JP2014516900A - オルガノクロロシランおよび四塩化ケイ素から含水素クロロシランに反応させるための反応器設計 - Google Patents

オルガノクロロシランおよび四塩化ケイ素から含水素クロロシランに反応させるための反応器設計 Download PDF

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Abstract

本発明は、1つ以上の反応室を含む圧力式の反応器の稼働中にケイ素ベースの固体析出物を抑止しながら含水素クロロシランを製造する方法に関し、反応室の少なくとも1つの中に少なくとも1つのオルガノクロロシランが水素と少なくとも一時的に反応され、場合によって複数ある反応室の少なくとも1つの中でこの反応が行われ、その中に少なくとも一時的に追加のHClが供給されることを特徴とする。追加のHClは、好ましくは四塩化ケイ素を水素で脱ハロゲン化水素化することによって、反応器の、場合によって複数ある反応室の少なくとも1つの中で発生させる。

Description

本発明は、1つ以上の反応室を含む圧力式の反応器の稼働中にケイ素ベースの固体析出物を抑止しながら含水素クロロシランを製造する方法に関し、反応室の少なくとも1つの中に少なくとも1つのオルガノクロロシランが水素と少なくとも一時的に反応され、場合によって複数ある反応室の少なくとも1つの中でこの反応が行われ、その中に少なくとも一時的に追加のHClが供給されることを特徴とする。追加のHClは、好ましくは四塩化ケイ素を水素で脱ハロゲン化水素化することによって、反応器の、場合によって複数ある反応室の少なくとも1つの中で発生させる。
含水素クロロシランおよび特にトリクロロシラン(TCS)は、半導体産業および太陽光発電産業において必要とされている純粋シリコンを製造するための重要な原料である。TCSの需要は近年絶えず高まっており、近い将来もさらに需要が伸びると予想される。
TCSからの純粋シリコン析出は、シーメンス法に従った化学蒸着(CVD)法の技術基準に従って実施される。使用されるTCSは、通常クロロシラン工程で、すなわち原料シリコンとHClを300℃にて流動層反応器中で、または1000℃にて固定層反応器中で反応させ、続いて生成物混合物の蒸留処理を行って得られる。
工程パラメータの選択に応じて、高純度シリコン抽出ではCVD工程においてもクロロシラン工程においても、より大量の四塩化ケイ素(STC)が副生物として付随的に発生する。上記工程の経済性を高め、増大しているTCSへの需要を満たすため、STCをTCS変換させるさまざまな方法が開発されている。
技術水準に従い、STCからTCSへの脱ハロゲン化水素化は、熱的に制御された方法が使用され、この方法では、STCが水素と共に、グラファイトで被覆された反応器中に入れられ、1100℃以上で反応が行われる。高温および関与する水素含有量により、生成物であるTCSに対する平衡状態がスライドする。生成物混合物は、反応後に反応器から取り出され、費用のかかる方法で分離される。
近年これに関して方法の改善が提示され、特に例えば米国特許第5,906,799号明細書に詳述されているように、化学的に不活性な、例えばSiC製の被膜を施した炭素系物質を、反応器を被覆するために使用する。このようにして、構造材料の劣化、および炭素系物質とクロロシラン/H2混合ガスとの反応による生成物ガス混合物の混入が大幅に予期できる。
独国特許第102005046703A1号明細書にはさらに、脱ハロゲン化水素化の上流の段階でグラファイト製ヒーターエレメントを現場でSiC被膜することが記述されている。反応室内部にヒーターエレメントを配置することで、この場合には電気抵抗ヒーターのエネルギー流入の効率性が向上する。
しかし上述の方法では部分的に費用のかかる被膜方法が必要となるため不利である。それに加えて、反応の進行に必要な熱供給は、炭素系の構造材料を使用することから電気抵抗ヒーターを使用しており、これは天然ガスを使用した直接加熱に比べて不経済である。一般に1000℃以上という高い反応温度が必要である場合、これに加えて望ましくないシリコン析出が起こり、それによって定期的に反応器を清掃する必要が生じる。
しかしはるかに不利には、触媒なしで純粋に熱によってのみ実施される反応は、上述の方法を全体として非常に非効率に形成する。それに応じて、触媒によるSTCの脱ハロゲン化水素化のさまざまな方法が開発された。
出願人の以前の出願には、SiCl4をTCS脱ハロゲン化水素化するための方法が記述されている。この方法では、有利には圧力下で、および金属のTi、Zr、Hf、Ni、Pd、Pt、Mo、W、Nb、Ta、Ba、Sr、Ca、Mg、Ru、Rh、Irまたはそれらの組み合わせまたはそのケイ素化合物から選択された少なくとも1つの活性成分を含んでいる触媒存在下で反応が行われる。この方法はTCSで、ほぼ熱力学的変換率に近い、および高い選択性を備えた、高い空時収量を実現する。反応器はその際1つ以上の、好ましくは気密性のセラミック材料からなる、触媒で被膜された反応器チューブを含む。特に、900℃の高い反応温度が必要な場合でも十分に不活性で、耐食性および気密性を備えているSiC、Si34またはそれらの混合系からなる反応器チューブが使用される。反応のための熱供給は、この材料選択の結果、天然ガスの燃焼によって加熱される反応器チューブを燃焼室内に配置することで経済的に行われる。
