JP2014524235A - アグロシベ・アエゲリタのレクチンaal−2、及びそのコード遺伝子、その調製方法、及び応用 - Google Patents

アグロシベ・アエゲリタのレクチンaal−2、及びそのコード遺伝子、その調製方法、及び応用 Download PDF

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Abstract

本発明には、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2、及びそのコード遺伝子、その調製方法及び応用が開示された。本発明は、親和性クロマトグラフィーィー法を採用して、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)の全タンパク質からレクチンタンパク質AAL−2を分離して得た。そのアミノ酸配列がSEQ ID NO:2で表され、当該タンパク質をコードするヌクレオチド配列がSEQ ID NO:1で表される。細胞試験によると、本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が、優れた腫瘍細胞致死活性を有し、肝臓癌細胞を顕著的にアポトーシスを起こせることができる。動物実験表明によると、AAL−2が、腫瘍に対する良い治療効果を有する。糖チップ技術検出結果によると、AAL−2が優先にN−アセチルグルコサミンを末端とする糖又は糖タンパク質に結合する。それをN−アセチルグルコサミンに関連する病症試薬、又はN−アセチルグルコサミンに関連する糖構造を検出する試薬とすることができる。

Description

本発明は、真菌から分離されたレクチン、及びそのコード遺伝子に関わり、特に、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)から分離されたレクチンAAL−2、及びそのコード遺伝子に関わる。また、本発明はアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の分離方法、及びその抗腫瘍、又はN−アセチルグルコサミンと関連する病症、及びN−アセチルグルコサミンと関連する糖構造の検出における応用に関わる。アグロシベ・アエゲリタのレクチンの分離及び応用領域に属する。
東洋において、医薬用真菌は、その独特の医薬用価値(特に、その抗腫瘍活性)により、二千年の歴史を持っている。前世紀の50年代までは、技術の熟成、及び多糖などの有効成分の分離鑑定に基いて、医薬用真菌の医薬用の価値は欧米の研究者に初めて重視されるようになってきた。より多くの医薬用真菌の活性成分は、動物及び臨床試験においてスクリーニングが行われかつ験証されて、抗腫瘍薬のスクリーニングの宝庫になってきた。
アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)は、別名として柱状田頭茸(Southern poplar Mushroom)、茶樹茸、柳松茸などで、真菌門(Eumycophyta)、担子菌綱、ハラタケ目、オキナタケ科、フミヅキタケ類に属する。アグロシベ・アエゲリタは、人体に必要な八種のアミノ酸を含み、その中で、リジンが1.75%と多く、栄養価値がシイタケ、エノキタケなどの他の食用菌を超えると同時に、独特な医薬用の価値を有する。民間では、それが抗癌、降血圧や、胃寒、腎炎、水腫の治療などに用いられている。独特な治療効果を持つが、その薬理成分がまだ明らかになっていない。
原発性肝臓癌は、世界では一番よく見られる悪性腫瘍の一つで、その全世界での罹病率及び死亡率がそれぞれ第7位及び第3位に列する。中国では、肝臓癌の罹病率は25.7/10万で、僅かに肺癌及び胃癌に次ぐが、その病死率が23.7/10万と高く、中国での腫瘍病死率において第2位に列する。今まで公認された肝臓癌診断治療法には、超音波診断、エタノールの皮下注射、化学放射線治療及び手術切除など方法があるが、肝臓癌の再発率及び転移率が高い。そこで、より有効な肝臓癌の抑制、又は肝臓癌細胞を殺す医薬又は方法が熱望されている。
レクチン(lectin)は、自然界で広く存在する非免疫由来のタンパク質で、可逆的{かぎゃく てき}に複数種類の糖又は糖タンパク質と結合することができ、且つこのような結合が酵素と基質との結合方式と異なっている。今まで、既に数百種類のレクチンが分離されて、レクチンの1種類ごとにその独特の生化学的特性、糖結合特異性及び幅広い生物活性、例えば、抗腫瘍活性、抗真菌活性及び抗ウイルス活性などを有する。孫慧(人名)などは、アニオン交換クロマトグラフィーという方法によりアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質からレクチンAALを分離して、それが広域スペクトルの抗腫瘍効果を有し、直腸がん、子宮頸がん、胃がん、白血病細胞など癌細胞のいずれに対しても致死活性を有することを検証した。中でも、白血病細胞HL60に対する致死活性は、陽性対照薬のアドリアマイシンよりも高い(非特許文献1)。
孫慧など著 「アグロシベ・アエゲリタのレクチンAALが抗腫瘍活性を有する」Biochem. J. (2003) 374, 321−327
本発明は、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)から分離された新たなレクチンを提供することを目的とする。
また、本発明は、アグロシベ・アエゲリタから上記のレクチンを分離、又は、調製する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンをコードするcDNAを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のアグロシベ・アエゲリタのレクチンの、及びそのコード遺伝子の、薬理学的応用を提供することを目的とする。
