JP2000100439A - 結着剤、それを用いた積層体並びにリチウム二次電池 - Google Patents

結着剤、それを用いた積層体並びにリチウム二次電池

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JP2000100439A
JP2000100439A JP10270206A JP27020698A JP2000100439A JP 2000100439 A JP2000100439 A JP 2000100439A JP 10270206 A JP10270206 A JP 10270206A JP 27020698 A JP27020698 A JP 27020698A JP 2000100439 A JP2000100439 A JP 2000100439A
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binder
carbon
carbon powder
solvent
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Hiroyuki Takemoto
博之 武本
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム二次電池において、金属製集電体と
炭素粉末含有層との密着性を改善し、充放電に対する耐
久性を向上させる。 【解決手段】 導電性薄膜(集電体)上に、リチウムイ
オンを吸蔵放出可能な炭素粉末と結着剤とを含有する炭
素含有層を積層してリチウム二次電池の電極を作製する
際、結着剤としてセルロースを用い、導電性薄膜と炭素
含有層との密着性を改善する。前記結着剤としてのセル
ロースは、通常、再生セルロースである。結着剤の割合
は、炭素粉末100重量部に対して0.1〜10重量部
程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極材料としての
炭素粉末を結着するための改良された結着剤(電極用結
着剤又は結合剤)を用い、充放電に対する耐久性を向上
させるのに有用な積層体及びそれを電極として用いたリ
チウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、エネルギー密度が
高く、しかも水の分解電圧を考慮する必要がないため高
電圧化が可能であるなどの利点を有する。そのため、ニ
ッケル−カドミウム二次電池の代わりに、リチウム電池
が、二次電池の主流として、携帯端末、コードレス家庭
電気機器、ノート型パーソナルコンピューターなどのバ
ッテリーなどとして用いられている。
【0003】一方、リチウム二次電池の電極材料として
は、サイクル寿命の向上を図るべく、樹枝状の電析リチ
ウムの成長による内部短絡の虞のない炭素粉末、例え
ば、コークス、黒鉛、有機物の焼成体などのリチウムイ
オンを吸蔵及び放出可能な炭素粉末が提案されている。
このような炭素材を用いて電極を作製する場合、炭素粉
末と、結着剤としてのPVdF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等とを
有機溶液と混練してスラリー化し、電極集電体上に塗布
し、乾燥固化する方法が採られる。なお、特開平7−1
92722号公報には、酢酸セルロースを炭素材の結着
剤として使用すると、充放電を繰り返した後の電池容量
の低下を改善できることが記載されている。
【0004】しかしながら、従来の結着剤は、炭素粉末
同士の結着性には優れているものの、高価である上に、
集電体(通常、銅製集電体が用いられる)との密着性が
劣る。そのため、電極の成型加工時の応力や充放電の繰
り返しにより集電体からの炭素粉末の脱落などの原因
で、電極の歩留が低かったり、電池の使用の際に電池容
量が次第に低下し、充放電に対する耐久性が十分でな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、導電性薄膜との密着性に優れた結着剤、導電性薄膜
と炭素粉末含有層とが高い密着力で積層された積層体お
よびそれを用いたリチウム二次電池を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、さらに充放電サイク
ルに対する耐久性を改善できる結着剤、積層体およびそ
