。
USP1-/-マウスの作製
USP1遺伝子標的C57BL/6マウスES細胞は、Knockout Mouse Project(KOMP)Repository(Davis、CA)から入手した。条件付き対立遺伝子はES細胞では、胚盤胞注入に先立ってCreリコンビナーゼを用いたエレクトロポレーションにより除去されていた。
マイクロコンピュータ処理トモグラフィ
d12.5マウス子、受胎18.5日後の胚仔、またはその解剖された大腿骨は、以下のパラメータ:x線チューブエネルギーレベル=大腿で70kVもしくはホールマウスで45kV、またはx線チューブエネルギーレベル=45kV、電流=177μA、積分時間=300ミリ秒、大腿骨では1000プロジェクションを用いたμCT40(SCANCO Medical、Basserdorf、Switzerland)x線マイクロコンピュータ処理トモグラフィシステムで撮像された。軸位像は、大腿骨分析では12μmまたは胎仔/子では30μmの等方性解像度で得られた。ヒドロキシアパタイト(HA)ファントムを使用して、x線吸収を骨塩量(BMD)に較正した。マイクロコンピュータ処理トモグラフィスキャンはAnalyze(AnalyzeDirect Inc.、Lenexa、KS、USA)で解析された。最大値投影およびサジタル平面における3Dサーフィスレンダリングは試料ごとに作成された。スキャン設定に基づいて、収縮−膨脹(erosion−dilation)が続く閾値を適用して、軟組織由来のミネラル化骨格を分割した。
破骨細胞のインサイツTRAP染色
ホルマリン固定パラフィン包埋P12マウス大腿骨由来のスライドに載せた5μmの切片が調製され、製造業者の使用説明書に従って387A酸ホスファターゼ白血球(TRAP)キットを用いるTRAP染色(SIGMA)に供された。列挙研究では、TRAP陽性破骨細胞は10のフィールドで計測された。
デオキシピリジノリンおよびクレアチニン定量化
羊水がE18.5マウスから収集され、デオキシピリジノリンはELISA(TSZ ELISA)により検出され、クレアチニンは製造業者のプロトコールの通りに比色化学アッセイ(R&D Systems)により検出された。
USP1はIDタンパク質を脱ユビキチン化し安定化する
IDタンパク質を安定化するデユビキチナーゼ(DUB)を同定するため、C末端Flagエピトープを有する94のヒトDUBが293T細胞において過剰発現され、ウェスタンブロットにより内在性ID2存在量が評価された(オンラインで入手可能な表S1参照)。293T細胞は、プロテアソーム阻害剤MG−132での処理後にID2が蓄積するので、ID2をプロテアソーム依存的に劣化させる(図2A)。内在性ID2を増加させるDUBは、USP36、USP33、SENP3、SENP5、USP37、OTUD5、USP9Y、USP45、およびUSP1であった(図2A)。ID2発現を増加させる間接的機構を排除するため、ID2相互作用DUB USP1およびUSP33に焦点を合わせた(図2B)。しかし、USP1と違って、USP33はID2に対する脱ユビキチン化活性を欠いていた(データは示されていない)。
USP1がID2の半減期を伸ばすのかどうかを決定するために、293T細胞はUSP1をトランスフェクトされ、翻訳阻害剤シクロヘキシミドで処理された後のID2存在量がモニターされた。新たなタンパク質合成の非存在下では、ID2は対照ベクターをトランスフェクトされた細胞からは急速に排除され、半減期はおよそ2分であった(図1A)。過剰発現されたUSP1はID2の半減期を80分を超えるまで伸ばした。触媒的に不活性な点変異体USP1 C90S(Nijmanら、2005)はID2の半減期を増大しない(図1A)し、ID2の定常状態存在量を変えない(図1B)ので、USP1のタンパク質分解活性はID2蓄積に必要であった。類似の結果はID1およびID3で得られた。USP1は、不安定なIkBaの発現を増強しなかったので、IDを特異的に標的にすると思われる(Palombellaら、1994)。
次に、ID2ユビキチン化に対するUSP1の効果が評価された。野生型USP1はHAタグ付きユビキチンで修飾されたID2の量を減少させたが、USP1 C90Sは減少させなかった(図1C)。基本のID2脱ユビキチン化もUSP1誘導ID2脱ユビキチン化も、USP1のコファクターWDR48の同時発現により増強された(Cohnら、2007)(図1C)。USP1がID2を直接脱ユビキチン化したのかどうかに取り組むため、293T細胞から精製されたユビキチン化ID2は、293T細胞から別々に精製された野生型USP1またはUSP1 C90Sのどちらかと一緒にインビトロでインキュベートされた。ユビキチン化ID2は野生型USP1により減少したが、USP1 C90Sでは減少せず(図1D)、脱ユビキチン化が共溶出したプロテアーゼの結果である見込みはないことが示された。ID2ユビキチン化の減少はN−エチルマレイミドにも感受性であり、システインプロテアーゼの関与が確かめられた(図1D)。ユビキチン化ID2がUSP1基質であることと一致して、欠失変異体USP1D260〜300はID2との相互作用が弱く(図2C)、ID2存在量を増強しなかった(図2D)。
USP1とID2は原発性骨肉腫腫瘍のサブセットにおいて協調的に過剰発現される
USP1がIDタンパク質を脱ユビキチン化する生物学的状況を同定するために、USP1発現パターンが解析された。健康なおよび疾患ヒト組織のマイクロアレイ解析により、骨肉腫腫瘍が健康なまたは骨関節炎骨生検よりも多くのUSP1 mRNAを発現することが明らかにされた(図3A)。原発性ヒト骨肉腫生検の別々のセットのウェスタンブロッティングにより、USP1が、3つの正常な原発性ヒト骨芽細胞試料と比べた場合、14の骨肉腫のうちの7つで上昇していることが分かった(図3B)。驚くべきことに、これらの原発性ヒト腫瘍試料におけるID2タンパク質存在量はUSP1存在量とよく相関していた。1つの異常な試料はUSP1を豊富に含有していたがID2はほとんどなく(図3B、レーン6)、これはおそらくUSP1のコファクターWDR48の発現が不十分だったためである。別の試料は豊富なID2を含有していたがUSP1はほとんどなく(図3B、レーン16)、これはID2ユビキチン化の減少をまたは他のDUBが活性であることを反映している可能性がある。