STCの他にさらなる副生物として、高純度シリコン抽出のCVD工程でクロロシラン工程と同様に有機不純物との反応によって形成されるオルガノクロロシラン(OCS)、例えばメチルジクロロシラン(MHDCS)、メチルトリクロロシラン(MTCS)またはプロピルトリクロロシラン(PTCS)が付随的に生じる。しかし特にオルガノクロロシランは、やはり選択的に、ミュラー・ロショー合成によってケイ素および塩化アルキルから製造される。
TCSおよび純粋シリコンの需要増大を考慮すると、オルガノクロロシランの、特にMTCSの発生源は、ミュラー・ロショー合成の側留として、半導体産業および太陽光発電産業で使用可能にすることは経済的に非常に興味深いであろう。そのため、OCSを含水素クロロシラン、特にTCSに変換する効率的な方法が必要とされる。
出願人の平行出願には、反応によりMTCSならびにPTCSを、一般にSTCからTCSへの水素化脱塩素のためにも工程条件で必要とされるような、ジクロロシラン(DCS)、TCSおよびSTCを含むクロロシラン混合物にする方法が記述されている。別の副産物として、ここではメタンCH4、HClおよびMHDCSが生じる。しかしここでMTCSに関して重要な反応は、温度が少なくとも800℃を上回って初めて得られる。このような高温においては望ましくない副次的作用として、ほとんどがケイ素からなる固形物が析出する。ケイ素ベースの固形物の析出は原料の損失、反応器の反応室を形成している材料の劣化促進、反応器を定期的に停止させて堆積物を除去する必要がある、ことを意味する。加えて、圧力損失が大きすぎると極端な場合予定外に反応器を停止させる必要がある可能性がある。
したがって本発明の課題は、オルガノクロロシランを水素化して含水素クロロシランにする経済的な方法を提供することであり、この方法は高い空時収量とTCS選択性を実現し、特に障害となる固体析出物を阻止する、または少なくとも低減して効率的で連続的な反応器稼働を保証する。
問題を解決するために、OCSが水素と反応して含水素クロロシランが生じる際のケイ素ベースの固形物の析出は、追加のHClで処理することで、STCおよび/またはOCSを含有するガスまたはガス混合物を反応させるための典型的な反応条件下で、少なくとも部分的に減少させることが可能であることが発見された。1つ以上の有機的クロロシランと水素との反応が少なくとも一時的に実施される、反応器の少なくとも1つの反応室に、少なくとも一時的に、設定された反応条件下で追加のHClを入れることで、ケイ素ベースの固体析出物の量は、反応器の連続稼働において格段に低減され得ることが確認された。
「追加のHCl」という用語は、本発明の趣旨において、少なくとも1つの有機的クロロシランと水素との反応で形成される副生成物としてのHClではなく、純粋な形でまたはHCl含有混合ガスとして反応器に給送されるHClまたはオルガノクロロシランの水素化によって反応器中でのさまざまな化学反応で生じるHClである。
特定の理論と結びつけるつもりはないが、発明者は追加のHClが、固体析出物中に含まれているケイ素をクロロシランに、および特に含水素クロロシランにするための塩化水素化反応に有利に働くと理解している。それゆえにこの過程は、反応器の再生と並んで、稼働中に固体析出物の除去を行うことで、有利な方法で含水素クロロシランの収率を向上させることができる。
特に有利には四塩化ケイ素と水素が反応器中で脱ハロゲン化水素化することで追加のHClが作られる。このために、反応器に四塩化ケイ素および水素が供給され、典型的には700℃以上の反応温度で変換させられる。この変換で放出されるHClは、上述のケイ素からクロロシランへの、特に含水素クロロシランへの反応によって使用される。このことにより、HClは再びSTCの脱ハロゲン化水素化の熱力学的な平衡から外れ、それによって、結果として生じる平衡移動も、含水素クロロシランおよび特に、STCの脱ハロゲン化水素化によって形成されるTCSの収率を格段に高める。
本発明の基礎として、ここでは上に挙げられた、出願人の以前の出願の、STCの触媒的脱ハロゲン化水素化によるTCSの製造方法の反応器設計が用いられる。これにより、温度、圧力、滞留時間および反応体のモル比のような反応パラメータを適切に選択した場合、TCSに関して高い空時収量および選択性を有する、OCSを水素化することで含水素クロロシランを効率的に作る方法が示される。気密性のセラミック反応器チューブを反応室として、燃焼ガスを用いて熱する加熱室内に配置することで、経済的な熱供給の選択肢が本方法のさらなる利点を示している。
オルガノクロロシランの水素化とSTCからTCSへの脱ハロゲン化水素化の可能な組み合わせは、1つ以上の共有のまたは別々の、反応器の反応室の中で、本発明による方法の特性を示し、上述のように、この方法は反応器中での固体析出物の低減ならびにTCSの収率向上を可能にする。ケイ素ベースの固形物の析出の低減に寄与するさまざまな反応器接続および反応器稼働方法は、以下に、上記の課題の本発明による解決方法の記述の範囲で、好ましい変形例も例として含めて示している。
