JP2014503967A - リチウムバッテリー用電極 - Google Patents

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Abstract

正極バインダー若しくは負極バインダーが、セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体を包含するか、又はそれらから成る正極若しくは負極、並びに正極及び負極、殊にバッテリー電極を製造するための、セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体の使用。

Description

本出願は、DE102010061485.8の優先権を主張する。
優先権書類は、参照によって本開示内容に全面的に取り込まれている。
本出願で引用した全ての文献は、参照によって本開示内容に全面的に取り込まれている。
本発明は、バッテリー電極及び該電極を使用したリチウムバッテリーの環境への優しさの改善、バッテリー正極及びバッテリー負極を製造するための環境に優しい製造法、並びにこれらのコンポーネントの1つ以上を有するバッテリーに関する。
殊に本発明は、セルロース、有利には天然セルロース、及び/又はイオン性液体に溶けるセルロース誘導体を有するリチウムバッテリー用電極、これらの電極の製造法並びに該電極の使用に関する。
従来技術:
携帯用電子デバイス、例えばパーソナルデジタルアシスタンツ(PDA)、移動電話及びノートブック型コンピューターの需要はますます高まってきている。同様に、これらの携帯用デバイスを一層コンパクトに、薄くて軽く設計する必要性が増してきている。すでに非常に大規模かつ継続的に成長してきているこの市場に加えて、ハイブリッド駆動系の自動車が、非常に進歩した開発段階にあり、そして今まで以上にますます使用されてきているように思われる。それに従って、これらのデバイスに電流を供給するバッテリーは、これらのデバイスの一層重要なコンポーネントになりつつある。殊にリチウムバッテリーは、これまで、かかる携帯用デバイスの主電源として使用されてきており、そしてハイブリッド、プラグインハイブリッド(コンセントでもバッテリーの充電が可能)及び完全電気式自動車用の電力供給の唯一の手段として見なされ、それというのも、該リチウムバッテリーは非常に軽量であり、かつ高いエネルギー密度を有しているからである。
リチウムバッテリーは、なかでも、正極活物質、負極活物質及びセパレーターを包含する。US5,837,015、US5,635,151からは、例えば、リチウムバッテリーのために使用されることができる正極活物質及び負極活物質が公知である。リチウムバッテリー用の正極活物質は、リチウム含有の遷移金属酸化物、例えばLiCoO2、LiMnO2、LiNiO2及び二成分若しくは三成分化合物(LiCo(1-x-y)NixMny2)、カルコゲン化合物、例えばMoS2、及び金属リン酸塩、例えばLiFePO4から構成されていてよい。これらの化合物は層状結晶構造を有しているので、リチウムイオンは可逆的にこれらの構造に挿入/脱離されることができる。この理由から、これらの化合物は、リチウムバッテリー用の正極活物質としてしばしば用いられる。
負極活物質は、金属リチウムであってよいが、しかし、その場合、針状のリチウムデンドライトがリチウムの表面で成長する可能性がある。これは、リチウムがバッテリーの充填/放電プロセスの間に繰り返し溶解及び再析出されるために起こり得る。結果的に、針状のデンドライトは、放電/充填効率に悪影響を及ぼし、そして場合によっては、それどころか正極との接触による内部短絡を引き起こす可能性がある。これらの問題を対処するために、負極物質として、可逆的にリチウムイオンを挿入及び脱離する物質が使用されることができる。この物質は、リチウム合金、金属粉末、黒鉛状物質若しくは炭素含有物質、金属酸化物又は金属硫化物であってよい。
バインダーは、粉末状電極材料を集電体に結着させるために、そしてシート状電極を形成するために必要である。
