JP2014516936A - 2−クロロアリルチオシアネート及び2−クロロアリルイソチオシアネートを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、2−クロロアリルイソチオシアネートを2,3−ジクロロ−1−プロペンから製造する方法に関し、ここで、該製造方法においては、2,3−ジクロロ−1−プロペンをチオシアネートと、相間移動触媒の存在下に、希釈剤無しで、又は、2,3−ジクロロプロペンに対して最大で15重量%までの希釈剤の存在下で、及び、同時に、チオシアネートに対して10〜200mol%の過剰量の2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させる。本発明は、さらに、1,2,3−トリクロロプロパンから出発する方法にも関する。
Description
本発明は、式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを製造する方法に関する。
式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートは、既知化合物である(例えば、EP 0761649を参照されたい)。式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートが、希釈剤中で、2,3−ジハロ−1−プロペン(好ましくは、式(III)
Mは、金属カチオン又はアンモニウム基であり;
及び、
nは、当該カチオンの電荷数に見合うように、1〜4である〕
で表されるチオシアネートと反応させることによって製造され得るということも知られている。
既知製造方法に関して記載されている適切な希釈剤の例は、アセトニトリル(EP 446913;CN 1401646)又はトルエンであり、ここで、場合により相間移動触媒を添加してもよい(Shanghai Huagong 27 (2002) 25−27;J. Agric. Food Chem. 56(2008)10805−10810)。しかしながら、これらの希釈剤を使用することは、工業的な製造にとっては不利である。例として、出発物質を希釈することは反応速度を著しく低減させ得る。従って、必要な反応時間が長くなる。希釈剤を使用すると、さらに、付加的な後処理段階を不可避的に伴う。例として、その希釈剤を除去するために蒸留することが必要であり、そして、ここで、回収された希釈剤の純度がその希釈剤を当該製造方法に戻すのを可能にするのに充分なほど高いということに注意しなければならない。そうでなければ、費用をかけて破棄することが必要であり、これは、環境の汚染を引き起こし得る。
このことは、希釈剤としての水の既知使用にも当てはまる(EP 0761649;J. Agric. Food Chem. 52 (2004) 1918−1922)。ここで、該製造方法は、相間移動触媒の存在下、2種類の液相(水相及び有機相)の混合物の中で実施される。次いで、場合により、破棄することが必要な大量の廃液が存在し得る。
室温よりも高い温度で式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートを転位に付して、式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを生成させることも、同様に知られている(EP 446913;EP 761649;J. Agric. Food Chem. 52 (2004) 1918−1922)。式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンと式(IV)で表されるとチオシアネートから式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートを得る場合、結果として、一般に、式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物の混合物が得られる。工業的な製造方法では、この混合物は、例えば蒸留による後処理の間に、加熱することによって、通常、式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートに完全に変換される。従って、その製造方法全体は、下記図式によって例証することができる。
Shanghai Huagong 27 (2002) 25−27
J. Agric. Food Chem. 56(2008) 10805−10810
J. Agric. Food Chem. 52 (2004) 1918−1922
従って、式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを工業において有利な条件下で製造するためのさらに改善された製造方法が、継続的に求められている。
驚くべきことに、式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを製造するための新規方法が見いだされ、ここで、該方法は、式(III)
R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はC6−C10−アリールであり、ここで、後者は、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−ジアルキルアミノ、ヒドロキシ又はフェニルで置換されていてもよく;
並びに、
Xは、アニオンである〕
で表される相間移動触媒の存在下に、希釈剤無しで、又は、式(III)で表される2,3−ジクロロプロペンに基づいて最大で15重量%までの極めて少量の希釈剤の存在下で、及び、同時に、式(IV)で表されるチオシアネートに基づいて10〜200mol%の過剰量の式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させることを特徴とする。
場合により使用することが可能な希釈剤には、極性及び非極性の有機希釈剤が包含され、並びに、水も包含される。挙げることができる例は、以下のとおりである:炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン;ハロゲン化炭化水素類、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール;エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン;及び、ニトリル類、例えば、アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル。
本発明による製造方法は、式(III)
R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
並びに、
Xは、フッ化物アニオン、塩化物アニオン、臭化物アニオン、硫酸水素アニオン、水酸化物アニオン又は酢酸アニオンの群から選択されるアニオンである〕
で表される相間移動触媒の存在下に、式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンに基づいて0〜10重量%の量の希釈剤の存在下で、及び、同時に、式(IV)で表されるチオシアネートに基づいて10〜200mol%の過剰量の式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させることにより実施するのが好ましい。
場合により使用することが可能な希釈剤には、好ましくは、トルエン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルが包含され、さらに、水も包含される。
好ましくは、当該反応にはさらなる希釈剤は添加しない。その場合、希釈剤の総量は、式(III)で表される出発物質の希釈剤含有量と当該チオシアネートの合計である。当該総量は、式(III)で表される化合物に基づいて、通常、10重量%未満であり、又は、好ましくは、5重量%未満である。
本発明による製造方法は、特に好ましくは、式(III)
R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
並びに、
Xは、塩化物アニオン、臭化物アニオン、硫酸水素アニオン又は水酸化物アニオンの群から選択されるアニオンである〕
で表される相間移動触媒の存在下に、式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンに基づいて0〜5重量%の量の希釈剤の存在下で、及び、同時に、式(IV)で表されるチオシアネートに基づいて30〜100mol%の過剰量の式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させる。
場合により使用する希釈剤には、特に好ましくは、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルが包含され、さらに、水も包含される。
本発明による製造方法は、既知従来技術と比較して有利点を有している。例として、希釈剤を実質的に使用しないことで、後処理の必要性が回避され、及び、場合により、当該希釈剤を廃棄することの必要性も回避される。同時に、本発明による製造方法の空時収量は、既知従来技術に相当する製造方法よりも高い。
本発明による製造方法は、30〜150℃の温度で実施する。50〜100℃の温度で実施するのが好ましい。
本発明による製造方法は、通常、大気圧で実施するが、高圧下又は減圧下で実施することも可能である。
本発明の製造方法における反応時間は、0.1〜10時間である。0.5〜7時間を使用するのが好ましく、特に好ましくは、1〜5時間である。