原発性骨肉腫におけるUSP1タンパク質の量はUSP1 mRNA存在量と大いに相関しており(図3C)、骨肉腫における上昇したUSP1が転写上方調節のためであることが示唆される。これとは対照的に、ID2タンパク質とmRNAレベルの相関は弱かった(図3D)。原発性骨肉腫におけるUSP1とID2の同時過剰発現は、免疫組織化学により確かめられた(図3E〜3G)。これらの結果は、USP1が骨肉腫においてIDタンパク質を翻訳後に改変することを強く示唆している。
USP1は骨肉腫においてIDタンパク質を安定化する
ヒト骨肉腫細胞系におけるおよび原発性骨芽細胞におけるUSP1存在量およびID2安定性も評価された(図5A)。U2−OS骨肉腫細胞では、USP1は上昇しており、正常に不安定なID2は安定していた(図5Aおよび5B)。2つの異なるUSP1 shRNAでのUSP1ノックダウンにより、ID1、ID2、およびID3は減少したが、ID4に対しては何の効果もなかった(図4A)。ID1、ID2、およびID3 mRNAは減少しておらず、IDタンパク質存在量の低下の理由として転写の減少は除外された(図7I)。USP1ノックダウン特異性は、ID1、ID2、およびID3を基本レベルにまで回復させるshRNA抵抗性USP1で確かめられた。USP1触媒活性は、shRNA抵抗性USP1 C90SではIDタンパク質レベルを回復しなかったので、ID安定性には不可欠であった。類似の結果が、骨肉腫細胞系、HOS、SAOS、およびSJSAにおいて観察された(図5C)。USP1ノックダウンはMG−63骨肉腫細胞においてID2存在量に影響を与えなかったが、これはおそらくこれらの細胞がWDR48をほとんど発現しないからである(図5C)。MG−63細胞におけるUSP1活性を制限するWDR48欠損と一致して、異所性WDR48はID2を増加させた(図5D)。
USP1ノックダウンがID1〜3調節bHLH転写活性を減少させたのかどうかを決定するために、U2−OS細胞はEボックス駆動ルシフェラーゼレポーター遺伝子をトランスフェクトされた。USP1 shRNAは、対照shRNAよりも7倍〜10倍このレポーターの発現を増強し、IDタンパク質が減少する場合のbHLHタンパク質の活性化と一致していた(図4B)。shRNA抵抗性野生型USP1は、USP1ノックダウンにより引き起こされるEボックス駆動レポーター活性を抑制したが、USP1 C90Sは抑制せず、USP1触媒活性が、bHLH依存性転写ならびにIDタンパク質安定化に必要であることが確かめられた。
内在性USP1のノックダウンに続くID1〜3の深刻な消失により、プロテアソーム媒介分解によるIDタンパク質の不安定化が示唆された。予想通り、プロテアソーム阻害剤MG−132はそれだけではU2−OS細胞におけるIDタンパク質存在量を変えることはなく、IDはUSP1を高度に発現する細胞では内因的に安定であることが示唆される(図4C)。しかし、MG−132処理ではUSP1ノックダウン後のID発現を回復することはなく、IDタンパク質はUSP1が枯渇するとプロテアソーム媒介排除を受けることが示される。このシナリオに沿って行くと、MG−132処理US−OS細胞におけるUSP1ノックダウンはユビキチン化ID2の量を増加させた(図4D)。
次に、内在性USP1は骨肉腫細胞において内在性IDと会合することが確かめられた。ID2は、U2−OS細胞から内在性USP1と共免疫沈降し(図4E)、1対1の化学量論でではないにしても、一過性の酵素−基質相互作用ではこれが予想されるはずである。類似の結果がHOS細胞において得られた(図5E)。USP1もID2と共免疫沈降した(図4F)。まとめると、これらの結果により、骨肉腫においてはUSP1が強力なDUBならびにID1、ID2、およびID3に対する安定化因子であることが示唆される。
USP1によるID2安定化は骨肉腫という設定に限られてはいなかった。USP1-/-DT40ニワトリB細胞は(Oestergaardら、2007)、類似のレベルのID2 mRNAを発現しているにもかかわらず(図5G)、発現しているID2タンパク質はその野生型細胞よりは少なかった(図5F)。USP1がID2を脱ユビキチン化し安定化することと一致して、MG−132でのプロテアソーム阻害はUSP1-/-ではID2を増加させたが、野生型DT40細胞では増加させなかった(図5H)。さらに、野生型USP1で再構成されたUSP1-/-DT40細胞は、野生型DT40細胞に相当するID2を含有していたが、USP1 C90Sはそうではなかった(図5I)。
骨肉腫においてUSP1はp21媒介細胞周期停止を抑制する
骨肉腫細胞におけるUSP1欠損および増大したbHLH転写活性の一つの潜在的結果はbHLH調節CDKIp21が誘導されることである。実際、p21は、対照shRNAがトランスフェクトされた細胞と比べてUSP1 shRNAがトランスフェクトされたU2−OS細胞では増加していた(図6A)。shRNA抵抗性野生型USP1はp21を対照細胞において観察されるレベルにまで減少させたが、USP1 C90Sは減少させることはなく、この設定におけるノックダウン特異性が確認された。CDKN1Aの周知の誘導因子である腫瘍抑制p53は、USP1ノックダウンにより増加することはなく、増大したp21はp53非依存性であったことが示唆される。
p21は細胞周期進行の強力なインヒビターであり(Polyakら、1996)、したがってUSP1ノックダウンに続くU2−OS細胞の増殖能力が評価された。増大したp21と一致して、USP1ノックダウンはUS−OS細胞増殖を減少させた(図6Bおよび図7A)。shRNA抵抗性野生型USP1は細胞増殖を回復させたが、USP1 C90SもUSP1D260〜300も回復させることはなく(図7Bおよび7C)、USP1触媒活性とID基質認識の両方がU2−OS細胞増殖を維持するには必要であることが示された。USP1ノックダウンは、HOS、SAOS、およびSJSAでは同様に増殖を減少させたが、MG−63骨肉腫細胞では減少させなかった(図7D)。
