JP2014508217A - ウラン及びモリブデンを基にした合金の粉を調製するための方法 - Google Patents

ウラン及びモリブデンを基にした合金の粉を調製するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、準安定γ相のウランを基にして及びモリブデンを含む合金の粉末を調製するための方法に関し、その方法は、
a)酸化ウラン及びその混合物、フッ化ウラン及びその混合物から選択される少なくとも1つの第1試薬を、モリブデンの存在する第2試薬及び還元金属の存在する第3試薬に入れて接触させ、第1、第2及び第3試薬が分離した形態にある工程、
b)その試薬を温度≧第3試薬の溶融温度で且つ不活性雰囲気下で反応させ、それによりこの反応が粉末の形態にあるウラン及びモリブデンを含む合金の形成につながり、その粒子は還元金属酸化物又はフッ化物の層で覆われる工程、
c)そのように形成された粉末を450℃/時に少なくとも等しい速度で冷却する工程、及び、
d)ウラン及びモリブデンを含む合金の粉末の粒子を覆う還元金属の酸化物又はフッ化物層を除去する工程を、備える。
また、この方法を実装する核燃料を製造するための方法に関する。
応用:核燃料、特にMTR用のもの、の製造。

Description

本願発明は、ウラン及びモリブデンを基にして、準安定γ相にあり及び、特に二元合金UMo又は三元合金UMoXであって、Xは、ウラン及びモリブデン以外の金属を表している、合金の粉を調製するための方法に関する。
また、この方法を実装する核燃料を製造する方法に関する。
そのような合金の粉は、実際に、核燃料の製造方法に入ることができ、そして、それは、特には、実験的な核反応炉のための燃料であって、その実験的な核反応炉は、MTR(材料試験炉)の文字でより知られており、例えば、カダラーシュのCEAのジュール・ホロヴィッツ炉(JHR)、ラウエ−ランジュバン研究所の高束反応炉(HFR)、又はベルギーのモルの地の高中性子束反応炉BR−2がある。
1950年代までには、MTRに使われる燃料は、本質的に、一立方センチ当たりウラン1.25gの特定負荷のため93%の質量含有率のウラン235を有するウラン及びアルミニウムの合金から構成されていた。
1977年から、米国により推進されている、核兵器の拡散のリスクを減らす目的で、したがって、MTRに使用される燃料のウランの濃縮度を下げる目的、のプログラムが、国際的なレベルで実行された。これは、RERTR(研究・試験炉燃料の濃縮度低減化)プログラムである。
結果的に、MTRの核燃料として使用することができる一方ウラン235の質量含有量が20%を超えない新しいウラン合金の開発は、多くの知識をもたらした。
このように、ウラン及びシリコンを基にした合金並びにウラン及びモリブデンを基にした合金が特に研究された。後者のタイプの合金は、最も興味深い特性を有しているものであり、それは、燃料コアの立方センチ当たり8.5gのウランの特定負荷に達する一方この負荷はウランシリサイドについて立方センチ当たり多くとも4.8gのウランだけであるという可能性を与えるからである。
準安定γ相のウラン及びモリブデンの合金の粉末を調製するため、一定の数の方法が、今日までに提案されてきており、それらは3つの大きな種類にグループ分けされることができる。
最初の種類の方法は、「融解原子化」と呼ばれており、真空チャンバーに配置された耐火るつぼにおいて1150℃を超える温度でウラン金属とモリブデンを溶かして、ついで、その融けた塊をチャンバーが備えている回転するディスクに注ぎ込む一方冷却ガス(アルゴン又はヘリウム)が同時にこのチャンバーに導入されることからなる。
回転するディスクの中心力の効果の下で、融けた塊は、チャンバーの壁に液滴の形で発射される。これらの液滴は、すぐに、冷却ガスにより準安定γ相に固形化され、このγ相は、ウランの3つの同素体相(すなわち、α、β、及びγ)からものであり、それは、照射の下で分裂ガスを溶解するのに非常によい能力で良好な性質を示す。
特許文献1(仏国特許出願277688号明細書)、特許文献2(米国特許第5978432号明細書)及び特許文献3(特開昭55−054508号公報)にとりわけ記載されている、これらの方法は、得られた粉末の粒子の形状又はこれらの粉末の微粒子間間隙率の制御が可能ではない。したがって、その粒子は、必然的に、球状又は準球状(すなわち、それらの最大寸法(Dmax)及びそれらの最小寸法(Dmin)の間の比率が1.1よりも低い)であり、一方微粒子間間隙率は、それ自体存在していない。
