JPH08282856A - 粒子散布装置 - Google Patents

粒子散布装置

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JPH08282856A
JPH08282856A JP8052603A JP5260396A JPH08282856A JP H08282856 A JPH08282856 A JP H08282856A JP 8052603 A JP8052603 A JP 8052603A JP 5260396 A JP5260396 A JP 5260396A JP H08282856 A JPH08282856 A JP H08282856A
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disk
particle
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hopper
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秀一 大久保
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J8/00Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes
    • B01J8/0015Feeding of the particles in the reactor; Evacuation of the particles out of the reactor
    • B01J8/003Feeding of the particles in the reactor; Evacuation of the particles out of the reactor in a downward flow
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子に損傷を与えず、平坦な粒子充填面、容
易、単純な制御性、容易な取扱い・設置性、高速な粒子
搬送を達成する粒子散布装置の開発。 【解決手段】 頂部に吊具1を備える外側カバー2、そ
の内部に支持され、下端を開口したホッパー3、ホッパ
ーに支持され、その中央を通して該開口から外側に延伸
する回転軸4を具備するモータ5、モータ回転軸の下端
に止着され、粒子ホッパーから落下する粒子を受け取る
一軸回転楕円円盤6を備え、円盤に粒子を放出するスリ
ット7が形成される。スリットの形状が円盤上での粒子
の移動軌跡と、回転方向への遅延角度がその半径位置に
おいて散布される粒子必要量に一致する軌跡の関数との
和で表わされることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒、穀粒、飼料
などの粒子を反応容器や貯蔵サイロ等に散布するための
装置に関するものであり、特には石油精製設備に代表さ
れる各種反応容器内に触媒に損傷・破壊を与えることな
く、平坦な触媒充填面、容易、単純な制御性、容易な取
扱い・設置性、高速な触媒搬送を実現することのできる
触媒散布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、各種材料の合成・分解のために
触媒が使用される。一例として、石油工業においては、
触媒を使用して重質軽油を原料としオクタン価の高いガ
ソリンにする方法や多量の水素の存在下で触媒を使用し
て脱硫と分解とを同時に行わせる方法等触媒を使用する
ことが多い。触媒としては、接触分解法では、例えば固
体の酸性シリカ、アルミナ触媒、ゼオライト触媒等が使
用される。一般的には、直径:0.5mm〜3.0mm、長
さ:3.35mm〜10mmの円柱状のものや若しくは円を
3〜4つ重ね合わせた断面形状のものが使用され、上記
のサイズのアルミナ、アルミナ−シリカ、ゼオライト、
シリカなどの担体に活性金属を担持したものが使用され
る。こうした場合、反応容器(充填塔)に触媒が充填さ
れるが、触媒の充填状態が操業の効率を左右するので、
均一な充填を達成する目的で反応容器中央上方部に触媒
散布装置を設置し、そこから触媒を空間的に落下せしめ
る散布充填が行われている。
【0003】しかし、散布充填を行っても、触媒堆積面
は凹凸状に波打ち、平坦な堆積面は得られない。凹凸状
態が規定の水準を超えると、操業効率が低下するので充
填装置の側面及び底面に数カ所設けられた放出スリット
の開口度や充填装置下側に設けられた回転羽根の回転速
度を制御するなどして凹凸を修正するようにしなければ
ならない。触媒の空間存在密度の理想化並びに充填面に