USP1ノックダウン後のU2−OS細胞におけるDNA含有量のフローサイトメトリー解析により、細胞周期のG1およびG2期の細胞の中程度の増加とS期の細胞の明白な減少が明らかになった(図6Cおよび図7E)。USP1ノックダウンに続くアポトーシス誘導は顕著ではなく、サブデプロイドDNA含有量を有する細胞はほとんど観察されず、アネキシンVで染色された細胞の増加はなくカスパーゼ3のプロセッシングの増加は検出されなかった(図7E;データは示されていない)。意義深いことに、CDKN1A siRNAは、USP1欠損U2−OS細胞においてS期進入を回復させており、p21がUSP1ノックダウンにより誘導される細胞周期停止に不可欠であることが示される。
USP1はIDタンパク質を介して骨肉腫におけるp21発現および細胞周期停止を調節する
USP1の非存在下におけるID分解がp21誘導を引き起こすとすれば、IDタンパク質のノックダウンはUSP1ノックダウンをフェノコピーするはずである。ID1〜3のshRNAノックダウンは個々にはp21レベルを変えないが、ID1、ID2、およびID3のノックダウンを組み合わせるとUSP1ノックダウンに類似してp21を増加させた(図7H)。IDおよびUSP1欠損細胞も匹敵するレベルのCDKN1A mRNAを発現した(図7I)。これらの所見と一致して、ID欠損はUSP1欠損に類似して細胞周期停止を引き起こし(図S3JおよびS3K)、これはp21ノックダウンにより救済された(図6Dおよび6E)。
CDKN1Aは、DNA損傷に応答して活性化されるp53を含む多くの転写因子により調節されている(Kastanら、1991)。p53ノックダウンはU2−OS細胞においてエトポシド誘導p21を阻害したが、USP1ノックダウン後に見られるp21タンパク質の増加をブロックすることはなく(図7L)、p21誘導のp53非依存性機構が支持される。USP1はDNA修復中PCNAおよびFANCD2を標的にすることが報告されているので(Nijmanら、2005;Huangら、2006)、USP1ノックダウンの結果としてのDNA損傷発生が決定された。DNA損傷に関連するH2AXリン酸化(Rogakouら、1999)はエトポシド処理後に増加したが、USP1ノックダウン後には増加しなかった(データは示されていない)。これらの所見は、p53欠損SAOS細胞を停止させるUSP1 shRNの能力(図7D)と併せると、全般的DNA損傷、および特にUSP1ノックダウンに続くp21誘導における媒介物としてのp53は除外される。
USP1は、ID1、ID2、およびID3の異所性発現を有するUS−OS細胞においてUSP1ノックダウンの効果を救済することによりIDを介してp21発現および細胞周期を調節することが確かめられた。USP1枯渇細胞におけるID発現はp21発現を阻害し(図6F)、細胞周期停止をブロックした(図6G)。合わせると、前記結果により、USP1が骨肉腫においてIDタンパク質安定化およびbHLH転写活性の阻害によりp21を抑制することが実証されている。
USP1およびIDタンパク質は骨肉腫において骨原性関与を制限する
骨肉腫は、骨芽細胞、軟骨細胞、および脂肪細胞の無秩序な塊からなる不均一な腫瘍である。これらの腫瘍は、これらの分化系列すべてを生じることができる間葉幹細胞集団から発生すると考えられている(Tangら、2008)。したがって、骨肉腫細胞系は、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)などの古典的骨芽細胞マーカーを発現することができない(Luoら、2008)。骨肉腫細胞系は、CD90、CD105、およびCD106を含む、間葉幹細胞に特徴的な表面マーカーも発現する(Di Fioreら、2009)。幹細胞維持および分化の調節においてIDが果たしている役割に照らして、骨肉腫におけるUSP1またはIDノックダウンのどちらかによる骨芽細胞分化の始動が調べられた。USP1またはID shRNAをトランスフェクトされたU2−OS細胞は対照細胞と比べて発現するCD105、CD106、およびCD90は少なかったが、すべての細胞が同等量の無関係な表面マーカーCD144を発現した(図9A)。類似の結果はHOS、SJSA、およびSAOS細胞系について観察された。USP1またはIDノックダウンは骨芽細胞RUNX2、OSTERIX、およびOSTEONECTINの発現も増加させ(図9B)、ALP活性を増大させた(図9C)。U2−OS細胞におけるUSP1ノックダウンに続くEカドヘリン発現の増加ならびにNカドヘリンおよびフィブロネクチンの減少により、骨肉腫の悪性状態に伴う間葉移行への上皮の逆戻りが示された(図8Aおよび8B)(Thieryら、2009)。まとめると、これらのデータにより、骨肉腫におけるUSP1によるIDタンパク質安定化が正常な骨原性分化プログラムをブロックしていることが示唆される。
腫瘍分化戦略としてのUSP1阻害の潜在力は143B骨肉種異種移植片モデルにおいて調べられた。ドキシサイクリン誘導USP1 shRNAは、異種移植片においてUSP1発現を抑制し、ID1およびID2を減少させた(図8Cおよび図9D)。ID3はこの設定では検出可能ではなかった(データは示されていない)。USP1ノックダウンは、143B腫瘍増殖を減少させ(図8D)、OSTEONECTIN、RUNX2、SPP1/OSTEOPONTIN、OSTERIX、およびBGLAP/OSTEOCALCIN発現を促進し(図8Eおよび図9E)、ALP活性を増強した(図8F)。注目すべきことには、10のUSP1欠損異種移植片腫瘍のうち4つがインサイツでうっ滞および分化に達し、著しく変化した細胞形態および原骨化に一致する無細胞コラーゲン性塊の蓄積を示した(図8G)。増殖し続けた腫瘍は、おそらくshRNAの消失またはサイレンシングによりノックダウンからの逃避の証拠を示した(図9F)。これらのデータにより、USP1を減少させるだけで骨肉種において骨原性分化プログラムを開始するのに十分であることが示される。