本発明の要旨は、圧力式反応器中での含水素クロロシランの製造方法であり、この反応器は1つ以上の反応室を含み、この反応室の少なくとも1つの中に少なくとも1つのオルガノクロロシランが水素と共に、少なくとも一時的に変換され、場合によって複数ある反応室の少なくとも1つの中でこの変換が行われ、少なくとも一時的に追加のHClが供給されることを特徴とする。
特に本発明は、本発明により含水素クロロシランを製造する際に、ケイ素ベースの固体析出物を低減するための方法を含み、ケイ素ベースの固体析出物の低減を圧力式反応器の稼働中に行うことを特徴とする。
1つ以上の、反応器の反応室は、ここではそれぞれ1つの気密性のセラミック材料製反応器チューブから成っていてよい。この気密性のセラミック材料は、好ましくはSiC、いわゆる窒素と結合したSiC(NSiC)、Si34またはそれらの混合系(SiCN)から選択されて構成されている。任意で、少なくとも1つの反応器チューブが同材料から作られた充填物で満たされていてよい。
追加のHClは反応器に、純粋な形でまたはHCl含有混合ガスとして給送され得る、または追加のHClの供給が、追加のHClがオルガノクロロシランの水素化によるさまざまな化学反応によって反応器中で生成されることで実施されてよい。
特に好ましくは、追加のHClを発生させる化学反応が水素による四塩化ケイ素の脱ハロゲン化水素化であり、この化学反応が場合によって複数ある、反応器の反応室の少なくとも1つの中で行われる。このために、四塩化ケイ素を含有する原料ガスと含水素原料ガスを反応器中に入れ、そこでこの混合物を変換のために、STCからTCSへ脱ハロゲン化水素化するために典型的な高い反応温度である700℃以上にさらすことができる。以下の、可能な反応器接続の実施例では、水素によるSTCの変換は、ここでは同時に有機的クロロシランの水素化が1つ以上の共通の反応室中でまたはしかし空間的には分離された、反応器の異なった反応室中で実施され得ることを明らかにしている。
本発明による方法のすべての変形例は、共通して、少なくとも1つのオルガノクロロシランがオルガノクロロシランを含有する原料ガスとして、および/または水素が含水素原料ガスとして、および/または追加のHClが、圧力のかかった状態の流れとして1つ以上の、反応器の反応室中に送られ、そこで熱を供給されることで反応して、含水素クロロシランを含有する少なくとも1つの生成物ガス混合物を形成し、そして圧力のかかった状態の流れとして反応器から取り出され得る。
オルガノクロロシランとして、本発明による方法では、式RxSiCl4-x(x=1、2、3または4を表わす)のオルガノクロロシランが使用され、ここでRは特に炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基またはアラルキル基であってよい。有機基Rは、非置換または単置換または多置換であってよく、ここで置換基は例えばハロゲン基、ヒドロキシル基、エーテル基、ケトン基、カルボニル基、カルボキシ基、エステル基、アミノ基、アミド基および/またはチオール基であってよい。複数の有機残基Rが存在する場合、これらは互いに同じであるか異なっていてよい。特にアルキルトリクロロシラン、つまり式RSiCl3の結合が好ましく、ここでRは上記に定義された意味を有し、その水素による変換は所望の生成物TCSの高い収率をもたらす。さらに、本発明による方法は、有機的置換したジシランまたはより高位のシランの水素化のためにも使用される。しかし生成物混合物はこの場合比較的低い比率でしかTCSを有していない。
特に好ましくは、少なくとも1つのオルガノクロロシランは、本発明による方法において、メチルトリクロロシラン(MTCS)、メチルジクロロシラン(MHDCS)、プロピルトリクロロシラン(PTCS)、エチルトリクロロシラン(ETCS)およびそれらの混合物を含む群から選択されている。
本発明による方法の格別に好ましい実施形態では、オルガノクロロシランとしてメチルトリクロロシランが使用される。好ましくは、使用されるオルガノクロロシランを含有した原料ガス中のメチルトリクロロシランの比率が、ここでは少なくとも97質量%であり、したがって不純物の合計含有量は3質量%以下となる。
反応器チューブが作られている気密性セラミック材料は、好ましくはSiC、Si34または混合系(SiCN)からなる。特に好ましくは、SSiC(無圧状態で焼結したSiC)またはいわゆる窒素結合SiC(NSiC)ならびにシリコン炭窒化物(SiCN)である。これらは高温においても圧力安定性があり、そのために有機的クロロシランおよび/またはSTCからのTCS合成は、数barの圧力で稼働可能である。さらに、必要な反応温度である700℃超であっても、十分な耐腐食性を備えている。別の一実施形態では、薄いSiO2層の上記材料がμm範囲に被覆され得、この範囲は追加の腐食保護層を形成する。
