JP2014530829A - フコシル化抗体の分離法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抗体、具体的には、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法に関する。本方法は、抗体のFc受容体に対する結合親和性に基づく。本発明は、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離のためのFc受容体の使用にさらに関する。

Description

発明の領域
本発明は、抗体、具体的には、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法に関する。方法は、Fc受容体に対する抗体の結合親和性に基づく。本発明は、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離のためのFc受容体の使用にさらに関する。
背景
ヒトIgG1は、抗原認識を担う可変領域を含む2個のFab(fragment antigen binding)断片と、免疫系の成分と相互作用し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)のような免疫エフェクター機能を媒介する1個の定常Fc(fragment crystallizable)ドメインとからなる。定常領域のCH2ドメイン内のアスパラギン297(Asn297、N297)にある保存されたNグリコシル化部位に付着した炭水化物構造は、これらのエフェクター機能を媒介するために必須である(1〜4)。
天然には、Fcドメインに付着したオリゴ糖は、主に、二分型(bisecting)GlcNAc(N-アセチルガラクトサミン)、末端ガラクトース、コアフコース、およびシアル酸の含量が変動する二分岐複合型構造である(図1)。
最近の研究は、炭水化物組成の修飾が、抗体によって媒介される免疫エフェクター機能に強く影響することを示した(3〜5)。低レベルのガラクトシル化は、補体活性化に正の影響を与え、コアフコースの欠如は、FcγRIIIaに対するより高い結合親和性をもたらし、それによってADCCを増強する(5〜7)。グリコシル化プロファイルを操作し、改善された生物学的機能を有する治療用抗体を生成するため、数種のアプローチが開発されている(8〜10)。
例えば、β(1,4)-N-アセチルグルコサミルトランスフェラーゼ(GnT)IIIおよびマンノシダーゼ(Man)IIを過剰発現する哺乳動物細胞において産生された糖鎖改変型抗体は、二分型非フコシル化オリゴ糖の高い割合を特色とし、FcγRIIIに対する50倍も高い親和性の結果として、増強されたADCCを誘発する(9)。しかしながら、フコシル化反応を阻害するGnTIIIの過剰発現により導入された炭水化物修飾は、部分非フコシル化抗体しかもたらさない。IgG分子のFcドメインは、2個のN結合型グリコシル化部位を保持するため、フコシル化反応の部分的な阻害は、抗体プール内にフコースの可変性の分布をもたらし得る。そのような抗体調製物は、1個または2個のフコース残基を保持する分子の混合物を含有する可能性があるが、いくつかは完全非フコシル化である。明らかに、そのような非フコシル化の異なる程度は、FcγRIIIaに対する全体親和性に影響を及ぼし、異なる生物学的活性をもたらす。従って、そのような抗体プールの詳細な特徴決定が必須である。
フコシル化IgGと非フコシル化IgGとの間のFcγRIIIaに対する親和性の差は、50倍にもなるため、抗体プール内の異なってフコシル化された種を分離し、それらを独立して特徴決定するために、この相互作用を利用することができる。
IgG精製のために使用されている既存のアフィニティクロマトグラフィマトリックスは、固定化された捕獲タンパク質が、抗体のタンパク質骨格に特異的に結合するため、IgGプール内の異なるグリコシル化パターンを区別することができない。例えば、プロテインAおよびプロテインGは、Fc領域のCH2ドメインとCH3ドメインとの間の界面に結合し、プロテインLのようなその他のIgG特異的タンパク質は、カッパ軽鎖の定常部分を認識する(11〜13)。
特定のグリカン構造を保持するタンパク質を濃縮するため、例えば、フコース含有グリカンに結合するヒイロチャワンタケ(Aleuria aurantia)レクチン(AAL)を使用したレクチンアフィニティクロマトグラフィが利用されている(14)。あるいは、特定の炭水化物構造を認識するグリカンターゲティング抗体、例えば、ルイスx抗原に特異的な抗体が、使用されている(15)。これらの方法は、特定の炭水化物を保持する糖タンパク質を濃縮するために適当であり得るが、非フコシル化抗体のような特定の炭水化物を欠く糖タンパク質の濃縮のためには限定された有用性を有する。さらに、これらの方法は、いずれも、抗体に特異的ではなく、従って、標的とされたグリカン構造を保持する他のタンパク質の混入を回避するため、アフィニティマトリックスへの適用の前に、抗体プールの厳密な精製を必要とするであろう。最後に、これらの方法は、入手が困難であり得る特定のレクチンまたは抗体に頼っており、調製用には成功裡に使用されていない。
実験および治療の目的のために重要な免疫エフェクター機能を誘導するのに大幅に増加した効力を考えれば、抗体プール内に存在する完全フコシル化抗体から、部分フコシル化抗体または完全非フコシル化抗体を分離することが望ましいであろう。本発明は、そのような分離を達成するための単純かつ効率的な方法を提供する。
発明の説明
本発明は、FcRγIIIaのようなある種のFc受容体の、フコシル化抗体と(部分または完全)非フコシル化抗体とを区別する能力に基づく分離法を提供する。本法は、分析用および調製用の抗体プールから、異なってフコシル化された抗体を分離するため、固定化されたFc受容体を使用する。本明細書に記載された方法は、抗体プールの炭水化物組成を特徴決定するため、分析的に適用され得る。本方法は、大きな試料数のスクリーニングを可能にするため、例えば、非フコシル化オリゴ糖の高い含量を有する糖鎖改変型抗体を産生する宿主細胞クローンを選択するために使用され得る。調製的適用は、完全非フコシル化抗体集団または完全フコシル化抗体集団を調製し、それらの異なるFcγRIIIa結合特性および生物学的活性を特徴決定することを可能にする。
第一の局面において、本発明は、以下の工程を含む、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法を提供する:
(a)抗体の集団を提供する工程、
(b)抗体の集団を支持体上に固定化されたFc受容体と接触させる工程、
(c)Fc受容体に特異的に結合していない抗体を溶出させる工程、および
(d)Fc受容体に特異的に結合した抗体を溶出させる工程。
特定の態様において、抗体は、IgG抗体、特に、IgG1抗体である。いくつかの態様において、抗体はヒトFc領域を含む。一つの態様において、抗体はグリコシル化抗体である。具体的な態様において、抗体は、改変されたオリゴ糖構造をFc領域に有するよう糖鎖改変されている。さらに具体的な態様において、抗体は、対応する非糖鎖改変型抗体と比較して、増加した割合の非フコシル化オリゴ糖をFc領域に有するよう糖鎖改変されている。一つの態様において、抗体は、改変されていない宿主細胞と比較して、増加したβ(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnT)III活性を有するよう改変された宿主細胞において産生されたものである。より具体的な態様において、宿主細胞は、増加したαマンノシダーゼII(ManII)活性を有するようさらに改変されている。増加したGnTIII活性は、典型的には、1種以上の、GnTIII活性を有するポリペプチド、即ち、N結合型オリゴ糖のトリマンノシルコアのβ結合型マンノシドへのβ1,4結合でのN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基の付加を触媒することができるポリペプチドをコードする1種以上のポリヌクレオチドを、宿主細胞へ導入することに起因する。これには、用量依存的または用量非依存的な特定の生物学的アッセイにおいて測定される、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(NC-IUBMB)によるβ-1,4-マンノシル糖タンパク質4-β-N-アセチルグルコサミニル-トランスフェラーゼ(EC 2.4.1.144)としても公知のβ(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIIの活性に類似しているが、必ずしも同一ではない酵素活性を示す融合ポリペプチドが含まれる。ある種の態様において、GnTIII活性を有するポリペプチドは、GnTIIIの触媒ドメインと、異種ゴルジ常在型ポリペプチドのゴルジ移行ドメインとを含む融合ポリペプチドである。とりわけ、ゴルジ移行ドメインは、マンノシダーゼIIまたはGnTIの移行ドメイン、最も特に、マンノシダーゼIIの移行ドメインである。あるいは、ゴルジ移行ドメインは、マンノシダーゼIの移行ドメイン、GnTIIの移行ドメイン、およびα1,6コアフコシルトランスフェラーゼの移行ドメインからなる群より選択される。Fc領域に非フコシル化オリゴ糖の増加した割合を有するよう抗体を糖鎖改変するために使用され得る糖鎖改変方法論は、Umana et al.,Nat Biotechnol 17,176-180(1999);Ferrara et al.,Biotechn Bioeng 93,851-861(2006)、ならびにPCT公開番号WO 99/54342、WO 2004/065540、およびWO 03/011878(各々、その内容全体が参照により明示的に本明細書に組み入れられる)に記載されている。