現在、合金粉末の粒子が球状又は準球状であることは望ましくなく、これは、燃料要素がそれらの製造中に受ける回転において分裂粒子の分離を誘発するかもしれないからであって、これらの粒子が間隙を欠くことは望ましくないのであり、そのような間隙は、実際に、分裂ガスがバッファタンクの燃料中に存在することを確実にして、それにより、この燃料が照射状態において膨張するのを遅らせる可能性をもたらす。
さらに、これらの方法により得られた合金粉末の粒子は、モリブデン含有量がこれらの粒の中央と周辺で異なる粒から構成される。
第2の種類の方法は、「機械的融合フラグメンテーション」によるものと言われており、ウラン金属及びモリブデンから、融解/固形化によりこの合金を準γ相にするためにUMo合金のインゴットを形成し、ついで、これらのインゴットを、それらをミルすることにより(例えば、低温ミルにより)、又はそれらを削りくずの形態に切削加工して次いでミルすることのいずれかにより、粉末にする。
これらの方法は、得られる合金粉末の粒子により示される多くの数の特性、特に粒子の形状、寸法、及び粒子間間隙率の再現性を制御する又は確実にする可能性を与えない。
さらに、これらの粉末の粒子は、強い加工硬化率を備えた微細構造を有する粒からなり、それゆえ、先験的に不安定であり、照射状況において強く放出するかもしれない。
結果的に、固形化された金属合金の機械的フラグメンテーションは、工業スケールで適用することは困難であり、これは、かえって、合金の増大した反応性を誘発して、酸化及び/又はこのフラグメンテーションを達成するために使用される設備(例えばミルボール)によるこの合金の汚染のリスクを伴う。
この第2の種類の方法は、その上、工業的な将来性を有しないものとして通常認識されている。
第3の種類の方法は、「化学的融合フラグメンテーション」によるものと言われており、第2の種類の方法と区別され、ウラン及びモリブデン合金インゴット粉末の状態への還元は、機械的な処理によるものではなく、化学処理により達成される。
この化学的処理、それは、非特許文献1(Chen et al. in Journal of Nuclear Materials, 400(1), 62-72, 2010)により特に記載されており、最初に、インゴットを覆う酸化表面層を除去し、準安定γ相をα相に分解するために500〜650℃の温度にインゴットを加熱し、ついで、アルゴン雰囲気中でミルする前に、水素化工程についで脱水素工程をそれぞれ含む何れかのサイクルにインゴットをさらす。このミルの終わりに、大きすぎる寸法の粒子は、選別により除去され、ついで、準安定γ相合金粉末を再安定化させるために、900℃を超える温度で、均質化熱処理が実行される。
仏国特許出願277688号明細書 米国特許第5978432号明細書 特開昭55−054508号公報
Chen et al. in Journal of Nuclear Materials, 400(1), 62-72, 2010 C. Souchier in <<Analyse d’images>>, (Image Analysis), in Techniques de l’Ingenieur, Traite Analyse Chimique et Caracterisation, P855, 1-18, 1998
そこでも、これらの方法は、得られる粉末の粒子の形状、寸法、及び粒子間間隙率の再現性を制御する又は確実にする可能性を与えない。これらの方法は、安全性に関してより制限的であり、それは水素化工程のために水素を使用するからである。さらに、それらは、多くの数の工程を含み、酸素が完全にパージされた雰囲気での実施が必要である欠点を有する。
したがって、前述のものを考慮して、発明者達は、準γ相のウラン及びモリブデンを基にした合金の粉末の調製を可能にする方法を提供することを目標として設定しており、それは、通常、そのような粉末を調製するのに今日提案されている方法により示されるさまざまな欠点がないものである。
より詳しくは、発明者達は、準γ相のウラン及びモリブデンを基にした合金の粉末を再現可能な方法で得る可能性を与える方法を提供することを目標として設定しており、それは、その粒子が、この粉末からの核燃料の製造を容易にすることができ、照射状態でこれらの燃料の振る舞い、特に、分裂ガスを保持する能力を最適化する、特に形状、寸法及び微粒子間間隙率及びモリブデンの配分における均一性の特性を有する。