本発明による方法の特別な一実施形態では、少なくとも1つの反応器チューブに管と同じ気密性のセラミック材料からなる充填物が充填されていてよい。この不活性のバルクは流体力学を最適化する役割を果たす。バルクとして輪型、球形、小型の棒状の充填物、または他の適切な充填物が使用され得る。
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの反応器チューブの内壁および/または充填物の少なくとも一部分が、少なくとも1つの、オルガノクロロシランからH2により含水素クロロシランに変換する触媒作用を及ぼす材料によって被覆されている。ここで、被膜の材料は、好ましくはH2を用いたSTCからTCSへの脱ハロゲン化水素化も触媒する。一般に管は触媒ありでも触媒なしでも使用可能であるが、ここでは、触媒として被覆された管は好ましい実施形態である。なぜなら適切な触媒は反応速度を高め、それによって空時収量を向上させるからである。充填物に触媒活性の被膜が施されている場合、必要に応じて反応器チューブで触媒活性の内部被膜を省略してよい。しかし好ましくはこの場合も、被膜時に反応器チューブの内壁も一緒に含められてよい。なぜなら触媒として使用可能な表面が、(例えば固定床で)担持された触媒システムと比べて拡大されるからである。
触媒活性の被膜、すなわち反応器チューブ内壁および/または必要に応じて使用されている固定床は、好ましくは金属Ti、Zr、Hf、Ni、Pd、Pt、Mo、W、Nb、Ta、Ba、Sr、Ca、Mg、Ru、Rh、Irまたはそれらの組み合わせから選択された少なくとも1つの活性成分を含む組成からなる。少なくとも1つの活性成分の他に、この組成はしばしばさらに1つ以上の懸濁化剤および/または1つ以上の補助成分、特に懸濁液を安定化させるための、懸濁液の貯蔵安定性を向上させるための、被膜された表面への懸濁液の付着性を向上させるためのおよび/または被膜された表面への懸濁液の塗布を向上させるための補助成分が含まれる。反応器チューブの内壁および/または必要に応じて使用されている固定床への触媒活性被膜の塗布は、1つ以上の反応器チューブの内壁へのおよび/または充填物の表面への懸濁液の塗布、塗布した懸濁液の乾燥および続いて500℃〜1500℃の温度範囲内で不活性ガスまたは水素中での硬化によって行われる。
少なくとも1つの反応管は、通常加熱室内に配置されている。反応手順に必要な熱の供給は、電気抵抗ヒーターまたは例えば天然ガスのような燃料ガスの加熱室内での燃焼によって行われ得る。燃料ガスの使用によって加熱されたシステムの使用では、均一な温度制御および経済的な稼働方法が有利である。燃料ガスを使用した加熱によって、反応器チューブにおける局部的な温度ピークを抑止するため、バーナーは直接管の方に向けてはならない。バーナーは例えば、平行に配置された反応器チューブの間に空いている空間の方を向くように、加熱室に割り当てられてよい。
エネルギー効率を向上させるために、反応器システムはそれに加えて排熱回収システムと接続されてよい。特別な一実施形態では、そのために1つ以上の反応器チューブが、片側が閉じられおよびそれぞれ1つの、ガスを給送する内部管を備え、この内部管は好ましくは反応器チューブと同じ材料からなる。各反応器チューブの閉じられた端部と、各反応器チューブの方を向いている、内側にある管の開口部との間で、逆流が起こる。この配置では、反応器チューブ内壁と内部管の外壁との間に流れる生成物ガス混合物の熱がそれぞれ、セラミック内部管の熱伝導によって、内部管を通って流れている原料ガスに伝えられる。一体化された熱交換管も、少なくとも部分的に上述の触媒活性材料で被覆されていてよい。
本発明による方法における変換は、通常は700℃〜1000℃、好ましくは850℃〜950℃の温度範囲でおよび/または1〜10bar、好ましくは3〜8bar、特に好ましくは4〜6barの圧力範囲でおよび/または0.1〜10秒、好ましくは1〜5秒、実施される。
以下に、いくつかの反応器接続と反応器稼働方法を記載するが、これらは本発明による方法を例示的に説明するものである。
本発明による方法の特別な一実施形態では、少なくとも1つの、任意でそれぞれの反応室で交互に、a)追加のHClおよび、b)水素と混合されたオルガノクロロシラン、が給送される。
追加のHClは一方でおよびオルガノクロロシランは水素との混合物内で、他方で好ましい実施態様では同時に別々の反応室に送られる。
a)追加のHClおよびb)水素と混合されたオルガノシランが個々の反応室へ、好ましくは同時にすべての反応室へ、交互に供給されてよいが、それぞれ個々の反応室とは無関係に行われ得る。
少なくとも1つの反応室へと、一方で追加のHClの供給、及び他方で水素と混合されたオルガノシランの供給が、切替えられるタイミングは、特に少なくとも1つの反応室で測定された圧力および/または物質収支の変化に応じて算出され得る。このパラメータは有意な量の固体析出物の形成または逆に反応器中に形成された固体析出物の大幅な除去を示すことに適し得る。こうして1つの反応室中の固体析出物はそのフロー断面積を低減し、それが原因で圧力損失が生じ得る。圧力測定は、任意の従来技術で公知の方法、例えば適切な機械式の、静電性の、誘導性のまたは圧電抵抗式の圧力測定器を使用して行うことができる。反応室中のケイ素ベースの固体析出物の大幅な除去は、例えばこの反応室から出る生成物ガス混合物中のHCl濃度が高まることで読み取ることができる。なぜならHClの消費はケイ素との反応で使用可能なケイ素が不足した結果減少するからである。生成物ガスの組成は公知の分析技術、例えばガスクロマトグラフと質量分析を組み合わせて測定することができる。