本発明による製造方法において、一般式(V)で表される相間移動触媒の量は、広範囲にわたって変えることができる。通常使用される量は、式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンに基づいて、0.1〜10重量%である。1〜7重量%の量を使用するのが好ましい。
使用することが可能な一般式(V)で表される相間移動触媒の例は、以下のものである:フッ化テトラブチルアンモニウム及び対応する塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、硫酸水素塩、臭化テトラエチルアンモニウム及び対応するヨウ化物、塩化メチルトリブチルアンモニウム及び対応する臭化物、ヨウ化物、酢酸塩及び硫酸水素塩、塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム及び対応する臭化物、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム及び対応する塩化物、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム及び対応する臭化物、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム及び対応する臭化物、塩化メチルトリオクチルアンモニウム、塩化メチルトリデシルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム及び対応する塩化物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム及び対応する臭化物。
塩化メチルトリオクチルアンモニウム(商標「Aliquat(登録商標)336」;塩化メチルトリデシルアンモニウムとの混合物として存在している)、塩化メチルトリデシルアンモニウム及び対応する臭化物、臭化テトラオクチルアンモニウム及び対応する塩化物、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム及び対応する臭化物、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム及び対応する臭化物、塩化ジデシルジメチルアンモニウム及び対応する臭化物並びに塩化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム又は対応する臭化物を使用するのが好ましい。
当該反応に使用される式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンが、蒸留によって精製されておらず、従って、工業用製造方法の結果として、充分な量の相間移動触媒を既に含んでいる場合には、一般式(V)で表される相間移動触媒の添加を場合により省くことができる。
式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの慣習的な製造方法では、式(VI)で表される1,2,3−トリクロロプロパンを塩基と反応させる。
下記実施例は、本発明による製造方法を例証することを意図しているが、本発明による製造方法はそれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(496.5g)(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、165.46gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を3回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で90分間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、530.3gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、41.8面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、24.9面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び24.5面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(496.5g)(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、165.46gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を3回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で90分間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、530.3gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、41.8面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、24.9面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び24.5面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。
この有機相を、浴温度が75℃に達するまで250mbarで蒸留する。これにより、212.7gの留出物が得られ、これは、GC分析によると、207.6gの2,3−ジクロロ−1−プロペンを含んでいる。この2,3−ジクロロ−1−プロペンは、当該プロセスに戻すことができる。
蒸留後の残渣の量は313.6gであり、これは、定量的1H NMR分光法での分析によると、82.3重量%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートと式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートで構成されている。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の97%の収率をもたらす。
実施例2
蒸留して得た2,3−ジクロロ−1−プロペン(150g)(GC分析:97.3%純度;水(KF):<0.1%)を6gのAliquat(登録商標)336及び50mLの水と30分間混合させ、次いで、相を分離させた。この前処理された2,3−ジクロロ−1−プロペン(水(KF):0.6%)を、333.3gの工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)と一緒に、撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用する。次いで、撹拌しながら、ナトリウムチオシアネート(165.46g)(98%純度)を添加する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、500mLの水を添加する。その有機相を室温で分離する。これにより、512.4gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、44.2面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、20面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び27.9面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。
蒸留して得た2,3−ジクロロ−1−プロペン(150g)(GC分析:97.3%純度;水(KF):<0.1%)を6gのAliquat(登録商標)336及び50mLの水と30分間混合させ、次いで、相を分離させた。この前処理された2,3−ジクロロ−1−プロペン(水(KF):0.6%)を、333.3gの工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)と一緒に、撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用する。次いで、撹拌しながら、ナトリウムチオシアネート(165.46g)(98%純度)を添加する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、500mLの水を添加する。その有機相を室温で分離する。これにより、512.4gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、44.2面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、20面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び27.9面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。
この有機相を、浴温度が75℃に達するまで250mbarで蒸留する。これにより、221.2gの留出物が得られ、これは、GC分析によると、217.8gの2,3−ジクロロ−1−プロペンを含んでいる。この2,3−ジクロロ−1−プロペンは、当該プロセスに戻すことができる。
蒸留後の残渣の量は288.7gであり、これは、GC分析によると、17.8面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネートと64.4面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートで構成されている。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の89%の収率をもたらす。