特定の態様において、Fc受容体の抗体に対する結合親和性は、抗体のフコシル化の程度に依存する。具体的なそのような態様において、Fc受容体の抗体に対する結合親和性は、抗体のフコシル化の程度と共に減少する。一つの態様において、とりわけ、抗体がIgG抗体である場合、Fc受容体はFcγ受容体である。特定の態様において、Fc受容体はFcγRIIIaである。より具体的な態様において、Fc受容体はFcγRIIIa(V158)である。いくつかの態様において、とりわけ、抗体がヒトFc領域を含む場合、Fc受容体はヒトである。一つの態様において、Fc受容体は組換えFc受容体である(即ち、Fc受容体は組換え作製により入手される)。
一つの態様において、Fc受容体が固定化される支持体はポリマーマトリックスである。ポリマーマトリックスは、典型的には、ビーズの形態をとる。一つの態様において、ポリマーマトリックスは、架橋アガロースまたはその誘導体である。具体的な態様において、ポリマーマトリックスは、Sepharose(登録商標)(GE Healthcare(Uppsala,Sweden)より入手可能な架橋アガロース)である。もう一つの態様において、ポリマーマトリックスは、架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)である。具体的な態様において、ポリマーマトリックスは、POROS(登録商標)(Applied Biosystems(Foster City,USA)より入手可能な架橋ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン))である。Fc受容体は、様々な方式で支持体上に固定化され得る。当業者は、支持体の特性に基づき、適切な固定化法を決定することが容易にできるであろう。例えば、ポリマーマトリックス上の固定化は、典型的には、固定化されるタンパク質の、マトリックスに含まれる官能基(例えば、ヒドロキシル基、アルデヒド基、エポキシド基)との化学反応を通して達成される。適当なポリマーマトリクスならびにカップリングの化学およびプロトコルは、当技術分野において周知である。2種の異なる支持体への固定化が、下記実施例にも記載される。一つの態様において、支持体は細胞または細胞膜ではない。ある種の態様において、方法はクロマトグラフィ法である。一つのそのような態様において、支持体はクロマトグラフィカラムに含まれる。一つのそのような態様において、抗体集団のFc受容体との接触は、抗体集団をクロマトグラフィカラムに通すことにより実施される。
特定の態様において、抗体の集団は精製されている。ある種の態様において、抗体の集団は、アフィニティ精製されており、とりわけ、プロテインAまたはプロテインGを使用してアフィニティ精製されている。アフィニティ精製は、例えば、抗体集団をアフィニティマトリックスと共にインキュベートすることにより、バッチ精製として、または抗体集団移動相をアフィニティマトリックス固定相へ通すことにより、クロマトグラフィ精製として実施され得る。一つの態様において、抗体の集団は、アフィニティクロマトグラフィにより精製されている。より具体的な態様において、抗体の集団は、プロテインAアフィニティクロマトグラフィまたはプロテインGアフィニティクロマトグラフィ、とりわけ、プロテインAアフィニティクロマトグラフィにより精製されている。他の態様において、抗体集団は、サイズ排除クロマトグラフィ、またはアフィニティクロマトグラフィとサイズ排除クロマトグラフィとの組み合わせにより精製されている。
一つの態様において、抗体の集団は、溶液で提供される。より具体的な態様において、抗体の集団は、緩衝溶液で提供される。一つの態様において、緩衝溶液は、約7.0〜約8.5のpH値、とりわけ、約8のpH値を有する。一つの態様において、緩衝溶液は、トリス緩衝溶液である。さらに具体的な態様において、緩衝溶液は、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl(pH8)、または20mMトリス、20mM MOPS (3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH8)である。いくつかの態様において、抗体集団のFc受容体との接触は、緩衝溶液で実施される。特定のそのような態様において、緩衝溶液は、抗体の集団が提供される緩衝溶液と同一である。一つの態様において、抗体の集団は、プロテインAアフィニティクロマトグラフィまたはプロテインGアフィニティクロマトグラフィ、とりわけ、プロテインAアフィニティクロマトグラフィにより精製されており、Fc受容体との接触は、アフィニティクロマトグラフィの後、抗体の集団が入手されるのと同一の緩衝溶液で実施される(プロテインAからの溶出の後の抗体溶液の中和を含む)。特定の態様において、抗体集団の精製とFc受容体との接触との間に、中間工程は必要とされない。
いくつかの態様において、方法は、
(c1)支持体を洗浄する工程
をさらに含む。
一つの態様において、洗浄は、抗体のFc受容体との特異的結合が維持されることを可能にする緩衝溶液と支持体を接触させた後、緩衝溶液を除去することを含む。一つの態様において、緩衝溶液は、約7.0〜約8.5のpH値、とりわけ、約8のpH値を有する。一つの態様において、緩衝溶液はトリス緩衝溶液である。さらに具体的な態様において、緩衝溶液は、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl(pH8)、または20mMトリス、20mM MOPS (3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH8)である。一つの態様において、緩衝溶液は、抗体が提供される緩衝溶液と同一である。一つの態様において、(精製された)抗体の集団を提供する(工程a)のに、抗体の集団をFc受容体と接触させる(工程b)のに、受容体に特異的に結合していない抗体を溶出させる(工程c)のに、および支持体を洗浄する(工程c1)のに、同一の緩衝溶液が使用される。
特定の態様において、方法は、抗体の大多数が、抗体Fc領域の2個のNグリカンのうちのいずれにもフコース残基を含まないか、一方にフコース残基を含むか、または両方にフコース残基を含む抗体亜集団の分離を可能にする。さらに特定の態様において、方法は、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%のフコシル化の程度を有する抗体と、20%未満、好ましくは、10%未満のフコシル化の程度を有する抗体と、約10%〜75%、好ましくは、約20%〜60%のフコシル化の程度を有する抗体との分離を可能にする。一つの態様において、方法は、部分フコシル化抗体および完全非フコシル化抗体から本質的になる抗体亜集団の分離のために適当である。一つの態様において、方法は、抗体Fc領域の2個のNグリカンのいずれにもフコース残基を含まないかまたは一方にフコース残基を含む抗体から本質的になる抗体亜集団の分離のために適当である。一つの態様において、方法は、抗体Fc領域の2個のNグリカンの両方にフコース残基を含む抗体を本質的に含まない抗体亜集団の分離のために適当である。
ある種の態様において、方法は分析用である。他の態様において、方法は調製用である。
ある種の態様において、方法は、
(e)工程(c)および/または工程(d)の溶出された抗体を収集する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、
(f)収集された抗体を実験用および治療用に使用する工程をさらに含む。
一つの態様において、溶出された抗体は、280nmの波長でUV吸光度を測定することにより検出される。
一つの態様において、工程(c)の溶出は、工程(b)における接触させる工程の後の抗体集団内で遊離のままである抗体の分離を含む。支持体がクロマトグラフィカラムに含まれ、抗体集団のFc受容体との接触が、抗体集団をクロマトグラフィカラムに通すことにより実施される場合、工程(c)において溶出される抗体は、クロマトグラフィカラムのフロースルーに見出される。一つの態様において、工程(c)において溶出される抗体は、完全フコシル化抗体である。より具体的な態様において、工程(c)において溶出される抗体は、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95%のフコシル化の程度を有する。一つの態様において、工程(c)において溶出される抗体の大多数が、抗体Fc領域の2個のNグリカンの各々にフコース残基を含む。