今まで、リチウムバッテリー電極及びセパレーターは、合成製造されたポリマーPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEO(ポリエチレンオキシド)、PPO(プロピレンオキシド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PS(ポリスチレン)、SBR(スチレンブタジエンゴム)及び他多数が、そのつど単独で又はこれらの物質の混合物の形で使用しながら製造されていた。それにも関わらず、これまでPVdF(フッ化ポリビニリデン、それ自体又はコポリマーとして、この場合、通常はPVdF−HFP、ここで、HFPはヘキサフルオロプロピレンである)が、断然最も頻繁に使用されるバインダーであった。これらのバインダーのほとんどは、揮発性有機溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の使用を要するが、これらはヒトにとって有毒であり、およそ環境に優しいといったものではない。その結果、製造プロセスが非常に複雑となり、かつ装置に関して非常に高い費用が必要となる。これらの問題に対処するために、日本特開平5−74461は、スチレンブタジエンゴム(SBR)系バインダー及びカルボキシメチルセルロース(CMC)系バインダーを使用した負極活物質からの水性スラリーの製造法を開示している。この場合、水が溶媒として用いられる。US2005074669A1は、さらに、CMCバインダーにおけるカルボキシル置換が、このバインダーを使用して作製された負極を用いて製造されたリチウムバッテリーの性能に及ぼす影響を開示している。
カルボキシルメチルセルロース若しくはCMC、セルロース骨格のヒドロキシル基のいくつかに結合しているカルボキシルメチル基(−CH2−COOH)を有するセルロース誘導体は、セルロースとクロロ酢酸とのアルカリ触媒による反応によって製造されている。しかしながら、この方法は高価であり、また毒性化学物質の使用を要する。
これに対してセルロースは、化学処理を要しない(その植物源の残分を分離することを除き)環境に優しいバインダーである。セルロースは、地上で最も豊富に存在する有機化合物である。植物物質全体の約33%がセルロースである(木綿中では90%、また木材中では50%)。そして、これは、ほぼすべての植物から取得されることができる。
課題:
本発明の課題は、従来技術の欠点を回避することである。殊に、粉末状の負極物質及び/又は正極物質用の環境に優しいバインダー、並びにこれらのバインダーを用いた負極及び正極の製造法が見出されるべきである。
解決:
この課題は、正極バインダー又は負極バインダーが、セルロース、有利には天然セルロース、及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体を包含するか、又は該セルロース、有利には天然セルロース、及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体から成る、正極又は負極、それらの製造法、並びに正極及び負極、殊にバッテリー電極を製造するためのバインダーとしての天然セルロースの使用によって解決される。
用語の定義:
本発明によれば、全ての量の値は、別段の記載をしていない限り、質量値と解される。
本発明によれば、"室温"との用語は、20℃の温度を意味する。温度の値は、別段の記載をしていない限り、摂氏温度(℃)である。
別段の記載をしていない限り、例示した反応若しくは工程段階は、標準圧力/大気圧、すなわち1013mbarで実施される。
本発明によれば、"複合材料"との用語は、材料の物理的及び/又は化学的な混合物若しくは化合物である。
"イオン性液体"との用語は、本発明によれば、もっぱらカチオンとアニオンとから成る液体と解される。これらは100℃を下回る低い融点を有する。該イオン性液体は、室温で実質的に蒸気圧を有さない。関与したイオンの大きさ及び対称性が、その際、丈夫な結晶格子の形成を妨げる。それゆえ、僅かな熱エネルギーですら、格子エネルギーに勝り、かつ密な結晶構造を破壊するのに足りる。殊に、本発明によれば、イオン性液体は、−10〜80℃の温度、殊に室温で液体であるものと解される。
本発明によれば、"天然セルロース"との用語は、本発明に従って用いることも可能な全合成で製造されたセルロースとは異なり、非常に多岐にわたる天然起源、殊に木綿、亜麻、苧麻、竹材、藁、細菌、木材、バガス由来のセルロースと解される。
詳細な説明:
本発明は、セルロースがバインダーとして用いられている正極及び負極を製造するための環境に易しい製造プロセス、並びにこれらのコンポーネントの全て又はいくつかを有するリチウムバッテリーに関する。本発明は、殊に、バッテリー電極を製造するためのバインダーとしての天然セルロースの使用に向けられている。天然セルロースは、その際、完全に再生可能なイオン性液体に溶解される。セルロース系の電極スラリーが、電子を誘導する基材に塗布された後、該イオン性液体は、補助溶媒としての水(又はC1〜C5−アルコール)を使用した転相プロセスによって除去される。結果的に、バッテリー電極を、環境を破壊する易揮発性有機化合物(揮発性有機化合物−VOC)の併用を必要とせずに製造することができる。これらのコンポーネントは、際立った特性を有するリチウムバッテリーを製造するために使用されることができる。
