JP2020059009A - 散布装置及び触媒充填装置 - Google Patents

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勝彦 川上
稔 永塚
Minoru Nagatsuka
稔 永塚
裕紀 齋藤
Yuki Saito
裕紀 齋藤
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Abstract

【課題】異なる粒径の被散布材を大きさの偏在がなく均等に散布することができる散布装置を提供する。【解決手段】異なる粒径の被散布材として触媒を収納するカップ部材52と、カップ部材52に収納された触媒を撹拌して底部中心と開口端縁との間に形成された排出口52Bから排出する第一撹拌翼531と、排出口52Bから排出された触媒を撹拌する第二撹拌翼532とを備えた。そのため、粒径の大きな触媒は、排出口52Bのうちカップ部材52の底部中心から離れた部分から排出されるだけでなく、底部中心に近い部分からも排出されることになり、排出口52Bのうち底部中心から排出される触媒は、粒径の小さいものが大きいものに比べて多いとしても、第二撹拌翼532により、再度、撹拌される。【選択図】図5

Description

本発明は、散布装置及び散布装置を備えた触媒充填装置に関する。
石油精製設備や化学工業設備等では、化学反応を促進させるために、各種の触媒が利用されている。触媒は、例えば顆粒状に造形され、原料流体を流通させる反応塔の内部に充填される。
このような触媒の充填には触媒充填装置が用いられている(特許文献1)。
特許文献1の触媒充填装置は、触媒を反応塔の内部に散布するために触媒放出器を備えており、この触媒放出器は、複数の仕切板を有する多段円板状の分散ロータを有する分散ロータ機構を回転駆動機構で駆動する構造である。
回転駆動機構は、触媒放出器で放出される触媒が反応塔内で平らに充填されるように、制御手段で制御される。
特開平8−281094号公報
特許文献1の従来例では、分散ロータは、所定間隔を離して複数が多段状に積み重ねられており、分散ロータ機構が回転駆動されることにより、各分散ロータの外周縁から触媒がそれぞれ径方向に放出される。
反応塔に充填される触媒は、大きさの異なるものが混在している。大きな触媒は、分散ロータの回転に伴う遠心力によって、反応塔の内壁近くまで飛ばされることになるが、小さな触媒は、反応塔の中心部に止まることになり、散布される触媒の大きさは、充填される箇所に応じて偏在することになる。
触媒充填作業後に、反応塔に充填された触媒に油等の原料流体を反応塔の頂部からまんべんなく散布して、原料流体を流通させる反応作業が行われる。
ここで、反応塔の内壁近傍では、充填されている触媒の大きさが大きいので、散布された多数の触媒の隙間が大きくなる。そのため、反応塔の内壁近傍では、原料流体が流通しやすくなり、流通される原料流体の量が多くなる。
これに対して、反応塔の中心部では、充填されている触媒の大きさが小さいので、散布される多数の触媒の隙間が小さくなる。そのため、反応等の中心部では、原料流体が流通しにくくなり、流通する原料流体の量が少ないものとなる。
そのため、反応作業のために、触媒充填後に原料流体を流通させると、その流通量が充填された触媒の位置により異なるので、反応作業の効率が悪いという課題がある。
本発明の目的は、異なる粒径の被散布材を大きさの偏在がなく均等に散布することができる散布装置及び触媒充填装置を提供することにある。
本発明の散布装置は、異なる粒径の被散布材を収納し前記被散布材を排出する排出口が底部中心と開口端縁との間に形成されたカップ部材と、前記カップ部材に収納された前記被散布材を撹拌して前記排出口から排出する第一撹拌翼と、前記排出口から排出された前記被散布材を撹拌する第二撹拌翼とを備えたことを特徴とする。
本発明の散布装置では、カップ部材の内部に被散布材が収納された状態で、第一撹拌翼を回転すると、カップ部材の排出口から被散布材が排出される。
排出口は、カップ部材の底部中心から開口端縁に向けて形成されているので、粒径の大きな被散布材は、排出口のうちカップ部材の底部中心から離れた部分から排出されるだけでなく、底部中心に近い部分からも排出される。