調節不全USP1発現はhMSC分化を阻害する
次に、IDのUSP1安定化が正常な間葉幹細胞維持に寄与するかどうかが決定された。USP1は原発性hMSCで発現されるが、細胞が骨芽細胞分化に有利な条件下で培養されると着実に低下した(図10A)。以前の研究(Pengら、2003)と一致して、ID1およびID2は一過性に誘導されるがその後同様に低下した。ID3は検出されなかった(データは示されていない)。これらのデータは、誤制御されたID発現が骨原性分化を阻害することを示す研究(Pengら、2004)と合わせて、USP1過剰発現がhMSC分化を妨害するのかどうかに関する調査を促した。USP1を過剰発現し骨原性分化培地で培養されたhMSCは異常に高いレベルのID1およびID2を発現し(図10B)、低いALP活性を示し(図10C)、RUNX2、OSTERIX、およびOSTEONECTINの最小の誘導を示し(図10D)、骨芽細胞活性の古典的マーカーであるミネラル沈着を明らかにするアリザリンレッドでの染色は不十分であった(図10E)。これらのデータにより、USP1を過剰発現しているhMSCは分化しなかったことが暗示される。類似の分化欠損はID2を過剰発現しているhMSCで観察されたが、USP1 C90Sを過剰発現しているhMSCは対象細胞と同様に分化した。したがって、USP1の触媒活性は必要であり、ID安定化だけで骨原性分化を阻害するのに十分であった。
その一見すると分化できないことと同時に、USP1またはID2を過剰発現しているhMSCは過剰な骨原性分化因子の存在下では著しく増殖した(図10F)。これとは対照的に、対照hMSCまたはUSP1 C90Sを発現しているhMSCの増殖は培養中に分化するにしたがって遅くなった。まとめると、これらの所見によれば、USP1またはID2の過剰発現は、骨原性分化をブロックし、幹様特長の保持を促進し、細胞を分化の合図に抵抗性にするのに十分である。
USP1は形質転換および腫瘍形成を促進する
間葉幹細胞分化を阻害し骨肉種細胞系の増殖を持続するUSP1の能力は、USP1が細胞形質転換を促進する可能性を示唆していた。NIH 3T3細胞は、空ベクター、ID2、USP1、またはUSP1 C90Sを安定的に形質導入された。野生型USP1はID1〜3の発現を増加させ(図11A)、発癌性形質転換の古典的特徴である(HanahanおよびWeinberg、2000)軟寒天における足場非依存性細胞増殖を引き起こした(図11B)。これとは対照的に、空ベクターまたはUSP1 C90Sを形質導入された細胞は軟寒天では十分には増殖しなかった(図11Bおよび11C)。興味深いことに、USP1はID2よりも大きく数が多いコロニーを産生し(図11C)、複数のIDタンパク質の安定化はID2過剰発現単独よりも形質転換性である場合があることが示唆される。
NIH 3T3細胞がC.B−17 SCID.bgマウスに皮下移植されると、インビトロ所見はインビボで繰り返された。対照細胞およびUSP1 C90Sを発現している細胞は測定可能な腫瘍を生じることはなかったが、USP1またはID2を過剰発現している細胞は移植後早くも7日目には測定可能な腫瘍を生じた(図11D)。研究終了点での腫瘍の全体的目視検査により、USP1またはID2を過剰発現している細胞は侵襲性悪性病変を生じたことが確認された(図11E)。類似する結果がNCrヌードマウスで観察された。
ID1、ID2、およびID3 shRNAを用いたUSP1によるNIH 3T3細胞形質転換へのIDの寄与が評価された。ID1〜3の抑制(図11F)により軟寒天におけるコロニー形成がブロックされ(図11G)、IDがNIH 3T3細胞のUSP1形質転換に不可欠であることが示された。
USP1は骨発生を調節する
USP1過剰発現は間葉前駆体の骨芽細胞分化を損なうが、USP1消失は骨肉腫細胞の骨芽細胞分化を引き起こしたので、正常な骨発生の調節におけるUSP1の役割はUSP1遺伝子標的マウスを用いて評価された。P12 USP1-/-マウスは頭蓋および長骨の骨形成に欠損のある骨減少性であった(図12A)。未発育真性肋骨がおそらくUSP1-/-子の致死性チアノーゼ呼吸不全の一因である(Kimら、2009)。USP1-/-新生仔およびE18.5胎仔における骨塩量および容積は野生型同腹仔よりもはるかに少なかった(図12Bおよび12Cならびに図13Bおよび13C)。FANCD2−欠損マウスもPCNA−欠損マウスも出生時致死を示さず(Parmarら、2010;Roaら、2008)、USP1欠損に関連する出生時致死の主因としてこれらUSP1基質の不安定化は排除される。
USP1-/-およびUSP1+/+大腿骨は類似する数の静止、移行性、増殖、および肥大性軟骨細胞を含有していたが、飛び出た骨棘上の類骨の沈着は減少しており、類骨沈着骨芽細胞の活性が低下していることが示唆された(図13D〜13F)。骨芽細胞機能の欠損と一致して、全身的骨芽細胞活性のマーカーである骨アルカリホスファターゼ(BALP)の血清レベルはUSP1-/-E18.5胎仔では減少していた(図12E)。USP1欠損は破骨細胞存在量も活性も変えることはなく(図13G〜13I)、USP1-/-マウスにおける増大した骨吸収は排除された。意義深いことに、ならびに骨肉腫および間葉幹細胞培養物において見られる所見に沿って、USP1-/-大腿骨幹端が含有するID1およびID2はその野生型の相当物よりも少なかった(図12Dおよび図13J)。これらのデータにより、骨肉腫において分化を調節しているUSP1−ID系は正常な骨格の発達において繰り返されることが示されている。
考察
