JP2014513783A - 絶縁材料を有する回転ベアリング - Google Patents

Abstract

絶縁材料を有する回転ベアリングを開示する。回転ベアリングは、内側リング（１）と、外側リング（２）と、内側および外側リング（１，２）の間における回転要素（３）の少なくとも１つの列と、リングの少なくとも一方のリング（２）を包囲する環状ハウジング（５）と、を備える。外側リング（２）は、２つの別個の部分（２ａ，２ｂ）を備え、外側リング（２）の２つの部分（２ａ，ｂ）はそれぞれ、ハウジング（５）とともに、１つの閉空間（３９ａ，３９ｂ，５５ａ，５５ｂ）を規定する。ハウジング（５）または外側リング（２）を形成する少なくとも１つの部分が、緩衝材料から形成される内側層（１０ａ，１０ｂ，６０）と、当該内側層（１０ａ，１０ｂ，６０）を包囲する金属材料から形成される２つの外側層（１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂ，６１，６２）と、を備えるサンドイッチ構造を有する。

Description

本発明は、回転ベアリングに関し、特に内側リングと、外側リングとを有し、これら２つのリングに設けられた軌道間において回転要素の１つ以上の列がケージによって保持される、回転ベアリングに関するものである。この回転要素は例えばボールであってもよい。回転ベアリングは、例えば工業用電気モータまたは自動車用ギアボックスで使用されるものであってもよい。そうした用途においては通常、回転軸と各ベアリングとの間において、回転軸の両端間に軸電圧が発生する。この軸電圧は、例えば軸に発生する磁気不平衡、静電蓄積、誘導電気などのさまざまな原因によって発生する。こうした軸電圧の過剰発生により、低周波電流が、各ベアリングを流れ、ベアリングを介してモータフレームへ流れ、そして反対側のベアリングを介してロータへ還流し、その結果、ベアリングの消耗、回転軸の破損、および潤滑油の黒化が、場合によってはベアリングの破損が引き起こされる。

したがって本発明の目的の１つは上記欠点を解消することである。

本発明のさらなる目的は、単純なデザインの、つまり組み立てが容易であり、かつ経済的であり、電気的に絶縁された、回転ベアリングを提供することである。

本発明の目的はまた、良好なノイズ抑制特性を有する回転ベアリングを提供することである。

一実施形態において、回転ベアリングは、内側リングと、外側リングと、内側および外側リングの間における回転要素の少なくとも１つの列と、これらリングの少なくとも一方を包囲する少なくとも１つの部分を備える環状ハウジングと、を備えており、外側リングは２つの別個の部分を備える。外側リングの前記２つの部分はそれぞれ、ハウジングとともに１つの閉空間を規定する。

ハウジングまたは外側リングを形成する少なくとも１つの部分が、緩衝材料(damping material)から形成される内側層と、内側層を包囲する金属材料から形成される２つの外側層と、を備えるサンドイッチ構造を有する。

サンドイッチ構造の使用は、ベアリングの作動中に生じるノイズを大幅に抑えることを目的とする。

第１の実施形態において、外側リングのみがサンドイッチ構造を有し、かつハウジングは、金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造される。

第２の実施形態において、ハウジングのみが、サンドイッチ構造を有し、かつ外側リングは、金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造される。

他の実施形態において、ハウジングおよび外側リングの両方が、サンドイッチ構造を有する。

有利なことに緩衝材料は、電気絶縁特性を有し、例えばゴム材料または熱可塑性エラストマー材料などの弾性材料である。

ハウジングは、外側リングの上記部分を保持するための２つの別個の部分と、これら別個の部分をともに固定するための固定手段と、を備えることができる。ハウジングの第１の部分は、外側リングを半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分を備え、かつハウジングの第２の部分は、内側軸方向円筒部分を包囲する外側軸方向円筒部分を備える。