おけるデンスローディング(触媒の軸方向を水平面とし
ての触媒の高密度充填)範囲内での充填速度制御が必要
である。
【0004】従来からの触媒散布装置としては、図1
2、13及び14にそれぞれ示されるようなDensi Cat
方式、UOP方式及びCOP方式が使用されていた。い
ずれの方式もホッパと触媒散布のための羽根を備えてお
り、基本構造は類似している。Densi Cat 方式は複数枚
のゴム羽根を使用し、羽根の開度と羽根による散乱に基
づく全方向均一散布であり、最も充填速度のとれる方法
といえる。UOP方式は2〜4枚の直線羽根による遠心
力を利用するものであるが、触媒の搬送経路中にせん断
面があり、触媒に損傷を与える危険がある。COP方式
は、楕円板にガイド付きの1〜3層羽根を使用するもの
であり、飛散距離に分布をもたせる方式で、精密な充填
面の制御も可能である。
【0005】しかし、これらの方式において、まだなお
次のような問題点が存在する: (1)良い充填面が得られない。 (2)制御性を向上させるために、パラメーターを増や
す方法若しくは理論的に解析して最適化を図る手法があ
るが、まだ充分に達成できない。 (3)構造が複雑であり、設置に時間がかかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】斯界では、粒子の搬送
と関連して、粒子に損傷・破壊を与えず、平坦な粒子充
填面(粒子を散布する高さの一様化)、容易、単純な制
御性、容易な取扱い・設置性、高速な粒子搬送を達成す
ることができ、しかも粒子の空間存在密度の均一化並び
に粒子の高密度充填(デンスローディング)を可能とす
る新たな粒子散布方式への要望が存在する。例えば、次
のような事項が求められている: (イ)容易な取扱い・設置性:セッティング時間をなる
べく短くすること(1時間以内)、(ロ)充填に際し、
粒子にダメージを与えないこと、(ハ)粒子充填面の均
一化:デンスローディングかつ均一であること(ニ)充
填速度:高速な粒子搬送(1ton /5min )
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ホッパーの
下側にスリットを有する一軸回転楕円円盤を備えた非常
に単純な構造の粒子散布装置において、スリット形状を
工夫することにより、こうした課題を解決しうることを
見出した。即ち、本発明は、外側カバーと、外側カバー
内部に該外側カバーにより支持されそして下端を開口し
たホッパーと、該ホッパーに支持されそして該ホッパー
中央をとおして該開口から外側に延伸する回転軸を具備
するモータと、該モータ回転軸の下端に止着されそして
前記ホッパーから落下する粒子を受け取る一軸回転楕円
円盤を備え、該一軸回転楕円円盤に粒子を放出するスリ
ットが形成され、その場合該スリットの形状が一軸回転
楕円円盤中央領域にホッパーから落下した粒子が円盤か
ら回転力を受け円盤の回転数に一致するまでの間に移動
する粒子の移動軌跡と、円盤中心から半径方向への移動
距離に対して回転方向への遅延角度がその半径位置から
充填面に向けて散布される粒子必要量に一致する軌跡の
関数との和で表わされるスリット形状であることを特徴
とする粒子散布装置を提供するものである。特に、この
粒子が触媒であることを特徴とする粒子散布装置を提供
するものである。
【0008】粒子の散布性能を向上させるために、
(a)回転軸に円盤底部に隣り合って分散板を設置する
こと、(b)粒子の破壊を防止するために回転軸を少な
くともホッパー内部において外鞘体で覆い、シールする
こと、(c)一軸回転楕円円盤面が傾斜あるいは移動可
能であるようにホッパーを外側から傾斜あるいは移動可
能に支持すること、(d)外側カバーに固定用脚を装備
すること、(e)外側カバーの頂部に吊具を装備するこ
とといった変更例を使用することができる。スリットの
形状は、幾つかの近似式で表示することができる。
【0009】スリットを有する円盤を使用するものとし
て、例えば、特公平1−22807号は、触媒放出器を
反応塔内に昇降可能に吊り下げ、この触媒放出器と粒子
充填面との距離が所定距離範囲に納まるように触媒放出
器を上昇させながら反応塔内に触媒を順次充填する方法
を開示し、そこで使用される触媒充填装置として、反応
塔に吊されたゴンドラに、モータとモータにより回転駆
動される浅皿状部材から構成される触媒放出器を載せ、
浅皿状部材を所定間隔に設けられた立上がったウエアと
これらのウエア間において設けられたスリットを有する
ものとした触媒充填装置を記載している。この構成によ
り、作業者の煩わしい作業に頼ることなく顆粒状触媒を
粉化させない穏やかさで反応塔内に均一な密度に充填す
ることを可能とするという作用効果を奏するとされてい