上述の方法で個々の反応室への反応体のチャージの切替えは、適切な、よく使われている制御バルブシステムを使用して行うことができる。
上述の、本発明による方法の変形形態は、例として図1に、2つの分離された反応室が示され、これらの反応室に、一方で追加のHClと他方でH2と混合されたOCSがそれぞれ交互に送られ、それぞれ1つの反応室に追加のHClが給送されている間に他方の反応室にH2と混合されたOCSが給送されることが、見て取れる。
こうして例えばOCSとH2との反応、およびSTCとH2の脱ハロゲン化水素化によって、追加のHClが2つの分離された反応室(反応室1および反応室2)に生成される。この場合生成物ガス流は集められて後処理に送られる。まずOCSと水素の反応が反応室1中で、およびSTCの脱ハロゲン化水素化が水素の存在下で反応室2中で、有意の固形物析出が反応室1に発生するまで行われるであろう。このことは例えば圧力損失ならびに反応器の収支で識別することができるであろう。次に反応体の個々の反応室への給送は、STCとH2が反応室1に、およびOCSおよびH2が反応室2に給送されるように切替えられ、その結果STCの脱ハロゲン化水素化が反応室1中で、およびOCSの水素化が反応室2中で行われる。STCの脱ハロゲン化水素化の際に形成される副生物HClは、チャージの切替え前に反応室1中で固形物として析出したSiをその後徐々にクロロシラン、特に含水素クロロシランへと分解し、それによって反応器の再生を可能にする。反応室1中での少なくとも部分的な固体析出物の除去および/または反応室2中での大幅な固形物の形成後、反応体の個々の反応室へのチャージは再び元の設定に戻され、その結果反応室2の再生を開始することができる。一方でOCSの、および他方でSTCの給送の反応室1および2への交互の切替えにより、反応器を連続的で安定して稼働させることが可能になる。
水素の、オルガノクロロシラン合計に対するモル比は、反応室へのチャージの際に、1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲に調整される。水素の、四塩化ケイ素に対するモル比はここでは1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲にあるよう調整される。
本発明による、反応器の別の稼働方法では、追加のHCl、オルガノクロロシランおよび水素が同時に、1つ以上の共通の反応室に給送される。最も単純な場合、反応は例として図2に示されたように唯一の共通反応室中で行われる。
追加のHClが脱ハロゲン化水素化反応によって四塩化ケイ素と水素から生成されると、上述の方法によってOCS、STCおよび水素が特定のモル比で少なくとも1つの共通の反応室に送られる。四塩化ケイ素の、オルガノクロロシラン合計に対するモル比はここでは50:1〜1:1、好ましくは20:1〜2:1の範囲に、四塩化ケイ素の、水素に対するモル比は1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲、およびオルガノクロロシラン合計の、水素に対するモル比は1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲に調整される。OCSの反応の際に析出するSiを同時に同じ反応室中で脱ハロゲン化水素化で形成されるHClによって常に分解することで、長期的に安定した稼働が維持される。
本発明による方法別の反応器接続により、追加のHClが少なくとも1つの第一の反応室に、そしてオルガノクロロシランは任意で水素との混合物として、少なくとも1つの第二の反応室に給送され、少なくとも1つの第一の反応室から出た生成物ガス混合物が少なくとも1つの第二の反応室に追加的に給送され得る。少なくとも1つの第一の反応室への追加のHClの給送はここでは特に、追加のHClが、STCとH2の脱ハロゲン化水素化反応によって少なくとも1つの第一の反応室中に形成されるように行われる。
例えば図3に例として示されたように2つの別々の反応室1および2があり、STCとH2が反応室1に、およびOCSとH2が反応室2に給送されるように、その反応体が反応のために送られ得る。STC、TCS、DCS、H2ならびにHClを含む反応室1からの生成物ガス混合物はOCS/H2フローが反応室2に入る前にこのフローに入れられる。中間段階では、オルガノクロロシランが反応室2中で水素化する際に析出するケイ素は、その後反応室1からのHClを含む生成物ガス流で再び除去され、および反応器の稼働がこのようにして安定的に維持される。
