JP3924330B2 - 新規タンパク質、その遺伝子、アポトーシス誘導用試薬及び抗ガン剤 - Google Patents

新規タンパク質、その遺伝子、アポトーシス誘導用試薬及び抗ガン剤 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、細胞に対してアポトーシス(apoptosis)を誘導させ、ガン細胞等の細胞死を誘発させるか、ガン細胞増殖抑制活性を示す新規なタンパク質、その遺伝子、そのモノクローナル抗体、ガン細胞アポトーシス認定用試薬及び抗ガン剤に関する。
従来技術
腫瘍性疾患は、化学療法の著しい進歩で生存率及び治療率が向上している。しかし、一方で抗ガン剤の強力な副作用により正常細胞に大きなダメージを与えることが社会問題化している。抗ガン剤の副作用を防止するには、優れたガン細胞選択性を有する薬剤又は腫瘍細胞の増殖をコントロールできる薬剤が要求される。
従来よりガンの化学療法では、治療投与量でも有害作用が発生しうるので、できるだけ投薬量を抑える方法が採られている。そのため複数の機序の異なる抗ガン剤の併用による相乗作用を期待したり、抗ガン剤と他の物質との併用によって抗ガン剤の作用を増強させる試みが行われている。後者では、抗ガン剤と免疫賦活剤との組合わせが一般化しており、腫瘍細胞への直接的な効果と、生体の免疫能を活性化することによる抗腫瘍効果の併用によって、抗腫瘍効果を増強させる。また、対象とする症例によっては、治療効果を上げるため、これらの方法と、放射線療法や外科的療法の組合わせによって効果を上げる努力が行われている。
近年、細胞死には2つの種類の死、即ち、アポトーシス(apoptosis,遺伝子に支配された細胞死)及びネクローシス(necrosis,遺伝子に支配を受けない細胞死)があることが知られるようになっている。アポトーシスとネクローシスとは、生化学的測定法としてDNAが断片となる様子を観察することにより見分ける方法が良く用いられている。この測定法によると、従来の抗ガン剤は、腫瘍細胞に対してネクローシスを引き起こして抗ガン作用を発揮するものがほとんどであり、遺伝子的に腫瘍細胞の死をコントロールすることはできない。一方、腫瘍細胞にアポトーシスを起こす物質は、腫瘍細胞の死をコントロールできる可能性があることから盛んに研究が行われている。また、アポトーシスを誘導する抗ガン剤は、作用機序の異なる従来の抗ガン剤との併用によって抗腫瘍効果をより増強させることが期待できる。
発明の開示
本発明の目的は、細胞、特に、ヒトガン細胞に対してアポトーシスを誘導させ、細胞に細胞死を誘発させる活性若しくはガン細胞増殖抑制活性を示す新規なタンパク質、その断片、その遺伝子及びそのモノクローナル抗体を提供することにある。
本発明の別の目的は、in vitroにおいて、細胞、特にガン細胞に対してアポトーシスを誘導させ、細胞の細胞死を誘発するメカニズムを研究するためのアポトーシス誘導用試薬を提供することにある。
本発明の他の目的は、特に、ヒトガン細胞に対して細胞増殖抑制作用又はガン細胞死を誘発する作用を示す抗ガン剤を提供することにある。
本発明者は、従来から知られるアポトーシスによる細胞死をガン治療に役立てるため、ガン細胞に対してアポトーシスを誘発するペプチド又はタンパク質を鋭意研究した結果、サバ内臓より精製したタンパク質に、血液ガン細胞のみならず、腫瘍ガン細胞の種々の細胞に対してもアポトーシス誘発活性を示すものがあることを見い出し、このmRNAを単離し、これを出発材料としてcDNAを得、その塩基配列を決定し、アミノ酸配列を推定して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を含み、且つガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すタンパク質が提供される。
また本発明によれば、前記タンパク質をコードする配列表の配列番号2に示される塩基配列からなる遺伝子が提供される。
更に本発明によれば、前記タンパク質のモノクローナル抗体が提供される。
更にまた本発明によれば、前記タンパク質を含むアポトーシス誘導用試薬が提供される。
更に本発明によれば、前記タンパク質を有効成分として含む抗ガン剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で調製した白血病細胞殺傷活性画分(レーン1はサバ内臓抽出物、レーン2は硫安沈澱画分、レーン3はゲル濾過活性画分、レーン4はCon Aカラム吸着画分、レーン5はMono Q吸着画分、レーン6は最終精製AIP(アポトーシス誘導タンパク質)をそれぞれ示す)を、SDS−PAGEに供し、銀染色した結果を示す写真である。
図2は、実施例1で調製した白血病細胞殺傷活性画分(レーン1はサバ内臓抽出物、レーン2は硫安沈澱画分、レーン3はゲル濾過活性画分、レーン4はCon Aカラム吸着画分、レーン5はMono Q吸着画分、レーン6は最終精製AIPをそれぞれ示す)を、PVDF膜に転写後に白血病細胞殺傷物質に対する単クローン抗体で免疫染色した結果を示す写真である。
図3は、実施例2で調製した各モノクローナル抗体(I38A、I32D及びI310H)の実施例1で調製したサバ内臓抽出液に対するウエスタンブロット解析の結果を示す写真であり、レーン1はモノクローナル抗体I38Aによる免疫染色、レーン2はモノクローナル抗体I32Dによる免疫染色、レーン3はモノクローナル抗体I310Hによる免疫染色をそれぞれ示す。
図4は、実施例3で行った精製白血病細胞殺傷物質のヒト白血病細胞HL−60に対する殺傷活性を、MTSアッセイで測定した際の濃度と処理16時間後の生細胞の割合との相関関係を示すグラフである。
図5は、実施例3で行った白血病細胞殺傷物質で処理した際の生細胞の割合を経時的に解析した結果を示すグラフである。
図6は、実施例3で行った白血病細胞殺傷物質で処理した際のDNA断片化を経時的に解析した結果を示す写真であり、各レーンの上に示された数字は経過時間を、Mは123bp分子量マーカーをそれぞれ示す。
図7は、実施例3で行った白血病細胞殺傷物質の処理0時間後(図7(A))、2時間後(図7(B))、4時間後(図7(C))、12時間後(図7(D))のそれぞれの細胞中のDNAの含有量をフローサイトメトリーで解析した結果を示すグラフである。それぞれのグラフにおいて、縦軸は細胞数、横軸は蛍光強度をそれぞれ示す。