る。しかしながら、触媒放出器を上昇機構を介して反応
塔内に設置することは容易な取扱い・設置性を妨げ、セ
ッティング時間を長いものとする。使用される浅皿状部
材はごく浅く、小径のものであり、シュートから落下す
る触媒を受け止め、周囲から遠心力により触媒を浅皿状
部材周囲に側方に放出すると共に、スリットを通して下
方への落下を適度とするものである。スリットは単に半
径方向に直線状に形成されているだけであり、ウエアは
触媒の自由な流動をかえって妨げる。一軸回転楕円円盤
の底面から粒子の円盤上での動きに合わせて形成された
曲線状のスリットを通して粒子を放出する本発明とは概
念を基本的に異にする。
【0010】本発明は、非常に単純な構造の粒子散布装
置において、スリットの形状を粒子の円盤上での動きに
合わせて形成された曲線状とすることにより粒子の均一
散布を可能ならしめる作用を奏する。回転軸のシールは
粒子の破壊を防止し、分散板の設置は粒子の破壊防止に
効果があり、回転円盤面の傾きが可能または回転円盤面
の移動が可能であるようにすることにより粒子の均一散
布の制御を行うことができる。吊り下げ機構の採用は短
時間での設置性を向上し、固定用脚を使用することによ
り短時間での設置性が更に改善される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、充填塔Rの上
部に本発明に従う粒子散布装置が適宜の吊り下げ機構に
より吊り下げられている。反応容器サイズは、例えば直
径:1.5〜5m、高さ:15m以下(粒子充填範囲:
0.3m迄)であり、2〜3段の粒子ベッドを収納す
る。粒子散布装置は、頂部に吊具1を備える外側カバー
2を備えている。外側カバー2内部中央には、ホッパー
3が支持手段8により外側カバーから支持されている。
ホッパー3は、ストッカー(図示なし)とはホース10
で接続されている。回転軸4を具備するモータ5がホッ
パーに取りつけられている。回転軸4は、ホッパー中央
を通してホッパー3の下端開口から外側に延伸する。回
転軸4周囲のホッパー下端開口部が粒子を落下せしめる
オリフィス9を構成する。一軸回転楕円のほぼ半部分を
構成する回転円盤6がモータ回転軸4の下端に頭を下側
にして止着されそして前記ホッパーから落下する粒子を
受け取る。図示の例では、回転円盤はオリフィス9が嵌
入する開口部を残して閉鎖されている。回転円盤6の底
面には、粒子を放出するスリット7が形成され、その場
合該スリットの形状は一軸回転楕円円盤中央にホッパー
から落下した粒子が円盤から回転力を受け円盤の回転数
に一致するまでの間に移動する粒子の移動軌跡と、円盤
中心から半径方向への移動距離に対して回転方向への遅
延角度がその半径位置において散布される粒子必要量に
一致する軌跡の関数との和で表わされる軌跡となるよう
に形成されている。オリフィス径は交換可能とされ、そ
の最大コンダクタンスは回転円盤上に粒子が滞留するの
を防止するために回転円盤のスリットコンダクタンスの
80%以下であることが必要である。ホッパーサイズは
オリフィス径により決定される。モータとしては、電気
モーター、エアーモーターどちらでも使用可能であり、
トルクに余裕があることが所望される。回転数制御は、
サーボ方式などを用い、また充填中に回転数を微小変化
(インチング)させて、充填面の平滑化を図るために、
プログラム制御可能であることが好ましい。また、イン
チングは、数値解析的に求めた一軸回転楕円円盤上に設
けたスリットが実際にはスリット幅を有し完全な理想形
状でないことによって生じるずれをカバーする簡単で効
率的な一手法として有効である。
【0012】回転円盤及びスリットの形状は、粒子の回
転円盤直下での粒子の垂直方向の空間存在分布が、水平
方向に対して、二次の等差級数的、または二次的な分布
となるようにすることが必要である。回転円盤の形状は
断面が一軸回転楕円体である必要があり、a=b、c<
a 、好ましくは0.3a<c<a、より好ましくは
0.5a<c<aである(ここで、a、bは一軸回転楕
円円盤の半径(長軸、短軸)そしてcは一軸回転楕円円
盤の高さ(深さ))。遠心力で粒子が円盤上を登ってい
くことが必要であり、これ以外の形状では、均一分散が
不可となりまた粒子が滞留しやすい。スリットの形状に
関しては、ある(r、θ、z)上におけるスリットの
形状は、その面積がrの二次関数であること(r2
d、r2 +er+f)が必要であり、に粒子の搬送
曲線を重畳した形状をとる。スリットの数は円盤の大き
さ、散布能力に応じて、粒子を均一に分散させるように
適当数設けられる。
【0013】粒子の散布性能を向上させるために、
(a)回転軸に円盤底部に隣り合って分散板を設置する