発明者達は、また、この方法は、分裂材料の応用における特定の制限に沿うべきこと、並びに最善に臨界の危険及び分裂材料で汚染された液体流出物の生産を特に制限すること、したがって再処理を必要とすることを目標に設定する。
さらに、発明者達は、この方法が、上述の利点を有する一方、比較的簡単に適用することができ、工業スケールの利用と両立するコストを有することを目標に設定する。
これらの目的及びさらなる他の目的は、準安定γ相のウラン及びモリブデンを備えた合金の粉末を調製するための方法を提案する本願発明により達成され、その方法は、
a)酸化ウラン及びその混合物、フッ化ウラン及びその混合物から選択される少なくとも1つの第1試薬を、モリブデンの存在する第2試薬及び還元金属の存在する第3試薬に入れて接触させ、第1、第2及び第3試薬を分離した形態にある工程、
b)そのように接触させた試薬を第3試薬の溶融温度と少なくとも等しい温度で且つ不活性雰囲気下で反応させ、それによりこの反応が粉末の形態にあるウラン及びモリブデンを備える合金の形成につながり、その粒子は還元金属酸化物又はフッ化物の層で覆われる工程、
c)そのように形成された粉末を450℃/時に少なくとも等しい速度で冷却する工程、及び、
d)ウラン及びモリブデンを含む合金の粉末の粒子を覆う還元金属の酸化物又はフッ化物層を除去する工程、
を備える。
本発明によれば、第1試薬は、好ましくはウラン酸化物であり、ここで、該ウランの酸化数は、4〜6の範囲にあり、すなわち、二酸化ウラン(UO)、三酸化ウラン(UO)、ウラン三二酸化物(U)、四酸化ウラン(U)、又はそれらの混合物であり、それらが粉末の形態で使用される。
しかしながら、これは、また、ウランフッ化物、たとえば、ウラン四フッ化物又はウランフッ化物の混合物であることができ、また粉末の形態であることができる。
第1試薬の粒子の寸法は、工程b)において形成される合金粉末の粒子寸法に大きな影響があり、合金粉末の粒子は、(レーザー回折により測定される)20〜100μmの範囲の寸法を有することが好ましく、ウラン酸化物粉末が好ましく使用され、その粒子は(レーザー回折により測定される)1〜100μmの範囲の寸法を有し、さらによいのは、5〜50μmであることを理解すべきである。
これをするために、ウラン酸化物粉末は、その使用の前に、非常に小さな又は非常に大きな寸法の粒子を除去することを可能にする1つ又はいくつかのふるい分けを受けることができる。
さらに、ウラン酸化物粉末は、この粉末の粒子の表面に見出されることがありうる可能な化学種(水、オキシ水酸化物、...)をクリアにするために、オーブンタイプの処理を受けることもでき、及び/又は、この粉末の酸素含有物をウランについての化学量論関係に戻すようにするために、還元雰囲気、たとえば、アルゴン及び水素の混合物からなる雰囲気で、加熱処理、例えば、600〜1000℃の温度での処理を受けることができる。
より好ましくは、第1試薬は、ウラン二酸化物粉末であって、ウラン235含有量がこの粉末の総ウラン含有量の1〜20原子%であらわされ、且つ任意選択的に、その化学量論比率U/Oが2に等しいか、又は実質的に2に等しいように処理されているものである。
第2試薬、すなわち、モリブデンは、また、好ましくは、粉末の形態で使用される。
そしてまた、この粉末の粒子の寸法は、工程b)で形成される合金粉末の粒子寸法に影響がある限りにおいて、そのモリブデン粉末は、好ましくは、(レーザー回折により測定される)その寸法が、多くとも250μmであり、さらに好ましくは、5〜150μmの範囲の粒子から構成される。
第3試薬、すなわち、還元金属に関して、それは、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウム)及びアルカリ土類金属(ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム及びラジウム)から有利に選択される。
より詳しくは、第3試薬はアルカリ土類金属であり、特に、マグネシウム又はカルシウムであって、それらは粉末の形態で、又は削り屑又は切粉の形態で使用されるのが好ましい。
本発明によると、工程a)は、第1、第2及び第3試薬の単純な撹拌を進行させることにより、次いで、工程b)を実行させることを意図してこの混合物を反応容器に導入させることにより、達成されることができる。その場合において、3つの試薬の撹拌は、Turbula(登録商標)タイプの粉末の攪拌機で実行されるのが好ましく、これらの粉末を形成する粒子の凝集作用を誘発することなく異なる密度及び粒子寸法の粉末の緊密な撹拌を可能にし、それらの粒子寸法の調節が可能になる。