本発明の上記の目的は、以下の技術手段により実現される。
本発明においては、新たなレクチンが、親和性クロマトグラフィーィー法によりアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質から分離されて、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と呼ばれ、そのアミノ酸配列が以下(a)又は(b)で表される。
(a)SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列;又は
(b)SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列において1つ若しくは複数のアミノ酸残基が置換、欠失又は/及び付加されている、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAALの機能を有するポリペプチド変異体である。
好ましくは、本発明の前記アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2は、SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列である。
本発明においては、前記の"複数"が、通常1〜50であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20であり、最も好ましくは2〜4である。これは、レクチンAAL−2の三次元構造におけるアミノ酸残基の位置、又はアミノ酸の種類によるものである。前記の"置換"とは、異なるアミノ酸残基で1つ若しくは複数のアミノ酸残基を置換することである。例えば、当業において、性能の近い又は似ているアミノ酸配列で置換する場合には、通常、タンパク質の機能が変わることはない。前記の"欠失"とは、アミノ酸配列の変改であり、1つ若しくは複数のアミノ酸残基が欠けることである。前記の"付加"とは、アミノ酸配列の改変であり、天然の分子に対しては、前記の改変による1若しくは複数のアミノ酸残基の添加、又は、C末端及び/又はN末端における1つ若しくは複数の(通常、20以下であり、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下である。)アミノ酸の添加である。
本発明の前記のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のポリペプチド変異体は、相同配列変異体、保存型変異体、等位変異体、天然突然変異体、誘導突然変異体、高ストリンジェント又は低ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件でアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のヌクレオチド配列とハイブリダイズ可能なDNAがコードするタンパク質、及び、抗アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のポリペプチドの抗血清により得られたポリペプチド又はタンパク質からなる。
前記"ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件"とは、当業者において周知の低イオン強度と高温の条件を示す。通常、厳しい条件において、プローブとその目標配列とのハイブリダイゼーションの検出可能程度は、その他の配列とのハイブリダイゼーションの検出可能程度よりも高い(例えば、バックグラウンドを少なくとも2倍超える)。厳しいハイブリダイゼーション条件は配列依存性であり、異なる環境条件においては異なっている。比較的長い配列が比較的高い温度で特異的にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー又は洗浄の条件を制御することにより、プローブと100%相補する目標配列を同定することができる。核酸のハイブリダイゼーションに対する詳細なプロトコルは、文献(Tijssen, Techniques in Biochemistry andMolecular Biology-Hybridization with Nucleic Probes, Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays.1993)を参照することができる。より具体的には、前記のストリンジェントな条件としては、通常、特異配列の規定イオン強度、pHにおける熱溶融点(T)より約5〜10℃低い条件が選ばれる。Tとは、平衡状態で目標配列と相補するプローブの50%が目標配列にハイブリダイズする時点に到達する温度(所定のイオン強度、pH及び核酸濃度で)(目標配列が過剰に存在するので、Tにおいて、平衡状態で50%のプローブが占められる)である。ストリンジェントな条件は、以下の条件であることができる。中でも、7.0乃至8.3のpHで塩濃度が約1.0Mナトリウムイオン濃度より低く、通常、約0.01乃至1.0 Mナトリウムイオン濃度(又は、その他の塩)であり、且つ温度が、短いプローブ(ヌクレオチドが10乃至50含まれるが、それに限定するものではない)に対しては、少なくとも約30℃であり、長いプローブ(ヌクレオチドが50含まれるが、それに限定するものではない)に対しては、少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件をホルムアミドのような不安定剤の添加により実現することもできる。選択的な、又は特異的なハイブリダイゼーションに対しては、正のシグナルがバックグラウンドの少なくとも2倍であるハイブリダイゼーションでもいいが、場合によってはバックグラウンドの10倍であるハイブリダイゼーションでもいい。参照として、前記の"ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件"については、以下のようである。50%ホルムアミド、5×SSC及び1% SDS、42℃でのインキュベート又は5×SSC、1% SDS、65℃でのインキュベート、0.2×SSCでの洗浄、及び65℃で0.1% SDSでの洗浄という条件である。前記の洗浄が、5、15、30、60、120分間、又はより長く行うことができる。