図8は、実施例3で行った白血病細胞殺傷物質処理細胞の変化を顕微鏡で観察した結果を示す写真であって、(A)は処理0時間後の結果、(B)は処理2時間後の結果、(C)は処理4時間後の結果、(D)は処理12時間後の結果をそれぞれ示す。
図9は、図8に示す各処理時間経過後の白血病細胞殺傷物質処理細胞の核をヘキスト33258で蛍光染色し、蛍光顕微鏡下で観察した結果を示す写真であって、(A)は処理0時間後の結果、(B)は処理2時間後の結果、(C)は処理4時間後の結果、(D)は処理12時間後の結果をそれぞれ示す。
図10は、AIP遺伝子及びその変異遺伝子をサル腎由来細胞株cos−7に導入し、各種の変異AIPを得、実施例2で調製したモノクローナル抗体によるウエスタンブロット解析と同様な測定を行った、実施例5の結果を示す写真である。レーン1は配列番号1におけるアミノ酸配列1−524番からなる全長AIP、レーン2はアミノ酸配列1−496番からなる変異AIP、レーン3はアミノ酸配列1−514番からなる変異AIPの結果をそれぞれ示す。
図11は、寄生虫に感染したサバの内臓抽出物(レーン1−5)と非感染サバの内臓抽出物(レーン6−10)に対する、実施例2で調製したモノクローナル抗体によるウエスタンブロット解析を行った実施例6の結果を示す写真である。
発明の説明
本発明のタンパク質及びその断片は、▲1▼配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列又は、▲2▼該配列と少なくとも部分的に相同若しくは類似したアミノ酸配列を含み、且つガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すか、▲3▼配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列と配列相同性を有し、且つガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すか、▲4▼配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列のうちの61−89番目のアミノ酸配列と、497−514番目のアミノ酸配列とを有し、且つガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すものである。
本発明において、前記▲2▼の配列番号1のアミノ酸配列に相同したとは、好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を示すものである。アミノ酸配列に類似の配列とは、該アミノ酸配列と実質的に相同なアミノ酸配列であって、そのタンパク質が配列番号1のタンパク質と同様なガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すものを意味する。このようなアミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列のうち、少なくとも1つのアミノ酸が置換している場合、少なくとも1つの新たなアミノ酸が挿入されている場合、少なくとも1つのアミノ酸が欠損している場合がある。
前記▲3▼の配列番号1のアミノ酸配列と配列相同性を有するとは、配列番号1のアミノ酸配列と由来動物の種が異なることによるアミノ酸配列の相違が認められのみで、ガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すものを意味する。
本発明のタンパク質及びその断片は、タンパク質又はアミノ酸のε−アミノ基、若しくはアミン化合物又はアミノ酸のアミノ基を基質として、以下に示す酸化的脱アミノによるアルデヒド生成反応を触媒し、過酸化水素を生成させることができるものと考えられる。
R−CH2NH2+H2O+O2=R−CHO+NH3+H22
また、本発明のタンパク質及びその断片は、ガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示す一因として、補酵素としてのフラビンを必要とするものと考えられる。このため、配列番号1のアミノ酸配列において、可視吸収スペクトルに対するフラボタンパク質がもつ典型的な変化と同様な変化を示す配列番号1のアミノ酸配列のうちの61−89番目のアミノ酸配列を有することが好ましく、また、細胞死誘発活性を示すために必須であると考えられる配列番号1のアミノ酸配列のうちの497−514番目のアミノ酸配列を有することが好ましい。
本発明のタンパク質及びその断片において、細胞死誘発活性を示すとは、アポトーシスを示すことであり、これは、生化学的測定法としてDNAの断片化、即ち、クロマチンDNAのヌクレオソーム単位での切断を観察する方法、アポトーシスに伴うDNA断片化をフローサイトメトリーで測定する方法、顕微鏡観察により、その形態的特徴からアポトーシスを検出する直接的方法等により確認することができる。この細胞としては、ガン細胞、例えば、肺ガン、胃ガン、大腸ガン、卵巣ガン、脳腫瘍、乳ガン、腎ガン、成人T細胞白血病(ATL)細胞及びヒトT細胞白血病ウイルス−1(HTLV−1)感染細胞等を挙げることができる。
このような相同又は類似のアミノ酸配列を含むタンパク質及びその断片は、通常の組換え技術等の公知の方法により容易に製造することができる。
本発明のタンパク質及びその断片は、タンパク質の他の構造的特徴は特に限定されない。例えば糖鎖等により修飾されていても良い。
本発明のタンパク質及びその断片の起源は特に限定されるものではなく、例えば、配列番号1で示すタンパク質は、寄生虫に感染したサバの内臓抽出物から単離したものである。即ち、サバ(学名:Scomber japonicus, 一般名:Chub mackerel)由来のものが挙げられる。しかし、後述の実施例で示すようにこのタンパク質は、寄生虫非感染サバの内臓抽出物からは得られなかった。従って、寄生虫感染のようにヘルパT2細胞(Th2細胞)の活性化を伴う刺激によりサバから誘導されると同様に、同じ機構により哺乳動物からでも本発明のタンパク質及びその断片と同様なタンパク質又は配列相同性のあるタンパク質及びその断片を得ることができる。故に、本発明のタンパク質及びその断片の起源はサバに限定されるものではなく、ヒト、マウス、ラット等の哺乳動物由来であっても良い。このような哺乳動物由来のタンパク質は、配列番号1で示されるアミノ酸配列において、種の相違に基づく配列相同性を示すアミノ酸配列のタンパク質である。