それに従って、本発明の対象は、天然セルロースがバインダーとして用いられている正極及び負極、有利には、これらのコンポーネントを有するバッテリー電極並びにバッテリー、殊にリチウムバッテリーである。
本発明の対象はまた、それに従って、
a)天然セルロースを、
i) 完全に再生可能なイオン性液体に溶解させるか、又は
ii) 完全に再生可能なイオン性液体の混合物に溶解させるか、又は
iii) 少なくとも1種の完全に再生可能なイオン性液体と水との混合物に溶解し、
b)その後、このセルロース系の電極スラリーを、電子を誘導する基材、殊に集電体箔に塗布するか、又は集電体格子若しくは集電体フォームに練り込み、
c)該イオン性液体を、補助溶媒としての水(若しくは天然アルコール)を使用した転相プロセスによって除去する、正極及び負極、殊にバッテリー電極の製造法である。
完全に再生可能とは、本発明によれば、イオン性液体が、専門分野で慣用の措置、例えば濾過、蒸留等によって、別の物質から分離され、そして少なくとも90質量%、有利には少なくとも95質量%、殊に有利には少なくとも98質量%で、少なくとも90%、有利には少なくとも95%、殊に有利には少なくとも98%の純度において(ここで、純度とは、イオン性液体ではない他の材料に対するイオン性液体の含量に関する)回収されることができる。
本発明の対象は、さらに、正極及び負極、殊にバッテリー電極を製造するためのバインダーとしての天然セルロースの使用である。
意想外にも、本発明によれば、天然セルロースがバインダーとして用いられているバッテリー正極及びバッテリー負極は、セルロースが、リチウムバッテリーの電圧範囲内において比較的不安定であると見なされていた複数のOH基を持っているにも関わらず、慣用のバインダーを用いて製造されたバッテリー正極及びバッテリー負極とまさに同等に機能することが見出された。
本発明による負極及び正極は、技術水準の特性を有し、しかし、付加的により簡単なリサイクル可能性の利点を有するバッテリー、殊にリチウムバッテリーを製造するために使用されることができる。それというのも、該バインダーは、バッテリーのライフサイクルの終わりに電極の熱分解によって除去されることができるからである。セルロースの熱分解は、製造に際して、環境にとって害にならない二酸化炭素と水とを単に生じる。
本発明の1つの実施態様は、バインダーとしてセルロースを有するリチウムバッテリー正極及び負極を包含する。さらに、本発明は、別の実施態様において、上記リチウムバッテリーコンポーネントの1つ又は双方を有するリチウムバッテリーを包含する
本発明の有利な側面においては、リチウムバッテリーコンポーネント中で使用されるセルロースバインダーは、イオン性液体(イオン性液体の混合物又はイオン性液体と水の混合物)に溶解させ、そして水(又はアルコール)を補助溶媒として用いる転相プロセスによって析出させることによって製造される。
本発明の1つの実施態様において、リチウムバッテリー正極は、正極を形成する物質とセルロースを使用して製造される。
本発明による正極板は、天然セルロースを、イオン性液体又はイオン性液体の混合物又はイオン性液体と水との混合物に溶解させることによって製造されることができる。
バインダーの溶解後、正極活物質及び場合により導電性物質が加えられ、そして撹拌することによって正極スラリーが得られる。次いで、該スラリーは、集電体箔に塗布され、その際、該箔は、有利には、アルミニウム箔、ニッケル箔、チタン箔、ステンレス鋼箔、炭素でコーティングされたアルミニウム箔、炭素でコーティングされたニッケル箔、炭素でコーティングされたチタン箔、炭素でコーティングされたステンレス鋼箔から成る群から選択される、金属箔、導電性プラスチック箔又は炭素でコーティングされた金属箔若しくは導電性プラスチック箔であってよい。該箔に塗布されたスラリーは、次いで転相プロセスに供され、その際、水が補助溶媒として、イオン性液体を正極コーティングから除去するために使用される。イオン性液体は非常に親水性であり、かつコーティングされた電極を水に浸すとイオン性液体は水相に移動する。
さらに、本発明の1つの変形例においては、有利には、メタノール、エタノール、プロパノールの全ての異性体、ブタノールの全ての異性体、ペンタノールの全ての異性体及びそれらの混合物から成る群から選択されるC1〜C5−アルコールが補助溶媒として、水の代わりに又は水と一緒に使用可能である。
転相プロセスとは、コーティングされた正極を脱イオン水に導くことである。
その際、コーティングされた電極は水相に沈められ、そこでイオン性液体が、その高い親水性に基づき水に移動する。
