JP2014508640A - 多孔質基材のコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多孔質基材のコーティング方法に関する。本方法は、該基材の細孔を少なくとも部分的に充填する第1のコーティングを基材上に形成することと、該基材上に第2のコーティングを形成することと、任意に、該多孔質基材の多孔性を少なくとも部分的に回復させることと、を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年2月16日に出願された、「METHOD OF COATING A POROUS SUBSTRATE」と題する米国仮特許出願第61/443,462号の優先権の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
液体で多孔質表面を均一にコーティングすることは、細孔が液体を吸収する傾向があるため困難であり得る。固化させる、又は硬化させる必要がある液体において、コーティングは特に困難であり得る。多孔質表面が、固化若しくは硬化する前又はその間にコーティング材料を吸収する場合、固化したコーティング材料の表面は厚さにむらがある場合があり、時には多孔質表面の被覆にむらが生じる場合がある。細孔の吸収特性は、少なくとも一部、細孔の毛細管作用に起因し、時折液体の表面張力にも起因する。
人工膜は、小規模及び大規模の両方で分離を行うために使用することができ、そのため多くの設定において非常に有用である。例えば、膜は、水を精製するため、透析中に血液を浄化するため、及びガスを分離するために使用され得る。膜分離に使用される幾つかの一般的な駆動力は、圧力勾配及び濃度勾配である。膜は、ポリマー構造から作製することができ、例えば、様々な表面化学、構造、及び製造法を有することができる。膜は、組成物を固化させる又は硬化させることにより作製され得る。
幾つかの設定では、多孔質材料の表面上に膜を形成することが必要であるか、又は望ましい。例えば、工業用膜は、多くの場合、多孔質又はミクロ孔質の支持体上で調製される。支持体は、所望の構成成分が膜に浸透できる多孔質でなければならない。しかしながら、固化する、又は硬化する前に細孔が組成物を吸収する傾向があるため、硬化後に生成された膜の結果として生じる手触り及び厚さに一貫性がなく、膜がその意図する目的に対して不適切となる。
不透過性中間層で細孔をマスキングすることによって、マスキングの除去に問題をもたらす。同様に、ワックス又は他の高粘度材料で細孔を封止することによって、コーティング後に基材、特に小さい細孔の多孔性を回復することは困難である。
本発明は、概して、多孔質基材のコーティング方法に関する。本方法は、多孔質基材をコーティングする他の方法に対して有利である。本方法は、多孔質支持体上に膜等のコーティングを調製するための簡便で費用効率の高い方法を提供する。本方法は、コーティングプロセスが完了した後に基材の多孔性を容易にかつ実質的に回復させることができる。
本発明は、多孔質基材のコーティング方法を提供する。本方法は、基材の提供を含む。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。本方法は、第1のコーティングを形成することも含む。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。本方法は、任意に、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去することも含む。幾つかの実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去される。他の実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去されない。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することも含む。第2のコーティングは、ポリマー、ケイ酸塩、いずれかの形態の炭素、金属、セラミック、金属有機構造体、又はそれらの組み合わせを含む。本方法は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させることも含む。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
本発明は、多孔質基材をコーティングする他の方法に対して特定の利点を有する。他の技法では、不透過性層で細孔をマスキングすることによって、マスキングの除去に問題をもたらし、これは、コーティングプロセス後に基材の多孔性を回復させることを必要とする用途において重大な問題である。同様に、ワックス又は他の高粘度材料で細孔を封止することによって、コーティング後に基材、特に小さい細孔の多孔性を回復することは困難な可能性がある。本方法は、多孔質基材をコーティングする他の方法に対して有利である。本方法は、コーティングプロセスが完了した後に基材の多孔性を容易にかつ実質的に回復させることができる。本方法は、多孔質支持体上に膜等のコーティングを調製するための簡便で費用効率の高い方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、多孔質基材のコーティング方法を提供する。本方法は、基材の提供を含む。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。本方法は、第1のコーティングを形成することも含む。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。第1のコーティングを形成することは、第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第1のコーティングを形成することは、第1のコーティングを形成するコーティングを硬化することを更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングは、第1のコーティングを形成するのに十分に硬化される。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)は、フリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーである。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意の構成成分(B)を更に含む。幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、第1のコーティングを形成するコーティングに存在する。他の実施形態では、構成成分(B)は、第1のコーティングを形成するコーティングに存在しない。第1のコーティングを形成するコーティングの任意の構成成分(B)は、有機ボランフリーラジカル開始剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(C)は、溶剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(D)は、有機窒素反応性化合物である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(E)は、重合性コモノマーである。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する。本方法は、任意に、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去する工程も含む。幾つかの実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去される。他の実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去されない。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することも含む。第2のコーティングは、ポリマー又はケイ酸塩を含む。第2のコーティングを形成する工程は、第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第2のコーティングを形成する工程は、第2のコーティングを形成するコーティングを硬化することを更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(A)を含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)は、フリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーである。第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(B)を更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(B)は、有機ボランフリーラジカル開始剤である。第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(C)を更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(C)は、溶剤である。第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(D)は、有機窒素反応性化合物である。第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(E)は、重合性コモノマーである。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)が存在する。本方法は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させることも含む。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
別の実施形態では、本発明は、多孔質基材をコーティングする方法を提供する。本方法は、基材の提供することを含む。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。本方法は、第1のコーティングを形成することも含む。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。第1のコーティングを形成する工程は、第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第1のコーティングを形成する工程は、第1のコーティングを形成するコーティングを硬化することを更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングは、第1のコーティングを形成するのに十分に硬化される。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)は、フリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーである。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意の構成成分(B)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの任意の構成成分(B)は、有機ボランフリーラジカル開始剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(C)は、溶剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(D)は、有機窒素反応性化合物である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(E)は、重合性コモノマーである。構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物である実施形態では、構成成分(B)が存在する。本方法は、任意に、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去することも含む。幾つかの実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去される。他の実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去されない。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することも含む。第2のコーティングは、ポリマー、ケイ酸塩、又はそれらの組み合わせを含む。曝露した表面上に第2のコーティングを形成することは、第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第2のコーティングを形成することは、第2のコーティングを形成するコーティングを冷却することを更に含む。第2のコーティングを形成するコーティングは、第2のコーティングを形成するのに十分に冷却される。第2のコーティングを形成するコーティングは、熱可塑性シリコンポリマー又は熱可塑性有機ポリマーのうちの少なくとも1つを含む。本方法は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させることも含む。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
別の実施形態では、本発明は、多孔質基材をコーティングする方法を提供する。本方法は、基材の提供を含む。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。本方法は、第1のコーティングを形成することも含む。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。第1のコーティングを形成することは、第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第1のコーティングを形成することは、第1のコーティングを形成するコーティングを硬化することを更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングは、第1のコーティングを形成するのに十分に硬化される。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)は、フリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーである。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意の構成成分(B)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの任意の構成成分(B)は、有機ボランフリーラジカル開始剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(C)は、溶剤である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(D)は、有機窒素反応性化合物である。第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を更に含む。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(E)は、重合性コモノマーである。構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物である実施形態では、構成成分(B)が存在する。本方法は、任意に、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去することも含む。幾つかの実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去される。他の実施形態では、第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面から除去されない。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することも含む。第2のコーティングは、いずれかの形態の炭素、金属、セラミック、金属有機構造体、又はそれらの組み合わせを含む。曝露した表面上に第2のコーティングを形成することは、第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することを含む。第2のコーティングを形成することは、第2のコーティングを形成するコーティングから第2のコーティングを形成することを更に含む。本方法は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させることも含む。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
ここで、開示される題目の特定の主張を詳細に参照する。開示される題目は、列挙される主張と共に説明されるが、それらは、これらの主張に対して開示される題目を制限するものではないことを理解されたい。逆に、開示される題目は、特許請求の範囲によって定義される通り、ここで開示される題目の範囲内に含まれ得るすべての代替物、修正、及び等価物を網羅することが意図される。
「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」等の本明細書における参照は、記載される実施形態が特定の特性、構造、又は特徴を含むことができるが、すべての実施形態が特定の特性、構造、又は特徴を必ずしも含まなくてもよいことを示す。加えて、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特性、構造、又は特徴がある実施形態に関して記載されるとき、明示的に記載されるか否かに関わらず、他の実施形態に関してそのような特性、構造、又は特徴に影響を及ぼすことは、当業者の知識に属するものと考えられる。