反応に必要な水素は、上述の反応器接続でも、もっぱらSTCと共に、少なくとも1つの第一の反応室を介して反応器に送られ得る。少なくとも1つの第二の反応室には、少なくとも1つの第一の反応室から送られた生成物ガス混合物が案内されるOCSフローが供給される。上述の生成物ガス混合物中に含まれる、少なくとも1つの第一の反応室中で反応されない水素は、少なくとも1つの第二の反応室中でOCSと反応し得る。しかし好ましくは、水素が外部から反応器に、STCと共に少なくとも1つの第一の反応室にも供給され、およびOCSと共に少なくとも1つの第二の反応室にも供給される。このことにより、第一の反応室中でSTCの脱ハロゲン化水素化のために、および第二の反応室中でOCSの水素化のために、有利なモル比を独立して設定することが可能になる。
2の、STCに対するモル比は、少なくとも1つの第一の反応室中での反応のために、1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲に設定される。水素の、OCSの合計に対するモル比は、少なくとも1つの第二の反応室中での反応のために、1:1〜8:1、好ましくは2:1〜6:1の範囲にある。
本発明による方法のすべての変形例は共通して、生成物ガス流が典型的にはさらなる処理または後処理のために給送される。
生成物ガス混合物の後処理は、従来技術で公知の方法で行ってよい。後処理は例えば濃縮、蒸留、抽出、選択的吸着および/または吸収のための工程および/または洗浄工程および/または化学的変換を含み、生成物ガス混合物中に含まれる成分を可能な限り純粋な形に分離する。
さらなる処理は、特にケイ素ベースの結合システム中で行われ得、例えば得られたTCSはシーメンス法により純粋シリコンを得るためにユニットへ、およびHClはクロロシラン工程へ送られ得る。
図1は、本発明による、含水素クロロシランを製造するための反応器の稼働方法を模式的に例として示しており、OCSは一方で水素と混合されて、および他方で追加のHClが、空間的に分離された2つの並列に接続された反応室に給送される。
図2は、本発明による、含水素クロロシランを製造するための反応器の稼働方法を模式的に例として示しており、OCS、水素および追加のHClは共通の反応室に給送される。
図3は、模式的に本発明による、含水素クロロシランを製造するための反応器の稼働方法を例として示しており、OCSは任意で一方でH2と混合されて、ならびに他方で追加のHClがそこから脱ハロゲン化水素化によって形成されるSTCおよびH2の形で、2つの直列に接続された反応室に給送され、OCSは必要に応じてH2と混合されて反応器に、空間的に第一の反応室の後に初めて給送される。
図1に示された反応器の稼働方法は、2つの別々の反応室1、2を含み、それぞれ1つの反応室に第一の導管3を介して追加のHClを、およびそれぞれ別の反応室に第二の導管4を介してOCSをH2と混合して、制御バルブシステム5を使用して挙げられた材料の個々の反応室への供給が切替えられ得るように、給送される。反応室1、2の生成物ガス混合物は集められ、導管6を介してさらなる処理のためにまたは後処理のために給送される。
図2に示された反応器の稼働方法では、ただ1つの反応室7に導管8を介してOCS、H2および追加のHClが給送され、反応室7を出た生成物ガス混合物は、導管6を介してさらなる処理のためにまたは後処理のために給送される。
図3は、2つの別々の反応室9、10を備えた反応器の稼働方法を示しており、第一の反応室9は導管11を介してSTCとH2から成る混合物が給送され、第一の反応室9を出た、追加のHClを含む生成物ガス混合物が、導管12を介してOCSからなる1つの流れに供給され、任意でH2との混合物が、第二の反応室10に別の導管13を介して給送される。第二の反応室10を出た生成物ガス混合物は導管6を介してさらなる処理のためにまたは後処理のために給送される。
以下の、実験室試験の例では、上述の実施形態選択肢の原理上の実行可能性が証明される。これらの例では、本発明による方法が詳しく説明されるが、決して限定されることはないものとする。
OCSは一方で水素と混合され、他方で追加のHClが、空間的に分離された2つの並列に接続された反応室に給送される、含水素クロロシランを製造するための反応器の本発明による稼働方法の一例を示す。 OCS、水素および追加のHClが共通の反応室に給送される、含水素クロロシランを製造するための反応器の本発明による稼働方法の一例を示す。 OCSは任意で一方でH2と混合されて、他方で追加のHClがそこから脱ハロゲン化水素化によって形成されるSTCおよびH2の形で、2つの直列に接続された反応室に給送され、OCSが必要に応じてH2と混合されて反応器に、空間的に第一の反応室の後に初めて給送される、含水素クロロシランを製造するための反応器の本発明による稼働方法の一例を示す。
実施例:
実施例1
反応器の製造
A.触媒ペーストの製造:
混合容器内で54質量%のトルエン、0.3質量%のアエロジルR974、6.0質量%のフェニルエチルポリシロキサン、16.8質量%のアルミニウムピグメントReflaxal、10.7質量%のDEGALAN溶液LP62/03および12.2質量%のケイ化タングステンからなる混合物を十分に混合した。