ハウジングの第１の部分は、半径方向フランジを備えることができ、この半径方向フランジは、内側軸方向円筒部分から内側リングへ向けて半径方向に延在し、かつ外側リングの上記部分の一方とともに第１の閉空間を規定する。

ハウジングの第２の部分は、半径方向フランジを備えることができ、この半径方向フランジは、外側軸方向円筒部分から内側リングへ向けて半径方向に延在し、かつ外側リングの上記部分の一方とともに第２の閉空間を規定する。

例えば、閉空間の両方が、潤滑油を収容し、かつ潤滑油貯留部として機能する。

有利なことに、外側リングの別個の部分のそれぞれは、閉空間に収容される潤滑油のための流路手段を備える。

固定手段は、溶着部、ろう接部、または接着部を備えることができる。

本発明は、全体的に非限定的な例示として考えられかつ添付の図面に示されたいくつかの実施形態についての詳細な説明を読むことでより良く理解されるだろう。

第１の実施形態における、本発明に基づく回転ベアリングの軸方向半断面図である。 第２の実施形態における軸方向半断面図である。 第３の実施形態における軸方向半断面図である。 第４の実施形態における軸方向半断面図である。 第５の実施形態における軸方向半断面図である。 第６の実施形態における軸方向半断面図である。

まず図１を参照すると、本発明に基づく回転ベアリングの一実施形態が図示される；このベアリングは、内側リング１と、外側リング２と、内側リング１と外側リング２との間においてケージ４によって保持された、図示された例ではボールから構成される、回転要素３の列と、外側リング２を包囲する環状ハウジング５と、を備える。

内側リング１は中実であり、かつその外側円筒面１ａ上に環状（トロイダル形状の）溝６を有する。溝の曲率半径は回転要素３の半径よりもわずかに大きく、かつ溝は回転要素３のためのベアリング球溝を形成する。回転要素３は、例えばセラミック材料から形成できる。内側リング１は、スチールブランクの機械加工またはプレス加工によって製造されてもよく、続いてリング１は、リング１にその形状的特性を付与しかつその最終表面仕上げを施すために、ベアリング球溝６において研削され、付加的にはラップ加工される。

ケージ４は、回転要素３を収容するようにかつ回転要素３を円周方向に均一に離間して保持するように構成された複数のキャビティ７を備える。キャビティ７は有利なことに、回転要素３よりもわずかに大きな直径を有する球形状のものである。キャビティ７は、ケージ４の半径方向の厚さ部分に設けられている。このケージ４は、半径方向において外側リング２に面する半径方向部分８を有し、かつ円錐形部分９によって半径方向内側に延在する。この円錐形部分９は、半径方向において内側リング１に面して配置され、かつ回転要素３へ向けて軸方向に延在する。半径方向部分８および円錐形部分９はキャビティ７を規定する。円錐形部分９は、回転要素３のためのガイド部分を形成する。

この実施形態において、外側リング２は、２つの別個の部分２ａ，２ｂまたはハーフリングを備える。外側リング２の２つの部分２ａ，２ｂは、製造コストを減らすために、同一でありかつベアリングの半径方向対称面に対して対称的である。この例では２つのハーフリング２ａ，２ｂは同一であるため、ここでは、これらハーフリング２ａ，２ｂのうち参照符号「ａ」を有するハーフリング２ａのみについて説明する。図面において他方のハーフリング２ｂの同一要素には参照符号「ｂ」が付与されることを理解されたい。