配列番号1で示すタンパク質に対して配列相同性を有するタンパク質を調製するには、例えば、哺乳動物の遺伝子ライブラリーから配列番号2で示すDNAを用いたハイブリダイゼーション法により得られた遺伝子より、通常の組換え技術等に基づいて容易に得ることができる。
本発明の遺伝子(DNA)は、前記タンパク質又はその断片をコードする遺伝子及び該遺伝子のうち、配列表の配列番号2に示される塩基配列及び該配列と少なくとも部分的に相同若しくは類似した塩基配列を含む遺伝子である。ここで、類似した塩基配列とは、この塩基配列のうち、少なくとも1つのコドンが置換している場合、少なくとも1つの新規なコドンが挿入されている場合、少なくとも1つのコドンが欠損している場合であって、前記タンパク質のアミノ酸をコードするものである。
このような遺伝子は、公知の方法、例えばmRNAを抽出し、cDNAを作製して単離したり、ゲノムDNAから単離することもできる他、化学的に合成することもできる。
本発明のモノクローナル抗体は、通常の方法、例えば前記タンパク質又はその断片を抗原として、ハイブリドーマの技術を利用して製造することができる。
本発明のモノクローナル抗体としては、モノクローナル抗体I38A(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5872、寄託日1997,3,13)、モノクローナル抗体I32D(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5873、寄託日1997,3,13)又はモノクローナル抗体I310H(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5874、寄託日1997,3,13)等が挙げられる。
本発明のタンパク質及びその断片は、前記遺伝子を適当な発現ベクターに組み込み、該発現ベクターで形質転換又は形質導入した宿主細胞を増殖させ、細胞内又は細胞外に分泌させることにより得ることができる。この際、使用できる発現ベクターとしては、プラスミド、ウイルス等の他に本発明の遺伝子を組み込むことが可能であり、発現しようとする宿主細胞で該遺伝子を安定に存在させることができるDNA断片等を挙げることができる。発現ベクターは、転写プロモーター、転写を制御するエンハンサー、オペレーター配列、適切なリボソーム結合配列、転写および翻訳を制御する配列、ベクターDNAの複製を行うための配列等が必要である。また、細胞外へ分泌させる場合には分泌シグナル配列が必要となる。
前記宿主細胞は、細菌である大腸菌、酵母等が有用であり、またアフリカミドリザルの線維芽細胞由来のCOS7細胞等が挙げられる。これらは市販品を用いることができる。
本発明のアポトーシス誘導用試薬は、前述の本発明のタンパク質、その断片及び前記本発明のモノクローナル抗体からなる群より選択される少なくとも1種を含んでおれば良い。この試薬を使用して、腫瘍細胞等の細胞にアポトーシスを誘導させることができ、アポトーシスを起こした細胞の細胞形態、細胞遺伝子及び細胞内シグナル伝達機構の解明を研究するキットとして使用できる。
本発明の抗ガン剤は、前述の本発明のタンパク質及び/又はその断片を有効成分として含み、必要により更に前述の本発明のモノクローナル抗体を含む。投与方法としては、経口、注射等により行うことができる。製剤は、散在、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤、乳化剤、懸濁剤等の種々の形態とすることができる。また、本発明の抗ガン剤には、通常薬学的、製剤学的に許容できる添加剤を含んでいても良い。適当な投与量は、ガンの種類等によっても異なるが、患者の体重1kgあたり、有効成分を約0.01〜10mg/kg/日の範囲で投与するのが好ましい。
本発明のタンパク質及びその断片は、細胞、特にヒトガン細胞に対してアポトーシス等を誘導させ、ガン細胞に細胞死を誘発させる活性若しくはガン細胞増殖抑制活性等を示す新規なものであり、且つサバ等の食用魚類にも含有されるので、ガン抑制等の機能性食品、抗ガン剤、アポトーシス誘導用試薬等に有用である。また、本発明のモノクローナル抗体は、抗ガン剤、アポトーシス誘導用試薬等に有用である。
本発明の遺伝子は、前記本発明のタンパク質及びその断片をコードするものであるので、これらの大量製造に利用できる。
本発明のアポトーシス誘導用試薬は、細胞に対してアポトーシスを誘導させるので、そのアポトーシスを起こした細胞の細胞形態、細胞遺伝子及び細胞内シグナル伝達機構の解明を行うことができる。
本発明の抗ガン剤は、ガン細胞に対してアポトーシスを起こさせるので、ガン細胞の死をコントロールして抗ガン作用を得ることができると共に、他の細胞に対する副作用を極めて抑制することができる。
実施例
以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
マサバから内臓を摘出し、冷水を重量比で等量加えてホモジナイズした。次いで、冷却遠心分離機で、30分間、15000gで遠心して油分と沈澱物を除去した。得られた精澄液を凍結乾燥してサバ内臓乾燥粉末とした。調製したサバ内臓乾燥粉末を10mg/mlの濃度となるように蒸留水に溶解し、氷上で十分冷却した後、硫酸アンモニウム55重量%飽和状態とした。次いで、15000rpmで30分間遠心分離を行って沈澱物を除去し、上清を硫酸アンモニウム95重量%飽和状態とし、更に、前記条件で遠心分離を行って沈澱物を分離した。得られた沈澱物に少量のトリス緩衝液(20mM Tri-HCl,pH7.5,0.3M NaCl)を加えて沈澱物を溶解させ飽和画分を得た。
得られた飽和画分の試料5mlを、予めトリス緩衝液で平衡化したカラム(商品名「HiLoad 16/60 Superdex 200」,Pharmacia社製)にかけ、60ml/時間の流速でゲル濾過を行い、2.5mlずつ分取し、活性画分を収集した。得られた活性画分を、予めトリス緩衝液により平衡化したカラム(Con A-Sepharoseカラム,Pharmacia社製)にかけ、トリス緩衝液で280nmの吸収がなくなるまで洗浄した。