特定の態様において、工程(d)の溶出は、抗体のFc受容体との結合を妨げる緩衝溶液と、支持体を接触させる工程を含む。一つのそのような態様において、緩衝溶液は、約3〜約5の範囲、好ましくは、約4〜約5の範囲のpH値を有する。一つの態様において、緩衝溶液はトリス緩衝溶液である。一つの態様において、工程(d)において溶出される抗体は、部分フコシル化抗体および/または完全非フコシル化抗体である。より具体的な態様において、工程(d)において溶出される抗体は、90%未満、好ましくは、75%未満、最も好ましくは、60%未満のフコシル化の程度を有する。一つの態様において、工程(d)において溶出される抗体の大多数が、抗体Fc領域の2個のNグリカンのうちのいずれにもフコース残基を含まないかまたは一方にフコース残基を含む。
特定の態様において、工程(d)の溶出は、異なるpH値で実施される。一つの態様において、pH値は、約3〜約5の範囲、好ましくは、約4〜約5の範囲にある。具体的な態様において、pH値は4.6および4.2を含む。もう一つの特定の態様において、工程(d)の溶出は、部分フコシル化抗体と完全非フコシル化抗体との分離を可能にする。より具体的な態様において、工程(d)の溶出は、20%未満、好ましくは、10%未満のフコシル化の程度を有する抗体と、約10%〜75%、好ましくは、約20%〜60%のフコシル化の程度を有する抗体との分離を可能にする。さらにもう一つの特定の態様において、工程(d)の溶出は、抗体の大多数が抗体Fc領域の2個のNグリカンのうちの一方にフコース残基を含む抗体亜集団、または抗体の大多数が抗体Fc領域の2個のNグリカンのいずれにもフコース残基を含まない抗体亜集団の分離を可能にする。いくつかの態様において、工程(d)の溶出は、異なる程度のフコシル化を有する抗体のFc受容体との結合を妨げる一連の緩衝溶液と、支持体を連続的に接触させることにより実施される。具体的なそのような態様において、緩衝溶液は異なるpH値を有する。一つの態様において、pH値は、約3〜約5の範囲、好ましくは、約4〜約5の範囲にある。具体的な態様において、pH値は4.6および4.2を含む。一つの態様において、緩衝溶液はトリス緩衝溶液である。さらに具体的な態様において、緩衝溶液は、異なるpH値を有する、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl、または20mMトリス、20mM MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaClである。
さらなる局面において、本発明は、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法におけるFc受容体の使用を包含する。一つの局面において、本発明は、本明細書に記載される本発明の方法におけるFc受容体の使用を提供する。一つの態様において、Fc受容体はFcγ受容体である。特定の態様において、Fc受容体はFcγRIIIaである。より具体的な態様において、Fc受容体はFcγRIIIa(V158)である。一つの態様において、Fc受容体はヒトである。さらなる態様において、Fc受容体は組換えFc受容体である。特定の態様において、Fc受容体は支持体上に固定化される。支持体は、本発明の方法において使用される支持体に関して前節に記載された特色のいずれかを単独でまたは組み合わせて取り込むことができる。
さらにもう一つの局面において、本発明は、本発明の方法のような、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法において使用するための、支持体上に固定化されたFc受容体を提供する。一つの態様において、Fc受容体はFcγ受容体である。特定の態様において、Fc受容体はFcγRIIIaである。より具体的な態様において、Fc受容体はFcγRIIIa(V158)である。一つの態様において、Fc受容体はヒトである。さらなる態様において、Fc受容体は組換えFc受容体である。支持体は、本発明の方法において使用される支持体に関して前節に記載された特色のいずれかを単独でまたは組み合わせて取り込むことができる。
用語は、以下に他に定義されない限り、当技術分野において一般に使用されるように、本明細書において使用される。
本明細書において「抗体」という用語は、最も広義に使用され、Fc領域または免疫グロブリンのFc領域と等価な領域を含む限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば、二特異性抗体)、および抗体断片を含むが、これらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。その用語には、Fc領域または免疫グロブリンのFc領域と等価な領域を含む融合タンパク質も包含される。
「免疫グロブリン」という用語は、天然に存在する抗体の構造を有するタンパク質をさす。例えば、IgGクラスの免疫グロブリンは、ジスルフィド結合した2本の軽鎖および2本の重鎖から構成された約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端へ、各重鎖は、可変重鎖ドメインまたは重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、続いて、ヒンジ領域(HR)ならびに重鎖定常領域とも呼ばれる3個の定常ドメイン(CH1、CH2、およびCH3)を有する。IgEクラス免疫グロブリンの場合、重鎖はCH4ドメインをさらに有する。従って、免疫グロブリン重鎖は、N末端からC末端の方向に、以下のドメインからなるポリペプチドである:VH-CH1-HR-CH2-CH3-(CH4)。同様に、N末端からC末端へ、各軽鎖は、可変軽鎖ドメインまたは軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、続いて、軽鎖定常領域とも呼ばれる定常軽鎖ドメイン(CL)を有する。従って、免疫グロブリン軽鎖は、N末端からC末端の方向に、以下のドメインからなるポリペプチドである:VL-CL。免疫グロブリンの重鎖は、α(IgA)、δ(IgD)、ε(IgE)、γ(IgG)、またはμ(IgM)と呼ばれる五つの型のうちの一つに割り当てられ得、それらのいくつかは、サブタイプ、例えば、γ1(IgG1)、γ2(IgG2)、γ3(IgG3)、γ4(IgG4)、α1(IgA1)、およびα2(IgA2)へさらに分割され得る。免疫グロブリンの軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる二つの型のうちの一つに割り当てられ得る。免疫グロブリンは、免疫グロブリンヒンジ領域を介して連結された2個のFab断片および1個のFc領域から本質的になる。
抗体または免疫グロブリンの「クラス」とは、その重鎖が保有する定常ドメインまたは定常領域の型をさす。五つの主要な抗体のクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2へさらに分割され得る。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
本明細書において「Fc領域」または「Fcドメイン」という用語は、定常領域の一部分を少なくとも含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するため、使用される。その用語には、ネイティブ配列Fc領域およびバリアントFc領域が含まれる。IgG重鎖のFc領域の境界は、わずかに変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、一般的には、重鎖のCys226またはPro230からカルボキシル末端までに及ぶと定義される。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあるしまたは存在しない場合もある。本明細書において他に特記されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されたような、EUインデックスと呼ばれるEU番号付け系に従う。
「免疫グロブリンのFc領域と等価な領域」には、免疫グロブリンのFc領域の天然に存在する対立遺伝子バリアント、ならびに、置換、付加、または欠失を生ずるが、免疫グロブリンの(抗体依存性細胞傷害のような)エフェクター機能を媒介する能力を実質的に減少させない改変を有するバリアントを含むことが意図される。例えば、生物学的機能の実質的な損失なしに、免疫グロブリンのFc領域のN末端またはC末端から、1個以上のアミノ酸を欠失させることができる。そのようなバリアントは、活性に対する最小の効果を有するよう、当技術分野において公知の一般的なルールに従って選択され得る(例えば、Bowie et al.,Science 247,1306-10(1990)を参照のこと)。