排出口のうち底部中心から排出される被散布材は、粒径の小さいものが大きいものに比べて多いとしても、第一撹拌翼と連結された第二撹拌翼により、再度、撹拌されるので、被散布材の散布に伴う大きさの偏在が少なくなる。
本発明では、前記第一撹拌翼は、第一軸部と、前記第一軸部に固定された第一撹拌板部とを備え、前記第二撹拌翼は、第二軸部と、前記第二軸部に固定された第二撹拌板部とを備え、前記第一軸部と前記第二軸部とが連結されて軸体が構成され、前記軸体は、前記カップ部材の底部中心に形成された挿通孔に挿通され、前記排出口は、前記カップ部材の底部中心から径方向に沿ってスリット状に形成されている構成としてもよい。
この構成では、第一軸部と第二軸部とを連結して形成された軸体に、第一撹拌板部と第二撹拌板部とを固定して第一撹拌翼と第二撹拌翼とを一体に形成した。そのため、軸体を回転駆動することで、第一撹拌板部と第二撹拌板部とを同時に回転させることができるので、第一撹拌翼と第二撹拌翼の構造を簡易なものにできる。しかも、排出口は、カップ部材の底部中心から径方向に沿ってスリット状に形成したから、排出口の構造を簡易なものにできる。
本発明の触媒充填装置は、前述の構成を有する散布装置を備え、前記被散布材は触媒であり、前記散布装置は前記触媒を反応塔の内部に散布することを特徴とする。
本発明では、カップ部材の内部に触媒が供給された状態で、第一撹拌翼を回転すると、カップ部材の排出口から粒径にかかわらず、触媒が排出される。排出口から排出された触媒は、第二撹拌翼により、再度、撹拌されるので、反応塔に充填される触媒は、その内壁側や中心部といった充填される位置にかかわらず、大きさの偏在が少なくなる。
そのため、触媒充填後に、反応塔に原料流体を流して反応作業を行った場合、反応塔の中心部側や内壁部側にかかわらず、原料流体が均等に流れるので、反応作業の効率を向上させることができる。
本発明では、前記触媒と前記触媒より小さな触媒粉とを混在して収納するホッパと、前記ホッパから供給された触媒を触媒粉から分離して前記散布装置に送る分離装置とを備え、前記分離装置は、前記触媒と前記触媒粉とが混在して流通する触媒管と、前記触媒管の内部に配置された内管と、前記触媒管の外部に配置された外管とを備え、前記触媒管は、前記触媒粉が通過可能かつ前記触媒が通過不可能の連通孔が複数形成された周面部を有し、前記内管は、前記連通孔から前記触媒粉を排出するための触媒粉排出用流体を前記触媒管との間の空間に供給する流体供給孔が複数形成された壁部を有し、前記外管は、前記触媒管との間に前記連通孔から排出された前記触媒粉を収納する収納スペースを有し、前記触媒管の周面部と前記内管の壁部との少なくとも一方には、前記触媒粉と前記触媒との混在物の流れに渦を発生させる渦流発生部が設けられ、前記流体供給孔は、少なくとも前記渦流発生部で渦流が発生した位置と対向して配置されている構成としてもよい。
この構成では、ホッパに収納された触媒と触媒粉とは、分離装置で分離され、触媒粉は分離装置の外に排出され、触媒は散布装置に送られる。
分離装置では、触媒と触媒粉との混在物が触媒管の内部を軸方向に沿って流通し、渦流発生部に当たって、渦流が発生する。混在物の流れに渦流が発生すると、触媒に比べて小さい触媒粉が乱流した状態で滞留する。
内管の内部を流通する触媒粉排出用流体を流体供給孔から触媒管の内部に送る。流体供給孔は、渦流発生部で渦流が発生した位置と対向して配置されるので、渦流状態で滞留した触媒粉が連通孔に向かって押し出されることになる。すると、触媒粉が効率的に連通孔を通って外管と触媒管との間の収納スペースに排出される。一方、触媒自体は、触媒粉排出用流体で押し出されようとしても、連通孔を通過することができないので、触媒管の内部を軸方向に沿って引き続き流通する。従って、触媒管の周面部と内管の壁部との少なくとも一方に、触媒と触媒粉との混在物の流れに渦流を発生させる渦流発生部が設けられ、内管の流体供給孔と渦流発生部で渦流が発生した位置とが対向配置されているので、渦流発生部により乱流状態となって渦流発生部の近傍で滞留している触媒粉を流体供給孔から送られた流体が連通孔に向かって押し出すことになり、触媒粉が効率的に収納スペースに排出される。一方、触媒自体は触媒管の内部で流通し続けるので、触媒と触媒粉とが確実に分離されることになる。
本発明の一実施形態にかかる触媒充填装置が反応塔に配置された状態を示す概略図。 分離装置の断面図。 散布装置の断面図。 カップ部材の平面図。 カップ部材の斜視図。 本発明の変形例にかかる散布装置のカップ部材の斜視図。 変形例にかかる散布装置の第一撹拌翼と第二撹拌翼とを示す斜視図。