転相プロセスは周知であり、ここで詳しく説明する必要はなく、そのため、例えばDu Pasquier et al.,2000,Solid State Ionics 135,249〜257又はDE102008041477A1に適用例が見つけられる。
このプロセスは何度も繰り返されることができる。イオン性液体は、水溶液を濾過(転相プロセスの際に形成された可能性のある固体粒子を除去するため)に供し、引き続き水を、殊に回転蒸発器の使用によって蒸発させることによって、該水溶液から完全に再回収されることができる。
該イオン性液体の除去後、コーティングされた正極は乾燥させられ、正極板が形成される。
殊に、正極を形成する物質は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を包含するが、しかし、それに限定されていない正極活物質、及び導電性物質を含有してよい。
導電性物質として、有利には、導電性カーボンブラック、黒鉛又は金属ベースの、特に有利には、黒鉛、ニッケル、アルミニウム、チタン及びそれらの混合物から成る群から選択される、バッテリーにおいて通常用いられる当業者に公知の全ての導電性物質が用いられることができる。
本発明によれば、有利には正極活物質は、
リチウム複合酸化物、有利には式Liwxyzv(式中、A、B、Cは、Mn、Co、Ni、Mg、Zn、Cu、Ga、Al、Cr、Ge、Sn、Nb、Ta、V及びTiから成る群から選択されており、w、x、y、z=0〜1、x+y+z=1かつv=0〜3)で示されるもの、
リチウム複合リン酸塩、有利には式Liwxyz(PO)4(式中、A、B、Cは、Fe、Co、Ni、Mn、Mg、Zn、Cu、Ga、Al、Cr、Ge、Sn、Nb、Ta、V及びTiから成る群から選択されており、w、x、y、z=0〜1、x+y+z=1)で示されるもの、
リチウム複合ケイ酸塩、有利には式Li2wxyz(SiO)4(式中、A、B、Cは、Co、Ni、Mn、Mg、Zn、Cu、Ga、Al、Cr、Ge、Sn、Nb、Ta、V及びTiから成る群から選択されており、w、x、y、z=0〜1、x+y+z=1)で示されるもの、
単一物質の硫黄(硫黄元素)、
Li2n(式中、n≧1である)が溶解している、有利には、Li2S、Li22、Li24、Li26、Li28及びそれらの混合物から成る群から選択されるカソード液、
有機硫黄、有利にはCx2xS(式中、1≦x≦5である)、
並びに(C2xy(式中、2.5≦x≦20かつy≧2)、
臭素、ヨウ素及びそれらの混合物
から成る群から選択されていてよい。
本発明の特に有利な1つの変形例においては、正極活物質はLiFePO4である。
本発明の1つの変形例において用いられることができる更なる正極物質は、従来技術において通常用いられるものである。
そうして、例えば、M.Pasquali,S.Passerini及びG.PistoiaによるScience and Technology of Lithium batteries,Kluwer Academic Publishers 311,Chapter 11には、以下のものが挙げられる:
LiMn2-xx4(式中、x=0.5)、LiNiO2、LiCoO2、LiCo1-x-yNixy2、LiMn24、Li1+yMn2-xx4、LiMnO2、LixMn1-yy2、Li[LixyMn1-x-y]O2、LiFePO4、Mnスピネル、LixMnO2、Lixyz、硫黄、多硫化物、FeS2
本発明に従ったリチウムバッテリー正極集電体(正極板)は、バッテリー中で化学的に反応性ではない、すべての任意の電子伝導体から構成されていてよい。
例えば、集電体は、ステンレス鋼、Ni、Al、Ti又はCから製造されていてよい。ステンレス鋼の表面には、C、Ni、Ti又はAgが付着されていてよい。
有利には、負極集電体は、アルミニウム又はアルミニウム合金、有利にはアルミニウムから成っていてよい。
セルロースバインダーの量は、全体の正極組成物を基準として、0.1〜40質量%、有利には1〜35質量%、特に有利には5〜25質量%の範囲内にあってよい。この場合、全体の正極組成物は、正極活物質、導電性物質及びセルロースバインダーを包含してよい。
本発明の更なる実施態様においては、負極を形成する物質及びセルロースを使用してリチウムバッテリー負極が製造される。
負極板は、天然セルロースをイオン性液体又はイオン性液体と水の混合物に溶解させることによって製造されることができる。
バインダーの溶解後、負極活物質及び場合により導電性物質が加えられ、撹拌によって負極スラリーが製造される。次いで、該スラリーは箔に塗布され、その際、該箔は、有利には、銅箔、ニッケル箔、ステンレス鋼箔、炭素でコーティングされた銅箔、炭素でコーティングされたニッケル箔、炭素でコーティングされたステンレス鋼箔から成る群から選択される、金属箔、導電性プラスチック箔又は炭素でコーティングされた金属箔若しくは導電性プラスチック箔であってよい。