「フコシル化」という用語は、抗体のペプチド骨格に付着したオリゴ糖内のフコース残基の存在をさす。具体的には、フコシル化抗体は、抗体Fc領域、例えば、ヒトIgG1 FcドメインのAsn297位(Fc領域残基のEU番号付け)に付着したN結合型オリゴ糖の一方または両方における最も内側のN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基にα(1,6)結合型フコースを含む。Asn297は、免疫グロブリンの軽微な配列変動のため、297位の約±3アミノ酸上流または下流、即ち、294位と300位との間に位置する場合もある。
「フコシル化の程度」とは、MALDI TOF MSによる、N-グリコシダーゼFによって処理された抗体試料において同定される全オリゴ糖に対するフコシル化オリゴ糖の百分率である。「完全フコシル化抗体」の試料においては、本質的に全てのオリゴ糖が、フコース残基を含む、即ち、フコシル化されている。一つの態様において、完全フコシル化抗体は、少なくとも90%のフコシル化の程度を有する。従って、そのような試料における個々の抗体は、典型的には、Fc領域における2個のN結合型オリゴ糖の各々にフコース残基を含む。反対に「完全非フコシル化」抗体の試料においては、本質的に全てのオリゴ糖がフコシル化されておらず、そのような試料における個々の抗体は、Fc領域における2個のN結合型オリゴ糖のいずれにもフコース残基を含まない。一つの態様において、完全非フコシル化抗体は、10%未満のフコシル化の程度を有する。「部分フコシル化抗体」の試料においては、オリゴ糖の一部のみがフコースを含む。試料の本質的に全ての個々の抗体が、Fc領域におけるN結合型オリゴ糖のいずれにもフコース残基を含まないのではなく、試料の本質的に全ての個々の抗体が、Fc領域におけるN結合型オリゴ糖の両方にフコース残基を含むのではなければ、そのような試料における個々の抗体は、Fc領域におけるN結合型オリゴ糖のいずれにもフコース残基を含まなくてもよいし、一方または両方にフコース残基を含んでいてもよい。一つの態様において、部分フコシル化抗体は、約10〜約75%のフコシル化の程度を有する。
本明細書において使用されるように、「糖鎖改変する、糖鎖改変型の、糖鎖改変」という用語は、ポリペプチドのグリコシル化パターンを改変する、天然に存在するかまたは組換えのポリペプチドまたはそれらの断片のペプチド骨格の操作または翻訳後修飾をさす。糖鎖改変には、アミノ酸配列の修飾、個々のアミノ酸の側鎖基の修飾、またはオリゴ糖構造の修飾、およびこれらのアプローチの組み合わせが含まれる。糖鎖改変には、細胞において発現された糖タンパク質の改変されたグリコシル化を達成するための、オリゴ糖合成経路の遺伝学的操作を含む、細胞のグリコシル化機構の代謝工学も含まれる。さらに、糖鎖改変には、グリコシル化に対する変異および細胞環境の効果が含まれる。一つの態様において、糖鎖改変型抗体は、抗体を産生する宿主細胞におけるグリコシルトランスフェラーゼ活性の改変に起因する。グリコシルトランスフェラーゼには、例えば、β(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)、β(1,4)-ガラクトシルトランスフェラーゼ(GalT)、β(1,2)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI(GnTI)、β(1,2)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼII(GnTII)、およびα(1,6)-フコシルトランスフェラーゼが含まれる。特定の態様において、糖鎖改変型抗体は、抗体を産生する宿主細胞における改変されたグルコサミニルトランスフェラーゼ活性および/またはフコシルトランスフェラーゼ活性に起因する。Fc領域に非フコシル化オリゴ糖の増加した割合を有する抗体は、例えば、増加したβ(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII)活性を有し、任意で、増加したマンノシダーゼII(ManII)活性をさらに有する宿主細胞、または減少したα(1,6)フコシルトランスフェラーゼ活性を有する宿主細胞において、抗体を産生させることにより入手され得る。
「FcγRIIIa(V158)」とは、アミノ酸158位にバリン(V)残基を有するFcγRIIIa(CD16aとしても公知;ヒトタンパク質については、Uni Prot No.P08637、NCBIアクセッション番号NP_000560を参照のこと)のアイソフォームをさす。FcγRIIIa(V158)によるIgG結合は、FcγRIIIa(F158)による結合より強いことが示された(17)。
「特異的に結合した」とは、結合が、Fc受容体に選択的であって、不都合なまたは非特異的な相互作用と区別され得ることを意味する。Fc受容体と結合する抗体の能力は、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)または当業者に周知のその他の技術、例えば、本明細書に記載される表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定され得る。
「結合親和性」とは、分子(例えば、受容体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、リガンド)との間の非共有結合性の相互作用の総計の強さをさす。他に示されない限り、本明細書において使用されるように、「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば、受容体およびそのリガンド)の間の1:1相互作用を反映する固有結合親和性をさす。分子XのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離速度定数と会合速度定数(それぞれ、koffおよびkon)の比率である解離定数(KD)によって表され得る。従って、速度定数の比率が同一のままである限り、等価な親和性が異なる速度定数を含む場合がある。親和性は、本明細書に記載されたものを含む、当技術分野において公知のよく確立されている方法によって測定され得る。親和性を測定する特定の方法は、表面プラズモン共鳴(SPR)である。
「精製された」という用語は、抗体集団に関して使用される時、抗体集団が無関係の非抗体タンパク質を本質的に含まないことを意味する。高速液体クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、アフィニティクロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ等を含む、抗体の精製のための様々な方法が、当技術分野において公知である。「アフィニティ精製された」抗体集団とは、抗体は特異的に結合するが、無関係の非抗体タンパク質は結合しないアフィニティマトリックス、例えば、プロテインAまたはプロテインGを含むアフィニティマトリックスを使用して精製された抗体集団をさす。
「緩衝溶液」という用語は、本明細書において使用されるように、明確なpH値を有し、典型的には、溶液のpHを安定化する緩衝剤を含む溶液をさす。緩衝剤は、当技術分野において周知であり、例えば、クエン酸塩、酢酸塩、ヒスチジン塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、リン酸塩、乳酸塩、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含む。
「大多数」とは、本明細書において使用されるように、全体の50%超、好ましくは、60%超、最も好ましくは、70%超を意味する。
ヒトIgG1 FcドメインのAsn297に付着しているN結合型オリゴ糖。太字の糖は五糖コアを定義し、他の糖残基の付加は可変性である。GlcNAc:N-アセチルグルコサミン;Fuc:フコース;Man:マンノース;Gal:ガラクトース;NeuAc:N-アセチルノイラミン酸。 可溶性ヒトFcγRIIIa(V158)の精製。(A)固定化金属キレートクロマトグラフィ(IMAC)のクロマトグラム。実線:A280nm;点線:勾配。(B)サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)のクロマトグラム。実線:A280nm;(C)SDS PAGE、クーマシー染色。レーン1:分子量マーカー[kDa];レーン2:FcγRIIIa(V158)還元型。(D)分析用SECクロマトグラム(A280nm)。50μgの試料が注入された。 分析用FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィ。10μgの(A)糖鎖改変型IgG「A」;(B)野生型IgG「A」;(C)糖鎖改変型IgG「B」;(D)野生型IgG「B」についてのクロマトグラム(A280nm)。非フコシル化グリカンの高い含量を有する抗体画分に相当するピーク(「結合ピーク」)は、黒四角によりマークされる。「結合ピーク」の面積は以下の通りである:(A)全ピーク面積の66%(MALDI TOF MSにより決定される48%非フコシル化);(B)全ピーク面積の26%(MALDI TOF MSによる10%非フコシル化);(C)全ピーク面積の75%(MALDI TOF MSによる75%非フコシル化);(D)全ピーク面積の31%(MALDI TOF MSによる9%非フコシル化)。 