これらの実験により、USP1がID1、ID2、およびID3を脱ユビキチン化し安定化する結果、その存在量が増加することが明らかにされている。意義深いことに、原発性骨肉腫腫瘍のサブセットにおける上昇したUSP1タンパク質およびmRNAは増加したIDタンパク質レベルと相関していた。骨肉腫細胞におけるUSP1ノックダウンにより、IDタンパク質脱安定化、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(CDKI)p21をコードするCDKNIAのp53非依存性誘導、および細胞周期停止が引き起こされた。さらに、間葉幹細胞マーカーの発現が減少し、骨原性分化が再開された。これらのデータは、骨肉腫が、急性前骨髄球性白血病と同様に、分化療法を受け入れられる可能性があることを示唆している(Soignetら、1998)。USP1ノックダウンとは対照的に、原発性ヒト間葉幹細胞(hMSC)におけるUSP1過剰発現はIDタンパク質蓄積を引き起こし、正常な分化を妨げた。実際、USP1は間葉細胞系において形質転換を促進した。最後に、遺伝子標的マウスにおけるUSP1の消失により、重篤な骨減少症が引き起こされ、これは間葉系統におけるUSP1の役割と一貫している。これらの結果により、USP1は発癌能を有しており、正常な間葉幹細胞関与および分化の破壊を通じて腫瘍形成を促進することが強く示唆される。
特に、本研究において、USP1によるID安定化はヒト骨肉腫のかなりの部分を持続していることが明らかにされた。USP1は原発性骨肉腫および骨肉腫細胞系においては頻繁に過剰発現されており(図3)、IDタンパク質を脱ユビキチン化することにより(図1および4)、CDKI p21のbHLH依存性発現を阻害し(図6)、細胞増殖が抑制されなくなった(図8)。USP1過剰発現はいくつかの骨肉腫細胞系の増殖に必要であるだけでなく、USP1過剰発現だけでも、幹様状態の細胞を捕捉して、正常な間葉細胞分化を妨げるのに十分であった(図10)。対照的に、骨肉腫細胞系におけるUSP1ノックダウンは間葉幹細胞マーカーの発現を減少させ、骨原性発生プログラムを開始した(図8)。マウスのけるUSP1欠損は正常な骨形成を損ない、はっきりとした骨減少症が生じた(図12)。したがって、過剰発現したUSP1は間葉幹細胞分化を妨げそれにより悪性間葉細胞集団の発生を助長すると仮定される。
USP1は骨肉腫において過剰発現されたID DUBである
ID2を安定化することができるDUBを求めるスクリーニングにより(図2)、USP1とUSP33の両方が同定されたが、USP33はID2を脱ユビキチン化することはできなかった(データは示されていない)。ID2に結合するUSP33はプロテアソームによるID2認識を妨げ、その分解を防いだ。スクリーニングにおいてID2発現を増強した他のDUBはID2と相互作用するとは思われず、ID2存在量に間接的に影響を及ぼすにちがいない。これらのDUBはID遺伝子発現を上方調節し、ユビキチンコンジュゲーション機構を妨げ、または他の方法でプロテアソーム機能を損なっている可能性がある。例えば、USP9Xは、転写因子SMAD4を脱ユビキチン化し安定化することによりID2遺伝子発現を上方調節している可能性がある(Dupontら、2009)。
骨肉腫のサブセットにおけるUSP1過剰発現(図3)の原因である機構ははっきりしない。USP1 mRNAおよびタンパク質レベルは強く相関しており、転写上方調節が暗示される。とりわけ、最近のCGH解析により、USP1遺伝子座1p31.3は骨肉腫腫瘍の26%〜57%において増幅されていることが見出された(Ozakiら、2003;Stockら、2000)。
USP1は、CDKIp21のID媒介抑圧により増殖を促進する
USP1によるIDタンパク質安定化は、骨肉腫においてbHLH依存性p21発現を妨害することが明らかになった(図4および図S3)。したがって、USP1過剰発現は、複数のCDKIのp53非依存性上方調節により特徴付けられる正常な骨芽細胞分化を撹乱する(Funatoら、2001;Kennerら、2004;Matsumotoら、1998;Yanら、1997;Zhangら、1997)。骨肉腫においてはCDKI機能が損なわれることが多く、プロモーターメチル化に起因する遺伝子不活性化(Ohら、2006)と同じように、CDKN2A/p16INK4aおよびCDKN2B/p15INK4b遺伝子欠失がよく起こる(Millerら、1996;Nielsenら、1998)。これとは対照的に、CDKIの標的であるCDK4は、遺伝子増幅により骨肉腫では過剰発現されることが多い(Ozakiら、2003)。p21のID媒介転写抑圧は、骨肉腫における追加の発癌機構を表している。
IDタンパク質過剰発現は様々なヒト癌において観察されてきたが、主に増大したID転写に起因すると考えられてきた(Perkら、2005)。例えば、骨肉腫に強く類似している類骨腫瘍であるユーイング肉腫においては、ID2はEWS−Etにより転写的に上方調節されている(Nishimoriら、2002)。RB1遺伝子の破壊されたコピーを有する患者は骨肉腫の発生に強く感作し(Friendら、1986)、RBはID2を隔離し不活性化することができる(Iavaroneら、1994;Lasorellaら、2000)。本研究により、骨肉腫においてIDタンパク質、および順にCDKIを調節不全にすることができる追加の機構が明らかにされている。
IDタンパク質は間葉前駆体の骨原性発生を調節する
これらのデータは、正常な骨原性発生におけるIDタンパク質も意味づける。間葉幹細胞におけるID2またはUSP1過剰発現は骨分化を阻害し、間葉幹細胞特長の保持を促進した(図10)。これらの発見は、間葉分化におけるIDタンパク質の役割を記載している最近の研究を支持している(Pengら、2004)。興味深いことに、Id1/Id3化合物ヘテロ接合変異体マウスは頭蓋骨欠損および減少した骨芽細胞増生を示し(Maedaら、2004)、間葉増殖欠損を示唆している。追加のId2欠損が早期致死性によりこの表現型を悪化させるのかどうかは分かっていない。Id遺伝子欠失を間葉系統に制限すれば情報価値があることが判明する可能性がある。