塗布されたスラリーは、次いで、共用媒としての水を使用して、転相プロセスに供され、イオン性液体が負極コーティングから除去される。
さらに、本発明の1つの変形例においては、有利には、メタノール、エタノール、プロパノールの全ての異性体、ブタノール全ての異性体、ペンタノールの全ての異性体及びそれらの混合物から成る群から選択されるC1〜C5−アルコールが補助溶媒として、水の代わりに又は水と一緒に使用可能である。
転相プロセスとは、コーティングされた負極を脱イオン水に導くことである。
その際、コーティングされた電極は水相に沈められ、そこでイオン性液体は、その高い親水性に基づき水に移動する。
このプロセスは何度も繰り返されることができる。イオン性液体は、水溶液を濾過(転相プロセスの際に形成された可能性のある固体粒子を除去するため)に供し、引き続き水を、殊に回転蒸発器の使用によって蒸発させることによって、該水溶液から完全に再回収されることができる。該イオン性液体の除去後、コーティングされた負極は乾燥させられ、負極板が形成される。
殊に、負極を形成する物質は、炭素含有物質及び導電性物質を包含してよい負極活物質を包含してよいが、しかし、それに限定されていない。
導電性物質として、有利には、導電性カーボンブラック、黒鉛又は金属粉末若しくは金属ウィスカーベースの、特に有利には、黒鉛、ニッケル、アルミニウム、チタン及びそれらの混合物から成る群から選択される、バッテリーにおいて通常用いられる当業者に公知の全ての導電性物質が用いられることができる。
本発明によれば、負極活物質は、有利には
− 炭素含有物質、例えば天然黒鉛、合成黒鉛、コークス、炭素繊維、
− Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Ti、及びそれらの混合物から成る群から選出される、Liと合金を形成してよい元素、
− Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Ti、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の元素を有し、リチウムと合金を形成してよい化合物、
− Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Ti、炭素から成る群から選択される2種以上の元素から成る複合化合物、
− リチウム含有の亜硝酸塩、
− リチウム複合酸化物、有利には式Liwxyzv(式中、A、B、Cは、Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Ti及び混合物から成る群から選択されており、w、x、y、z=0〜1、x+y+z=1かつv=0〜3)で示されるもの、
− リチウム複合バナジン酸塩、有利には式Liwxyz(VO)4(式中、A、B、Cは、Al、Si、Sn、Ag、Bi、Mg、Zn、In、Ge、Pb、Ti及び混合物から成る群から選択されており、w、x、y、z=0〜1、x+y+z=1)で示されるもの、
又はそれらの混合物
から成る群から選択される。
本発明に従ったリチウムバッテリー負極集電体は、バッテリー中で化学的に反応性ではない、すべての任意の電子伝導体から構成されていてよい。例えば、集電体は、ステンレス鋼、Ni、Cu、Ti又はCから製造されていてよい。ステンレス鋼の表面には、C、Ni、Ti又はAgが付着されていてよい。
殊に、負極集電体は、銅又は銅合金、殊に銅から製造されていてよい。セルロースバインダーの量は、全体の負極組成物を基準として、0.1〜40質量%、有利には1〜35質量%、特に有利には5〜25質量%の範囲内にあってよい。これに関連して、全体の負極組成物は、負極活物質、導電性物質及びセルロースバインダーを含む。
殊に、セルロースのための溶媒は、本発明によれば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートであってよい(本発明によればEMIAcとも略記される)が、しかしながら、それに限定されない。この目的のために使用可能な別のイオン性液体は、殊にEMI+2PO2 -並びにすべての1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムアセテート化合物である。
本発明の1つの変形例において使用可能な化合物の例は、DE102005017715A1、DE102005062608A1、DE102006042892A1、WO2008/119770A1に見つけられる。