分析用FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィの評価。MALDI TOF MSにより決定される非フコシル化の百分率の関数としての、FcgRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムからの「結合ピーク」の面積の全ピーク面積に対する百分率。(A)糖鎖改変型IgG「A」と野生型IgG「A」との混合物(0〜100%糖鎖改変型IgG)。(B)糖鎖改変型IgG「B」と野生型IgG「B」との混合物(0〜100%糖鎖改変型IgG)。 細胞培養上清から精製された抗体(糖鎖改変型IgG「C」)のフコシル化の程度を分析する2種の異なる方法としてのプロテインAクロマトグラフィ後のMALDI TOF MSと、プロテインAクロマトグラフィ後のFcγRIIIa(V158)クロマトグラフィとの比較。MALDI TOF MSにより決定される非フコシル化の百分率の関数としての、FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムからの「結合ピーク」の面積の全ピーク面積に対する百分率。 調製用FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィ。糖鎖改変型IgG「A」についてのクロマトグラム。IgG「A」は三つのピークで溶出する:ピーク1はカラムのフロースルーであり、ピーク2および3は2段階のpHで溶出する。ピーク1、2、および3についてのプールが示される。実線:A280nm;点線:勾配;破線:pH値。 調製用FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィから収集された抗体画分の生物学的活性。糖鎖改変型IgG「A」(A)およびIgG「B」(B)について、三つの溶出ピークおよび出発材料(FcγRIIIa(V158)カラムにロードされた抗体プール)についてADCCアッセイを実施した。黒四角:出発材料;白菱形:ピーク1;黒三角:ピーク2;黒丸:ピーク3;白四角(Bにのみ示される):野生型IgG「B」(非糖鎖改変型)。 表面プラズモン共鳴により分析された、調製用FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィから収集された抗体画分との、可溶性ヒトFcγRIIIa(V158)の相互作用。(A)(定常状態で分析された)IgG「B」、ピーク1;(B)IgG「B」、ピーク2;(C)IgG「B」、ピーク3;(D)FcγRIIIa(V158)カラムにロードされたIgG「B」の抗体プールについてのセンサーグラムおよびフィッティング。(E)(定常状態で分析された)糖鎖改変なしの野生型IgG「B」のセンサーグラム。
以下は本発明の方法の実施例である。一般的な説明が上記に提供されたことから、様々な他の態様が実施され得ることが理解される。
実施例1
可溶性ヒトFcγRIIIa(V158)K6H6の作製および精製
リン酸カルシウムトランスフェクションを使用して、哺乳動物発現ベクターによりHEK293-EBNA細胞をトランスフェクトすることにより、C末端(リジン)6タグおよび(ヒスチジン)6タグを有する可溶性ヒトFcγRIIIa(V158)(SEQ ID NO 1および2を参照のこと)を作製した。
トランスフェクションのため、10%(v/v)FCSが補足されたDMEM培養培地を使用してTフラスコにおいて接着単層培養物として細胞を増殖させ、それらが50〜80%コンフルエントになった時トランスフェクトした。T150フラスコのトランスフェクションのため、1500万個の細胞を播種し、24時間後、FCS(10%v/v最終)が補足された25mlのDMEM培養培地においてトランスフェクションを行い、湿潤5%C02雰囲気を有するインキュベータに37℃で終夜置いた。トランスフェクトされる各T150フラスコについて、469μlの最終容量の水中の94μg全プラスミドベクターDNAと、469μlの1M CaCl2溶液とを混合することより、DNA、CaCl2、および水の溶液を調製した。この溶液に、938μlの50mM HEPES、280mM NaCl、1.5mM Na2HPO4溶液(pH7.05)を添加し、直ちに10秒間混合し、20秒間室温で放置した。懸濁物を、2%(v/v)FCSが補足された10mlのDMEMで希釈し、既存の培地の代わりにT150フラスコへ添加した。次いで、さらに13mlのトランスフェクション培地を添加した。細胞を、37℃、5%CO2で約17〜20時間インキュベートした後、培地を25ml DMEM、10%FCSに交換した。培地交換のおよそ7日後、210×gでの15分間の遠心分離により条件培養培地を採集し、溶液を滅菌ろ過し(0.22μmフィルタ)、0.01%(w/v)の最終濃度でアジ化ナトリウムを添加し、4℃で維持した。
分泌されたタンパク質を、固定化金属キレートクロマトグラフィ(IMAC)後のサイズ排除クロマトグラフィにより精製した(図2A、B)。
金属キレートクロマトグラフィのため、上清を、緩衝液A(20mM Na2HPO4 0.5M NaCl(pH7.4))で平衡化されたNiNTA Superflowカートリッジ(カラム体積:5ml;Qiagen,Germany)に、4ml/分でロードした。少なくとも10カラム体積の緩衝液Aで洗浄することにより、未結合のタンパク質を除去した。緩衝液B(20mM Na2HPO4、0.5M NaCl、0.5Mイミダゾール(pH7.4))への勾配により、FcγRIIIa(V158)を溶出させた。勾配は3段階からなっていた:(1)8カラム体積での0〜45%緩衝液B、(2)2カラム体積での45〜100%緩衝液B、および(3)2カラム体積の100%緩衝液B。2番目の溶出ピークをプールし、遠心濾過ユニット(Amicon Ultra MWCO 10kD;Millipore,USA)を使用して濃縮した後、2mM MOPS、150mM NaCl、0.02%(w/v)NaN3(pH7.4)で平衡化されたサイズ排除クロマトグラフィカラム(HiLoad 16/60 Superdex 75;GE Healthcare,Sweden)へロードした。
アミノ酸配列に基づき計算されたモル吸光係数を使用して、280nmで光学濃度(OD)を測定することにより、精製されたタンパク質試料のタンパク質濃度を決定した。還元剤(5mM 1,4-ジチオスレイトール)の存在下および非存在下でのSDS PAGEならびにクーマシー(ExpedeonのInstantBlue(商標))による染色により、組換えヒトFcγRIIIa(V158)の純度および分子量を分析した。NuPAGE(登録商標)Pre-Castゲル系(4〜12%Bis-Tris,Invitrogen,USA)を、製造業者の説明書に従って使用した(図2C)。25℃で、2mM MOPS、150mM NaCl、0.02%(w/v)NaN3(pH7.3)ランニング緩衝液で、Superdex 75 10/300GL分析用サイズ排除カラム(GE Healthcare,Sweden)を使用して、タンパク質(50μg試料)の凝集物含量を分析した(図2D)。
実施例2
抗体フコシル化の分析
ヒトIgGからのFc断片の生成。抗体を、1mg当たり0.42Uプラスミン(Roche,Switzerland)を含む50mMトリス(pH8.0)、150mM NaClにおいて、25℃で、72時間インキュベートした。切断されたFc断片を、プロテインAビーズ(GE Healthcare)を使用してFab断片から分離し、50mMトリス(pH8.0)、100mMグリシン、150mM NaClにより洗浄した。Fc断片を、50mMトリス(pH3.0)、100mMグリシン、150mM NaClにより溶出させた。溶出液を、1:40v/v 2Mトリス(pH8.0)を添加することにより中和し、サイズ排除クロマトグラフィカラム(Superdex S200 10/300 GL,GE Healthcare)にロードした。試料を濃縮し、緩衝液を20mMトリス(pH8)(Amicon,Millipore)に交換した。
ヒトFc断片からのN結合型オリゴ糖の放出。ヒトFc断片からのN結合型グリカンの加水分解のため、異なる酵素を使用した。0.005U組換えPNGase F(QAbio,USA)とのインキュベーションにより、1mgのFc断片からN結合型オリゴ糖を切断した。非タグ付きのEndo S(Genovis,Sweden)およびEndo H(QAbio,USA)を使用した、Fc断片からの炭水化物の放出のため、試料を、1:20のモル比で、0.1U/mg Endo Hと組み合わせられたEndo Sと共にインキュベートした。全ての反応物を、37℃で、20mMトリス(pH8.0)において16時間インキュベートした。