範囲形式で表される値は、範囲の限界として明示的に記述される数値を含むだけでなく、それぞれの数値及びサブ範囲が明示的に記述されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値又はサブ範囲も含む柔軟な形で解釈されるべきである。例えば、「約0.1%〜約5%」の濃度範囲は、約0.1重量%〜約5重量%の明示的に記述される濃度だけでなく、示される範囲内の個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及びサブ範囲(例えば、0.1%〜0.5%、1.1%〜2.2%、3.3%〜4.4%)も含むものと解釈されるべきである。
本明細書では、用語「a」、「an」、又は「the」は、内容が明確に記載されない限り、1つ又は2つ以上を含むために使用される。用語「又は(or)」は、特に記載のない限り、包括的な「or」を指すために使用される。加えて、本明細書に採用され、特に定義されない表現又は用語は、単に説明の目的であり、制限するものではないことを理解されたい。セクションの見出しの任意の使用は、文書を読むのを補助することが意図され、制限するものと解釈されるべきではなく、セクションの見出しに関する情報は、その特定のセクション内又はそれ以外に存在する場合がある。更に、本文書で参照されるすべての刊行物、特許、及び特許文書は、参照により個々に組み込まれるかのように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本文書と参照によりそのように組み込まれたそれらの文書との間で矛盾して使用される場合、組み込まれた参照における使用は、本文書の補足と見なされるべきであり、矛盾が解決されない場合、本文書の使用が優先する。
以下の文書は、参照により本明細書に組み込まれる:PCT/US10/053112、米国仮出願第61/305,863号、及びWO第2009/048694号。
定義
用語「約」は、値又は範囲の変動の程度、例えば、記載される値又は記載される範囲の限度の10%以内又は5%以内を可能にすることができる。
用語「独立して〜から選択される」とは、内容が明確に示されない限り、参照群が同一、異なる、又はその混合であることを指す。よって、本定義により、句「X、X、及びXは、独立して、希ガスから選択される」は、例えば、X、X、及びXが、すべて同一である、X、X、及びXが、すべて異なる、X及びXは同一であるが、Xは異なる、並びに他の類似する置換のシナリオを含むことができる。
用語「混和性流体」とは、希釈剤として吸収され得る、又は構成成分(A)の溶剤として機能することができるように、硬化ポリマーと十分に相溶性である極性又は非極性流体を指す。ポリマー系に好適な流体の例は、Polymer Handbook,Third Edition,Edited by J.Brandrup and E.H.Immergut,John Wiley & Sons,Pages VII/379〜382+(1989)等の標準的なポリマーの手引書に見出すことができる。
用語「プラトー弾性せん断弾性率」とは、G’のプロットの領域における動的弾性せん断弾性率(G’)の中央値対G’が、例えば微小歪動的振動せん断実験により決定される比較的一定の値に達する(又は「プラトー」を呈する)試験頻度を指す。当業者は、適切な歪値が特定のレオメーター、サンプリングジオメトリー、及び選択された材料によって影響を受け、例えば、歪掃引実験により決定されるように、G’が歪と無関係である微小歪レジメンの範囲内に入る歪のいずれかの値であり得ることを知っているだろう。G’は、方法と無関係である材料関数である。
用語「粘度」とは、レオメーターで測定された複素粘度(η’)の実際の構成成分の値を指す。好適なレオメーターの例としては、製造者が推奨する試験手順に従い、25℃で測定する、10rad/秒の角振動数で微小歪動的振動せん断実験を使用するRheometrics RDA II平行板レオメーター、並びに2.5rpmのHelipathアッタチメント及びT−Dスピンドル(クロスバー20.4mm)を備えるBrookfield DV−II+レオメーターが挙げられるが、これらに限定されない。η’は、方法とは無関係である材料関数である。単独ポリマー及び流体の場合、「粘度」は、η’が比較的せん断速度と無関係であるように十分に低いせん断速度の微小歪振動せん断実験で測定される外挿ゼロせん断粘度を指す。ペーストの場合、「粘度」は、記載される振動数及び歪速度のη’の測定値を指す。
用語「ゲル」は、架橋ポリマーマトリックスが以下に定義される溶剤で完全に、又は部分的に膨潤される架橋ポリマーを指す。ゲルの膨潤を誘発するために、溶剤は、架橋前のポリマーマトリックスの少なくとも1つの相の溶剤であり得る。ポリマーマトリックスの架橋は、本質的に化学的又は物理的である。非限定的な例として、ゲルは、共有結合、イオン相互作用、水素結合、鎖絡交、又はミクロ相分離部分の自己会合により架橋され得る。加えて、当業者は、そのようなゲルが存在し、乾燥(非膨潤)状態で使用され得ることを容易に理解するだろう。
用語「ヒドロゲル」とは、架橋ポリマーマトリックスが水、1つ以上の水相溶性アルコール、若しくはそれらの組み合わせで完全に、又は部分的に膨潤されるゲルを指す。したがって、本用語は、水相溶性アルコールで完全に、又は部分的に膨潤されたアルコゲルも含むがこれに限定されない。ポリマーマトリックスの架橋は、本質的に化学的又は物理的である。非限定的な例として、ヒドロゲルは、共有結合、イオン相互作用、水素結合、鎖絡交、又はミクロ相分離部分の自己会合により架橋され得る。加えて、当業者は、そのようなヒドロゲルが存在し、脱水(非膨潤)状態で使用され得ることを容易に理解するだろう。
用語「熱可塑性ポリマー」とは、加熱されたときに流体(流動可能)に変換され、冷却されたときに硬質(流動不可)になる性質を有するポリマーを指す。また、用語「熱硬化性ポリマー」とは、加熱時に流体状態に変換されない硬化(例えば架橋)ポリマーを指す。
用語「放射線」とは、培地又は空間を通して移動するエネルギー粒子を指す。放射線の例は、可視光線、赤外光、マイクロ波、電波、低周波、超低周波、熱放射(熱)、及び黒体放射である。
用語「流体状態で熱可塑性ポリマー」とは、溶融状態又は有機溶媒に溶解されたポリマーを指す。
用語「硬化」とは、あらゆる形態の放射線への曝露、加熱、又は固化をもたらす、若しくは粘度を増加させる化学反応を起こさせることを指す。用語「硬化」とは、溶剤蒸発等(ラテックス塗料の乾燥、又はポリマー溶液のスピンコーティング等)の溶液の増粘、凝固、若しくは固化、又はホットメルト若しくは熱可塑性エラストマー等におけるコーティング内での融合又は相転移を誘発する冷却をもたらす物理的プロセスも指すことができる。
用語「細孔」とは、固体物体におけるあらゆる大きさ若しくは形状の陥凹、スリット、又は穴を指す。細孔は、物体全体又は物体の一部に及ぶことができる。細孔は、他の細孔と交差することができる。
用語「フリット」とは、あらゆる多孔質物体を指す。多孔質物体は、縮合され、急冷されてガラスを形成し、粒状化されたセラミック組成物であり得る。多孔質物体は、焼結された多結晶の無釉材料であり得る。多孔質物体は、多孔質金属物体であり得る。多孔質物体は、あらゆる好適な材料から作製され得る。多孔質物体は、多孔質ポリマーであり得る。多孔質物体は、シート若しくはファイバであるか、又はあらゆる好適な形状を有することができる。
用語「エポキシ官能性」又は「エポキシ置換」は、エポキシ置換基である酸素原子が炭素鎖又は環系の2つの隣接する炭素原子に直接結合される有機基を指す。
用語「溶剤」とは、固体、液体、又はガスを溶解することができる液体を指す。溶剤の非限定的な例は、シリコン、有機化合物、水、アルコール、イオン液体、及び超臨界流体である。
用語「コーティング」とは、コーティングされた表面上の材料の連続相又は不連続相を指し、材料の相は表面に浸透し、細孔等の領域を充填することができ、材料の相は、平面又は湾曲面を含む、あらゆる3次元形状を有することができる。一例では、コーティングは、硬化又は固化したコーティング材料を浴槽に浸漬することによって1つ以上の表面上に形成され得、そのいずれも多孔質又は非多孔質であり得る。
用語「表面」とは、物体の境界面又は側面を指し、境界面又は側面は、平面、湾曲、又は角度を含むあらゆる外周形状を有し、あらゆる3次元形状を有することができ、境界面又は側面は、連続又は不連続であり得る。用語「表面」は、一般に示唆される深度がない物体の最外境界面を指し、一方、用語「細孔」が表面に関して使用されるとき、細孔が表面下の基材に延在する表面開口部と深度の両方を明らかに指す。
用語「オルガノゲル」とは、オルガノポリシロキサン、オルガノシロキサン、又はあらゆる好適なオルガノシリコン化合物を含む、あらゆる有機液体を含む液体で膨潤したゲルを指す。
用語「ヒドロゲル」とは、水を含む液体で膨潤したゲルを指す。
本明細書で使用される、用語「樹脂」とは、Si−O−Si結合を介して、3つ又は4つの他のシロキサンモノマーに結合される少なくとも1つのシロキサンモノマーを含むあらゆる粘度のポリシロキサン材料を指す。一例では、ポリシロキサン材料は、本明細書に定義されるT基又はQ基を含む。
説明
本発明は、概して、多孔質基材をコーティングする方法に関する。本方法は、基材を提供することを含む。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。本方法は、第1のコーティングを形成することも含む。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。本方法は、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去することも含む。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に少なくとも部分的に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することも含む。第2のコーティングは、ポリマー又はケイ酸塩を含む。本方法は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させることも含む。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
基材の提供
本発明は、基材を提供する工程を含み得る。基材の少なくとも1つの表面は、複数の細孔を含む。
少なくとも1つの表面は、多孔質基材のあらゆる表面であり得る。少なくとも1つの表面は、平面、湾曲、又はそれらのいずれかの組み合わせであり得る。表面は、あらゆる外周形状を有することができる。多孔質基材は、あらゆる数の表面を有することができ、フィルム、ファイバ、及び粒子を含むあらゆる3次元形状であり得る。多孔質基材は、あらゆる縦横比を有することができる。3次元形状の例としては、シート、ディスク、立方体、球体、錐体、円柱、中空ファイバ、及び様々な厚さを含む、あらゆる厚さのその平面断面が挙げられる。多孔質基材は、織布又は不織布であり得る。
多孔質基材はあらゆる数の細孔を有することができ、細孔はあらゆる大きさ、深度、形状、及び分布のものであり得る。一例では、多孔質基材は、約0.5×10−9m〜約1m、あるいは約2×10−9m〜約5×10−3m、あるいは約10×10−9m〜約100×10−6mの孔径を有する。少なくとも1つの表面は、あらゆる数の細孔を有することができる。
多孔質基材はあらゆる材料を含むことができ、非限定的な例としては、ポリマー、非金属、金属、半金属、セラミック、又はその混合物、配合物、複合体、及びそれらの合金が挙げられる。材料は合成であるか、又は天然に生じる、若しくは天然に由来する材料であり得る。合成ポリマーの例としては、あらゆる一般的な熱可塑性及び熱硬化性材料が挙げられる。金属の例としては、アルミニウム、チタン、銅、スチール、及びステンレススチールが挙げられる。セラミックの例としては、あらゆる形態のアルミナ、ジルコニア、チタニア、及びシリカが挙げられる。天然に生じる、又は天然に由来する材料の例としては、木材、木材複合体、紙、酢酸セルロース、及び花崗岩又は石灰岩等の地質学的形成物が挙げられる。非金属の例としては、黒鉛又は炭素等の様々な形態の炭素が挙げられる。半金属の例としては、シリコン又はゲルマニウムが挙げられる。多孔質材料はまた、コンクリート又はアスファルト等の建設材料であってもよい。
第1のコーティングの形成
本発明は、第1のコーティングを形成する工程を含み得る。第1のコーティングは、多孔質基材の少なくとも1つの表面上に形成される。第1のコーティングを用いて基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように第1のコーティングが形成される。第1のコーティングは、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む。
多孔質基材は、第1のコーティングを形成する工程によってコーティングされない表面を含み得る。多孔質基材のすべての表面が第1のコーティングを形成する工程によってコーティングされ得る、1つの表面がコーティングされ得る、又はあらゆる数の表面がコーティングされ得る。幾つかの実施形態では、第1のコーティングを形成する工程は、第2のコーティングを形成する工程より少ない表面上で行うことができる。幾つかの実施形態では、第1のコーティングを形成する工程は、第2のコーティングを形成する工程と同じ表面上で行うことができる。幾つかの実施形態では、第1のコーティングを形成する工程は、第2のコーティングを形成する工程より多い表面上で行うことができる。同様に、第1のコーティングが形成される曝露した表面積は、第2のコーティングが形成される表面積と等しい、それより大きい、又はそれ未満であり得る。
第1のコーティングを形成する工程は、2つの工程を含み得る。第1の工程では、第1のコーティングを形成する組成物は、多孔質基材の少なくとも1つの表面に塗布され得る。第2の工程では、第1のコーティングを形成する塗布した組成物は、第1のコーティングを形成するために硬化され得る。幾つかの実施形態では、組成物の硬化プロセスは、組成物の表面への塗布前、塗布中、又は塗布後に開始することができる。硬化プロセスは、第1のコーティングを形成する組成物を第1のコーティングに変換させる。硬化プロセス前、プロセス中、又はプロセス後、ポリマーが溶剤を吸収し、第1のコーティングに含まれる溶剤膨潤ポリマーゲルとなる。第1のコーティングを形成する組成物は、液体状態であり得る。第1のコーティングは、ゲル等の固体状態であり得る。
第1のコーティングを形成する組成物は、従来のコーティング及びリソグラフ技法、例えば、浸漬コーティング、スピンコーティング、浸し塗り、吹き付け、ブラッシング、押出、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷を使用して塗布され得る。
第1のコーティングを形成する組成物を硬化することは、例えば、以下に記載される構成成分(B)等の硬化剤又は開始剤の添加を含み得る。幾つかの実施形態では、硬化プロセスは、硬化剤又は開始剤を添加する直ぐに開始し得る。硬化剤又は開始剤の添加は、硬化プロセスを直ぐに開始させなくてもよく、更なる硬化工程を必要とし得る。他の実施形態では、硬化剤又は開始剤の添加は、硬化プロセスを直ぐに開始させることができるが、更なる硬化工程も必要とし得る。硬化剤又は開始剤の添加は、硬化プロセスを開始させることができるが、組成物が完全に硬化する、又は作業不可能な段階まで硬化される段階にさせない。よって、硬化剤又は開始剤は、硬化プロセス前又はプロセス中に添加され得、更なる処理工程が第1のコーティングを形成するために硬化を完了させることができる。
第1のコーティングを形成する組成物を硬化することは、第1のコーティングを形成する組成物を、周囲温度、周囲以下温度、高温、湿気、ガス、液体、蒸気、固体、又は放射線に曝露することを含む、様々な方法を含み得る。幾つかの実施形態では、組成物を硬化することは、方法の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、硬化は、ヒドロシリル化硬化、縮合硬化、放射線硬化、ペルオキシド硬化、有機ボラン硬化、又は冷却を含み得る。
第1のコーティングを形成する組成物は、溶剤膨潤ポリマーゲルを形成するために硬化され得る。本明細書において、構成成分(A)、(B)、(C)、及び任意の構成成分(D)、(E)、並びに、任意に、その反応生成物又は/及び他の追加の構成成分を含む例示的な組成物を含む、溶剤膨潤ポリマーゲルを形成するために溶剤構成成分を硬化し、吸収させることができる幾つかの例示的な組成物が記載される。加えて、本明細書において、構成成分(A)、(C)、並びに任意の構成成分(B)、(D)、及び(E)を含む例示的な組成物が記載される。当業者は、溶剤膨潤ゲルを形成することができるあらゆる好適な組成物を使用して、溶剤膨潤ポリマーゲルを形成するあらゆる方法が本明細書によって包含されることを認識するだろう。
一実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物は、構成成分(A)である少なくとも1つのフリーラジカル重合性化合物、構成成分(B)である少なくとも1つの有機ボランフリーラジカル開始剤、構成成分(C)である少なくとも1つの溶剤、任意の構成成分(D)である少なくとも1つの有機窒素反応性化合物、任意の構成成分(E)である少なくとも1つのフリーラジカル重合性有機コモノマー、又は2つ以上の構成成分の反応生成物(複数可)を含み得る。構成成分(A)が少なくとも1つのフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)である少なくとも1つの有機ボランフリーラジカル開始剤は、必須構成成分である。
一実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物は、構成成分(A)である少なくとも1つの有機ポリマー、任意の構成成分(B)である少なくとも1つの有機ボランフリーラジカル開始剤、構成成分(C)である少なくとも1つの溶剤、任意の構成成分(D)である少なくとも1つの有機窒素反応性化合物、任意の構成成分(E)である少なくとも1つのフリーラジカル重合性有機コモノマー、又は2つ以上の構成成分の反応生成物(複数可)を含み得る。構成成分(A)が少なくとも1つの有機ポリまであるとき、構成成分(B)である少なくとも1つの有機ボランフリーラジカル開始剤は任意の構成成分である。
一実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物は、構成成分(A)である少なくとも1つのフリーラジカル重合性化合物及び少なくとも1つの有機ポリマー、構成成分(B)である少なくとも1つの有機ボランフリーラジカル開始剤、構成成分(C)である少なくとも1つの溶剤、任意の構成成分(D)である少なくとも1つの有機窒素反応性化合物、任意の構成成分(E)である少なくとも1つのフリーラジカル重合性有機コモノマー、又は2つ以上の構成成分の反応生成物(複数可)を含み得る。
