JP2014530834A - ジクロロ酢酸を含む液体供給材料の水素化脱塩素方法 - Google Patents

ジクロロ酢酸を含む液体供給材料の水素化脱塩素方法 Download PDF

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Abstract

本発明の方法は、固定触媒床に配置された固体不均一系水素化触媒の存在下で、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ならびに任意選択で酢酸および/またはトリクロロ酢酸を含む液体供給材料を水素源と接触させることによって、前記液体供給材料を接触水素化脱塩素工程に供する方法であって、液体供給材料が垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり 〜10kg/秒の空塔質量速度および前記触媒床の1m当たり250〜3,000kg/時の速度で垂直管状反応器の頂部に供給され、水素源が、前記触媒床の1メートル当たり少なくとも2kPaの軸方向の平均圧力勾配が得られるように、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.025〜0.25Nm/秒の速度で垂直管状反応器の頂部または底部に供給され、垂直管状反応器の頂部の温度が100〜200℃であり、垂直管状反応器の頂部の圧力が0.2〜1.0MPaである、方法に関する。

Description

本発明は、ジクロロ酢酸(DCA)を含む液体供給材料を水素化脱塩素するための方法に関する。
モノクロロ酢酸を製造するための主たる工業的経路は、酢酸を塩素と反応させることである。このような方法は、周知であり、一般的に反応器を使用し、反応器中で触媒として塩化アセチルを用いて無水条件下で液体酢酸(HAc)の混合物を塩素と反応させる。塩化アセチルは、好ましくは、例えば無水酢酸の添加によってその場で形成される。塩素化反応器中において、モノクロロ酢酸(MCA)および気体状HClが副生成物とともに形成される。ジクロロ酢酸(DCA)およびトリクロロ酢酸(TCA)が副生成物の例である。
MCA含有反応生成物の混合物が反応器(複数可)および触媒回収セクションを通過した後、DCAは相当量で、典型的には約3〜10%の量で存在する。MCA中のDCAの量を低減するために、MCA/DCA含有生成物の混合物は、続いて精製プロセスに供される。精製プロセスは、物理的分離、例えば結晶化もしくは蒸留、または化学変換、例えばDCAが水素化触媒(例えば金属系触媒)の存在下で水素を用いて還元される還元のいずれかであり得る。
モノクロロ酢酸とジクロロ酢酸の沸点は非常に近似しているため(それぞれ、189℃および194℃)、蒸留によってMCAからDCAを除去することは費用がかかり、非経済的である。
結晶化によれば、粗モノクロロ酢酸供給材料中のジクロロ酢酸の濃度は、一段階再結晶で約4分の1に、すなわち例えば3重量%から0.7〜0.8重量%に低減できるだけである。したがって、純粋なモノクロロ酢酸の製造のためには、空間および時間の要件を考慮すべきである。さらに、数回の結晶化を行った後、母液はモノクロロ酢酸とジクロロ酢酸との混合物を含んだままである。この母液は、冷却条件によっては少なくとも30重量%のモノクロロ酢酸をなお含むが、これはさらに結晶化しても商品価値のある製品に変換することはできず、廃棄物とみなさざるを得ない。
粗モノクロロ酢酸中のジクロロ酢酸の濃度は、接触水素化脱塩素によって大幅に低減できる(例えば、US5,191,118およびUS5,356,850に従って)ことが知られている。
この反応は、(例えば、NL109,769およびDE1,072,980に従って)気相中で行うことができる。しかし、この気相反応は、水素化脱塩素反応器への供給材料の蒸発を必要とし、これはエネルギー消費量および必要な熱伝達装置のための投資コストに関して魅力的ではない。
あるいは、水素化脱塩素は、触媒が液相中に微細分散されたスラリー反応器中で行われる(例えば、US2,863,917、DE1,816,931およびWO2008/025758に従って)。微細分散された触媒の液相からの面倒な分離は、これらの種類の反応器の重大な欠点であり、これらの反応器を連続操作する場合、逆混合度が高いことにより、高い変換率を達成するには直列の複数の反応器が必要であろう。後者は、高い投資コストにつながる。
別の可能性は、水素が垂直管状反応器の頂部または底部に供給されながら、液体粗モノクロロ酢酸を、それが固定床内に収容されている不均一系触媒上へ下向きにしたたり落ちる垂直管状反応器の頂部に供給することである(例えば、US3,754,029に従って)。これらの反応器は、一般的にトリクルベッド反応器として知られている)。しかしながら、流体力学的観点から、(向流のガスを伴う)この操作方法はフラッディングにより反応塔の容量を制限するので不利である。
したがって、液体粗モノクロロ酢酸は、それが固定床内に収容されている不均一系触媒上へ下向きにしたたり落ちる垂直管状反応器の頂部に、水素源の並流下降流とともに供給することが好ましい(US3,754,029、RU2,318,796またはRU2,391,331でも言及されているように)。この操作方法は、反応塔への液体供給材料の蒸発のためのエネルギーの過剰な使用を防止し、スラリー反応器中で微細分散された触媒の面倒な分離を回避し、水素源の向流を伴って操作するトリクルベッド反応器と比較してより広い操作窓を可能にする。
例えば、Shah(Y.T.Shah、Gas-liquid-solid reactor design、McGraw-Hill Inc.、1979、93ページ)、Westerterp & Wammes(K.Roel Westerterp、Wino J.A.Wammes:「Three-Phase Trickle-Bed Reactors」、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA、weinheim、2005、およびHofmann(Hans Hofmann、「Hydrodynamics and hydrodynamic models of fixed bed reactors」、Agostini Gianetto and Peter L.Silveston (編)、Multiphase chemical reactors - theory, design, scale-up、Hemishere Publishing Co.、1986)によって論じられているように、これらのトリクルベッド反応器(また垂直管状反応器として本明細書を通して示されている)の設計とスケールアップは、複雑な流体力学のために非常に複雑である。また、同一の液空間速度(すなわち、時間当たり、触媒の単位体積当たりの反応器に供給される液体の量)および空塔質量速度(すなわち、1平方メートルの断面当たりの反応器に供給される液体の量)で、同時に実験室用垂直管状反応器および工業用垂直管状反応器を操作することは、このような単位のジオメトリ間には大きな差があるため不可能である(Maryら「Trickle-Bed Laboratory Reactors for Kinetic Studies」、International Journal of Chemical Reactor Engineering、第7巻:R2、2009を参照)。