完全ヒトIgGからのN結合型オリゴ糖の放出。非タグ付きのEndo SおよびEndo Hを使用した、完全ヒトIgG全体からの炭水化物の放出のため、試料を、20mMトリス(pH8.0)(Amicon 5.000 MWCO,Millipore)において緩衝液交換し、1:7のモル比で、37℃で、0.1U/mg Endo Hと組み合わせられたEndo Sと共に16時間インキュベートした。
カルボキシペプチダーゼB処理。C末端リジンにより引き起こされる不均一性を除去するため、試料を、カルボキシペプチダーゼB(Roche;1mg/ml)と共にさらにインキュベートした。従って、タンパク質50μg当たり1μlのカルボキシペプチダーゼBをエンドグリコシダーゼ反応物に添加し、37℃で1時間再びインキュベートした。消化の後、試料を、プロテインA(POROS A 20,Applied Biosystems)を使用して精製し、1:40v/v 2Mトリス(pH8.0)により中和した。
MALDI-TOF質量分析。Papacら(18)に従って、ポジティブイオンモードで、質量分析(Autoflex,Bruker Daltonics GmbH)により、ヒトIgGについての中性オリゴ糖プロファイルを分析した。
直接注入によるヒトFc断片由来のグリカン構造のESI-MS分析(オフライン検出)。プロテアーゼであるプラスミンおよびカルボキシペプチダーゼB、ならびにエンドグリコシダーゼであるEndo SおよびEndo Hにより処理された20〜50μg(最大90μl)の抗体を、0.5ml/分の流速で、30分間、2%(v/v)ギ酸、40%(v/v)アセトニトリルにより平衡化されたSephadex G25 self-packed ECO SRカラム(5×250mm)(KronLab)へ注入した。1ml/分の流速で、2%(v/v)ギ酸、40%(v/v)アセトニトリルによる8分間の均一濃度溶出を適用して、注入された抗体試料を脱塩した。脱塩されたタンパク質の溶出を、280nmにおけるUVにより記録し、溶出試料(容量約200〜300μl)を1.5ml反応バイアルに収集した。脱塩された試料のアリコートを、金属でコーティングされたガラス針(Proxeon Biosystems Nano ESI-needles、カタログ番号ES387)に手動で充填し、質量分析機のナノスプレー源に挿入し、WatersのESI-Q-TOF II質量分析計またはApplied BiosystemsのQ-Star Elite質量分析計へ噴霧した。80℃のソース温度を使用して、ポジティブイオンモードで、1000〜2000m/zの質量範囲で、1000Vのキャピラリー電圧、30Vのコーン電圧を使用して、MSスペクトルを取得した。デソルベーション温度はオフであった。MSデータをそれぞれの器機ソフトウェアにより2〜3分間取得した。適用されたエンドグリコシダーゼにより短縮されたグリカン構造の異なる組み合わせを含む二量体Fc断片(即ち、両方のペプチド鎖がN-アセチルグルコサミン残基のみを保持する分子(GlcNAc/GlcNAc)、ペプチド鎖の一方がフコース残基をさらに保持する分子(GlcNAc+Fuc/GlcNAc)、および両方のペプチド鎖がフコース残基を保持する分子(GlcNAc+Fuc/GlcNAc+Fuc))のモル質量を、社内で開発されたソフトウェアを使用して、Fc断片種のそれぞれのm/zパターンから決定した。3種の異なる残留グリコシル化二量体Fc断片の相対的な比率を、別個のグリコシル化バリアントのm/zスペクトルのピーク面積の合計を使用して、同社内ソフトウェアにより計算した。
LC/MSによるヒトFc断片由来のグリカン構造のESI-MS分析(オンライン検出)。QTof II質量分析計(Waters)に接続されたAgilent Cap LC1100上で、LC-MS法を実施した。Phenomenex Jupiter C18カラム(5μm粒子サイズ、300A孔サイズ、1×25mm)上でクロマトグラフィ分離を実施した。溶出剤Aは、水中の0.5%(v/v)ギ酸であり、溶出剤Bは、70%(v/v)イソプロパノール、20%(v/v)アセトニトリル、9.5%(v/v)水、および0.5%(v/v)ギ酸であった。流速は40μl/分であり、分離は、10μlの最終容量で、2μgのタンパク質を使用して、75℃で実施された。
実施例3
分析用FcγRIIIaクロマトグラフィ
アフィニティマトリックスの調製。10mgのFcγRIIIa(V158)を、遠心濾過装置(Amicon Ultra MWCO 10kD;Millipore,USA)を使用して、0.1Mリン酸ナトリウム、0.05%(w/v)NaN3(pH7)へ緩衝液交換し、1.2mlの最終容量に濃縮した。タンパク質濃度を、280nmにおける光学濃度を測定するUV分光法により決定し、8mg/mlに調整した。0.14gの乾燥ビーズに相当する440μlのPOROS ALビーズ(Applied Biosystems,USA)を、タンパク質溶液に添加した。その後、41.5μlの0.01M NaOH中の1M NaCNBH3を室温で添加し、懸濁物を終夜インキュベートした。ビーズの遠心分離により上清を除去し、未結合のタンパク質をUV分光法により定量化した。ビーズを、室温で30分間、500μlの1Mトリス(pH7.4)および23μlの0.01M NaOH中の1M NaCNBH3により消光した。ビーズを、1M NaClにより4回、2mM MOPS、150mM NaCl、0.02%(w/v)NaN3(pH7.3)により3回、洗浄した。最後に、POROS ALビーズ1g当たり14mgのFcγRIIIa(V158)をカップリングした。
POROS AL上に固定化されたFcγRIIIa(V158)を使用した分析用クロマトグラフィ。FcγRIIIa(V158)を有するPOROS ALビーズを、2×20mm Upchurch Scientificカラム(カラム体積:60μl)に充填し、それをAgilent 1200 HPLC系(Agilent Technologies,USA)にマウントした。平衡化および洗浄に使用された緩衝液は、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl(pH8)、溶出に使用された緩衝液は、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl(pH3)であった。系のポンプ流速は0.5ml/分に設定された。ゼロ時点で、抗体調製物(10μgのプロテインA精製された抗体)をオートサンプラーにより注入し、2分間洗浄し、次いで、0.66分の段階勾配で溶出させた後、4.33分間再平衡化した。全サイクル期間は7分であった。
クロマトグラムは2個のピーク:フロースルーピークおよび溶出ピークを示した(図3)。両方のピークの面積を積分により決定し、全面積に対する溶出ピーク(「結合ピーク」)の百分率を記録した。
ハイスループット分析のためにこの方法を適用し、抗体調製物中の非フコシル化の百分率を定量化するため、まず、Agilent 1200 HPLC系でのプロテインAを使用したアフィニティクロマトグラフィを介して、上清から試料を精製し、96穴プレートに収集した。試料を、10mMトリス、50mMグリシン、100mM NaCl(pH3)で溶出させ、1:40(v/v)2Mトリス(pH8)を添加することにより中和し、FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムへ再注入した。抗体濃度がプロテインAクロマトグラフィの後に既知であったため、FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムに10μgの各試料を注入するため、注入容量を調整した。
異なる非フコシル化比率を入手するため、野生型抗体と糖鎖改変型抗体とを洗浄緩衝液で混合し、FcγRIIIa(V158)カラムでのクロマトグラフィにより直接分析した。MALDI TOF MSにより決定された非フコシル化の百分率、およびFcγRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムでの「結合ピーク」の百分率は、直線的な相関を示す(図4)。
糖鎖改変型IgG「C」を発現する異なる細胞クローンの細胞培養上清を、2種の異なる方法により並列に分析した:(1)プロテインAクロマトグラフィ後のMALDI TOF MS、および(2)プロテインAクロマトグラフィ後のFcγRIIIa(V158)クロマトグラフィ。このハイスループット分析のため、100μlの上清をプロテインAクロマトグラフィカラムへ注入し、溶出液を、1:40(v/v)2Mトリス(pH8)を添加することにより中和し、炭水化物のMALDI TOF MS分析のためPNGase Fにより消化するか、またはFcγRIIIa(V158)クロマトグラフィカラムに注入した。プロテインAクロマトグラフィをFcγRIIIa(V158)クロマトグラフィと組み合わせることの利点は、プロテインAカラムから溶出した試料を含有する96穴プレートを、付加的な緩衝液交換またはピペッティングの工程なしに、中和後に直接使用することができるという点である。異なる細胞クローンにより産生された抗体について、FcγRIIIa(V158)カラムの「結合ピーク」の面積の百分率を、MALDI TOF MSにより入手された非フコシル化の百分率と比較した。類似した順位付けが両方の方法によって入手され、本発明の方法が、最も高度の非フコシル化を有する抗体を産生するクローンの同定を可能にすることが示された(図5)。