以下、本発明の実施形態を図1から図5に基づいて説明する。
図1において、反応塔1は、内部に触媒2が充填される。触媒2を反応塔1に充填する際には、反応塔1の上部開口から内部へ、触媒充填装置3が導入される。
触媒充填装置3は、上下に延びる供給装置10と、供給装置10の下端に設置された散布装置50とを有するものであり、反応塔1の内外に配置された足場4によって、垂直に設置されている。
〔供給装置10〕
供給装置10は、上から下へ順にホッパ11、分離装置20、流通管30、バルブ40を備えている。
ホッパ11は、反応塔1の上部開口の外側に配置されており、触媒2と触媒粉2Aとが混在する混在物2Bを貯留し、その下端から分離装置20へと混在物2Bを供給可能である。触媒粉2Aは、触媒2より小さくかつ軽量なダストであり、反応塔1に充填される対象としては除かれるものである。触媒2は、粒径の異なるものが混在している。
〔分離装置20〕
分離装置20は、触媒管21と、触媒管21の内部に配置された内管22と、触媒管21の外部に配置された外管23とからなる3重構造とされている。
内管22は、触媒管21の内側に同芯で配置され、触媒管21との間に空間21A(図2参照)が空けられている。
外管23は、触媒管21の外側に同芯で配置され、触媒管21との間に収納スペース23A(図2参照)が空けられている。
触媒管21は、上端をホッパ11の触媒出口に連結され、下端を、流通管30を介してバルブ40に連結されている。従って、ホッパ11からバルブ40へと供給される触媒2は、触媒管21の内側を通される。
内管22の上端には除塵エア供給管24が接続されている。
除塵エア供給管24は、外部の除塵エア供給源(図示省略)からの加圧エアを、内管22の上端へと導入する。なお、除塵エア供給管24は、図1では、一部が外管23の外部に露出した水平管部と触媒管21の内部に配置された鉛直管部とからなるL字管が図示されているが、本実施形態では、除塵エア供給管24を、それぞれ一部が外部に露出した水平管部と水平管部の中心に接続され触媒管21の内部に配置された鉛直管部とからなるT字管から構成してもよい。
従って、触媒管21を通過する触媒2は、除塵エアにより触媒粉2Aを除去された清浄な状態で、バルブ40へと送り出される。
外管23は、全長にわたって気密性を有する管体である。
外管23の下端には除塵エア排出管25が接続され、この除塵エア排出管25には除塵用の排気機構26が接続されている。排気機構26の構成として、例えば、ブロアやサイクロンを例示することができる。
除塵エアは、触媒管21内の触媒2の隙間を通過する際に、触媒2に付着していた触媒粉2A、あるいは触媒2から生じた触媒粉2Aを取り込み、この触媒粉2Aとともに除塵エア排出管25へ送り出される。
本実施形態では、除塵エア排出管25及び排気機構26から収納スペース23Aに収納された触媒粉2Aを吸引する吸引装置が構成される。
従って、触媒管21内で除塵エアが取り込んだ触媒粉2Aは、排気機構26で回収され、一括して廃棄することができる。一方、排気機構26を通過した搬送エアは、触媒粉2Aを含まない清浄な状態とされたうえで、大気に解放される。
図2には分離装置20の詳細な構成が示されている。
図2において、触媒管21は、外管23で覆われた筒状の周面部21Bを備えている。周面部21Bは、多数の連通孔211を有し、その内面側と外面側とで通気可能である。ただし、連通孔211は、触媒2を通過させない大きさ又は形状であるが、触媒2より小さい触媒粉2Aを通過させる。
図2では、触媒管21をメッシュ材料で形成してその格子間隔を連通孔211としているが、本実施形態では、触媒管21の材料に孔明け加工をして形成された複数の孔を連通孔211としてもよい。
内管22は、触媒管21に覆われる筒状部22Aと、筒状部22Aのバルブ40側の端部に設けられた端面部22B(図1参照)とを有する壁部22Cを備える。
筒状部22Aは、複数の流体供給孔221を有し、その内面側と外面側とで通気可能である。
内管22をメッシュ材料で形成してその格子間隔を流体供給孔221としているが、本実施形態では、内管22の材料に多数の孔明け加工で形成されたものを流体供給孔221としてもよい。
