JP2010138212A - 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光拡散板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)90〜99.9重量%およびポリカプロラクトン(B)0.1〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0.001〜0.1重量部からなる樹脂組成物であって、当該蛍光増白剤(D)が特定の分光特性を有していることを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物、ならびにそれを成形してなる光拡散板の提供。
【効果】光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる光拡散板は、より一層高度な光拡散性、輝度という光学的性能を有しているため、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いられる。
【選択図】なし
【効果】光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる光拡散板は、より一層高度な光拡散性、輝度という光学的性能を有しているため、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、光拡散性および輝度に優れた光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物、ならびにそれからなる光拡散板に関する。詳しくは、光源を覆う部材、例えば液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの光拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般などに好適に用いられる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれを成形してなる光拡散板を提供するものである。
ポリカーボネート樹脂は、光透過性を有することから電気・電子・OA、自動車などの分野において広範に使用されており、各分野ではそれぞれ求められる要求性能を満足する樹脂が選択され使い分けがなされている。特に、液晶テレビの直下型およびエッジライト型ユニット、照明器具カバーおよび各種デバイスのスイッチ類などの用途では、ポリカーボネート樹脂を使用すると光を透過するため光源が透けて見えてしまうことから、樹脂成形品の背後にある光源(ランプ)の形状を認識させることなく、また光源の輝度をできるだけ損なわないような光拡散性を付与した材料が望まれている。
ポリカーボネート樹脂に光拡散性を付与する目的で、従来技術では連続相を形成するポリカーボネート樹脂に、それとは屈折率が異なる高分子系や無機系の粒子を分散相として配合する方法が採用されている。また、当該分散相と連続相の屈折率の差の範囲や分散相の該粒子の大きさを調整して所望の光拡散性を発現する方法が提案されている。
特開昭60−184559号公報
特開平3−143950号公報
しかしながら、従来技術以上により高度な光拡散性および輝度を付与することが求められており、光拡散剤の組成、屈折率、粒子形状、粒子径などの面から種々の改良検討がなされているものの、発現する光学的性能は配合する光拡散剤によって決まってしまうことや、もはや光拡散剤の改質では要求される水準の光学的性能の達成は困難な状況にあった。
本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂と光拡散剤からなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物にポリカプロラクトンおよび特定の分光特性を有する蛍光増白剤を組合せて配合することにより、驚くべきことに輝度、色相が特異的に向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)90〜99.9重量%およびポリカプロラクトン(B)0.1〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0.001〜0.1重量部からなる樹脂組成物であって、当該蛍光増白剤(D)が下記の分光特性を有していることを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物、ならびにそれを成形してなる光拡散板を提供するものである。
分光特性:
蛍光増白剤濃度780ppmのポリカーボネート樹脂を用いて射出成形法で得た
厚さ2mmの平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて測定した
際に、光線透過率が
波長410nmにおいて20%以上および
波長440〜730nmの領域において85%以上、
であること。
分光特性:
蛍光増白剤濃度780ppmのポリカーボネート樹脂を用いて射出成形法で得た
厚さ2mmの平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて測定した
際に、光線透過率が
波長410nmにおいて20%以上および
波長440〜730nmの領域において85%以上、
であること。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる光拡散板は、より一層高度な光拡散性、輝度という光学的性能を有しているため、光源を覆う部材、すなわち液晶テレビの直下型バックライトユニットおよびエッジライト型ユニットの拡散板、照明器具のグローブボックス、各種デバイスのスイッチ類および光拡散性を必要とする用途全般に好適に用いられる。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用される。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂(A)を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用されるポリカプロラクトン(B)は、ε−カプロラクトンを触媒存在下で開環重合して製造されるポリマーであり、とりわけ2−オキセパノンのホモポリマーが好適に用いられる。該ポリマーは市販品として容易に入手可能で、ダウ・ケミカル社製トーンポリマー、ソルベイ社製CAPAなどが用いられる。ポリカプロラクトン(B)の粘度平均分子量としては、10000〜100000のものが好適で、さらに好ましくは40000〜90000である。