USP1-/-マウスで起きる骨減少症は、骨肉腫におけるUSP1ノックダウンおよび原発性hMSCにおけるUSP1過剰発現により予測される表現型と一致している(図12および図13)。それぞれの設定では、これらのデータにより、USP1−ID系が分化系列決定を阻害していることが示唆される。非依存性USP1欠損マウス系統は、成長阻害および出生時致死性も示した(Kimら、2009)。複数のId遺伝子を欠くマウスは胚形成初期に死亡し(Lydenら、1999)、追加のDUBが初期発生においてIDタンパク質安定性を調節しており、他のDUBがUSP1の非存在を埋め合わせすることができることが示されうる。
最近の研究によれば、骨形成中ID1〜3により阻害されるbHLHタンパク質はHey/Hesファミリーの属している可能性があることが示唆される。Hey1過剰発現は骨芽細胞分化を促進するが、Hey1ノックダウンはそれを阻害した(Sharffら、2009)。同様に、Hes1過剰発現は骨関与を促進した(Suhら、2008)。複数のbHLH転写因子が並行して作用して、骨芽細胞発生を促進する可能性がある。USP1およびIDタンパク質は、間葉幹細胞の分化中に関与するbHLH駆動関与シグナルを広く制限するように配置されていると考えられる。これらの研究に基づいて、USP1は、正常幹(ラテン語で「caulo」)細胞生物学の破壊を通じて腫瘍形成を促進するカウロ(caulo)発癌遺伝子の出現セットに属していることが提唱される。
重大な治療的派生効果を有する結果であるこれらの発見の結果は、USP1プロテアーゼ活性の阻害により、悪性骨肉腫における分化プログラムが開始されるはずであり、増殖能力の急激な低下および形質転換表現型の潜在的逆転がもたらされることである。USP1をターゲティングすれば、FANCD2を含むすべてのUSP1基質に影響すると考えられるが、正常なp53チェックポイントを欠く腫瘍細胞における不完全なDNA修復は架橋化学療法剤またはPARP阻害剤に前記細胞を感作すると予測されているので、これは有益でありうる(D’Andrea、2010)。急性前骨髄球性白血病に対する分化療法としてのヒ素の華々しい成功により証明されているように、癌に対する分化治療は、以前は致死性であった癌の効果的治療に胸躍る選択肢を提供する。USP1をターゲティングすれば、骨原性肉腫にそのような機会を提供しうる。
配列
USP1(配列番号1)
mpgvipsesn glsrgspskk nrlslkffqk ketkraldft dsqeneealkdeanqk dkgnckedsl asyelicslq sliisveqlq asfllnpeky tdelatqprr llntlrelnp myegylqhda qevlqcilgn iqetcqllkk eevknvaelp tkveeiphpk eemnginsie mdsmrhsedf keklpkgngk rksdtefgnm kkkvklskeh qsleenqrqt rskrkatsdt lesppkiipk yisenesprp sqkksrvkin wlksatkqps ilskfcslgk ittnqgvkgq skenecdpee dlgkcesdnt tngcglespg ntvtpvnvne vkpinkgeeq igfelveklf qgqlvlrtrc leceslterr edfqdisvpv qedelskvee sseispepkt emktlrwais qfasverivg edkyfcench hyteaersll fdkmpeviti hlkcfaasgl efdcygggls kintplltpl klsleewstk ptndsyglfa vvmhsgitis sghytasvkv tdlnsleldk gnfvvdqmce igkpeplnee eargvvenyn deevsirvgg ntqpskvlnk knveaigllg gqkskadyel ynkasnpdkv astafaenrn setsdttgth esdrnkessd qtginisgfe nkisyvvqsl keyegkwllf ddsevkvtee kdflnslsps tsptstpyll fykkl
UAF(配列番号40)
maahhrqnta grrkvqvsyv irdevekynr ngvnalqldp alnrlftagr dsiiriwsvn qhkqdpyias mehhtdwvnd ivlccngktl isassdttvk vwnahkgfcm stlrthkdyv kalayakdke lvasagldrq iflwdvntlt altasnntvt tsslsgnkds iyslamnqlg tiivsgstek vlrvwdprtc aklmklkght dnvkalllnr dgtqclsgss dgtirlwslg qqrciatyrv hdegvwalqv ndafthvysg grdrkiyctd lrnpdirvli ceekapvlkm eldrsadppp aiwvattkst vnkwtlkgih nfrasgdydn dctnpitplc tqpdqvikgg asiiqchiln dkrhiltkdt nnnvaywdvl kackvedlgk vdfedeikkr fkmvyvpnwf svdlktgmlt itldesdcfa awvsakdagf sspdgsdpkl nlgglllqal leywprthvn pmdeeenevn hvngeqenrv qkgngyfqvp phtpvifgea ggrtlfrllc rdsggetesm llnetvpqwv iditvdknmp kfnkipfylq phassgaktl kkdrlsasdm lqvrkvmehv yekiinldne sqttsssnne kpgeqekeed iavlaeekie llcqdqvldp nmdlrtvkhf iwksggdltl hyrqkst
ID1アイソフォームa(配列番号2)
