JP2014532771A - 光拡散熱可塑性樹脂組成物及び光拡散部材 - Google Patents
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Abstract
(A)透明な熱可塑性樹脂と、(B)5マイクロメートル〜15マイクロメートルの平均粒径及び600m2/g〜800m2/gのBET比表面積を有する構成成分(B)とを含む光拡散熱可塑性樹脂組成物であって、構成成分(B)の量は構成成分(A)及び(B)の合計量の0.05重量%〜20重量%であり、その光拡散熱可塑性樹脂組成物は、優れた光拡散特性及び高い全光透過率を有し、溶融加工時又は使用時に変色が抑制される。
Description
本発明は、光拡散熱可塑性樹脂組成物、及びそれによって成型された光拡散部材に関する。
透明な熱可塑性樹脂は光を透過し、電気、電子、OA、自動車及びその他の分野において広範囲の用途に使用されており、個々の用途で要求される性能をもたらす樹脂が、用途に合わせて選択されている。透明な熱可塑性樹脂が、特に、液晶表示型テレビの直下型及びエッジライト型バックライトユニット、照明装置カバー、様々な装置のスイッチなどの用途で使用される場合、樹脂が光を透過するので、光源が目で見える。従って、成形された樹脂製品の隠れた光源(ランプ)の形状が認められないような十分な光拡散特性を有する材料が求められている。
従来の技術では、異なる屈折率を有するポリマー又は無機粒子を分散相として、熱可塑性樹脂を使って形成した連続相に添加する方法が、光拡散特性を透明な熱可塑性樹脂に付与する目的で使用された。更に、上記分散相と上記連続相との間の屈折率又は分散相における上記粒子のサイズを調節することによって望ましい光拡散特性を実現する方法が提案されている(日本国特開第2006−321987号及び2007−192866を参照)。
しかし、更により良い光拡散特性が求められている。光拡散剤の組成物、屈折率、粒子形状、粒径等に関連した様々な改良が研究されているが、実現された光学性能は、添加された光拡散剤によって決められ、様々な状況が、光拡散剤を改良することによって要求される光学性能のレベルの実現を困難にしている。同時に、薄い上記ユニット、低生産コスト等の要求による光拡散シートの厚さの低減が、光拡散シート、特に、大型液晶ディスプレイ型テレビ用の直下型バックライトユニットに使用される光拡散シートにおいて必要とされており、この必要性に対応した機械強度を有する光拡散シートが求められている。更に、明るい色を表示するとともに、成型工程時の熱可塑性樹脂の色変化(黄化)を抑制する熱安定性のレベルを有し、成形された樹脂製品に外観不良をもたらし、光源に露出された時に成形された樹脂製品の変色を抑制する例外的な耐光性を有する光拡散シートが、必要に応じ、求められている。
本発明の目的は、高い光透過率でありながら好ましい光分散を有する光拡散熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、高い光透過率、好ましい光拡散特性、色彩安定性、又は耐光性などの優れた光学特性を有する光拡散部材を提供することにある。
発明の開示
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、
(A)透明な熱可塑性樹脂と、
(B)5マイクロメートル〜15マイクロメートルの平均粒径と600m2/g〜800m2/gのBET比表面積を有する有機改質機能性シリカ粒子からなり、
組成物(B)の量は組成物(A)及び(B)の合計の0.05〜20重量%である。
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、
(A)透明な熱可塑性樹脂と、
(B)5マイクロメートル〜15マイクロメートルの平均粒径と600m2/g〜800m2/gのBET比表面積を有する有機改質機能性シリカ粒子からなり、
組成物(B)の量は組成物(A)及び(B)の合計の0.05〜20重量%である。
本発明の光拡散材料は、光拡散熱可塑性樹脂組成物によって成型される。
本発明の効果
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、高い光透過率でありながら好ましい光分散を有する。本発明の光拡散部材は、高い光透過率、好ましい光拡散特性、色彩安定性、又は耐光性などの優れた光学特性を有する。
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、高い光透過率でありながら好ましい光分散を有する。本発明の光拡散部材は、高い光透過率、好ましい光拡散特性、色彩安定性、又は耐光性などの優れた光学特性を有する。