本発明の前記のポリペプチド変異体が、遺伝的多型又は人工操作により発生することができる。これらの操作方法が、通常当業者に知られている。例えば、DNA的突然変異によりSEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列的変異体又はフラグメントを調製することができる。中でも、ポリヌクレオチドを誘変又は改変する的方法が、当業者によく知られている。
本発明により、その他のポリペプチド、例えば、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2又はそのフラグメントを含む融合タンパク質を、また提供する。
本発明は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2タンパク質又はポリペプチドの類似体も含む。これらの類似体は、天然アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2ポリペプチドとの相違点が、アミノ酸配列上の相違点であってもいいが、アミノ酸配列に影響を与えない修飾形式上の相違点であってもいい。若しくは、この両者を兼ね備える。これらのポリペプチドが、天然又は誘導の遺伝変異体を含む。誘導変異体が、各種類の技術により得られる。例えば、放射すること、又は誘変剤に暴露することによりランダム誘変を発生させる。また、特定部位の誘変法又はその他の既知な分子生物学の技術により、発生させることができる。類似体が、天然L-アミノ酸と違った残基(例えば、D-アミノ酸)を有する類似体、及び、非天然生存の、又は合成のアミノ酸(例えば、β、γ-アミノ酸)を有する類似体も含む。前記の修飾(通常、一次構造を変えない)形式が、体内又は体外でのポリペプチドの化学誘導形式、例えばアセチル化又はカルボキシル化を含む。前記の修飾が、糖基化も含む。例えば、ポリペプチドの合成及び加工において、又は更なる加工工程において糖基化修飾して発生するポリペプチドである。このような修飾は、ポリペプチドを、糖基化する酵素(例えば、哺乳動物の糖基化酵素又は脱糖基化酵素)に暴露させることにより達成することができる。修飾形式が、りん酸化アミノ酸残基(例えば、りん酸チロシン、りん酸トレオニン、りん酸セリン)を有する配列も含む。修飾されることで、抗タンパク質加水分解の性能が向上し、又は溶解の性能が最適化されたポリペプチドも含む。
本発明のその他の目的は、アグロシベ・アエゲリタからアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2を分離する方法を提供することである。当該方法が、(1)アグロシベ・アエゲリタの全タンパク質を抽出し、変性タンパク質を除去する工程;(2)変性タンパク質が除去されたアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質を親和性クロマトグラフィー用カラムに通過させ、紫外線検出器により不純物タンパク質の流出の検出ができなくなるまで親和性コラムを緩衝液で洗浄する工程;(3) 親和性クロマトグラフィー用カラムをN−アセチルグルコサミンの緩衝液で溶出し、流し出されたタンパク質を収集する工程;からなる。
より良い分離効果に達するために、前記親和性クロマトグラフィー用カラムが、N−アセチルグルコサミンがカップリングされたSepharose-6Bの親和性クロマトグラフィー用カラムであり、工程(2)に記載の緩衝液が、PBS緩衝液であることが好ましく;工程(3)においては、0.2 mol/LのN−アセチルグルコサミンのPBS緩衝液で溶出を行うことが好ましい。
本発明では、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2の分離、精製において、親和性クロマトグラフィーィー方法を採用する。N−アセチルグルコサミンがカップリングされたSepharose-6Bの親和性コラムにより、一段階でアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質からレクチンAAL−2を抽出して得ることができる。本発明のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の分離の方法は、プロセスが簡便で、サンプルの純度が高く、調製コストが低い。
本発明のその他の目的は、レクチンAAL−2をコードするヌクレオチド配列を提供することである。
アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2をコードするcDNA配列は、以下の(a)又は(b)のヌクレオチド配列である。
(a)SEQ ID NO:1で表されるヌクレオチド配列;又は
(b)SEQ ID NO:1で表されるヌクレオチド配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失又は/及び付加されているヌクレオチド変異体。当該ヌクレオチド変異体がコードするタンパク質はアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2の活性又は機能を有する。
前記ヌクレオチド変異形式には、通常1〜90で、好ましくは1〜60で、より好ましくは1〜20で、最も好ましくは1〜10のヌクレオチドの欠失、付加及び/又は置換、及び、5'及び/又は3'末端には複数(通常60以下で、好ましくは30以下で、より好ましくは10以下で、最も好ましくは5以下である)のヌクレオチドが添加された変異体が含まれるが、こちらに限られない。