こと、(b)粒子の破壊を防止するために回転軸を少な
くともホッパー内部において外鞘体で覆い、シールする
こと、(c)一軸回転楕円円盤面が傾斜または移動可能
であるようにホッパーが外側から傾斜または移動可能に
支持すること、(d)外側カバーに固定用脚を装備する
こと、(e)外側カバーの頂部に吊具を装備することと
いった変更例を使用することができる。分散板11を設
けた場合には、粒子に剪断力、衝撃力を与えず、粒子を
均一に分散させる作用を奏する。但し、分散板は回転軸
シール部に取り付けられ、回転はしないものとされる。
粒子の破壊を防止するために回転軸を少なくともホッパ
ー内部において柔軟な外鞘体12で覆い、シールするこ
とが好ましい。さらには、望ましくは、回転円盤面の傾
きを調整制御可能(+15°〜−15°)または回転円
盤面とオリフィスを相対的に移動可能とする。回転円盤
面を傾斜させる場合、アクチュエーター13により、ホ
ッパー、回転円盤ごと傾斜させ、粒子面の傾斜を調整す
る。アクチュエーター13としては部分球面ジョイント
の使用が適当で、傾斜の中心と回転円盤(一軸回転楕円
体)の中心が一致していることが好ましい。これは、粒
子の散布中心がずれないようにするためである。移動の
場合には、アクチュエーター13としては、例えばシリ
ンダ−ピストン方式の移動手段が採用される。電動式、
エアー式いずれも使用できる。吊り下げ機構としては、
フックを備えた適宜の昇降装置が使用され、吊り下げ時
の揺動を防止するために、固定用脚14を使用すること
が好ましい。固定用脚は、内蔵可能とされ、例えば開脚
型、けんすい型等が充填塔の構造に応じて採用される。
更に固定用脚は交換可能とするのが好ましい。
【0014】図2に示すように、回転円盤は1軸回転楕
円体の半割として想定する。回転円盤が角速度ωで回転
している時その中に投じた質点mは遠心力により半径r
の線上まで移動し、釣り合う。半径rは数式4で表すこ
とができる。
【0015】
【数4】
【0016】ここでrは角速度ωの時の回転円盤内の粒
子の最遠位置と考えられる。図3(a)は回転円盤の中
心からr位置にあるスリットから散布された粒子の水平
方向の移送を示したもので、線速度rωで放出された粒
子のt秒後の回転中心からの距離は数式5で示される。
【0017】
【数5】
【0018】ここで、数式4のrを代入すると、数式6
となる。
【0019】
【数6】
【0020】ところで、図3(b)のように高さhの充
填面に放出された粒子が到達する時間tは数式7で表さ
れる。
【0021】
【数7】
【0022】これを数式6に代入すると、次の数式8の
関係が得られる。
【0023】
【数8】
【0024】角速度ωにおける粒子の散布範囲は0〜R
であることがわかる。
【0025】回転円盤上のスリットは散布直後の粒子が
2 分布となる条件が要求される。粒子散布実験により
円盤上の穴位置(回転中心からの距離)にかかわらずコ
ンダクタンスが一定であることが確認されている。この
ことをもとに回転円盤上のスリット形状を考察する。考
え方を単純化する為にr0 に落下した粒子はただちに角
速度ωを与えられ、質点のバランス点rまで一瞬のうち
に移動すると考える。粒子は図4の中央斜線範囲に連続
的に供給され、r点まで移動することになる。ところ
で、図5に示すように半径r、2r、3rにある穴から
出る粒子は概ね
【0026】
【数9】
【0027】に従った位置dx ωtに落下する。但し、
tは数式7により求まる値である。ここで、図6(a)
及び(b)において、半径rの位置にあるスリットAか
らは扇状斜線部の粒子が散布されることになるが、その
散布範囲は散布面のA領域である。A領域のdx はRで
あり、この面積SA
【0028】
【数10】
【0029】となる。次に、扇状斜線部の粒子がスリッ
トB(2r)より散布されるとすると散布範囲は散布面
の円環状のB領域となる。B領域のdx は2Rなのでこ
の領域の面積SB は次のように表される。
【0030】
【数11】
【0031】ところが、スリットAから出る粒子量もス
リットBから出る粒子量も扇状斜線部で供給される量で
あり、同量である。従って、2rの位置にあるスリット
BはスリットAとは位相をずらした上、SB /SA 倍開
口角を大きくとる必要のあることが判る。理想的には
【0032】
【数12】
【0033】のような級数的解となる。散布直後の粒子
の空間分布がr2 分布ということの意味は数式11及び
12に示した第1項のことを示している。
【0034】図7のそれぞれの粒子供給部から供給され
た粒子が全て対応するスリットから出ると仮定すると理
想的なスリットの形状曲線は数式11や12に示される
級数の曲線となる。これを簡素化して第2項を無視すれ