れを用いたリチウム二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、通常、電極
集電体に用いられる導電性薄膜(金属箔など)の表面が
酸化による水酸基を有しており、多くの水酸基を有する
物質と水素結合により強く相互作用することに着目し、
前記課題を達成するため鋭意検討の結果、結着剤として
セルロースを用いると、炭素粉末と共に導電性薄膜(金
属箔など)に対する密着性を改善できることを見出し、
本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の結着剤は、導電性薄膜
上に、炭素粉末と結合して炭素含有層を形成するための
結着剤であって、セルロースで構成されている。また、
本発明の積層体は、導電性薄膜の少なくとも一方の面に
炭素含有層が積層された積層体であって、炭素含有層が
前記結着剤を含有している。このような積層体は、リチ
ウム二次電池の電極を構成するのに有用である。すなわ
ち、本発明のリチウム二次電池は、正負電極のうち少な
くとも一方の電極が、導電性集電体と、この導電性集電
体の少なくとも一方の面に積層され、かつリチウムイオ
ンを吸蔵放出可能な炭素粉末と結着剤とを含有する炭素
含有層とで形成されたリチウム二次電池であって、前記
電極が前記積層体で形成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用する炭素粉末の種類
は特に制限されず、電極材として利用可能な種々の炭素
材が使用できる。炭素粉末としては、樹枝状の電析リチ
ウムの成長による内部短絡のおそれがなく、しかもリチ
ウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な炭素粉末が
望ましい。このような炭素粉末としては、例えば、コー
クス、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素材、
有機物(ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリア
クリロニトリルなど)の焼成体などが例示できる。
【0010】炭素粉末の平均粒径は、例えば、0.1〜
200μm、好ましくは1〜100μm(例えば、2〜
80μm)程度の範囲から選択できる。
【0011】本発明の特色は、炭素粉末の結着剤(結合
剤)としてセルロースを用いる点にある。セルロースと
しては、針葉樹、広葉樹などの木材セルロース、葉セル
ロース、コウゾ、ミツマタなどの茎セルロース、モメン
リンターなどの種子毛セルロース、再生セルロースなど
のセルロースが使用できる。
【0012】セルロースの粘度平均重合度は、特に制限
されず、例えば、10〜7000、好ましくは50〜6000、さら
に好ましくは100 〜5000程度である。これらのセルロー
スは単独でまたは二種以上組合せて使用できる。
【0013】このようなセルロースは、溶剤に溶解又は
分散媒(水など)に分散させて使用できる。すなわち、
セルロースの溶液又は分散液に、炭素粉末を混練して分
散させてスラリーを調製し、得られた炭素粉末の分散液
を、導電性薄膜(面状導体)に塗布し、溶剤の種類に応
じた沈殿剤を作用させるか、または溶剤若しくは分散媒
を乾燥により除去し、セルロースを固化させることによ
り、炭素含有層と導電性薄膜とが密着した積層体を得る
ことができる。なお、導電性薄膜の表面には、洗浄処
理、表面処理(酸処理など)などを施してもよい。
【0014】セルロース溶液の溶剤は特に限定されず、
種々の溶剤が使用可能であり、例えば、次のような溶剤
が例示できる。
【0015】(1)ホルムアルデヒド系溶剤 ホルムアルデヒドと、スルホキシド類、アミド類および
アンモニア又は有機塩基(アミン類など)から選択され
た少なくとも一種の化合物とで構成された溶剤系、例え
ば、ホルムアルデヒド/ジメチルスルホキシド(DMS
O)系溶剤、パラホルムアルデヒド(PF)/DMSO
系溶剤、PF/N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)系溶剤、PF/N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)系溶剤、PF/ピリジン系溶剤など (2)クロラール系溶剤 クロラールと、有機塩基(アミン類など)、スルホキシ