前記「ヌクレオチド変異体」とは、基本的に似ている配列である。ポリヌクレオチドに対しては、変体は、天然ポリヌクレオチドにおいて1つ若しくは複数の部位で1つ若しくは複数のヌクレオチドの欠失、付加又は/及び置換を含むものである。ポリヌクレオチドに対しては、保守的変体が、遺伝コドンの縮退によりコードされたアミノ酸配列が変わらない変体を含む。このような天然に存在している変体が、従来の分子生物学技術により同定することができる。また、変体ポリヌクレオチドが、合成に由来のポリヌクレオチド、例えば、特定部位の誘変又は組み換えの方法(例えば、DNA組み換え)を採用して得たSEQ ID No.2で表されるアミノ酸をコードするポリヌクレオチド変体も含む。当業者では、糖結合活性、DNA結合活性、タンパク質同士の相互作用、一過性{いっか せい}研究における遺伝子発現の活性化状況などという分子生物技術手段により、変体ポリヌクレオチドがコードするタンパク質の機能又は活性をスクリーニング又は評価することができる。
更に、本発明は、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2をコードするcDNA配列を含有する発現ベクター、及び前記発現ベクターを含有するホスト細胞に関わる。
前記アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2をコードするcDNA配列を、発現ベクター(前記発現ベクターは、各種類の市販の発現ベクターであってもよい。プラスミド、コスミッドなどが含まれる。)の適切な制限酵素切断部位の間に挿入し、操作可能に発現制御配列に接続することにより、当該cDNA配列を発現する発現ベクターが得られる。構築された発現ベクターが、5'非コード領域、SEQ ID NO:1で表されるcDNA配列、及び3'非コード領域からなることができる。中でも、前記5'非コード領域については、プロモーター配列、エンハンサー配列、又は/及び翻訳リーダー配列などを含むことができる。前記プロモーター配列については、構成型、誘導型、組織又は器官特異的なプロモーターであってもいい。
前記3'非コード領域については、ターミネータ配列、mRNA切断配列などを含むことができる。SEQ ID NO:1で表されるcDNA配列については、1若しくは複数の塩基が置換、欠失又は/及び付加されているヌクレオチド変異体に置換されてもいい。当該ヌクレオチド変異体がコードするタンパク質が、アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2の機能を有する。
更に、本発明は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のポリペプチドをコードするcDNA配列のアンチセンス配列を含むものである。このようなアンチセンス配列は、細胞内におけるアグロシベ・アエゲリタのレクチンタンパク質AAL−2の発現の制御に用いることができる。
更には、本発明は、プローブとして使用することができるヌクレオチド分子を含むものである。当該分子が、通常アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のポリペプチドをコードする配列の連続ヌクレオチドを8〜100、好ましくは15〜50有する。当該プローブについては、サンプルにはアグロシベ・アエゲリタのレクチンタンパク質のAAL−2をコードする核酸分子が存在するか否かの検出に用いることができる。
更に、本発明は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のヌクレオチド配列を検出する方法を含むものである。サンプルと上記のプローブでハイブリダイズした後、プローブが結合したかを検出することを含むものである。好ましくは、当該サンプルは、PCR増幅した後の産物である。中でも、PCR増幅のプライマーが、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のポリペプチドをコードする配列に対応し、当該コード配列の両側又は間に位置することができる。一般的には、プライマーの長さは20〜50ヌクレオチドである。
更に、本発明は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンタンパク質AAL−2又はそのフラグメントのポリペプチドに対して、特異的な起源を有するポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を提供するものである。前記「特異的」とは、抗体がアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物又はフラグメントに結合可能なことである。好ましくは、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物又はフラグメントに結合可能であるが、他の非関連の抗原分子を認識、結合しない抗体である。本発明においては、抗体は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を結合し制御することができる分子を含むものである。また、本発明は、修飾又は無修飾形式のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物に結合可能な抗体を含むものである。
本発明は、完整なモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体だけではなく、かつ、免疫活性を有する抗体フラグメント、例えばFab'又は(Fab)フラグメント、抗体重鎖、抗体軽鎖、遺伝過程中改造された単鎖Fv分子やキメラ抗体、例えばマウス抗体結合特異性を有しながら、ヒト由来の抗体部分を保存する抗体も含む。