外側リング２のハーフリング２ａはサンドイッチ構造を有しており、この構造は、良好な絶縁特性を有する緩衝材料からなる内側層１０ａと、内側層１０ａを包囲する２つの外側層１１ａ，１２ａと、を備える。使用される緩衝材料として、ゴム材料または熱可塑性エラストマーなどの弾性材料が挙げられる。外側層１１ａ，１２ａは硬い金属材料からなる。外側リング２のハーフリング２ａを形成する３つの層１０ａ，１１ａ，１２ａはそれぞれ、外側軸方向部分１３ａ，１４ａ，１５ａと、半径方向部分１６ａ，１７ａ，１８ａと、環状（トロイダル形状の）部分１９ａ，２０ａ，２１ａと、内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａとを備える。半径方向部分１６ａ，１７ａ，１８ａは、外側軸方向部分１３ａ，１４ａ，１５ａと環状部分１９ａ，２０ａ，２１ａとに接続されている。第１の外側層１１ａの環状部分２０ａは、回転要素３のための軌道２５ａの一部を規定する。軌道２５ａの曲率半径は、回転要素３の半径よりわずかに大きい。環状部分１９ａ，２０ａ，２１ａは、内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａとともに回転ベアリングの外側へ向かって軸方向に延在する。２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂには、外側層１２ａ，１２ｂの半径方向部分１８ａ，１８ｂの半径方向内側面２６ａ，２６ｂが設けられる。半径方向内側面２６ａ，２６ｂは、実質的に回転要素３の半径方向対称面において、互いに対して軸方向に接触している。

有利なことに打ち抜き加工された金属シートから形成され得るハウジング５は、２つの別個の環状部分２７，２８を備える。環状部分２７，２８は、２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂを軸方向においてしっかりと結合するように、外側ハーフリング２ａ，２ｂを包囲する。ハウジング５の部分２７，２８は有利なことに、切断加工およびプレス加工によって単一の金属シートから経済的な方法で製造されてもよい。別個の部分２７，２８はそれぞれＬ字形状構造を有する。代替的にハウジング５は、硬質なポリマー材料から形成できる。

第１の部分２７は、外側リング２ａ，２ｂを半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分２９を備える。内側軸方向円筒部分２９は、外側リング２ａ，２ｂを包囲し、かつ外側リング２ａ，２ｂの第２の外側層１２ａ，１２ｂの外側軸方向部分１５ａ，１５ｂと接触する。第１の部分２７はさらに半径方向フランジ３０を備えており、当該半径方向フランジ３０は、半径方向フランジ３０の内側縁部３０ａと内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスが残るように、内側軸方向円筒部分２９から内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

ハウジング５の第２の部分２８は、第１の部分２７の内側軸方向円筒部分２９を包囲する外側軸方向円筒部分３１を備える。第２の部分２８はさらに半径方向フランジ３２を備えており、当該半径方向フランジ３２は、半径方向フランジ３２の内側縁部３２ａと内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスが残るように、外側円筒部分３１から内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

ハーフリング２ａ，２ｂは、第２の外側層１２ａ，１２ｂの外側軸方向部分１５ａ，１５ｂと内側軸方向部分２９の内径部との間の接触によって、ハウジング５の第１の部分２７の内側軸方向部分２９の中心に配置される。外側軸方向部分１３ａ，１４ａの外側縁部のそれぞれを形成する外側半径方向面３３ａ，３４ａは、ハウジング５の部分２７の半径方向フランジ３０と接触しており、かつ外側軸方向部分１０ｂ，１１ｂの外側縁部のそれぞれを形成する外側半径方向面３３ｂ，３４ｂは、ハウジング５の部分２８の半径方向フランジ３２と接触しており、これにより２つのハーフリング２ａ，２ｂがともに軸方向においてクランプされる。また、内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａの外側縁部のそれぞれを形成する外側半径方向面３６ａ，３７ａ，３８ａも、半径方向フランジ３０と接触し、かつ内側軸方向部分２２ｂ，２３ｂ，２４ｂの外側縁部のそれぞれを形成する外側半径方向面３６ｂ，３７ｂ，３８ｂも、半径方向フランジ３２と接触している。

代替例では、軸方向クリアランス（図示せず）が、内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａの外側縁部３６ａ，３７ａ，３８ａと、ハウジング５の半径方向フランジ３０との間に設けられてもよい。

代替例では、軸方向クリアランス（図示せず）が、内側軸方向部分２２ｂ，２３ｂ，２４ｂの外側縁部３６ｂ，３７ｂ，３８ｂと、ハウジング５の半径方向フランジ３２との間に設けられてもよい。