ばまさにrに対する2乗曲線となる。
【0035】そして、円盤上に粒子が残留しない条件は
図8に示すNo. 1スリットの終点EとNo. 2スリットの
開始点Sがオーバーラップしていることであることが判
る。又、オーバーラップ限界rの値は粒子散布の際の最
低回転数での質点のバランス点である必要がある。更
に、0<rx ≦rの範囲のスリットのコンダクタンスの
合計がオリフィスのコンダクタンスよりも大でないと粒
子が回転円盤内に溜ってしまうことになる。これらがス
リット形状に求められる基本的な要件であり、あとは粒
子が回転円盤内をすべる運動を検討し、その結果に本要
件を重畳すればよい。図9はスリット形状の計算結果例
を示す。
【0036】次に、回転円盤基線が円盤内を移動する粒
子の搬送曲線と一致する曲線であることが必要である。
この曲線の数式化について考察する。いま、半径aの回
転円盤皿(a=b=c)が角速度ωで回転している。こ
の回転軸からr0 離れた点Aにオリフィスより落下した
1個の粒子についての軌跡を考える。ここで、粒子と回
転円盤間の摩擦係数(動摩擦係数)は一定であり、初期
状態の粒子の回転運動の角速度は0である。粒子と回転
円盤が接触するとその瞬間にr0 位置に相当する遠心力
を受ける。遠心力f0 は次の数式13で与えられる。
【0037】
【数13】
【0038】ところで完全な摩擦で粒子が円盤と同じ角
速度をもつ場合はυ1 =ωr0 であるが、摩擦によるエ
ネルギーの伝達にロスがあるから、エネルギーの伝達係
数αを考慮すると、次のように表される。
【0039】
【数14】
【0040】すなわち遠心力f0 は数式15で表され
る。
【0041】
【数15】
【0042】a=b=cの回転円盤上の質点のバランス
点は数式16で表される。
【0043】
【数16】
【0044】以上の考察の結果から、粒子と回転円盤の
相対的な運動は図10に示すような一軸回転楕円体円盤
を投影した極座標系において、数式17で表すことがで
きる。
【0045】
【数17】
【0046】回転円盤の回転数は実際には充填する高さ
によって変化させて用いるが、ここの回転円盤の定常状
態の回転数mは、定常的に使用する回転数のことであ
る。また、Bはホッパーから落下した粒子が回転円盤に
より回転力を付与されて回転円盤と同じ回転数となるま
でに移動したときの角度であり計算によりもとめること
ができる。
【0047】こうして、一軸回転楕円円盤中央に落下し
た粒子が円盤から回転力を受け円盤の回転数に一致する
までの間に移動する粒子の移動軌跡を上記の極座標系に
おいて次の関数で表わすことができる。
【0048】
【数18】
【0049】また、円盤中心から半径方向への移動距離
に対して回転方向への遅延角度がその半径位置において
散布される粒子必要量に一致する軌跡の関数を上記の極
座標系において次の関数で表わされる軌跡とすることが
できる。
【0050】
【数19】
【0051】円盤中心から半径方向への移動距離に対し
て回転方向への遅延角度がその半径位置において散布さ
れる粒子必要量に一致する軌跡の関数はまた上記の極座
標系において次の関数で表わされる軌跡とすることがで
きる。
【0052】
【数20】
【0053】
【実施例】次の条件で充填塔への粒子の充填を実施した
(回転数は距離に応じて変化させた)。 円盤:a=9cm、c=9cm スリット形状:式1のB=π/2、m=180rpm スリット枚数:4枚 スリット幅:7mm (図11に回転面を投影した時のスリット形状の模式図
を示す。) オリフィス:オリフィス径:43mmφ 充填塔:充填塔の半径:50cm 回転円盤直下〜充填面の距離(回転数):50cm(170rp
m)、30cm(200rpm) 充填速度:20 L/min 粒子:オリエントキャタリスト製 HOP−463K3
(長さ:約15mm、断面:円を3つ重ね合わせた形状、
直径:1/16インチ(1.6mm)) この結果、デンスローディングの充填面が得られ、平坦
度:高さ1m充填したとき±5cm、傾斜5°とすること
で、傾斜側の充填速度は30%アップした。尚、平坦度
は変化しない。
【0054】
【発明の効果】粒子に損傷・破壊を与えず、平坦な粒子
充填面(粒子散布する高さの一様化)、容易、単純な制
御性、容易な取扱い・設置性、高速な粒子搬送を達成す
ることができ、しかも粒子の空間存在密度の均一化並び
に粒子の高密度充填(デンスローディング)を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒子散布装置の正面方向からの部分断
面図である。
【図2】回転計の質点を説明する説明図である。
【図3】粒子散布状況を示す説明図であり、(a)は粒