幾つかの実施形態では、溶剤膨潤ポリマーゲルは、混和性流体を吸収するシリコンエラストマーマトリックスを形成するために、少なくとも1つの混和性流体、例えば、溶剤の存在下、有機ボランフリーラジカル触媒によって開始されるフリーラジカル重合を介してオルガノポリシロキサンを重合することを含む方法によって調製される。よって、エラストマー(例えば、硬化中又は硬化後のポリマー)が膨潤性であるか、ないしは別の方法で混和性流体に相溶性であるとき、本発明の溶剤膨潤ポリマーゲル組成物は、均質(例えば、単相)であり得、混和性流体は、硬化するときにエラストマーを膨潤させる機能を果たすか、又は硬化するときにエラストマーによって吸収される。幾つかの実施形態では、組成物は、約20%〜約99%(重量)の1つ以上の混和性流体、及び約1%〜約80%(重量)のエラストマーを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、約50%〜約90%(重量)の1つ以上の混和性流体、及び約10%〜約50%(重量)のエラストマーを含む。混和性流体は、得られたエラストマーマトリックスによって増粘され、その未希釈状態(例えば、いずれの溶剤の吸収を含まない溶剤膨潤ポリマー)のエラストマーの固有プラトー弾性せん断弾性率の半分未満又はその半分に等しい膨潤状態のプラトー弾性せん断弾性率(G)を有するゲル又は半固体状態を形成し得る。
様々な実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物から溶剤膨潤ポリマーゲルを形成することは、実質的に均質なシリコンエラストマーゲルを形成するために、約5℃〜約95℃(あるいは、約10℃〜約35℃)の温度を維持しながら、構成成分(B)、構成成分(C)、任意に酸素、任意に構成成分(D)、及び任意に構成成分(E)の存在下、構成成分(A)を重合することを含み得る。ゲルは、構成成分(C)と相溶性であり、かつそれを吸収するエラストマーであり得る。幾つかの実施形態では、形成されたゲルは、その未希釈状態(例えば、いずれの溶剤の吸収を含まない溶剤膨潤ポリマー)のシリコンエラストマーの固有プラトー弾性せん断弾性率の半分以下のプラトー弾性せん断弾性率を有する。
他の実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物から溶剤膨潤ポリマーゲルを形成することは、実質的に均質なゲルを形成するために、約5℃〜約95℃(あるいは約10℃〜約35℃)の温度を維持しながら、構成成分(C)、任意の構成成分(B)、任意に酸素、任意に構成成分(D)、及び任意に構成成分(E)の存在下、構成成分(A)を重合することを含み得る。ゲルは、構成成分(C)と相溶性であり、かつそれを吸収するエラストマーであり得る。幾つかの実施形態では、形成されたゲルは、その未希釈状態(例えば、いずれの溶剤の吸収を含まない溶剤膨潤ポリマー)のエラストマーの固有プラトー弾性せん断弾性率の半分以下のプラトー弾性せん断弾性率を有する。
幾つかの実施形態では、第1のコーティングの溶剤膨潤ポリマーゲルを形成することは、(I)構成成分(A)、構成成分(C)、及び任意に1つ以上の構成成分(B)、構成成分(D)、又は構成成分(E)を含む反応混合物を形成することと、(II)任意に、酸素の存在下で、反応混合物を攪拌することであって、攪拌が構成成分の混合中、構成成分の混合後、又はそれらの組み合わせで実施される、ことと、(III)反応混合物が基材の少なくとも1つの表面の細孔を少なくとも部分的に充填するように、反応混合物を、多孔質基材の少なくとも1つの表面に塗布することと、(IV)ゲルが形成されるまで重合を継続させることと、を含む。混合物を塗布する工程(III)は、工程(II)の攪拌を含むのに十分な攪拌であり得る。混合物を塗布する工程(III)は、工程(II)の攪拌とは無関係に実施され得る。幾つかの実施形態では、工程(I)及び/又は(II)は、工程(III)と同時に行われ、例えば、工程(I)及び任意の工程(II)は、多孔質基材の存在下で行うことができる。他の実施形態では、工程(I)及び工程(III)は、同時に行うことができ、工程(II)が続く。1つ以上の構成成分(D)又は構成成分(E)は、構成成分(A)、任意の構成成分(B)、及び構成成分(C)とは別個に添加され得る。好ましい実施形態では、任意の構成成分(D)は、構成成分(A)(例えば、初期の反応混合物の一部として)の重合前に添加され得、他の実施形態では、任意の構成成分(D)は、重合中(例えば、シリコンエラストマーの形成中)、又は重合後(例えば、エラストマーによる構成成分(C)の吸収による溶剤膨潤ポリマーゲルの形成中)、又はそれらの組み合わせで添加され得る。幾つかの実施形態では、任意の構成成分(B)は、構成成分(A)、(C)、及び任意の構成成分(D)、(E)の混合後に添加され得る。
幾つかの実施形態では、攪拌は、ゲル組成物が形成されるまで継続される。幾つかの実施形態では、攪拌は、反応を開始させるためだけに実施され、その後中断される。幾つかの実施形態では、攪拌は、反応混合物の塗布に付随する以外に実施されない。幾つかの実施形態では、攪拌は、約5℃〜約95℃の温度を維持しながら、酸素の存在下で実施される。よって、温度は、約5℃〜約10℃、10℃〜15℃、15℃〜20℃、20℃〜25℃、25℃〜30℃、30℃〜35℃、35℃〜40℃、40℃〜45℃、45℃〜50℃、50℃〜55℃、55℃〜60℃、60℃〜65℃、65℃〜70℃、70℃〜75℃、75℃〜80℃、80℃〜85℃、85℃〜90℃、若しくは約90℃〜約95℃、又はそれらのあらゆる組み合わせであり得る。幾つかの実施形態では、攪拌は、約10℃〜約35℃の温度を維持しながら、酸素の存在下で実施される。よって、温度は、約10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、及び35℃、又はそれらのあらゆる組み合わせで維持され得る。幾つかの実施形態では、攪拌は、窒素又はアルゴン掃引下等の、部分的な酸素枯渇雰囲気下で実施され得る。幾つかの実施形態では、反応温度は、最初は周囲温度(例えば、約16℃〜約30℃)で維持され、その後反応の熱により反応が進むにつれて自然に上昇する。
幾つかの実施形態では、開示される方法によって調製された溶剤膨潤ポリマーゲルは、構成成分(B)、構成成分(C)、任意に酸素、任意に構成成分(D)、及び任意に構成成分(E)の存在下で、構成成分(A)を重合することにより形成された生成物を含む。幾つかの実施形態では、溶剤膨潤ポリマーゲルは、構成成分(A)、構成成分(C)、任意に酸素、任意に構成成分(B)、任意に構成成分(D)、及び任意に構成成分(E)、又は2つ以上の構成成分の反応生成物(複数可)を含み得る。重合が不完全である場合、未重合組成物の一部が第1のコーティングに存在し得る。後続の工程が実施され得る程度までゲルが形成されたときを含む、溶剤膨潤ポリマーゲルが形成された程度まで重合が進んだとき、幾つかの実施形態では、未重合組成物の一部が第1のコーティングに尚存在し得る。
一例では、1つ以上の溶剤(C)は、溶剤膨潤ポリマーゲルの形成中、不完全に吸収される場合がある。2つ以上の混和性流体を用いた例では、1つ以上の混和性流体のすべてを含む、及び1つ以上の混和性流体のいずれも含まない、異なる割合又は量の混和性流体が溶剤膨潤ポリマーゲルの形成中に吸収され得る。幾つかの実施形態では、不完全に吸収された流体の一部又はすべては、蒸発を含む、当該技術分野に公知のあらゆる手段を使用して、後続の工程前、工程中、又は工程後に除去され得る。
幾つかの実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物は、1回塗布される。他の実施形態では、第1のコーティングを形成する組成物は、2回以上塗布され得る。第1のコーティングを形成する組成物は、組成物が塗布される毎に、異なる方式で塗布され得る。他の例では、第1のコーティングを形成する組成物は、それぞれの塗布中、同じ方法により塗布され得る。
構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマー
第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含み得る。構成成分(A)は、フリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーを含み得る。好ましい実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含む。他の実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含まない。以下に記載する、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(A)を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含む。他の実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(A)を含まない。
構成成分(A)は、フリーラジカル重合性有機モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得る。構成成分(A)は、フリーラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサンを含み得る。オルガノポリシロキサンはポリマー又はオリゴマーとポリマーとの混合物であってもよく、ポリマーオルガノポリシロキサンは、ホモポリマー又はヘテロポリマーのいずれかであり得る。加えて、オルガノポリシロキサンは、化学構造が直鎖状、分枝状、多分枝状、又は樹脂性であり得る。構成成分(A)は、フリーラジカル触媒された追加の重合を受けることができ、幾つかの態様では、共重合及び/又は架橋も受けることができる。ヒドロゲル及びアルコゲルの両方の調製に関して、構成成分(A)は、水と不混和性、水相溶性アルコール、又はそれらの組み合わせである少なくとも1つの化合物から選択され得る。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、少なくとも1つのフリーラジカル重合性化合物を含む。そのような化合物の好適な例としては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフリルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ペルフルオロブチルアクリレート、ペルフルオロブチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、テトラヒドロペルフルオロアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAメタクリレート、ヘキサフルオロビスフェノールAジアクリレート、ヘキサフルオロビスフェノールAジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチル−3−ブテノエート、アリルメチルカーボネート、ジアリルピロカーボネート、アリルアセトアセテート、ジアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジメチルイタコネート、ジアリルカーボネート、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。他の有用な有機化合物は、ヒドロキシアクリレート等のイソシアネート反応性アクリレートモノマー、オリゴマー、又はポリマーを、アクリレート若しくはメタクリレート先端ポリイソブチレン等のイソシアネート官能性プレポリマー、(メタ)アクリレート先端ゴム状オリゴマー、及びポリマー、並びにアクリレート若しくはメタクリレート官能化大豆油等の(メタ)アクリレート官能化天然油誘導体と反応させることによって調製されたアクリレート先端ポリウレタンプレポリマーを含む。
構成成分(A)は、構成成分(B)等の硬化剤若しくは開始剤の存在下、又は不在下で反応し、構成成分(A)の硬化生成物を形成することができるシリコン結合反応性基を含み得る。シリコン結合反応性基の例としては、−H、アルケニル、アルキニル、−OH、加水分解可能な基、アルケニルエーテル、アクリロイルオキシアルキル、置換されたアクリロイルオキシアルキル、及びエポキシ置換された有機基が挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、1分子当り少なくとも2つのフリーラジカル重合性部分を有するオルガノポリシロキサンを含み、そのような部分は、1官能性、多官能性、又はそれらの組み合わせである。よって、構成成分(A)は、フリーラジカル重合性部分の官能性及び/又は性質のその程度が異なるオルガノポリシロキサンの混合物であり得る。構成成分(A)のオルガノポリシロキサンは、流体からゴム類への稠度も変動し得る。例えば、オルガノポリシロキサンは、流体、固体、又は高温で、若しくはせん断の塗布により流動可能になる固体であり得る。幾つかの態様では、オルガノポリシロキサンは、25℃で約1cP〜約5,000,000cP、あるいは25℃で約50cP〜約500,000cP、あるいは25℃で約100cP〜約100,000cPの粘度を有する。
構成成分(A)のオルガノポリシロキサンは、ガラス転移温度を有するか、又は重合若しくは架橋時にガラス転移温度を有するエラストマーを形成することができ、得られたシリコン組成物は、使用温度下で、その粘度に顕著な変化を受ける。一例では、そのような組成物は、ゲルの乾燥工程を容易にするのに有用である。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、
(1)R SiO(R SiO)(RSiO)SiR
(式中、aが0〜20,000の値を有し、bが1〜20,000の値を有し、それぞれのR基が、独立して、水素、ハロゲン、又は一価の有機基であり、それぞれのR基が、独立して、一価の不飽和有機基である)
(2)R SiO(R SiO)(RSiO)SiR
(式中、cが0〜20,000の値を有し、dが0〜20,000の値を有し、それぞれのRが、独立して、水素、ハロゲン、又は一価の有機基であり、それぞれのR基が、独立して一価の不飽和有機基である)から選択される式を有するフリーラジカル重合性オルガノポリシロキサンを含み得る。
好適なR及びR基は、水素、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アクリレート官能基、及びメタクリレート官能基等の有機基(直鎖状及び/又は分枝状)、並びにグリシジル基、アミン基、エーテル基、シアネートエステル基、イソシアノ基、エステル基、カルボン酸基、カルボン酸塩基、コハク酸塩基、無水物基、メルカプト基、硫化物基、アジド基、ホスホネート基、ホスフィン基、マスクされたイソシアノ基、及びヒドロキシル基等の他の有機官能基を含み得るが、これらに限定されない。
好適なR及びR基は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、及びプロピニル基等の2〜12個の炭素原子基を有する一価のアルケニル基及びアルキニル基、アリルオキシ(ポリオキシエチレン)基、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)基、及びアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−コ−ポリ(オキシエチレン)基等のアルケニルオキシポリ(オキシアルキレン)、並びにアクリロイルオキシプロピル基及びメタクリロイルオキシプロピル基等のアクリレート官能基、及びそれらのハロゲン置換された類似体を含み得るが、これらに限定されない。特定の態様では、R及びRは、アクリレート基及びメタクリレート基から選択される。
構成成分(A)の幾つかの代表的な例としては、メタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、アクリロキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(アクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(メタクリルオキシメチル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(アクリルオキシメチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω,−メタクリルオキシメチルジメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン、メタクリルオキシプロピル終結ポリジメチルシロキサン、α,ω−アクリルオキシメチルジメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン、メタクリルオキシプロピルジメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン、α,ω−アクリルオキシプロピルジメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン、ポリ(アクリロキシプロピル−メチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン及びポリ(メタクリルオキシプロピル−メチルシロキシ)ポリジメチルシロキサンコポリマー等のペンダントアクリレート及びメタクリレート官能性ポリマー、アミン終結ポリジメチルシロキサンに対する多アクリレートモノマー又は多メタクリレートモノマーのマイケル付加反応を介して形成されたものを含む複数のアクリレート又はメタクリレート官能基を有するテレキーレックポリジメチルシロキサン、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。また、フリーラジカル重合性オルガノシリコン化合物としての使用に好適なものは、一端がメタクリルオキシプロピルジメチルシリル基によって終結し、もう一端がn−ブチルジメチルシリル基によって終結するポリジメチルシロキサン等の1官能性アクリレート又はメタクリレート終結オルガノポリシロキサンを含む。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、
Figure 2014508640