ド類およびアミド類から選択された少なくとも一種の化
合物とで構成された溶剤系、例えば、クロラール/ピリ
ジン系溶剤、クロラール/DMSO/アミン系溶剤、ク
ロラール/DMF/アミン系溶剤、クロラール/DMA
C系溶剤、クロラール/DMF/ピリジン系溶剤など (3)亜硫酸ガス(SO2 )/有機塩基系溶剤 SO2 /DMSO/アミン系溶剤など (4)ニトロシル化合物(NO−X)系溶剤 N2 4 /DMSO系溶剤、N2 4 /DMF系溶剤、
2 4 /DMAC系溶剤、NOC1/DMSO系溶
剤、NOC1/DMF系溶剤、NOC1/DMAC系溶
剤など (5)塩化リチウム系溶剤 塩化リチウム/DMAC系溶剤、塩化リチウム/1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)系溶剤な
ど (6)アミンオキシド系溶剤 N−メチルモルホリン−N−オキシド(MMNO)溶
剤、トリエチルアミン−N−オキシド溶剤、MMNO/
DMF系溶剤、MMNO/水系溶剤、MMNO/N、N
−ジメチルエタノールアミン−N−オキシド系溶剤など (7)銅/アンモニア系溶剤、銅/有機塩基系溶剤(銅
/エチレンジアミン系溶剤など) (8)その他の溶剤 塩化亜鉛、ロダン塩など また、セルロースを溶解するその他の方法としては、予
めセルロース誘導体を調製し、このセルロース誘導体を
溶媒に溶解し、炭素粉末を混練し、分散させ、得られた
スラリーを導電性薄膜に塗布した後、溶剤の種類に応じ
た適切な沈澱剤を作用させるか、又は溶剤を蒸発させる
ことによりセルロースを含有する炭素含有層を形成でき
る。
【0016】なお、セルロースは、セルロース付加化合
物などのセルロース誘導体、例えば、アミンセルロース
(アンモニアセルロース、有機塩基との付加化合物)、
アルカリセルロース、無機酸(リン酸、硫酸、塩酸、過
塩素酸など)とのクネヒト化合物、セルロースキサント
ゲン酸塩、セルロースエステル類(セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート、セルロースベンゾエート、セル
ロースフタレートなどの有機酸エステル、リン酸セルロ
ースなどの無機酸エステルなど)などとして用いてもよ
い。
【0017】セルロース溶液又はセルロース誘導体の種
類によっては、導電性薄膜上に形成されたセルロースが
依然としてセルロース誘導体の形態である場合がある。
このような場合には、さらに、脱誘導体化してセルロー
スを再生させればよい。セルロースの再生は慣用の方法
で行うことができ、例えば、セルロースアセテートの場
合には、N−メチルピロリドンに溶解した後に、炭素粉
末を混練し、得られた分散液を、導電性薄膜に塗布した
後、N−メチルピロリドンを除去し、アンモニア蒸気を
作用させて脱アセチル化する方法などによりセルロース
を再生できる。
【0018】また、セルロースの分散液では、分散状態
を高めるため、例えば、セルロース材料として、酸など
の作用により得られる微結晶セルロース、酢酸菌により
生産されるバクテリアセルロース、セルロースパルプの
高速剪断により得られるミクロフィブリル化セルロース
などを用いるのが好ましい。
【0019】セルロースは、必要により、他の結着剤と
併用してもよい。このような結着剤としては、例えば、
フッ素系樹脂[PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、P
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PCTFE
(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリビ
ニルフルオライド)、PFA(テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、P
ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体)など]、ポリカプロラクトングラフト化セルロース
アセテートなど)、糖類似体のエステル(アセチルグル
コサミン、アセチルガラクトサミン、アセチルコリンな
ど)、フッ化黒鉛などをが例示できる。
【0020】結着剤は、さらに、種々の添加剤、例え