流体供給孔221は、後述する第一フィン80が設けられた位置と対応する位置を少なくとも含み、かつ、内管22の周方向に沿って複数が互いに等間隔に配置されている。なお、内管22に孔明け加工で流体供給孔221を形成する場合、流体供給孔221を第一フィン80が設けられた位置と対応する位置にのみ形成してもよい。
触媒管21の内周部には、触媒粉2Aと触媒2との混在物2Bの渦流Pを発生させる渦流発生部8が設けられている。
渦流発生部8は、触媒管21の周面部21Bに基端が固定された第一フィン80と、内管22に基端が固定された第二フィン81とを有する。
第一フィン80は、その先端が触媒粉2Aと触媒2との混在物2Bの流通方向のうち下流側に向いている。つまり、第一フィン80は、基端から先端にかけて下り傾斜している。
第二フィン81は、その先端が混在物2Bの流通方向のうち上流側に向いている。つまり、第二フィン81は、基端から先端にかけて上り傾斜している。第二フィン81の基端の水平位置は、第一フィン80の先端の水平位置と同じである。
第一フィン80の先端と第二フィン81の先端との間には、混在物2Bが流通するための隙間Sが形成されている。
第一フィン80は、触媒管21の軸芯を中心とした環状に形成されている。第一フィン80の先端と触媒管21の周面部21Bとの間の寸法は触媒管21の周方向に沿って同じである。
第二フィン81は、内管22の軸芯を中心とした環状に形成されている。第二フィン81の先端と内管22の外周との間の寸法は内管22の周方向に沿って同じである。
以上の構成の渦流発生部8では、上流側から送られる触媒2及び触媒粉2Aからなる混在物2B、特に、触媒粉2Aは、第一フィン80と第二フィン81とを通過した直後に渦流Pが発生する。
第一フィン80は、触媒管21の軸方向に沿って複数段(図2では3段)形成されており、第二フィン81は、内管22の軸方向に沿って複数段(図2では3段)形成されている。
〔バルブ40〕
図1において、バルブ40は、分離装置20から散布装置50へと触媒2を通過させる状態と、これを遮断する状態とを切り替える機構である。
バルブ40は、制御装置5からの信号を受けて開閉操作される。なお、図1では、制御装置5が反応塔1の内部に配置されている状態が示されているが、本実施形態では、制御装置5が反応塔1の外部に配置されるものでもよい。
〔散布装置50〕
図1において、散布装置50は、供給装置10の下部に接続されるものであって、供給装置10から供給される触媒2を被散布材として反応塔1内に回転散布する装置である。
散布装置50は、ケーシング51、カップ部材52、撹拌翼53、撹拌翼駆動部54を有する。
ケーシング51は、上端がバルブ40と接続され下端がカップ部材52を固定する筒状部材である。
ケーシング51の周面は、反応塔1の内部に設けられた足場4に固定されている。
カップ部材52は、バルブ40からケーシング51を通じて送られる粒径の異なる触媒2を収納するものであり、合成樹脂から形成されている。
散布装置50の具体的な構成が図3から図5に示されている。
図3から図5において、カップ部材52は、その外周と内周が半球面とされたカップ本体521と、カップ本体521の開口端縁に固定された蓋部材522とを有する。
カップ本体521の底部中心は、ケーシング51の軸芯と一致する。底部中心には挿通孔52Aが形成されている。
カップ本体521には、触媒2を排出する排出口52Bが挿通孔52Aから径方向に沿ってスリット状に形成されている。
排出口52Bの数は、図では、4個形成されているが、本実施形態では、4個に限定されるものではなく、1個あるいは2個、3個、5個以上でもよい。排出口52Bを複数箇所形成する場合には、挿通孔52Aを中心として等間隔に配置されることが好ましい。
排出口52Bは、図では、挿通孔52Aからカップ部材52の外周縁近傍にわたり、同じ幅寸法に形成されている。本実施形態では、排出口52Bの幅寸法を挿通孔52Aからカップ部材52の外周縁近傍に従って狭くするものでもよく、逆に、挿通孔52Aからカップ部材52の外周縁近傍に従って広くするものでもよい。
蓋部材522は、ケーシング51から送られる触媒2をカップ本体521の上面から漏出することを防止するものである。なお、図4及び図5では、蓋部材522の図示が省略されている。