から独立して選択されたオルガノポリシロキサンの構造単位を有するシロキサン樹脂を含み得、式中、Mは1官能性単位であるRSiO1/2を表し、Dは2官能性単位であるRSiO2/2を表し、Tは3官能性単位であるRSiO3/2を表し、Qは4官能性単位SiO4/2を表し、Rはあらゆる適切な官能基を表す。
シロキサン樹脂は、当該技術分野において公知のあらゆる好適な方法によって調製され得る。幾つかの態様では、樹脂は、シリカヒドロゾルキャッピングプロセスによって生成された樹脂コポリマーを、エンドブロッキング試薬を含むアルケニルで処理することにより作製される。これは、トリメチルクロロシラン等の加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、及びそれらの組み合わせの酸性条件下でシリカヒドロゾルを反応させ、次いで2〜5重量%のヒドロキシル基を含むM基及びQ基を有するコポリマーを回収することを含み得る。コポリマーは、樹脂中のM、D、T、及びQ単位すべての合計に対する樹脂において、3〜30モルパーセントの不飽和オルガノ官能性M基、D基、又はT基を提供するのに十分な量で、不飽和有機基を含むエンドブロッキング剤及び脂肪族不飽和を含まないエンドブロキング剤と反応し得る。好適なエンドブロッキング剤は、シラザン、シロキサン、シラン、及びそれらの組み合わせを含む。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、R SiO1/2単位及びSiO4/2単位を有するMQ樹脂、RSiO3/2単位及びR SiO2/2単位を有するTD樹脂、R SiO1/2単位及びRSiO3/2単位を有するMT樹脂、R SiO1/2単位、RSiO3/2単位、及びR SiO2/2単位を有するMTD樹脂、並びにそれらの組み合わせから選択されるシロキサン樹脂を含み得、それぞれのR基は、独立して、1〜20個の炭素原子を有する一価の有機基である。幾つかの例では、Rは、1〜10個の炭素原子を有する。幾つかの例では、少なくとも1つのR基は、フリーラジカル重合性不飽和有機基である。
の好適な例は、あらゆるフリーラジカル重合性官能基を含み得る。例えば、Rの例は、2〜12個の炭素原子基を有する一価のアルケニル基及びアルキニル基、アクリレート基、シアノ官能基、アルキルオキシポリ(オキシアルキレン)基、エポキシ官能基、及びそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
構成成分(A)として使用することができる好適なシロキサン樹脂の幾つかの例は、MメタアクリルオキシメチルQ樹脂、MメタクリルオキシプロピルQ樹脂、MTメタクリルオキシメチルT樹脂、MTメタクリルオキシプロピルT樹脂、MDTメタクリルオキシメチルフェニルT樹脂、MDTメタクリルオキシプロピルフェニルT樹脂、Mビニルフェニル樹脂、TTメタクリルオキシメチル樹脂、TTメタクリルオキシプロピル樹脂、Tフェニルメタクリルオキシメチル樹脂、Tフェニルメタクリルオキシプロピル樹脂、TTフェニルメタクリルオキシメチル樹脂、TTフェニルメタクリルオキシプロピル樹脂、及びそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、アクリレート及びメタクリレート官能性ポリジメチルシロキサン並びに樹脂、メタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、メタクリルオキシメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、アクリロキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、アクリルオキシメチルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン−ポリメチル−メタクリルオキシプロピルシロキサンコポリマー、並びにポリジメチルシロキサン−ポリメチル−アクリロキシプロピルシロキサンコポリマーから選択される。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、様々な分子量のメタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン、アクリレート終結ポリジメチルシロキサン(例えば、Siltech Silmer Di−50)、ビス(メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、及び3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランから選択され得る。
構成成分(A)は、少なくとも1つの水相溶性有機ポリマー、アルコール相溶性有機ポリマー、及びそれらの組み合わせから選択され得る。ポリマーは、ホモポリマー、ヘテロポリマー(あらゆるコモノマー分布の架橋ポリマー又はコポリマーを含むが、これに限定されない)であってもよく、直鎖状、分枝状、多分枝状、デンドリマー、又はあらゆる程度の架橋であり得る。好適なポリマーの例としては、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリメタクリル酸の塩、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリビニルアルコール、ポリ(メタクリル)無水物、ポリ(アクリル)無水物、ポリセバシン無水物、コラーゲン、ポリ(ヒアルロン酸)、ヒアルロン酸含有ポリマー及びコポリマー等のポリ無水物、ポリペプチド、デキストラン、硫酸デキストラン、キトサン、キチン、アガロースゲル、フィブリンゲル、大豆由来ヒドロゲル、並びにポリ(アルギン酸ナトリウム)等のアルギン酸塩系ヒドロゲル、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、構成成分(A)は、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ポリ(メタクリル酸)の塩、ポリ(メタクリル)無水物、及びポリ(アクリル)無水物から選択され得る。幾つかの例では、構成成分(A)は、ゼラチン、メチルセルロース、Carbopol(登録商標)ETD 2020、Carbopol(登録商標)Ultrez 20、又はCarbopol(登録商標)ETD 2050であり得る。
本発明の実施形態では、構成成分(A)は、有機ゲル又はヒドロゲルを形成する有機ポリマーであり、フリーラジカル重合性化合物は、反応混合物に含まれず、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤は任意である。当業者は、フリーラジカル重合性化合物を含まなければ、フリーラジカル開始剤は必要ではないことを容易に理解するだろう。更に、フリーラジカル重合性化合物を含まなければ、任意の構成成分(D)である有機窒素反応性化合物も必要なくてよい。しかしながら、本発明の実施形態では、構成成分(A)は有機ゲル又はヒドロゲルを形成する有機ポリマーであり、構成成分(C)である液体は尚必須構成成分であり、フリーラジカル重合性化合物、構成成分(B)、構成成分(D)、及び構成成分(E)はすべて任意の化合物である。
反応混合物において、フリーラジカル重合性構成成分(A)を用いる実施形態では、フリーラジカル重合性化合物は、例えば1〜90重量部の範囲で存在し得る。幾つかの実施形態では、フリーラジカル重合性化合物は、2〜60重量部、又は3〜50重量部、又は5〜40重量部で存在し得る。他の実施形態では、フリーラジカル重合性化合物は、2〜75重量部、又は5〜50重量部、又は10〜30重量部で存在し得る。
反応混合物において、有機ポリマー構成成分(A)を用いる実施形態では、有機ポリマーは、例えば、0.01〜90重量部の範囲で存在し得る。幾つかの実施形態では、有機ポリマーは、0.01〜80重量部、又は0.5〜40重量部、又は0.1〜20重量部で存在し得る。他の実施形態では、有機ポリマーは、0.5〜60重量部、又は1〜30重量部、又は3〜15重量部で存在し得る。
構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤
第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、任意の構成成分(B)を含み得る。好ましい実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含む。他の実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含まない。以下に記載する、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(B)を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含む。他の実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含まない。第1のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)にフリーラジカル重合性化合物を含む実施形態では、第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含む。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)にフリーラジカル重合性化合物を含む実施形態では、第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含み得る。第2のコーティングを形成するコーティングの構成成分(A)にフリーラジカル重合性化合物を含む他の実施形態では、第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(B)を含まない。
構成成分(B)は、フリーラジカルを発生させ、フリーラジカル付加重合及び/又は架橋を開始させることができる少なくとも1つの有機ボラン化合物を含み得る。周囲条件で有機ボラン非自然発火性を付与する安定化有機ボラン化合物が使用され得る。幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、有機ボランと周囲条件で複合体に安定性を付与する好適な有機窒素(例えばアミン)との間に形成される複合体であってもよく、フリーラジカルは、酸素の存在下で有機窒素反応性化合物を導入するときに発生する(及び重合が開始される)。構成成分(B)は、有機ボラン化合物であってもよく、フリーラジカルは、加熱時に発生する(及び重合が開始される)。構成成分(B)は、ボランを遊離し、それによってラジカルをもたらすように溶剤を蒸発させる溶剤安定化有機ボラン(例えば、THF中のトリアルキルボランの溶液)であり得る。
幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、式
Figure 2014508640

を有する複合体から選択され得る有機ボラン−有機窒素複合体であってもよく、式中、Bはホウ素を表し、Nは窒素を表し、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、ケイ素含有基(複数可)がホウ素に共有結合する、1つ以上のケイ素原子を含み、R、R、及びRは、水素、シクロアルキル基、主鎖に1〜12個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、アルキルアリール基、アルキルシラン若しくはアリールシラン基等のオルガノシラン基、オルガノシロキサン基、別のホウ素原子に共有結合の架橋として機能することができるアルキレン基、別のホウ素原子に共有結合の架橋として機能することができる二価のオルガノシロキサン基、又はそのハロゲン置換された同族体から独立して選択することができる基であり、R、R10、及びR11は、ホウ素と複合することができるアミン化合物又はポリアミン化合物を得る基であり、水素、1〜10の炭素原子を含むアルキル基、1〜10の炭素原子を含むハロゲン置換されたアルキル基、又は有機ケイ素官能基から独立して選択され、R基、R基、及びR基のうちの少なくとも2つと、R基、R10基、及びR11基のうちの少なくとも2つとが結合し、複素環式構造を形成するが、但し、2つの結合する基の原子数の合計は、11を超えないものとする。
幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、式BR”(式中、R”は、1〜20個の炭素原子を含む、直鎖状及び分枝状脂肪族又は芳香族炭化水素基である)を有するトリアルキルボランを含む、トリアルキルボラン−有機窒素複合体を含むが、これらに限定されない、アルキルボラン−有機窒素複合体から選択することができる。好適なトリアルキルボランの例としては、トリメチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−sec−ブチルボラン、トリドデシルボラン、及びフェニルジエチルボランが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、国際特許第WO2006073695A1号に開示されるもの等の、有機ケイ素官能性ボラン−有機窒素複合体から選択され得る。
有機ボラン−有機窒素複合体を形成するのに好適な有機窒素の例としては、1,3プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、メトキシプロピルアミン、ピリジン、イソホロンジアミン、並びに3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、アミノプロピルシラントリオール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジイソプロピルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−h I−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)pベネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、及び(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミン等のシリコン含有アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、有機ボラン−有機窒素複合体を形成するのに有用であり得る窒素含有化合物は、少なくとも1つのアミン官能基を有するオルガノポリシロキサンから選択され得る。好適な官能基の例としては、3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、及び3−プロピルピロールが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなオルガノポリシロキサンは、前述の式(1)及び(2)に類似する式を有するものを含むが、これらに限定されない。構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体を形成するのに有用であり得る他の窒素含有化合物は、N−(3−トリエチオキシシリルプロピルl)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、前述の式(1)及び(2)に類似する式を有するシロキサン、及び少なくとも1つの基がイミダゾール、アミジン、又はウレイド官能基であるオルガノポリシロキサン樹脂を含むが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体を形成するのに有用であり得る窒素含有化合物は、少なくとも1つのアミン官能基を有するオルガノポリシロキサンから選択され得る。好適な官能基の例としては、3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、及び3−プロピルピロールが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなオルガノポリシロキサンは、前述の式(1)及び(2)に類似する式を有するものを含むが、これらに限定されない。構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体を形成するのに有用であり得る他の窒素含有化合物は、N−(3−トリエチオキシシリルプロピルl)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、前述の式(1)及び(2)に類似する式を有するシロキサン、及び少なくとも1つの基がイミダゾール、アミジン、又はウレイド官能基であるオルガノポリシロキサン樹脂を含むが、これらに限定されない。
幾つかの例では、フリーラジカルは、有機ボラン化合物(好ましくは有機ボラン−有機窒素複合体)を加熱することによって、又は単に嫌気的に含まれる構成成分(B)のアルキルボランを空気に曝露することによって発生し、重合及び/又は架橋はそれらによって開始される。幾つかの態様では、フリーラジカルは、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体を加熱することによって発生し、重合及び/又は架橋はそれらによって開始され、加熱は複合体を解離させる。幾つかの実施形態では、フリーラジカルは、酸素環境で、構成成分(D)の有機窒素反応性化合物を、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体と混合することによって発生し、重合及び/架橋は、それによって開始され、本組み合わせは複合体を解離させる。後者に関して、フリーラジカルは、周囲温度で、又はそれを下回る等の有機ボラン−有機窒素複合体の解離温度を下回る温度で発生し得る。
有機窒素安定化有機ボラン化合物は、構成成分(B)として、特に有用であり得るが、当業者は、あらゆる有機ボランが使用され得ることを理解するだろう。本発明により包含される有機ボランの代替えの安定化形態の例としては、9−BBN等の環安定化化合物、又はトリアルキルボラン−THF溶液等の溶剤複合型有機ボランが挙げられる。
幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、トリアルキルボランが、トリエチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−sec−ブチルボラン、及びトリドデシルボランから選択されるトリアルキルボラン−有機窒素複合体であり得る。幾つかの例では、構成成分(B)は、トリエチルボラン−プロパンジアミン(TEB−PDA)、トリエチルボラン−ブチルイミダゾール(TEB−BI)、及びトリエチルボラン−メトキシプロピルアミン(TEB−MOPA)複合体、並びにトリ−n−ブチルメトキシプロピルアミンから選択され得る。
幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、3−メトキシプロピルアミン(TNBB−MOPA)と複合されたトリ−n−ブチルボラン及びトリエチルボラン1,3−ジアミノプロパン複合体(TEB−PDA)から選択される。
反応混合物において、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤は、例えば、0.01〜30重量部の範囲で存在し得る。この範囲の上限は、アミノシロキサンポリマーとトリアルキルボランとの間の複合体等の有機ボランフリーラジカル開始剤が高分子量を有する場合、特に有用であり得ることを理解されたい。幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、0.01〜25重量部、又は0.03〜20重量部、又は0.05〜15重量部で存在し得る。他の実施形態では、構成成分(B)は、0.01〜24重量部、又は0.05〜12重量部、又は0.1〜6重量部で存在し得る。
構成成分(C)である液体
第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を含み得る。構成成分(C)は液体である。好ましい実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を含む。他の実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を含まない。以下に記載する、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(C)を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を含む。他の実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(C)を含まない。
構成成分(C)は、少なくとも1つの溶剤を含み得る。本発明の幾つかの実施形態では、特に第1のコーティングを形成するコーティングに含まれる組成物において、構成成分(C)は、エラストマーの膨潤及び溶剤膨潤ポリマーゲルの対応する形成をもたらすために、シリコンエラストマーと十分に相溶性である混和性流体であり得る。幾つかの例では、好適な溶剤は、シリコン、有機化合物、水、アルコール、及びイオン性液体、及び超臨界流体等の「環境に配慮した」溶剤、並びにそれらの混合物から選択され得る。
構成成分(C)に好適なシリコンの例は、低分子量の直鎖状若しくは環状揮発性シリコン、不揮発性アルキル又はアリールシリコン、及び低分子量の直鎖状若しくは環状官能性シリコンを含み得るが、これらに限定されない。
当業者は、高粘度油が第1のコーティングの細孔から除去するのがより困難であるためあまり望ましくないことを容易に理解するだろう。一般に、第1又は第2のコーティングを形成するコーティングの揮発性構成成分(C)は、除去の容易性から好ましい。しかしながら、低揮発性化合物が構成成分(C)に含まれる場合がある。
幾つかの態様では、構成成分(C)は、有機液体から選択され得る。例としては、あらゆるプロトン性、非プロトン性、又は双極性非プロトン性有機溶剤、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、アルキルハロゲン化物、又は芳香族ハロゲン化物が挙げられるが、これらに限定されない。構成成分(C)は、油であってもよく、有機油又はシリコンオイル等のあらゆる好適な油を含む。構成成分(C)は、C8〜20イソパラフィンを含み得る。
構成成分(C)の例は、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、プロピレンオキシド、トリオクチルホスフェート、ブチロラクトン、フルフラール、松根油、テルペンチン、及びm−クレオゾール、揮発性風味剤、並びにアルデヒド及びエステルを含む他の有用な風味剤、天然物及び芳香剤油等の揮発性香水を含み得る。構成成分(C)は、単一化合物又は化合物の混合物であり得る。加えて、構成成分(C)は、シロキサン等の、有機混和性流体と他の混和性流体の混合物であり得る。
幾つかの実施形態では、構成成分(C)は、イオン性流体であってもよい。好適なイオン性流体の例は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム塩化物、1−エテニル−3−エチル−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート等のイミダゾリウム誘導体、並びに1−ブチル−4−メチルピリジニウム塩化物、1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、及び1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート等のピリジニウム誘導体を含み得るが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、構成成分(C)は、超臨界流体であり得る。好適な超臨界流体の例としては、超臨界二酸化炭素、超臨界水、超臨界エタン、超臨界亜酸化窒素、超臨界アンモニア、超臨界1,1,1,2−テトラフルオロエタン、超臨界ジフルオロメタン、超臨界ペンタフルオロエタン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。超臨界流体の溶剤強度は、メタノール、エタノール、アセトン、ヘキサン、又はベンゼン等のいずれかの共溶剤により修正することができる。
ラジカル重合性ポリジメチルシロキサンの重合に好適な構成成分(C)の例は、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソデシルネオペンタノエート、イソノニルイソノナノエート、イソパラフィン、イソアルカン、及びカプリリルメチルトリシロキサン、トルエン、酢酸エチル、1−エテニル−3−エチル−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピル−アンモニウムテトラシアノボレート、並びに25℃で1000cP未満の粘度を有するトリメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン流体、又はそれらの混合物を含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、構成成分(C)として選択されるトリメチルシリル終結ポリジメチルシロキサン流体は、25℃で約0.5〜約100cPの粘度を有する。
幾つかの実施形態では、構成成分(C)は、水、水混和性アルコール、ジオール、ポリオール、及びそれらの組み合わせから選択され得る。好適なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、構成成分(C)は、1つ以上の水混和性アルコールと水の組み合わせであり得る。
反応混合物において、構成成分(C)である液体は、例えば、10〜99.9重量部の範囲で存在し得る。幾つかの実施形態では、構成成分(C)は、40〜99.5重量部、又は45〜99重量部、又は49〜98重量部で存在し得る。他の実施形態では、構成成分(C)は、40〜98重量部、又は60〜96重量部、又は74〜94重量部で存在し得る。
任意の構成成分(D)である有機窒素反応性化合物
第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を含み得る。幾つかの実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(D)を含む。他の実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(D)を含まない。以下に記載する、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(D)を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(D)を含む。他の実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(D)を含まない。
任意の構成成分(D)は、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体と混合され、任意に、周囲空気等の酸素化環境に曝露されるとき、有機ボラン−有機窒素複合体を解離させ、それによってフリーラジカル重合及び/又は架橋を開始させることができる少なくとも1つの有機窒素反応性化合物を含み得る。そのような有機窒素反応性化合物の存在は、室温以下を含む、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体の解離温度を下回る温度で重合及び/又は架橋を迅速に生じさせるのを可能にすることができる。
構成成分(D)の好適な有機窒素反応性化合物の幾つかの例は、鉱酸、ルイス酸、カルボン酸、無水物及びコハク酸塩等のカルボン酸誘導体、カルボン酸金属塩、イソシアネート、アルデヒド、エポキシド、酸塩化物及びスルホニル塩化物、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、無水メタクリル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、クエン酸、ステアリン酸、レブリン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、イソホロンジイソシアネートモノマー又はオリゴマー、メタクリロイルイソシアネート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート、ウンデシレンアルデヒド、並びにドデシル無水コハク酸を含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、構成成分(D)は、有機窒素反応性化合物でもある有機酸であり得る。
有機窒素反応性基を有するオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンは、構成成分(D)に好適であり得る。そのような化合物は、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、プロピル無水コハク酸官能化直鎖状、分枝状、樹脂性、及び多分枝状オルガノポリシロキサン、無水シクロヘキセニル官能性直鎖状、樹脂性、及び多分枝状オルガノポリシロキサン、カルボキシデシル終結オリゴマー又はポリマーポリジメチルシロキサン等のカルボン酸官能化直鎖状、分枝状、樹脂性、及び多分枝状オルガノポリシロキサン、並びにウンデシレンアルデヒド終結オリゴマー又はポリマーポリジメチルシロキサン等のアルデヒド官能化直鎖状、分枝状、樹脂性、及び多分枝状オルガノポリシロキサンを含み得るが、これらに限定されない。
構成成分(D)の他の好適な有機窒素反応性化合物は、湿気に曝露されるとき、構成成分(B)の有機ボラン−有機窒素複合体を解離させる酸を放出するシリコン含有化合物である。そのような化合物は、ハロシラン、酸無水物(カルボン酸)シロキサン、アセトキシシロキサン(エチルトリアセトキシシロキサン及びメチルトリアセトキシシロキサン)、アルキルケイ酸、カルボン酸及びシラノールのエステル、酸塩化物シロキサンを含み得るが、これらに限定されない。
構成成分(D)に有用であり得る化合物の更なる例は、紫外線に曝露されたとき、[SbF対イオンを含むヨードニウム塩等の有機窒素反応性基を発生させることができるものである。そのような化合物を用いるとき、幾つかの実施形態では、イソプロピルチオキサントン等の光感作化合物を含むことも有用であり得る。
構成成分(D)の有機窒素反応性化合物の選択は、特に、構成成分(B)の性質に依存することを当業者は認識するだろう。他の例では、構成成分(D)は、酸、無水物、イソシアネート、エポキシド、及びアルデヒドから選択される。幾つかの実施形態では、構成成分(D)は、酢酸、ポリアクリル酸、アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、クエン酸、及びアスコルビン酸から選択される。他の実施形態では、構成成分(D)は、好ましくは、イソホロンジイソシアネート、カルボキシル終結ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸、酢酸、塩酸、及びクエン酸から選択される。
有機窒素反応性化合物が第1のコーティングを形成する組成物に使用されるとき、フリーラジカルの発生は酸素の存在を必要とし得る。幾つかの態様では、単に有機窒素反応性化合物又は有機窒素反応性化合物を含む組成物を空気に曝露することは、重合を誘発するのに十分である。幾つかの態様では、混和性流体等の、組成物の他の構成成分の1つ以上に溶解された酸素が十分であり得る。窒素掃引又はパージの使用により課される等の、酸素の濃度の制限は、安全に有利(揮発性流体の燃焼性の減少)であり得ることを当業者は理解するだろう。酸素濃度の制限は、反応の効率の制御又は反応速度の制御に有利であり得る。酸素の存在下での早期重合を防止するために、構成成分(B)及び構成成分(D)は、重合及び/又は架橋反応を開始させる所望の時間前まで、物理的又は化学的に単離され得る。例えば、組成物は、重合及び/又は架橋の開始直前に1つに混合される2つの別個の溶液として最初に調製され得る。組成物の残りの構成成分は、あらゆる様式で2つの溶液間で分配され得るが、但し、この例では、構成成分(B)と構成成分(D)は相互に接触しないことを条件とする。例えば、構成成分(A)及び(B)を含む第1の溶液、及び構成成分(C)及び(D)を含む第2の溶液は、空気中で安定であり得るが、溶液が空気の存在下で一緒に混合されるとき重合することができる。あるいは、構成成分(B)及び(D)、又はその両方は、別個の相で封入されるか、又は供給され得る。例えば、構成成分(B)及び(D)のうちの1つ又は両方は、その均質混合を防止する固体形態でシリコン組成物中に導入され得る。組成物の重合は、(a)固相構成成分若しくは封止材の軟化温度を上回って加熱する、又は(b)構成成分(B)と(D)の混合を可能にする可溶化剤の導入により活性化され得る。あるいは、構成成分(B)及び(D)は、混合され、単一容器に嫌気的にパッケージ化され得、重合は、酸素を組成物に導入することにより開始され得る。
幾つかの実施形態では、任意の有機窒素反応性化合物は、第1のコーティングを形成する組成物の構成成分ではない。そのような場合、フリーラジカル重合は、有機ボラン化合物を空気に曝露することにより、熱活性化により、放射線を介して、又は当業者に公知のあらゆる他の方法により開始させることができる。熱活性化の場合、組成物の1つ以上の構成成分が重合を開始させるように加熱されなければならない温度は、構成成分(B)として選択される有機ボラン化合物の性質により決定される。例えば、有機ボラン−有機窒素複合体が構成成分(B)として選択される場合、複合体の結合エネルギーは、組成物が複合体の解離及び重合を開始させるように加熱されなければならない温度を決定する。幾つかの実施形態では、構成成分(B)は、それを組成物の他の構成成分と導入する前に加熱され得る。他の態様では、構成成分(B)及び少なくとも1つの他の構成成分は、組成物のいずれかの残りの構成成分を導入する前に加熱される。
反応混合物において、任意の構成成分(D)である有機窒素反応性化合物は、0〜50重量部の範囲で存在し得る。この範囲の上限は、アクリル酸、メタクリル酸、又はアクリル酸、メタクリル酸、及びその中和された、若しくは部分的に中和された形態の重合化された変形の場合のように、有機窒素反応性化合物が高分子量を有するか、又は構成成分(A)としても存在する場合に特に有用であり得ることを理解されたい。幾つかの実施形態では、構成成分(D)は、0.05〜20重量部、0.1〜10重量部、又は0.2〜5重量部で存在し得る。他の実施形態では、構成成分(D)は、5〜45重量部、15〜40重量部、又は25〜35重量部で存在し得る。
任意の構成成分(E)である重合性コモノマー
第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を含み得る。幾つかの実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(E)を含む。他の実施形態では、第1のコーティング又は第1のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(E)を含まない。以下に記載する、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、任意に、構成成分(E)を含み得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(E)を含む。他の実施形態では、第2のコーティング又は第2のコーティングを形成するコーティングは、構成成分(E)を含まない。
構成成分(E)は、フリーラジカル重合を可能にする少なくとも1つの有機コモノマーを含み得る。幾つかの実施形態では、構成成分(E)は、少なくとも1つの親水性基を有するフリーラジカル重合性有機コモノマーであり得る。好適な有機化合物の例としては、構成成分(A)として使用するのに好適であると本明細書に列挙されるあらゆるフリーラジカル重合性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。構成成分(E)の有機化合物の選択は、特に構成成分(A)の性質及び得られる生成物の所望の使用に依存し得ることを当業者は認識するだろう。幾つかの実施形態では、構成成分(E)は、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等のアクリレート及びメタクリレートから選択される。
幾つかの態様では、構成成分(E)は、コーティングを形成するシリコン組成物の約0%〜約50%(重量)、あるいはコーティングを形成するシリコン組成物の約0%〜約30%(重量)、あるいはコーティングを形成するシリコン組成物の約0%〜約5%(重量)であり得る。