0.5M濃度メチル−α−D−マンノピラノシドを含むトリス緩衝液で溶出される活性画分を集め、ビス−トリス緩衝液(20mM bis-Tri-HCl,pH6.4,100mM NaCl)で透析し、Ultrafree-15(商品名「Biomax-50」,MILLIPORE社製)で濃縮した。得られた濃縮液を、予めビス−トリス緩衝液で平衡化したカラム(商品名「Mono Q 5/5カラム」,Pharmacia社製)に供し、ビス−トリス緩衝液で280nmの吸収がなくなるまで洗浄後、結合画分をNaClの濃度勾配により以下の条件で溶出させた。目的のペプチド(タンパク質)を含む画分の溶出は300mM前後に溶出した。
条件
緩衝液A:20mMビス−トリス緩衝液,100mM NaCl,pH6.4
緩衝液B:緩衝液A中に1M NaCl
グラジエント:0%B5分間,0〜50%B20分間,50%B2分間,50〜100%5分間
流速:1.0ml/分
検出:280nm,0.2AUFS
得られた活性画分を、Ultrafree-15(商品名「Biomax-50」,MILLIPORE社製)で濃縮し、試料1mlを、予めリン酸緩衝液(商品名「ダルベッコPBS」、日水製薬社製)で平衡化したカラム(商品名「HiLoad 16/60 Superdex 200」,Pharmacia社製)にかけ、60ml/時間の流速でゲル濾過を行い、1mlずつ分取し、活性画分を集め目的のタンパク質を精製した。尚、各精製段階での試料は15000rpmで10分間遠心した後、0.45μm孔の膜フィルターを通した。
ヒト白血病細胞(HL−60)殺傷物質の精製
各精製段階の白血病細胞殺傷活性画分を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)に供し、銀染色、及びPVDF膜に転写後に白血病細胞殺傷物質に対する単クローン抗体で免疫染色した。銀染色の結果を図1に、免疫染色の結果を図2にそれぞれ示す。図1のレーン6に示されるとおり、この方法で精製された白血病細胞殺傷物質は、約62と63キロダルトンの位置のみにバンドが見られた。62と63キロダルトンの位置のタンパク質は、免疫沈降で白血病細胞殺傷活性を完全に吸収できる3つの独立した単クローン抗体によって同じく認識された(図3)。更に、この白血病細胞殺傷活性を有する62と63キロダルトンの位置のバンドを別々に切り出し、各タンパク質のN−末端アミノ酸配列を決定した。その結果、62キロダルトンのバンドは、
Glu His Leu Ala Asp Xaa Leu Glu Asp Lys Asp Tyr Asp Thr Leu Leu Gln Thr Leu Asp Asn Gly Leu Pro His Ileであり、
63キロダルトンのバンドは、
Glu His Leu Ala Asp Xaa Leu Glu Asp Lys Asp Tyr Asp Thr Leu Leu Gln Thr Leu Aspであった。従って、62と63キロダルトンのタンパク質のN−末端アミノ酸配列は全く同じであり、この結果から、2つのタンパク質は同一遺伝子産物の可能性が考えられる。そこで、この白血病細胞殺傷物質は後述するようなアポトーシス活性を有することからアポトーシス誘導タンパク質(Apoptosis Inducing Protein, AIP)と命名した。
実施例2
AIPの単クローン抗体の調製
1)免疫:
実施例1で調製した精製AIP10μgを当量の完全フロイントアジュバントと混合し、5週齢の雌BALB/cマウスの皮下に注射した。2週間後、当量の抗原を当量の不完全フロイントアジュバントと混合し、腹腔内投与した。3週間後、リン酸緩衝液(PBS)に溶解した30μgの抗原を静脈内投与した。
2)融合:
最終免疫の3日後、マウスの脾細胞とミエローマFOX−NYとをPEGを用いて融合した。脾細胞とミエローマ細胞の比は5:1とした。選択培地にはAAT(7.5×10-5M アデニン、8×10-7M アミノプテリン、1.6×10-5M チミジン)、インスリン(10mg/l)、トランスフェリン(10mg/l)含有5%FBS−RPMI1640を用いた。
3)ハイブリドーマのクローニング:
抗体産生ハイブリドーマの選択及びクローニングに免疫沈降法を用いた。この免疫沈降法は、AIP(40μg/ml)1μlにハイブリドーマ培養上清20μlを加え、4℃、2.0時間インキュベーションした後、抗マウスIgG+IgMラビットIgsを3μg加え、更に1.0時間インキュベーションした。次いで、反応溶液に10%スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)菌体懸濁液(PANSORBIN Cells)50μlを加え、4℃、1.0時間インキュベーションした後、10000rpm、2分間遠心し、上清5μl、10μl、20μlを取り、HL−60ヒト白血病細胞に対するアポトーシス活性を調べた。
4)白血病細胞殺傷物質に対する単クローン抗体の作製:
細胞融合8日目にて総数768ウェル中の精製AIPに対する抗体について酵素免疫測定法(ELISA)によりスクリーニングを行い、ELISA陽性の56ウェルを選別した。細胞融合10日目にELISA陽性の56ウェルに対して、免疫沈降法とウエスタンブロット法により更に選別し、ELISA、免疫沈降法、ウエスタンブロット法の全ての方法で陽性である9ウェルを選択した。その中から抗体の産生の最も多い3ウェルに対し、3回の限定希釈法によるクローニングで独立した3つのクローンを得、各々I38A(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5872)、I32D(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5873)及びI310H(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5874)と命名した。サバ内臓抽出液に対するI38A、I32D及びI310Hのウエスタンブロットの結果を図3に示す。モノクローナル抗体I38A、I32D及びI310Hの特定のクラスを、クラス特異的抗マウス抗体を使用して免疫染色法で決定した。その結果を表1に示す。モノクローナル抗体I38A、I32D及びI310HはELISA、免疫沈降法、ウエスタンブロット法の全ての方法で使用可能な抗体であった。
Figure 0003924330
実施例3
AIPのアポトーシス活性の測定