ハーフリング２ａ，２ｂのそれぞれは、ハウジング５とともに環状の閉空間３９ａ，３９ｂを規定する。より詳細には、閉空間３９ａは、第１の外側層１１ａのうちの外側軸方向部分１４ａと半径方向部分１７ａと環状部分２０ａと内側軸方向部分２３ａと、ハウジング５の第１の部分２７のうちのこれら部分に隣接する半径方向フランジ３０と、によって境界を定められている。空間３９ａ，３９ｂの一方または両方が、潤滑油貯留部として機能してもよい。これら空間３９ａ，３９ｂ内に収容される潤滑油は図面には図示されない。使用される潤滑油はグリースまたはオイルであってもよい。潤滑油は、ハーフリング２ａと内側リング１との間に第１の潤滑油貯留部を構成する空間３９ａに充填可能である。潤滑油はまた、第２の空間３９ｂ内に、かつ内側リング１とこれら外側リング２との間に保持される容積内に充填される。

外側リング２の部分２ａ，２ｂのそれぞれは、閉空間３９ａ，３９ｂ内に収容される潤滑油のための流路手段（図示せず）を備える。これら流路手段にはいくつかのタイプのものがある。まずこれら流路手段は、それぞれ、外側ハーフリング２ａ，２ｂの内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａおよび２２ｂ，２３ｂ，２４ｂの厚さ部分に設けられた複数の半径方向貫通孔を備えることができる。こうした孔の構成は、閉空間３９ａ，３９ｂ内に収容された潤滑油が、重力によって回転要素３へ向けて直接流動できるようにする。さらに複数の軸方向貫通孔を、２つの閉空間３９ａ，３９ｂを連通させるために複数の軸方向貫通孔が少なくとも部分的に互いに面するようにして、半径方向部分１６ａ，１７ａ，１８ａの厚さ部分に設けることができる。代替例では、対応する半径方向部分１８ａ，１８ｂの内側半径方向面２６ａ，２６ｂのそれぞれに、半径方向流路またはダクトを形成する半径方向溝（図示せず）を設けることができる。これにより、半径方向ダクトの外側端部は、対応する軸方向貫通孔と連通し、かつその内側端部は、環状の球溝２５ａ，２５ｂと連通して、潤滑油がボール３へ向けて直接案内される。この例においては、半径方向ダクトと組み合わせられる軸方向貫通孔を互いに面するように容易に配置できないことを理解されたい。

外側軸方向円筒部分３１は、溶着、ろう接または接着剤によって内側軸方向円筒部分２９に固定される。

この実施形態において、第２の外側層１２ａ，１２ｂの半径方向部分１８ａ，１８ｂの内側半径方向面２６ａ，２６ｂは互いに接触している。半径方向部分１８ａ，１８ｂ間のこうした接触は、内部予荷重を伴う回転ベアリングを達成可能にする。当然のことながら、代替例では、第２の外側層１２ａ，１２ｂの半径方向部分１８ａ，１８ｂ間に軸方向クリアランスを設けることができる。これにより、回転ベアリングは内部予荷重を伴わずに作動可能となる。

図２において同様の要素には同一の参照符号が付与されており、図２の実施形態において、２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂは、有利なことに金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造されてもよく、得られた構成要素は、続いて加熱処理によって硬化させられる。回転要素３のために意図された軌道は、軌道にその最終的な形状的特性を付与しかつその表面仕上げを施すために研削されかつ／またはラップ加工されてもよい。この例では２つのハーフリング２ａ，２ｂは同一であるため、ここでは、これらハーフリング２ａ，２ｂのうち参照符号「ａ」を有するハーフリング２ａについて説明する。図面において他方のハーフリング２ｂの同一要素には参照符号「ｂ」が付与されることを理解されたい。