反応混合物において、任意の構成成分(E)である重合性コモノマーは、例えば、0〜50重量部の範囲で存在し得る。幾つかの実施形態では、構成成分(E)は、0.01〜40重量部、又は0.05〜20重量部、又は0.1〜10重量部で存在し得る。他の実施形態では、構成成分(E)は、0.01〜8重量部、又は0.05〜4重量部、又は0.5〜2重量部で存在し得る。
更なる任意の構成成分
第1のコーティングを形成する組成物又は第1のコーティングは、更なる構成成分を含むこともできる。限定されないが、そのような任意の更なる構成成分の例としては、界面活性剤、乳化剤、分散剤、ポリマー安定剤、架橋剤、ポリマーの組み合わせ、架橋剤、粒子の二次重合又は架橋を提供するのに有用な触媒、レオロジー修飾因子、密度修飾因子、アジリジン安定剤、ヒドロキノン及びヒンダードアミン等の硬化修飾因子、フリーラジカル開始剤、ポリマー、希釈剤、酸受容体、抗酸化剤、熱安定剤、難燃剤、除去剤、シリル化剤、気泡安定剤、溶剤、希釈剤、可塑剤、充填剤、並びに無機粒子、色素、染料、及び乾燥剤が挙げられる。液体が任意に使用され得る。液体の例としては、水、有機溶剤、あらゆる液体有機化合物、シリコン液体、有機油、イオン性流体、及び超臨界流体が挙げられる。他の任意の成分は、1分子当り少なくとも1つのアルケニル基を有するポリエーテル、増粘剤、充填剤、及び無機粒子、安定剤、ワックス又はワックス様材料、シリコン、オルガノ官能性シロキサン、アルキルメチルシロキサン、シロキサン樹脂、シリコンガム、任意構成成分であり得るシリコンカルビノール流体、水溶性又は水分散性シリコンポリエーテル組成物、シリコンゴム、ヒドロシリル化触媒阻害剤、接促進剤、熱安定剤、UV安定剤、及び流動調整剤を含む。
第1のコーティングを形成する組成物は、そのまま使用されるか、又は油/水、有機溶剤/水、水/油、水/有機溶剤、及び非水性油/油、油/有機溶剤、並びに有機溶剤/油エマルジョン、若しくはシリコン乳化剤を使用する多相エマルジョンで使用され得る。
第1のコーティングを形成する組成物が水中油型エマルジョンであるとき、これらに限定されないが、油/水エマルジョンの調製に当該技術分野において周知の非イオン性界面活性剤等の、エマルジョンの調製に一般的に使用される通常の成分を含み得る。非イオン性界面活性剤の例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノレアート(monoleates)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、及びポリオキシアルキレングリコール修飾されたポリシロキサン界面活性剤を含み得る。
第1のコーティングを形成する組成物は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素等の噴射ガス、ブタン、イソブタン、又はプロパン等の揮発性炭化水素、及びジクロロジフルオロメタン及びジクロロテトラフルオロエタン若しくはジメチルエーテル等の塩素化又はフッ素化炭化水素との組合せのエアロゾルの形態であり得る。
第1のコーティングの除去
本発明は、多孔質基材の少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去する工程を含み得る。除去は、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分である。実質的に曝露した基材表面は、細孔内に溶剤膨潤ポリマーゲルを有する。溶剤膨潤ポリマーゲルは、少なくとも部分的に細孔内に存在し得る。
一例では、除去は、当業者に公知のあらゆる方法を使用して、第1のコーティングを拭き取ることにより行うことができる。例えば、これは、ティッシュ、布、タオル、メス、又はレーザーブレードで行うことができる。幾つかの例では、除去は、第1のコーティングを擦り落とすことにより実施される。除去は、第1のコーティングを乾燥させ、次いで第1のコーティングを除去することにより実施され得る。他の例では、第1のコーティングは、第1のコーティングを除去する前に乾燥させない。第1のコーティングは、第1のコーティングを除去する前に部分的に乾燥させることができる。第1のコーティングは、拭き取る、擦り落とす、音波処理する、空気を吹き飛ばす、たたく、振動させる、表皮剥離する、接着移動させる、低温破壊する、加熱する、洗浄する、溶剤で解離する、又は当業者に公知のあらゆる他の方法により除去され得る。
第1のコーティングは、第1のコーティングを形成する組成物の重合のいずれの段階でも除去することができる。例えば、第1のコーティングは、第1のコーティングを形成する組成物の重合前に除去することができる。第1のコーティングは、第1のコーティングを形成する組成物の重合プロセスの中間点で除去することができる。第1のコーティングは、第1のコーティングを形成する組成物の重合後に除去することができる。第1のコーティングは、記載される時間のあらゆる組み合わせの間に除去することができる。
第1のコーティングは、第1のコーティングを形成する組成物から溶剤膨潤ポリマーゲルを発生させるために、溶剤の吸収のあらゆる段階で除去することができる。例えば、第1のコーティングは、溶剤の吸収が生じる前に除去され得る。第1のコーティングは、溶剤の吸収中に除去され得る。第1のコーティングは、溶剤の吸収が完了した後に除去され得る。幾つかの実施形態では、第2のコーティングを形成する前に少なくとも1つの表面から第1のコーティングを除去することは、必要でなくてもよい。例としては、コーティング2がコーティング1上に安定した様式で塗布され得、次いでコーティング1から溶剤が除去されるときに表面上に崩壊させる実施形態が挙げられる。幾つかの実施形態では、コーティング1は、表面に対して正角に作製されるか、又は表面の下のレベルに縮小するか、あるいはコーティング2が塗布される表面とは異なる表面上に形成される。
第2のコーティングの形成
本方法は、曝露した基材表面上に第2のコーティングを形成することを含み得る。第2のコーティングは、当業者に公知のあらゆる適切な材料を含み得、当業者に公知のあらゆる適切な方法によって形成され得る。例えば、第2のコーティングは、ポリマー、ケイ酸塩、あらゆる形態の炭素、金属、金属−有機構造体、セラミック、又はそれらの組み合わせを含み得る。第2のコーティングは、非結晶、結晶質、又は半結晶質であり得る。第2のコーティングは、あらゆる密度を有することができ、あらゆる多孔性を有することができる。第2のコーティングは、あらゆるバルク形態又は表面構造を有することができる。
第2のコーティングを形成する組成物は、ポリマー、ケイ酸塩、あらゆる形態の酸素、金属、金属−有機構造体、セラミックを形成するように硬化若しくは冷却され得る、又はポリマー、ケイ酸塩、あらゆる形態の酸素、金属、金属−有機構造体、セラミック、又はそれらのあらゆる組み合わせである、あらゆる組成物を含み得る。本明細書において、第2のコーティングを形成する組成物の幾つかの例は、第1のコーティングを形成する組成物を参照することにより説明される。ポリマー若しくはケイ酸塩を形成することができる、又はポリマー若しくはケイ酸塩を含むあらゆる好適な組成物を使用する、ポリマー又はケイ酸塩を含むコーティングを形成するあらゆる好適な方法は、本明細書により包含されることを当業者は認識するだろう。
第2のコーティングは、セラミック又はケイ酸塩を含み得る。そのような実施形態では、第2のコーティング及び第2のコーティングを形成するコーティングは、文献に記載されるいずれの組成物又はコーティングを含み得、例えば、Ceramic Films and Coatings,Wachtman,J.B.,Haber,R.A.,Eds.,Noyes Publications,1993及び米国特許第6,231,989号、並びに第4,472,510号を参照。
好適なケイ酸塩の他の例としては、非結晶及び結晶質ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、並びにゼオライトが挙げられるが、これらに限定されない。これらのケイ酸塩は、ゾル−ゲル法、水熱法、化学蒸着法、及び物理堆積法等の多数の公知の方法によって調製され得る。加えて、コーティングは、文献に記載されるいずれのプロセスによって作製され得、例えば、米国特許出願第61/427,238号、同第61/393,845号、米国特許第7,828,875号、及び本明細書に引用される参考文献を参照。
第2のコーティングは、ハイブリッドポリマー−ケイ酸塩コーティングを含み得る。第2のコーティング及び第2コーティングを形成するコーティングは、文献に記載されるあらゆる組成物又はコーティングを含み得、例えば、米国特許出願第61/393,845号又は同第61/427,238号を参照。
第2のコーティングは、金属−有機構造体を含み得る。第2のコーティング及び金属−有機構造体である第2のコーティングを形成するコーティングは、文献に記載されるいずれの組成物又はコーティングを含み得、例えば、例えば、H.Furukawa et al,Science 2010,329,424又はJ.Y.Lee et al.,Chem.Soc.Rev.2009,38,1450を参照。
第2のコーティングを形成する組成物は、第1のコーティングの形成について上述されるいずれの組成物、若しくはいずれかの個々の構成成分(例えば、構成成分(A)、構成成分(B)、構成成分(C)、構成成分(D)、構成成分(E)、又は更なる任意の構成成分)、又は第1のコーティングの形成について上述される構成成分の組み合わせを含み得るが、好ましくは、第2のコーティングは、溶剤膨潤コーティングではない。第1のコーティングの形成のための組成物の構成成分(C)として記載されるもの等、第2のコーティングを形成する組成物に使用される溶剤は、好ましくは、溶剤膨潤コーティングを形成するために、実質的にポリマー内に吸収されない。むしろ、これらの溶剤は、存在する場合、第2のコーティングの形成前、形成中、又は形成後に大半が蒸発するか、又は(例えば、化学反応を介して)消費される。
第2のコーティングは、熱硬化性又は熱可塑性ポリマーを含み得る。熱硬化性又は熱可塑性ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであり得る。熱硬化性又は熱可塑性ポリマーは、シリコンポリマー又は有機ポリマーであり得る。
一実施形態では、第2のコーティングを形成する工程は、2つの工程を含み得る。第1の工程では、第2のコーティングを形成する組成物は、曝露された基材表面に塗布され得る。第2の工程では、第2のコーティングを形成する塗布された組成物は、第2のコーティングを形成するために硬化され得る。幾つかの実施形態では、組成物の硬化プロセスは、組成物の曝露した基材表面への塗布前、塗布中、又は塗布後に開始することができる。硬化プロセスは、第2のコーティングを形成する組成物を第2のコーティングに変換させる。第2のコーティングを形成する組成物は、液体状態であり得る。第2のコーティングは、固体状態であり得る。
別の実施形態では、第2のコーティングを形成する工程は、2つの工程を含み得る。本工程では、第2のコーティングは、塗布された組成物を硬化せずに塗布することができる。第1の工程では、第2のコーティングを形成する組成物は、曝露された基材表面に塗布され得る。第2の工程では、第2のコーティングを形成する塗布された組成物は、第2のコーティングを形成するために冷却され得る。第2のコーティングを形成するために硬化が必要ではない実施形態では、組成物は、塗布後に冷却されて、固化し、第2のコーティングを形成することができる。硬化が必要ではない実施形態では、第2のコーティングを形成する組成物は、液体状態で熱可塑性ポリマーを含み得る。例えば、組成物は、ポリマーの融点(T)若しくはガラス転移温度(T)を超える溶融状態の熱可塑性ポリマーを含み得るか、又は組成物は、熱可塑性ポリマー及び有機溶剤を含み得る。硬化が必要ではない実施形態では、固化した第2のコーティングは、固体状態での熱可塑性ポリマーであり得る。硬化工程を必要とする幾つかの実施形態において、第2のコーティングを形成する組成物は、溶融状態の熱可塑性ポリマー及び硬化を必要とする組成物を含み得、第2のコーティングは、固体状態の熱可塑性ポリマー及び硬化した組成物を含み得る。本発明の幾つかの実施形態は、第2のコーティングを形成する組成物を第2のコーティングに変換するために、硬化と冷却の両方を含み得る。
第2のコーティングを形成するために硬化が必要ではない、及び第2のコーティングを形成する組成物が溶融状態の熱可塑性ポリマーである実施形態では、熱可塑性ポリマーは、固体状態に変換されて、第2のコーティングを形成することができる。これは、組成物を液体−固体転移温度(T又はT)を下回る温度、例えば室温に冷却させることによって達成され得る。第2のコーティングを形成するために使用される組成物が熱可塑性ポリマー及び有機溶剤を含むとき、熱可塑性ポリマーは、溶剤の少なくとも一部を除去することにより固体状態に変換することができる。有機溶剤は、周囲温度で溶剤を蒸発させることによって、又はコーティングを、中温、例えば、ポリマーの固体−液体転移温度以下に加熱することによって除去され得る。
第2のコーティングを形成する組成物は、従来のコーティング及びリソグラフ技法、例えば、浸漬コーティング、スピンコーティング、浸し塗り、吹き付け、ブラッシング、ロールコーティング、押出、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷を使用して塗布され得る。組成物の量は、約0.01〜約3000μm、あるいは約5〜約500μm、あるいは約10〜100μmの厚さを有するポリマー層又はケイ酸塩層を形成するのに十分であり得る。
幾つかの実施形態では、第2のコーティングを形成する組成物は、1回塗布される。他の実施形態では、第2のコーティングを形成する組成物は、2回以上塗布され得る。第2のコーティングを形成する組成物は、組成物が塗布される毎に、異なる方式で塗布され得る。他の例では、第2のコーティングを形成する組成物は、それぞれの塗布中、同じ方法により塗布され得る。
第2のコーティングを形成する組成物の硬化は、第1のコーティングの形成のための組成物の構成成分(B)として記載されるもの等の硬化剤又は開始剤の添加を含み得る。幾つかの実施形態では、硬化プロセスは、硬化剤又は開始剤を添加する直ぐに開始し得る。他の実施形態では、硬化剤又は開始剤の添加は、硬化プロセスを直ぐに開始させない場合があるが、更なる硬化工程を必要とし得る。硬化剤又は開始剤の添加は、硬化プロセスを開始させることができるが、組成物が完全に硬化する、又は作業不可能な段階まで硬化される段階にさせない。よって、硬化剤又は開始剤は、硬化プロセス前又はプロセス中に添加され得、更なる処理工程が第2のコーティングを形成するために硬化を完了させることができる。
第2のコーティングを形成する組成物を硬化することは、第1のコーティングを形成する組成物を、周囲温度、高温、湿気、ガス、液体、蒸気、固体、又は放射線に曝露することを含む、様々な方法を含み得る。幾つかの実施形態では、組成物を硬化することは、方法の組み合わせを含み得る。組成物を硬化する、及び第2のコーティングを形成するために使用される方法は、第1のコーティングの組成物に依存し得る。
好適な熱可塑性ポリマーの例としては、ポリ(ジフェニルシロキサン−コ−フェニルメチルシロキサン)等の熱可塑性シリコンポリマー、及びポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアクリレート、及びポリエーテルイミド等の熱可塑性有機ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
熱硬化性ポリマーを含む好適な硬化性組成物の例としては、ヒドロシリル化硬化性シリコン組成物、縮合硬化性シリコン組成物、及びペルオキシド硬化性シリコン組成物等の硬化性シリコン組成物、ポリエチレン及びポリプロピレン組成物等の硬化性ポリオレフィン組成物、硬化性ポリアミド組成物、硬化性エポキシ樹脂組成物、硬化性アミノ樹脂組成物、硬化性ポリウレタン組成物、硬化性ポリイミド組成物、硬化性ポリエステル組成物、並びに硬化性アクリル樹脂組成物が挙げられるが、これらに限定されない。熱硬化性ポリマーは、熱硬化性ポリマーを付与するように硬化され得る。好適な熱硬化性ポリマーの例としては、硬化したシリコンエラストマー、シリコンゲル、及び硬化したシリコン樹脂等の熱硬化性シリコンポリマー、並びにエポキシ樹脂、硬化したアミノ樹脂、硬化したポリウレタン、硬化したポリイミド、硬化したフェノール樹脂、硬化したシアン酸エステル樹脂、硬化したビスマレイミド樹脂、硬化したポリエステル、及び硬化したアクリル樹脂等の熱硬化性有機ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
熱可塑性ポリマーは、単一の熱可塑性ポリマー、又は2つ以上の異なる熱可塑性ポリマーを含む混合物(例えば、配合物)であり得る。例えば、熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン配合物であり得る。ポリマーは、様々な充填剤及び色素との複合体の形態で存在し得る。他の例としては、ラテックス塗料及びシリコンゴムコーティングが挙げられる。
幾つかの実施形態では、第2のコーティングを形成する組成物は、1回塗布される。他の実施形態では、第2のコーティングを形成する組成物は、2回以上塗布され得る。第2のコーティングを形成する組成物は、組成物が塗布される毎に異なる方法で塗布され得る。他の例では、第2のコーティングを形成する組成物は、それぞれの塗布中、同じ方法により塗布され得る。特に有用なものは、第2のコーティングがガス、蒸気、又は液体の混合物の少なくとも1つの構成成分の部分的又は完全な除去を可能にする膜等の、ある選択性を伴ってガス、蒸気、又は液体に透過性である場合である。例としては、ポリマー膜、シリコン膜、ケイ酸塩膜、ゼオライト膜、金属膜、金属有機構造体膜、混合マトリックス膜、ミクロ孔質炭素膜、及びその他の組み合わせが挙げられる。膜としてそのようなコーティングを作製する方法は、文献に見出すことができ、例えば、Membrane Technology and Applications,2nd Ed.,Baker,R.W.,John Wiley & Sons,Ltd.,2004 or Inorganic Membranes for Energy and Fuel Applications,Bose,A.C.,Ed.,Springer,2009、及びその中に見出される参考文献を参照。
ゲルの乾燥