これらの結果は、ハイスループット様式で細胞培養上清をスクリーニングし、非フコシル化の程度によって、産生された抗体を順位付けるため、FcγRIIIaクロマトグラフィを使用することができることを示す。
実施例4
調製用FcγRIIIaクロマトグラフィ
アフィニティマトリックスの調製。30mgのFcγRIIIa(V158)を、NHSにより活性化されたSepharose 4FF(GE Healthcare,Sweden)とカップリングした。簡単に説明すると、FcγRIIIa(V158)を0.2M NaHCO3、0.5M NaCl(pH8.2)へ交換し、2mlの最終容量に濃縮し、事前に1mM冷HClにより洗浄された3mlのNHSにより活性化されたビーズと共に室温で4時間インキュベートした。上清を除去し、ビーズを、室温で2時間、0.1Mトリス(pH8.5)と共にさらにインキュベートした。次いで、ビーズを、重力流により、空のTricorn 5/150カラム(GE Healthcare,Sweden)に充填した後、1.2ml/分でAkta Explorer 10(GE Healthcare,Sweden)を使用して充填した。14cmのカラム長で、最終カラム体積は2.7mlであった。30mgのヒトFcγRIIIa(V158)を固定化した。
NHS Sepharose 4 FF上に固定化されたFcγRIIIa(V158)を使用した、異なる程度の非フコシル化を有する抗体の調製用の分離。クロマトグラフィのため、カラムを10カラム体積の20mMトリス、20mM MOPS、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH8)により平衡化し、3mgの(プロテインAアフィニティクロマトグラフィおよびサイズ排除クロマトグラフィにより)精製された抗体を、0.1ml/分の流速でロードした。カラムを5カラム体積の20mMトリス、20mM MOPS、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH8)により洗浄し、異なる抗体集団を、pH4.6、pH4.2、およびpH3という3段階のpHで溶出させた(図6)。所望のpH値は、適切な比率で、20mMトリス、20mM MOPS、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH8)と、20mMトリス、20mM MOPS、20mMクエン酸ナトリウム、100mM NaCl(pH3)とを混合することにより入手された。ピークを収集し、濃縮し、精製のためプロテインA HPLCへ注入するか、またはプロテインAビーズによりバッチ精製した(後のMALDI TOF MSの分析のために必要であった)。その後、抗体を、炭水化物組成、FcγRIIIa(V158)との結合、およびADCCを誘導する能力について分析した。
実施例5
分離された抗体の分析
炭水化物組成の分析。オリゴ糖のMALDI TOF MS分析のため、オリゴ糖を、PNGase FおよびEndo Hにより精製された抗体から切断した(16)。FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィによって、非フコシル化グリカンの異なる含量を有する抗体の画分を分離した。フロースルーに相当する第一のピークが、最低量の非フコシル化オリゴ糖を有し、ピーク2および3がそれに続いた(表2および3を参照のこと)。しかしながら、MALDI TOF MS分析は、調製物中の非フコシル化オリゴ糖の全体量のみを明らかにする。
2本の抗体重鎖におけるFcドメイン内のフコース残基の分布を決定するため、試料を、(前記、および参照によりその全体が本明細書に組み入れられるPCT公開番号WO 2011/039150に記載されている)Endo SおよびEndo Hを使用した組み合わせ処理により消化した。
IgG「A」について、オリゴ糖コアの最初のNアセチルグルコサミン残基のみを保持し、フコシル化炭水化物の場合にはフコース残基も保持するFc断片を入手するため、プラスミン、Endo H、およびEndo Sにより、精製された抗体を消化した。これらのFc断片をESI-MSにより分析し、Fc断片1個当たりのフコースの分布を決定した(表1)。
(表1)FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィにより三画分に分離されたIgG「A」の抗体プールについての非フコシル化炭水化物の含量。非フコシル化の程度を、PNGase F処理の後、MALDI TOF MSにより総体的に決定するか(7回のランからの平均)、またはFc 1個当たりのフコース分布を、プラスミン/Endo S/Endo H消化の後、ESI-MSにより決定した(3回のランのプール)。
Figure 2014530829
* それぞれのピークに溶出した全てのグリカンのうちのフコース残基を欠くグリカンの百分率。
+ MALDI TOF結果およびESI-MS結果の比較のために計算された値。値は、3種の全てのFcグリコフォームについてのフコースを欠くグリカンの百分率を合計することにより計算される。例えば、ピーク2においては、22/100のFc断片が、2個の非フコシル化グリカンを含み(即ち、44/200のグリカンが非フコシル化であり)、64/100のFc断片が1個の非フコシル化グリカンを含み(即ち、64/200のグリカンが非フコシル化であり)、14/100のFc断片が非フコシル化グリカンを含まず(即ち、0/200のグリカンが非フコシル化であり)、計44+64+0=108/200、=54%の非フコシル化グリカンが、ピーク2に溶出した。
IgG「B」について、フコースを有するかまたは有しない、オリゴ糖コアの最初のN-アセチルグルコサミン残基からなるグリカンを有する全IgGを入手するため、精製された抗体を、Endo H(QA Bio)およびEndo S(Genovis)により消化した。これらの試料をESI-MSにより分析し、抗体1個当たりのフコースの分布を決定した(表2)。
(表2)FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィにより三画分に分離されたIgG「B」の抗体プールについての非フコシル化炭水化物の含量。非フコシル化の程度を、PNGase F処理の後、MALDI-TOF MSにより総体的に決定するか(2回のランからの平均)、またはIgG 1個当たりのフコース分布を、Endo S/Endo H消化の後、ESI-MSにより決定した(2回のランからの平均)。
Figure 2014530829
* それぞれのピークに溶出した全てのグリカンのうちのフコース残基を欠くグリカンの百分率。
+ MALDI TOF結果およびESI-MS結果の比較のために計算された値。値は、3種の全てのFcグリコフォームについてのフコースを欠くグリカンの百分率を合計することにより計算される。例えば、ピーク2においては、20.5/100のFc断片が、2個の非フコシル化グリカンを含み(即ち、41/200のグリカンが非フコシル化であり)、68.5/100のFc断片が1個の非フコシル化のグリカンを含み(即ち、68.5/200のグリカンが非フコシル化であり)、11/100のFc断片が非フコシル化グリカンを含まず(即ち、0/200のグリカンが非フコシル化であり)、計41+68.5+0=109.5/200、=54.8%の非フコシル化グリカンが、ピーク2に溶出した。
IgG「A」および「B」の両方について、ピーク1は、両方の重鎖のFcドメインにフコシル化糖を保持する抗体(即ち、完全フコシル化抗体)を主に含有し、ピーク2は、1個のフコシル化炭水化物および1個の非フコシル化炭水化物を有する抗体を主に含有し、ピーク3の集団は、完全非フコシル化抗体を大多数として含有する。計算された値(上記表1および2の最後の列を参照のこと)は、MALDI TOF MS結果より一般に低いため、ESI-MS法によると、完全非フコシル化抗体の百分率が、わずかに過小評価されるようである。
抗体依存性細胞傷害(ADCC)。異なる画分を、ADCCを誘導する能力に関して試験した。Raji細胞(IgG「A」ADCCアッセイのため)またはA549細胞(IgG「B」ADCCアッセイのため)を、採集し(トリプシン/EDTAによる接着細胞)、洗浄し、37℃で30分間、カルセイン(Invitrogen)により標識した。30分後、細胞を、AIM V培地により3回洗浄し、AIM V培地に再懸濁させた。それらを、30,000細胞/ウェルの濃度で丸底96穴プレートに蒔いた。それぞれの抗体希釈液を添加し、10分間インキュベートした後、ヒトエフェクター細胞(FcγRIIIa(V158)によりトランスフェクトされたNK92細胞であるNK92 1708クローンLC3 E11)と接触させた。3:1の比率で、エフェクター細胞および標的細胞を37℃で4時間コインキュベートした。乳酸脱水素酵素(LDH)放出を、LDH細胞傷害検出キット(Roche Applied Science、カタログ番号11 644 793 001)を使用して測定した。残存細胞をホウ酸緩衝液(5mMホウ酸、0.1%(v/v)トリトンX-100)により溶解した後、カルセイン蛍光を測定することにより、カルセイン保持を決定した。抗体依存性細胞死の計算のため、自発的放出(抗体なしの標的細胞およびエフェクター細胞のみ)を0%細胞死に設定し、最大放出(標的細胞および2%(v/v)トリトンX-100)を100%細胞死に設定した。