細胞は、急性前骨髄性白血病患者の抹消血から樹立された骨髄単球系細胞株HL−60を用いた。培地は、RPMI1640培地(免疫生物研究所製 IBL)に、10%となるように牛胎児血清(FBS)を添加したものを使用した。FBSは、予め56℃、45分間加熱し補体系を不活性化させたものを用いた。
まず、前記細胞溶液を管に移し、1000rpm、5分間遠心を行い、上清を除去し、10%FBS RPMI1640培地を適当量加えて懸濁し、細胞数が5.0×105cells/mlになるように調節し、種々の濃度に調製した実施例1の精製AIPで処理した。
細胞死の測定は、Cell Titer 96商品名「Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay Kit」(Promega社製)を用いて行った。
DNA断片化の測定は次のように行った。まず、細胞懸濁液250μl(1.25×105cells)に62.5μlの溶解緩衝液(2.0MNaCl、10mM EDTA、50mM Tris-HCl、pH8.0、1%SDS)と4μlのプロテアーゼK(20mg/ml)を加え、56℃、90分間溶解した。氷上で5分間静置後、80μlの5M NaClを加え、更に氷上で5分間静置し、12000rpm、5分間遠心後、上清400μlを回収した。4μlのRNaseA(20mg/ml)を加え、37℃、60分間処理し、RNAを分解した後、900μlの冷エタノールを加え、−20℃で一晩静置した。その後、15000rpm、20分間遠心後、沈澱物を10μl TE緩衝液(10mM Tris-HCl、pH7.5、1mM EDTA)に溶解し、2%アガロースゲル電気泳動で分析した。マーカーは、123bp DNA ladder marker(LIFE TECHNOLOGIES)を用いた。
DNA含量測定によるDNA分解検出は次のように行った。一定時間20ng/mlのAIPで処理することによりアポトーシスを誘発したHL−60細胞1×106個をPBS(−)で洗浄し、冷70%エタノールを200μl加え、4℃で一晩固定した。1500rpm、5分間遠心し、上清を除去後、エタノールを除くためPBS(−)で洗浄し、細胞ペレットをPBS(−)0.1mlに浮遊させ、2.5μlのRNaseA(20mg/ml)を加え、37℃で20分間処理しRNAを分解した。その後、遠心で細胞を回収し、0.5mlの50μg/mlヨウ化プロピジウム溶液(0.1%クエン酸ナトリウム、0.1%NP−40)を加え、4℃暗所で10分間染色した。50μmのナイロンメッシュを通し、フローサイトメーターにより測定した。
蛍光染色によるクロマチン凝集の観察は、一定時間20ng/mlのAIPで処理することによりアポトーシスを誘発したHL−60細胞1×106個をPBS(−)で洗浄し、細胞固定液(1%グルタルアルデヒド含有PBS(−))を100μl加え室温で30分間静置して固定した。1500rpm、5分間遠心し、上清を除去後、PBS(−)で洗浄し、細胞ペレットをPBS(−)20μlに浮遊させ、PBS(−)含有4μlの1mMヘキスト33258を加えて混合した。スライドガラス上に細胞液を一滴落とし、カバーガラスを載せ蛍光顕微鏡下で観察した。
ヒト培養ガン細胞パネルによる制ガン効果の検定は次のように行った。ヒト培養ガン細胞38系(肺ガン7系、胃ガン6系、大腸ガン6系、卵巣ガン5系、脳腫瘍6系、乳ガン5系、腎ガン2系、メラノーマ1系)及びマウスP388白血病細胞の合計39系培養ガン細胞を、96ウェルプレートにまき、翌日各濃度のAIPを添加し、48時間後に細胞増殖をスルホローダミンBによる比色定量で測定した。
成人T細胞白血病(ATL)細胞及びヒトT細胞白血病ウイルス-1(HTLV-1)感染細胞の増殖に対するAIPの影響は次のように検討した。
ATL細胞3系(Maeda-V,Fukuda-V,Hara-V)及びヒトT細胞白血病ウイルス−1(HTLV-1)感染細胞2系(OYAJ-V, YAM-V)各1×105細胞に終濃度0、2、22ng/mgになるようにAIPを添加し、37℃、5%CO2で7時間培養後、0.5μCiの6−3Hチミジンを加え、更に5時間培養した。PBS(−)で3回洗浄後、DNAに取り込まれた6−3Hチミジンの量を液体シンチレーションカウンターで測定した。
1)白血病細胞殺傷物質のもつアポトーシス活性:
精製白血病細胞殺傷物質のヒト白血病細胞HL−60に対する殺傷活性を、MTSアッセイで測定した。濃度と処理16時間後の生細胞の割合との相関関係を図4に示す。約5ng/mlの濃度で5×105cells/mlの約50%にあたる細胞を殺したことから、非常に強い白血病細胞殺傷活性を有していることが判った。20ng/ml濃度の白血病細胞殺傷物質で処理した際の生細胞の割合を経時的に解析した結果を図5に示す。この結果、約4時間で約50%にあたる細胞死を引き起こしていることが判った。この20ng/ml濃度の白血病細胞殺傷物質で処理した際のDNA断片化を経時的に解析した結果を図6に示す。処理約2時間後からアポトーシスに特異的にヌクレオソーム単位のDNAの断片化が見られた。通常、アポトーシスによる細胞死ではアポトーシス特異的DNA断片化、即ち、クロマチンDNAのヌクレオソーム単位での切断が見られることが知られている。
このアポトーシスに伴うDNA断片化はフローサイトメトリーでも測定することができ、アポトーシス細胞では、G1期細胞よりDNA含量の低い細胞として検出される。20ng/ml濃度の白血病細胞殺傷物質の処理0、2時間後、4時間後及び12時間後の細胞中のDNAの含有量をフローサイトメトリーで解析した結果をそれぞれ図7(A)、(B)、(C)及び(D)に示す。この結果、時間の経過と共にDNAの含有量の低下したアポトーシス細胞の増加が認められた。
また、顕微鏡観察により、その形態的特徴からアポトーシスを検出する直接的方法もある。そこで、顕微鏡観察により、0、2時間後、4時間後及び12時間後の20ng/ml濃度の白血病細胞殺傷物質処理細胞の核の変化を観察した。その顕微鏡写真をそれぞれ図8(A)、(B)、(C)及び(D)に示す。アポトーシスを起こした細胞の核ではクロマチンの凝縮、核濃縮等が見られる。更に、図8で示す0、2時間後、4時間後及び12時間後の20ng/ml濃度の白血病細胞殺傷物質処理細胞の核をそれぞれヘキスト33258で蛍光染色し、蛍光顕微鏡下で観察した。その結果をそれぞれ図9(A)、(B)、(C)及び(D)に示す。この結果、白血病細胞殺傷物質で処理したアポトーシスに特異的なクロマチン凝縮や核の断片化像が検出された。