本発明の目的は、垂直管状反応器中におけるジクロロ酢酸(および任意選択でトリクロロ酢酸)の接触水素化脱塩素による、工業規模のモノクロロ酢酸の精製方法であって、栓流に近い滞留時間分布と組み合わせてより高い物質移動速度が達成され、より高い変換率が達成される、方法を提供することである。
「工業規模の方法」とは、接触水素化脱塩素工程が、工業規模の大きさの垂直管状反応器(以下、0.4m以上の直径を有する垂直管状反応器を意味する)中で実施されることを意味する。
本発明の別の目的は、必要な触媒インベントリーを最小化しながら、垂直管状反応器中でジクロロ酢酸(および任意選択でトリクロロ酢酸)を接触水素化脱塩素することによる工業規模のモノクロロ酢酸の精製方法を提供することである。
一定の直径を有する垂直管状反応器の場合に、液体の空塔質量速度およびガス空塔速度が一定範囲内にあり、それによって軸方向の比較的高い平均圧力勾配が得られると、これらの目的が果たされることが、驚くべきことに見出された。より具体的には、本発明は、担体上に堆積される元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む固体不均一系水素化触媒の存在下で、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ならびに任意選択で酢酸および/またはトリクロロ酢酸を含む液体供給材料を水素源と接触させてジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換することによって、前記液体供給材料を接触水素化脱塩素工程に供する方法であって、前記接触水素化脱塩素工程が、固体不均一系水素化触媒が固定触媒床に配置されている、0.4mを超える直径を有する垂直管状反応器中で行われ、液体供給材料が、前記垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり1〜10kg/秒の空塔質量速度および前記触媒床の1m当たり250〜3000kg/時の速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給され、水素源が、少なくとも前記触媒床の1メートル当たり2kPaの軸方向の平均圧力勾配が得られるように垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.025〜0.25Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部または底部に供給され、垂直管状反応器の頂部の温度が100〜200℃であり、垂直管状反応器の頂部の圧力が0.2〜1.0MPaあることを特徴とする方法に関する。
好ましい実施形態では、垂直管状反応器の頂部に供給される液体供給材料は、少なくとも5.5重量%の酢酸を含む。酢酸は部分的にトリクルベッド反応器中で蒸発し、これにより反応器の圧力低下を増加させ、より高い物質移動係数をもたらす。
本発明による不均一系水素化触媒は、不均一系触媒の全重量を基準にして、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む。好ましくは、不均一系触媒は、ルテニウム、ロジウム、パラジウムおよび/または白金を含む。より好ましくは、それは、パラジウム、白金またはそれらの組み合わせを含む。最も好ましくは、それはパラジウム(Pd)とイオウまたはイオウ化合物のいずれかを含む。例えば、EP0557169に記載されている触媒またはEP0453690に記載されている触媒は、本方法での使用に適している。
元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属が堆積する担体は、好ましくは、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンからなる群から選択される。活性炭が最も好ましい。担体は、イオウまたはイオウ含有成分(自然界の有機もしくは無機のいずれか)を含んでもよい。
好ましい実施形態において、本発明による方法のステップ(b)において使用する不均一系触媒は、パラジウム担持活性炭担体であり、イオウまたはイオウ含有成分、例えば、CSを供給材料に添加してもよい。
一実施形態において、不均一系水素化触媒の1種または複数の金属は、活性炭、シリカまたはアルミナから調製された粒子上に堆積し、前記粒子は不規則な形状の顆粒、球、リング、三葉、四葉または押出物の形態である。より好ましくは、前記粒子は0.5〜5mm、好ましくは0.8〜3mmの直径、および1〜10mmの長さを有する、押出物、三葉または四葉の形態である。
触媒は、固定触媒床に配置される。この固定床は、1つの床で構成することができ、または全体で「固定床触媒」と呼ばれている複数のサブ床に細分されてもよい。触媒床または各サブ床は支持格子によって支えられている。さらに、液体分配器が、前記触媒床の直径にわたって良好な液体分配を提供するために、触媒床全体の表面の上方および/または1つまたは複数のサブ床の表面の上方に取り付けられてもよい。
これらの塔内部構造物(すなわち、支持格子および液体分配器)に好適な構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスまたは石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティング;ニッケルクロム合金;ニッケルクロムモリブデン合金;ニッケル銅合金;鋼やステンレス鋼上の銀被覆または銀コーティングを含む銀;ニオブおよびニオブ合金;ならびにポリエーテルエーテルケトンおよびPEEK被覆鋼が挙げられる。