さらに、ポリカプロラクトン(B)には、ε−カプロラクトンを開環重合させる際に、1,4−ブタンジオールなどと共存させて変性したものや分子末端をエーテルあるいはエステル基などで置換した変性ポリカプロラクトンも含まれる。
ポリカプロラクトン(B)の組成比率は、本発明の(A)および(B)からなる樹脂成分を基準にして0.1〜10重量%である。組成比率が0.1重量%未満であると、光拡散効果が得られず、十分な輝度が得られないため好ましくない。一方、10重量%を越えると、極端な耐熱性の低下が起こり、成形加工前の予備乾燥工程においてペレットが固着し、ブロッキングが発生することから好ましくない。より好ましい組成比率としては、0.2〜7.0重量%である。
本発明にて使用される光拡散剤(C)とは、高分子系および無機系など化学組成上特に制限はないが、本発明の樹脂成分(A)および/または(B)に光拡散剤(C)を添加し、押出機による溶融混合など公知の方法にて分散させた際にマトリックス相と相溶しないか、あるいは相溶しにくく粒子として存在することが必要である。
光拡散剤(C)の具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、シリコーン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、リン酸チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウム、マイカ、ガラスフィラー、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリコーンゴム状弾性体、ポリメチルシルセスオキサンなどの無機系拡散剤、アクリル系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ウレタン系、ナイロン系、メタクリレート−スチレン系、フッ素系、ノルボルネン系などの有機系拡散剤などが挙げられる。
このうち、シリコーン系ではモメンティブ社のトスパール120S、アクリル系ではガンツパールGM0449S等が好適に用いられる。
さらに、光拡散剤(C)の粒子径としては、該拡散剤を添加することにより所望の光拡散性が得られるものであれば特に制限はないが、平均粒子径として1〜30μm程度のものが好ましい。1μm未満であると光を透過するのみで、もはや光拡散効果が得られにくくなり好ましくない。一方、30μmよりも大きくなると、十分な光拡散効果が得られず視認性に劣ることから好ましくない。また、粒径分布としては特に制限はないが、0.1〜100μm程度であり、好ましくは0.1〜25μmである。さらに、平均粒子径、粒径分布および種類の異なる2種類以上の光拡散剤を併用してもよく、粒径分布が一様ではなく、2つ以上の粒径分布を有するものなどを単独または併用して使用することもできる。
光拡散剤(C)の配合量としては、本発明の(A)および(B)からなる樹脂成分100重量部あたり0.1〜10重量部である。配合量が0.1重量部未満であると十分な光拡散効果が得られにくくなるため好ましくない。一方、10重量部を越えると光の透過性が損なわれ、十分な光拡散性能が得られなくなるため好ましくない。より好ましくは、0.2〜6重量部の範囲である。
本発明にて使用される蛍光増白剤(D)は、下記の分光特性を有することを要件とする。
分光特性:
蛍光増白剤濃度780ppmのポリカーボネート樹脂を用いて射出成形法で得た
厚さ2mmの平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて測定した
際に、光線透過率が
波長410nmにおいて20%以上および
波長440〜730nmの領域において85%以上、
であること。
蛍光増白剤濃度780ppmのポリカーボネート樹脂を用いて射出成形法で得た
厚さ2mmの平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて測定した
際に、光線透過率が
波長410nmにおいて20%以上および
波長440〜730nmの領域において85%以上、
であること。
前記の波長410nmにおいて光線透過率が20%未満の蛍光増白剤を使用すると、色相として青味が少なくなり、色相が黄色を帯びてくることから輝度の低下をもたらし好ましくない。一方、前記の波長440〜730nmの領域において光線透過率が85%未満の蛍光増白剤を使用すると、透過光量が少なくなることから、輝度の低下をもたらし好ましくない。
蛍光増白剤(D)としては、オキサゾール系、クマリン系、スチレンビフェニル系、ピラズイル系やナフタルイミド蛍光染料などが挙げられ、なかでもオキサゾール系の蛍光増白剤である日本化薬製Kayalight OSとナフタルイミド蛍光染料であるBASF社製Lumogen F Violet 570が好適に使用される。
蛍光増白剤(D)の配合量は、本発明の(A)および(B)からなる樹脂成分100重量部あたり0.001〜0.1重量部である。配合量が0.001重量部未満の場合は蛍光増白剤の効果が劣り高い輝度と青味が得られないので好ましくない。一方、0.1重量部を超えると材料の熱安定性が悪くなり、結果として輝度と青味が低下するので好ましくない。より好ましくは、0.001〜0.03重量部の範囲である。
本発明の特定の光学特性を有する蛍光増白剤とポリカプロラクトン(B)を併用することにより、輝度、色度yが特異的に向上し、より一層高度な光拡散性、輝度を有する光拡散板が得られる。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物において、実用上、光拡散性以外に要求される性能により、公知の各種添加剤、ポリマーなどを必要に応じて添加することができる。例えば、長期間、光に暴露された際の樹脂成形品の変色を抑制するために、ヒンダードアミン系の耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系およびマロネート系の紫外線吸収剤およびこれらを併用して添加してもよい。