以上の結果から、白血病細胞殺傷処理物質により処理して起こる細胞死はアポトーシスであると断定された。
2)ヒトガン細胞に対するAIPの増殖阻害活性:
43種類のヒトガン細胞の増殖に対するAIPの影響をスルホローダミンBによる比色定量又は6−3Hチミジンの取り込みで測定した。その結果を表2に示す。AIPは、検討した細胞の増殖を抑制した。
Figure 0003924330
実施例4
1)サバ内臓からの全RNA調製
全RNA調製はAGPC(Acid Guanidinium-Phenol-Chloroform)法(Anal.Biochem.162,p156-159)に従って行った。
サバ内臓を、フェノールとチオシアン酸グアニジンとからなる溶液ISOGEN(株式会社ニッポンジーン製)5ml中でポリトロンホモゲナイザーにて均質化して溶解させた。得られた均質物に1mlのクロロホルムを加え、内容物を完全に混合し、氷上で15分間放置した。4℃、5000gで30分間遠心し、上層(水層)を回収した。この溶液に等容量のフェノール及びクロロホルムを加えて水層を抽出した後、回収水層と同量のイソプロピルアルコールを加え、室温で10分間放置した。4℃、5000gで30分間遠心し、RNAを沈澱させ、70%エタノールで洗浄後、RNAのペレットを溶出用緩衝液(10mM Tri-HCl,pH7.4,1mM EDTA)1mlに溶解し、1mgの全RNAを得た。
2)mRNAの精製
得られた全RNAを65℃、5分間処理し、急冷した。不溶物は遠心分離して除去し、3M NaCl溶液を0.2ml加え、塩濃度が0.5Mとなるように調整した。RNA溶液をオリゴ(dT)セルロースカラム(Pharmacia社製)に載せ、素通り分画をもう1度カラムに載せた。10mM Tri-HCl,pH7.4,1mM EDTA,0.5M NaCl溶液(数カラム量)と10mM Tri-HCl,pH7.4,1mM EDTA,0.1M NaCl溶液(数カラム量)とで洗浄し、吸着したポリ(A)を有するRNAを溶出用緩衝液で溶出した。得られたRNAを再度上記の操作を繰り返し、1/10容量の3M酢酸ナトリウム(pH5.1)、2容量のエタノールを加え、−20℃で沈澱させ、ポリ(A)を有するmRNA約35μgを得た。
3)cDNAの合成及びcDNAライブラリーの作製
得られたポリ(A)を有するmRNA3μgを蒸留水で7μlとし、Not 1 primer-adapter(0.5μg/ml,LIFE TECHNOLOGIES)2μlを加え、70℃、10分間処理した後、急冷した。得られた溶液にRNAse阻害剤(40unit/μl,Stratagene社製)1μl、250mM Tri-HCl,pH8.3,375mM KCl及び15mM MgCl2からなる緩衝液4μl、DTT 1μl、10mM dNTP混合液1μl、リバーストランスクリプターゼ(200units/μl、LIFE TECHNOLOGIES)を加え、良く混合し、37℃で1時間反応させた。反応後、蒸留水91μl、100mM Tris-HCl,pH6.9,450mM KCl,23mM MgCl2,0.75mM β-NAD+、50mM(NH42SO4からなる緩衝液30μl、10mM dNTP混合液3μl、E.coli DNAリガーゼ(10units/μl)1μl、E.coli DNAポリメラーゼ(10units/μl)4μl、E.coli RNaseH(2units/μl)1μlを加え、良く混合して16℃で2時間反応させた。その後T4DNAポリメラーゼ(5units/μl)2μlを加え更に5分間反応させた。0.5M EDTA 10μlを加えて反応を停止させ、フェノール−クロロホルム(1:1)で抽出を行い、7.5M酢酸アンモニウム0.5容量を加え、更に全容量の2倍量のエタノールを加えて14000gで20分間遠心し、分離されたペレットを70%エタノールで軽くすすいだ。乾燥後、25μlの蒸留水に溶解し、250mM Tri-HCl,pH7.6,50mM MgCl2,5mM ATP,5mM DTT,25%(w/v)PEG8000からなる緩衝液10μl、Sal 1 adapter(1μg/μl)10μl、T4DNAリガーゼ(1units/μl)5μlを加え、16℃で24時間反応させた。フェノール−クロロホルム(1:1)抽出を行い、エタノール沈澱させた。41μlの蒸留水に溶解し、10mM Tri-HCl,pH7.5,7mM MgCl2,150mM NaCl,7mM 2−メルカプトエタノール,0,01%TritonX-100からなる緩衝液5μl、NotI(15units/μl)4μlを加え、37℃で2時間反応させた。フェノール−クロロホルム(1:1)抽出を行い、エタノール沈澱させた。DNAペレットを10mM Tri-HCl,pH7.5,0.1mM EDTA,25mM NaClからなる緩衝液100μlに溶解し、同じ緩衝液で平衡化したSephacryl S-500カラム(1ml,LIFE TECHNOLOGIES)でゲル濾過を行い、必要な大きさのcDNAを含む分画を選択した。
作製したcDNA15ngとNot I-Sal Iとで処理したpSPORT 1プラスミドベクター(LIFE TECHNOLOGIES)50ngの混合液を蒸留水で15μlとし、250mM Tri-HCl,pH7.6,50mM MgCl2,5mM ATP,5mM DTT,25%(w/v)PEG8000からなる緩衝液4μl、T4DNAリガーゼ(1units/μl)1μlを加え、22℃で4時間反応させ、ベクターにcDNAを組み込み、yeast tRNA(1μg/μl)5μl、7.5M NH4OAc12.5μl、冷エタノール70μlを加え、エタノール沈澱させ、5μlの蒸留水に溶解した。得られたベクターcDNAをエレクトロポレーション用大腸菌(Electro MAX DH10B Cell)にバイオラット社製のエレクトロポレーションシステムを用いて導入(1.8kV,25mF,200Ω)し、230万トランスフォマントからなるcDNAライブラリーを得た。
4)RT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)によるAIP遺伝子の増幅