撹拌翼53は、合成樹脂から形成されるものであって、カップ部材52の内部に配置されカップ部材52に収納された触媒2を撹拌する第一撹拌翼531と、カップ部材52の外部に配置され排出口52Bから排出された触媒を撹拌する第二撹拌翼532とを有する。
第一撹拌翼531は、第一軸部533と、第一軸部533に固定された第一撹拌板部534とを有する。第一撹拌板部534は、第一軸部533の外周に沿って等間隔に複数、図では4枚固定されている。
第一撹拌翼531は、その外周端縁がカップ本体521の内周形状に合わせて円弧状とされた扇形形状を有する。
第二撹拌翼532は、第二軸部535と、第二軸部535に固定された第二撹拌板部536とを有する。第二撹拌板部536は、第二軸部535の外周に沿って等間隔に複数、図では4枚固定されている。本実施形態では、これらの第二撹拌板部536は、それぞれ平面矩形状に形成されており、第二軸部535と接する基端辺を除く3辺の周縁が反応塔1の内部に露出される。
第二撹拌板部536は、第二軸部535の軸方向に沿って複数対、図では2対設けられている。つまり、本実施形態では、第二撹拌板部536は、カップ部材52に近接した位置に4枚、カップ部材52から離れた位置に4枚、合計、8枚配置されている。
第一軸部533と第二軸部535とは図示しない連結部材を介して連結されている。連結部材により、第一軸部533と第二軸部535から軸体530が構成される。
軸体530は、カップ部材52の挿通孔52Aに挿通されている。
図1において、撹拌翼駆動部54は、ケーシング51の内部に配置されたエアモータ541と、エアモータ541の回転を測定する回転計542と、エアモータ541にエアを供給するエア供給源543と、エアモータ541からのエアを排出するエア排出管544とを有する。
エアモータ541は、その軸芯がケーシング51の軸芯と一致するように支持され、その主軸541Aには第一軸部533が連結されている。
エアモータ541は、主軸541Aを有する。主軸541Aと軸体530とは図示しない連結部材で連結されている。そのため、エア供給源543から供給されるエアによりエアモータ541の主軸541Aが回転すると、主軸541Aとともに軸体530が回転する。
回転計542は、エアモータ541に附設され、エアモータ541の主軸541Aの回転速度を検出し、制御装置5に信号を出力する。
制御装置5は、回転計542からの出力信号を受けて撹拌翼53を適正な回転数となるようにエア供給源543を制御する。
[その他の装置]
反応塔1の内部には照明装置6と図示しないカメラとが配置されている。照明装置6とカメラとは制御装置5からの信号を受けてONまたはOFFとされる。
制御装置5は、図示しない外部電源に接続されている。
〔触媒の充填方法〕
[準備工程]
まず、反応塔1に足場4を組み立てて、触媒充填装置3を設置する。
[分離工程]
ホッパ11に混在物2Bを収納しておく。ホッパ11から混在物2Bを分離装置20に送る。
分離装置20では、ホッパ11から送られる混在物2Bが触媒管21と内管22との間の空間21Aを下方に向かって流通する。すると、混在物2Bのうち、内管22に近い部分を流通する混在物2Bは、第二フィン81に当たって流れが阻害され、外管23に近い部分を流通する混在物2Bは、第一フィン80に当たり、基端側から先端にかけて第一フィン80の上面(表面)に沿って流れる。混在物2Bは、第一フィン80の先端から離れた直後に渦流Pが発生する。渦流Pにより、混在物2Bのうち触媒2より小さな触媒粉2Aが乱流する。渦流Pに伴って触媒粉2Aが第一フィン80の下方の間に形成された領域Qに入り込み滞留する。
ここで、内管22の内部に除塵エアを送ると、除塵エアは、第二フィン61の基端より上方に位置する流体供給孔221を通って第二フィン81によって流れが阻害されている混在物2Bを逆流させて触媒管21側に送り、さらに、渦流Pにより第一フィン80の下方で滞留している触媒粉2Aを連通孔211に向けて押し出すことになり、除塵エアとともに触媒粉2Aが連通孔211を通って収納スペース23Aに収納される。収納スペース23Aに収納された触媒粉2Aは、除塵エア排出管25及び排気機構26により吸引される。
収納スペース23Aが除塵エア排出管25及び排気機構26により吸引されることで、触媒管21と内管22との間の空間21Aに負圧が生じ、空間21Aにある触媒粉2Aが強制的に連通孔211を通って収納スペース23Aに送られる。触媒粉2Aより大きな触媒2は、連通孔211を通らないので、下流側に送られる。