代わりに、工程a)は、また、反応容器において、試薬の均一な混合物から構成されるペレットの少なくとも1つの層を堆積させることにより、実行されることができ、例えば、Turbula(登録商標)タイプの粉末の攪拌機においてこれらの試薬の両方を撹拌させることにより、ついで、結果の混合物を一軸圧縮及び第3試薬の少なくとも2つの層にかけて、ペレットの層が第3試薬の両方の層の間に挿入されて、前もって調製されうる。
すべての場合において、第1、第2及び第3の試薬は、工程b)の終わりで望まれるものに従ったモリブデン含有量を有するが酸化物又はフッ化物の形態ではウランが存在していない合金の粉末が得られる可能性を与える比率で接触させるようにするのが好ましい。
したがって、例えば、第1試薬が二酸化ウランであって、第3試薬がマグネシウムである場合、工程b)で起こる反応は、以下の単純化された機構によって書かれることができる。
UO2 + 2Mg + Mo → UMo + 2MgO
10%のモリブデンの質量含有量を有する合金の粉末を得るために、1.22gの二酸化ウラン及び0.12gのモリブデンが、そこで、使用され、マグネシウムの量は、二酸化ウランの全体を還元するのに必要とされる(すなわち、上で述べられている反応の場合、1モルの二酸化ウランに対して2モルのマグネシウム)理論量のマグネシウムに少なくとも等しい。
安全マージンを提供し且つ二酸化ウランの全体還元を確実にするために、必要なマグネシウムの理論量の多くとも2倍に対応する過剰なマグネシウムを使用することが可能である。そこで、前の例においては、使用されるマグネシウム量は、0.4391gのマグネシウムである。
本発明によれば、工程b)は、モリブデン反応容器において実行されるのが好ましく、それは、容器の材料からの、元素、特に金属元素によって、望ましく調製される合金の粉末が汚染されるのを避けるためである
前に示したように、工程b)は、第3試薬の融点と等しいか又は大きい温度で実行され、それは、この温度は、例えば、第3試薬がマグネシウムであれば少なくとも650℃であり、第3試薬がカルシウムであれば少なくとも842℃であることを意味する。
実際に、本発明の範囲内においては、工程b)は、900℃に等しいか又は高いがウラン及びモリブデンを含む合金の融点よりは低い温度で実行されるのが好ましい。
典型的には、工程b)で使用される温度は、950から1150℃の間に含まれ、理想的な温度は、例えば、1100℃である。
さらに、この温度は徐々に達するのが好ましい。また、工程b)では、温度の上昇、有利には50〜200℃/時を含む。
工程b)は、不活性ガス又は不活性ガスの混合物、例えばアルゴン又は窒素及びアルゴンの混合物の多くとも1barの圧力の下で実行されるのが好ましい。
工程b)の所要時間は、この工程で使用される温度及びこの温度に達する速度に依存する。したがって、例えば、等しい温度上昇時間で、950℃で実行される反応では、48時間を要するが、1100℃で実行される反応では24時間で十分である。
先に示されているように、工程c)は、ウラン及びモリブデンを含む合金を準安定γ相にする目的であり、450℃/時に等しいか又は大きい冷却速度を使用することにより実行される。
これをするために、反応容器は、室温に維持された又は室温以下の温度に維持された伝熱流体、例えば、水浴又はシリコン油タイプの油浴に浸すことにより冷却されるのが好ましい。
本発明によれば、工程d)は、異なる方法により実行されることができる。
したがって、工程b)において形成された合金粉末の粒子(同様にもし還元金属が余分に使用されたなら過剰の還元金属)を覆う層をこの層の溶解により、例えば、塩化水素の溶液のような、酸水溶液相、又は水素化された基を含む1つ又は幾つかの溶媒を含む有機相で、例えば、この合金粉末を処理することにより、除去することが、特に可能である。
しかしながら、この方法での進行が、工業スケールで実施される場合に、臨界の危険を管理することに関する問題をもたらすだけではなく、再処理を必要とする大量の液体流出物の産出を発生させる程度において、工程d)が流動床で、工程c)の終わりに得られた合金の粉末の粒子をミルすることにより好ましく実行される。