また、難燃性が必要とされる場合、公知の各種難燃剤、例えば、テトラブロモビスフェノールAオリゴマーなどの臭素系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸エステル類、ビスフェノールAジホスフェート、レゾルシンジホスフェート、テトラキシレニルレゾルシンジホスフェートなどオリゴマータイプの縮合リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウムおよび赤燐などのリン系難燃剤、各種シリコーン系難燃剤、あるいは難燃性をより高めるために、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3′−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等などの有機金属塩なども添加することができる。これらの難燃剤の中でも、リン系難燃剤は、難燃性を向上させるばかりでなく、流動性をも向上させることができることから好適に用いることができる。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、上記以外の公知の添加剤、例えばフェノール系またはリン系熱安定剤[2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−メチレンビス−(4−エチル−6−t−メチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4′−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)等]、滑剤[パラフィンワックス、n−ブチルステアレート、合成蜜蝋、天然蜜蝋、グリセリンモノエステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、ペンタエリスリトールテトラステアレート等]、着色剤[例えば酸化チタン、カーボンブラック、染料]、充填剤[炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、ガラスフレーク、カーボン繊維、タルク、マイカ、各種ウィスカー類等]、流動性改良剤、展着剤[エポキシ化大豆油、流動パラフィン等]、さらには他の熱可塑性樹脂や各種耐衝撃改良剤(ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、エチレン・プロピレン系ゴム等のゴムに、メタアクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の化合物をグラフト重合してなるゴム強化樹脂等が例示される。)を必要に応じて添加することができる。
本発明における実施の形態および順序には何ら制限はない。例えば、本発明の(A)、(B)、(C)および(D)を任意の配合量で計量し、タンブラー、リボブレンダー、高速ミキサー等により一括混合した後、混合物を通常の一軸またはニ軸押出機を用いて溶融混練し、ペレット化させる方法、あるいは、各々の成分を一部または全てを別々に計量し、複数の供給装置から押出機内へ投入し、溶融混合する方法、さらには、(B)および/または(C)および/または(D)を高濃度に配合し、一旦溶融混合してペレット化し、マスターバッチとした後、当該マスターバッチと(A)を、所望の比率により混合することもできる。そして、これらの成分を溶融混合する際の、押出機の投入する位置、押出温度、スクリュー回転数、供給量など、状況に応じて任意の条件が選択され、ペレット化することができる。さらに、該マスターバッチと(A)とを、所望の比率により乾式混合後、射出成形装置やシート押出機装置に直接投入し、成形品とすることも可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、実施例中の「%」、「部」はそれぞれ重量基準に基づく。
(試験片の作成)
表1〜表4に示す配合比率により、各種配合成分をカワタ製スーパーフローターにより乾式混合した。次いで、神戸製鋼所社製二軸押出機KTX−37(軸直径=37mmφ、L/D=30)により、250〜290℃の温度条件にて溶融混練し、得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度300℃の条件にて縦90mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。得られた試験片を用いて各種評価を行い、結果を表1〜表4に示した。
表1〜表4に示す配合比率により、各種配合成分をカワタ製スーパーフローターにより乾式混合した。次いで、神戸製鋼所社製二軸押出機KTX−37(軸直径=37mmφ、L/D=30)により、250〜290℃の温度条件にて溶融混練し、得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度300℃の条件にて縦90mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。得られた試験片を用いて各種評価を行い、結果を表1〜表4に示した。
尚、使用された各種配合成分は以下のものである。
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー200−13
(粘度平均分子量:20000、以下PCと略記)
ポリカプロラクトン:
ソルベイ社製CAPA6500C
(粘度平均分子量:50000、以下PCLと略記)
光拡散剤:
モメンティブ社製トスパール120S
(ポリメチルシルセスオキサン系拡散剤、以下LD−1と略記)
ガンツ化成社製GM-0449S
(アクリル系拡散剤、以下LD−2と略記)
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製カリバー200−13
(粘度平均分子量:20000、以下PCと略記)
ポリカプロラクトン:
ソルベイ社製CAPA6500C
(粘度平均分子量:50000、以下PCLと略記)
光拡散剤:
モメンティブ社製トスパール120S
(ポリメチルシルセスオキサン系拡散剤、以下LD−1と略記)
ガンツ化成社製GM-0449S
(アクリル系拡散剤、以下LD−2と略記)
蛍光増白剤:
日本化薬社製 Kayalight OS
(オキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−1と略記)
BASF社製 Lumogen F Violet 570
(ナフタルイミド蛍光染料、以下FWA−2と略記)
日本化学工業所製 SC200
(ベンズオキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−3と略記)
クラリアントジャパン社製 HOSTALUX KSN
(スチルベンベンザオキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−4と略記)
日本化薬社製 Kayalight OS
(オキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−1と略記)
BASF社製 Lumogen F Violet 570
(ナフタルイミド蛍光染料、以下FWA−2と略記)
日本化学工業所製 SC200
(ベンズオキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−3と略記)
クラリアントジャパン社製 HOSTALUX KSN
(スチルベンベンザオキサゾール系蛍光増白剤、以下FWA−4と略記)
上記蛍光増白剤のそれぞれについて、以下に示す方法に基づき分光特性を測定した。結果を次に示す:
蛍光増白剤 波長410nm 波長440〜730nm
の光線透過率 の平均光線透過率
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
FWA−1 30% 90%
FWA−2 24% 90%
FWA−3 2% 90%
FWA−4 4% 89%
蛍光増白剤 波長410nm 波長440〜730nm
の光線透過率 の平均光線透過率
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
FWA−1 30% 90%
FWA−2 24% 90%
FWA−3 2% 90%
FWA−4 4% 89%
分光特性の測定方法:
下記の特性を有するポリカーボネート樹脂ナチュラルペレット(住友ダウ社製カリバー200−13)に蛍光増白剤を濃度780ppmとなるようにカワタ製スーパーフローターにより乾式混合した。次いで、神戸製鋼所社製二軸押出機KTX−37(軸直径=37mmφ、L/D=30)により、250〜290℃の温度条件にて溶融混練し、得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度300℃の条件にて縦90mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。得られた平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて、村上色彩技術研究所製CMS−35SPを用いてD65光源にて測定した。
ポリカーボネート樹脂のナチュラルペレット:
射出成形にて得られた2mm厚みの試験片においてヘーズが1%未満でありYIが2.0未満であること。
下記の特性を有するポリカーボネート樹脂ナチュラルペレット(住友ダウ社製カリバー200−13)に蛍光増白剤を濃度780ppmとなるようにカワタ製スーパーフローターにより乾式混合した。次いで、神戸製鋼所社製二軸押出機KTX−37(軸直径=37mmφ、L/D=30)により、250〜290℃の温度条件にて溶融混練し、得られたペレットを、日本製鋼所製J100E2P射出成形機を用い、シリンダー設定温度300℃の条件にて縦90mm、横50mm、厚み2mmの平板試験片を作成した。得られた平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて、村上色彩技術研究所製CMS−35SPを用いてD65光源にて測定した。
ポリカーボネート樹脂のナチュラルペレット:
射出成形にて得られた2mm厚みの試験片においてヘーズが1%未満でありYIが2.0未満であること。
本発明における各種評価項目の測定方法は、以下のとおり:
(輝度)
シャープ社製37インチカラー液晶モジュール(LC37GE2)に使用された直下型バックライトに50mm×90mm×厚み2mmの試験片を組み込み、試験片の輝度および色度yをトプコン社製の輝度計SR−3にて測定した。輝度とは、ある方向に向かう光度の、その方向に垂直な面における単位面積当たりの割合のことをいい、一般に、発光面の明るさの程度を表す[単位:(cd/m2)]。また、輝度の評価基準としては、輝度の測定値が3600cd/m2以上であるものを合格(○)、3600cd/m2未満であるものを不合格(×)とした。なお、色度yとは面光源の黄色味を表し数値が小さいほど無色から青みとなる。色度yの評価基準としては0.2730未満を合格(○)、0.2730以上を不合格(×)とした。
(輝度)
シャープ社製37インチカラー液晶モジュール(LC37GE2)に使用された直下型バックライトに50mm×90mm×厚み2mmの試験片を組み込み、試験片の輝度および色度yをトプコン社製の輝度計SR−3にて測定した。輝度とは、ある方向に向かう光度の、その方向に垂直な面における単位面積当たりの割合のことをいい、一般に、発光面の明るさの程度を表す[単位:(cd/m2)]。また、輝度の評価基準としては、輝度の測定値が3600cd/m2以上であるものを合格(○)、3600cd/m2未満であるものを不合格(×)とした。なお、色度yとは面光源の黄色味を表し数値が小さいほど無色から青みとなる。色度yの評価基準としては0.2730未満を合格(○)、0.2730以上を不合格(×)とした。
(青味)
平板試験片を用いて、村上色彩研究所社製スペクトロフォトメーターCMS−35SPにより、b*を測定した。b*とは、黄色から青色の程度を表し、b*が小さい程、黄味が少なくなり青味が強くなる。青みの評価基準としては、b*が−2以下を合格(○)、−2を超えるものを不合格(×)とした。