[散布工程]
分離装置20から送られる粒径の異なる多くの触媒2は、散布装置50に送られて反応塔1の内部に散布される。
まず、制御装置5からの信号を受けてバルブ40が開放操作されると、触媒2は、散布装置50のケーシング51の内部を通ってカップ部材52の内部に送られる。触媒2は、粒径の異なるものがカップ部材52の内部に収納されることになる。
そして、制御装置5からの駆動信号を撹拌翼駆動部54のエア供給源543が受けると、エア供給源543から供給されるエアは、エアモータ541を回転駆動させた後、エア排出管544を通って排出される。
エアモータ541とともに撹拌翼53が回転すると、撹拌翼53の第一撹拌翼531は、カップ部材52の内部に収納された触媒2を撹拌する。
カップ部材52の内部で撹拌されている触媒2は、カップ本体521に形成された排出口52Bを通じて、カップ部材52の下方から側方にかけて排出される。
ここで、粒径の大きな触媒2は、排出口52Bのうちカップ部材の底部中心から離れた部分から排出されるだけでなく、底部中心に近い部分からも排出されることになる。
排出口52Bのうち底部中心から排出される触媒2は、その粒径が小さいものが多いとしても、第二撹拌翼532を構成する第二撹拌板部536に衝突して、再度、撹拌されて反応塔1の内壁側に飛ばされることになる。
そのため、撹拌翼53で撹拌された触媒2は、大きさの偏在が少ない状態で、反応塔1の下部から徐々に集積されることになる。
なお、エアモータ541の回転数を回転計542が測定し、その測定値を制御装置5に送る。制御装置5では、エアモータ541に適正な回転数で回転させるようにエア供給源543に信号を送る。
[反応工程]
散布工程が終了したら、触媒充填装置3を反応塔1から撤去し、反応塔1の内部に充填された触媒2に原料流体を反応塔1の上部から流し込む。この際、触媒2は、その粒径にかかわらず反応塔1の内部において均等に充填されているので、原料流体は、触媒が充填された位置、例えば、反応塔1の中心部側や内壁部側にかかわらず、流れ込む。
〔実施形態の作用効果〕
前述のような本実施形態では、以下のような作用効果が得られる。
(1)異なる粒径の被散布材として触媒2を収納するカップ部材52と、カップ部材52に収納された触媒2を撹拌して底部中心から開口端縁に向けて形成された排出口52Bから排出する第一撹拌翼531と、排出口52Bから排出された触媒2を撹拌する第二撹拌翼532とを備えて撹拌翼53を構成した。そのため、粒径の大きな触媒2は、排出口52Bのうちカップ部材52の底部中心から離れた部分から排出されるだけでなく、底部中心に近い部分からも排出されることになり、しかも、排出口52Bのうち底部中心から排出される触媒2は、粒径の小さいものが大きいものに比べて多いとしても、第二撹拌翼532により、再度、撹拌されるので、触媒2の散布に伴う大きさの偏在が少なくなる。
(2)撹拌翼53を第一撹拌翼531と第二撹拌翼532とから構成し、第一撹拌翼531を、第一軸部533に第一撹拌板部534を固定して形成し、第二撹拌翼532を、第二軸部535に第二撹拌板部536を固定して形成し、第一軸部533と第二軸部535とを連結して軸体530を構成した。そのため、軸体530を回転駆動することで、第一撹拌板部534と第二撹拌板部536とを同時に回転させることができるので、第一軸部533と第二軸部535とを別々に回転させる場合に比べて、撹拌翼53の構造を簡易なものにできる。
(3)排出口52Bを、カップ部材52の底部中心から径方向に沿ってスリット状に形成したから、排出口52Bの構造を簡易なものにできる。
(4)前述の構成の散布装置50を備えて触媒充填装置3を構成したから、反応塔1に充填される触媒2は、その内壁側や中心部といった充填される位置にかかわらず、大きさの偏在が少なくなる。そのため、触媒充填後に、反応塔1に原料流体を流して反応作業を行った場合、反応塔1の位置にかかわらず、原料流体が同じように流れるので、反応作業の効率が向上する。
(5)第二撹拌板部536を、第二軸部535の軸方向に沿って複数対設ける構造としたので、触媒2を十分に撹拌することができる。