以下では、本発明に従ったリチウムバッテリーの製造法が記載される。
本発明によるリチウムバッテリー中で用いられるリチウム塩は、リチウムイオンの形成下で有機溶媒に溶解する、すべての任意のリチウム化合物から成っていてよい。
該リチウム化合物は、本発明によれば、有利には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiN(CF3SO22)及びそれらの混合物から成る群から選択される。
リチウム塩の濃度は、本発明によれば、1リットル当たり0.5〜2モルの範囲内にあってよい。該リチウム塩の濃度がこの範囲外にある場合、イオン伝導率は不所望にも低い可能性がある。かかる無機塩を有する有機電解質溶液が、リチウムイオンが1つの流方向に流れる経路として機能し得る。
本発明の枠内で適した電解質溶液の有機溶媒は、有利には、ポリグリコールエーテル、オキソラン、カーボネート、2−フルオロベンゼン、3−フルオロベンゼン、4−フルオロベンゼン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン又はそれらの混合物から成る群から選択されることができる
ポリグリコールエーテルは、ジエチレングリコールジメチルエーテル(C3(OCH2CH22OCH3)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(C25(OCH2CH22OC25)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(CH3(OCH2CH23OCH3)、トリエチレングリコールジエチルエーテル(C25(OCH2CH23OC25)及びそれらの混合物から成る群から選択されていてよい。
ジオキソランは、1,3−ジオキソラン、4,5−ジエチルジオキソラン、4,5−ジメチルジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4−エチル−1,3−ジオキソラン及びそれらの混合物から成る群から選択されていてよい。
カーボネートは、メチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート及びそれらの混合物から成る群から選択されていてよい。
有機溶媒は、本発明の1つの変形例においては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合物であってよい。
本発明の1つの変形例においては、使用される溶媒の量は、従来型のリチウムバッテリーにおいて使用される量に相当するものであってよく、有利には、リチウム塩の濃度は、溶媒1リットル当たり0.5〜2.0モルである。
セパレーターは、本発明によれば、リチウムバッテリーにおいて通常使用される、すべての慣用のセパレーターから成っていてよい。該セパレーターは、電解質中でのイオンの移動に対する抵抗が少なく、かつ高い保液能力を有するべきである。該セパレーターは、例えば、ガラス繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース又はこれらの物質からの組合せ物から成る群から選択されることができ、これらは織布若しくは不織布の形で存在してよい。殊に、該セパレーターは、有機溶媒に対して反応性の低いポリエチレン及び/又はポリプロピレン製の多孔質メンブレンから構成されていてよい。
セパレーターは、バッテリーが組み立てられる前に、一方若しくは双方の電極に任意の方法で塗布される高分子電解質であってもよい。殊に、該高分子電解質は、通常は電極板用のバインダーとして用いられる、マトリックスを形成するポリマー樹脂から成る。例えば、該マトリックスを形成するポリマー樹脂は、カルボキシルメチルセルロース、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン−コポリマー、フッ化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシド及びこれらの物質のすべての任意の組合せ物から構成されていてよい。
該マトリックスを形成するポリマー樹脂は、さらにフィラーを、高分子電解質の機械的強度を高めるために有してよい。該フィラーは、有利には、二酸化ケイ素、カオリン又はアルミニウムから成っていてよい。さらに、該マトリックスを形成するポリマー樹脂は、通常の可塑剤を、これが所望されている場合には有してよい。