B.SiC管を触媒ペーストで被膜しおよび触媒を形成する:
上述の組成で炭化ケイ素(SSiC)製のセラミック管を、触媒混合物を管に充填することによって被覆した。栓で閉じた管を振り、混合物を均等に分散し、一晩空気にさらして乾燥させた。使用した管は内径が15mm、および長さが120cmである。この管は電気で加熱可能な管炉に取付けた。まず管炉を900℃まで加熱し、窒素を3bar絶対全圧で反応器チューブ中に通した。2時間後、窒素を水素に替えた。さらに数時間後、水素フロー中3.6bar絶対全圧で、触媒の形成が完了した。
実施例2
MTCSの水素化
実施例1で記述された反応器中で、クロロシランへの、特に含水素クロロシランへのMTCS変換を実施した。MTCSフローは、100.6g/時間であり、ここでH2とMTCSのモル比は4:1に調整した。総圧力は3.7bar絶対全圧であった。以下の炉の温度で、以下のMTCS変換率が観察された。
表1
炉の温度と、MTCSの変換率との関係
Figure 2014516900
実施例3
MTCS変換における生成物組成
水素とのMTCS変換のための生成物ガス混合物の組成は、実施例2において炉が950℃の場合、ガスクロマトグラフ(GC)によって分析した。較正は適切な純粋物質によって行った。以下の生成物組成が、気相に関して特定された。
表2
実施例2による、炉の温度950℃の場合の変換のための、MTCSの変換率および生成物ガス混合物の組成
Figure 2014516900
実施例4
実施例3によるMTCS変換後の固形物−沈澱物
実施例2の後のMTCS変換は、炉の温度950℃で一昼夜に渡り連続して実施した。次に実験室施設を安全な状態にし、冷却し、反応器チューブを取り出した。管の検査の際、一部が金属的に光り、一部が灰黒色の固形の堆積物が目に付き、機械的にかき落として分析した。合計3.5gの固形物が集まった。元素分析により以下の結果が得られた:
表3
MTCS変換によって形成された固形物の元素組成
Figure 2014516900
試料中の炭素含量は考慮されなかった。
実施例5
STCから含水素クロロシランへの脱ハロゲン化水素化
実施例1による反応器中で、STCから含水素クロロシランへの脱ハロゲン化水素化を実施した。その際反応圧力は実施例2と同様であり、炉の温度は950℃であった。STCフローは115g/時間であり、ここでH2とSTCのモル比は4:1に調整した。DCS、TCS、STCおよびHClに関する生成物ガス混合物のガスクロマトグラフィー分析(較正は適切な純粋物質を使用して行った)により以下の結果が得られた:
表4
STC変換のため生成物ガス混合物の組成
Figure 2014516900
実施例6
ケイ素固体析出物の除去による反応器の再生
実験例4により、まずMTCS変換を連続的に一昼夜反応器中で行った。次に、反応器中で析出したSiを再度除去するため、STCを水素と反応させた。反応圧力と炉の温度は実施例5と同じである。STCフローは115g/時間であり、ここでH2とSTCのモル比は4:1に調整した。20時間、生成物ガス中のSTC比率は実施例5の後よりも著しく低くなった。同様にHCl比率も最初の20時間で実施例5の値よりも格段に低くなった。以下の、生成物ガス混合物の組成のGC分析結果はこの状況を明確に示している。
表5
上述のMTCS水素化の後に同じ反応器中でのSTC変換の生成物ガス混合物の組成
Figure 2014516900
効果は時間的に限定されており、t>25時間後に再び既知の値を、生成物ガス組成に関して実施例5に従って算出した。
続く反応器チューブの検査では、固形物の堆積の著しい低減を観察した。機械的に除去可能な固形物の量は0.5gであった。
1 第一反応室
2 第二反応室
3 追加のHCl用導管
4 OCS、H2用導管
5 制御バルブシステム
6 生成物ガス混合物用導管
7 反応室
8 OCS、H2、追加のHCl用導管
9 第一反応室
10 第二反応室
11 STC、H2用導管
12 追加のHClを含む生成物ガス混合物
13 任意でH2との混合での、OCS用導管

Claims (15)

  1. 圧力式反応器中での含水素クロロシランの製造方法であって、該反応器が1つ以上の反応室(1、2、7、9、10)を含み、該反応室(1、2、7、9、10)の少なくとも1つの中で少なくとも1つのオルガノクロロシラン(4、8、13)が水素(4、8、11、13)によって、少なくとも一時的に変換される前記製造方法において、
    場合によって複数ある前記反応室(1、2、7、9、10)の少なくとも1つの中で前記変換が行われ、そこに少なくとも一時的に追加のHCl(3、8、11、12)が供給されることを特徴とする、前記製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により含水素クロロシランを製造する際に、ケイ素ベースの固体析出物を低減するための方法において、
    ケイ素ベースの固体析出物の低減を前記圧力式反応器の稼働中に行うことを特徴とする、前記方法。