AIPのN−末端アミノ酸配列(EHLADXLEDKDYDTLLQTLDNGLPHI)のEDKDYDTに対応するセンス・プライマーNo.1と内部アミノ酸配列(MIYDQADV)のMIYDQADに対応するアンチセンス・プライマーNo.2をそれぞれ化学合成し、AIP遺伝子の増幅用プライマーとして用いた。前記得られた全RNA 5μgに、oligo(dT)12-18(0.5ng/μl)1μlを加えて75℃、10分間保温した後、氷中で急冷した。次に20mM Tris-HCl(pH8.4)、50mM KCl、2.5mM MgCl2、0.5mMの各dNTP、10mM DTT、20units RNAse阻害剤、200unitsリバーストランスクリプターゼを含有する溶液中で42℃、1時間のcDNA合成反応を行い、70℃、10分間加熱して反応を停止させ、2units E.colo RNase Hを加えて37℃、20分間処理し、残ったRNAを分解させた。得られたcDNAの1/10量、2種類のプライマーNo.1及びNo.2を各100pmole、20mM Tris-HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.2mM各dNTP、10mM DTT、2.5units Taq DNAポリメラーゼを含有する溶液中で94℃、1分間、56℃、1分間、72℃、1分間の反応を35回繰り返してPCRを行った。このサイクル終了後に72℃で8分間反応させ、PCR産物3’末端にポリ(A)を取り込ませるようにした。
5)PCR産物のクローニングとその塩基配列の決定
得られたPCR産物は2%アガロースゲル電気泳動により約650bpの大きさであることが判った。上記PCR産物をT4DNAリガーゼとATPによりプラスミドベクターpCRIIに挿入し、その塩基配列をPERKIN ELMER社製のキット(ABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit)の指示書に従ってジオキシヌクレオチドを蛍光標識したダイターミネーター法によって決定した。その結果、塩基配列から予測されるアミノ酸配列はAIPの部分アミノ酸配列の決定から得られた配列を含んでいることが判り、pCRaip001と命名した。
6)プローブの標識
得られたpCRaip001を制限酵素Eco RIで切断し、1.5%アガロースゲル電気泳動で分離した後、約650bpのインサートDNA断片をアガロースゲルから回収した。回収DNA断片60ngをテンプレートにし、ランダムプライム法を用いてPharmacia社製のキット(Ready To Go DNA Labelling Kit)の指示書に従って、[α-32P]dCTPで標識した。
7)pSPORT 1 cDNAライブラリーから全長AIP遺伝子のスクリーニング
作製したpSPORT 1 cDNAライブラリーより、得られたプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーション法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.72:3961,1975)でスクリーニングした。まず、アンピシリンを含む15cm LB/agerプレートに約20000個のコロニーができるように前記で得たトランスフォマント約100万個をまき、約12時間、37℃で培養した。コロニーができたプレート上にナイロンフィルター(Amersham社製)を空気が入らないように静置し、約1分間後フィルターを剥がし、乾燥させた。フィルターを、コロニーが付いた面を上にして、10%SDSを染み込ませた濾紙と、0.5M NaOH及び1.5M NaClを染み込ませた濾紙と、0.5M Tris-HCl,pH7.5,1.5M NaClの溶液を染み込ませた濾紙との上に各3分間順次静置させた後、2×SSCで良く洗浄し、乾燥させ、UVトランスイルミネーターを用いてフィルター上にDNAを固定させた。フィルターを5×SSCに浸した後、6×SSC、5×Denhardt液、0.5%SDS溶液(ハイブリダイゼーション溶液)中で65℃で2時間プレハイブリダイゼーションした。プレハイブリダイゼーション液を捨て、予め65℃に加温しておいたハイブリダイゼーション溶液に1000000cpm/mlになるように上記で得られた標識DNA(100℃で5分間加熱し、急冷したもの)を添加したものを注ぎ込み、65℃で20時間ゆっくり振盪させながらハイブリダイゼーションを行った。1×SSC、0.1%SDS溶液で10分間、3回洗浄し、更に0.1×SSC、0.1%SDS溶液で20分間、3回の洗浄を65℃で行った。自然乾燥後、−80℃で一晩オートラジオグラフィーを行い、標識したプローブに強く会合した27のコロニーを選択した。これらのプラスミドDNAについて、上記で得たPCRにより約650bpのPCR産物が確認された。これらのプラスミドは、pSAIP 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26及び27と命名したが、いずれもAIPのアミノ酸配列から予想されるDNA配列を有することからAIP cDNAを含んでいると考えられる。これらのうち、略完全長を有すると思われるpSAIP 22について、その翻訳領域の全塩基配列をジデオキシヌクレオチドを蛍光標識したダイターミネーター法によって決定した。その塩基配列を配列表の配列番号2に、その塩基配列より予測されるアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示す。
このcDNA配列と予想されるアミノ酸配列は、AIPの部分アミノ配列の決定から得られた配列及びpCRaip001のインサートを全て含んでいることが判り、このcDNAはAIPをコードしていることを確認した。成熟AIPのN−末端アミノ酸との比較から、塩基数1−90がシグナルペプチドを、91−1575がAIPの成熟ペプチドをコードすると考えられる。このcDNAによりコードされるポリペプチドの予想分子量は58668ダルトン(シグナルペプチドと予測される部分を除くと55243ダルトンとなる)であり、サバ内臓より精製されたAIPの分子量より約7500ダルトン低かった。AIPはCon Aカラムに強く吸着される糖タンパク質であり、糖鎖部分が約7500ダルトン占めていると考えられる。
実施例5
