JP2014511725A - 顎角部サポート用補助器具 - Google Patents

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Abstract

下顎を頬と上顎に対して固着し、顎角部をサポートするスリングショット形状の外部装着可能な副子部材(splint)を有するいびき補助器具。副子部材は、圧力の緩和、圧力の分散及び可屈曲性を有しているので、個々に調節しながら顎角部から頬及び上顎を支持体(肌)(図1参照)に付着させ(或いは、鼻梁部まで跨るように付着させる)(図4及び図5参照)ことによって、下顎が後方に落ちることや睡眠中に喉の気道が詰まることを防止できる。

Description

本発明は、頬と上顎に対して顎角部を適合できるように固着した支持スプリント(splint:以下、副子部材と呼ぶ)を用いていびき防止する補助器具に関する。
いびきは、いびきを掻く本人やパートナー(同床者)の両方にとって大きな問題である。通常、成人の約3人に1人の割合でいびきを掻く。いびきを掻く人の数は、平均寿命が延びたことによって将来的に増加すると予測されており、高齢者は、一般に生体組織の弱体化に伴っていびきを掻く傾向があり、この年代は、肥満によって更に喉が狭くなる傾向がある。そのいびきの問題が社会の中で、ますます表面化しつつある。
呼吸中、空気圧の変動は、鼻から喉の間及び気道内に発生する。鼻及び気道は、通常十分に変動に耐えるだけの強度を有しているため、空気圧の変動によって損傷することはない。喉はより柔らかくて伸縮性があるが、吸入時に無意識に筋肉が喉を補強するため、通常の場合、圧力への変化に対処することができる。一方で、睡眠中は、喉の筋肉は弛緩されて、空気が吸入できる可能なスペースは減少する。これは、いびきの重要な生理学的事象が発生したこと、即ち、下顎及び顎と一緒に舌が緩み後方に落ちることによって、喉のスペースが実質的に狭くなることを意味している。喉の壁は、吸入時に吸引しながら内側に膨らませることができる。いびき音は、特に、このベルヌーイ効果と呼ばれる吸引効果が、振動を特に軟口蓋及び喉壁後部に生成させることによって発生する。長期的には、これは喉の組織を拡大し、粘膜における感度の減少によって間隔障害が生成され、さらなるいびき音が大きくなる。
いびきを掻く人の内、少なくとも10%が呼吸を妨害するいびきによって、睡眠の断片化や睡眠パターンの混乱が起きている。即ち、気道が一時的に遮断されると呼吸停止によって目を覚まさせる反応が生成され、喘ぐような苦しい呼吸をもたらされる。しかしながら、これらが起きたかは不明であり、目が覚めたときに、悪夢を見ていたように感じられている。10秒以上持続する呼吸停止は、無呼吸と呼ばれる。長時間の間に繰り返される睡眠時の無呼吸症候群によって血液中の酸素レベルの低下や心血管疾患のリスクの上昇をもたらし、例えば、高血圧、心筋梗塞、又は脳卒中の発症及び移動中や仕事中での事故のリスクが高くなる。日中の眠気は非常に耐えがたく、運転中や食事中又は会話中に居眠りすることがある。また、些細なことに対する苛立ち、攻撃性、集中力の欠落、うつ病や無気力のような症状になりうる場合がある。
いびきの治療とセルフケアの第一段階として推奨されている保存的治療法の勧告(conservatory advices)は、例えば、体重を減らす、アルコール量を控える、禁煙、及び、睡眠薬の摂取や同様な筋肉弛緩剤の摂取を控える、及び、仰向けの睡眠を回避するいわゆるポジショントレーニングなどがある。
多くの場合、この方法では十分ではなく、簡単に改善できない為に、保存的治療法(conseratory treatment)とは大きく掛け離れたステップを含む新たな治療を行う必要がある。即ち、口蓋や咽喉の手術やCPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる治療やおおまかにミニ人工呼吸器のように説明されているフェースマスク及び電動空気ポンプに対する過呼吸治療がある。最初に述べた治療法は、麻酔や局所麻酔に起因する合併症の危険性、感染症及び痛みや回復期におけるリスクと共に、相対的に高価な手術が伴う。最後に述べた治療法は、患者が毎晩、不快なチューブ及びフェースマスクに接続された不快な音がする装置(バズマシーン)と過ごすような相当な負担が強いられることが想定され、更に、高い治療費がかかる。
いびきは良く知られた問題で、全世界的に広範囲に広がっており、前述した治療方法及びCPAPを含む抜本的な方策と並んで、喉のスペースを確保することを目的した方策が検討されている。これらについては、下記に述べる。
顎、頬及び口内へ影響をもたらすいびき問題緩和技術として、口腔内、即ち口の中に装置を配置する技術又は口腔外、即ち口の外に装置を配置する技術がある。
口腔内に補助器具に関するいくつかの特許や出願中特許がある。殆どの補助器具は、口腔のカテゴリーに属するいびき副子部材、咬合床副子部材、又は 歯の副子部材であり、下顎前方固定装置と呼ばれ、"下顎を前方に引っ張る補助器具"として説明されている。例えば、英国特許(GB2264868), 米国特許(US6109265), カナダ特許(CA2236503, CA2336604)、及び米国特許出願(US2008115791)がある。更に、口腔内システムによって筋肉を刺激しながら口及び舌の緩みを防止する例えば特許WO02066111が開示されている。