外側リング２のハーフリング２ａは、外側軸方向部分４０ａと、半径方向部分４１ａと、環状（トロイダル形状）部分４２ａと、内側軸方向部分４３ａと、を備える。半径方向部分４１ａは、外側軸方向部分４０ａと環状部分４２ａとに接続されている。環状部分４２ａは、回転要素３のための軌道２５ａの一部を規定する。軌道２５ａの曲率半径は、回転要素３の半径よりわずかに大きい。環状部分４２ａはまた、内側軸方向部分４３ａに接続されている。２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂは、半径方向部分４１ａ，４１ｂの半径方向面４４ａ，４４ｂが軸方向において、実質的には回転要素３の半径方向対称面において互いに接触するように、配置されている。

ハウジング５は、２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂを軸方向にしっかりと連結するために２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂを封入する２つの別個の環状部分４５，４６を備える。ハウジング５の各部分４５，４６は、緩衝材料から形成される内側層４７，４８と、内側層４７，４８を包囲する２つの外側層４９，５０，５１，５２と、を有するサンドイッチ構造を有する。別個の部分４５，４６はそれぞれＬ字形状構造を有する。

第１の部分４５の３つの層４７，４９，５１はそれぞれ、外側リング２ａ，２ｂを半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分４７ａ，４９ａ，５１ａを備える。第１の外側層４９の内側軸方向円筒部分４９ａは、外側リング２ａ，２ｂを包囲し、かつ外側リング２ａ，２ｂの外側軸方向部分４０ａ，４０ｂの外側軸方向部分と接触する。第１の部分４５の３つの層４７，４９，５１はさらに半径方向フランジ４７ｂ，４９ｂ，５１ｂを備える。この半径方向フランジ４７ｂ，４９ｂ，５１ｂは、半径方向フランジ４７ｂ，４９ｂ，５１ｂの内側縁部と内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスを残すように、内側円筒部分４７ａ，４９ａ，５１ａのから内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

ハウジング５の第２の部分４６の３つの層４８，５０，５２はそれぞれ、第１の部分４５の内側軸方向円筒部分４７ａ，４９ａ，５１ａを包囲する外側軸方向円筒部分４８ａ，５０ａ，５２ａを備える。第２の部分４６の３つの層４８，５０，５２はさらに半径方向フランジ４８ｂ，５０ｂ，５２ｂを備える。当該半径方向フランジ４８ｂ，５０ｂ，５２ｂは、半径方向フランジ４８ｂ，５０ｂ，５２ｂの内側縁部と内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスを残すように、外側円筒部分４８ｂ，５０ｂ，５２ｂから内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

ハーフリング２ａ，２ｂは、外側軸方向部分４０ａ，４０ｂの外側軸方向部分と内側軸方向円筒部分４９ａの内径部分との間の接触によって、ハウジング５の第１の部分４５の第１の外側層４９の軸方向内側部分４９ａの中心に配置される。外側軸方向部分４０ａ，４０ｂの外側縁部をそれぞれ形成する外側半径方向面５３ａ，５３ｂはそれぞれ、ハウジング５の部分４５，４６の第１の外側層４９，５０の半径方向フランジ４９ｂ，５０ｂと接触する。それにより２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂは軸方向においてともにクランプされる。また、内側軸方向部分４３ａ，４３ｂの外側縁部をそれぞれ形成する外側半径方向面５４ａ，５４ｂは、半径方向フランジ４９ｂ，５０ｂと接触する。

代替例では、軸方向クリアランス（図示せず）が、内側軸方向部分４３ａ，４３ｂの外側縁部５４ａ，５４ｂと、ハウジング５の半径方向フランジ４９ｂ，５０ｂのそれぞれとの間に設けられてもよい。