本発明の抗体は、当業者によって当業で既知の各種類の技術を採用することにより調製することができる。例えば、精製したアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物又はその抗原性を有するポリペプチドフラグメントを、ポリクローナル抗体の生産を誘導するように動物に投与することが挙げられる。それと同様に、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2又はその抗原性を有するフラグメントを発現する細胞も動物を免疫して抗体を生産することに用いられる。本発明の抗体は、モノクローナル抗体であってもいい。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術により調製することができる。本発明の抗体は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の機能を遮断可能な抗体、及びアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の機能に影響を与えない抗体を含む。本発明の各種類の抗体が、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物のフラグメント又は機能領域を利用して、通常の免疫技術により得られる。これらのフラグメント又は機能領域は、組み換え方法により調製する、又はポリペプチドシンセサイザーにより合成することができる。アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2遺伝子産物の無修飾形式に結合する抗体は、原核細胞(例えば、E.coli)中で生産された遺伝子産物により動物を免疫して生まれる。翻訳の後で修飾する形式に結合する抗体(例えば、糖基化又はりん酸化したタンパク質又はポリペプチド)は、真核細胞(例えば、酵母又は昆虫細胞)中で生産された遺伝子産物により動物を免疫して得られる。
体外細胞試験により、本発明で分離されたAAL−2が腫瘍細胞を殺す活性を有し、肝臓癌細胞に対して顕著的にアポトーシスを起こさせることができ、且つこのようなアポトーシスを誘導する活性がアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の濃度による依存性を有することが、明らかになった。同時に、本発明においては、マウス肝臓癌細胞H22で担がんマウスモデルを構築した。腫瘍内AAL−2注入により、担がんマウスの腫瘍成長が明らかに抑制され、且つ担がんマウスの生存期が明らかに長くなる。これは、AAL−2が腫瘍に対しては良い治療効果を持っていることを示した。
アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を腫瘍の治療に用いる場合には、その投与剤量及び投与方式が、腫瘍種類、患者の状况などの要因により決められる。アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2又はその突然変異体を注射制剤に調製し、静脈注射、1回又は複数回の腫瘍内、皮下注射又は静脈注射をすることができる。又は、それを経口剤、例えば腸溶性カプセル、コロン位置決めカプセル、微小球、ナノ粒子などに調製することができる。
また、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2又はその突然変異体をコードするヌクレオチド(例えば、SEQ ID No.1)を人体内での発現に適する発現ベクターに構築して遺伝子治療薬に調製する。これらの方法は、いずれも熟練した当業者によって把握されるものである。
本発明では、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の糖結合スペクトルを同定した結果、AAL−2は、N−アセチルグルコサミンに対して高い結合特異性を有するタンパク質であることが示された。糖チップ技術の検出結果により、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が優先にN−アセチルグルコサミンを末端とする糖又は糖タンパク質に結合することが分かる。これにより、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を、N−アセチルグルコサミンに関連する病症の検出に用いることができ、且つ、N−アセチルグルコサミンに関連する糖構造を検出する試薬とすることができ、疾病診断のプローブに製成する潜在力があることが、明らかになった。
アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の親和性クロマトグラフィーィーのチャート及びSDS-PAGE電気泳動の結果であり;(A)は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の親和性クロマトグラフィーィーのチャートであり;(B)は、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2 のSDS-PAGE電気泳動の結果であり;1レーンでは、アグロシベ・アエゲリタの全タンパク質であり、2レーンでは、アグロシベ・アエゲリタの全タンパク質が親和性コラムを通したタンパク質であり、 3レーンでは、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2であり、M泳道では、タンパク質マーカーである。 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のアミノ酸配列と質量分析により得られたペプチド断片のアミノ酸配列との相同度の対比分析結果である。 