内部構造物に好ましい構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスまたは石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティングが挙げられる。
内部構造物により好ましい構成材料は、グラスライニング鋼;黒鉛または含浸黒鉛;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;ならびに鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金である。
最も好ましくは、内部構造物用の構成材料は黒鉛または含浸黒鉛である。
本発明による精製方法に供給される水素源は水素ガスであり、これは実質的に純粋な水素ガス、または水素ガスおよび50モル%以下の窒素、塩化水素もしくはこれらの混合物を含むガスのいずれかであることができる。
水素化脱塩素工程は、固定床(時折また、触媒粒子の静止床として示される)で、上記の固体不均一系水素化触媒を含む垂直管状反応器を用いて行われる。
好適な反応器の構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスおよび石英;耐酸レンガ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングまたはコーティング;ニッケルクロム合金;ニッケルクロムモリブデン合金;ニッケル銅合金;鋼やステンレス鋼上の銀被覆または銀コーティングを含む銀;ニオブおよびニオブ合金;ならびにポリエーテルエーテルケトンまたはPEEK被覆鋼が挙げられる。
好ましい構成材料としては、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;鋼やステンレス鋼上の白金被覆またはコーティングを含む白金および白金合金;鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金;黒鉛または含浸黒鉛;セラミック、例えば炭化ケイ素(SiC)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)、ガラスおよび石英;耐酸レンガ;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);鋼、ステンレス鋼もしくは繊維強化プラスチック上のフルオロポリマー(例えばPTFE、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)もしくはポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE))ライニングおよび/またはコーティングが挙げられる。
より好ましくは、構成材料は、グラスライニング鋼;鋼やステンレス鋼上のタンタル被覆またはコーティングを含むタンタルおよびタンタル合金;ならびに鋼やステンレス鋼上のジルコニウム被覆またはコーティングを含むジルコニウムおよびジルコニウム合金からなる群から選択される。
最も好ましい構成材料は、グラスライニング鋼である。
モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ならびに任意選択で酢酸および/またはトリクロロ酢酸を含む液体供給材料は、垂直管状反応器の頂部に供給される。水素ガスまたは水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物は、好ましくは、(液体供給材料と並流下降流を生じさせる)垂直管状反応器の頂部に供給される。水素ガス、または水素ガスと50モル%以下の不活性ガスとの混合物は、垂直管状反応器の底部から(すなわち、液体供給材料と向流で)供給することもできるが、操作窓がより小さい(すなわち、反応器の容量がフラッディングによって制限される)ので、並流下降流の実施形態が好ましい。
上記のように、液体供給材料は、前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり1〜10kg/秒の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される(空塔質量速度(kg/m/秒)という用語は、前記反応器の水平断面積で割った質量流量を指す)。それは、好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも2kg/秒、より好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも2.5kg/秒、最も好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも3kg/秒の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される。好ましくは、液体供給材料は、前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり8kg/秒以下の空塔質量速度で、より好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり7kg/秒以下の空塔質量速度で、最も好ましくは前記反応器の水平断面の1平方メートル当たり6kg/秒以下の空塔質量速度で前記垂直管状反応器の頂部に供給される。
水素源は、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.025〜0.25Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部に供給される(ガス空塔速度(m/秒)という用語は、前記垂直管状反応器の水平断面に基づくガス速度を指す)。水素源は、好ましくは、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.03Nm/秒のガス空塔速度で、より好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.035Nm/秒のガス空塔速度で、最も好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり少なくとも0.04Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部または底部に供給される。それは、好ましくは、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.25Nm/秒以下、より好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.20Nm/秒以下、最も好ましくは垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.15Nm/秒以下のガス空塔速度で供給される。