ハーフリング２ａ，２ｂのそれぞれは、ハウジング５とともに環状の閉空間５５ａ，５５ｂを規定する。より詳細には、閉空間５５ａは、外側軸方向部分４０ａと、半径方向部分４１ａと、環状部分４２ａと、内側軸方向部分４３ａと、ハウジング５の第１の部分４５の第１の外側層４９のうちのこれら部分に隣接する半径方向フランジ４９ｂと、によって境界を定められている。使用される潤滑油はグリースまたはオイルであってもよい。空間５５ａ，５５ｂの一方または両方が、潤滑油貯留部として機能してもよい。これら空間５５ａ，５５ｂ内に収容される潤滑油は図面では図示されない。使用される潤滑油はグリースまたはオイルであってもよい。潤滑油は、ハーフリング２ａと内側リング１との間に第１の潤滑油貯留部を構成する空間５５ａに充填可能である。潤滑油はまた、第２の空間５５ｂ内に、かつ内側リング１と外側リング２との間に存在する容積内に充填可能である。上述のような流路手段を外側リング２に設けることができる。

第２の部分４６の第１の外側層５０の外側軸方向円筒部分５０ａは、溶着、ろう接または接着剤によって、第１の部分４５の第２の外側層５１の内側軸方向円筒部分５１ａに固定される。

図１および図２の実施形態のそれぞれに関して述べた特定な特徴および特性は、大きな変更を伴わずに、図３に示される１つの実施形態においてともに適用できる。言い換えると、ハウジング５および外側リング２の両方を有し、それらが図１および図２に示されるように緩衝材料から形成される内側層と当該内側層を包囲する２つの外側層とを備えるサンドイッチ構造を有することは可能であろう。

図４に示される実施形態において、図４において同様の要素には図１のものと同一の参照符号が付与されている。図４のベアリングは、ハウジング５が、Ｕ字形状を形成する１つの部分だけを備える点においてのみ図１のベアリングと異なっている。有利なことに打ち抜き加工された金属シートから形成されるハウジング５は、１つの環状部分のみを備える。この環状部分は、２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂを軸方向においてしっかりと結合するように、外側ハーフリング２ａ，２ｂを包囲する。ハウジング５は有利なことに、切断加工およびプレス加工によって単一の金属シートから経済的な方法で製造されてもよい。ハウジング５は、外側リング２ａ，２ｂを半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分５６を備える。内側軸方向円筒部分５６は、外側リング２ａ，２ｂを包囲し、かつ外側リング２ａ，２ｂの外側層１２ａ，１２ｂの外側軸方向部分１５ａ，１５ｂと接触する。ハウジング５はさらに、２つの半径方向フランジ５７，５８を備えており、当該半径方向フランジ５７，５８は、対応する半径方向フランジ５７，５８の内側縁部５７ａ，５８ａと内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスが残るように、内側円筒部分５６から内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

ハーフリング２ａ，２ｂは、第２の外側層１２ａ，１２ｂの外側軸方向部分１５ａ，１５ｂと軸方向内側部分５６の内径部との間の接触によって、ハウジング５の内側軸方向部分５６の中心に配置される。外側軸方向部分１３ａ，１４ａの外側縁部を形成する外側半径方向面３３ａ，３４ａは、ハウジング５の半径方向フランジ５７と接触しており、外側軸方向部分１３ｂ，１４ｂの外側縁部を形成する外側半径方向面３３ｂ，３４ｂは、ハウジング５の半径方向フランジ５８と接触しており、これにより２つのハーフリング２ａ，２ｂはともに軸方向においてクランプされる。また内側軸方向部分２２ａ，２３ａ，２４ａの外側縁部を形成する外側半径方向面３６ａ，３７ａ，３８ａは、対応する半径方向フランジ５７と接触する。また内側軸方向部分２２ｂ，２３ｂ，２４ｂの外側縁部を形成する外側半径方向面３６ｂ，３７ｂ，３８ｂは、対応する半径方向フランジ５８と接触する。