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のヌクレオチド配列とアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALのヌクレオチド配列との相同度の対比分析結果である。 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のアミノ酸配列とアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALのアミノ酸配列との相同度の対比結果である。 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2とアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALの SDS-PAGE電気泳動の結果である。 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2により腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する実験の結果であり:(A)では、AAL−2により誘導されたH22細胞のアポトーシスであり; (B)では、AAL−2により誘導されたHuh7細胞のアポトーシスである。 担がんマウス腫瘍組織に対するアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の成長抑制作用の実験結果であり;(A)では、AAL−2による腫瘍の成長の抑制であり;(B)では、AAL−2による担がんマウスの生存周期の延長である。
以下、具体的な実施例に合わせて本発明をより具体的に説明する。本発明の利点及び特点は、説明に従ってはっきりになる。しかし、これらの実施例は、ただの例であり、本発明の範囲構成を制限することはない。当業者に対して、容易に理解できるのは、本発明の趣旨及び範囲から離れない限り、本発明の技術方案的詳細内容及び形式を補正又は置換を行うことができるが、これらの補正及び置換は、全て本発明の保護範囲内に入ることである。
<実施例>
実施例1 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2タンパク質の調製
(1)アグロシベ・アエゲリタの全タンパク質の調製
干したアグロシベ・アエゲリタの子実体(福建三明真菌研究所から入手)を取り、粉砕機で粉末まで粉砕し、1:10 (w/v)の割合で再蒸留水を入れ、浸した。計3回、1回毎に4時間又は一晩浸した。それぞれ、1回毎に浸した上澄みを取り、80%まで過硫酸アンモニウムを入れ、一晩置いた。遠心(10、000 rpm/min、20 min)して、沈殿を集め、沈殿を適当量の再蒸留水に溶かし、透析して塩を除去し、凍結乾燥してアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質を得た。
(2)親和性コラムの分離精製
400 mgのアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質を取り、90mLのPBS緩衝液に溶かし、遠心して変性タンパク質を除去した。上澄みを取り、親和性クロマトグラフィー用カラムを通せた。N−アセチルグルコサミンがカップリングしたSepharose 6Bを親和性クロマトグラフィー用カラムとした。PBS緩衝液でバランスした後、上記のアグロシベ・アエゲリタの全タンパク質の上澄みの親和性クロマトグラフィーィーを行いた。ローディング完了した後、紫外線検出器により不純物タンパク質の流出の検出ができなくなるまで親和性コラムをPBS緩衝液で洗浄し、0.2 mol/LのN−アセチルグルコサミンのPBS緩衝液で溶出し、流し出されたタンパク質を集めて、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を得た。
集まったAAL−2を透析して余分のN−アセチルグルコサミンを除去し、鶏の赤血球でAAL−2の凝血活性を測定した。SDS-PAGEによりアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を検出して、単一のタンパク質成分であることが分かった。結果を図1に示す。
実施例2 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2タンパク質のヌクレオチドコード領域の同定、及びAAL−2タンパク質のアミノ酸コード
実施例1におけるSDS-PAGEにより得たAAL−2バンドを切り出し、質量分析により、ペプチド断片を6本得た。同時に、本発明では、アグロシベ・アエゲリタの菌糸及び子実体のトランスクリプトームライブラリー(NCBIコードはSRA026731である)を構築し、地元のBLASTXにより6本のペプチド断片のアミノ酸配列とトランスクリプトームライブラリーとを相同アライメントを行いた。アライメントの結果、AAL−2タンパク質のヌクレオチドコード領域が、トランスクリプトームライブラリーにおける遺伝子Unigene4198の相補鎖に位置することを見出した。オープン・リーディング・フレームの同定により、タンパク質コード領域を得た。このタンパク質コード領域により翻訳されたアミノ酸配列が、質量分析により得られたAAL−2 の6本ペプチド断片に高度にマッチ可能で(図2)、且つExPASyソフトウェアにより予測されたタンパク質分子量は、43,175kDaで、実施例1におけるSDS-PAGE結果と一致した。これにより、このコード領域はアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2のヌクレオチド配列であることを確かめにした。そのヌクレオチド配列は、SEQ ID No.1で表されるもので、質量分析同定により、コードされたアミノ酸配列は、SEQ ID No.2で表されるものである。