反応器の頂部の温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは145〜175℃に保たれる。垂直管状反応器の頂部の圧力は、好ましくは0.2〜1.0MPa、好ましくは0.3〜0.6MPaに保たれる。
トリクルベッド反応器中の液偏在のリスクを最小限にするために(例えば、Saroha & Nigam、「Trickle-bed reactors」、Reviews in Chemical Engineering、12、3-4、207〜347ページ、1996を参照)、不均一系水素化触媒が配置される固定床は、好ましくは、デンスローディング技術を用いて不均一系水素化触媒を垂直管状反応器に充填することによって調製されてきた。触媒床内の偏在は、顕著に反応器の性能と稼働時間を減少させることが知られている。デンスローディング技術は、それによって垂直管状反応器に、前記反応器の断面全体にわたって同時に触媒粒子を充填する従来型の充填技術である。その結果として、均一に充填され、他の反応器充填技術と比べて密度が高い触媒床が得られる。Gert Griffioen and Michel Wijbrands、「Caring for Catalysts」、Hydrocarbon Engineering, June 2010に記載されているように、よく知られている充填技術であるソックローディングと比較した場合、触媒床の密度は平均で少なくとも10%高い。本発明による高密度に充填された触媒を有する固定床は、例えば、よく知られているDensicat(登録商標)またはCatapac(商標)技術を用いて調製することができる。好適なデンスローディング方法および装置は、EP769,462、US4,051,019、US4,159,785、EP0727250、WO2008/109671およびUS5,449,501に記載されている。
本発明による方法に供される液体供給材料は、好ましくは、
(i)60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、
(ii)0.05〜20重量%、好ましくは1〜12重量%のジクロロ酢酸、
(iii)0〜30重量%の酢酸、
(iv)0.1〜5重量%の水、好ましくは0.1〜1重量%の水、最も好ましくは0.1〜0.5重量%の水、および
(v)0〜5重量%の他の成分
を、液体供給材料の全重量を基準にして合計100%まで含む。
他の成分は、少量の酸無水物、トリクロロ酢酸、ブロモ酢酸およびα−クロロプロピオン酸を含むことができる。水の存在により、酸塩化物は前記液体供給材料中に存在することができないことに留意されたい。
本発明による方法に供される液体供給材料は、液体供給材料の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも5.5重量%の酢酸、より好ましくは少なくとも6重量%の酢酸、最も好ましくは少なくとも8重量%の酢酸を含む。液体供給材料の全重量を基準にして、好ましくは20%以下の酢酸が液体供給材料中に存在し、より好ましくは12重量%以下の酢酸が液体供給材料中に存在する。
本発明による方法を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
比較例1
88.1%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、5.4%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む1,620kg/時の液体供給材料を3.86kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.8mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.32MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は4kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.19%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.20%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例2
88.1%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、5.4%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む1,620kg/時の液体供給材料を3.86kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.6mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給し、触媒インベントリーを8mから4.5mに低減した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.32MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は27kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.11%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.11%のジクロロ酢酸を含んでいた。
比較例1および実施例2に示すように、結果は、(より小さな直径を有するカラムにおいて)より少ない触媒で、より純粋な生成物が得られることを明確に示している。
実施例3