そのようなミルは、実際には、合金粒子を覆う層の脱離、摩耗によるこの層の微粒子に分取すること、及び、合金粒子からそれにより生成された微粒子の湿式粉砕による分離(前記微粒子は実際には合金粒子より3〜4倍又はさらにそれ以上少ない密度である)及びこれのどのような液体相も使用しないもの、の両方を確実にすることの可能性を与える。
本発明によれば、流動床でのミルは、特に、合金の粒子を覆う層が酸化層である場合に、優先的に、反応性ミルであり、化学反応と一緒に実行される。
その場合において、粒子を覆う層と反応し且つそれによるこの層の膨張、下にある合金からのそれの脱離及びそれの摩耗を促進することのできるガスが、流動化ガスとして使用される。
有利には、この化学反応は、優先的には150〜475℃の範囲の温度で実行される炭酸塩反応であり、流動化ガスとして二酸化炭素ガス又は二酸化炭素ガス及び不活性ガスの混合物及び/又はスチームを使用し、スチームの存在は実際に炭酸塩反応の加速を可能にする。
しかしながら、スチームは、凝縮により、臨界の危険をもたらすかもしれないので、このスチームは、流動化ガスの体積で10%以上を示さないようにするのが好ましい。典型的には、流動化ガスのスチーム含有量は、体積で、0.03%〜5%の範囲である。
流動化ガスは、好ましくは、1barと等しいか又は大きい圧力、さらに良好には、約10barの圧力で使用され、そのような圧力の使用は、実際に、このガスと合金粉末の粒子を覆う層との間の化学反応を促進することを可能にし、下にあるものからこの層の分離が可能である。
さらに、流動化ガスは、好ましくは、合金粒子のいわゆる自由落下終率に達することなく、除去される微粒子のいわゆる自由落下速度を超える可能性がもたらされるいわゆる表面速度で使用される。所与の粒子の自由落下終速度は、粒子の上方垂直流れの場合には設定垂直高さで、この粒子が安定して(すなわち、平衡にあって)維持されることを可能にする流動化ガスの最大速度に対応する。この速度は、粒子の寸法、その密度及びその形態に依存する。
本発明の範囲内において、そのような表面速度は、典型的には、3〜20cm/sである。
合金粉末の粒子を覆う層の分離及び脱離を促進するために流動化床内に振動の処置を講じることを、例えば、振動するロッド又は導波体を備えた、この流動床が実装されるリアクターを装備することにより、可能にする。
実際に、定義により、流動床は、巨視的には流体のように振る舞い、合金粉末の粒子のミルは、この床に振動を発生させる装置の存在により乱されることがなく、したがって、さらには、合金粉末粒子の特性を変更することはなく、合金粉末の粒子を覆うこの層の脆化を許すことが可能なエネルギーの追加源の供給から利益を得ることができる。
さらに、合金粉末の粒子を覆う層の分離及び脱離を促進するために、流動床が熱衝撃を受けることも可能であり、例えば、流動化ガスが250〜400℃の温度である第1期間に続いて第1期間のものよりも短い時間の第2期間を含むサイクルの連続によって、第2期間の間、流動化ガスは、このガスが第1期間の間有する温度よりも100℃低い温度で、この床に流動化ガスを供給することによることができる。これは、流動床は、通常素晴らしいガス/固体熱交換器としてみなされるという事実により、非常に適切になされる。
本発明によると、流動床は、有利には、ジェット床である。実際に、この種類の流動床は、流動化及びさらには合金粉末の粒子を覆う層の湿式粉砕による脱離、摩耗及び分離現象の最適化を可能にすることが困難な、強度の見かけ密度の粉末の流動化に、特によく適している。
流動床中のミルは、相対的に緩やかなミル方法に対応するので、非常に効率的に、合金粉末の粒子を覆う層を除去する間に、これらの粒子の形態及び粒子寸法を全体的に保持する可能性を与えることに留意すべきである。
本発明によれば、ウランを基にしてモリブデンを含む合金の粉末は、好ましくは、
− 二元合金UMoの粉末、すなわち、ウラン及びモリブデンからのみ構成される合金であって、モリブデンは、優先的には、この合金の質量で、5〜15%で、さらに良好であるのは、質量で、7〜10%で表され、又は
− 三元合金UMoXの粉末であって、Xは、ウラン及びモリブデン以外の金属を表しており、照射の下で核燃料の振る舞いをさらに改善することができ、その場合において、モリブデンは、優先的には、この合金の質量で、5〜15%で、さらに良好であるのは、質量で、7〜10%で表され、一方、Xは、特に、チタン、ジルコニウム、クロム、シリコン、ニオビウム、白金、錫、ビスマス、ルテニウム又はパラジウムであることができ、典型的には、合金の質量で、多くとも6%、そして、さらに良好なのは、前記合金の質量で、多くとも4%である。