  3. 前記1つ以上の反応室(1、2、7、9、10)がそれぞれ1つの、気密性のセラミック材料、好ましくはSiC、Si34またはその混合系(SiCN)から選択された材料からなる反応器チューブから成り、任意で少なくとも1つの反応器チューブが、同じ材料からなる充填物で充填されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記追加のHCl(3、8、11、12)が純粋な形でまたはHCl含有混合ガスとして給送されるか、または追加のHCl(3、8、11、12)がオルガノクロロシランの水素化とは異なる化学反応によって反応器中で生成されるように、追加のHCl(3、8、11、12)の供給が行われることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記追加のHCl(3、8、11、12)を発生させる化学反応が水素による四塩化ケイ素の脱ハロゲン化水素化であり、該化学反応が場合によって複数ある、前記反応器の前記反応室(1、2、7、9、10)の少なくとも1つの中で行われることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのオルガノクロロシラン(4、8、13)がオルガノクロロシランを含有する原料ガスとして、および/または前記水素(4、8、11、13)が含水素原料ガスとして、および/または前記追加のHCl(3、8、11、12)が、圧力のかかった状態の流れとして1つ以上の、前記反応器の前記反応室(1、2、7、9、10)中に送られ、そこで熱を供給されることで反応して、含水素クロロシランを含有する少なくとも1つの生成物ガス混合物(6)を形成し、かつ前記生成物ガス混合物(6)は、圧力のかかった状態の流れとして前記反応器から取り出されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの、任意でそれぞれの反応室(1、2)で交互に、
    a)前記追加のHCl(3)、および
    b)前記水素(4)と混合されたオルガノクロロシラン
    が給送されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 一方で前記追加のHCl(3)が、および他方で前記オルガノクロロシランが前記水素(4)との混合物で同時に別々の反応室(1、2)に給送されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの反応室(1、2)へと、一方で追加のHCl(3)の供給、及び他方で前記水素(4)と混合されたオルガノクロロシランの供給が切替えられるタイミングは、少なくとも1つの反応室(1、2)で測定された圧力および/または物質収支の変化に応じて算出されることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記追加のHCl、前記オルガノクロロシランおよび前記水素(8)が同時に1つ以上の共通の反応室(7)に供給されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記追加のHClが脱ハロゲン化水素化反応によって四塩化ケイ素および水素から生成され、および四塩化ケイ素の、オルガノクロロシラン合計に対するモル比を50:1〜1:1の範囲に、四塩化ケイ素の、水素に対するモル比を1:1〜8:1の範囲に、およびオルガノクロロシラン合計の、水素に対するモル比を1:1〜8:1の範囲に調整することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記追加のHCl(11)が少なくとも1つの第一の反応室(9)に、そして前記オルガノクロロシラン(13)が、任意で前記水素との混合物で、少なくとも1つの第二の反応室(10)に給送される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記少なくとも1つの第一の反応室(9)を出た生成物ガス混合物(12)が、前記少なくとも1つの第二の反応室(10)に追加的に給送されることを特徴とする、前記方法。
  13. 前記オルガノクロロシラン(4、8、13)が、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、エチルトリクロロシランおよびそれらの混合物を含む群から選択され、前記オルガノクロロシラン(4、8、13)が好ましくはメチルトリクロロシランであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記反応器中の変換が1〜10barの圧力下で、および/または700〜1000℃の温度範囲内で、および/または滞留時間が0.1〜10秒のガス流において実施されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記生成物ガス流(6)がさらなる処理または後処理のために給送されることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
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