本発明に従って使用可能な電極(負極、正極)は、慣用のリチウムバッテリー、例えば一次バッテリー、二次バッテリー及び硫黄バッテリーにおいて使用されることができる。本発明に従った電極は、任意に形作られたリチウムバッテリー、例えば円筒形、矩形、ディスク形状又は他の構造の形で使用されることができるが、しかし、それに限定されていない。
本発明は、バインダーとして天然セルロースを使用してバッテリーコンポーネント(正極、負極)を作製するための、環境に優しく、低コストの製造法を可能にする。これらのコンポーネントを使用して製造されたリチウムイオン二次バッテリーは、合成バインダー、例えばPVdF又はCMCを使用して製造された相応のバッテリーと比較して突出した性能を示す。
本発明によれば、従来のリチウムバッテリー製造において適用される、環境を破壊する有機溶媒及び方法が、非揮発性の、完全に再回収可能なイオン性液体及び環境に優しい水に代えられる。
本発明により製造されたリチウムバッテリーは、それに従って、携帯用電子デバイス、例えば移動電話、PDA及びノートブック型コンピューター、それに電気自動車用の電源として幅広く使用されることができる。
付加的に、該リチウムバッテリーの使用は、装置の安全性及び長期寿命を保証する。
本発明によれば、リチウムイオンセルの公知の構成要素を有する自体公知の二次バッテリー用に新規のバインダーが見出された。公知のセパレーター材料及び公知の電解質を有する公知のセル配置で用いられる公知の粉末状の電極混合物(正極及び負極並びに導電性向上剤の、かつ公知の担体物質に結着させるための公知の活物質から成る)用の唯一のバインダーは、セルロース及び/又はイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体、有利にはセルロース、殊に有利には天然セルロース(これらは、公知の方法でイオン性液体に溶解させられる)から成る。これらの溶液を用いて電極ペーストが製造され、かつ担体物質に塗布される。しかしながら、従来行われていた有機溶媒の蒸発の代わりに、イオン性液体が転相によって電極から除去される。
本発明の種々の実施態様、例えば、いくつかの従属請求項の実施態様(しかし、それだけに縛られない)は、その際、任意に互いに組み合わせられることができる。
これから本発明を、以下の実施例を引き合いに出して説明するが、本発明はそれらに制限されない。
例1及び2で説明したようなセルロース系のバッテリーコンポーネントの製造法を示す図 リチウム金属セル内での、例1に記載した通り製造したセルロース系の正極の性能を示す図(上のグラフは、20サイクルにわたった電極の容量を示し、下のグラフは、一般的なリチウム挿入/脱離サイクル中の電圧プロファイルを示す) リチウム金属セル内での、例2に記載した通り製造したセルロース系の負極の性能を示す図(上のグラフは、20サイクルにわたった電極の容量を示し、下のグラフは、一般的なリチウム挿入/脱離サイクル間の電圧プロファイルを示す) 例1及び2からのコンポーネントを用いて製造したリチウムバッテリーセルの性能を示す図(上のグラフは、20サイクルにわたったバッテリーの容量を示し、下のグラフは、一般的な充電/放電サイクル間の電圧プロファイルを示す)
例1:
次の例は、本発明によるリチウムバッテリー正極の製造法に関する。セルロース0.04gを、EMIAc(BASF)1.56gに溶解させた。LiFePO4(Sued Chemie)1.0g及び導電性炭素(導電性カーボンブラック)Ketjen Black(Akzo Nobel)0.107gを、EMIAcに溶かした該セルロース溶液に加えた。この混合物を撹拌し、そして均一なスラリーを得た。このスラリーを、アルミニウム箔にブレード塗布した。塗布したスラリーの厚みを0.05mmに調整し、かつ塗布速度を毎秒100mmに調整した。200cm2のコーティング面積を得た。コーティングしたアルミニウム箔を、水の中に入れて30分間そのまま放置して、EMIAcを抽出した。その後、このアルミニウム箔を、空気中で20℃で2時間のあいだ、それから60℃で6時間のあいだ乾燥させて、正極板を得た。水溶液は濾過し、水を蒸発させ、EMIAcを完全に回収した。
例2:
次の例は、本発明によるリチウムバッテリー負極の製造法を示す。セルロースをバインダーとして使用した。セルロース0.05gを、EMIAc(BASF)1.95gに溶解させた。負極活物質として黒鉛SLP30(TiMCAL)1.0g及び導電性炭素(導電性カーボンブラック)Super P(TiMCAL)0.05gを、EMIAcに溶かした該セルロース溶液に加えた。この混合物を撹拌し、そして均一なスラリーを得た。このスラリーを、銅箔にブレードによって塗布した。塗布したスラリーの厚みを0.05mmに調整し、かつ塗布速度を毎秒100mmに調整した。200cm2のコーティング面積を得た。コーティング箔を、水の中に入れて30分間放置して、EMIAcを抽出した。その後、この箔を、空気中で20℃で2時間のあいだ、それから60℃で6時間のあいだ乾燥させて、負極板を得た。水溶液は濾過し、水を蒸発させ、EMIAcを完全に回収した。