ば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤な
ど)、難燃剤、帯電防止剤、接着向上剤(カップリング
剤など)、架橋剤などを含有してもよい。
【0021】セルロースを含有する結着剤(バインダ
ー)は、導電性薄膜(又はシート状導体)との密着性を
向上でき、炭素材を用いた電極(例えば、リチウム電
池、特にリチウム二次電池用電極)を形成するための結
着剤又は結合剤として有用である。
【0022】本発明の積層体は、導電性薄膜(金属箔な
ど)の上に炭素粉末を結着剤にて密着又は結合させた構
造を有しており、炭素粉末は、通常、結着剤と共に炭素
含有層を形成している。炭素粉末含有層が積層される導
電性薄膜(シート状又はプレート状導体)としては、電
池を形成した場合に集電体として作用するため電荷移動
が容易であり、かつ成型性の高い有機又は無機導体(集
電体)、特に導電性金属薄膜(銅箔、アルミニウム箔な
どの金属集電体)が望ましい。導電性薄膜の厚みは特に
制限されず、例えば、0.01〜1mm程度の範囲から
選択できる。
【0023】本発明では、セルロースを含有する結着剤
を用いることにより、炭素粉末同士の結着性を高めるこ
とができるとともに、導電性薄膜(導体)に対する炭素
含有層の密着性を改善できる。このことは、セルロース
が分子内に水素結合可能な水酸基を多く有しており、電
極製造過程での電極に対する応力や、充放電サイクルで
生じるリチウムイオンの吸蓄や放出、および温度変化に
よる粉末含有層や導体の変形が生じたとしても、応力を
緩和し、炭素含有層と導体との剥離や脱落を防止でき、
密着性の低下を抑制するものと考えられる。
【0024】結着剤の割合は、炭素粉末100重量部に
対して、0.1〜10重量部、好ましくは1〜8重量
部、さらに好ましくは2〜8重量部程度である。結着剤
の量が少な過ぎると炭素粉末同士の結着力及び集電体と
の密着力が低下し、多過ぎると炭素粉末量の減少に起因
する充放電容量の低下、及び充放電サイクルに対する耐
久性の低下が生じやすくなる。
【0025】炭素含有層は、導電性薄膜(面状導体)の
少なくとも一方の面に形成すればよく、通常、導体の両
面に炭素含有層を形成できる。各炭素含有層の厚みは特
に制限されず、例えば、1〜300μm、好ましくは5
〜200μm程度の範囲から選択でき,通常、5〜18
0μm程度である。
【0026】このような積層体は、電池(特にリチウム
二次電池)の電極(例えば、負極)として有用である。
このリチウム二次電池は、正負電極のうち少なくとも一
方の電極が、リチウムイオンを吸蔵放出することが可能
な炭素粉末を結着剤により金属製集電体に密着させた電
極で形成されている。
【0027】図1はリチウム二次電池の一例を示す概略
断面図である。この電池は、互いに対向する正極1及び
負極2、これらの両電極間に介在して離間するためのセ
パレータ3、正極1に接続された正極リード5、負極2
に接続された負極リード4、正極外部端子6、および負
極外部端子7などを備えている。前記正極1及び負極2
は、非水系電解液が注入又は含浸されたセパレータ3を
介して、螺旋状(又は渦巻き状)に巻き取られた状態で
ケース内に収容されている。正極1は正極リード5を介
して正極外部端子6に接続され、また負極2は負極リー
ド4を介して負極外部端子7に接続されており、電池内
部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部
へ取り出し可能である。
【0028】本発明の積層体は前記正極および負極のう
ち少なくとも一方の電極として利用できる。前記積層体
を正極として利用する場合、対極の負極活物質として
は、Li金属、金属カルコゲン化合物などが使用でき、
積層体を負極として利用する場合、対極の正極活物質と
しては、金属酸化物(LiCoO2 ,LiNiO2 ,L
iMnO2 ,LiMn2 4 など),層状構造を有する
金属カルコゲン化合物,導電性高分子などが利用でき
る。なお、正極などの電極は、前記導体(導電性金属薄
膜など)に限らず、導電剤(黒鉛、フッ化黒鉛、アセチ
レンブラック、二酸化マンガンなど)と活物質と結着剤
とを含有する組成物を成形したり、前記導体上に前記組
成物を塗布することにより形成してもよい。
【0029】電解質としては、通常、リチウム塩、例え
ば、LiBF4 、LiClF4 、LiPF6 、LiCl