実験例1 本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と従来のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALとの相同性分析
1、本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と既に開示されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALとのヌクレオチド相同性のアライメント分析結果を図3に示す。アライメント結果から、両者のヌクレオチド相同性は、40.63%(193/475)、Gap=61.22%(750/1225)であることを分かった。
2、本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と既に開示されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALとのアミノ酸相同性分析結果を図4に示す。アライメント結果から、両者のアミノ酸相同性は22.78%(36/158) で、アミノ酸残基の相似度は47.47%(75/158) 、 Gap=61.18%(249/407)であることを分かった。
3、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と既に開示されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALとのSDS-PAGE結果から、AALの分子量は15.8 kDaで、AAL−2の分子量は43 kDaであることを分かった(図5)。
4、本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2と既に開示されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALとの糖スペクトル分析結果をそれぞれ表2及び表3に示す。



上記の実験結果により、従来技術におけるアグロシベ・アエゲリタのレクチンAALは、単量体の分子量が15.8 kDaで、2量体であり、本発明に分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2は、分子量が43 kDaで、単量体であることを分かった。AALとAAL−2とのヌクレオチド配列のアライメント及びアミノ酸配列アライメントにより、両者のヌクレオチド相同性は、約40%、アミノ酸相同性は約20%であることを分かった。糖スペクトルにより、AAL−2がN−アセチルグルコサミンを末端とする糖基に特異的に結合し、AALの糖スペクトルと全く異なっていることを分かった。その故、本発明に分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2は、AALと全く違っているもう一つのアグロシベ・アエゲリタのレクチンである。
実験例2 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2タンパク質の抗腫瘍活性実験
1.アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の体外における肝臓癌細胞に対する致死効果
本実験では、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2(実施例1により分離されたタンパク質)の二種の腫瘍細胞株(H22、Huh7)に対する致死活性を検出した。
H22細胞株及びHuh7細胞株(ATCCから入手)が、それぞれRPMI1640培地及びDMEM培地(いずれも10%のウシ胎仔血清、100mg/mL のストレプト及び100U/mLのペニシリンを含む。)で培養された。濃度の違った、実施例1により調製されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を腫瘍細胞中に入れ(最終濃度は、0.6μmol/L,1.2μmol/L,2.4μmol/L)、それぞれ24時間及び36時間培養された。処理された細胞を単一細胞までピペットで懸濁、又は消化し、Annexin V/PI染料で染色し、フローサイトメーターで検出を行った。
検出結果を図6に示す。アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が、二種の肝臓癌細胞株の細胞アポトーシスを顕著に起こして、肝臓癌細胞を殺すことができる。
2.担がんマウス腫瘍組織に対するアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の成長抑制の作用
本実験においては、BALB/cマウス(6-8周齢、20克)を採用し、腋窩で、0.1mLのマウス肝臓癌細胞H22株(1×10cells/mL )を皮下接種し、接種した後の第7日に腫瘍内アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2(実施例1により分離されたタンパク質)注射をした(5mg/kg, 0.1mL/匹)。対照では、生理食塩水を注射した。その後、1日を置いて注射し、計7回注射し、マウス腫瘍組織の寸法を記録した。腫瘍の寸法=腫瘍組織の長さL×幅W/2である。
結果を図7に示す。アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が、担がんマウス腫瘍の成長を抑制し、担がんマウスの生存時間を顕著に長くすることが分かった。
