JP5998857B2 - 転がり軸受 - Google Patents
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Description
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、低粘度の潤滑剤を用いても軸受内部に熱がこもるのを抑制することができる転がり軸受を提供することを目的とする。
また、シールド板を放熱板として兼用しているため、軸受全体の構成を簡略化することができる。さらに、シールド板と保持器との間に、吸熱板、熱電変換素子及び発電部が収容されているため、軸受全体をコンパクトにすることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る転がり軸受用を示す断面図である。図1において、転がり軸受1は、深溝玉軸受からなり、外輪(固定輪)2と、内輪(回転輪)3と、複数の玉(転動体)4と、玉4を保持する環状の保持器5と、外輪2と内輪3との間の環状空間を密封する一対のシールド板6とを備えている。前記環状空間には、グリース(潤滑剤)が封入されている。
内輪3は外輪2と同心状に配置されており、内輪3の外周には前記外軌道面2aに対向する内軌道面3aが形成されている。内輪3の軸方向両端部には内軌道面3aよりも軸方向外方に位置する肩部3bがそれぞれ形成されている。各肩部3bの内周には、径方向外側に窪む周溝3cが前記外輪2の周溝2cに対向して形成されている。外輪2及び内輪3は、軸受鋼や浸炭鋼等の軸受用鋼によって形成されている。
前記各シールド板6は、例えば鉄により円環状に形成されており、軸受外部に放熱可能な金属製の放熱板とされている。シールド板6の径方向外端は、例えばゴム等の絶縁体7を介して外輪2の周溝2cに固定されており、外輪2とシールド板6とは絶縁されている。また、シールド板6の径方向内端は、内輪3の周溝3cとの間にラビリンス隙間を設けて近接配置されている。
第2吸熱板9は、シールド板6と異なる種類の金属である、例えば銅により円環状に形成されており(図3参照)、第2吸熱板9の外側面は、シールド板6の内側面の径方向外端部と非接触状態で対向して配置されている。第2吸熱板9の径方向外端は、外輪2の周溝2cに接触しており、第2吸熱板9と外輪2とは電気的に接続されている。
本実施形態では、図2の矢印a及びbで示す所定の方向、すなわち、第1吸熱板8、p型熱電変換素子10a、シールド板6、n型熱電変換素子10b、第2吸熱板9及び外輪2の順に電流を流すことにより、第1及び第2吸熱板8,9で吸熱作用を起こし、シールド板6で放熱作用を起こすことができる。これにより、第1及び第2吸熱板8,9が軸受内部で発生した熱を吸熱し、p型及びn型熱電変換素子10a,10bを介してシールド板6から軸受外部に放熱することができる。
コイル12は、図3の側面視において、シールド板6を円周方向に2等分するように略半円弧環状に巻回形成されている。各コイル12の一部である径方向内側部12aは、図2に示すように、第1吸熱板8の内側面に沿って固定されている。また、各コイル12の他部である径方向外側部12bは絶縁板14の内側面に沿って固定されている。絶縁板14は、例えばゴム等により円環状に形成されており、n型熱電変換素子10bの内側面に沿って固定されている。これにより、コイル12は、第1吸熱板8を介してp型熱電変換素子10aと電気的に接続されており、絶縁板14によってn型熱電変換素子10bと絶縁されている。
また、シールド板6を放熱板として兼用しているため、軸受全体の構成を簡略化することができる。さらに、シールド板6と保持器5との間に、第1及び第2吸熱板8,9、熱電変換素子10及び発電部11が収容されているため、軸受全体をコンパクトにすることができる。
シールド板6は、その径方向内端が絶縁体7を介して内輪3の周溝3cに固定されており、内輪3とシールド板6とは絶縁されている。また、シールド板6の径方向外端は、外輪2の周溝2cとの間にラビリンス隙間を設けて近接配置されている。
本実施形態では、図4の矢印a及びbで示す所定の方向、すなわち、第1吸熱板8、p型熱電変換素子10a、シールド板6、n型熱電変換素子10b、第2吸熱板9及び内輪3の順に電流を流すことにより、第1及び第2吸熱板8,9で吸熱作用を起こし、シールド板6で放熱作用を起こすことができる。これにより、第1及び第2吸熱板8,9が軸受内部で発生した熱を吸熱し、p型及びn型熱電変換素子10a,10bを介してシールド板6から軸受外部に放熱することができる。
上記のように構成された本実施形態の転がり軸受1においても、軸受内部で発生した熱を、熱電変換素子10を用いて軸受外部に効率的に放熱することができるため、低粘度のグリースを用いても軸受内部に熱がこもるのを抑制することができる。
Claims (1)
- 同心状に配置された固定輪及び回転輪と、前記固定輪と回転輪との間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記複数の転動体を円周方向に沿って所定間隔毎に保持する環状の保持器と、前記固定輪の軸方向両端部に取り付けられ、前記固定輪と回転輪との間の環状空間を密封する一対のシールド板とを備え、前記環状空間に潤滑剤が封入されている転がり軸受であって、
前記一対のシールド板のうちの少なくとも一方は、金属製の放熱板とされており、
外側面が前記放熱板の内側面に対向して配置され、前記放熱板と異なる種類の金属からなる吸熱板と、
前記放熱板の内側面と前記吸熱板の外側面とに接触し、所定の方向に電流が流れることで前記吸熱板で吸熱作用を起こすとともに前記放熱板で放熱作用を起こす熱電変換素子と、
少なくとも一部が前記吸熱板の内側面に沿って配設された環状のコイルと、前記コイルに対向する前記保持器の外側面に取り付けられ、円周方向に沿って所定間隔毎に配置された複数の永久磁石とを有し、前記保持器と共に前記永久磁石が回転することにより、前記コイルに前記所定の方向の誘導電流を発生させる発電部と、
を備えていることを特徴とする転がり軸受。
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