88.1%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、8.5%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む1,620kg/時の液体供給材料を3.86kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.6mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.32MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は32kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.083%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.093%のジクロロ酢酸を含んでいた。
この実施例は、供給材料中の増大した酢酸含有量およびその結果としての軸方向のより高い平均圧力勾配により、さらにより純粋な生成物が得られることを示している。
実施例4
88.1%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、8.5%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む1,620kg/時の液体供給材料を3.86kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.6mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。Densicat(登録商標)デンスローディング技術を用いて、反応器に触媒を充填した。例えばCatapac(商標)デンスローディング技術などの他のデンスローディング技術もまた好適である。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.32MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は137kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.008%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は、0.009%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例3と実施例4との相違は、実施例4では、(軸方向のさらにより高い平均圧力勾配をもたらす)デンスローディング技術を用いて触媒を充填したことである。これは、さらにより純粋な生成物をもたらす。
実施例5
88.1%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、5.4%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む4,043kg/時の液体供給材料を8.91kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.8mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.4MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は31kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.074%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.080%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例6
87.0%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、6.5%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む4,043kg/時の液体供給材料を8.91kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.8mの直径および16mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.4MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は33kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.068%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.074%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例5および実施例6に示すように、結果は、供給材料中の増大した酢酸含有量により、さらにより純粋な生成物が得られることを再び示している。
実施例7
87.0%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、6.5%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む4,043kg/時の液体供給材料を8.91kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.6mの直径および20mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。最初に水を反応器に充填し、(ゆっくり)触媒を添加することによって、触媒粒子を反応器に充填した。必要に応じ、反応器の底部を介して水を排出して、触媒を充填する間に反応器がオーバーフローするのを防止した。すべての必要な触媒を添加した後、反応器は完全に排水される。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.4MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は157kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.043%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.047%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例6および実施例7に示すように、結果は、(より小さな直径を有するカラムにおいて)より少ない触媒で、さらにより純粋な生成物が得られることを示している。