組成物(A)は、透明な熱可塑性樹脂であり、ポリカーボネート樹脂;ポリ(メチルメタクリレート):ポリスチレン;及び、アクリニトリルスチレンコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリルーブタジエン−スチレンコポリマー等のスチレン系のコポリマー;ポリエステル、ポリ(エーテルイミド);ポリイミド;ポリアミド;改質ポリ(フェニレンエーテル);ポリアリレート;シクロオレフィンポリマー;ポリカーボネートをポリエステルと混合して得られたポリマー合金等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタクリレート)、ポリアリレート、スチレン系コポリマー樹脂、及びシクロオレフィンポリマーが好ましい。
本発明で使用されているポリカーボネート樹脂は、様々なジヒドロキシジアリール化合物及びホスゲンが反応できるホスゲン法を用いて、又は、ジヒドロキシジアリール化合物及びジフェニルカーボネート等などのカーボネートエステルが反応できるエステル交換法を用いて得られるポリマーである。典型的な例として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を使用して製造したポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記のジヒドロキシジアリール化合物として、ビスフェノールAに加えて、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ3,5−ジクロロフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン;4,4’ジヒドロキシジフェニルエーテル及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル;4,4’−ジヒドロキシジフェニル硫化物などのジヒドロキシジアリール硫化物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォキシド及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォキシドなどのジヒドロキシジアリールスルフォキシド;及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び4,4’−ジヒドロキシ3−3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン等が、挙げられる。これらは、個別に又は少なくとも2種類の混合物として使用し得る。これらの例に加えて、ピペラジン、ビピペリジルヒドロキノン、レゾルシノール、4.4’−ジヒドロキシフェニル等を混合して使用できる。
更に、上記のジヒドロキシジアリール化合物及び以下に示すものなどの少なくとも3価を有するフェノール化合物を混合して使用し得る。少なくとも3価を有するフェノールとして、フルオログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、及び2,2−ビス[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル]プロパン等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の平均分子量は、通常、10,000〜100,000で、好ましくは、15,000〜35,000、最も好ましくは17,000〜28,000である。このようなポリカーボネート樹脂を製造する時、分子量調整剤、触媒等を、必要に応じて、使用し得る。
構成成分(B)は、有機改質機能性シリカ粒子で、5マイクロメートル〜15マイクロメートルの平均粒径と600m2/g〜800m2/gのBET比表面積を有する。構成成分(B)は、90%以上の気孔率を有する高多孔性シリカ粒子であり得る。構成成分(B)は、その表面上に、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルビニルシリル、ジメチルフェニルシリルなどの有機官能基を有する。結果として、構成成分(B)は、完全に疎水性である。
有機改質機能性シリカの製造方法は限定されない。例えば、米国特許第7,470,725号は次の工程から成る方法を記述している。
a)シリカエーロゲルの表面をシリル化剤で改質する工程と、
b)工程a)で得られた表面改質ゲルを乾燥する工程。
a)シリカエーロゲルの表面をシリル化剤で改質する工程と、