図５に示される実施形態において、図５において同様の要素には図２のものと同一の参照符号が付与されている。図５のベアリングは、ハウジング５が、Ｕ字形状を形成する１つの部分だけを備える点においてのみ図２のベアリングと異なっている。２つの外側ハーフリング２ａ，２ｂは有利なことに、金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造されてもよく、得られた構成要素は続いて加熱処理によって硬化される。ハウジング５は、緩衝材料から形成される内側層６０と、内側層６０を包囲する２つの外側層６１，６２とを有するサンドイッチ構造を有する。

ハウジング５の３つの層６０，６１，６２はそれぞれ、外側リング２ａ，２ｂを半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分６０ａ，６１ａ，６２ａを備える。第１の外側層６１の内側軸方向円筒部分６１ａは、外側リング２ａ，２ｂを包囲し、かつ外側リング２ａ，２ｂの外側軸方向部分４０ａ，４０ｂと接触する。ハウジング５の３つの層６０，６１，６２はさらに、半径方向フランジ６０ｂ，６０ｃ，６１ｂ，６１ｃ，６２ｂ，６２ｃを備える。半径方向フランジ６０ｂ，６０ｃ，６１ｂ，６１ｃ，６２ｂ，６２ｃは、これらフランジの内側縁部と内側リング１の円筒面１ａとの間にクリアランスを残すように、内側軸方向円筒部分６０ａ，６１ａ，６２ａから内側リング１の外側円筒面１ａのすぐ近くへ向けて半径方向に延在する。

図４および図５の実施形態のそれぞれに関して述べた特定な特徴および特性は、大きな変更を伴わずに、図６に示されるように１つの実施形態においてともに適用可能である。言い換えると、Ｕ字形状を有するハウジング５と外側リング２との両方を有し、それらが図４および図５に示されるように緩衝材料から形成される内側層と内側層と包囲する外側層とを備えるサンドイッチ構造を有することは可能であろう。

さらに、本発明は単列ボールベアリングを用いて図示されているが、本発明は、大きな変更を伴わずに、ボールではなくかつ／または回転要素の列を複数有する回転要素を使用するベアリングに適用できることを理解されたい。

サンドイッチ構造により、本発明に基づく回転ベアリングは、電気的に絶縁されかつベアリングによって引き起こされるノイズが抑えられる。

１ 内側リング
１ａ 円筒面
２ 外側リング
２ａ，２ｂ 外側ハーフリング
３ 回転要素
４ ケージ
５ ハウジング
６ ベアリング球溝
７ キャビティ
８ 半径方向部分
９ 円錐形部分
１０ａ，１０ｂ 内側層
１１ａ，１１ｂ 第１の外側層
１２ａ，１２ｂ 第２の外側層
１３ａ，１３ｂ，１４ａ，１４ｂ，１５ａ，１５ｂ 外側軸方向部分
１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ 半径方向部分
１９ａ，２０ａ，２１ａ 環状部分
２２ａ，２２ｂ，２３ａ，２３ｂ，２４ａ，２４ｂ 内側軸方向部分
２５ａ 軌道
２５ｂ 環状の球溝
２６ａ，２６ｂ 半径方向内側面
２７，２８ 環状部分
２９ 内側軸方向部分
３０，３２ 半径方向フランジ
３０ａ，３２ａ 内側縁部
３１ 外側円筒部分
３９ａ，３９ｂ，５５ａ，５５ｂ 閉空間

Claims (12)