実施例3
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(495.4g)(GC分析:89.6%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、155.35gのアンモニウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、514.9gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、58.8面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、13.8面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び19.05面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、2,3−ジクロロ−1−プロペンに基づいて、理論値の99%の収率をもたらす。
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(495.4g)(GC分析:89.6%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、155.35gのアンモニウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、この混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、514.9gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、58.8面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、13.8面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び19.05面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、2,3−ジクロロ−1−プロペンに基づいて、理論値の99%の収率をもたらす。
実施例4
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(495.4g)(GC分析:89.6%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、220.55gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、548.7gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、28.3面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、27.05面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び37.1面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の99%の収率をもたらす。
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(495.4g)(GC分析:89.6%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、220.55gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、500mLの水を添加する。室温で、その有機相を分離する。これにより、548.7gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、28.3面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、27.05面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び37.1面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の99%の収率をもたらす。
実施例5
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(496.5g)(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、165.46gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、340mLの水を添加する。70℃、その有機相を分離する。これにより、523.4gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、48.4面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、18.55面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び23.9面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の81%の収率をもたらす。
工業用グレードの2,3−ジクロロ−1−プロペン(496.5g)(GC分析:89.4%純度;水(KF):0.45%)を撹拌機と還流冷却器を備えた2リットル容ジャケット付き反応容器の中への初期装入物として使用し、70℃まで加熱する。この温度で、撹拌しながら、165.46gのナトリウムチオシアネート(98%純度)を2回に分けて添加する。次いで、その混合物を80℃まで加熱し、その温度で2時間撹拌し、70℃まで冷却し、そして、340mLの水を添加する。70℃、その有機相を分離する。これにより、523.4gの有機相が得られ、これは、GC分析によると、48.4面積%の2,3−ジクロロ−1−プロペン、18.55面積%の式(I)で表される2−クロロアリルチオシアネート及び23.9面積%の式(II)で表される2−クロロアリルイソチオシアネートを含んでいる。これは、ナトリウムチオシアネートに基づいて、理論値の81%の収率をもたらす。
Claims (6)
- 式(II)
Mは、金属カチオン又はアンモニウム基であり;
及び、
nは、当該カチオンの電荷数に見合うように、1〜4である〕
で表されるチオシアネートと、一般式(V)
R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はC6−C10−アリールであり、ここで、後者は、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−ジアルキルアミノ、ヒドロキシ又はフェニルで置換されていてもよく;
並びに、
Xは、アニオンである〕
で表される相間移動触媒の存在下に、希釈剤無しで、又は、式(III)で表される2,3−ジクロロプロペンに基づいて最大で15重量%までの希釈剤の存在下で、及び、同時に、式(IV)で表されるチオシアネートに基づいて10〜200mol%の過剰量の式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させることを特徴とする、前記方法。 - 希釈剤の前記使用量が、式(III)で表される2,3−ジクロロプロペンに基づいて最大で10重量%までであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 希釈剤の前記使用量が、式(III)で表される2,3−ジクロロプロペンに基づいて最大で5重量%までである、請求項1に記載の製造方法。
- 前記反応が50〜100℃の温度範囲内で進行する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 式(II)
Mは、金属カチオン又はアンモニウム基であり;
及び、
nは、当該カチオンの電荷数に見合うように、1〜4である〕
で表されるチオシアネートと、一般式(V)
R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はC6−C10−アリールであり、ここで、後者は、ハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−ジアルキルアミノ、ヒドロキシ又はフェニルで置換されていてもよく;
並びに、
Xは、アニオンである〕
で表される相間移動触媒の存在下に、希釈剤無しで、又は、式(III)で表される2,3−ジクロロプロペンに基づいて最大で15重量%までの希釈剤の存在下で、及び、同時に、式(IV)で表されるチオシアネートに基づいて10〜200mol%の過剰量の式(III)で表される2,3−ジクロロ−1−プロペンの存在下で、反応させることを特徴とする、前記方法。 - Mが、Na+又はNH4 +であり;
nが、1であり;
R1、R2、R3及びR4が、互いに独立して、水素、C1−C24−アルキル、ベンジル又はフェニルであり;
並びに、
Xが、塩化物アニオン、臭化物アニオン、硫酸水素アニオン又は水酸化物アニオンの群から選択されるアニオンである;
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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