b)工程a)で得られた表面改質ゲルを乾燥する工程。
シリル化剤は、原則として、任意の凝集状態でよいが、液状であることが好ましく、及び/又は気体又は蒸気でよい。シリル化剤が気体及び/又は蒸気として使用される場合、水性シリカエーロゲルの温度は、20〜100℃、特に好ましくは、40〜100℃、及び、特に60〜100℃が好ましい。加圧状態の場合、ゲル毛管内の水の沸騰を避けるために、高温も可能である。シリル化剤が液体として使用される場合、水性シリカエーロゲルの温度は、20〜100℃であることが好ましい。加圧状態の場合、ゲル毛管内の水の沸騰を避けるために、高温も可能である。シリル化剤が、気体/及び蒸気として使用される場合、シリル化剤は反応時に、ガス流体中又は静止ガス雰囲気中に存在し得る。気相におけるシリル化剤の温度は、圧力によって又は追加のガス流体によって増加し得る。
好ましい実施形態において、シリル化剤は、液相において導入し得る。この場合、シリル化剤は、液相として直接に使用でき、及び/又は使用するガスの縮合の結果、ヒドロゲルの表面に形成し得る。液相の温度は、0℃とシリル化剤の沸点の間であり得る。好ましい温度は、20〜100℃である。必要であれば、高温で圧力下で使用することも可能である。一般的に、表面シリル化は、高温であるほどより速く起こる。
好ましい実施形態において、式Iのジシロキサン及び/又は式IIのジシラザンがシリル化剤として使用される。
R3Si−O−SiR3 (I)
R3Si−N(H)−SiR3 (II)
これらの式において、Rは同一又は異なり、それぞれ非反応性の、有機、直鎖、分岐状、環状、飽和又は不飽和状態芳香族又は複素芳香族ラジカル、好ましくは、C1〜C18アルキル又はC6〜C14アリール、特に好ましくは、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル又はフェニル、特にメチル又はエチルである。工程a)におけるシリカエーロゲルは、両方のSi原子が同じRである対称ジシロキサンと反応されることが好ましい。全てのRが同一であるジシロキサンを使用することが特に好ましい。特に、ヘキサメチルジシロキサンが使用される。
R3Si−O−SiR3 (I)
R3Si−N(H)−SiR3 (II)
これらの式において、Rは同一又は異なり、それぞれ非反応性の、有機、直鎖、分岐状、環状、飽和又は不飽和状態芳香族又は複素芳香族ラジカル、好ましくは、C1〜C18アルキル又はC6〜C14アリール、特に好ましくは、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル又はフェニル、特にメチル又はエチルである。工程a)におけるシリカエーロゲルは、両方のSi原子が同じRである対称ジシロキサンと反応されることが好ましい。全てのRが同一であるジシロキサンを使用することが特に好ましい。特に、ヘキサメチルジシロキサンが使用される。
更に、当業者には周知の、水と不混和性の全てのシリル化剤を使用できる。シリル化剤が大部分で又は全体的に水に不溶性である場合、シリル化剤は、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)の場合のように、水をゲルへ添加し除去する結果として形成される水相から容易に分離される。これによって、余分の試剤を再生利用できる。この方法により、例えば、過剰の濃縮物を使用してシリル化時間を最小限にすることが可能である。
また、実際のシリル化反応に必要なシリル化剤は、他の物質、好ましくは他のシリル化剤から生成し得る。これは、シリル化の直前及び/又はシリル化中に実施し得る。また、更に、これは、シリカエーロゲルの内表面上の反応の直前及び/又は反応中までに実施できない。このような状況で、用語シリル化剤は、実際のシリル化に必要な物質又は、原則として、互いに化学平衡状態にある物質の混合物も含む。この混合物は、例えば、触媒として作用する塩基又は酸を含み得る。
工程a)における表面シリル化は、少なくとも1つのシリル化剤が存在する時、及び、必要な場合、少なくとも1つの酸又は塩基、好ましくは上記の酸と塩基、が既にシリカエーロゲル中に存在する時に起こる。
このような有機改質機能性シリカ粒子は、Dow Corning Corporation社から「Dow Corning(登録商標)VM−2270 Aerogel Fine Particle」として市販されている。
構成成分(B)の量は、構成成分(A)及び(B)の合計量の0.05〜20重量%である。この量が0.05重量%以下である場合、十分な光拡散効果を達成することが難しく、かつ十分な機械強度が得られないので、このオプションは好ましくない。同様に、この量が20重量%以上である時、光透過が悪影響を受け、十分な光拡散性能を達成できないので、このオプションは好ましくない。0.1〜10重量%、特に、0.1〜5重量%がより好ましい。