(6)触媒管21の周面部21Bに、触媒2と触媒2より小さな触媒粉2Aとの混在物2Bの流れに渦流Pを発生させる渦流発生部8を設け、内管22の流体供給孔221を渦流発生部8で渦流Pが発生した位置に対向配置したので、渦流発生部8により乱流状態で滞留している第一粉体を流体供給孔221から送られた除塵エアが連通孔211に向かって押し出すことになり、触媒粉2Aが効率的に収納スペース23Aに排出される。一方、触媒2は内管22と触媒管との間の空間に流通し続けるので、触媒粉2Aとは確実に分離される。しかも、渦流発生部8を触媒管21に設けるだけなので、構造が簡易である。その上、分離装置20により、触媒粉2Aと触媒2とが確実に分離されるので、散布装置50で反応塔1の内部に散布される触媒2の純度が高いものとなる。
(7)渦流発生部8は、先端が混在物2Bの流通方向のうち下流側に向いた第一フィン80を有し、第一フィン80の先端と内管22の壁部22Cとの間に混在物2Bが流れる隙間Sがあるので、第一フィン80に混在物2Bが当たると、触媒粉2Aが第一フィン80の先端から下方に回り込んで渦流Pが発生する。渦流Pにより乱流となった触媒粉2Aは、除塵エアによって確実に収納スペース23Aに送り出され、触媒2と確実に分離される。そのため、渦流Pの発生を確実に行えるとともに渦流発生部8の構成を簡易なものにできる。
(8)第一フィン80は、触媒管21の軸芯を中心とした環状に形成されているから、第一フィン80が周方向に沿って欠損した部位がなく、第一フィン80による混在物2Bの渦流を確実に発生させることができる。
(9)内管22の外周に外周面に沿った混在物2Bの流れを阻害する第二フィン81を設けたので、混在物2Bが撹拌されることになり、渦流Pを確実に発生させることができる。
(10)外管23には収納スペース23Aに収納された触媒粉2Aを吸引する除塵エア排出管25及び排気機構26が接続されているので、収納スペース23Aに負圧が生じ、触媒管21の内部にある触媒粉2Aを強制的に収納スペース23Aに送り出すことができ、この点からも、触媒粉2Aと触媒2との分離をより確実に行うことができる。
〔変形例〕
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、カップ部材52を、外周と内周が半球面とされたカップ本体521と蓋部材522とを備えて構成したが、本発明では、図6に示される通り、カップ部材520を、円板部523Aと筒部523Bとを有する有底円筒状のカップ本体523と、蓋部材522とを備えて構成してもよい。この場合、排出口52Bは、円板部523Aにのみ形成されるものでもよく、円板部523Aから筒部523Bにかけて形成されるものでもよい。図6で示されるカップ部材52は、図3で示される撹拌翼53を用いてもよい。第一撹拌翼531の第一撹拌板部534を、図3で示されるように、扇形形状としてもよいが、カップ本体523の内部形状に合わせて平面矩形状としてもよい。
また、前記実施形態では、第一撹拌板部534と第二撹拌板部536とをそれぞれ平面矩形状としたが、本発明では、図7で示される通り、平面扇形形状としてもよい。この場合、扇形を形成する直線部を反応塔1の下部に向け、円弧部分を反応塔1の上部に向ける形状としてもよい。
さらに、前記実施形態では、第一撹拌翼531と第二撹拌翼532とは連結された構造であったが、本発明では、分離した構造とし、それぞれ駆動機構により回転駆動させる構成としてもよい。
また、排出口52Bを、カップ部材52の底部中心から径方向に沿ってスリット状に形成したが、本発明では、排出口52Bは、カップ部材52の底部中心と開口端縁との間に形成されていればよく、例えば、排出口52Bを複数の孔から構成し、これらの孔を底部中心から径方向に沿って並べて配置してもよい。排出口52Bをスリット状に形成する場合であっても、前記実施形態のように、直線状に形成することを要せず、カップ部材52の底部中心から開口端縁に向けて螺旋状に形成するものでもよい。
前記実施形態では、第二撹拌板部536を、第二軸部535の外周に複数固定して形成し、これらの第二撹拌板部536を、第二軸部535と接する基端辺を除く3辺の周縁が反応塔1の内部に露出した構成としたが、本発明では、これらの第二撹拌板部536同士を、第二軸部535の軸芯と直交する板部で連結する構成としてもよい。板部で連結することで、第二撹拌翼532の強度が大きなものになる。ただし、前記実施形態のように、複数の第二撹拌板部536を、第二軸部535と接する基端辺を除く3辺の周縁が反応塔1の内部に露出した構成とすれば、板部の上に触媒2が落下し、板部の遠心力で反応塔1の壁部近傍まで飛ばされることが少ないので、散布する触媒2の粒径の偏差をより少ないものにできる。