mkvasgstat aaagpscalk agktasgage vvrclseqsv aisrcaggag arlpalldeq qvnvllydmn gcysrlkelv ptlpqnrkvs kveilqhvid yirdlqleln sesevgtpgg rglpvrapls tlngeisalt aeaacvpadd rilcr
ID1アイソフォームb(配列番号3)
mkvasgstat aaagpscalk agktasgage vvrclseqsv aisrcaggag arlpalldeq qvnvllydmn gcysrlkelv ptlpqnrkvs kveilqhvid yirdlqleln sesevgtpgg rglpvrapls tlngeisalt aevrsrsdh
ID2(配列番号4)
mkafspvrsv rknslsdhsl gisrsktpvd dpmsllynmn dcysklkelv psipqnkkvs kmeilqhvid yildlqiald shptivslhh qrpgqnqasr tplttlntdi silslqasef pselmsndsk alcg
ID3(配列番号5)
mkalspvrgc yeavcclser slaiargrgk gpaaeeplsl lddmnhcysr lrelvpgvpr gtqlsqveil qrvidyildl qvvlaepapg ppdgphlpiq taeltpelvi sndkrsfch
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上述の発明は、理解の明確さを目的に図解と実施例によりある程度詳細に説明されてきたが、説明と実施例を発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。本明細書に引用されるすべての特許および科学文献は参照によりその全体を明確に組み込まれている。

Claims (39)

  1. 細胞運命の変化を促進するUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストをスクリーニングするおよび/または同定する方法において、基準細胞の細胞運命である基準細胞運命(i)を、USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストの存在下での基準細胞の細胞運命である候補細胞運命(ii)と比較し、USP1候補アンタゴニストがUSP1に結合し、UAF1候補アンタゴニストがUAF1に結合し、および/またはID候補アンタゴニストがIDに結合し、それによって基準細胞運命と候補細胞運命の間の細胞運命の違いがUSP1候補アンタゴニストおよび/またはID候補アンタゴニストを細胞運命の変化を促進するものと同定することを含む方法。
  2. USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUSP1候補アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  3. USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがID候補アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  4. ID候補アンタゴニストが、ID1候補アンタゴニスト、ID2候補アンタゴニスト、および/またはID3候補アンタゴニストである、請求項3に記載の方法。
  5. USP1候補アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストがUAF1候補アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  6. 基準細胞運命が幹細胞運命である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 幹細胞運命が間葉幹細胞運命である、請求項6に記載の方法。
  8. 候補細胞運命が、骨芽細胞運命、軟骨細胞運命、または脂肪細胞運命である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 候補細胞運命が骨芽細胞運命である、請求項8に記載の方法。
  10. USP1候補アンタゴニスト、UAF1候補アンタゴニスト、および/またはID候補アンタゴニストが、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 細胞の細胞運命の変化を促進する方法において、細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む方法。
  12. 細胞周期停止を誘導する方法において、細胞を有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストに接触させることを含む方法。
  13. 細胞が幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞である、請求項11または12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 疾患または障害を治療する方法において、個体に有効量のUSP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストを投与することを含む方法。
  15. 個体が、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療について選択されるか、または個体が、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療について選択されない、請求項14に記載の方法。