平板試験片を用いて、村上色彩研究所社製スペクトロフォトメーターCMS−35SPにより、b*を測定した。b*とは、黄色から青色の程度を表し、b*が小さい程、黄味が少なくなり青味が強くなる。青みの評価基準としては、b*が−2以下を合格(○)、−2を超えるものを不合格(×)とした。
(総合判定)
輝度と色度及び青みの評価において、全てを満足するものを合格(○)そうでないものを不合格(×)とした。
輝度と色度及び青みの評価において、全てを満足するものを合格(○)そうでないものを不合格(×)とした。
本発明の要件を全て満足する樹脂組成物(実施例1〜10)は、輝度、色度y、青みの評価において全て良好な結果を示した。
しかしながら、本発明の要件を満たさない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、FWA−1の添加量が少ない例で、輝度が低く色相も黄身になる結果となった。
比較例2は、FWA−1の添加量が多い例で、蛍光増白剤が過剰なため熱安定性の問題から輝度が低くなる結果となった。
比較例3は、PCLの添加量が少ない例で、輝度が低くまた色相も悪化した。
比較例4は、PCLの添加量が多い例で、ポリカプロラクトンが過剰となり輝度と色相ともに悪化した。
比較例5は、LD−1の添加量が少ない例で、拡散剤が著しく少ないため色相が悪い結果となった。
比較例6は、LD−1の添加量が多い例で、透過率が著しく低くなり輝度が低く色相も悪い結果となった。
比較例7は、FWA−2の添加量が少ない例で、輝度が低く色相も黄身になる結果となった。
比較例8は、FWA−2の添加量が多い例で、蛍光増白剤が過剰なため熱安定性の問題から輝度が低くなる結果となった。
比較例9および10は、本発明の分光特性の範囲から外れる蛍光増白剤(FWA−3、FWA−4)を用いた例で、何れも輝度が低くなる結果となった。
比較例1は、FWA−1の添加量が少ない例で、輝度が低く色相も黄身になる結果となった。
比較例2は、FWA−1の添加量が多い例で、蛍光増白剤が過剰なため熱安定性の問題から輝度が低くなる結果となった。
比較例3は、PCLの添加量が少ない例で、輝度が低くまた色相も悪化した。
比較例4は、PCLの添加量が多い例で、ポリカプロラクトンが過剰となり輝度と色相ともに悪化した。
比較例5は、LD−1の添加量が少ない例で、拡散剤が著しく少ないため色相が悪い結果となった。
比較例6は、LD−1の添加量が多い例で、透過率が著しく低くなり輝度が低く色相も悪い結果となった。
比較例7は、FWA−2の添加量が少ない例で、輝度が低く色相も黄身になる結果となった。
比較例8は、FWA−2の添加量が多い例で、蛍光増白剤が過剰なため熱安定性の問題から輝度が低くなる結果となった。
比較例9および10は、本発明の分光特性の範囲から外れる蛍光増白剤(FWA−3、FWA−4)を用いた例で、何れも輝度が低くなる結果となった。
Claims (4)
- ポリカーボネート樹脂(A)90〜99.9重量%およびポリカプロラクトン(B)0.1〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、光拡散剤(C)0.1〜10重量部および蛍光増白剤(D)0.001〜0.1重量部からなる樹脂組成物であって、当該蛍光増白剤(D)が下記の分光特性を有していることを特徴とする光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。
分光特性:
蛍光増白剤濃度780ppmのポリカーボネート樹脂を用いて射出成形法で得た
厚さ2mmの平板試験片の分光透過率をJIS規格Z8722に基づいて測定した
際に、光線透過率が
波長410nmにおいて20%以上および
波長440〜730nmの領域において85%以上、
であること。 - ポリカプロラクトン(B)の粘度平均分子量が40000〜90000であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる光拡散板。
- 液晶ディスプレイ用直下型バックライト用である請求項3に記載の光拡散板。
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JP2008312822A JP2010138212A (ja) | 2008-12-09 | 2008-12-09 | 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光拡散板 |
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JP (1) | JP2010138212A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10158996A (ja) * | 1996-11-28 | 1998-06-16 | Oji Paper Co Ltd | 強光沢印刷用シート |
WO2004111692A1 (ja) * | 2003-06-17 | 2004-12-23 | Teijin Chemicals Ltd. | 直下型バックライト式液晶表示装置および光拡散板 |
JP2007138010A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Sumitomo Dow Ltd | 光拡散性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる光拡散板 |
JP2008019405A (ja) * | 2006-06-07 | 2008-01-31 | Sumitomo Dow Ltd | 難燃性に優れた光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光拡散板 |
-
2008
- 2008-12-09 JP JP2008312822A patent/JP2010138212A/ja active Pending
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