子水平移送をそして(b)は粒子垂直移送を示す。
【図4】粒子供給エリアと搬送の関係を示す説明図であ
る。
【図5】粒子散布範囲を説明する説明図である。
【図6】スリット散布面との関係を示す説明図であり、
(a)は回転円盤を示しそして(b)は散布面を示す。
【図7】必要なスリット開口角を説明する説明図であ
る。
【図8】No. 1スリットの終点EとNo. 2スリットの開
始点Sがオーバーラップしていることを示す理想化され
たスリット曲線である。
【図9】スリット形状の計算結果例を示す。
【図10】回転円盤を投影した極座標系を示したもので
ある。
【図11】実施例における回転円盤のスリット形状を極
座標系において模式的に示したものである。
【図12】従来のDensi Cat 方式触媒散布装置の概念図
である。
【図13】従来のUOP方式触媒散布装置の概念図であ
り、(a)は正面断面図そして(b)は羽根の上面図で
ある。
【図14】従来のCOP方式触媒散布装置の概念図であ
り、(a)は正面断面図そして(b)は羽根の上面図で
ある。
【符号の説明】
1 吊具 2 外側カバー 3 ホッパー 4 回転軸 5 モータ 6 円盤 7 スリット 8 支持手段 9 オリフィス 10 ホース 11 分散板 12 外鞘体 13 アクチュエータ 14 固定用脚

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側カバーと、外側カバー内部に該外側
    カバーにより支持されそして下端を開口したホッパー
    と、該ホッパーに支持されそして該ホッパー中央をとお
    して該開口から外側に延伸する回転軸を具備するモータ
    と、該モータ回転軸の下端に止着されそして前記ホッパ
    ーから落下する粒子を受け取る一軸回転楕円円盤を備
    え、該一軸回転楕円円盤に粒子を放出するスリットが形
    成され、その場合該スリットの形状が一軸回転楕円円盤
    中央領域にホッパーから落下した粒子が円盤から回転力
    を受け円盤の回転数に一致するまでの間に移動する粒子
    の移動軌跡と、円盤中心から半径方向への移動距離に対
    して回転方向への遅延角度がその半径位置から充填面に
    向けて散布される粒子必要量に一致する軌跡の関数との
    和で表わされるスリット形状であることを特徴とする粒
    子散布装置。
  2. 【請求項2】 回転軸に円盤底部に隣り合って分散板を
    設置したことを特徴とする請求項1の粒子散布装置。
  3. 【請求項3】 粒子の破壊を防止するために回転軸が少
    なくともホッパー内部において外鞘体で覆われ、シール
    されていることを特徴とする請求項1乃至2の粒子散布
    装置。
  4. 【請求項4】 一軸回転楕円円盤面が傾斜あるいは移動
    可能であるようにホッパーが外側から傾斜あるいは移動
    可能に支持される請求項1〜3のいずれか1項の粒子散
    布装置。
  5. 【請求項5】 外側カバーが固定用脚を装備する請求項
    1〜4のいずれか1項の粒子散布装置。
  6. 【請求項6】 外側カバーの頂部に吊具を装備する請求
    項1〜5のいずれか1項の粒子散布装置。
  7. 【請求項7】 一軸回転楕円円盤中央に落下した粒子が
    円盤から回転力を受け円盤の回転数に一致するまでの間
    に移動する触媒の移動軌跡において、次の関数で表わさ
    れる軌跡であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か1項の粒子散布装置。 【数1】
  8. 【請求項8】 円盤中心から半径方向への移動距離に対
    して回転方向への遅延角度がその半径位置において散布
    される触媒必要量に一致する軌跡の関数が、次の関数で
    表わされる軌跡であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項の粒子散布装置。 【数2】
  9. 【請求項9】 円盤中心から半径方向への移動距離に対
    して回転方向への遅延角度がその半径位置において散布
    される触媒必要量に一致する軌跡の関数が、次の関数で
    表わされる軌跡であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項の粒子散布装置。 【数3】
  10. 【請求項10】 粒子が触媒であることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれか1項の粒子散布装置。
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