実施例8
87.0%のモノクロロ酢酸、4.1%のジクロロ酢酸、6.5%の酢酸、1.9%のHClおよび0.5%の水を含む4,043kg/時の液体供給材料を8.91kg/時の水素と混合した。得られた気液混合物を171℃に加熱し、0.8mの直径および12mの長さを有する垂直カラムの頂部に供給した。垂直カラムを活性炭担体(EP0557169の実施例1に記載されているものに相当する触媒粒子)上の1%のPdを含む触媒で充填した。Densicat(登録商標)デンスローディング技術を用いて、反応器に触媒を充填した。例えばCatapac(商標)デンスローディング技術などの他のデンスローディング技術もまた好適である。触媒粒子は、1.5mmの直径および直径に対する平均長さの比率1.84を有する押出物の形態であった。カラムの頂部の圧力を0.4MPaに維持した。垂直カラムの圧力低下は97kPaであった。反応器の底部からのガス流は、凝縮器の上を通過させ、凝縮された蒸気を反応器の底部から出る液体と混合し、0.027%のジクロロ酢酸を含む粗混合物を得た。軽質留分および重質留分を留去した後、最終モノクロロ酢酸生成物は0.030%のジクロロ酢酸を含んでいた。
実施例5、6、7と実施例8との相違は、実施例8では、デンスローディング技術を用いて触媒を充填し軸方向の高い平均圧力勾配を適用したことである。これは純粋な生成物をもたらす。

Claims (14)

  1. 担体上に堆積される元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む固体不均一系水素化触媒の存在下で、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ならびに任意選択で酢酸および/またはトリクロロ酢酸を含む液体供給材料を水素源と接触させて、ジクロロ酢酸をモノクロロ酢酸に変換することによって、前記液体供給材を接触水素化脱塩素工程に供する方法であって、前記接触水素化脱塩素工程が、固体不均一系水素化触媒が固定触媒床に配置されている、0.4mを超える直径を有する垂直管状反応器中で行われ、液体供給材料が、前記垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり1〜10kg/秒の空塔質量速度および前記触媒床の1m当たり250〜3,000kg/時の速度で垂直管状反応器の頂部に供給され、水素源が、前記触媒床の1メートル当たり少なくとも2kPaの軸方向の平均圧力勾配が得られるように、垂直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり0.025〜0.25Nm/秒のガス空塔速度で垂直管状反応器の頂部または底部に供給され、垂直管状反応器の頂部の温度が100〜200℃であり、垂直管状反応器の頂部の圧力が0.2〜1.0MPaであることを特徴とする方法。
  2. 前記垂直管状反応器の頂部に供給される液体供給材料が、少なくとも5.5重量%の酢酸を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 不均一系水素化触媒が配置される固定床が、デンスローディング技術を用いて垂直管状反応器に不均一系水素化触媒を充填することによって調製されている、請求項1または2に記載の方法。
  4. 液体供給材料が、前記直管状反応器の水平断面の1平方メートル当たり2.5〜6kg/秒の空塔質量速度で垂直管状反応器の頂部に供給される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 不均一系触媒が、不均一系触媒の全重量を基準にして、0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%の元素周期表の第VIII族の1種または複数の金属を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 担体が、活性炭、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンからなる群から選択され、任意選択でイオウまたは1種もしくは複数のイオウ含有成分を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 担体が粒子の形態であり、粒子が、不規則な形状の顆粒、球、リング、三葉、四葉または押出物の形態である、請求項6に記載の方法。
  8. 粒子が、押出物、三葉または四葉の形態であり、前記押出物、三葉または四葉が、0.8〜3mmの直径および1〜10mmの長さを有する、請求項7に記載の方法。
  9. 不均一系触媒が、パラジウムおよび/または白金を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 垂直管状反応器の頂部の温度が145〜175℃である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 水素源が垂直管状反応器の頂部に供給され、液体供給材料と並流の下降流を生じさせる、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 垂直管状反応器の頂部の圧力が0.3〜0.6MPaである、請求項11に記載の方法。
  13. 水素源が垂直管状反応器の底部に供給され、垂直管状反応器の底部の圧力が0.3〜0.6MPaである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 接触水素化脱ハロゲン工程に供される液体供給材料が、
    (i)60〜99.5重量%のモノクロロ酢酸、
    (ii)0.05〜20重量%、好ましくは2〜12重量%のジクロロ酢酸、
    (iii)0〜30重量%の酢酸、
    (iv)0.1〜5重量%の水、および
    (v)0〜5重量%の他の成分
    を、液体供給材料の全重量を基準にして合計100%まで含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
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