細胞実験結果から、本発明により分離されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が肝臓癌細胞を殺す活性を有することを分かった。動物実験から、AAL−2がH22担がんマウスの腫瘍組織の成長を抑制し、担がんマウスの生存時間を長くし、担がんマウスに対して確実な治療作用を有することを分かった。
実験例3 アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の糖結合特異性
アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の糖結合活性を同定するために、本実験においては、糖チップ技術を利用し、アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2を採用して、465種の糖に対して検出を行った。
まず、ビオチンで、精製されたアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2(実施例1により分離されたものである)を標識し、200 μg/mL のAAL−2で糖チップをインキュベートした。そして、フルオレセインにより標識されたストレプトアビジンを、ビオチンにより標識されたAAL−2を結合させた。結果を表4に示す(高→低の順で、違った糖に対するAAL−2 の親和力が並べた(前23位の糖))。アグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2が特異的に優先にN−アセチルグルコサミンを末端とする糖に結合可能であることにより、AAL−2が、N−アセチルグルコサミンを認識するプローブに開発される可能性があることが分かった。

Claims (10)

  1. アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2において、
    アミノ酸が以下の(a)又は(b)は、:
    (a)SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列;又は
    (b)SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸残基が置換、欠失又は/及び付加されている、SEQ ID NO:2で表されるアミノ酸の機能を有する誘導配列、であることを特徴とするアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2。
  2. 請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2の調製方法において、
    (1)アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)の全タンパク質を抽出し、変性タンパク質を除去する工程;
    (2)変性タンパク質が除去されたアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)の全タンパク質が親和性クロマトグラフィー用カラムを通過させ、不純物タンパク質の流出がなくなるまで親和性コラムを緩衝液で洗浄する工程;
    (3)親和性クロマトグラフィー用カラムを緩衝液で溶出し、流し出されたタンパク質を収集する工程;
    を含むアグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2の調製方法。
  3. 前記親和性クロマトグラフィー用カラムは、N−アセチルグルコサミンがカップリングされたSepharose 6B親和性クロマトグラフィー用カラムであり、工程(2)に記載の緩衝液は、PBS緩衝液であり;工程(3)に記載の緩衝液は、N−アセチルグルコサミンを0.2mol/L含有する緩衝溶液であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. アグロシベ・アエゲリタ(Agrocybe aegerita)のレクチンAAL−2をコードするcDNAにおいて、
    以下の(a)又は(b)で表されるヌクレオチドであり、
    (a)SEQ ID NO:1で表されるヌクレオチド配列;又は
    (b)SEQ ID NO:1で表されるヌクレオチド配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失又は/及び付加されているヌクレオチド変異配列であり、当該ヌクレオチド変異配列がコードするタンパク質は請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2の機能を有することを特徴とするcDNA。
  5. 請求項4に記載のcDNAを含有する発現ベクター。
  6. 請求項5に記載の発現ベクターを含有するホスト細胞。
  7. 腫瘍の治療のための医薬組成物において、治療的に有効量の請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2、及び、薬学的に許容されるベクターからなる、ことを特徴とする腫瘍の治療のための医薬組成物。
  8. 請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2、又は、請求項4に記載のcDNAの抗腫瘍薬の調製における応用。
  9. 請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2、又は、請求項4に記載のcDNAのN−アセチルグルコサミンに関連する病症の試薬の調製、検出における応用。
  10. 請求項1に記載のアグロシベ・アエゲリタのレクチンAAL−2、又は、請求項4に記載のcDNAのN−アセチルグルコサミンに関連する糖構造的試薬の調製、検出における応用。
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