本発明は、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程を含み得る。乾燥させた溶剤膨潤ポリマーゲルは、多孔質基材の少なくとも1つの表面の細孔内に存在する。
乾燥は、当業者に公知のあらゆる好適な方法によって実施することができる。例えば、乾燥は、コーティングした基材の加熱又は焼成によって実施され得る。幾つかの例では、乾燥に使用される温度は、室温又は約30℃〜約110℃を含み得る。第2のコーティングが高温下で硬化される場合において、乾燥は、第2のコーティングを硬化するために使用されるあらゆる条件下で実施され得る。無機フィルムの場合において、温度は、例えば、約1400℃ほどであり得る。乾燥は、真空下で実施され得る。乾燥は、加熱と真空の組み合わせで実施することができる。幾つかの例では、乾燥は、任意の加熱又は真空の塗布により、乾燥剤の存在下で実施され得る。使用される乾燥剤は、当業者に公知のあらゆる乾燥剤であり得る。
乾燥後、溶剤膨潤したゲルは、尚任意の量の吸収した溶剤を含み得るが、但し、ゲルに含まれる溶剤の量は、乾燥工程前未満であることを条件とする。幾つかの実施形態では、乾燥させたゲルは、吸収した溶剤をほとんど、又は全く含まない。好ましい実施形態では、乾燥させたゲルは、細孔内に残留し得る。他の実施形態では、乾燥させたゲルは、細孔から除去することができる。乾燥されたゲルの除去は、当業者に公知のあらゆる方法によって実施することができる。
本発明は、図示の手段として提示される以下の実施例を参照することにより、より良く理解され得る。本発明は、本明細書に提供される実施例に制限されない。
(実施例1)−溶剤膨潤ポリマーゲルの作製方法
溶剤膨潤ポリマーゲルを作製するために、以下の手順(表1に列挙される材料の置換により)に従う。すべての工程は、周囲実験室温度下で完了させた。
1.混合物Aを形成するために、以下の構成成分を、Max 20 Speedmixerカップ内で20秒間混合した:構成成分(A)であるMA−PDMS(8,000g/molの数平均分子量を有するメタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン)中の3.53gの4.3重量%の構成成分(B)の溶液であるTnBB−MOPA(1.3モル当量の3−メトキシプロピルアミンと複合されたトリ−n−ブチルボラン)、及び16.52gの構成成分(C)であるデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)。
2.混合物Bを形成するために、以下の材料を、2つ目のMax 20 Speedmixerカップ内で20秒間混合した:構成成分(A)であるMA−PDMS中の3.51gの4.3重量%の構成成分(D)の溶液、及び16.61gの構成成分(C)であるデカメチルシクロペンタシロキサン。
3.19.41gの混合物Bを、窒素パージ雰囲気下で、電磁攪拌器を用いて連続して攪拌した電磁攪拌棒を含む8オンスのガラスジャー中の19.19gの混合物Aに添加した。
4.材料が粘稠になりすぎて(硬化により)攪拌棒が継続できなくなり、溶剤膨潤ポリマーゲル(溶剤膨潤エラストマー)が形成されるまで材料を混合し続けた。この硬化は、約30分後に発生した。
5.必要に応じて、所望の最終エラストマー含量(FEC)を達成するために、更なるD5(又は混和性流体を代用する)を添加した。
Figure 2014508640

ON−RC=有機窒素反応性化合物
IPDI=イソホロンジイソシアネート
D5=デカメチルシクロペンタシロキサン
IDD=イソドデカン
APTES=3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(実施例2)−弾性率のレオロジー試験
サンプルの弾性率測定値は、Rheometrics Dynamic Analyzer RDA IIレオメーター上の平行板ジオメトリーを使用して、周波数掃引モードで得た。報告された弾性率は、5%の歪及び10rad/秒の周波数の動的貯蔵弾性率(G’)である。この値は、エラストマー材料と関連する最も代表的なG’のプラトーとして選択された。サンプルの厚さは、典型的に、1〜3mmの範囲であった。データは、TA OrchestratorのバージョンV7.1.2.3を使用して、分析が処理されている間に収集された。すべての試験は、室温で行われた。
実施例1のサンプルの組成物が測定され、データは表2に示される。組成物番号Rと組成物番号Aの比較は、約50%以上のG’の減少が追加溶剤中で硬化したサンプルを希釈することにより得ることができることを示す。したがって、本発明の材料の弾性率は、更なる希釈又は溶剤の除去により調節することができる。
Figure 2014508640
(実施例3)−親水性的に修飾されたシリコンエラストマーを含む溶剤膨潤ポリマーゲル
溶剤膨潤ポリマーゲルを作製するために、以下の手順に従った。すべての工程は、周囲実験室温度下で完了させた。
1.混合物Aは、MA−PDMS中1.21gの4重量%のTnBB−MOPAの溶液と4.81gのD5を、Max 10 Speedmixerカップ内で20秒間混合することにより調製された。
2.混合物Bは、MA−PDMS中の1.21gの4重量%のIPDI及び10重量%のポリプロピレングリコールモノメタクリレートの溶液と4.80gのD5を、2つ目のMax 10 Speedmixerカップ内で20秒間混合することにより調製された。
3.5.61gの混合物Bを、窒素パージ雰囲気下で電磁攪拌器を用いて連続して攪拌した電磁攪拌棒を含む8オンスのガラスジャー中の5.69gの混合物Aに添加した。
4.材料が粘稠になりすぎて(硬化により)攪拌棒が継続できなくなり、溶剤膨潤ポリマーゲル(溶剤膨潤エラストマー)が形成されるまで材料を混合し続けた。この硬化は、約35分後に起こった。
5.13%の所望の最終エラストマー含量(FEC)を得るために、2.41gの更なるD5を、4.51gの膨潤したエラストマーに添加した。
(実施例4)
ガラスジャーに、脱イオン水中4gの20重量%のアクリル酸(Aldrich)の溶液を添加した。多孔質316ステンレススチール(SS)フリット(Applied Porous Technologies,Inc.,直径25mm×厚さ0.99mm、平均孔径2ミクロン)を溶液に浸漬した。小さいテフロンコーティングされた電磁攪拌棒を溶液に導入して溶液を攪拌し、窒素ガス掃引で上部をパージした。溶液に、アクリル酸の重合を開始させる1.3モル当量のメトキシプロピルアミン(TnBB−MOPA)と複合されたトリ−n−ブチルボランを含む0.16gの開始剤を導入した。約5分以内に、溶液はヒドロゲルに重合した。電磁攪拌棒を取り外し、蓋をしたガラスジャーに一晩ゲルを放置した。次いで、ゲルからSSフリットを取り出し、過剰ゲルを無塵実験用ティッシュで拭き取り、ヒドロゲル浸透基材を残す。
(実施例5)
第2のコーティングを形成するためのコーティング溶液は、2.04gのメタクリル酸の等モル付加体(Aldrich)及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン(Aldrich)と0.09gのTnBB−MOPA開始剤(Aldrich)の重合を開始させ、次いで1.03gのトルエンを添加することにより調製される。
比較実施例1
実施例5のコーティング溶液の1滴を、アルミニウム製秤量皿に置いてあった実施例4に使用されたものと同一の裸SSスチールフリットの上面上に設置した。液滴は、直ちに基材に浸透した。更に3滴を表面に添加し、同様の結果であった。皿上でフリットを横方向に移動させたとき、基材に浸透した液体の跡が見えた。
(実施例6)
実施例5のコーティング溶液の1滴を、アルミニウム製秤量皿に置いてあった実施例4で調製されたヒドロゲル含浸基材の上面上に設置した。この滴液はフリットの表面上に留まった。更に3滴を表面に添加し、フリットの表面上に支持された液体のプールが形成された。アルミニウム皿上でフリットを横方向に移動させたとき、皿上に液体は見えず、フリットが、ここで、実施例4に記載されるプロセスによるコーティング溶液に対して一時的に不透過性を付与したことを確認した。
(実施例7)
実施例6のコーティングされたフリットを、150℃で16時間、強制空気対流炉に設置し、コーティングを硬化させた。固体コーティングをフリットの表面上に残した。
(実施例8)
実施例7のコーティングされたサンプルを、更に600℃で3時間、焼成工程に曝し、溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させ、それによってミクロ孔質コーティングを形成した。焼成したコーティングの表面上にイソプロパノールを1滴落とした。溶剤は直ぐにコーティングに浸透し、基材は、フリットの多孔性が回復したことを確認した。
(実施例9)
実施例4に記載される手順は、ポリアクリル酸ヒドロゲル浸透基材を生成するために使用された。次いで、100℃で24時間、強制空気対流炉で加熱することによって、ヒドロゲルを乾燥させた。
次いで、実施例11によるエネルギー分散x線分光法(EDS)によりこの基材の表面を分析し、この工程前の裸SSフリットより非常に高い炭素含量を有することが分かった。
(実施例10a)
ガラスジャーに、150.0gの3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加した。次に、内容物を電磁攪拌棒で撹拌しながら、ガラスジャーを氷浴内に入れた。58.4gのメタクリル酸を別々に計量し、5分かけて、ガラスジャーに滴下した。混合物を窒素下にて保存した。
(実施例10)
ディップコーティング溶液は、125.4gの無水トルエン、実施例10aで調製した122.7gの混合物、及び2.5gのTnBB−MOPAを混合することにより作製された。実施例9の方法に従い調製された(しかし、乾燥工程前)ヒドロゲル浸透基材を洗浄し、過剰なヒドロゲルを無塵実験用雑巾で表面から除去し、次いで、ステンレススチール製ワニ口クリップでディップコーティング装置の垂直走行アーム上に固定した。最初に基材をディップコーティング溶液中に浸し、次いで85mm/分の速度で垂直に引き上げた。ディップコーティングされた物品を20℃で24時間硬化させ、次いでEDS及びXPSで試験する前に、100℃で24時間、強制空気対流炉で乾燥させた。
(実施例11)
サンプルの調製は、Noran Vantageエネルギー分散分光法システム(EDS)で装備されたJEOL JSM−6100走査型電子顕微鏡(SEM)での分析のために、SEMサンプルスタブ上にそれぞれのフリットを設置することからなる。サンプルは、導電性であり、導電性コーティングを必要としないため、コーティングをせずに分析された。EDS用のSEM条件は、15kV、約15mmの作業距離、開口1、及びX1Kの倍率で75秒の取得時間であった。(25%の機器不動時間をもたらすのに十分な開口/ビーム電流の組み合わせ。)それぞれのサンプルについて、3つのスペクトルを収集した。
Figure 2014508640
比較実施例2
実施例9に使用されたものと同一の裸SSフリットの表面をEDSで試験した。
比較実施例3
ディップコーティング及び同じ条件下の硬化により、実施例10と同一の組成物のコーティング溶液で裸SSフリットの表面を直接コーティングした。コーティングされたサンプルをEDSで試験し、裸SSフリットと非常に類似する金属組成物シグナルを示し、Feシグナルにおいて、1重量%未満の変化であった。これらの結果は、未コーティング多孔質フリットの表面上に検出可能なコーティングがなかったことを示す。
(実施例12)(XPS手順)
150Wで作動する単色Al Kα x線源(1486.6eV)を使用して、Kratos Analytical AXIS Nova ESCAでXPSデータを得た。表面電荷補償のために、低エネルギー電子流入が使用された。それぞれのステンレススチールサンプルをサンプルプラテン上の紙の上に載置し、差動電荷の問題を最小にするために、紙絶縁金属クリップで所定位置に保持した。それぞれのサンプルを、サンプルの「左」端からおよそ0.64cm(1/4インチ)、サンプルの中央、及びサンプルの「右」端から0.64cm(1/4インチ)の3つの場所で分析した。分析領域は、それぞれの場合において、約0.4mm×0.9mmであった。それぞれの分析位置で、低解像度調査スペクトル及び高解像度O 1s、N 1s、C 1s、及びSi 2pスペクトルを得た。
(実施例13)(XPS分析)
実施例9のサンプルの表面も、実施例12の方法に従いXPSで分析した。XPSの結果は、未処理のSSフリットと比較して、フリットの表面組成物が非常に高い濃度の元素炭素(% Cで2.8から66.9に増加)及びO−C=O結合(% Cで1.4から13.4に増加)を有したことを示し、ヒドロゲルが実際フリットの表面細孔を塞いだことを意味する。XPSの結果は、実施例10の方法に従い、実施例9のフリットをディップコーティング及び加熱処理した後、ディップコーティング前のフリットと比較して、表面組成物が非常に高い元素N(% Nで2.6から7.1に増加)及びSi(%で1.5から9.2に増加)を有したことも示し、コーティングがフリットの表面上に堆積されたことを確認した。
(実施例14)(ゼラチン充填フリット)
1−LのNalgeneビーカーに20.95gのゼラチン(Jello(商標)ブラックチェリー風味)と、250mLの純沸騰脱イオン水とを添加した。実施例4に記載される種類のSSフリットを溶液に添加した。混合物を室温に冷却した。引き続き、混合物を−18℃の冷凍庫に4時間設置した。次いで、フリットをゲル化溶液から取り出し、過剰材料をペーパータオルでフリットから拭き取った。次いで、XPSで試験する前にフリットを100℃の真空炉で24時間乾燥させた。実施例14の未コーティングのゼラチン充填フリットのXPS表面分析は、未処理のステンレススチールフリットと比較して、高濃度の元素N(%で3.0から8.6に増加)及びN−C=O結合(%Cで4.5から10.8に増加)を明らかにし、ゼラチンがフリットの表面上に存在したことを示す。
(実施例15)(ゼラチン充填とコーティングされたフリット)
実施例14に記載されるプロセスに従い調製されたフリットは、実施例10に記載される方法を使用して乾燥させる前にディップコーティングされた。次いで、XPSで試験する前にコーティングされたフリットを100℃の真空炉で24時間乾燥させた。XPSの結果は、実施例14の未コーティングのゼラチン充填フリットと比較して、コーティングされたフリットの表面組成物が非常に高い元素Si含量(%で0.9から7.0に増加)、高濃度のC−N結合(% Cで6.6から7.3に増加)、及び少ないN−C=O結合(% Cで10.8から7.8に減少)を有したことを明らかにし、コーティングがフリットの表面上に堆積したことを確認した。
(実施例16)
ポリプロピレン製容器に、8.0gのデカメチルペンタシクロシロキサンと、2.1gの8,000g/molの数平均分子量を有するα,ω−メタクリルオキシプロピルジメチルシロキシ終結ポリジメチルシロキサン(MA−PDMS)と、0.16gの氷酢酸とを添加した。溶液がフリットの底に自由にアクセスできるように、実施例4に記載される種類のSSフリットを、小さいステンレススチールワイヤスペーサー上に置かれた溶液に添加した。小さいテフロンコーティングされた電磁攪拌棒を溶液に導入して溶液を攪拌し、窒素ガス掃引で上部をパージした。溶液に、MA−PDMSの架橋を開始させる0.4gのTnBB−MOPAを導入した。約30分以内に、溶液は軟質ゲルを形成した。次いで、ゲルからSSフリットを取り出し、過剰ゲルを無塵実験用ティッシュで拭き取り、シロキサンゲル浸透基材を残す。高接触角を形成し、基材の細孔内に浸透することなく表面上に安定した状態に保たれるようにマイクロピペットでシロキサンゲル浸透フリット上に設置された脱イオン水1滴を観察し、コーティングの細孔が水性培地によって効果的に封止されたことを確認した。
(実施例17)(金属−シリコン修飾有機構造体配位ポリマー)
Cu(NO・3HO(2.416g、10.0mmol)及び(NHSiF(1.781g、10.0mmol)を、10分間の音波処理で、30gの脱イオン水に溶解した。ピラジン(1.601g、20mmol)を、10分間の音波処理で、エチレングリコール(30.11g)に溶解した。エチレングリコール溶液を、ガラス結晶皿の底に置かれた実施例16で調製した基材の上に注いだ。次いで、水溶液をエチレングリコール溶液の上にゆっくり重ね、室温で反応させて、配位ポリマーを形成した。室温で1週間後、ステンレススチールのフリットを取り出し、SSフリットの表面上に堆積される青色の結晶のクラスターを観察した。結晶に隣接したフリットの表面上に置かれる水の液滴を観察し、フリットの細孔が試薬の浸透を防止するように遮断されたままであり、よって、フリットの表面上での結晶の成長及び堆積を制限したことを示す。
利用されてきた用語及び表現は、説明の用語として使用され、制限するものではなく、そのような用語及び表現の使用において、示され、説明される特性及びその一部のいずれの等価物を除外する意図はなく、むしろ様々な修正が主張される本発明の範囲内で可能であることを認識されたい。よって、本発明は好ましい実施形態及び任意の特性によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示される内容の修正及び変形は当業者によって用いられ、そのような修正及び変形は付属の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると考えられることを理解するべきである。
ここで、開示される題目の特定の主張を詳細に参照する。開示される題目は、列挙される主張と共に説明されるが、それらは、これらの主張に対して開示される題目を制限するものではないことを理解されたい。逆に、開示される題目は、特許請求の範囲によって定義される通り、ここで開示される題目の範囲内に含まれ得るすべての代替物、修正、及び等価物を網羅することが意図される。
[請求項1]
多孔質基材のコーティング方法であって、
(i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
(ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程と、
(iii)前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する任意の工程と、
(iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、いずれかの形態の炭素、金属、金属有機構造体、セラミック又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程と、