例3:
次の例は、本発明によるセルロース系の正極を使用したリチウム金属バッテリーの製造法を示す。正極ディスク(直径12mm、同じく正極板とも呼ぶ)を、例1に記載の通り製造した正極箔から切り出した。
リチウム金属負極を、市販のリチウム箔(Chemetall)から切り出した。
12mmの不織布ガラス繊維ディスク(Whatman)を、セパレーターとして使用した。該セパレーターを、正極板と負極板(リチウム)との間に配置した。この電極アセンブリをT字形のバッテリーケースに組み込み、続けて非水系電解質溶液液を注入し、それから該ケースを封止し、リチウムイオン二次バッテリーを得た。
該非水系電解質溶液は、50:50の質量比のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とからの混合物に溶解したLiPF6の1モル溶液から成っていた。
例4:
次の例は、例1及び2に記載の通りに得られた本発明のバッテリーコンポーネントを使用したリチウムイオンバッテリーの製造法を示す。正極ディスク(直径12mm、正極板とも呼ぶ)を、例1に記載したような正極箔から切断した。これと同じように、例2に記載しているような負極箔から負極板を切り出した。両電極を、オーブンで90℃にて10時間のあいだ乾燥させた。
12mmの不織布ガラス繊維ディスク(Whatman)を、セパレーターとして使用した。該セパレーターを、正極板と負極板(リチウム)との間に配置した。この電極アセンブリをT字形のバッテリーケースに組み込み、続けて非水系電解質溶液を注入し、それから該ケースを封止し、リチウムイオン二次バッテリーのプロトタイプを得た。
該非水系電解質溶液は、50:50の質量比のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とからの混合物に溶解したLiPF6の1モル溶液から成っていた。

Claims (8)

  1. 正極バインダー又は負極バインダーが、セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体を包含するか、又は該セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶ける該セルロース誘導体から成る、正極又は負極。
  2. 前記バインダーが、セルロース、有利には天然セルロースであることを特徴とする、請求項1記載の正極又は負極。
  3. 前記セルロースバインダーの量が、正極の全組成物又は負極の全組成物を基準として0.1〜40質量%、有利には1〜35質量%、特に有利には5〜25質量%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 正極及び負極の製造法であって、
    a)セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体を、
    i) イオン性液体、有利には完全に再生可能なイオン性液体に溶解させるか、又は
    ii) イオン性液体、有利には完全に再生可能なイオン性液体の混合物に溶解させるか、又は
    iii) イオン性液体、有利には完全に再生可能なイオン性液体と水との混合物に溶解し、
    b)その後、このセルロース系の電極スラリーを、適した基材に塗布し、
    c)該イオン性液体を、補助溶媒としての水(若しくはアルコール)を使用した転相プロセスによって除去する、該正極及び負極の製造法。
  5. 前記バインダーが、セルロース、有利には天然セルロースであることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. イオン性液体として、EMIAc、EMI+2PO2 -、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムアセテート化合物及びそれらの混合物から成る群から選択されるイオン性液体を用いることを特徴とする、請求項4又は5記載の方法。
  7. 正極及び負極、殊にバッテリー電極を製造するための、セルロース及び/若しくはイオン性液体にのみ溶けるセルロース誘導体のバインダーとしての使用。
  8. 前記バインダーが、セルロース、有利には天然セルロースであることを特徴とする、請求項7記載の使用。
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