更に、安定性が必要とされる場合、様々な周知の酸化防止剤を添加し得る。多様な酸化防止剤として、亜リン酸塩タイプ酸化防止剤、リン酸塩タイプ酸化防止剤、亜ホスホン酸タイプ酸化防止剤エステル、及び亜ホスホン酸エステルタイプ酸化防止剤を、挙げることができる。上記酸化防止剤のうち、フェノール又はビスフェノール、三ハロゲン化リン及びアミン化合物の反応を可能にすることによって調製される環状亜リン酸エステルタイプの化合物が特に好ましい。
酸化防止剤の量は、構成成分(A)及び(B)の100重量部当たり1重量部又は以下であってよい。この量が1重量部を超える場合、樹脂の悪化が加速され、十分な機械強度が得られないので、このオプションは好ましくなくなる。0.05重量部〜0.6重量部の範囲が好ましい。
更に、安定性が必要とされる場合、様々な周知の紫外線吸収剤を添加してもよい。多様な紫外線吸収剤として、ベンゾフェノンタイプの紫外線吸収剤、トリアジンタイプの紫外線吸収剤、マロン酸エステルタイプの紫外線吸収剤、及びオキサルアニリドタイプの紫外線吸収剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、個々に又は少なくとも2つの組み合わせで使用し得る。これらの紫外線吸収剤のうち、下記の化学式で表されるオキサニリド骨格中の2つの窒素原子上で対称的に置換されるアルキル基及びアルコキシ基を含有する構造の紫外線吸収剤の使用が理想的である。N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)ショウ酸ジアミドが、格別に理想的である。
紫外線吸収剤の量は、構成成分(A)及び(B)の100重量部当たり0.01重量部〜0.8重量部でよい。この量が0.01重量部以下であった場合、十分な耐光性が達成できないので、このオプションは好ましくなくなる。同様に、添加量が0.8重量部を超えると、熱安定性が低下するので、このオプションは好ましくなくなる。0.05重量部〜0.6重量部の範囲がより好ましい。
更に、難燃性が必要とされる場合、多様な周知の難燃剤を添加し得る。多様な難燃剤として、テトラブロモビスフェノールAオリゴマー等の臭素系難燃剤;リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル等のモノリン酸エステル;ビスフェノールAニリン酸塩、レゾルシノールニリン酸塩、テトラキシレニール(tetraxylenyl)レゾルシノールニリン酸塩糖などのオリゴマータイプの縮合リン酸エステル;ポリリン酸アンモニウム、赤燐等のリン系難燃剤;様々なシリコーン系難燃剤及び芳香族スルホン酸金属塩、及び、例えば、難燃性を高めるために使用するペルフルオロアルカンスルホン酸金属塩が挙げられる。理想的には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルホニルベンゼンスルホンアミドカリウム塩、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム−3−スルホネート、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム等も添加し得る。
上に列記した周知の添加材に加えて、潤滑剤(パラフィンワックス、ステアリン酸n−ブチル、合成蜜蝋、天然蜜蝋、グリセリンモノエステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、テトラステアリン酸ペンタエリトリトール等)、着色剤(例えば、酸化チタン、カーボンブラック、及び染料)、充填剤(炭酸カルシウム、粘度、シリカ、ガラス繊維、グラス球、グラスフレーク、カーボン繊維、タルク、雲母、様々なウイスカ等)、流動調整剤、現像剤(エポキシ化大豆油、流動パラフィン等)、その他の熱可塑性樹脂及び様々な耐衝撃性改良剤(ポリブタジエンタイプゴム、ポリ(アクリレートエステル)ゴム、エチレン−プロピレンタイプゴム等が例として列記されるようなゴムの上にメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等などのような化合物のグラフト重合によって得られたゴム強化樹脂)を、例えば、必要に応じて、本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物に添加し得る。