良く知られる口腔外システムは、呼吸を楽にする及び/又はいびき防止するための広い範囲の解決方法を含んでいる;異なる帯具によって顎を支持する方法等, 実際に100年前に開示された(例えば、英国特許GB190709828、及びGB191323245)、 及びもう少しモダンで異なる、例えば英国特許(GB2264868、米国特許(US6109265)、 カナダ特許(CA2236503, CA2336604)、及び米国特許出願(US2008115791)がある。さらに、スタンドに似たフレームとして記述されている特に麻酔中の下顎の支持方法(中国特許CN101422635)、 顎用の特殊なマスク (日本国特許出願(JP2006175110)、異なる襟を支持する方法として(例えば、英国特許(GB191209390)、米国特許(US4366815、 US5289829, US6668834)、 枕のようなもので顎及び/又は頭部を支持する異なる方法(例えば、米国特許(US4118813、 US4748702)、独国特許(DE202004012390)、米国出願特許(US2007256694)、更に、簡易の唇の密着粘着テープ(日本国特許(JP11076286)、更に、完全にテープで口を覆う(米国特許(US4817636)がある。また、ゴムバンドを用いて顎と頸部を下から支えることを記述した独国特許(DE202004012829)がある。
前述の公知の口腔外補助器具は、問題を解決してないか又は快適ではなく、個別の調整が困難であるか、又はかさばって不快感を与え、更に、顔、唇、 顎、 頬、 喉又は顎に圧力が加えるので、多くのいびきを掻く人達に、受け入れられていない。
本出願の口腔外による発明の目的は、以下の特許請求の範囲の特徴を用いて、従来技術の問題点を解決することを目的とする。
本発明は、本質的に区別ができ且つユニークであり、全ての顎角部に対して装着可能であり、顎角部からの引張力を分散(spread out)させ、下顎と上顎に固着し、長さ方向にあお向けの状態で顔の曲率に沿わせることができ、睡眠中に下顎が落ちることを防止し、シンプルで安全に、且つユーザーに適した技術的発明のステップを有している。
副子部材を上から見た主要部を示すスケッチ平面図である。 副子部材を顔に装着した状態を正面から見たスケッチ正面図である。 副子部材を装着せずに睡眠中に下顎が後方に落ちた状態を横方向から見たスケッチ側面図である。 副子部材を顔に装着して睡眠中に下顎が前方上向きに支えられた状態を横方向から見たスケッチ側面図である。 図4に示す顔のスケッチ図を用いて、副子部材を顔に装着して下顎に支えられた時、副子部材を顎角に配置したときの解釈を横方向から見たスケッチ図を示す。
以下では本発明を、実施例に基づき、図面を参照して具体的な例を挙げながら説明する。
図1は、副子部材の脚部(1)を示し、脚部は、引張力を分配する(引張力を与える)クロッチ部(分岐部分)(2)及び、円弧形状部(3)を有している。脚部は、個々に顎角部の後方で曲げられ、顎角部を持ち上げる。更に、上顎に固着できる副子部材の軸部(4)が備えられている。
なお、副子部材は、ばんそうこう(plaster)、テープ等のような布帛状部材(5)を有する支持部(サポート)に付着されている。また、副子部材の軸部(4)は、更なる安定性を与えるために鼻梁に渡って設けられている延長部(8)を有している。
図2は、下顎(7)の全体を支えるために、顎角部(6)の両側に副子部材が適用された状態を表している。副子部材軸部(4)は、鼻梁部(8)まで跨って備えることによって更なる安定性を与えることができる。
図3は、下顎の補助器具がない場合、一般に見られる後方に落ちた状態の睡眠状況を示している。
図4は、副子部材が顎角度部分(6)に支えられながら下顎(10)が前方上向きになるように上顎に固定された状態を示す。
図5は、副子部材の円弧形状部(3)がどのように角度をなして副子部材のクロッチ部(2)の両側が顎角部(6)の後方に顎角部に沿って装着されているのかを説明している。
顎角部を一つで支えることができる副子部材は、スリングショット形状を有しており(図1参照)、副子部材に分散させるように引張力を与えられるようにY字形状を有するクロッチ部(2)は、両脚部(1)によって下顎角(6)を包み込むように設けられており、更に、クロッチ部(2)の脚部の端部と接続された可屈曲性を有する円弧形状部(3)によって顎角部(6)の後ろ側に装着できるようになっている。円弧形状と可屈曲性は、副子部材を顎角部の周りに折り曲げながら安全に、且つ個々のユーザーの様々な形状に合わせながら同じように顎角部に装着可能になっている(図5参照)。下顎(10)から頬及び上顎へ上側前方に続く副子部材軸部4を有している。副子部材は、ユーザーに刺激を与えないように肌に対して滑らかに横たわるように装着され、及び個々のユーザーの顔の形状に合わせて折り曲げ可能に装着できる。また、副子部材は、堅さ及び固定を促進するために、全ての長さ方向に非伸縮性を有している。副子部材軸部(4)は、更に鼻梁部(8)まで跨って備えることができようになっており、例えば頬鬚に対しても強度と安定性をもたらすことが可能になっている。副子部材は、支持体(肌)の全ての部分を包み込み及びその支持体の片面に肌に優しく付着できるような、ばんそうこう、テープ等のような布帛状部材(5)によって固着できるようになっている。最適な効果を得るために、副子部材は、両側の全体の顎角部(図2参照)を支えるために、各々の顎角部に適用される。顎角部が頬と上顎及び下顎と頬に固着されている場合は、後方に落ちることや喉が詰まること(図3参照)が防止される。下顎が後方に落ちたり、喉が詰まるような場合、喉の気道が維持されていびきを防止することができる(図4及び図5参照)。副子部材は、安価で生産することができて、更に簡単に就寝前に据え付けできるようになっており、また、軽量なので起床時や睡眠中においても付け心地が良くなり、更に、個々の顎角部に対して調整可能な機能を有しており、顔の輪郭に対しても適用可能であり、顔や喉の組織や構造に不快な圧力を与えない機能を備えている。
1 脚部
2 クロッチ部
3 円弧形状部
4 軸部
5 布帛状部材
6 顎角部
7 下顎
8 鼻梁部
9 下向きに落ちた下顎
10 上向き前方方向に支持された下顎
11 上顎