本発明に従う方法によって三元合金UMoXの粉末を生産するためには、金属Xを分配した方式で、工程a)で使用される試薬に追加することで十分であり、この追加は、特に、すでにモリブデンと合金化された形態の金属Xを使用することにより達成されることができる。
本発明による方法は、多くの利点を有する。
実際、最初に、粒子により特徴づけられた合金粉末を得ることにつながり、
− 合金は、100%の立方心相、すなわち、3.417Åの格子パラメーターの準安定相γにあり、
− (レーザー回折により測定される)寸法は、20〜100μmの範囲にあり、
− それは、1.1〜2の間に含まれる、伸長指数又はパラメーター(すなわち、非特許文献2(C. Souchier in <<Analyse d’images>>, (Image Analysis), in Techniques de l’Ingenieur, Traite Analyse Chimique et Caracterisation, P855, 1-18, 1998)により記載された方法論による、電子又は光学顕微鏡使用画像から決定されるような最大フェレット直径と最小フェレット直径の比率)を有し、及び、
− それは、(ASTM E1245-03基準により、研磨された切断面の、走査電子顕微鏡画像から決定されるような)非ゼロである近接空隙率値を有し、それは、粒子の多くとも5%(v/v)を表わし、それは、寸法(すなわち、前述の非特許文献2で記載されているような電子又は光学的顕微鏡画像から決定される等価直径)が大きくとも3μmに等しい孔から構成される。
さらに、走査電子顕微鏡による分析とエネルギー分散分光法による分析との組み合わせは、モリブデンがこれらの粒子を形成する粒について均一に配分されることを示し、それは、同じ粒内のモリブデン成分の変化が質量で多くとも1%であるからである。
この結果は、これらの合金粉末は、これらの粉末からの核燃料の製造及び照射の状態におけるこれらの燃料の振る舞い、特に分裂ガスを保持するそれらの能力、の最適化を容易にすることができる特性を有する。
さらに、この方法は、
− 核燃料工業において通常製造される粉末である酸化ウラン又はフッ化ウランの粉末をこれらの粉末に価値を追加するため合金の成分に入るウランの前駆体として使用する可能性を与え、
− 工程b)を実行する可能性を与え、それは、この合金の融点よりも低い温度での、合金粉末の形成につながり、それに伴って、特に、得られる粉末の形状の、寸法の及び粒子間の間隙率の特性を保持することができ、
− 工程d)を実行する可能性を与え、それは、500℃よりも低い温度で、合金粉末の粒子を覆う還元酸化又はフッ化金属の層を除去する目的であり、それに伴って、これが、工程b)の終わりに得られるような合金の粉末の粒子の形態及び粒寸法を実質的に変更することなく、合金に見られる準安定γ相保持することを可能にし、
− 水溶性又は有機液相を使用することなく工程d)が実行されることを可能にすることにより、臨界の危険を最大に制限する可能性を与え、及び
− 分裂材料で汚染されたどのような液体流出物をも産出することがない可能性を与える。
したがって、本発明による方法は、ウラン及びモリブデンを基にした合金の粉末の調製に適しており、それは、核燃料、特にMTR向けの燃料の製造に入ることが意図されている。
結果的に、本発明の目的は、また、前に定義されているように準安定γ相のウラン及びモリブデンを含む合金の粉末を調製するための方法の実施を含む核燃料を製造するための方法である。
典型的には、この製造の範囲内及びこれは最新技術でよく知られているように、準安定γ相のウラン及びモリブデンを含む合金の粉末が、燃料コアを形成するため、アルミニウムの粉末又はアルミニウムを基にした合金と混ぜられ、そしてこの混合物は、ついで、ローリングを受け、それをプレートの形状にすること及びそれを被覆することの両方の可能性を与える。
本発明の他の特性及び利点は、続く追加の記載から明らかになり、そしてそれは、二元合金UMo又は三元合金UMoXの粉末を調製するための本発明による方法を実施するための実施例に関する。
これらの実施例は、本発明の例示の目的としてのみ与えられ、この目的の制限を形成するものでは決してないことは明らかである。
実施例1:二元合金UMoの粉末の調製
モリブデンを質量で10%備える100gの二元合金UMoの粉末が以下の方法で調製される。