本発明を実行する順序は全く制限されていない。例えば、構成成分(A)及び(B)並びに酸化防止剤、紫外線吸収剤又は難燃剤が任意選択の量で測り取られ、タンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等のいずれかを使用して混合され、その混合物を通常の1軸又は2軸押出機で溶融及びコンパウンド化してペレットを形成する方法と、個々の構成成分の一部又は全てが別々に測定され、複数の供給装置から押出成形機に添加され、溶融及び混練される方法と、及び、更に高濃度の構成成分(A)及び酸化防止剤、紫外線吸収剤、又は難燃剤を添加、溶融、及び一旦混合して、マスターバッチのペレットを形成し、得られたマスターバッチを構成成分(B)と必要な比率で混合する方法、とを使用できる。これらの構成成分を溶融及び混合する時、押出成形機内の添加位置、押出温度、軸回転速度、供給量等の条件がペレット形成の状況によって任意に選択される。更に上記のマスターバッチ及び構成成分(B)は、必要な比率で混合でき、その後、射出成型機又はシート押出成形機に直接添加して成型品を得ることができる。更に、本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物を成型する方法は、特別な制限がなく、周知の射出成型法、射出圧縮成型法、押出成形法等を使用できる。
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、一般的な熱可塑性プラスチックの成形法応用を実施でき、例えば、ペレット型樹脂組成物からの射出成型、射出圧縮成型及び押出成形が生産性の観点から可能である。また、本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、押出成形を伴うシート状成形品からの真空成型、圧力成型等によるターゲットのプラスチック固体として考えられる。
本発明の光拡散材料は、光拡散熱可塑性樹脂組成物によって成型されるので、液晶ディスプレイの導光板、拡散板、反射板、保護フィルム、位相差フィルム、照明カバー、透過型の画面、様々なディスプレイ等が言及されているが、特に、液晶ディスプレイの光学部材として便利に使用し得る。
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物と光拡散部材を、実施例と比較例を参照してより詳細に説明する。
[実施例1〜4及び比較例1]
99.90(実施例1)、99.80(実施例2)、99.50(実施例3)及び99(実施例4)重量部のポリカーボネート樹脂のフレーク(屈折率1.58を有し、インディアナ州のReliance Industries社製)を先ず、予熱されたオーブン内で30分間110℃で予熱し、水分を取り除いてそれぞれ0.1、0.2、0.5、及び1の重量部のトリメチルシリル改質機能性シリカ粒子(Dow Corning Corporation社製「Dow Corning(登録商標)VM−2270 Aerogel Fine Particles」、平均粒径は、5〜15マイクロメートルで、バルク密度は40〜100Kg/m3の範囲であり、BET比表面積は600〜800m2/gであって、気孔率は約>90%)と射出成型機のホッパー内で混合した。この混合物を150−t射出成型機に送り込み、7cm(長さ)、2.5cm(幅)、0.3cmブレス(breath)の寸法を有する標本を形成した。組成が異なる合計4つの標本を開発し、その後、試験をして光学特性を測定した。標本の成型温度は240℃〜270℃の範囲であった。
99.90(実施例1)、99.80(実施例2)、99.50(実施例3)及び99(実施例4)重量部のポリカーボネート樹脂のフレーク(屈折率1.58を有し、インディアナ州のReliance Industries社製)を先ず、予熱されたオーブン内で30分間110℃で予熱し、水分を取り除いてそれぞれ0.1、0.2、0.5、及び1の重量部のトリメチルシリル改質機能性シリカ粒子(Dow Corning Corporation社製「Dow Corning(登録商標)VM−2270 Aerogel Fine Particles」、平均粒径は、5〜15マイクロメートルで、バルク密度は40〜100Kg/m3の範囲であり、BET比表面積は600〜800m2/gであって、気孔率は約>90%)と射出成型機のホッパー内で混合した。この混合物を150−t射出成型機に送り込み、7cm(長さ)、2.5cm(幅)、0.3cmブレス(breath)の寸法を有する標本を形成した。組成が異なる合計4つの標本を開発し、その後、試験をして光学特性を測定した。標本の成型温度は240℃〜270℃の範囲であった。