Claims (5)

  1. 顎角部をサポートしながらいびき及び睡眠時無呼吸を防止する補助器具であって、副子部材は、単一部材によって構成され、円弧形状部(3)を有するY字状脚部(1)を備え、前記副子部材は、クロッチ部(2)において、前記脚部(1)の端部を連結しており、
    頬及び上顎へ上側前方に顎角部を支えるように、顎角部に装着されることによって、下顎と顎が後方に落ちることを防ぐことを特徴とする補助器具。
  2. 前記顎角部を支えながらいびき及び睡眠時無呼吸を防止する補助器具であって、Y字状を有する前記副子部材は、直線的、又は頬と上顎(11)向かって延びるように備えられた副子部材軸部(4)を備えるか、
    又は、鼻梁部(8)まで跨って備えることによって更なるサポートを与える副子部材軸部を有することを特徴とする請求項1に記載の補助器具。
  3. 前記補助器具は、可屈曲性と全方向に対して非弾性材料を有しており、それらは例えば、プラスチックプレート、シリコンプレート、又はスチール製、アルミ製等の金属プレートからなる材料を有しており、前記副子部材は、個々の顎角部や顔の輪郭に合わせて折り曲げができる特徴を有する請求項1又は2に記載の補助器具。
  4. 前記補助器具は、顎角部(6)、頬及び上顎(11)の皮膚に対して全ての長さや広がりに対応しながら付着できるようになっており、或いは鼻梁部(8)への付着に対しても対応可能な特徴を有する請求項1乃至3いずれか1項に記載の補助器具。
  5. 前記補助器具は、カバーと、支持体の片側に、接着剤、布帛状部材(5)を有し、肌に優しく前記副子部材を肌に対してばんそうこう(plaster)やテープ材やばんそうこう等の布帛状部材などによって固着可能に備えられ、前記副子部材は顎角部(6)、頬及び上顎(11)或いは鼻梁部(8)への固着に対しても対応可能な特徴を有する上記請求項いずれか1項に記載の補助器具。
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