まず第一に、直径で12mmで2mm厚の寸法の均一な混合物U/Moのペレットが製造される。
これを行うため、102.1gのUO粉末(U/O〜2)の混合物、その粒子は(レーザー回折により測定されるような)1〜50μmの範囲の寸法を有し、Turbula(登録商標)攪拌機に20分間、45周期/分の速度で入れられ、この混合物はついで100MPaの圧力を適用することによる一軸圧縮を受ける。
その後、UO/Moペレットの層及びマグネシウム削り屑の層が、その最も大きな寸法が1〜3mmの範囲にあって、モリブデンるつぼに堆積され、UO/Moペレットの各層がマグネシウム削り屑の2つの層の間に挿入されている積層体を形成するようにする。それによりるつぼに導入されたマグネシウムの量は約37gである。
このるつぼは、1barより少ない、アルゴンの、わずかな圧力の下で密閉的に閉じられている。ついで、オーブンに配置され、1100℃の温度に達するため、150℃/時の速度で加熱される。ついで、るつぼは、この温度でオーブンに残され、オーブン中のるつぼの存在時間は、全部で24時間であるようにする。
この処理の終わりで、るつぼは、室温に維持された水浴に浸すことにより、1000℃/時の速度で冷却される。
るつぼに含まれる粉末は、回収され、流動化ガスとしてCO及びスチームの混合物(98/2 v/v)を使用することにより、450℃の反応温度及び5barの圧力で、ジェット流動床を備えたミル機械中で、反応性ミルを受ける。ミル機械の出口のCO/スチームガス混合物の速度は、12cm/秒である。
質量で10%のモリブデンを含む100gの粉末のUMo合金は、それにより得られ、その粒子からは、完全にマグネシウム及び酸化マグネシウムがパージされている。
実施例2:三元合金UMoTiの粉末の調製
モリブデンを質量で9%備え、チタンを質量で1%備えた100gの三元合金UMoTiの粉末が、9gのモリブデン、1gのチタンが使用され、マグネシウムが過剰に(約37g)使用される点を除いて、実施例1に記載されたものと同じ操作手続に従って、調製される。

Claims (28)

  1. ウランを基にして及びモリブデンを含む、準安定γ相の、合金の粉末を調製するための方法であって、その方法は、
    a)酸化ウラン及びその混合物、フッ化ウラン及びその混合物から選択される少なくとも1つの第1試薬を、モリブデンの存在する第2試薬及び還元金属の存在する第3試薬に入れて接触させ、第1、第2及び第3試薬が分離した形態にある工程、
    b)そのように接触させた試薬を第3試薬の溶融温度と少なくとも等しい温度で且つ不活性雰囲気下で反応させ、それによりこの反応が、粉末の形態の、ウランを基にして及びモリブデンを含む合金の形成につながり、その粒子は還元金属酸化物又はフッ化物の層で覆われる工程、
    c)そのように形成された粉末を450℃/時に少なくとも等しい速度で冷却する工程、及び、
    d)ウランを基にして及びモリブデンを含む合金の粉末の粒子を覆う還元金属の酸化物又はフッ化物層を除去する工程を、含む方法。
  2. 第1試薬は、二酸化ウラン、三酸化ウラン、ウラン三二酸化物、四酸化ウラン、又はそれらの混合物から選択される、酸化ウランの粉末である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸化ウラン粉末は、その粒子の寸法が、1〜100μmの範囲であり、好ましくは、5〜50μmである、粒子から構成される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸化ウラン粉末は、2に等しいか、又は実質的に2に等しい化学量論比率U/Oを有する酸化ウラン粉末である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記第2試薬は、粉末の形態であり、その粒子は、250μmよりも少なく、好ましくは、5〜150μmの範囲の寸法を有している、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記第3試薬は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択される、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記第3試薬は、粉末、又は削り屑又は切粉の形態で使用されるアルカリ土類金属である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第3試薬は、マグネシウム又はカルシウムである、請求項7に記載の方法。