実施例1において調製した精製AIPを、L−リジン、ポリ−L−リジン又はポリ−D−リジンと混合反応させることによって、過酸化水素が発生するか否かを発色試薬(ペルオキシダーゼ及びo−フェニレンジアミン)で測定した。その結果、精製AIPは、L−リジンを酸化して約2800μMの過酸化水素を生成した。一方、ポリ−L−リジン又はポリ−D−リジンを混合した場合には、過酸化水素の発生は10数μM程度であった。また、精製AIPは、リジンの他に、ロイシン、フェニルアラニン、アルギニン、メチオニン、ヒスチジン等を基質とし、過酸化水素を生成する。従って、精製AIPは、酸化的脱アミノによるアルデヒド生成反応を触媒して過酸化水素を生成するものと考えられる。
次に、前記酸化反応による過酸化水素の生成反応と、精製AIPの癌細胞アポトーシス活性との関係を調べるために、過酸化水素の分解反応を触媒するカタラーゼを添加したものとしないものとで精製AIPの癌細胞アポトーシス活性がどのようになるかを測定した。測定は、カタラーゼを添加する以外は、実施例3で行った精製白血病細胞(ヒト白血病細胞HL−60)殺傷物質のもつアポトーシス活性を測定する方法と同様に行い、16時間後の死細胞の割合を測定した。その結果、精製AIPに加えてカタラーゼを添加した場合の細胞死の割合は、精製AIP単独添加の場合の死細胞の割合を100%とした場合、18%であった。
従って、精製AIPが癌細胞アポトーシス活性を示す一因として、前記酸化的脱アミノによるアルデヒド生成反応を触媒して過酸化水素を生成する反応が関与していると考えられる。
そこで、精製AIPをモチーフ解析して、フラボタンパク質が可視光吸収スペクトルに対して示す典型的な変化と同様な変化を示すドメインを探索したところ、配列表の配列番号1のアミノ酸配列において、61−89番目のアミノ酸配列がフラビン結合ドメインであることが判った。従って、酸化的脱アミノによるアルデヒド生成反応を触媒して過酸化水素を生成する反応に必要なアミノ酸配列の1つは、前記61−89番目のアミノ酸配列であることが判った。
次に、配列表の配列番号2に示される塩基配列のAIP遺伝子を、PCR法により変異させ、その変異遺伝子を動物細胞発現用ベクター(pME18S)に組み込んで得られたプラスミドをサル腎由来細胞株cos−7に導入し、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列1−514番及び1−496番の変異AIPを作製した。これらの変異AIP及び実施例1で得られた精製AIPについて、実施例2で調製したモノクローナル抗体によるウエスタンブロット解析を測定した。その結果を図10に示す。また、これらのAIP及び変異AIPのヒト白血病細胞に対するアポトーシス活性を実施例3と同様に測定したところ、アミノ酸配列1−524番から成る全長AIP及びアミノ酸配列1−514番から成る変異AIPは癌細胞に対するアポトーシス活性を示したが、アミノ酸配列1−496番から成る変性AIPは癌細胞に対するアポトーシス活性を示さなかった。
従って、アミノ酸配列497−514番までの部位も、本発明のAIPの機能維持に必要であることが判る。
実施例6
実施例1で調製した精製AIPの起源を探索するために、用いたマサバの内臓を分析したところ、寄生虫に感染していることが判った。そこで、寄生虫に感染しているマサバ5体と寄生虫に感染していないマサバ5体とから、それぞれ実施例1と同様に内臓抽出物を精製した。得られた各内臓抽出物に対して、実施例2で調製したモノクローナル抗体によるウエスタンブロット解析を行った。結果を図11に示す。図11において、レーン1−5は寄生虫に感染した5体のマサバ内臓抽出物の結果であり、レーン6−10は寄生虫に感染していない5体のマサバ内臓抽出物の結果である。また、これらの内臓抽出物についてヒト白血病細胞に対するアポトーシス活性を実施例3と同様に測定した。その結果を表3に示す。表3において、試料番号1−5は寄生虫に感染した5体のマサバ内臓抽出物の結果であり、試料番号6−10は寄生虫に感染していない5体のマサバ内臓抽出物の結果である。また、比活性は、試料番号5の内臓抽出物のヒト白血病細胞に対するアポトーシス活性の強さを1にした時の相対活性の値を示す。
図11及び表3の結果から、寄生虫に感染したマサバの内臓抽出物には本発明のAIPが認められ、且つそれらには癌細胞アポトーシス活性が見られた。一方、寄生虫に感染していないマサバ内臓抽出物には以上の活性は見られなかった。従って、AIPの発現はヤサバから寄生虫感染により誘導されることが判った。
以上の点より、寄生虫感染のようにヘルパT2細胞(Th2細胞)の活性化を伴う刺激によりマサバからAIPが誘導され、同じような機構により哺乳類からでもAIPに対して配列相同性若しくは細胞死誘発活性を有するタンパク質が誘導されうると判断できる。
Figure 0003924330
配列表
配列番号:1
配列の長さ:524
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003924330
Figure 0003924330
配列番号:2
配列の長さ:1575
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA to mRNA
配列
Figure 0003924330
Figure 0003924330
Figure 0003924330

Claims (6)

  1. 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を含み、且つガン細胞増殖抑制活性又は細胞死誘発活性を示すタンパク質。
  2. 配列表の配列番号2に示される塩基配列からなる請求項1記載のタンパク質をコードする遺伝子。
  3. 請求項1記載のタンパク質のモノクローナル抗体。
  4. モノクローナル抗体I38A(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号 FERM BP-5872)、モノクローナル抗体I32D(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5873)及びモノクローナル抗体I310H(工業技術院生命工学工業技術研究所 国際受託番号FERM BP-5874)からなる群より、選択される請求項3記載のモノクローナル抗体。
  5. 請求項1タンパク質を含むアポトーシス誘導用試薬。
  6. 請求項1記載のタンパク質を有効成分として含む抗ガン剤。
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