(v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
を含む方法。
[請求項2]
前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する前記任意の工程が、実施される、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
前記基材がフリットである、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項4]
前記溶剤膨潤ポリマーゲルが、ヒドロゲル、有機ゲル、オレオゲル、又はアルコゲルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[請求項5]
前記表面上に第1のコーティングを形成する工程が、
前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
[請求項6]
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを塗布することが、浸漬コーティング、スピンコーティング、浸し塗り、吹き付け、ブラッシング、ロールコーティング、押出、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
[請求項7]
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することが、フリーラジカル重合、ヒドロシリル化硬化、縮合硬化、放射線硬化、ペルオキシド硬化、又は、周囲温度、周囲以下温度、高温、湿気、ガス、液体、蒸気、固体若しくは放射線への曝露のうちの少なくとも1つを含む、請求項5又は6に記載の方法。
[請求項8]
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
任意に、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
構成成分(C)である溶剤と、
任意に、構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
任意に、構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
[請求項9]
前記第2のコーティングが、少なくとも1つのガスに対して選択的に透過性である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[請求項10]
前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、金属有機構造体を含む第2のコーティングを形成することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項11]
前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、セラミックを含む第2のコーティングを形成することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[請求項12]
前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、
前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第2のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[請求項13]
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングが、
構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
任意に、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
構成成分(C)である溶剤と、
任意に、構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
任意に、構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
多孔質基材のコーティング方法であって、
(i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
(ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程であって、
前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
を含み、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物と、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である液体と、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、
を含み、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)が存在する工程と、
(iii)任意に、前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する工程と、
(iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程であって、
前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第2のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
を含み、
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングが、
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である溶剤と、
任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)が存在する工程と、
(v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
を含む方法。
[請求項15]
多孔質基材のコーティング方法であって、
(i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
(ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程であって、
前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
を含み、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である溶剤と、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する工程と、
(iii)任意に、前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する工程と、
(iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、いずれかの形態の炭素、金属、金属有機構造体、セラミック又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程であって、
前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
前記第2のコーティングを形成する前記コーティングから第2のコーティングを形成することと、
を含み、
前記第2のコーティングが、セラミック又は金属有機構造体のうちの少なくとも1つを含む工程と、
(v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
を含む方法。

Claims (15)

  1. 多孔質基材のコーティング方法であって、
    (i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
    (ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程と、
    (iii)前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する任意の工程と、
    (iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、いずれかの形態の炭素、金属、金属有機構造体、セラミック又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程と、
    (v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
    を含む方法。
  2. 前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する前記任意の工程が、実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基材がフリットである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶剤膨潤ポリマーゲルが、ヒドロゲル、有機ゲル、オレオゲル、又はアルコゲルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記表面上に第1のコーティングを形成する工程が、
    前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを塗布することが、浸漬コーティング、スピンコーティング、浸し塗り、吹き付け、ブラッシング、ロールコーティング、押出、スクリーン印刷、又はインクジェット印刷のうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することが、フリーラジカル重合、ヒドロシリル化硬化、縮合硬化、放射線硬化、ペルオキシド硬化、又は、周囲温度、周囲以下温度、高温、湿気、ガス、液体、蒸気、固体若しくは放射線への曝露のうちの少なくとも1つを含む、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
    構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
    任意に、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
    構成成分(C)である溶剤と、
    任意に、構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
    任意に、構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
    構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第2のコーティングが、少なくとも1つのガスに対して選択的に透過性である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、金属有機構造体を含む第2のコーティングを形成することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、セラミックを含む第2のコーティングを形成することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記表面上に第2のコーティングを形成する工程が、
    前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第2のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
    を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第2のコーティングを形成する前記コーティングが、
    構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
    任意に、構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
    構成成分(C)である溶剤と、
    任意に、構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
    任意に、構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
    構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する、請求項12に記載の方法。
  14. 多孔質基材のコーティング方法であって、
    (i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
    (ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程であって、
    前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
    を含み、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物と、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である液体と、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、
    を含み、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)が存在する工程と、
    (iii)任意に、前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する工程と、
    (iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程であって、
    前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第2のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
    を含み、
    前記第2のコーティングを形成する前記コーティングが、
    前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
    任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
    前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である溶剤と、
    任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
    任意に、前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
    前記第2のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物であるとき、構成成分(B)が存在する工程と、
    (v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
    を含む方法。
  15. 多孔質基材のコーティング方法であって、
    (i)少なくとも1つの表面が複数の細孔を備える基材を提供する工程と、
    (ii)前記細孔を少なくとも部分的に充填するのに十分であるように、溶剤膨潤ポリマーゲルを含む第1のコーティングを前記表面上に形成する工程であって、
    前記第1のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第1のコーティングを形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングを硬化することと、
    を含み、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングが、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)であるフリーラジカル重合性化合物又は有機ポリマーと、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(B)である有機ボランフリーラジカル開始剤と、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(C)である溶剤と、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(D)である有機窒素反応性化合物と、
    任意に、前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(E)である重合性コモノマーと、を含み、
    前記第1のコーティングを形成する前記コーティングの構成成分(A)がフリーラジカル重合性化合物を含むとき、構成成分(B)が存在する工程と、
    (iii)任意に、前記細孔内に前記溶剤膨潤ポリマーゲルを含む、実質的に曝露した基材表面を形成するのに十分であるように、前記第1のコーティングを前記表面から除去する工程と、
    (iv)前記曝露した基材表面上に、ポリマー、ケイ酸塩、いずれかの形態の炭素、金属、金属有機構造体、セラミック又はそれらの組み合わせを含む第2のコーティングを形成する工程であって、
    前記第2のコーティングを形成するコーティングを塗布することと、
    前記第2のコーティングを形成する前記コーティングから第2のコーティングを形成することと、
    を含み、
    前記第2のコーティングが、セラミック又は金属有機構造体のうちの少なくとも1つを含む工程と、
    (v)前記細孔内の前記溶剤膨潤ポリマーゲルを乾燥させる工程と、
    を含む方法。
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