クライオSEM(走査電子顕微鏡観察)及びEDX(エネルギ分散型X線)などの分析評価を各標本について行った。標本の光学特性並びに分析研究との評価は表1に記載されている。様々な標本のクライオSEM分析を表1(a)〜(d)に示す。EDX分析及びポリカーボネートマトリックスにおけるシリコーン分布を図2に示す。これらは、シリコーンがポリカーボネートマトリックスに均一に分布していることを明らかに示している。測光評価をC−ガンマタイプフォトゴニオメーター(回転対称及び平面対称のため)を使って行った。極座標曲線(垂直回転(90)及び横向き回転(0))を0〜180の角度について記録し、主要データを表1に示す。測光研究時、読み値を電流入力0.034A、ワット数入力4.1W、電圧入力DC 12Vで記録した。これは、IS基準、IS:10322(PART4)−1984 IS:10322(PART5/SEC3)−1987 IS:10322(PART5/SEC4)−1987 IS:10322(PART4/SEC5)−1987から採用された。表1からわかるように、実施例1で使用した少量の添加剤は、光拡散特性が比較例で得られたものを上回る組成物を得るには十分であり、その他の特性は同等か又は改良されていた。この効果は、実施例2,3、及び4でも見られた。実施例3及び4では、全ルーメン出力の点で効果が下回っていたが、その他の特性は優れており、従って特定の用途において、この範囲の量の添加剤を使用することが適切であり得る。
産業上の利用可能性
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、高い光透過率でありながら好ましい光分散を有する。その結果、光源の形状が視認できないにもかかわらず、光線は容易に光拡散熱可塑性樹脂組成物を貫通した。更に、有機改質機能性シリカ粒子は、高い熱安定性及び光安定性、低い比重、優れた耐化学薬品性、はっ水性、優れたマトリックス樹脂との適合性、低い水分吸着を有する。また、拡散体の添加率が非常に低いので、より薄いパネル開発に適している。本発明の光拡散部材は、高い光透過率、良好な光拡散特性、色彩安定性、又は耐光性などの優れた光学特性を有する。従って、熱可塑性樹脂におけるSiの優れた、かつ均質な拡散が推奨されている用途、環境照明、家庭用照明、道路照明などの異なる照明用途に使用する複合材パネルでの使用に有利である。
本発明の光拡散熱可塑性樹脂組成物は、高い光透過率でありながら好ましい光分散を有する。その結果、光源の形状が視認できないにもかかわらず、光線は容易に光拡散熱可塑性樹脂組成物を貫通した。更に、有機改質機能性シリカ粒子は、高い熱安定性及び光安定性、低い比重、優れた耐化学薬品性、はっ水性、優れたマトリックス樹脂との適合性、低い水分吸着を有する。また、拡散体の添加率が非常に低いので、より薄いパネル開発に適している。本発明の光拡散部材は、高い光透過率、良好な光拡散特性、色彩安定性、又は耐光性などの優れた光学特性を有する。従って、熱可塑性樹脂におけるSiの優れた、かつ均質な拡散が推奨されている用途、環境照明、家庭用照明、道路照明などの異なる照明用途に使用する複合材パネルでの使用に有利である。
Claims (6)
- 光拡散熱可塑性樹脂組成物であって、
(A)透明な熱可塑性樹脂と、
(B)5マイクロメートル〜15マイクロメートルの平均粒径及び600m2/g〜800m2/gのBET比表面積を有する有機改質機能性シリカ粒子とからなり、
構成成分(B)の量が、構成成分(A)及び(B)の合計量の0.05〜20重量%である、光拡散熱可塑性樹脂組成物。 - 構成成分(A)が、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアリレート、ポリスチレン、スチレン系コポリマー、及びシクロオレフィンポリマーから成る群から選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の光拡散熱可塑性樹脂組成物。
- 構成成分(B)が、その表面上にトリオルガノシリルラジカルを有する、請求項1に記載の光拡散熱可塑性樹脂組成物。
- 前記構成成分(B)の量が、構成成分(A)及び(B)の合計量の0.1〜10重量%である、請求項1に記載の光拡散熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の光拡散熱可塑性樹脂組成物によって成型される光拡散材料。
- 前記材料がシートの形状を有する、請求項5に記載の光拡散材料。
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