  9. 工程a)は、反応容器において、第1及び第2試薬の均一な混合物から構成されるペレットの少なくとも1つの層及び第3試薬の少なくとも2つの層を堆積させることにより、実行され、前記ペレットの層は、第3試薬の両方の層の間に挿入されている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 工程b)は、900℃に等しいか又は高いが、ウラン及びモリブデンを含む合金の融点よりは低い温度で実行される、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 工程b)は、950〜1150℃の範囲の温度で実行される、請求項10に記載の方法。
  12. 工程b)では、50〜200℃/時の温度の上昇を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 工程d)が、流動床で、工程c)の終わりに得られた合金の粉末の粒子をミルすることにより、実行される、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 流動床中でミルすることが、化学反応と一緒に実行される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記化学反応は、炭酸塩反応である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記炭酸塩反応は、150〜475℃の範囲の温度で実行され、且つ、流動化ガスとして二酸化炭素ガス又は二酸化炭素ガス及び不活性ガスの混合物及び/又はスチームを使用する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記スチームは、流動化ガスの体積で多くとも10%を示し、好ましくは、このガスの体積で、0.03%〜5%である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記流動化ガスは、1bar絶対圧より大きい圧力で、並びに3〜20cm/sの範囲の速度で使用される、請求項16又は17のいずれかに機械の方法。
  19. 前記リアクターは、流動床がこの床中に振動を発生する装置を備えて、実装されている、請求項13〜18のいずれか1つに記載の方法。
  20. 流動化床中に振動を発生する装置は、振動するロッド又は導波体である、請求項19に記載の方法。
  21. 工程d)は、流動化ガスを使用することにより実行され、流動化ガスが250〜400℃の温度である第1期間に続いて、第1期間のものよりも短い時間の第2期間を含み、第2期間の間、流動化ガスが、このガスが第1期間の間有する温度よりも少なくとも100℃低い温度である、それぞれのサイクルの連続に従う、請求項13〜20のいずれか1つに記載の方法。
  22. 工程d)は、ジェット流動床中で実行される、請求項13〜21のいずれか1つに記載の方法。
  23. ウランを基にして及びモリブデンを含む合金の粉末は、二元合金UMoの粉末である、請求項1〜22のいずれか1つに記載の方法。
  24. 二元合金UMoのモリブデン質量含有率は、5〜15%で、好ましくは、7〜10%である、請求項23に記載の方法。
  25. ウランを基にして及びモリブデンを含む合金の粉末は、三元合金UMoXの粉末であって、Xは、ウラン及びモリブデン以外の金属を表わす、請求項1〜22のいずれか1つに記載の方法。
  26. Xは、チタン、ジルコニウム、クロム、シリコン、ニオビウム、白金、錫、ビスマス、ルテニウム及びパラジウムから選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記三元合金UMoXの質量含有率は、多くとも6%、そして、好ましくは、多くとも4%である、請求項25又は請求項26に記載の方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか1つに記載されている準安定γ相のウランを基にして及びモリブデンを含む合金の粉末を調製するための方法の実装を含む、核燃料を製造するための方法。
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