  16. 個体が、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)低い発現レベルに基づく治療について選択されるか、または個体が、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療について選択されない、請求項14または15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 個体が、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)上昇した発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性である可能性が高いか、または個体が、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少したまたは著しい変化のない発現レベルに基づく治療に(例えば、治療開始時、中、または前の時点から後の時点まで)応答性ではない可能性が高い、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストが細胞周期停止を誘導する、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストが細胞運命の変化を促進することができる、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 細胞運命の変化を促進することが、CD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて)減少した発現レベルにより示される、請求項11から13および19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 細胞運命の変化を促進することが、p21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子の上昇した発現レベルにより示される、請求項11から13および19または20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している、請求項21に記載の方法。
  23. 疾患または障害が幹細胞運命(例えば、間葉幹細胞運命)を有する細胞を含む、請求項14から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 細胞がCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する、請求項11から13および23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している、請求項19に記載の方法。
  26. 細胞がp21、RUNX2、OSTERIX、SPARC/OSTEONECTIN、SPP1/OSTEOPONTIN、BGLAP/OSTEOCALCIN、およびアルカリホスファターゼ(ALP)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を著しく発現してはいない(例えば、内部標準(例えば、CD144)と比べて発現してはいないまたは低レベルで発現している)、請求項11から13および23から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 疾患または障害が、癌である、請求項14から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 癌が骨肉腫である、請求項27に記載の方法。
  29. 癌がCD90、CD105、CD106、USP1、UAF1、およびID(例えば、ID1、ID2、またはID3)からなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を発現する、請求項27または28に記載の方法。
  30. 1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが内部標準(例えば、CD144)と比べて上昇している、請求項29に記載の方法。
  31. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストがUSP1アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  32. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストがIDアンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  33. IDアンタゴニストが、ID1候補アンタゴニスト、ID2候補アンタゴニスト、および/またはID3アンタゴニストである、請求項3に記載の方法。
  34. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストがUAF1アンタゴニストである、請求項1に記載の方法。
  35. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストが、抗体、結合ポリペプチド、結合小分子、またはポリヌクレオチドである、請求項11から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. USP1アンタゴニスト、UAF1アンタゴニスト、および/またはIDアンタゴニストが抗体である、請求項35に記載の方法。
  37. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項36に記載の方法。
  38. 抗体がヒト、ヒト化、またはキメラ抗体である、請求項1に記載の方法。
  39. 抗体が抗体断片であり、前記抗体断片がUSP1、UAF、および/またはIDに結合する、請求項1に記載の方法。
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