本発明では、分離装置20を省略した構成としてもよい。
仮に、分離装置20を設ける場合であっても、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、第二フィン81を省略してもよく、さらには、第一フィン80と第二フィン81を複数段から構成することを要せず、1段から構成するものでもよい。
さらに、本発明の被散布材は、反応塔1の内部に散布される触媒2に限定されるものではなく、例えば、アルミパウダー、亜鉛粉、合金粉等の金属分野で使用される粒状体、カーボン粉、活性炭、樹脂粉、樹脂ビーズ等の化学分野で使用される粒状体、アルミナ、クレー等の窯業分野で使用される粒状体、塩、上砂糖、グラニュー糖等の食品分野で使用される粒状体、その他の分野で使用される粒状体としてもよい。
本発明は、金属分野、化学分野、食品分野における製造、並びに、石油精製設備や化学工業設備等の反応塔への触媒の充填に利用できる。
1…反応塔、11…ホッパ、2…触媒(被散布材)、20…分離装置、21…触媒管、211…連通孔、21A…空間、21B…周面部、22…内管、221…流体供給孔、22A…筒状部、22C…壁部、23…外管、23A…収納スペース、2A…触媒粉、2B…混在物、3…触媒充填装置、50…散布装置、51…ケーシング、52,520…カップ部材、521,523…カップ本体、52A…挿通孔、52B…排出口、53…撹拌翼、530…軸体、531…第一撹拌翼、532…第二撹拌翼、533…第一軸部、534…第一撹拌板部、535…第二軸部、536…第二撹拌板部、54…撹拌翼駆動部、541…エアモータ、8…渦流発生部、80…第一フィン、81…第二フィン、P…渦流

Claims (4)

  1. 異なる粒径の被散布材を収納し前記被散布材を排出する排出口が底部中心と開口端縁との間に形成されたカップ部材と、
    前記カップ部材に収納された前記被散布材を撹拌して前記排出口から排出する第一撹拌翼と、
    前記排出口から排出された前記被散布材を撹拌する第二撹拌翼とを備えた
    ことを特徴とする散布装置。
  2. 請求項1に記載された散布装置において、
    前記第一撹拌翼は、第一軸部と、前記第一軸部に固定された第一撹拌板部とを備え、
    前記第二撹拌翼は、第二軸部と、前記第二軸部に固定された第二撹拌板部とを備え、
    前記第一軸部と前記第二軸部とが連結されて軸体が構成され、前記軸体は、前記カップ部材の底部中心に形成された挿通孔に挿通され、
    前記排出口は、前記カップ部材の底部中心から径方向に沿ってスリット状に形成されている
    ことを特徴とする散布装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された散布装置を備え、前記被散布材は触媒であり、前記散布装置は前記触媒を反応塔の内部に散布する
    ことを特徴とする触媒充填装置。
  4. 請求項3に記載された触媒充填装置において、
    前記触媒と前記触媒より小さな触媒粉とを混在して収納するホッパと、前記ホッパから供給された触媒を触媒粉から分離して前記散布装置に送る分離装置とを備え、
    前記分離装置は、前記触媒と前記触媒粉とが混在して流通する触媒管と、前記触媒管の内部に配置された内管と、前記触媒管の外部に配置された外管とを備え、
    前記触媒管は、前記触媒粉が通過可能かつ前記触媒が通過不可能の連通孔が複数形成された周面部を有し、
    前記内管は、前記連通孔から前記触媒粉を排出するための触媒粉排出用流体を前記触媒管との間の空間に供給する流体供給孔が複数形成された壁部を有し、
    前記外管は、前記触媒管との間に前記連通孔から排出された前記触媒粉を収納する収納スペースを有し、
    前記触媒管の周面部と前記内管の壁部との少なくとも一方には、前記触媒粉と前記触媒との混在物の流れに渦を発生させる渦流発生部が設けられ、
    前記流体供給孔は、少なくとも前記渦流発生部で渦流が発生した位置と対向して配置されている
    ことを特徴とする触媒充填装置。
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