4 などが使用でき、電解液の非プロトン性溶媒として
は、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルオキ
ソランなどが使用できる。セパレータとしては、イオン
透過性膜、例えば、ポリプロピレン製微多孔膜などのオ
レフィン系多孔質膜などが利用できる。
【0030】 本発明の電池の形状やサイズは特に制限さ
れず、例えば、円筒形、扁平型、角型、ボタン型などの
種々の形状の非水系電池に適用できる。
【0031】
【発明の効果】本発明では、結着剤がセルロースを含む
ので、成型加工時の応力に強く、充放電を繰り返し行っ
ても、炭素粉末含有層と集電体との密着性が低下した
り、炭素粉末が集電体から脱落するのを防止でき、充放
電の繰り返しに対する耐久性を向上できる。そのため、
長期間に亘り安定した電池特性を維持できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではない。
【0033】実施例1 [正極の作製]正極活物質としてのLiCoO2 90重
量部と、導電剤としての人造黒鉛5重量部と、結着剤と
してのポリフッ化ビニリデン5重量部を含有する5重量
%N−メチルピロリドン溶液とを混練してスラリーを調
整し、このスラリーを正極集電体としてのアルミニウム
箔の両面に、ドクタープレード法により塗布し、150
℃で2時間真空乾燥して正極を作製した。
【0034】[負極の作製]塩化リチウムを8重量%含
有する塩化リチウム/DMAC混合液に、粘度平均重合
度が200である再生セルロースをセルロースとして加
え、100℃に保ち3時間攪拌することにより、セルロ
ース含量3.5重量%の溶液140重量部を調製した。
【0035】このセルロース溶液と、黒鉛粉末(結晶構
造:d002 =0.335nm;Lc>100nm)95
重量部とを混練してスラリーを調製し、このスラリーを
負極集電体としての銅箔の両面に、ドクタープレード法
により塗布し、この銅箔(厚み約35μm)を50℃の
温水浴に浸漬し、塩化リチウム及びDMACが完全に除
去されるまで水洗した。その後、150℃で2時間真空
乾燥することにより、炭素含有層(厚み約100μm)
を有する積層体を作製した。この積層体は負極として用
いた。
【0036】[電解液の調製]エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等量(容量比1:1)混合溶
媒にLiPF6 を溶かして、1モル/リットルの電解液
を作製した。
【0037】[電池の組立]このような正負両極及び電
解液を用いて、図1に示す構造を有するAAサイズ(単
3型)の本発明電池を組み立てた。なお、セパレータと
してイオン透過性のポリプロピレン性の微多孔膜を用い
た。
【0038】比較例1 負極の作製において、再生セルロース溶液に代えて、ポ
リフッ化ビニリデン5重量部、N−メチルピロリドン1
400重量部からなる溶液を用い、150℃で2時間真
空乾燥することによりN−メチルピロリドンを除去し、
積層体(負極)を作製する以外、実施例と同様にして電
池を組み立てた。
【0039】[積層体の密着性評価]実施例および比較
例で得られた積層体について、JIS K 5400に準
じて炭素粉末含有層と金属箔との密着性を、下記の碁盤
目法、碁盤目テープ法、鉛筆手かき法で評価した。
【0040】碁盤目法:試験片に縦横1mm間隔に、新
しい刃先のカッターナイフで金属箔に達する深さの碁盤
目状の切り傷を付け、炭素粉末含有層の付着状態を目視
により以下の評価点を基準として評価した。
【0041】10点:切り傷が細くて両側が滑らかであ
り、切れ傷の交点、碁盤目の正方形の目に剥れがない 8点:切り傷の交点に僅かな剥れがあり、碁盤目の正方
形の1目1目には剥れがなく、欠損部の面積は碁盤目の
全正方形面積の5%以下である 6点:切り傷の両側と交点に剥れがあり、欠損部の面積
は碁盤目の全正方形面積の5〜15%である 4点:切り傷による剥れの幅が広く、欠損部の面積は碁
盤目の全正方形面積の15〜35%である 2点:切り傷による剥れの幅が上記「4点」の評価より
もひろく、欠損部の面積は碁盤目の全正方形面積の35
〜65%である 0点:剥れ部分の面積は、碁盤目の全正方形面積の65
%以上である 碁盤目テープ法:碁盤目法と同様にして碁盤目状の切り