(両方の重鎖にフコシル化炭水化物を有する抗体を含有する)第一ピークのみが、野生型IgGと比較可能な、低下したADCC誘導能を有する(図7)。ピーク2および3の両方が、比較可能なADCC誘導能を有し、このことは、IgGに優れたADCC能を伝えるためには、抗体1個当たり1個の非フコシル化グリカンのみで十分であることを示している。
表面プラズモン共鳴によるFcγRIIIa結合。表面プラズモン共鳴を25℃で決定した。ヒト抗原「B」を、製造業者の説明書(GE Healthcare,Sweden)に従い、CM5チップ上にアミンカップリングにより固定化した。IgG画分を、100nMおよび10μl/分で90秒間捕獲した。ヒトFcγRIIIa(V158)を、50μl/分の流速で、1.95〜500nMの濃度範囲で120秒間フローセルに通した。解離を220秒間モニタリングした。表面を10mMグリシン(pH2)の2回の注入により60秒間再生させた後、次の注入を行った。バルク屈折率の差を、参照フローセルで入手された応答を差し引くことにより、補正した。会合センサーグラムおよび解離センサーグラムの同時フィッティングにより、RI=0およびRmax=ローカルによる単純1対1ラングミュア結合モデルを使用して、会合速度(kon)および解離速度(koff)を計算した(BIACORE(登録商標)T100 Evaluation Softwareバージョン1.1.1)。平衡解離定数(KD)は比率koff/konとして計算される。
表面プラズモン共鳴により入手された結果は、ADCCアッセイの結果と一致した(表3および図8)。第一ピークおよび野生型IgG「B」は、およそ50nMのKDを有し、極めて迅速なオン速度およびオフ速度を有していたが、ピーク2および3ならびに糖鎖改変型IgG「B」は、FcγRIIIa(V158)との結合についておよそ3nMのKDを有し、はるかに遅いオフ速度を有していた。ピーク3のIgGは、FcγRIIIa(V158)に対する最も高い親和性を有していた。
(表3)FcγRIIIa(V158)とIgG「B」との間の親和性。25℃で表面プラズモン共鳴により入手されたKD。FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィにより分離されたIgG「B」の抗体プールの3個のピークおよび出発材料を、固定化された抗原に捕獲し、FcgRIIIa(V158)をアナライトとして使用した。フィッティング:キネティック(1:1結合RI=0、Rmax=ローカル)または定常状態。
Figure 2014530829
総合すると、実施例は、Fcドメイン内の非フコシル化炭水化物の含量によって、抗体を分離することを、FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィが可能にすることを示す。方法は、高い非フコシル化の程度を有する抗体を産生するクローンを同定するか、またはさらなる特徴決定のため、フコース含量によってIgGの画分を分離するため、(プロテインAクロマトグラフィと組み合わせられて)ハイスループット様式で、上清をスクリーニングするために適用され得る。FcγRIIIa(V158)クロマトグラフィにより分離された抗体集団の分析は、Fcドメイン内に主に1個または2個の非フコシル化炭水化物を有するIgGが、ADCCに関して同一の挙動を示すこと、従って、増強されたエフェクター機能を達成するため、100%の非フコシル化抗体集団は必要でないことを初めて示した。
参照
Figure 2014530829
Figure 2014530829
上記の本発明は、理解の明瞭のために、例示および実施例によって、ある程度詳細に記載されたが、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。本明細書に引用された全ての特許および科学文献の開示は、参照によりその全体が明示的に組み入れられる。

Claims (26)

  1. 以下の工程を含む、異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法:
    (a)抗体の集団を提供する工程、
    (b)該抗体の集団を支持体上に固定化されたFc受容体と接触させる工程、
    (c)Fc受容体に特異的に結合していない抗体を溶出させる工程、および
    (d)Fc受容体に特異的に結合した抗体を溶出させる工程。
  2. 抗体に対するFc受容体の結合親和性が抗体のフコシル化の程度に依存する、請求項1記載の方法。
  3. Fc受容体がFcγ受容体である、請求項1または2記載の方法。
  4. Fc受容体がFcγRIIIaである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  5. Fc受容体がFcγRIIIa(V158)である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 抗体がIgG抗体である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  7. 抗体が、対応する非糖鎖改変型抗体と比較して、増加した割合の非フコシル化オリゴ糖をそのFc領域に有するよう糖鎖改変されている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  8. 抗体の集団が、精製されている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  9. 抗体の集団が、プロテインAまたはプロテインGを使用してアフィニティ精製されている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  10. 支持体がポリマーマトリックスである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  11. 支持体がクロマトグラフィカラムに含まれている、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  12. (c1)支持体を洗浄する工程
    をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  13. 工程(c)の溶出が、工程(b)における接触させる工程の後の抗体集団内で遊離のままである抗体の分離を含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  14. 工程(c)において溶出される抗体が完全フコシル化抗体である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  15. 工程(d)の溶出が、支持体を、抗体のFc受容体との結合を妨げる緩衝溶液と接触させることを含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  16. 前記緩衝溶液が約3〜約5の範囲のpH値を有する、請求項15記載の方法。
  17. 工程(d)の溶出が異なるpH値で実施される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記pH値が4.6および4.2を含む、請求項17記載の方法。
  19. 工程(d)において溶出される抗体が、部分フコシル化抗体および/または完全非フコシル化抗体である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  20. 分析用である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  21. 調製用である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  22. (e)工程(c)および/または工程(d)の溶出された抗体を収集する工程
    をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  23. (f)収集された抗体を実験用または治療用に使用する工程
    をさらに含む、請求項22記載の方法。
  24. 異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法におけるFc受容体の使用。
  25. 異なる程度のフコシル化を有する抗体の分離の方法において使用するための支持体上に固定化されたFc受容体。
  26. 上記の発明。
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