1. 内側リング（１）と、外側リング（２）と、前記内側および外側リング（１，２）の間における回転要素（３）の少なくとも１つの列と、前記リングの少なくとも一方のリング（２）を包囲する少なくとも１つの部分を備える環状ハウジング（５）と、を具備してなる回転ベアリングであって、
   前記外側リング（２）は、２つの別個の部分（２ａ，２ｂ）を具備してなり、前記外側リング（２）の前記２つの部分（２ａ，ｂ）はそれぞれ、前記ハウジング（５）とともに、１つの閉空間（３９ａ，３９ｂ，５５ａ，５５ｂ）を規定し、
   前記ハウジング（５）または前記外側リング（２）を形成する少なくとも１つの部分が、緩衝材料から形成される内側層（１０ａ，１０ｂ，６０）と、前記内側層（１０ａ，１０ｂ，６０）を包囲する金属材料から形成される２つの外側層（１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂ，６１，６２）と、を備えるサンドイッチ構造を有することを特徴とする回転ベアリング。
2. 前記外側リング（２）のみが、前記サンドイッチ構造を有し、かつ前記ハウジング（５）は、金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造されていることを特徴とする請求項１に記載の回転ベアリング。
3. 前記ハウジング（５）のみが、前記サンドイッチ構造を有し、かつ前記外側リング（２）は、金属シートの切断加工およびプレス加工によって製造されていることを特徴とする請求項１に記載の回転ベアリング。
4. 前記ハウジング（５）および前記外側リング（２）の両方が、前記サンドイッチ構造を有することを特徴とする請求項１に記載の回転ベアリング。
5. 前記緩衝材料は、電気絶縁特性を有することを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の回転ベアリング。
6. 前記緩衝材料は、ゴム材料または熱可塑性エラストマー材料などの弾性材料であることを特徴とする請求項１から請求項５のいずれか一項に記載の回転ベアリング。
7. 前記ハウジング（５）は、前記外側リング（２）の前記部分（２ａ，２ｂ）を保持するための２つの別個の部分（２７，２８，４５，４６）と、前記別個の部分（２７，２８，４５，４６）をともに固定するための固定手段と、を具備してなり、
   前記ハウジング（５）の前記第１の部分（２７，４５）は、前記外側リング（２）を半径方向に保持するための内側軸方向円筒部分（２９，４７ａ，４９ａ，５１ａ）を具備してなり、かつ前記ハウジング（５）の前記第２の部分（２８，４６）は、前記内側軸方向円筒部分（２９，４７ａ，４９ａ，５１ａ）を包囲する外側軸方向円筒部分（３１，４８ａ，５０ａ，５２ａ）を具備してなることを特徴とする請求項１から請求項６のいずれか一項に記載の回転ベアリング。
8. 前記ハウジング（５）の前記第１の部分（２７，４５）は、半径方向フランジ（３０，４７ｂ，４９ｂ，５１ｂ）を具備してなり、前記半径方向フランジ（３０，４７ｂ，４９ｂ，５１ｂ）は、前記内側軸方向円筒部分（２９，４７ａ，４９ａ，５１ａ）から前記内側リング（１）へ向けて半径方向に延在し、かつ前記外側リング（２）の前記部分の一方の部分（２ａ）とともに第１の閉空間（３９ａ，５５ａ）を規定することを特徴とする請求項７に記載の回転ベアリング。
9. 前記ハウジング（５）の前記第２の部分（２８，４６）は、半径方向フランジ（３２，４８ｂ，５０ｂ，５２ｂ）を具備してなり、前記半径方向フランジ（３２，４８ｂ，５０ｂ，５２ｂ）は、前記外側軸方向円筒部分（３１，４８ａ，５０ａ，５２ａ）から前記内側リング（１）へ向けて半径方向に延在し、かつ前記外側リング（２）の前記部分の一方の部分（２ｂ）とともに第２の閉空間（３９ｂ，５５ｂ）を規定することを特徴とする請求項７または請求項８に記載の回転ベアリング。
10. 前記閉空間（３９ａ，３９ｂ，５５ａ，５５ｂ）の両方が、潤滑油を収容し、かつ潤滑油貯留部として機能することを特徴とする請求項７から請求項９のいずれか一項に記載の回転ベアリング。
11. 前記外側リング（２）の前記別個の部分（２ａ，２ｂ）のそれぞれが、前記閉空間（３９ａ，３９ｂ，５５ａ，５５ｂ）に収容される潤滑油のための流路手段を具備してなることを特徴とする請求項１０に記載の回転ベアリング。
12. 前記固定手段は、溶着部またはろう接部または接着部を具備してなることを特徴とする請求項７から請求項１１のいずれか一項に記載の回転ベアリング。

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