傷をつけ、碁盤目上に幅24mmのセロハン粘着テープ
を長さ50mmで貼付け、消しゴムで擦って積層体に粘
着テープを密着させ、1〜2分後にセロハン粘着テープ
を積層体から垂直方向に引き剥がし、碁盤目上の炭素粉
末含有層の付着状態を、上記碁盤目法と同様の基準で評
価した。
【0042】鉛筆手かき法(鉛筆硬度):JIS S
60062規定された各種濃度の鉛筆を用意し、木部の
み削り、円柱状の芯を3mmほど露出させる。400番
の研磨紙に芯を直角に当てて、先端が平らで角の鋭い円
柱状に研磨する。鉛筆を約45°の角度で持ち、積層体
表面に芯が折れない程度に強く押し付け、約1cm押出
して表面に傷をつける。一回ごとに芯を磨ぎ、5回試験
を行う。塗膜の破れが1回以下のときは、濃度の薄い鉛
筆に取替えて同様の試験を行う。塗膜の破れが2回以上
になる鉛筆より1つ濃度の濃い鉛筆の濃度記号を評価結
果とした。
【0043】結果を表1に示す。表1に示される通り、
本発明の積層体は、比較例と比較して、高い密着強度を
有しており、炭素粉末の脱落が極めて少ない。
【0044】
【表1】
【0045】[各電池の充放電サイクルに対する耐久
性]実施例および比較例の電池について、200mAで
4.2Vまで充電した後、200mAで放電終止電圧
2.75Vまで放電する工程を1サイクルとする充放電
サイクル試験を行い、各電池の充放電サイクル特性を調
べた。
【0046】表2に各電池の1サイクル目の放電容量及
び500サイクル目の放電容量を示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2に示すように、本発明の電池は、比較
例の電池に比べ、充放電サイクルの進行に伴う放電容量
の低下が小さい。このことは、セルロースを結着剤とし
て用いることにより、炭素粉末含有層と金属箔(銅製集
電)との密着性が向上し、充放電サイクルの進行に伴う
炭素粉末含有層の銅製集電体からの脱落を防止できたた
めと推定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で作製した電池を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…正極 2…負極 3…セパレータ 4…負極リード 5…正極リード 6…正極外部端子 7…負極外部端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B32B 7/02 104 B32B 7/02 104 Fターム(参考) 4F100 AA37B AJ05B AS00B BA02 DE01B GB41 JG01A JK06 JL00 JM02A YY00B 4J040 BA021 HA026 KA03 LA01 LA06 LA09 MA01 NA19 5H029 AJ11 AK03 AK05 AK06 AK07 AK16 AL04 AL06 AL07 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ12 DJ07 DJ08 EJ11 HJ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性薄膜上に、炭素粉末と結合して炭
    素含有層を形成するための結着剤であって、セルロース
    を含有することを特徴とする結着剤。
  2. 【請求項2】 再生セルロースを含有する請求項1記載
    の結着剤。
  3. 【請求項3】 導電性薄膜の少なくとも一方の面に炭素
    含有層が積層された積層体であって、炭素含有層が請求
    項1又は請求項2記載の結着剤を含有する積層体。
  4. 【請求項4】 炭素含有層が、炭素粉末100重量部に
    対して結着剤0.1〜10重量部を含む請求項3記載の
    積層体。
  5. 【請求項5】 正負電極のうち少なくとも一方の電極
    が、導電性集電体と、この導電性集電体の少なくとも一
    方の面に積層され、かつリチウムイオンを吸蔵放出可能
    な炭素粉末と結着剤とを含有する炭素含有層とで形成さ
    れたリチウム二次電池であって、前記電極が請求項3又
    は4記載の積層体で形成されているリチウム二次電池。
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